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【RIZIN48】キム・スーチョル解剖─02─最強の兄弟子イ・ユンジュン「スーチョルが負ける可能性は…」

【写真】病に倒れ、僅かキャリア13戦11勝2敗で引退を強いられたイ・ユンジュンはスーチョルのまさにブレインだ(C)MMAPLANET

29日(日)、埼玉県のさいたまスーパーアリーナで開催されるRIZIN48で、キム・スーチョルが井上直樹とRIZINバンタム級王座決定戦を戦う。
Text by Manabu Takashima

RIZINを舞台にその実力を日本のファンに見せつけるスーチョルだが、彼にはイ・ユンジュンという欠かせない兄弟子が存在している。元Road FCバンタム級王者イ・ユンジュンは、KTTからコリアンゾンビMMAを経てRoad Gym Wonju=Team Forceに合流し、若き日のスーチョルと切磋琢磨しあった。

技術的には明らかにスーチョルより優れていたユンジュン。病により絶頂期を迎える前に現役生活から身を引くことになった悲運はファイターは、スーチョルのRIZIN及びRoad FCでの躍進に欠かせないキーパーソンであることは間違いない。

MMAPPLANETではこの兄弟子を現地取材──キム・スーチョル徹底解剖第2弾イ・ユンジュン編をお伝えしたい。


──個人的にイ・ユンジュンこそK-MMA史上、一番のウェルラウンダーだったと思っています。同じバンタム級にはキム・スーチョルがおり、スーチョルはユンジュンと比べる荒くて勢いのある選手でした。そんなスーチョルのことをユンジュンはいつ頃から知っていたのでしょうか。

「もともと2人ともウォンジュ出身なので高校生の時から知っていました。違うジムだったのですが、キム・スーチョルというもの凄く強い子がいるということを聞いていました」

──4歳年下のスーチョルのことを高校生の時から知っていたのですね。

「ハイ、その頃から知っていましたね。彼がジョン・ムンホン代表の下で練習をしていて、自分はゴンクウォンユスル(空拳柔術)を習っていた頃ですね」

──デビューの年も同じですが、ユンジュンがKTTから独立したジョン・チャンソンの指導を受けてRoad FCで戦うようになった時にはスーチョルは、既にONEを舞台に海外でキャリアを積んでいました。やはりジムの力の差というのはあったと思いますが、同じバンタム級で年下の同期のシンガポールにおける活躍をどのように感じていましたか。

「当時、自分はまだRoad FCでデビューしたばかりの選手で、ONEで活躍していたスーチョルは自分よりずっと良い選手、素晴らしい選手だと思っていました」

──ちょっと変わった人間だなとは(笑)。

「まだ親しい仲ではなかったのですが、若いのにハゲているのが印象的でしたね(笑)」

──アハハハ。その後、ユンジュンがRoad FCバンタム級王者になり、スーチョルがONEから戻ってきた時に、日本を凌駕しつつあった韓国のMMAはこの両者が担って行くと感じました。そして、この2人が戦えばどのような試合になるのだろうと。当時、スーチョルのことはライバル視していたのでしょうか。

「スーチョルと戦ったらどうなるのか。そこは、本当に良く考えていました。打撃戦だと自分が少し有利で、レスリングになると互角。なので、かなり面白い試合になるんじゃないかと想像はしていました」

──打撃は自身の方が上というのは、当時のスーチョルは粗かったということでしょうか。

「当時を思い出すと、スーチョルの打撃はテイクダウンを取るための打撃でした。対して自分の打撃はキックボクシングを取り入れたダメージを与える、相手を倒す打撃でした」

──つまりは自分の方が強いと思っていたわけですね(笑)。

「もちろん。あの時はそう思っていました(笑)」

──Road FCではユンジュンがチャンピオン、スーチョルは海外勢と戦い再び国外を目指す。そのような構図だったと記憶していますが、両者が戦うというプランは存在していなかったのでしょうか。

「そうですね、自分ももうジョン・ムンホン代表に弟子入りして一緒に練習をするようになっていましたからね。ジョン代表が2人を戦わせることはないだろうと、スーチョルとも安堵していました。あの時は、もう同じチームのチームメイトでしたからね」

──いつ頃から練習を一緒にするようになっていましたか。

「自分がコリアンゾンビのジムを追い出されたのは、27歳の時でした。アハハハハ。ちょうど10年ぐらい前ですね」

Road FCフェザー級王者チェ・ムギョムとのチャンプ・チャンプでも勝利していたユンジュン

──タイトルを獲得したイ・ギルウ戦(2014年12月)。

そしてフェザー級王者とのスーパーファイト、チェ・ムギョム戦(2015年5月)の頃はもう一緒に練習していた?

「その通りです」

──対戦することがないなら、互いが強くなるために最高のトレーニングパートナーだったわけですね。

「親しいチームメイト。もう兄弟のようでしたね。自分自身、練習一本槍の生き方をしているつもりでしたが、スーチョルは練習一本鎗の上のレベルをいっていました」

──スーチョルの練習量はやはり尋常でなかったのでしょうか。

「あの時の自分の体力、スタミナはスーチョルから遅れを取っていました。スーチョルは練習量が半端でないので、そこは敵わなかったです」

──スーチョルも植毛をして、髪の毛が増えてきたころですね(笑)。

「ハゲているのは、男性ホルモンが溢れ出ているからという話がありますが、キム・スーチョルは確かに男性ホルモンの塊でした(笑)」

──スーチョルのことをハゲといえる人は、そうそういないかと(笑)。

「アハハハハ。血と涙を一緒に流していた仲間ですからね。自分たちはそういう間柄です」

──その後、ユンジュンはMMAを続けられなくなりましたが、アックジョンのジムを仕切るようになりました。その時点で、スーチョルとの練習はどのようになっていったのでしょうか。

「自分がRoad ジム・ロデオを任せるようになった5年前からで。その時から、今も毎週金曜日のプロ練習にスーチョルは来ています」

2016年5月、元UFCファイター=ジョージ・ループに1RTKO勝ちした試合が、ユンジュンにとって最後のMMAに。まだ27歳、これからがピークだったはず……

──ジムを任される前……2017年の終わりにスーチョルは一度、現役から退くことを表明しました。

実際に4年5カ月、MMAの試合に出場しなかったです。自らの意思でなく、病によってMMAが続けられなかったユンジュンからすると、あの引退宣言は複雑ではなかったですか。

「スーチョルをずっと見てきた自分からすると、彼は追い込み方が尋常ではなかったので『こんなことを続けていると、死んでしまう』という想いもあったんです。だからスーチョルが自ら引退を口にして、休息したことは本当に嬉しかったです。

スーチョルは自分から休むことが絶対にない。自分としては休むことに全く異論はなかったので、『しっかりと休め』という風な声を掛けていました」

──ではいずれガムバックすることは、既に分かっていた?

「もちろんです」

──その後も練習を続けてきたユンジュンですが、かつてしのぎを削っていた頃と、今のスーチョルの力量を比較してもらないでしょうか。

「自分は引退した人間です。選手でない立場なので、昔のスーチョルが懐かしいです。あの頃のスーチョルは獣のような荒いファイターでした。あのワイルドな一面が、魅力的でした。技術面では今の方がずっと上です。でも、自分としてはあの頃のスーチョルが懐かしいですね」

──成熟したという風に捉えることができるかと思います。荒々しかったスーチョルと、成熟したスーチョル。MMAファイターとして、どちらの方が強いですか。

「曖昧な答えになりますが、今のスーチョルの方が強いと断言できます」

──では奥さんと出会い、結婚して父親になったスーチョルのことを人としてどのように思っていますか。

「本当に大人になりました。もう人としては、スーチョルの方が先輩のようです。自分は子供が生まれたばかりですが、彼は子供をしっかりと育てています。家庭人として自分の先輩ですが、若かった頃も今もMMAへの情熱は一切変わりないです」

──3週間後に井上直樹選手と王座決定戦を戦うスーチョルとは、対策練習などをしているのでしょうか。

「普段と余り変わらないのですが、グラップリングに重きを置いて練習をしています。井上選手は全てにおいて優れた選手ですが、打撃やレスリング、そしてダーティーボクシングではスーチョルが圧倒できるはずです。それでも寝技では、一発で逆転される可能性は残っています。その可能性を無くすために、寝技のパーセンテージを高めた感じですね」

去年の10月、Road FCグローバルTで優勝したスーチョルを支えたユンジュン。その兄弟子にマスクを取って欲しいとリクエストすると、なぜかスーチョルが自らの口を手で覆ってしまう(笑)

──スーチョルのベルト奪取を信じて疑わない口振りですね。

「その通りです。井上選手は素晴らしいウェルラウンダーです。でも総合的に判断して、スーチョルが一枚上だと思います」

──一番のアドバンテージはどこだと思っていますか。

「スーチョルも自分と同じように自信を持っていると思いますが、クリンチをした時のダーティーボクシングがずば抜けて強いです。首相撲でヒザ、ボディアッパーで削ると、もう井上選手は思うように動けなくなるでしょう。そうさせることにスーチョルは秀でています。クリンチ、首相撲での打撃を使えば勝てます」

──世界最高峰で戦うイ・チャンホ、Road to UFCで最高峰を目指すユ・スヨンら韓国人バンタム級ファイターと比較して、スーチョルの実力はいかほどのモノだと思っていますか。

「イ・チャンホ選手も、ユ・スヨン選手も凄く成長しています。目に見えて強くなっている──良い選手だと思っています。ただ、完成度の高さではスーチョルに及ばないです。彼らに対してスーチョルは完成しています。鋼鉄のような硬いファイターになりかけています。そういう部分でもスーチョルの方が少し上だと思っています」

──ズバリ、試合の行方を占ってもらえますか。

「井上選手は凄くしつこい選手です。スーチョルが負ける可能性としては先ほども言いましたが、ラッキーパンチか一発逆転のサブミッションでしょう。この2つが現実とならなければスーチョルが判定勝ち、もしくは最終回にフィニッシュすることになるでしょう」


■RIZIN48視聴方法(予定)
9月29日(日)
午後2時00分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!

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45 AB MMA News o UFC   イ・チャンホ シャオ・ロン ジャレッド・ゴードン ニコラス・ダルビー リナット・ファクレトディノフ

『UFC on ABC 6: Whittaker vs. Aliskerov』スプリットデシジョンだった試合のジャッジの採点/主要サイトの採点



Nasrat Haqparast defeats Jared Gordon(MMA Decisions)

 ナスラット・ハクパラスト vs. ジャレッド・ゴードンのジャッジの採点。Mark CollettとSal D'Amatoが1,3Rハクパラスト、2Rゴードンで29-28ハクパラスト。Clemens Wernerが1Rハクパラスト、2,3Rゴードンで28-29ゴードン勝利でした。

 主要サイトの採点は29-28ハクパラスト支持2人、28-29ゴードン支持14人でした。


Rinat Fakhretdinov defeats Nicolas Dalby(MMA Decisions)

 リナット・ファクレトディノフ vs. ニコラス・ダルビーのジャッジの採点。Ben CartlidgeとDavid Lethabyが1,3Rファクレトディノフ、2Rダルビーで29-28ファクレトディノフ勝利。Anders Ohlssonが1Rファクレトディノフ、2,3Rダルビーで28-29ダルビー勝利でした。

 主要サイトの採点は30-27ファクレトディノフ支持2人、29-28ファクレトディノフ支持4人、28-29ダルビー支持7人でした。


Chang-Ho Lee defeats Xiao Long(MMA Decisions)

 イ・チャンホ vs. シャオ・ロンのジャッジの採点。Anders Ohlssonが1,3Rロン、2Rイで28-29ロン勝利。Vito PaolilloとClemens Wernerが1,3Rイ、2Rロンで29-29イ勝利でした。

 主要サイトの採点は29-28イ勝利7人、28-29ロン勝利4人でした。続きを読む・・・
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45 AB MMA MMAPLANET o Road to UFC UFC UFC ABC06 イ・チャンホ シャオ・ロン ボクシング

【UFC ABC06】馬力のシャオ・ロンに苦しんだイ・チャンホが、腹へのヒザでRoad to UFCバンタム級制す

<Road to UFCバンタム級決勝/5分3R>
イ・チャンホ(韓国)
Def.2-1:29-18.29-18.28-29
シャオ・ロン(中国)

既に新シーズンが始まっているRoad to UFCだが、サウジアラビアで前シリーズのバンタム級決勝戦が組まれた。シャオ・ロンの負傷で4カ月遅れで、拳を交えることとなったイ・チャンホ──両者が使用する赤いMMAグローブは、まだUFCファイターでないことを示している。

いきなり跳びヒザを見せたシャオ・ロン。一瞬、迷いが見られたようなイ・チャンホは左フックを放ち、動きを取り戻す。組んだシャオ・ロンがケージにイ・チャンホを押し込むが、体を入れ替えられヒザをボディに受ける。もう一度、押し込み返したシャオ・ロンがヒザ蹴りからエルボーを打ち込んで離れる。すぐにクリンチ戦に戻ると、シャオ・ロンがここでもエルボーを入れ、ヒザ蹴りのイ・チャンホをボディロックでテイクダウンする。

スクランブルでバックを譲らずにシングルを仕掛けたイ・チャンホだが、テイクダウンは奪えずケージに押し込まれる。シングルを切ったイ・チャンホは小手上げを切って、ヒザをボディに突き刺す。首相撲からヒザを2度決めたイ・チャンホだが、ダブルレッグを聞かれて残り1分に。離れぎわに左を当てたイ・チャンホは、シャオ・ロンのシングルを切りパンチからダブルレッグへ。シャオ・ロンはここもスプロールすると、近い距離でヒザを受けながら左フックを当てた。イ・チャンホは首相撲を続け、時間に。

2R、首相撲のイ・チャンホは左の蹴りでバランスを崩して、がぶりからケージに押し込まれる。離れて打撃の間合いでもシャオ・ロンがエルボーを決める。ケージ際から離れたシャオ・ロンが右ミドルハイをガードの上から蹴る。さらに右を入れたシャオ・ロンが、前に出てくるイ・チャンホにアッパーを決める。

馬力で上回るシャオ・ロンはイ・チャンホのスピングバックフィストをかわして、ダブルレッグでドライブ。イ・チャンホも倒れずに、体を入れ替えてボディにヒザを突き刺す。離れた両者、組んでダーティボクシングのシャオ・ロンは、首相撲&ヒザのイ・チャンホをテイクダウンし尻もちをつかせる。すぐに立ち上がったイ・チャンホは、テイクダウン狙いのシャオ・ロンのボディにヒザを続け、効かせてきたか。ヒザをついてダブルレッグでダメージを誤魔化したシャオ・ロンは、ケージに押し込まれ状態でラウンド終了を迎えた。

最終回、ポイントではリードを許しているであろうイ・チャンホだが、腹を効かせており逆転の目はある。この組んでの打撃戦から、シャオ・ロンがケージにイ・チャンホをおしこむ。鋭いヒザを続けるイ・チャンホはテイクダウン狙いを切り、逆に低い姿勢で組んでボディロック&小外掛けてでヒザを掴かせる。

立ち上がったシャオ・ロンだが、バックを許すとイ・チャンホが背中に飛び乗る。前方に落とそうとしたシャオ・ロンに対し、イ・チャンホは腕十字からアームロックへ。シャオ・ロンが腕を抜き、スクランブルから逆にバックをを取る。乗り過ぎのバッククラブも足をフック下シャオ・ロンが、胸を合わさないように動くと、イ・チャンホが立ち上がる。残り90秒、互いに疲弊したなかでのクリンチで、シャオ・ロンがエルボーを決める。

イ・チャンホはヒザ蹴りも、組まれてケージを背負う。ケージ中央でも首相撲、左右のフックを振るうイ・チャンホは相当に疲れている。シャオ・ロンは最後の10秒の打ち合いで2度右を決めてタイムアップに。ジャッジの裁定は割れ、イ・チャンホに凱歌が挙がった。

勢いはシャオ・ロンだったが、ヒザが評価されたか。「思った以上に強かったです。もっと強くなって戻ってきます。スタミナが強味だけど、もっとスタミナをつけて良い選手になります。作戦じゃなかったけど、クリンチが強いのでヒザを使いました」とRoad to UFCバンタム級ウィナーは話した。


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【UFC ABC06】ムイン・ガフロフ戦へ、UFC生活11年のカン・ギョンホ「スタミナ重視から効果的な戦い」

【写真】今年で37歳になるボディ!! (C)Zuffa/UFC

22日(土・現地時間)、サウジアラビアはリヤドのキングダム・アリーナでUFC on ABC06「Whittaker vs Aliskerov」が開催されカン・ギョンホが出場し、ムイン・ガフロフと戦う。
Text by Manabu Takashima

ミスター・パーフェクトの異名を取るカン・ギョンホがMMAでビューをしたのは2007年4月と、もう17年のキャリアを誇る。K-MMA界に定期的なイベントを維持できるプロモーションがほぼ存在しなかった時代に戦極、GLADIATOR、GRACHNなど日本でのファイトも経験している。

Road FCが旗揚げ後はバンタム級ファイターとして順調に経験を積み、バンタム級Tで優勝してベルト巻くとUFCと契約を果たした。それからもう干支が一回りしようという今も、カン・ギョンホはUFCで戦い続けている。ムイン・ガフロフ──を前に長いキャリアを続けられる要因と、変化するK-MMAについて尋ねた。


──今週末にムイン・ガフロフと対戦します。今の気持ちを教えてください(※取材は18日に行われた)。

「最高の状態で、ファイトに向かって気持ちがあがっています」

──サウジアラビアでの試合ですが、何かミドルイースト独特の空気感のようなモノはありますか。

「ホテルにいるだけなので、サウジアラビアっぽさっていうのは分からないです(笑)。ただヒジャブをつけた人が多いですね。その辺りに文化の違いは感じます。いずれにせよ、自分にとって初めての国での試合というのは楽しみでならないです」

──私がカン・ギョンホ選手を初めて取材させていただいたのは、まだRoad FCで戦っていた頃で12年も昔になるかと思います。が、容姿がほとんど変わっていないですね。

「そんなことはないです(笑)。すっかり年を重ねました。ただ変わっていないといってもらえると、嬉しいものです。普段から体に良い食事を摂り、しっかりと良い睡眠を心掛けています。もちろん、常に体を動かしていますし。でも、実は白髪が増えて……今回、初めて白毛染をしたんですよ(笑)」

──なるほどぉ!! ところで11年前にUFCとサインをしたとき、11年後もUFCで戦っていることが想像できていましたか。

「ファイトは私の仕事なので、キャリアをスタートさせた時から少しでも長く戦い続けようとは思っていました。そして、今もUFCに在籍しているということは、その目標を果たせているのかなとは思います。

MMAファイターがキャリアを積み重ねていくということは、それだけ厳しい時間を繰り返していることにもなります。練習と試合という日々に疲れを感じたこともあります。でも、試合の度に新しいモチベーションを得ることができたので、ずっと練習を続けることができました。そのモチベーションを見つける努力はしてきましたね。

何より練習をして、試合を戦うことで最高の気持ちになれます。特に勝った時は。それが今でも最高に楽しくて。MMAをエンジョイしていますし、何よりもMMAを続けることで家族と共に人生を歩んでいける。そこは誇りを感じています」

──最高です。と同時にカン・ギョンホ選手はフィジカルが強いレスラーで、アグレッシブなファイターです。とはいえ、今や周囲のファイターはどんどんフィジカルが強くなり、レスリング力の強さもデフォルトになっています。10年以上、UFCで戦ってきてスタイルにも変化が加わったのではないでしょうか。

「しっかりとレスリングに重点を置いたファイトは、今でも欠かせないと思います。ただ自分もキャリアを積み、背中のケガも経験しました。フィジカルを鍛えつつも結果として、戦い方を変えないといけなかったです。

それが打撃重視の戦いです。若い時のようにスタミナ勝負のようなファイトではなく、効果的な戦いを心掛けるようになりましたね」

──つまりムイン・ガフロフともスマートに戦うと。

「そうですね。ムイン・ガフロフはアグレッシブでタフな相手なので、賢く戦う必要があります。でも、彼よりもアグレッシブで爆発力のある試合をお見せますよ」

Black CombatかUFCか。それはファンが判断すること

──ところでK-MMA界も大きく変わったと思います。チームMADが小さなジムで、マットは汗がたまるような時代を知るカン・ギョンホ選手から若い世代に伝えたいことはありますか。

「今、韓国では凄く可能性のある若い選手が多く育ってきています。チームMADもそうです。とにかく必死に戦い、必死に練習をする。自分の限界に挑む姿を見せることで、彼らもやる気を出してくれると思っています」

──押忍。ところで今や韓国でも若い選手はSNSを駆使し、ケージ外でのエンターテイメント化が進んでいると思います。

「MMAはプロ産業です。私たちはファンの関心を引かなければならないです。それを自分自身でやっていることは、良いのではないでしょうか。トレンドを目指す。それは凄く自然なことで、プロとしても良いことだと自分は捉えています。もちろん、それ以前にしっかりと練習をすることが前提として存在しています。それ以外のことは、二の次です。そこが分かっていれば良いことです」

──Black Combatの取材をすると、試合後のマイクのやり取りが非常に長いです。それを若いファンが凄く楽しんでいる。あのシーンを目の当たりにすると、まさに隔世の感という言葉が思い浮かびます。

「つまりはファンが何を見たいのかっていうことなんですよね。試合時間よりも長いインタビューをファンが楽しんでいるなら、それはそれで正解です。MMAプロモーションはファンの見たいモノを提供するものです。Black Combatが見たいのか。UFCが見たいのか。それはファンの皆が判断することなんです」

──押忍。試合以外のことまで、しっかりと話してくれてありがとうございます。では最後に日本のファンに一言お願いします。

「自分は日本でも試合をしたことがありますし、日本人選手とはたくさん試合をしてきました。それでも日本の人たちは自分に声援をおくってくれます。また、いつの日か日本で戦いたいと思っています。いつも応援ありがとうございます」

■視聴方法(予定)
6月23日(日)
午前0時45分~ U-NEXT
■放送予定
6月23日(日・日本時間)
午前1時00分~UFC Fight Pass
午前0時45分~U-NEXT

■UFC ABC06対戦カード

<ミドル級/5分5R>
ロバート・ウィティカー(豪州)
イクラム・アリスケロフ(ロシア)

<ヘビー級/5分3R>
セルゲイ・パブロヴィッチ(ロシア)
アレキサンダー・ヴォルコフ(ロシア)

<ミドル級/5分3R>
ケルヴィン・ガステラム(米国)
ダニエル・ロドリゲス(米国)

<ミドル級/5分3R>
シャラブジン・マゴメドフ(ロシア)
アントニオ・トロッコリ(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
ジョニー・ウォーカー(ブラジル)
ヴォルカン・オズデミア(スイス)

<ライト級/5分3R>
ナスラ・ハクパレス(ドイツ)
ジャレッド・ゴードン(米国)

<フェザー級/5分3R>
ムハンマジョン・ナミモフ(タジキスタン)
フィリッピ・リマ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
リナット・ファクレトディノフ(ロシア)
ニコラス・ダルビー(デンマーク)

<バンタム級/5分3R>
ムイン・ガフロフ(タジキスタン)
カン・ギョンホ(韓国)

<ライトヘビー級/5分3R>
マゴメド・ガジヤスロフ(バーレーン)
ブレンジソン・ヒベイロ(ブラジル)

<Road to UFCバンタム級決勝/5分3R>
イ・チャンホ(韓国)
シャオ・ロン(中国)

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UFC on ABC6:オッズ/予想と展望

ロバート・ウィテカー 1.65
イクラム・アリスケロフ 2.30
セルゲイ・パブロビッチ 1.43
アレクサンドル・ボルコフ 2.90
ケルヴィン・ガステラム 1.41
ダニエル・ロドリゲス 3.00
ムハンマド・ナイモフ 1.77
フェリペ・リマ 2.10
ジョニー・ウォーカー 1.93
ヴォルカン・オーズデミア 1.89
シャラ・マゴメドフ -
アントニオ・トロコリ -
ナスラット・ハクパラスト 1.42
ジャレッド・ゴードン 2.95
リナト・ファクレトディノフ 1.28
ニコラス・ダルビー 3.80
カン・ギョンホ 2.36
ムイン・ガフロフ 1.62
マゴメド・ガジヤスロフ 1.32
ブレンドソン・ヒベイロ 3.50
セドリック・デュマ 1.44
デニス・トゥルーリ2.72
シャオ・ロン 1.87
イ・チャンホ 1.95

当初は3月に予定されていたサウジアラビア大会だが、「カードがショボい」というサウジアラビアサイドからのクレームにより、APEX開催に変更され、改めて6月に組み直されることになった経緯がある。3月のメインはジャルジーニョ・ホーゼンストライク vs. シャミル・ガジエフ。クレームが入るのも仕方ないか。

仕切り直しで組まれたカードはロバート・ウィテカー vs. MMA無敗で中東では絶大な人気を誇るハムザト・チマエフで、このカードならさすがに問題はない…と思われたが、試合1週間前に目玉のチマエフが体調不良によりまさかの欠場。これはある意味マクレガーの欠場より痛い。マクレガーと違い、チマエフは無敗で上り調子で、これからタイトルに挑んでいくであろう選手。ここで勝てば、8月のDDP vs. アデサニヤの勝者への挑戦が見えてくるところだったが。

代わってウィテカーと対戦するのは、本来先週試合が組まれていたアリスケロフ。ダゲスタン出身でコンバットサンボ世界王者。キャリアで唯一敗れた試合が、本来出場予定だったハムザト・チマエフ戦。昨年UFCデビューし、初戦はUFC4勝2敗のフィル・ハウズに1RKO。2戦目で現在ランキング4位まで上がったナッソーディン・イマボフ戦が組まれていたが、イマボフ欠場により階級下のワーレイ・アウヴェスとの対戦となり、またしても1RKO。先週にランカーのアンソニー・ヘルナンデスとの対戦が組まれていたが、ヘルナンデス欠場により、UFCデビュー戦の相手に変更となっていた。またしても意味がない試合になるところだったが、急遽ランキング3位の相手と戦う幸運を得た。

アリスケロフが勝った場合もタイトル挑戦のチャンスが回ってくる可能性がある。一方、ウィテカーはランク外の相手に勝ったところでタイトル戦へのアピールにはならないし、損しかないカードなのに良く受けた。

UFCでは2戦とも2分少々でKO勝ちしており、実力の底が見えない。当然レスリングに自信を持っており、UFCデビュー戦で勝った後は全米レスリング王者のボー・ニッカルとどちらのレスリングが上か勝負しようと挑発したこともあった。しかしコンテンダーシリーズでの試合では、意外とテイクダウンに苦労する場面があった。結局2分すぎにテイクダウンを奪うと、得意のキムラを極めて一方的に勝利したが、ウィテカー相手にテイクダウンから立たせず攻めることができるかどうか。

ウィテカーKO勝ちと予想。

第1試合では、昨年のRoad To UFCシーズン2のバンタム級勝戦がようやく実施される。当初は2月に予定されていたが、シャオ・ロンの怪我で流れていた。シャオ・ロンは一回戦で野瀬、準決勝で上久保と日本人相手に僅差判定勝ち。イ・チャンホはキャリアの13勝すべてがフィニッシュ勝利。準決勝ではテイクダウンを奪われる展開から、3R相手が消耗し、パウンドで逆転KO勝ちしている。

第1試合開始は16日午前1時(15日25時)。速報します。

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【Road to UFC2024】松井、小崎、透暉鷹、野瀬、安藤、河名、原口、本野。MMAPLANET調べRTU出場選手

【写真】(C)MMAPLANET

5月18日(土・現地時間)&19日(日・同)に中国は上海のUFC PIで開催されるRoad to UFC2024。UFCから正式発表がないが、選手及びマネージメント関連から確認が取れている日本人出場選手と対戦相手を纏めてみた。
Text by Manabu Takashima

アジアでは唯一のUFCへの公式ルート=Road to UFC。しかし、選手の選考基準は曖昧で、3度目の開催を迎える今回も多くの出場希望選手がやきもきしてきた。3月31日を選考の〆とする。4月3日が中国のビザ取得のためにタイムリミット。選ばれた選手はビザ取得のため即連絡が入るが、選考に漏れた選手は連絡がないことで不出場を意味する──などなど、今年も情報が錯そうしまくっていた。

また本来UFCはカードの正式発表等のリリースは通常はなく、選手やマネージメントの自己発信に任されている。対して日本国内はプロモーションとメディアのなかでオフィシャル発表を待つという慣例が存在している。Road to UFC出場メンバーの公式発表がなかなか行われないのは、ビザ取得など選手の顔触れが変更されることなども考慮されているという話も伝わってくるが、そのような状況下で選手個人や出場していた団体が公にするケースも出てきた。ここではソースが明らかでない選手を除き、MMAPLANETが選手及びマネージメントに出場の確約があることの確認を取れた選手について言及したい。


【フライ級】
松井斗輝
対戦相手ルエル・パナレス

Grachanでデビューしンクラスでキャリアを積んできたTHE BLACKBELT JAPAN所属の松井が、昨年の鶴屋怜に続き同ジムよりも出場権を得た。キャリア6勝1敗の24歳、伊藤盛一郎や福田龍彌が選外となったことを考えると、このレコードと若さは今のUFCが欲しているゾーンにいるということだろう。

(C)BRAVE CF

松井の対戦相手はフィリピンのルエル・パナレスだ。

レコードは松井と同じく6勝1敗。松井が初めて海外で戦うのに対し、パナレスはUAEWでUAE、BRAVE CFでバーレーンとインドネシアでの試合を経験してきた。ゴリゴリのテイクダウン・ファイター=ムハンマド・サロハイディノフとの敗北から再起戦がUFCを賭けた戦い。スタイル的に初戦以降の対戦相手、つまりは他の出場選手が気になるところだ。

そのフライ級では日本でも一部で猛烈に注目されていたチェ・ドンフンの出場も決まった。

韓国のDouble GFCフライ級王者で、GLADIATORフライ級王座決定トーナメント準決勝出場を決めていたチェ・ドンフンもUFC行きを賭けた戦いにステップアップ。

堅実な戦いができるフィニッシャーの初戦の相手は、前回の準優勝者チーニョーシーユエだ。

エンボー・ファイトクラブ出身、UFC PI所属の中国MMA界のエリートコースを行くチーニョーシーユエと、韓国海軍出身のイケメン=これは興味深い顔合わせとなる。

【バンタム級】
透暉鷹
対戦相手キム・キュソン

小崎連
対戦相手ダールミス・チャウパスゥイ

野瀬翔平
対戦相手ユ・スヨン

Road to UFC出場を狙い、フェザー級からバンタム級に落とした透暉鷹は、昨年のクリスマスイブに河村康博を初回肩固めで斬って落とし、パンクラス二階級制覇を果たした。

大手エージェントとの契約もなく、所属ジムの代表がコーチング修行で得た人脈からの出場権獲得。透暉鷹の意思の強さと周囲の向上心と合致しての挑戦となる。

透暉鷹の初戦の相手は、韓国のキム・キュソンだ。母国ではTOP FC、そして日本、ONEでキャリアを積んできた元Evolve MMAファイターだ。キャリア12勝5敗でHEATで加マーク納、春日井たけし、TOP FCでNavE、ONEで藤沢彰博、若松佑弥と日本人選手との対戦も多い。×日本勢の戦績は3勝2敗で透暉鷹としては、当然遅れを取ることはできない

そんなキム・キュソン、一番最近の試合で魔のNAIZA FCでカザフスタン人選手に勝っているのが不気味だ。

意外というと失礼だが、小崎の選出には驚かされた。KROSS X OVERとDEEPで活躍中の小崎は戦績6勝0敗2分で、フィニッシュが5つの22歳。

彼もまたUFCが求めるゾーンのファイターといえる。

その小崎と相対するのは、昨年の準決勝でイ・チャンホに敗れたダールミス・チャウパスゥイ。とはいえ、イ・チャンホを序盤は圧倒したテイクダウン能力の高さは、小崎が未経験の世界といえる。カザフスタン国境ウィグル出身のフィジカルモンスター超えなるか──小崎のフレッシュさに期待だ。

小崎以上のサプライズは3年連続出場となった野瀬だろう。

これまで準決、初戦敗退も2月のRIZIN LANDMARKで改めて国内バンタム級のトップクラスである強さを見せつけた野瀬。

対するは一時はDEEP、Black Combatとアジア3カ国のバンタム級を制したユ・スヨンだ。UFC行きが掛かっていなくとも、興味深いマッチアップといえるタフファイト。当然、野瀬としてはグラウンドに持ち込めば、勝機が増す。その一方で、ユ・スヨンもれっきとした柔術黒帯で、しっかりとMMAに適合した寝技を持つ。それでも野瀬としては組み技勝負、いかに自分の庭に持ち込み、その庭での力比べとなる。

【フェザー級】
安藤達也
対戦相手チュウ・カンチエ

河名マスト
対戦相手ソン・ヨンジェ

原口伸
対戦相手ホン・ジュンヨン

(C)ONE

昨年3月のONE FFのアリ・モタメド戦の逆転勝利もチャトリCEOに評価されず、昨年のRoad to UFCのオファーを蹴っても安藤のONE本戦出場はならなかった。

この間、コンテンダーシリーズからのオファーもあった安藤が、34歳にして最後の挑戦に挑む。

その行く手を阻もうとするのは中国のチュウ・カンチエだ。レコードは18勝4敗の28歳。中国国内でしか試合をしておらず、実力を推し量るのが困難な相手だ。昨年7月に20秒で勝利している韓国のイ・ミンヒョクはパン・ジェヒョクにスプリット判定負け、工藤諒司にも判定負けをしているファイターで、中国人ファイターはもう強くて当たり前という想いで戦う必要がある。

デビュー戦、LFA、GLADIATORフェザー級王座決定トーナメントと躓く度に力をつけてきた河名マストも、いよいよ盟友・中村倫也の背中が見えていた。

特にパン・ジェヒョクとの連戦で競り負けから、完勝と河名は自身のポテンシャルを最大限に使うことができるようになった。対するソン・ヨンジェは6勝0敗5つのKO勝ちと1つの一本勝ちを誇るフィニッシャーだ。全て試合をAngel’s FCで戦い、バンタム級とフェザー級の王座を獲得している。

豪腕ファイターのソン・ヨンジェだが、一時期4年近いブランクもあり、ここ2試合は秒殺で組み力に関しては判断材料が少ない。ともあれ一発で試合を終らせる力を持つソン・ヨンジェを相手に、河名がいかにオアシスに突っ走れるのかに勝負は掛かってくるだろう。

また前回のライト級決勝でロン・チュウに敗れ、キャリア初黒星を喫した原口伸も、ビザ取得ギリギリの段階でオファーがきた。Road to UFCファイナルに敗れた後は、そのまま本戦出場という交渉もあった原口だが、適正体重のフェザー級での出場は今後のことを考えると──それでも簡単ではないが、好判断と思われる。

対する対戦相手のホン・ジュンヨンは2022年の初戦で松嶋こよみに接戦の末敗れている選手だ。その後はマーシー・グローブTVとインドネシア人ファイターを破り、Angel’s FCライト級王座を奪取──も、現状の力は測定が難しい。とはいえ簡単な相手でないことは明らかで、松嶋戦でも見せた様にタフファイトになった時の心の強さを原口は凌駕しなければならない。

【女子ストロー級】
本野美樹
対戦相手フォン・フェイアール

今年からライト級でなく女子ストロー級が実施されることとなり、日韓有数の女子ファイターに声がかかるなか、日本では出場を固辞する選手もあったようだが、本野美樹のチャレンジが決定した。

準々決勝で戦うフォン・フェイアールは、本野ともにフン・シャオカンに敗れている。未確認情報だがフォン・フェイアールを含め4選手が出場するという中国人女子選手、その中の一人にフン・シャオカンも含まれているという。

つまり本野とフォンにとって、Road to UFCはRoad to フン・シャオカンへのリベンジでもある。またかつてパンクラスに参戦経験のある韓国のソ・ユダンも出場し、中国のシー・ミン戦が決まっている。

現状、8人の日本人選手出場。今年はワンマッチも1日に4試合組まれるという話もあり、この他にも日本人選手の出場もあるかもしれない──中国、インド、タイ、インドネシア、そしてついにあるのか中央アジア勢の参戦等々、オフィシャル・アナウンスを待ちたい。

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AB F1 MMA o ONE Road to UFC UFC   イ・チャンホ シャオ・ロン リー・カイウェン 原口伸 鶴屋怜

『ROAD TO UFC』シーズン2決勝戦オッズ/視聴方法

ロード~第15章×2 [ 高橋ジョージ ]


 BetOnlineの『ROAD TO UFC』シーズン2決勝戦のオッズを紹介。

▼ライト級トーナメント決勝/5分3R
原口伸+100(2.00倍)
ロン・チュー-120(1.83倍)


▼フェザー級トーナメント決勝/5分3R
イー・ジャー-210(1.48倍)
リー・カイウェン+180(2.80倍)


▼フライ級トーナメント決勝/5分3R
鶴屋怜-600(1.17倍)
ジー・ニウシュイエ+425(5.25倍)



 なお、バンタム級トーナメント決勝イ・チャンホ vs. シャオ・ロンは延期になっています。


 開始時刻、視聴方法は上記を参照。続きを読む・・・
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45 AB KAREN MMA MMAPLANET o ONE RIZIN Road to UFC Road to UFC2023 Special UFC イ・チャンホ スムダーチー チーニョーシーユエ マーク・クリマコ ムハマド・モカエフ ライカ 修斗 太田忍 平良達郎 松井斗輝 根井博登 神龍誠 秋元強真 鶴屋怜

【Special】J-MMA2023─2024、鶴屋怜─02─「達郎君だけでなくライバルに『負けろ』という気持ちはある」

【写真】準決勝、マーク・クリマコ戦の鶴屋怜。完全にZONEに入っている (C)MMAPLANET

J-MMA 2023-2024、第五弾・鶴屋怜、後編。
Text by Manabu Takashima

2月4日、ネバダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるRoad to UFC2023Finalでフライ級決勝に挑む鶴屋怜だが、チーニョーシーユエとの決勝の勝利はデフォルトで既にUFCでどのように戦っていくのか青写真を描いていた。

<鶴屋怜インタビューPart.01はコチラから>


──Road to UFCは自分の動きができれば、負けることはない。一貫して、その想いを持続できているようですね。

「そうですね。マーク・クリマコは自分と似ている部分もあるので、ちょっと警戒していました。それ以外はストライカーが多くて、普通にやれば一本勝ちできるかと思っています」

──UFCとの契約はデフォルトという怜選手ですが、もう契約後のことも青写真を描いているのでしょうか。

「自分、1戦目からランカーとやりたいぐらいの勢いではいます。例えば中国のスムダーチーとか、UFCがやらせてくれるのかは分からないですけど。あの選手もストライカーで寝技もそんなにできない。UFCで最初に戦うには良い相手かなって思っています。どうなるのか分からないですけど、15位とかそこぐらいのランカーと一発目から戦いたいです」

──子供の頃から「日本人初のUFC世界王者」を目標に格闘技に取り組んできました。そのなかで、UFCフライ級戦線では平良達郎選手が、5戦5勝で世界が注目する存在となっています。その辺り、どのように感じていますか。

「今、UFCフライ級ではムハマド・モカエフも5連勝していても、タイトルマッチに届いていないです。達郎君もここから2年は掛かると思います。僕は年齢も2歳下でデビューも2年半遅い分、現時点で達郎君が先を行っているのは当然です。でも、この2年の間に自分が一気に近づく、追い越すぐらい勝って行けばと思います。でも、焦っているということはないです」

──いじわるな質問ですが、自分が先にUFC世界王者になることを考えると、平良選手の試合を見ていて「負けろ」と思うこともありますか。

「それは達郎君だけでなく、チャンピオンになる力に持っていそうな選手……ライバルになる選手が試合をする時は『コイツ、負けろ』という気持ちはあります。同じ階級で同門以外の選手は、負けた方が良いというのは──。それは達郎君に限ったことじゃないです」

──なるほど、これだけ近しいパラエストラ千葉ネットワークとザ・パラエストラ沖縄であっても同門ではないと。

「ハイ。毎日、一緒に練習している選手が僕にとって同門──チームメイトです。達郎君は他のジムの選手ということでもなくて、なんていうのか……家族ではなくて、親戚のような感じですね」

──ではタイトル戦でなくても、対戦相手の一人として戦うことができる?

「UFCならしょうがないです。日本の団体とかで達郎君と戦えと言われると違うかなって思うけど、UFCなら一発目で平良戦が組まれても……。別にランカーが相手になるわけだし、それはそれで自分的にはオイシイんで、やって勝ちたいです」

──平良選手が勝ち星を重ねる間にも、UFCフライ級はブラジルや中央アジアから続々とポテンシャルの高い選手が集まってきています。

「そうっすね。自分、まだ21歳でMMA的には全然完成していなくて。自分がUFCで2年ぐらい経験を積めば、今の自分とは全然違うようになっていると思います。今、こういうことを言っても信じてもらえないだろうけど、2年間UFCと絡めば中央アジアとかのヤツにも負ける気はしないです」

──日本でもフライ級は層が厚く、その日本のトップとの対戦がないことで怜選手の能力に関して、懐疑的な目が向けられることもあります。そのような意見に対して、また日本のフライ級戦線に関してどのように思っていますか。

「う~ん、これから何が起こるのかは分からないですけど……交わることは、今のところはない。そう思っています。別に神龍にライバル心はないし、そっちに行ったんだなって思っていますし」

──日本のフライ級の話題になると、対象はいきなり神龍誠選手ですか(笑)。

「神龍はUFCに行きたいって言っていて、CFFCとかで試合までしたけどUFCと契約できなかったわけじゃないですか。UFCで戦いたいなら、なぜ面倒くさがらずRoad to UFCに出なかったのか。そこに出ないで、僕からすると近道を選んで契約はできなかったからRIZINで戦っている。もう同じ道を歩いているとは思っていないです。

もちろん堀口選手は日本のトップで、世界のトップです。僕自身、堀口選手を越えないといけないことは分かっています。ただ、今の僕には堀口選手を越えるために日本で戦うという道にはいないです。だから、日本で戦うことを選ぶ選手と交わることは──今はないと思っています。

『鶴屋怜、日本で誰と戦ったんだ?』という声があっても、僕はUFCに行って、UFCでチャンピオンを目指します。UFCでチャンピオンになれば、誰も文句は言えなくなる。誰も、何も言えなくなる。僕が目指すのは、そこなんです。だから『日本で強い選手と戦っていない』と言われれば、そうです。そこを見ていないので」

──押忍。あと一点、怜選手はチームメイトのセコンドに就くことが多いですね。週末には連日で、また1日で会場を変えても怜選手が会場にいてセコンドをしているということがありました。

「なんか、頼まれるんですよ(笑)。太田忍さんとかも、毎試合のように『怜、就いてもらえる?』って感じで。KAREN、松井斗輝君、秋元強真もそうですね。チームメイトのセコンドに就くと、勝って欲しいから本当に緊張します。自分の試合であんな風になることがないのに、セコンドだとメチャクチャします。

将来的に自分の試合でも、そんな感じで緊張することもあるだろうし。皆、そこは乗り越えるしかない。そんなときに、セコンドをしていて凄く緊張し、乗り越えた経験は生きてくるのかもしれないです。とにかく、あの感覚は何とも言えない嫌な感じなので。

ただ、それはあくまでも付随してくるもので、チームメイトに勝って欲しいからセコンドをやっています。一緒に練習している仲間だし。それに圧勝とかすると、俺もこの勢いで行くぞって思えますし。ただ負けた時は……これが勝負なんだと、気分が落ちないように自分に言い聞かせています」

──そういえば1月28日に修斗新人王トーナメントのストロー級決勝で、麻生Leg Lock祐弘選手と戦う根井博登選手のセコンドにも就いていますね。

「あぁ、根井は中学の頃からレスリングを習いにきていて。自分がコーチをしていたんです(笑)。それで高校でレスリングをやるとかでなく、MMAをやるようになって」

──2006年6月生まれ。まだ17歳の根井選手ですから、そういうこともあるのでしょうね。既に次世代が育ってきている怜選手ですが、2月4日のRoad to UFC決勝に向けて、一言お願いします。

「一発目、しっかりとインパクトを残す勝ち方をして、自分はUFCでも通用するんだと思われるような試合をします。正直、4階級とも中国人選手が決勝戦で出てきます。フェザー級は2人とも中国人で、凄い勢いになっています。だから俺が中国人選手を止めないと。」

──バンタム級決勝で戦う韓国のイ・チャンホも、韓国と日本がしのぎを削り合って成長し中国に負けないようにしないといけないということを言っていました。

「ハイ。そのインタビューは自分も読みました。ここで中国を止めないと、これからどうなってしまうのかという危機感もあるし。バンタム級は韓国の選手も頑張ってもらう。ライト級で原口(伸)選手にも勝ってもらって──フライ級は絶対に俺が勝ちます」


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AB Black Combat DEEP K-MMA MMA MMAPLANET o RIZIN ROAD FC Road to UFC Special UFC イ・チャンホ キム・スーチョル シャオ・ロン 上久保周哉 原口央

【Special】K-MMA、2023年・秋。RTUバンタム級決勝進出、イ・チャンホ「上久保選手の仇を取る」

【写真】試合の時の印象とは違い、常に優し気な表情でシャイな受け答えだったイ・チャンホ (C)MMAPLANET

日本と韓国、MMAにおいても永遠のライバルである両国。Road FCを頂点とするK-MMAは規模的には日本のRIZINのようなビッグステージを持たない。対してUFCファイターの評価は引退したコリアンゾンビに代表されるように、韓国勢の方が高い。9月のDEEP vs BLACK COMBATで後者が日本の老舗を圧倒した。日韓関係に少し変化が見られるようにもなった10月最終週に訪韓、K-MMAの今を歩いた。
Text by Manabu Takashima

特集「K-MMA、2023年・秋」。第六弾はRoad to UFCバンタム級決勝戦でシャオ・ロンと対戦するイ・チャンホに話を訊いた。

準決勝のダールミス・チャウパスウゥイ戦では初回と2Rは劣勢だったが、勝負を諦めることなく粘ってポジションを挽回。最終回に逆転のTKO勝ちを収めたイ・チャンホは──上久保周哉に勝利したシャオ・ロン戦に絶対の自信を持っていた。


──チームメイトの応援に駆け付けた大会後に、取材を受けていただきありがとうございます。

「いえ、こちらこそインタビューをして頂きありがとうございます」

──同じバンタム級でK-MMAをリードしてきたキム・スーチョル選手が、日本の原口央選手から衝撃的なKO勝ちを収めグローバル63キロ級トーナメントで優勝したばかりです。あの試合を見て、どのような印象を持ちましたか。

イ・チャンホと入れ替わりにやってきたキム・スーチョルと

「今日の試合を見ていると、キム・スーチョル選手がアジア圏のバンタム級ではナンバーワンでないかと思います。

体力もあって力強い、動きも本当に良かったです。凄く感銘を受けました」

──UFCを目指すイ・チャンホ選手にとって、キム・スーチョルとはどのような存在なのでしょうか。

「キム・スーチョル選手は憧れです。同時に越えなければならない、目標です。何よりキム・スーチョル選手の試合での動きを見ると、凄く勉強になります。原口選手のあのレスリングでのプレッシャーを受けると、普通の選手だとスタミナをロスして厳しい戦いになるはずです。でも、キム・スーチョル選手はその面でも強かったです。原口選手も頑張っていましたが──」

──その原口選手の頑張りに負けない、いやそれ以上の頑張りをイ・チャンホ選手も8月のダールミス・チャウパスウゥイ戦で見せていました。2Rまでの劣勢を跳ね返し、最終回に逆転TKO勝ち。Road to UFCバンタム級決勝戦進出を果たしました。

「ありがとうございます。そう言ってもらえると嬉しいです。もともと最終回に勝負を懸けようというのが作戦でした。なので1Rと2Rはどれだけテイクダウンを奪われても構わないという風に考えていました。攻められているように見えたかと思いますが、自分としてはずっと冷静に戦うことができていたんです。いえば最初の2Rは向うに動かせて疲れさせようというぐらいの気持ちで。スクランブルに関しては、一番自身のある部分なので問題ありませんでした」

──12月9日に予定されている決勝戦(※その後、2月4日に変更された)で戦うシャオ・ロンは、組み技の強さで定評のある上久保周哉選手を準決勝で破りました。彼の印象を教えてください。

「シャオ・ロンに関して、特に印象の残る選手ではないです。一応、何でもこなすウェルラウンダーですね。でも、スタミナ、スクナブル、柔術的なポジショニングと自分が彼を上回るところはいくらでもあります。試合がどのような状況になろうが、気にすることないですね。トーナメントに参加する選手は全員がそう思っているはずですが、絶対に優勝するつもりでRoad to UFCに出たので、優勝するのは絶対に自分です」

──昨年は韓国と日本勢の争いになると思われるなかでフライ級は韓国人対決、バンタム級は日本人対決。フェザー級は中韓決戦。そしてライト級はまさかのインド✖インドネシアという決勝戦でした。それが今年は決勝戦8試合中、日中対決が2試合。中国人対決が1試合、そしてシャオ・ロンとイ・チャンホ選手の中国✖韓国が1試合。実に決勝進出8選手中5人が中国人ファイターになりました。

「5月の準々決勝では上海にあるUFC PIの施設で練習や試合をしたのですが、MMAに必要な設備が全て揃っていました。練習システムにしても同じで、体のケアまで含め至れり尽くせりでMMAに没頭できます。あの環境がある中国人選手は、これからもっともっと強くなると思います。PIの決して大きくない会場に集まった中国人ファンの声援も凄かったです」

──今回はメルセデスベンツ・アリーナ、あの10倍以上の中国人サポーターが駆けつけるはずで、全ては中国人選手が勝てるよう舵取りがされている感がプンプンします。

「ただ自分の1人だけ生き残った韓国人MMAファイターとして、中国人サポーターが言葉を失う試合をします。十分にその自信を持っています。任せてください。自分は決勝では上久保選手と、思い切りやりあえると思っていました。残念ながら、自分のなかでも一番期待していた試合は戦えなくなりましたが、決勝戦では上久保選手の仇を打つので日本のファンの皆さんも期待してください」

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中止になっていた『ROAD TO UFC』シーズン2決勝戦が2月4日に行われることが決定

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ROAD TO UFC シーズン2決勝戦は2024年2月にラスベガスで実施(UFC JAPAN)
 世界最高峰の総合格闘技(MMA)団体であるUFC〓(Ultimate Fighting Championship)は本日、日本時間2024年2月4日(日)に、『UFCファイトナイト:ドリーゼ vs. イマボフ』に続いて『ROAD TO UFC シーズン2』決勝戦を開催することを発表いたします。

● フライ級(56.7kg以下)決勝:鶴屋怜(日本) vs. ジー・ニウシュイエ(中国)
● バンタム級(61.2kg以下)決勝:シャオ・ロン(中国) vs. イ・チャンホ(韓国)
● フェザー級(65.8kg以下)決勝:イー・ジャー(中国) vs. リー・カイウェン(中国)
● ライト級(70.3kg以下)決勝:原口伸(日本) vs. ロン・チュー(中国)

 UFCが『ROAD TO UFC』シーズン2の決勝戦を2月4日に行うことを発表。元々決勝戦は12月10日(日本時間)の『UFC Fight Night 233: Song vs. Gutierrez』で行われる予定でしたが、会場が中国・上海からラスベガスに変更されたことで中止になっていました。

 現地時間の2月3日にラスベガスのUFC APEXで『UFC Fight Night 235: Dolidze vs. Imavov』が開催されますが、その大会の中ではなく後に行われるようです。続きを読む・・・