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デイナ・ホワイト「イリー・プロハースカの復帰には時間が掛かる」「ブラホヴィッチ vs. アンカラエフの勝者にテイシェイラが挑戦する」

Dana White Designs To Destress and Relax, Calm Your Mind and Manage Stress


12.10『UFC 282』イリー・プロハースカが肩の負傷によりライトヘビー級王座を返上、メインイベントはヤン・ブラホヴィッチ vs. マゴメド・アンカラエフの新王座決定戦に変更(2022年11月24日)

グローヴァー・テイシェイラがプロハースカ負傷によりライトヘビー級タイトルマッチ消滅、ブラホヴィッチ vs. アンカラエフの新王座決定戦になった経緯についてUFCに恨み節(2022年11月27日)

 こちらの続報。


 デイナ・ホワイトが肩の負傷によりライトヘビー級王座を返上したイリー・プロハースカと今後のライトヘビー級戦線について以下のコメント。

「イリー・プロハースカは『5か月以内に復帰できると思う』と言ったが、一緒にいたドクターが現実を見た方が良いと言った。私は彼に5~6ヶ月に復帰して再び肩を負傷するかもしれないというプレッシャーを与えたくはないと言った。時間を掛けよう。正しいことをしよう。適切な手術を受けるべきだ。そして彼はタイトル戦線を停滞させるつもりはないので返上することを決めた」

「ドクターは、UFCの歴史の中でも最悪の肩の怪我だと言った。かなり厄介だ。彼は男の中の男だから戦いたがっていたが無理だ」

「何が起きたかというと、肩が飛び出したので、ジムにいた連中がそれを戻そうとした。そしたらかえって酷いことになって肩が破壊された。私はみんなに言いたい、全てのファイターに言いたい。自分に何かが起きたら、車に飛び乗って病院に行ってくれ。金は全額支払う。ジムの連中は肩を治せると思ってる。病院に行ってくれ。自分たちで治そうとするのはクレイジーだ」

「彼はまだチャンピオンとして見られるだろう。ベルトを負けて失ったわけじゃない。返上した。ヤン・ブラホヴィッチとマゴメド・アンカラエフで王座決定戦を行うが、彼が肩の手術をして復帰するまでにタイトルマッチは2度行われそうだ」

「この次に挑戦するのは100%グローヴァー・テイシェイラだ。グローヴァーには(マゴメド・アンカラエフ戦を)オファーしたが彼は受けなかった。イリーが戻ってくるまで時間が掛かるだろうから次はグローヴァーだ」
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UFC282:オッズ/予想と展望

ヤン・ブラホヴィッチ 3.35
マゴメド・アンカラエフ 1.36
パディ・ピンブレット 1.41
ジャレッド・ゴードン 3.05
サンチアゴ・ポンジニッビオ 1.56
アレックス・モロノ 2.55
ダレン・ティル 2.55
ドリカス・デュ・プレシ 1.56
ブライス・ミッチェル 2.15
イリア・トプリア 1.74
ラウル・ロザスJr. 1.43
ジェイ・ペリン 2.95
ジャルジーニョ・ホーゼンストライク 1.59
クリス・ドーカス 2.45
エドメン・シャバージアン 1.34
ダルチャ・ランギアムブーラ 3.45
クリス・カーティス 2.40
ホアキン・バックリー 1.61
ビリー・クアランティー1.61
アレクサンダー・ヘルナンデス 2.40
T.J.ブラウン 1.91
エリク・シウバ 1.91
ヴィニシウス・サルヴァドール 1.41
ダニエル・ラセルダ 3.05
キャメロン・サーイマン 1.27
ティーブン・コスロウ 4.00

今年最後のPPVイベント。

当初は6月に行われ、ファイト・オブ・ザ・イヤー候補とも言われたイリー・プロハースカ vs. グローバーテイシェイラのダイレクトリマッチが予定されていたが、プロハースカが肩を負傷し、長期の欠場が必要となったためタイトルを返上。UFCはマゴメド・アンカラエフとテイシェイラの間で王座決定戦を組む意向だったが、テイシェイラは来月のブラジル大会での試合を要望。しかしそうすると今回のメインのタイトルマッチがなくなってしまうので、UFCはブラホヴィッチとランキング4位で9連勝中のアンカラエフで王座決定戦を組んだ。

両者の対戦は、もともとノンタイトル戦としてメインカードで組まれていたので、急な試合決定や対戦相手変更で準備ができていない状態ということがない試合(3Rから5Rに変更にはなったが)。

元王者ながらアンダードッグのブラホヴィッチ。タイトルを獲得した試合から、5試合で4度のアンダードッグ(唯一フェイバリットだったのは、王座を奪われたテイシェイラ戦)。タイトルから陥落した後は、UFC6勝1敗のアレキサンダル・ラキッチと対戦。互角の展開だったが、ラキッチが膝を負傷してのアクシデント的な勝利だった。柔術黒帯で、アマチュアムエタイの世界王者でもあるオールラウンダーだが、同じ黒帯のテイシェイラには、テイクダウンを奪われた後、マウントを取られてパウンド→背中を向けてのチョークでのMMAベーシックワンで敗れている。

アンカラエフはUFCデビュー戦でポール・クレイグと対戦し、終始圧倒していたが残り1秒で三角絞めに捕まって一本負け。現在のところ、これが唯一の敗戦となっている。コンバットサンボがバックボーンで、一本勝ちはないが、テイクダウンしてからのパウンドも大きな武器となっており、前戦ではアンソニー・スミスをパウンドアウトしている。

スタンド・グラウンドともにアンカラエフ有利に見える。打撃で打ち負けた時に、グラウンドに持ち込みたくても、ブラホヴィッチのテイクダウン能力ではテイクダウンも難しそう。

アンカラエフKO勝ち。

メイン消滅でセミに昇格したのはライト級ノーランカーのパディ・ピンブレット。同郷のランカー・ダレン・ティルを差し置いてのセミネクストマクレガーを自称する、未来のスター候補ではあるが、ここまで3戦は全試合1Rフィニッシュ(全試合パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞している)とはいえ、相手も同じ前座クラスで、それでさえ攻め込まれる場面があった。今回の相手は7勝4敗(ライト級2勝1敗)のジャレッド・ゴードン。ようやく前座戦線を抜け出し中堅クラスとの対戦となる(試合順セミだが)。

同じく抜擢されているのは、第7試合でUFCデビューするバンタム級のラウル・ロザスJr.。9月のコンテンダーシリーズで勝利し、最年少の17歳でUFCと契約。10月に誕生日を迎え、18歳でのデビュー戦でいきなりナンバーシリーズのプレリム・セミでの出場となる。ペリンは2019年にコンテンダーシリーズに出場したが判定負けで契約ならず。ローカルでキャリアを積みながらチャンスを待ち、今年2月に負傷欠場選手の代役としてUFCと契約したが、ここまで0勝2敗。試合順とは裏腹に、UFCはロザスJr.をじっくり育てる方針の模様。

第1試合開始は11日朝8時から。速報します。

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【UFC】イリー・プロハースカ 怪我のため王座返上!

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12月10日にネバダ州ラスベガスのTモバイルアリーナで開催されるUFC282グローバー・テイシェイラとライトヘビー級王座の防衛戦に臨む予定だったイリー・プロハースカが練習中に肩を負傷し、試合を欠場する事が発表されました。これによりプロハースカはライトヘビー級王座を返上。当初、プロハースカと対戦予定だったテイシェイラにマゴメド・アンカラエフとの対戦をオファーしたものの交渉が決裂。最終的にはヤン・ブラホビッチとアンカラエフによる王座決定戦が行われる事なりました。

プロハースカのタイトルマッチ消滅は悲しい限りですが、それ以上に心配なのは怪我の状態。現地報道によると、復帰までに半年から1年がかかる重症だそうです。想像以上の重症。今はただ早期に復帰できる事を願うばかり。RIZIN経由のUFC王者にかかる日本人ファンの期待は大きい。。。

そして新たに組まれた王座決定戦に臨むアンカラエフの存在感。ハビブ・ヌルマゴメドフに代表されるダゲスタン共和国勢の勢いは留まるところを知りません。ハビブの従兄弟ウスマン・ヌルマゴメドフがべラトールのライト級王座を奪取したばかり。余勢をかってアンカラエフも王座戴冠なるか。

スタンドの打撃でもグランドで抑え込んで勝ち残れる試合運びは特筆モノ。ダゲスタン旋風が再びUFCでも吹き荒れるのか興味津々。プロハ―スカの試合が流れたのは残念ですが、せっかくなのでポジティブに捉えてみました。
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イリー・プロハースカが12.10『UFC 282』欠場、ライトヘビー級王座返上について声明を発表「少なくとも6ヶ月は試合ができないことを知り返上を決めました」

12.10『UFC 282』イリー・プロハースカが肩の負傷によりライトヘビー級王座を返上、メインイベントはヤン・ブラホヴィッチ vs. マゴメド・アンカラエフの新王座決定戦に変更(2022年11月24日)

 こちらの続報。



 12月10日の『UFC 282』でグローヴァー・テイシェイラを相手にライトヘビー級王座防衛戦を予定していたものの、肩の負傷により欠場、タイトルも返上したイリー・プロハースカがインスタグラムで以下の声明を発表。

「UFC 282でベルトの防衛戦をしないことを発表するのは非常に残念です。UFCライトヘビー級王座防衛戦の準備のために、ラスベガスでトレーニングをしていた時に負傷してしまいました。肩を負傷し、手術が必要なため、少なくとも6ヶ月は試合ができないことを知り、UFCのマネージメントと相談した結果、この時間的な制約からライトヘビー級王座を返上することにしました。医師から戦う許可が出たら、すぐにUFCのベルトを獲りに行きます。誰がベルトを持っていようと、必ず獲りに行きます。最高のパフォーマンスをして、自分をベストに高めることは、私にとって常に最も重要なことです。誰がそこにいようと最高のショーをします。6ヶ月後に戻ってきて、誰が持っていようとタイトルを取り戻します。チケットを購入し、私をサポートするためにラスベガスに来る計画を立てていたファン、友人、家族に申し訳なく思っています。また、グローヴァーにも謝りたいです。ヴィクトリー!」


 なお、セミファイナルに予定されていたヤン・ブラホヴィッチ vs. マゴメド・アンカラエフがメインイベントに昇格したことを受けて、パディ・ピンブレット vs. ジャレッド・ゴードンがセミファイナルに変更されます。続きを読む・・・
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12.10『UFC 282』イリー・プロハースカが肩の負傷によりライトヘビー級王座を返上、メインイベントはヤン・ブラホヴィッチ vs. マゴメド・アンカラエフの新王座決定戦に変更

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12.10『UFC 282』でヤン・ブラホヴィッチとマゴメド・アンカラエフが対戦(2022年10月12日)

12.10『UFC 282』イリー・プロハースカ vs. グローヴァー・テイシェイラのダイレクトリマッチが正式決定(2022年10月15日)

 こちらの続報。


 12月10日にネバダ州ラスベガスのT-モバイル・アリーナで開催する『UFC 282』のメインイベントで予定されていたイリー・プロハースカ vs. グローヴァー・テイシェイラのライトヘビー級タイトルマッチがプロハースカの肩の負傷により中止、タイトルを返上し同大会で予定されていたヤン・ブラホヴィッチ vs. マゴメド・アンカラエフがライトヘビー級王座決定戦として行われることをYahoo Sports!が確認したとのこと。

 UFCは「UFCライトヘビー級チャンピオン、イリー・プロハースカが肩を負傷し、かなりのリハビリ期間を必要とすることになった。アスリートと階級への敬意から、プロハースカはタイトルを返上することを選択し、医学的にクリアされ次第、ベルトを争うことになる」との声明を発表。

 デイナ・ホワイトは「これはUFCの歴史の中で、医師が診た中で最悪の肩の負傷だ。本当に酷い。彼の肩はとても、とても悪い。彼はシリアスな手術を受けて、大規模なリハビリが必要になるだろう」とコメントしています。

 UFCはグローヴァー・テイシェイラにマゴメド・アンカラエフとの新王座決定戦を提案したものの、テイシェイラは新たな対戦相手に備えるためには時間が必要だと感じたため辞退、ブラホヴィッチと対戦するか1月21日にリオデジャネイロで開催する『UFC 283』でアンカラエフと対戦することを要求したもののUFCはどちらも断ったことからブラホヴィッチ vs. アンカラエフがライトヘビー級王座決定戦になったそうです。続きを読む・・・
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UFC282:ライトヘビー級王者イリー・プロハースカが負傷により長期欠場。タイトル返上となり、メインはブラホヴィッチ vs. アンカラエフの王座決定戦に。

-*

sports.yahoo.com

12月10日のUFC282でライトヘビー級王座の初防衛戦を予定していたイリー・プロハースカが練習中に肩を負傷。非常に大きな怪我で、手術が必要となり、復帰まで最低半年はかかるとのこと。プロハースカはUFCと相談の上、タイトルを返上することを決めたとのこと。

ランキング2位のヤン・ブラホヴィッチと、当初プロハースカと再戦が予定されていたグローバーテイシェイラに王座決定戦のオファーしたものの、テイシェイラはその試合を拒否。かわって、ランキング3位で現在9連勝中のマゴメド・アンカラエフが、ブラホヴィッチとの王座決定戦に出場することに。

テイシェイラがブラホヴィッチとの王座決定戦を拒否した理由については不明だが、試合まで期間がない中での変更であることと、プロハースカへのリベンジを優先したからではないか、とUFCサイドは推測している。

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ジョン・ジョーンズがドミニク・レイエス4連敗についてコメント


 『UFC 281: Adesanya vs. Pereira』でライアン・スパンに1R KO負けしたドミニク・レイエスについてジョン・ジョーンズがツイッターで以下のコメント。レイエスはかつてMMA12勝0敗(UFC6勝0敗)の戦績で2020年2月の『UFC 247: Jones vs. Reyes』でジョン・ジョーンズのライトヘビー級王座に挑戦し判定負け。その後はヤン・ブラホヴィッチに2R TKO負け、イリー・プロハースカに2R KO負け、そして今回のライアン・スパン戦と4連敗を喫しています。

ファン1「あなたがレイエスから自信を奪ったのはクレイジーだ」

ジョーンズ「俺が彼から自信を奪ったわけじゃない。彼の心の中では俺に勝ったことになってるからな。多分彼自身の問題だよ」

ファン2「ドミニクのことを気の毒だと思いますか?」

ジョーンズ「気の毒という言葉が合ってるのかは分からないが、彼の健康状態が心配とは言える」「永遠に傍観者でいるか、ゲームに参加するかのどちらかだ」

ファン3「それはレイエスのことですか?」

ジョーンズ「彼が最近のインタビューで言っていた俺へのメッセージだよ。今はその言葉をそっくりそのまま彼に返すよ」
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MMA o ONE UFC   イリー・プロハースカ

ジョン・ジョーンズ「スティペ・ミオシッチとUFCの間で何が起きてるのかは知らないが、俺は12月10日に戦う準備はできている」

12.10『UFC 282』のメインイベントはイリー・プロハースカ vs. グローヴァー・テイシェイラ2ではなくジョン・ジョーンズ vs. スティペ・ミオシッチか(2022年10月15日)

 こちらの続報。


 『UFC 280: Oliveira vs. Makhachev』の放送中に12月10日にネバダ州ラスベガスのT-モバイル・アリーナで開催する『UFC 282』の対戦カードを発表。もうメインイベントはイリー・プロハースカ vs. グローヴァー・テイシェイラのライトヘビー級タイトルマッチで、ジョン・ジョーンズ vs. スティペ・ミオシッチは無いと思いましたが、


 ジョン・ジョーンズはツイッターで「12月10日にラスベガスでスティペと戦う準備をしている。スティペとUFCの間で何が起きてるのかよく知らないが、僕は戦う準備ができている! 自分のできることをコントロールし、体調を整えていくつもりだ」とコメント。まだ可能性はあるようです。続きを読む・・・
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12.10『UFC 282』のメインイベントはイリー・プロハースカ vs. グローヴァー・テイシェイラ2ではなくジョン・ジョーンズ vs. スティペ・ミオシッチか

12.10『UFC 282』イリー・プロハースカ vs. グローヴァー・テイシェイラのダイレクトリマッチが正式決定(2022年10月15日)

 こちらの続報。


 12月10日にネバダ州ラスベガスのT-モバイル・アリーナで開催する『UFC 282』でイリー・プロハースカ vs. グローヴァー・テイシェイラのライトヘビー級マッチが正式発表されましたが、メインイベントであることは確定していません。

 UFCナンバーシリーズが大会まで残り2ヶ月を切ってる状態でメインイベントが確定してないことが異常事態なわけですが、アリエル・ヘルワニ記者によるとジョン・ジョーンズが年内の復帰を希望していることからUFCは話し合いをしているとのこと。

 当初の希望はフランシス・ガヌーのヘビー級王座挑戦でしたが、ガヌーの膝の回復具合と契約問題が長引いていることから、第2希望のスティペ・ミオシッチ戦にシフトしたものの、それも契約がまとまってないそうです。契約がまとまればジョーンズ vs. ミオシッチがライトヘビー級タイトルマッチを差し置いてメインイベントになるとのこと。まとまらなければプロハースカ vs. テイシェイラがメインイベントになります。

 また、ジョーンズ vs. ミオシッチが組めず、UFCがフランシス・ガヌーと再契約できれば、3月にガヌー vs. ジョーンズを実現させるべく動くと推測されています。続きを読む・・・
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お蔵入り厳禁【Special】月刊、柏木信吾のこの一番:6月:イリー✖テイシェイラ「根性で勝てる」

【写真】最初から根性でなく、最後まで技術でなく。心技体で最高の戦いを見せてくれたイリー・プロハースカ (C)MMAPLANET

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。3人の論客から、柏木信吾氏が選んだ2022年6月の一番、お蔵入り厳禁──12日に行われたUFC275よりイリー・プロハースカ✖クローバー・テイシェイラ戦を引き続き語らおう。

<月刊、柏木信吾のこの一番:6月:イリー・プロハースカ✖グローバー・テイシェイラはコチラから>


──分かりやすいですね。

「めっちゃ、興味あるじゃん?って。だから、より良い条件でUFCに進めたことはイリーにとっても本当に良かったです。イリー陣営はお金にゴチャゴチャ言うことはないです。でもRIZINのチャンピオンだし、それ相応の条件で契約して欲しかった。あの時はトントン拍子でUFCと契約ができてホッとしました」

──そして3戦目でUFCの頂点に。この試合、イリーの魅力を引き出したのが42歳のグローバーというのも何ともいえないですね。

「ホントにその通りです。メチャクチャ強いですよ。自分のようにアラフォーのオッサンとしては、希望の星。グローバーもスーパー苦労人のラフロード(Rough Road)ですからね」

──ゴツ男(笑)。

「UFCのチャンピオンになっても、満ち足りていなかったですね。あのピンチを何度も復活して。それはお互いにそういうシーンがあったのですが、3Rのテイシェイラはもう終わりだと思いました。あそこで終わっても誰も文句を言わない。でも盛り返した。最初に言いましたけど、MMAとして全てを見ることができた試合でした。

打撃も寝技の攻防も、スクランブルも、リバーサルも。間違った判断もあったし、ファイトIQの高さも見られた。本当に色々なモノが詰まった──根底に根性があった宝石箱みたいなMMAでした。

互いに諦めても仕方ない場面が何度もあって。イリーなんて、よくあのテイシェイラのパウンドを耐えることができるなって。あのパウンドは本当にヤバいですよ。あれは普通に中型ハンマーです。下半身の決めがあるから、あれだけ打っても軸がぶれない。ヒジも巧かったです。テイシェイラのパウンドは世界でトップクラスですね」

──しかも、あれだけ疲れているのにパンチはゴツゴツと落とすことができていました。

「ゴッツゴッツという音が聞こえて来そうでした。最後のタップはしょうがないです。その直前にあれだけ勝利に近かった。あそこを逃げられて、RNCはもうタップでもしょうがないです。だいたい、あの最後のラウンドだけでどれだけ攻守が入れ替わったんだって。珠玉の名勝負ですね」

──ハイ。そんななか水を差してしまう意見かもしれないですが、ジョン・ジョーンズがいなくなってUFCライトヘビー級戦線は面白くなりました。

「あぁ、そうですね。JJがいなくなったことで、跳びぬけた存在がいなくなって、例を見ない群雄割拠状態になりましたからね」

──イリーはまさに戦国時代を制した形ですね。しかし、改めて感慨深いモノがあるのではないですか。

「試合後、すぐにケージのなかで撮影された写真が送られてきました」

──泣いちゃったんじゃないですか? 柏木さん、泣きそうだなぁ(笑)。

「いやぁ……嬉しかったですね。感動しました。あと28秒ですからね。あそこでタップを奪っていないと、判定負けでした。でも高島さんが言われたように泥試合だったから、あそこまで面白かったんですよね。互いの根性が演出した名勝負ですね」

──強い者同士が戦って、あの根性勝負の泥試合になる。それはやはり最高峰の舞台で最強の座を争う泥試合と、他の泥試合はレベルが違います。五輪のマラソンでトラック勝負になるようなドッグレース、なかなかないです。

「全く別のスタイルの2人が、自分の得意な場所で勝負できた。同時に相手の得意な場面も凌げた。以前、エアータイトという言葉を使いましたが、ああいう隙をなくして相手に反撃の余地を与えない戦い方も最高ですけど、この試合は真逆で穴だらけ。無駄な動きが多い。失敗も多い。でも勝っちゃう……みたいな」

──イリーはそれまでにドミニク・レイエス、ヴォルカン・オズデミアに勝って来たわけですしね。

「そうですね。レイエスなんて、チャンピオンになれる素質を持っている選手ですからね。ジョン・ジョーンズとも、しっかりと戦っていた。その選手にあんな風に勝てるのに、なんでテイシェイラに殴られているんだって(笑)。

レイエス戦も、オズデミア戦も然り、そしてテイシェイラ戦もそうですがRIZINではできなかった相手の魅力を引き出して勝つ──風車の理論ではないですけど、そういう勝ち方をしていますよね」

──それは相手が強いから、自然発生ではないですか。本当な一方的に勝つ方が良いですし。

「いや、その通りです。本当に強い相手だから、そうならないと勝てない。一方的に勝てない相手に、根性で勝てるのが素晴らしくて」

──本当にその通りですね。

「本人は自覚がないだろうけど、気が付けば名勝負になっている。ただし、この試合が続くとダメージの蓄積が心配です。ディフェンス力の強化は欠かせないですね。あれだけ攻撃を被弾していると」

──負けると、下の選手と戦うことになってタフファイトをしないで良いかもしれないですが、チャンピオンですからそうはいかなくなる。

「だから根性勝負にならない試合が、競技を戦う上で必要になってきますね。ただし、彼のMMAへの向き合い方が競技ではないので、その辺が変わりますかね……」

──これはあくまでも私の考えですが、ガンガンやりやっていた金原正徳選手がグラスジョーになり、スクランブルの権化に変化した。でも、その一生懸命さは全く変わりなくて、MMAファイターとして魅力的なままです。

「本当にそうですね。守備力を強化しても、守りに入っているわけじゃない。そうやって考えると、まだまだイリーは若い。ここからどうやって成熟していくか、そこも期待したいですね」

──いやぁ、柏木さんが下ネタ封印の名勝負でした。

「そこですか!!(笑)」

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