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【UFC308 】展望 語学堪能=強さの秘密、王者イリャ・トプリア×拳で語る挑戦者マックス・ホロウェイ

【写真】ホロウェイはテクニックに裏付けされた喧嘩ができる男。王者トプリアはタフな終盤戦に持ち来れ込んだ時、喧嘩ができる気持ちの持ち主なのか(C)Zuffa/UFC

26日(土・現地時間)、アラブ首長国連邦アブダビのエティハド・アリーナにてUFC 308「Topuria vs. Holloway」 が行われる。ロバート・ウィティカーとカムザット・チマエフによるミドル級戦をコメインとする今大会のメインは、無敗の新王者イリャ・トプリアにBMF王者マックス・ホロウェイが挑戦するフェザー級タイトルマッチだ。
Text by Isamu Horiuchi

トプリアは2020年10月に、8戦全勝の戦績をもってUFCデビュー。当時は強力なテイクダウンから肩固め、RNC、ギロチン、ダースといった見事な首技の連携を駆使するハイレベルグラップラーのイメージが強かったが、やがて立ちで距離を詰めてからの強烈かつ正確無比な拳のコンビネーションでKOを量産するようになった。

昨年6月にはランキング5位のジョシュ・エメットと戦い、幾度となくダウンを奪って5R判定で圧勝、今年の2月に絶対王者アレックス・ヴォルカノフスキーに挑戦する機会を得た。2Rに王者の右ジャブをかわしたトプリアは、瞬時に距離を詰めて右ボディから左フック。次の右ストレートは外れたものの、すぐに角度を調整しての右フックが炸裂。パウンドフォーパウンドランキングのトップに君臨し続けていた世界最高峰のMMAストライカーを圧巻のコンビネーションで葬り去り、15戦全勝の戦績で(15歳の頃から住んでいる)スペイン初のUFC王座に輝いた。

対して生粋のハワイアンのホロウェイは、2016年12月にアンソニー・ペティスを倒してフェザー級王座を獲得。4度の防衛を重ねるが、2019年12月にヴォルカノフスキーに5R判定で敗れて王座転落した。

その後ヴォルカノフスキーに2度挑戦するもいずれも5R判定負けを喫し、王座復帰は遠のいたかに見えた。しかし昨年アーノルド・アレンとコリアンゾンビことジョン・チャンソンに完勝して健在を示すと、4月のUFC 300にて一階級上のBMF(Baddest Motherfucker=最高にヤバい奴)王者ジャスティン・ゲイジーに挑んだ。


ホロウェイは1R終盤にバックスピンキックでゲイジーの鼻を破壊すると、その後は打撃戦で終始主導権を握る。そして最終ラウンド残り10秒の時点でオクタゴン中央で床を指差し、俺と打ち合えと咆哮。それに応じたゲイジーが振り回す拳よりも高い回転力でパンチの連打を繰り出し、最後は右フックをスマッシュヒット。残り1秒でゲイジーが前のめりに失神するUFC史上最高のKOシーンをもってBMF王者に輝いた。

間違いなく自分が勝っている試合で、最後の10秒にて階級上の超弩級の強打者と足を止めて殴り合いを挑む──常人にはまったく考えられない、これ以上BMFに相応しい行動は存在しないほどの超BMFぶりを見せつけて会場を熱狂の渦に叩き込んだホロウェイは、その場で「エル・マタドールよ!」とトプリアのニックネームをコールアウトすると「お前はこのブルから逃げている! 145パウンドのベルトを賭けて俺と戦え!」と対戦表明した。

それに応じたトプリアは「ああ、ホロウェイと防衛戦をやろうじゃないか。ただし奴がBMFベルトも掛けた場合のみだ」と発言。しかしその案はUFCから却下されたのか、今回トプリアのフェザー級王座のみが掛かったタイトル戦が実現の運びとなった。

さて今回の試合に先立ち、UFCの企画にてトプリアの住むスペインとホロウェイの住むハワイを二画面で繋いでの同時インタビューが行われている。その際トプリアは、フェザー級ベルトだけでなくBMFベルト(のレプリカ)まで入手して部屋に飾って登場し「マックスは今回このベルトを掛けなかったけど、今回勝てば事実上俺がBMFさ」と不敵に微笑みながら挑発してみせた。

ホロウェイが「お前はそれわざわざ買ったんだろ、俺のファンだからだよな」と聞くと、トプリアは「ああ、正直ファンだったよ。あんたは俺ら新世代にとってのグレイト・イグザンプル(偉大なる模範)だった」とリスペクトを示す。が、その後は薄笑いを浮かべながら

「でも今は俺の時代さ。試合が終わったら、あんたが俺のファンになるだろうよ。そもそもあんたはキャリアで7敗。俺は無敗。戦ったらどうなるかは分かるだろ?」

「あんたが75分間も使ってできなかったこと(=打倒ヴォルカノフスキー)を、俺はたった7分間でやってのけたんだぜ」

「ところで俺は最近老人ホームをオープンしたんだよ。ヴォルクがすでに入居した。あんたにも一部屋用意してあるぜ。試合後すぐに放り込んでやるよ。あ、心配しなくてもいい、料金は一切無料だから」と知的にして絶妙に無礼な挑発を繰り返し、トラッシュトークに興味を示さないホロウェイを苛立たせたのだった。

さらにトプリアはホロウェイのBMF戦に触れて「ありゃすごく退屈だった。エキサイティングだったのは最後の10秒だけだ。戦略もテクニックもまるでない酒場の喧嘩だね。最後の10秒もそうだ。ゼロ・テクニックだ。俺みたいな技術とパワーを持った選手を倒すことはできないな。嘘だと思うなら、あれを俺らの試合の最初の10秒でやってみるってのはどうだい?」と不敵な提案をする。

そこでホロウェイが「そりゃお前にとってはなんとも都合のいい話だな。お前は試合ですぐに疲れちまう(get tired)んだから」と反応すると、トプリアは微笑みを崩さず「ああ、俺は確かにget tiredするよ。相手をKOすることにget tired(=うんざり)しているんだ。だから今回はあんたをサブミットすることにするかな」と言い返した。

第一言語ではない英語でのやりとりにおいて、この見事な切り返しは特筆に値する。実際トプリアはホロウェイに「何を言っているんだ、ちゃんと話せ」と言われた時にも余裕の表情で「おいおい、俺はあんたの言語で話してやっているんだぜ。じゃあスペイン語がジョージア(グルジア)語かロシア語かドイツ語で話そうか」と言うと、おもむろに(おそらくホロウェイには理解できないだろう)流暢なスペイン語を披露し、言語マウントを取ったのだった。

放映後、この両者のディベート対決(?)の勝敗を判定するメディアがいくつかあったが、ほぼ満場一致でトプリアに軍配を挙げていた。もっともホロウェイ自身が相手を言い負かすことに興味を示しておらず、勝敗を付けること自体に無理はある──とは言え、トプリアは母語でない英語を用いて、英語ネイティブのホロウェイを翻弄してみせた。

ジョージア系の両親のもとドイツに生まれジョージア、スペインと移住を繰り返す中で身に付けた多言語能力と知性は「俺は打撃、レスリング、グラップリングと全てにおいてネクストレベルにあるし、パワー、テクニック、ファイトIQとあらゆる面で卓越している」と豪語する新王者の強さの一端なのかもしれない。

閑話休題。

この試合に誰もが期待するのは、卓越した二人のMMAボクサーである両者による最高レベルの打撃戦だ。両者の戦績だけを見ると、本人が挑発的に語っていたように──ホロウェイが3回戦って倒せなかったヴォルカノフスキーをトプリアは2RでKOしており、新王者有利という見方が成り立つ。しかし両者と戦った張本人のヴォルカノフスキーが、この三段論法を否定してホロウェイ有利を予想している。

曰く「イリアには相性が悪い試合だと思うよ。マックスは5Rずっとペースが落ちないから、イリアが勝つには序盤でKOする必要がある。もちろんその力はあるよ。でもマックスはとにかく打たれ強いから、難しいんじゃないかな。テイクダウンディフェンスや立つ力も抜群だから、寝技でマックスをフィニッシュするのも困難だ。

そして、試合が長引くとイリアにはスタミナの問題が生じてくる。序盤はイリアがマックスの打撃をしっかりガードして有利に進めるだろう。でも相手がいつまでも倒れない、テイクダウンできない、自分の呼吸が上がってくる、となると話が変わってくるのさ。中盤以降はマックス有利になるだろうね。僕が思うに、一番可能性が高いのはマックスの判定勝利だ。あるいは4、5ラウンドにマックスが大量のパンチを当ててTKOするかもしれないね」

この前王者の鋭い予想にさらに注目点を付け加えるなら、それはスタンド戦における両者の距離とケージ上の位置取りだ。180センチの長身を誇り、自分のパンチが当たる絶妙の間合いを保つことに長けているホロウェイ。対する王者トプリアは身長173センチ。頭を振りながら間合いを詰め、懐に入り込んでのパンチコンビネーションを決め技とする。果たして自分の得意な距離を作るのはどちらか。

また、ホロウェイは(前回のBMF戦でゲイジーに大ダメージを与えた)バックキック、トプリアは強烈な右カーフを持っている。パンチの間合いの取り合いにおいて、これらの足技を両者がどう用いるかも興味深い。

そしてトプリアの拳が最も威力を発揮するのは──前戦でヴォルカノフスキーを倒した時のように──相手をケージ際に追い詰め、下がるスペースを無くした時であることに留意したい。アーノルド・アレン戦でスイッチや横への動きを巧みに使ってみせたホロウェイを、新王者がいかなるステップで金網を背負わせるのかは、この試合の重要ポイントとなる。

上述のように、トプリアは開始10秒間、ケージ中央での足を止めての殴り合いを提案している。対するホロウェイは「(BMF戦での)あの瞬間は理由があったから成立したんだ。エキサイティングな戦いで俺が勝っていたから、ジャスティンにチャンスを与えた。もともと彼が階級下の僕に戦うチャンスをくれたのだからね」と、理由もなく闇雲に打ち合うことには興味を示さない。

それでも世界最高のMMAボクサー二人によるこの試合が、開始直後からまったく目を離せないものであることに変わりはない。

■視聴方法(予定)
10月26日(土・日本時間)
午後11時00分~UFC FIGHT PASS
10月27日 午前3時~PPV
午後10時 30分~U-NEXT

■ UFC308対戦カード

<UFC世界フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者] イリャ・トプリア(スペイン)
[挑戦者] マックス・ホロウェイ(米国)

<ミドル級/5分5R>
ロバート・ウィティカー(豪州)
カムザット・チマエフ(スウェーデン)

<ライトヘビー級/5分3R>
マゴメド・アンカラエフ(ロシア)
アレクサンドル・ラキッチ(オーストリア)

<フェザー級/5分3R>
レローン・マーフィー(英国)
ダン・イゲ(米国)

<ミドル級/5分3R>
シャラブジン・マゴメドフ(ロシア)
アルメン・ペトロシアン(アルメニア)

<ライトヘビー級/5分3R>
イボ・アスラン(トルコ)
ハファエル・セルケイラ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ジェフ・ニール(米国)
ハファエル・ドスアンジョス(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
ミクティベク・オロルバイ(キルギス)
マテウス・レンベツキ(ポーランド)

<ヘビー級/5分3R>
ケネディ・ンゼチェクウ(米国)
クリス・バーネット(米国)

<バンタム級/5分3R>
ファイト・バシャラット(アフガニスタン)
ヴィクトー・ウゴ(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
ブルーノ・シウバ(ブラジル)
イズミール・ヌルディエフ(オーストリア)

<ウェルター級/5分3R>
リナット・ファクレトディノフ(ロシア)
カルロス・レアル(ブラジル)

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45 MMA MMAPLANET o UFC UFC304 アーノルド・アレン キック ギガ・チカゼ ブライアン・オルテガ ライカ

【UFC304】1Rはチカゼのヒザでフラつくも、中盤から左の攻撃で追い上げたアレンがユナニマス判定勝ち

<フェザー級/5分3R>
アーノルド・アレン(英国)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28.
ギガ・チカゼ(ジョージア)

サウスポーのアレンが距離を詰めるが、チカゼがサークリングからケージ中央を取った。チカゼが右ロー、右ハイと蹴りを散らす。しかし右ミドルをアレンにキャッチされ、ケージ際まで下がらされてしまう。両者がケージ中央に戻り、チカゼがスイッチしながら様子をうかがう。観客が地元アレンに声援を贈る。蹴りを散らして下がらせるチカゼだが、アレンも左を打ち込む。

チカゼが右スピニングバックキックを見せた。右ハイはブロックされてしまうも、ガードの間から右ストレートを突く。左ストレート、左ハイと攻め立てるアレンだがクリーンヒットはない。徐々に距離を詰めてくるアレンに対し、チカゼが右ストレートを伸ばす。アレンの左ストレートをスウェーでかわしたチカゼラウンド終了間際、アレンのシングルレッグに右跳びヒザをカウンターで合わせ、フラつかせた。

2R開始早々、アレンが左右に回りながら距離を詰める。しかしチカゼが前手を伸ばして自分の距離を保つ。右スピニングバックキックを繰り出したチカゼは左ジャブ、スイッチして左ストレートを打ち込む。アレンも右カーフを蹴り込むが、チカゼの足は止まらない。アレンの左ストレートを受けたチカゼの動きが一瞬止まる。アレンはチカゼのパンチを受けながら、なおもパンチを振るう。

互いに鼻から出血が見られるなか、チカゼが右ハイでアレンをフラつかせた。距離を詰めるアレンを、右アッパーで迎え撃つチカゼ。アレンは左ボディストレートを突き刺す。右ハイを連打したチカゼの顔面に、アレンの左ストレートがヒットする。アレンの左ストレートと、チカゼの右インローが相打ちに。左右に回り続けるチカゼは、右フックを打って離れる。右テンカオも当てたチカゼが距離を保ち続けた。

最終回、回るチカゼをアレンが追う。左ジャブを突くチカゼの顔面を、アレンの左ストレートが捕らえた。序盤より距離が近くなった両者、チカゼの顔面の出血も目立つように。チカゼは左アッパーを打ち込むも、アレンの前進は止まらない。アレンが左ボディストレートを突き刺す。チカゼがケージを背負う場面も増えてきた。しかしアレンが左ミドル、左ストレートを繰り出すも、チカゼの足も止まらない。回るチカゼ、追うアレンーーラウンド終了直前にアレンが右跳びヒザを見せた。

1Rは右跳びヒザでフラつかせたチカゼが取ったと思われるが、中盤からのアレンが追い上げた。ジャッジは3者とも29-28でアレンの勝利を支持し、アレンは「彼は危険なストライカーだけでど、僕だって打撃はできる。危険な相手でパワフルな蹴りが初回にはあったけど、勢いが落ちたね。レスリングをやる作戦もあったけど、チームを黙らせたよ。次? 名前のある相手とやりたい。ブライアン・オルテガとの試合はなぜか実現しないんだよ」と語った。


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JAM MMA o UFC   アマンダ・ヌネス アーノルド・アレン カルヴィン・ケイター ソルト マイラ・ブエノ・シウバ モフサル・エフロエフ ラケル・ペニントン

10.5『UFC 307』でラケル・ペニントン vs. ジュリアナ・ペーニャの女子バンタム級タイトルマッチ/モフサル・エフロエフ vs. アルジャメイン・スターリング



 10月5日にユタ州ソルトレイクシティのデルタ・センターで開催される『UFC 307』でラケル・ペニントン vs. ジュリアナ・ペーニャの女子バンタム級タイトルマッチが行われることをSportsnetのアーロン・ブロンズテーター記者が確認したとのこと。

 ペニントンは1月の『UFC 297: Strickland vs. du Plessis』で行われた女子バンタム級王座決定戦でマイラ・ブエノ・シウバに判定勝ちし新チャンピオンになって以来の試合で6連勝中。今回が初防衛戦。

 ペーニャは2022年7月の『UFC 277: Pena vs. Nunes 2』でアマンダ・ヌネスに判定負けし王座陥落して以来2年3ヶ月ぶりの試合。現在UFC女子バンタム級ランキング1位。


 同じく『UFC 307』でモフサル・エフロエフ vs. アルジャメイン・スターリングのフェザー級マッチが行われることをMMAJunkieが確認したとのこと。

 エフロエフは1月の『UFC 297: Strickland vs. du Plessis』でアーノルド・アレンに判定勝ちして以来の試合でプロデビュー以来18連勝中(UFC8連勝中)。現在UFCフェザー級ランキング5位。

 スターリングは4月の『UFC 300: Pereira vs. Hill』でカルヴィン・ケイターに判定勝ちして以来の試合。現在UFCフェザー級ランキング8位。続きを読む・・・
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45 AB F1 MMA o UFC UFC Fight Night   アーノルド・アレン ギガ・チカゼ モフサル・エフロエフ

7.27『UFC 304』でアーノルド・アレンとギガ・チカゼが対戦/『UFC 304』のメインカードが出揃う

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 UFCが7月27日にイングランド・マンチェスターのコープ・ライブで開催する『UFC 304』でアーノルド・アレン vs. ギガ・チカゼのフェザー級マッチが行われるとのこと。

 アレンは1月の『UFC 297: Strickland vs. du Plessis』でモフサル・エフロエフに判定負けして以来の試合で2連敗中。現在UFCフェザー級ランキング6位。

 チカゼは8月の『UFC Fight Night 225: Holloway vs. The Korean Zombie』でアレックス・カセレスに判定勝ちして以来の試合。現在UFCフェザー級ランキング9位。


 『UFC 304: Edwards vs Muhammad 2』のメインカードが5試合が発表されています。続きを読む・・・
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o UFC アーノルド・アレン キック ギガ・チカゼ ショーン・オマリー ピョートル・ヤン

UFC300:第7試合・カルヴィン・ケーター vs. アルジャメイン・スターリング

フェザー級。ケーター8位。これがUFCでのフェザー級初戦となるスターリングはバンタム級の2位。

ケーターは2022年10月のアーノルド・アレン戦で、飛び膝を放って着地した際に膝を負傷。そのまま続行不能でTKO負けとなり、ACLの手術により1年半の長期欠場明け初戦となる。レスリングがバックボーン。長身で、レスリングと打撃を混ぜたスタイル。元キック世界王者のギガ・チカゼに対しては、距離を潰して打撃戦を挑んで消耗させて判定勝ちした。36歳。

スターリングは2021年にピョートル・ヤンからUFC史上初の反則勝ち(グラウンド顔面ヒザ)での王座奪取。そこからヤンとのリマッチを接戦で制すと、ディラショー、セフード相手にも防衛に成功。しかし減量が厳しく、常にフェザー級転向の話がある状態だった。前回はバンタム級での最後の試合と決めた一戦で、新世代のショーン・オマリーに2RKO負けし、王座から陥落しての転向となってしまった。34歳。

すぐに詰めていくスターリング。ケータージャブで牽制。カーフを蹴るスターリング。ケーター右ハイ。パンチをかいくぐって組もうとしたスターリングだが組ませず引き剥がすケーター。ケーター詰めてきたが、スターリングは前蹴り、カーフ。スターリングシングルレッグへ。ケージまで移動しこらえるケーターだが、一瞬倒して立ち際にボディロックからテイクダウンしたスターリング。ケーター寝かされずに立とうとするが、ボディロックしてバックに回ろうとするスターリング。立ったケーター。なおもボディロックを放さずテイクダウンしたスターリング。ハーフバック。また立つとクラッチを切ったケーター。離れた。ジャブで詰めるケーター。スターリングはかいくぐってタックル。シングルレッグからテイクダウン成功。残り時間わずかで鉄槌から足をサバいてパスした。ホーン。

1Rスターリング。

2Rスターリングカーフキック。距離を詰めてタックルの間合いに。ケージを背負わせてタックル。膝を着かせた。ケージを背負って片膝立ちで寝かされないようにこらえているケーター。立った。なおもテイクダウンを狙うスターリング。立ったケーターに膝。投げを狙ったがこらえたケーター。離れる。ケーターが詰めていくとスターリング距離を取る。しかしまた出るとタックルへ。ダブルレッグでテイクダウン!サイドで押さえ込んだ。肘を入れる。ホーン。

2Rスターリング。しかしエキサイティングでない試合ぶりに会場からはブーイングが。

3R。スターリングすぐにタックル。テイクダウン。バックにつこうとするが、ケーター立ってケージ際に移動。クラッチを切って正対した。なおもテイクダウンを狙うスターリングに、ケーターキムラで引き込もうとしたが、外れて下になる。ケージを背に座った体勢で寝かせようとするスターリング。背中を付けた。ハーフからパスしてサイドに出る。ケーター何もできず。うつ伏せになりタックルに入ったケーターだが、スターリング持ち上げてパワーボム気味に叩きつけると鉄槌連打。ハーフからパウンドを入れる。残り1分。バックに回ろうとしたケーターだがスターリング上をキープ。首を狙ったスターリングだが時間がなく放した。パウンドを入れてタイムアップ。

判定30-27×3でスターリング勝利。

が、固い試合ぶりに会場からはブーイング。もともとバンタム級王者時代もブーイングを浴びていたが…。ケーターが病み上がりの初戦ということもあったが、フェザー級でも危なげなく勝利。ただグラウンドでポジションを取ってもキープまでで、そこから先の攻めがなかった。よりフィジカルが上の選手相手にどこまで行けるか。

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【UFC300】展望。ゲイジー×ホロウェイ、Baddest Motherfuckeを超越したBMFタイトル戦!!

【写真】両者とも156ポンドで計量を終えている。最高の駆け引きのあとで、最高の殴り合いに発展する可能性も?? (C)Zuffa/UFC

13日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナで開催される。プレリミ含めて全試合がメインイベント級と呼べるスーパー・メガ・ヒストリカルショーで、UFC認定の非公式タイトル=BMF(Baddest Motherfucker=最高にヤバい奴)現王者であるジャスティン・ゲイジーにマックス・ホロウェイが挑む一戦もラインナップされている。
Text by Isamu Horiuchi

もともとこのBMFタイトルが創設されたのは、2019年11月のネイト・ディアズ×ホルヘ・マスヴィダル戦だ。その3カ月前のアンソニー・ペティス戦に勝利したネイトが「俺は真のBaddest Motherfuckerの座を賭けてマスヴィダルと戦いてぇんだ。ただ相手を抑え込んでルール上の勝利を狙うような連中じゃなくな」と発言。この言葉にダナ・ホワイト代表も大いに乗り気となり、BMFの文字が大きく刻まれたベルトを本当に作成、両者による決定戦を敢行したのだった。


試合は1Rに右ハイでネイトの右目上をカットしたマスヴィダルが終始優勢に試合を進め、3R終了時にTKO勝利。元WWEスーパースターのザ・ロックことドウェイン・ジョンソンにBMFベルトを巻かれたのだった。

その後4年近く封印されていたBMF戦だが、初代王者のマスヴィダルが引退を表明した3カ月後の昨年7月、ゲイジー×ダスティン・ポイエーにて復活。ここでゲイジーが右ハイでポイエーを沈め2代目王座に輝いた。この勝利でイスラム・マカチェフの持つライト級王座の挑戦権を得たと思われたゲイジーだが、その話がなかなか具体化しないまま、今回元フェザー級王者のホロウェイを相手に史上初のBMF王座防衛戦に臨むこととなった。

挑戦者のホロウェイは、現在アーノルド・アレン戦とコリアンゾンビことジョン・チャンソン戦と2連勝中。ライト級のゲイジー同様、こちらもフェザー級タイトル挑戦に最も近いところにいると思われる選手だが、新王者イリャ・トプリアの都合や前王者アレックス・ヴォルカノフスキーとのダイレクトリマッチが優先されているせいか、なかなかタイトル戦の話が挙がらない。

そこで今回──ある意味正式のタイトルよりも世間的な注目は高いかもしれない──BMFタイトル戦に出陣を決めた。

現BMF王ゲイジーはこれまで25勝のうち20KO、実に80パーセントのKO率を誇る。名だたる強豪たちと対戦経験を持つ前ライト級王者シャーウス・オリヴェイラをして「自分が対戦した中で最もパンチ力があったのは断然ゲイジー」と言わしめるライト級屈指のハードヒッターだ。対する挑戦者ホロウェイは、これまでUFCの試合中に誰よりも数多く有効打を当てているとされるボリュームストライカー。(有効打かどうかの判断に厳密さはないと思われるが)昨年のアレン戦のライブ中継の途中で合計3000発ヒットという記録を達成したと伝えられ、2位に1000発以上の差をつけていると説明された。

そんな両者の「ヤバい奴決定戦」である以上、期待されているのがド派手な打撃戦であることは言うまでもない。実際にゲイジーはこの試合について「理想的には、KOして眠らせるよりも目をカットするとか、彼の腕が折れてしまうとか、何らかの形で歩けなくすることで試合が終わってくれる方がいいとは思う。でも実際に向こうはこっちをKOしようと向かってくるだろう。だからこっちも向こうがどうなろうが、完全に眠らせてしまおうがまったく良心の呵責は感じないよ」と彼流の静かな言い方で凄絶な展開を予告している。

対するホロウェイも「僕なりにBMFを一言で言い表すなら”violence(暴力)”だ。ゲイジーはバイオレントな男だ。この試合は暴力そのものとなる。最高だ。生きがいだ。考えるだけで満面の笑みが浮かんでしまうよ」と真っ向から打撃戦を挑む姿勢を見せている。

わざわざ階級上の超弩級のハードパンチャーとの殴り合いに嬉々として臨むホロウェイの精神性は、確かに常識を超越したBMFさ(ヤバさ)に溢れている。しかし、近年の両者の戦いぶりやMMAファイターとしての進化を考えた場合、この戦いで重要なのはBMFな要素のみではないと思われる。むしろBMFを超えたお互いの格闘家としての成熟度こそ、今回問われているのではないだろうか。

前回ポイエーを倒してBMF王座に就いたゲイジーだが、その勝因が本人の成熟ぶりにあったのは自他ともに認めるところだ。2018年4月にポイエーと対戦した際には、序盤から体を振って距離を詰めて殴りに行ったゲイジー。最後も強引に前に出たところにカウンターをもらってマットに沈んだ。以降この試合を教訓として忍耐強く戦う術を身に付け、5年を経た再戦となった前回のBMF戦ではまるで違う戦い方を見せた。

前に出てくるポイエーの打撃に柔らかく体を使って反応しては強烈なカウンターを何度も当て、最後もポイエーが近づいてきたところに右ストレートから右ハイ一閃。見事なコンビネーションをもってゲイジーは鮮烈なKO勝利を収めた。

2018年のポイエー戦と並んでゲイジーが「大きな教訓となった」と認めているのが2022年5月のシャーウス・オリヴェイラ戦だ。序盤からお互いに効かせ合う凄絶な展開となった1R。チャンスと見るや我を忘れて大振りの一発狙いを繰り出していったゲイジーは、逆にオリヴェイラの一撃を貰ってダウンし、チョークで仕留められてしまった。

その後ゲイジーは、次戦となる昨年3月のラファエル・フィジエフ戦でこの敗戦の学びを生かしてみせた。最終3R、やや動きの落ちたフィジエフに対してゲイジーは急くことなく強烈なジャブで出鼻をくじき続けてペースを握る。終了寸前、後のないフィジエフが勝負を掛けて振り回してきた左右のフックを見切ったゲイジーは、見事なカウンターのテイクダウンに成功。最後まで冷静さを保ち勝負どころを見極めての完勝だった。

昨年のフィジエフ戦とポイエーとの再戦でゲイジーが見せた冷静さと忍耐強さこそ、今回の対ホロウェイBMF戦の勝利に向けても、最重要視される。一発の威力より圧倒的な手数で勝負するホロウェイだが、相手が強引に前に出たところに放つカウンターには一撃必殺の威力が宿る。前戦にて手負いのコリアンゾンビが強引に詰めてきた時に巧みにバックステップして距離を作り、右オーバーハンドをスマッシュヒットして劇的なKO勝利を挙げたのは記憶に新しいところだ。

5年前、急遽のオファーを受けて短い準備期間で敢行したライト級戦(2019年4月、ポイエーとライト級暫定王者決定戦にて5R判定負け)の時とは違い、今回は十分に時間を掛けて筋肉量を増やしてきたというホロウェイ。減量苦からも解放され「スピードは落ちず、パワーは上がって体調は100パーセントさ」と語っており、過去最高に力強い姿が期待できそうだ。

仮にBMFを期待する雰囲気に流されて、ポイエー初戦やオリヴェイラ戦の向こう見ずなゲイジーが現われるようなことがあれば、ホロウェイが世間を驚かせる可能性も高まるだろう。

当然ゲイジー本人もそこは十分承知しているようで「確固たる技術を用いて、距離を支配し、角度を作って素早く反応して戦う」と予告している。おそらく今回のタイトル戦で我々が見るのは、闇雲に前に出て相手を殴りにゆくのではなく、冷静に相手を見て反応し、有効な打撃を繰り出してゆくゲイジーの姿だろう。

その上で勝負所を見極め凄まじい威力の打撃を爆発させる、前戦に続くゲイジー流進化版BMFを期待したい。

今回のBMF戦で進化が求められるのは、ホロウェイも同様だ。この試合でまず警戒すべきはゲイジーの強烈な右のカーフキックだろう。オーソドックスに構えて絶妙の間合いを保ちつつボクシングで勝負するホロウェイは、以前から相手の右ローを被弾する傾向が見られる。2019年末のヴォルカノフスキーとの初戦では序盤からカーフを何度も貰ってペースを握られ、2年後のジャイー・ロドリゲス戦の序盤でもローを効かされる場面が目立った。

そこで鍵となりそうなのが、昨年4月のアレン戦でホロウェイが見せた新しい戦い方だ。普段とは逆にサウスポー中心に構えたホロウェイは、スイッチや横への動きも随時に交えて多彩な角度を作り、強打を誇る新鋭アレンに動きを読ませずに判定勝利した。

昨年の来日時にこの試合について筆者が質問した際「MMAは常に進化するスポーツだから、自分も進化しないと置いていかれてしまうんだよ」と答えてくれたホロウェイだけに、今回も危険極まるゲイジーの蹴り、そして凄まじい破壊力の拳を捌くための新しい姿を期待したい。

ちなみにゲイジー陣営もこのアレン戦のホロウェイの新しい戦い方を警戒しているらしく、公式予告番組「UFC 300 Countdown」カウントダウンでも、ゲイジーがコーチたちとともにこの試合のホロウェイの立体的な動きを熱心に分析研究する姿が映し出されている。ホロウェイが見事なタイミングでアレンにワンツーを入れた場面を見たゲイジーは「もし俺がローを蹴ることで、彼のこの動きを誘い出すことができたなら、そこにカウンターを合わせることができるよな」とコーチに語っている。

やはり──この試合はただのBMF決定戦ではない。お互いが最も進化した状態の対戦相手を想定し、勝つための緻密な策を組み立て最高の状態に仕上げた上で、死力を尽くして戦うのだ。

すでに長きにわたって世界トップで戦いつつ、なおかつMMAファイターとしての進化を見せてくれるゲイジーとホロウェイ。この階級を超えたBMF戦は、彼らがそれぞれの階級で頂点に登ってゆくための道筋としても興味深い。

■視聴方法(予定)
4月14日(日・日本時間)
午前7時分~UFC FIGHT PASS
午後11時~PPV
午前6時30分~U-NEXT

■UFC300対戦カード

<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者]アレックス・ポアタン・フェレイラ(ブラジル)
[挑戦者] ジャマール・ヒル(米国)

<UFC世界女子ストロー級選手権試合/5分5R>
[王者]ジャン・ウェイリ(中国)
[挑戦者] イェン・シャオナン(中国)

<BMFタイトルマッチ・ライト級/5分5R>
ジャスティン・ゲイジー(米国)
マックス・ホロウェイ(米国)

<ライト級/5分3R>
シャーウス・オリヴェイラ(ブラジル)
アルマン・ツァルキャン(アルメニア)

<ミドル級/5分3R>
ボー・ニコル(米国)
コディ・ブランデージ(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
イリー・プロハースカ(チェコ)
アレクサンドル・ラキッチ(オーストリア)

<フェザー級/5分3R>
カルヴィン・ケイター(米国)
アルジャメイン・ステーリング(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
ホーリー・ホルム(米国)
ケイラ・ハリソン(米国)

<フェザー級/5分3R>
ソディック・ユースウ(米国)
ジエゴ・ロピス(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
ジェイリン・ターナー(米国)
ヘナト・モイカノ(ブラジル)

<女子ストロー級/5分3R>
ジェシカ・アンドラーデ(ブラジル)
マリナ・ホドリゲス(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
ボビー・グリーン(米国)
ジム・ミラー(米国)

<バンタム級/5分3R>
デイヴィソン・フィゲイレド(ブラジル)
コディ・ガーブラント(米国)

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45 MMA MMAPLANET o UFC UFC297 アーノルド・アレン ブログ モフサル・エフロエフ

【UFC297】判定勝利だからこそ分かる圧倒的な強さ。エフロエフがアレン撃破でMMA戦績18戦18勝に。

<フェザー級/5分3R>
モフサル・エフロエフ(ロシア)
Def.3-0:29-28,29-28,29-28
アーノルド・アレン(英国)

サウスポーに構えるアレン。エフロエフは右の前蹴り・ミドルを蹴る。アレンは左ストレートを伸ばし、ジャブ・右フックでエフロエフに距離を詰めさせない。エフロエフは右ボディストレートからシングルレッグに入り、そのままアレンをケージに押し込む。ここはアレンが離れた。

エフロエフは右ストレートを細かく当てて、右フックを強振。アレンも右ジャブ・左ストレートを当てて譲らない。エフロエフが右ストレートからシングルレッグへ。アレンの脇をくぐるようにバックにつく。アレンは何度も前転して逃げようとするが、エフエロエフはしつこくバックコントロール。アレンを前方に崩してグラウンドに持ち込もうとするが、ここはアレンも必死に立ち上がる。

2R、エフロエフはジャブと右ミドル。アレンもジャブと左ボディストレートを返し、エフロエフの右ハイキックをブロックして、すぐに左ハイキックを蹴り返す。エフロエフは右ストレートからシングルレッグに入ってテイクダウンし、ハーフガードで上になる。アレンは背中を見せて立ち上がり、後方のエフロエフにヒジを入れる。

ケージを背にして正対するアレン。エフロエフはアレンをケージに押し込んだままパンチを入れる。アレンはニンジャチョークを狙いつつ離れる。エフロエフは右ミドル、右の飛びヒザ蹴り。アレンは左ストレートをボディと顔面を打ち分ける。エフロエフも右ストレートを返し、左ジャブをカウンターで突き刺すとアレンが腰から崩れる。さらにエフロエフは右フックで追撃し、アレンを攻め込んだ。

3R、アレンは左フック・左ストレートでプレッシャーをかける。エフロエフは右の前蹴りとインロー。アレンは左ストレートから前に出て返しの右フックを当てる。エフロエフはバックステップで距離を取り、右ストレートからシングルレッグに入る。

これを切ったアレンだが、エフロエフが手をついた状態で顔面へのヒザ蹴りを放ってしまい、試合が一時中断となる。このヒザ蹴りでエフロエフは頭部をカットするが試合は再開される。

エフロエフは右ハイ・右ミドル、右スレートからシングルレッグで立て続けに組むが、アレンもテイクダウンを許さない。スタンドではエフロエフが右ミドル、アレンは左ボディストレート。エフロエフがシングルレッグに入ると、アレンが再びニンジャチョークへ。

エフロエフは自ら下になるように回転して脱出し、スクランブルになってもアレンを逃がさずスタンドでバックにつく。アレンが正対すると、エフロエフはケージに押し込む。最後はアレンが離れて打撃を見せるが、エフロエフは落ち着いて距離をとった。判定は3-0(29-28×3)でエフロエフが勝利。これでMMA戦績を18戦18勝とした。


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【UFC】速報中!UFC 297: Strickland vs. Du Plessis

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さてさて今日は堀口恭司プロデュースの格闘技イベント

【フェザー級】
×アーノルド・アレン
(判定0-3)
○モフサル・エフロエフ
1R、ジャブとボディを小まめに出して手数を稼ぐアレン。対するエフロエフは素早いタックルを仕掛けると2度目のトライでバックに周る。アレンは何度もローリングして脱出を図るが、エフロエフはその全てに対応してバックをキープ。圧倒的なレスリング力を見せてラウンドを終えた。
2R、タックル対策で腕を下げるアレン。警戒し過ぎてなかなか手数が出ない。逆にエフロエフはタックルで組み付きつつ、スタンドでもパンチを当てて飛び膝を見せる。さらに終了間際にはカウンターのパンチをヒットしてアレンをグラつかせたところでラウンド終了。
3R、後がないアレンは果敢にパンチを出していく。ボディを的確にヒットさせローも交えたコンビネーションでコンパクトにヒット。エフロエフがタックル。アレンはガブると中腰のエフロエフに対して膝蹴りを連打。しかしエフロエフの手がマットについているため反則となり試合は中断。エフロエフは頭部から出血。再開するとエフロエフはしつこくタックル。だがアレンは全て切ってスタンドの展開。打撃を当てつつエフロエフがタックルに来ると起死回生のニンジャチョーク!決まったかに見えたがエフロエフは回転して脱出し試合終了。判定はエフロエフだがアレンも見せ場を作った。すごく面白い試合!


【ミドル級】
○クリス・カーティス
(判定2-1)
×マルク・アンドレ・バリオー
1R、スタンドでの長いお見合いが続く立ち上がり。お互いに警戒して手数が出ない。中盤に入ってプレッシャーを掛けるのはカーティス。バリオーにケージを背負わせて細かいパンチを出していく。逆にバリオーは手数が少ない。会場からはブーイングが出始めてラウンドを終えた。
2R、バリオーが前に出て手数を出し始める。カーティスもカウンターで打ち返す。しかし積極性と手数ではバリオーが上手。お互いに決定的な場面がないままラウンド終了。
3R、オクタゴンの中央で至近距離打ち合う両者。互いにビッグヒットはないが至近距離でのフック、アッパー、肘などそれぞれ打ち合う。この展開になるとバリオーが上手か。泥臭く手数を稼ぐ。終盤にはカーティスがカウンターのアッパーでバリオーをグラつかせるが打たれ強い。最後は至近距離でお互いにパンチを打ち込んで試合終了。微妙な判定はスプリットでカーティスに軍配。


【ウェルター級】
○ニール・マグニー
(3R TKO)
×マイク・マロット
1R、終始スタンドの展開。左足を前に出すマグニーに対してマロットは的確にカーフキックを蓄積。何発も鋭角にヒットすると終盤には嫌がったマグニーが構えをスイッチする。マグニーはマロットの蹴りに合わせて組み付く場面はあったがマロットは冷静に脱出して大きな見せ場がないままラウンド終了。
2R、マロットはカーフキックではなくインローを蓄積。さらに前に出てきたマグニーをテイクダウン。ここは深追いせっずにスタンドも戻るとさらに外掛けから再びテイクダウン。すると肩固めを狙いつつマウントを奪取。パウンドを当てていくがマグニーは終了のブザーに救われた。
3R、開始直後に組み付いたマロットが簡単にテイクダウン。マウントからギロチンを狙うがマグニーは脱出してスタンドへ。しかし再び組み付いたマロットがまたしてもテイクダウン。しばらく膠着したが残り2分を切ってマグニーが立ち上がる。マロットがそれに合わせてギロチンを狙うがマグニーは気にせずテイクダウン。そのままマウントを取るとパウンドを乱射。嫌がるマロットのバックに周ると完全に身体を伸ばしてパウンド!残り10秒が迫ったところでレフェリーが試合を止めた!ベテランマグニーが大逆転勝ち!鳥肌立った!


【女子バンタム級王者決定戦】
○ラケル・ペニントン
(判定3-0)
×マイラ・ブエノ・シウバ
1R、シウバがカーフキックでリズムを作る。逆に組んでくるペニントンに対してニンジャチョークで切り返したり、首相撲からの膝蹴りで対抗。さらに逆にテイクダウンするとスルスルとバックに周ってチョークを狙う。立ち上がるペニントンの背中に張り付いてグラウンドに引きずり込むとバックをキープしてラウンドを終えた。
2R、序盤から組み付いてケージに押し込むのシウバ。テイクダウンを狙うがペニントンも堪えて差し合いが続く。一度は身体が離れるがシウバはしつこく組み付く。なんとか離れたペニントンはパンチの連打で前進。明らかにシウバは嫌がって後退。それでも組み付くと、またもスタンドでバックに周ってチョークを仕掛ける。あわやの場面だったがペニントンは耐え切ってラウンド終了。
3R、距離を詰めて組み付くのはペニントン。ケージ際で長い差し合いが続く。シウバは強引にニンジャチョークを狙うが不発。またしても長い差し合い。タックルでテイクダウンに来たシウバを潰したペニントンが上を取ってパウンド。だがシウバも下から腕十字を狙う動きを見せたところでラウンドを終えた。
4R、開始直後にパンチを当てたペニントン。しかし距離を詰めるシウバに捕まって差し合い。シウバはバックに周るとそのままグラウンドに引きずり込む。チョークを仕掛けるがペニントンは腕を外してスイープに成功。上をキープするがシウバは下から十字を狙う素振りを見せる。しかしペニントンは冷静に対処してパウンドを落としてラウンドを終えた。
5R、打撃の交差から組み付いたのはペニントン。ケージに押し込んで差し合い。上になったのはペニントン。肩固めを狙いつつマウントを奪取。肩固めは続けて絞め上げる。これは外れるが上からパウンドで削り続けて試合終了。このラウンドはペニントンが取ったか。微妙な判定はペニントンに軍配!新王者誕生です。


【ミドル級タイトルマッチ】
×ショーン・ストリックランド
(判定1-2)
○ドリカス・デュ・プレシ
1R、序盤は静かなスタンドの展開。ストリックランドはジャブを中心に手数を稼ぐ。中盤に入るとデュ・プレシがタックルでテイクダウン。しかしストリックラウンドもすぐに立ち上がってスタンドに戻る。終了間際にストリックランドがパンチをヒットさせてラウンドを終えた。
2R、やはりスタンドで手数を稼ぐのはストリックランド。長いリーチから左のジャブを着実にヒットさせる。デュ・プレシはプレスを掛けるがいなされる印象。しかし中盤に入るとデュ・プレシのパンチが伸び始める。さらに胴タックルでテイクダウン。だがストリックランドはすぐに立ち上がってスタンドの展開のままラウンド終了。
3R、パンチを振るって前進するとデュ・プレシだがストリックランドは素早く反応してかわず。デュ・プレシは手数を出すもののほとんど当たらない。逆にストリックランドは全く手数を出さない。様子を見ているのか。大きな展開がないままラウンドを終えた。
4R、やはりパンチを振るって前進するデュ・プレシ。当たっていないように見えているが、ストリックランドは目の周りと頭部から出血。さらにデュ・プレシは前進するとタックルでテイクダウン。しかしストリックランドはすぐに立ち上がる。スタンドに戻ると打撃の交差から再びデュ・プレシがタックルでテイクダウン。立ち上がるストリックランドの背中に張り付いてコントロール。残り1分で自ら離れてスタンドに戻りラウンドを終えた。
5R、ストリックランドは左のジャブを多用して手数を稼ぐ。パンチの交差から右フックも交えるがクリーンヒットしない。逆にデュ・プレシはパンチを振るいながら中盤に入って胴タックル。しかしストリックランドはこれを切ってスタンドの状態が続く。残り1分で激しい打ち合い。ストリックランドが左右のフックを振り回すがクリーンヒットなく試合終了。これまた微妙な判定はスプリットでデュ・プレシに軍配!新王者誕生!!
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【UFC297】UK~中東~UFC、サム・パターソン「遠征の方の方がファイトに向けて良い状態を創れるように」

【写真】 (C)MMAPLANET

20日(土・現地時間)、カナダはトロントのスコティアバンク・アリーナでUFC 297「Strickland vs Du Plessis」が開催される。
Text by Manabu Takashima

メインのUFC世界ミドル級選手権試合=王者ショーン・ストリックランド×挑戦者 ドリキュス・デュプレッシー。コメインのUFC世界女子バンタム級王座決定戦=ラケル・ペニントン×マイラ・ドスサントスの上位2カード以外には、ずらりとカナックMMAファイターの名が並んでいる同大会。

ウェルター級でそのカナダ勢のユアン・リネスと対戦するサム・パターソンは英国から中東を経て、UFCにたどり着いたキャリアの持ち主だ。オクタゴン初戦でショッキングなkKO負けを喫した英国の月見草=パターソンのMMAキャリアとは。


──英国のMMAファイターがUFCにたどり着くケースはローカルショーからCage Warriorsというのが王道ですが、対してサムは中東のBRAVE CFからコンテンダーシリーズを経てUFCと契約を果たしました。

「僕は物覚えが壊滅的に悪いんだけど(笑)、あの時はコーチや周囲の人間からBRAVE CFを勧められたんだ。チームメイトのチャーリー・レアリーがBRAVE CFとサインして、そのタイミングだったと思う。実は僕は当時Cage WarriorsからUFCという目標を持っていなくて、Bellatorで戦いたいという希望を持っていたんだ。

BBRAVE CFでは世界中で戦うことができた。あの頃のCage Warriorsは英国だけで大会を行っていた……そうだね、今回の試合はカナダで行われる。でも僕にとっては特別なことじゃない。BRAVE CFで既に飛行機に乗り、時差のある遠征をいくつも経験してきた。インドで試合をした時なんて、向こうの食事が合わなくて完全に体調を崩した(※サム・パターソンはBRAVE CF時代にバーレーン、ロシア、ベラルーシ、ヨルダン、サウジアラビアで戦っているが、インドで試合をしたのあSuper Fight Leagueでのファイト)。万全とは程遠い状態で戦ったけど、あの経験も自分を強くするためには必要だったんだ。

BRAVE CFにはワールドクラスのファイターが在籍していたし、凄く鍛えられたよ。UFCにその力を見出されるファイターも多かったからね」

――それだけリスクの高い試合も多かったかと思います。

「結果、僕は今UFCで戦うことができている。時差のある国での戦い、慣れない食事、異国でのファイトウィークの過ごし方、それらの対処法をBRAVE CFで学ぶことができた。凄く感謝しているよ。

英国シーンでだけキャリアを積んで、UFCというステージで戦うときに初めて海外での試合を経験するのは、本当に大変なことだと思う。その経験をUFCに来る前にできていたことは、とても大きい」

――しかし皮肉なことに昨年3月のUFC初戦は母国大会でショッキング初回KO負けを喫してしまいました。

「UFCロンドンでの試合は、全てが居心地が良かった。でも、その居心地の良さがもう僕にはフィットしていなかったんだ。4年振りの母国での試合で、遠征の方の方がファイトに向けて良い状態を創れるようになってしまっていたことに気づかされたよ。

でも、それを知ることもできのも大きな経験になった。もう、あのような試合は2度としない。最高のキャンプができ、状態も良かったから何も言い訳はできないしね。あの瞬間、ヤナル・エシュモズが正しい位置にいて、正しい攻撃をしたんだ。

もちろん、母国のファンの前で勝ちたかったよ。彼らも僕の勝利を見たかったはずだ。でも、あの負けを糧にして僕はより一層強くなれると確信している。実際、キャリア3戦目で敗れた僕は、そこから8連勝をした。UFC初戦での敗北から、立ち直ってあの時の練習を再現させるんだ」

――右ローをキャッチされ、直後の右フックをかわしましたが、足を掴まれていた左手で殴られた。マイケル・ビスピンは素晴らしく想像力のある攻撃だと解説していましたが、自分には偶然に見えました。あれは狙った攻撃でないと。

「あのタイミングでのパンチは、右だ。それは見えたからかわすことができた。そして右から左の攻撃につなげることは、全く持って普通の攻撃で。僕がバランスを崩していた時に、それが当たった。10回戦って、1回あるかっていう攻撃をヤナル・エシュモズは成功させた。彼もUFC初戦だったし、素晴らしい仕事をやってのけたんだよ。

あの敗北はメンタルの強化もそうだし、フィジカル的にもウェルター級に階級を上げるきっかけになったんだ」

――ウェルター級転向初戦、そして迎えたオクタゴン2戦目は、ユアン・リネスと彼の母国で戦います。どのような印象を持っていますか。

「とても危険な相手だよ。凄く真剣に彼のことを研究してきた。あとは階級を変えたことがどういう風に働くのか。16歳からずっと70キロで戦ってきた。実際、今でもライト級には落とせる。でも、体は大きくなり続けてきたので、筋肉まで削らないといけなくなった。階級を上げるときが来たと思ったし、僕がウェルター級で戦っていけるのか、この試合はテストになる」

――アグレッシブでラフ。リネスの攻撃は長所と短所が同居しているように感じます。

「だから僕の力を試す試合になる。彼の攻撃は、予期しない角度から襲い掛かってくる。そこが本当に危険なんだ。そして、一発で倒そうと振り回している。その一発を被弾すると、前回の試合の二の舞になりかねない。その一発を被弾しないよう、細心の注意が必要になってくるよ。

自分の戦いが如何にできるか。僕が何者かを証明する戦いになるだろうBRAVE CFで積み上げてきた経験、多くの人が知らないところで戦うことで身につけた力をワールドステージで発揮したい。ウェルター級にあげて、最高の状態にあると感じている。こんなにパワーを感じることは過去になかった。思いきり、前に出てくる相手に自分がどう戦えるのか。この試合は僕のMMAファイター人生の第二章の幕開けになる。世界中の皆に納得してもらえる戦いを見せるよ」



■視聴方法(予定)
11月12日(日・日本時間)
午前8時30分~UFC FIGHT PASS
午後12時~PPV
午前8時00分~U-NEXT

■UFC297対戦カード

<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
[王者]ショーン・ストリックランド(米国)
[挑戦者] ドリキュス・デュプレッシー(南アフリカ)

<UFC世界女子バンタム級王座決定試合/5分5R>
ラケル・ペニントン(米国)
マイラ・ドスサントス(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ニール・マグニー(米国)
マイク・マロット(カナダ)

<ミドル級/5分3R>
クリス・カーティス(米国)
マフクアンドレ・バリユー(カナダ)

<フェザー級/5分3R>
アーノルド・アレン(英国)
モフサル・エフロエフ(ロシア)

<バンタム級/5分3R>
ブラッド・カトーナ(カナダ)
ギャレット・アームフィールド(米国)

<フェザー級/5分3R>
シャルル・ジョーダン(カナダ)
ショーン・ウッドソン(米国)

<バンタム級/5分3R>
セルヒー・サイディ(カナダ)
ラモン・タヴェラス(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
ジリアン・ロバートソン(カナダ)
ポリアナ・ヴィアナ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ユアン・リネス(カナダ)
サム・パターソン(英国)

<女子バンタム級/5分3R>
ジャスミン・ジュスダヴィチェス(カナダ)
プリシラ・カショエイラ(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
マルコム・ゴードン(カナダ)
ジミー・フリック(米国)

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『UFC 297: Strickland vs. du Plessis』前日計量動画/2選手が計量ミス

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MAIN CARD (Pay-per-view, 10 p.m. ET)

・Champ Sean Strickland (184.75) vs. Dricus Du Plessis (184) – for middleweight title
・Raquel Pennington (134.8) vs. Mayra Bueno Silva (135) – for vacant women’s bantamweight title
・Neil Magny (170.75) vs. Mike Malott (170.5)
・Marc-Andre Barriault (184.5) vs. Chris Curtis (185.25)
・Arnold Allen (145.5) vs. Movsar Evloev (145.75)

PRELIMINARY CARD (ESPN, 8 p.m. ET)

・Garrett Armfield (135.25) vs. Brad Katona (136)
・Charles Jourdain (145.5) vs. Sean Woodson (145.5)
・Serhiy Sidey (135) vs. Ramon Taveras (139.75)*
・Gillian Robertson (115.75) vs. Polyana Viana (115.75)

PRELIMINARY CARD (ESPN+, 6:30 p.m. ET)

・Yohan Lainesse (170.75) vs. Sam Patterson (169.5)
・Priscila Cachoeira (133.5) vs. Jasmine Jasudavicius (133) – moved to bantamweight after initial flyweight contract weight
・Jimmy Flick (126) vs. Malcolm Gordon (127.5)**

 『UFC 297: Strickland vs. du Plessis』前日計量結果。メインカードは全員パス。前座ではセルヒー・シディと対戦するラモン・タヴェラスが139.75ポンドと3.75ポンドオーバー、ジミー・フリックと対戦するマルコム・ゴードンが127.5ポンドと1.5ポンドオーバー。タヴェラスは出場給の30%、ゴードンは20%を譲渡し試合は行われます。




 前日計量動画。


 MMAJunkieスタッフによるメインカード勝敗予想。

・ショーン・ストリックランド vs. ドリカス・デュ・プレシはストリックランド支持3人、デュ・プレシ支持8人。

・ラケル・ペニントン vs. マイラ・ブエノ・シウバはペニントン支持1人、シウバ支持10人。

・ニール・マグニー vs. マイク・マロットはマグニー支持1人、マロット支持10人。

・クリス・カーティス vs. マーク・アンドレ・バリオーはカーティス支持9人、バリオー支持2人。

・アーノルド・アレン vs. モフサル・エフロエフはアレン支持5人、エフロエフ支持6人。続きを読む・・・