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Brave CF DEEP F1 IMMAF MMA o ONE RIZIN UFC アレックス・ペレス ボクシング ンコシ・ンデベレ

RIZIN DECADE:北米向けの第1部で神龍誠 vs. ホセ・トーレス決定。

トーレスはアマチュアのIMMAFで2年連続優勝。UFCのフィーダーショーのTitan FCでフライ級&バンタム級の2階級を制覇し、UFCとの契約をアピールしていたが、1年以上UFCからは無視され続け実現せず。2018年に、直前の欠場選手の代役としてジャレッド・ブルックス戦でようやくUFCデビュー。ブルックスにパンチでダウンを奪われ、タックルでテイクダウンを奪われる苦しい展開が続き、2Rにブルックスに水車落としで投げられたものの、ブルックスが投げた際に頭を打って自滅。ラッキーな勝利を手にした。2戦目は、今年6月に平良達郎のおたつロックで負傷TKO負けしたアレックス・ペレスとの対戦で、序盤からパンチでラッシュしてくるペレスに対し、トーレスも打ち返したものの、連打を浴びて1RKO負けでMMA初黒星を喫している。

UFCでの2戦は内容も良くなかったものの、1勝1敗では通常リリースされないところだが、当時UFCのフライ級廃止騒動があり、中堅以下はバッサリカット。トーレスもリリースされている。しかし、その後フライ級存続が決まっても、トーレスには再契約の声がかからず。中東のBRAVE CFに主戦場を移している。BRAVE CFでは2021年にフライ級王座決定トーナメントに出場したものの、体重を落とせず途中棄権。その後は階級をバンタムに上げ、バンタム級王座決定戦でンコシ・ンデベレと対戦し勝利。しかし僅差だったことでダイレクトリマッチが組まれ、今度は3RKO負け。今年5月に3連戦での決着戦が組まれたが、判定負けで連敗となっている。

今回はフライ級契約ではなく59kg契約なのは、トーレスが57kgまで落とすのが難しいためか。神龍にとっては実質体重ハンデのある対戦となる。

第1部は日本時間午前10時開始予定。他に、第3部で発表されていた貴賢神 vs. エドポロキングも第1部にスライド。ボクサー同士のボクシングエキシビション2試合も追加されている。

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MMA o RIZIN Road to UFC UFC YouTube その他 アレックス・ペレス アンソニー・スミス クレイ・グイダ ジョシュア・ヴァン タティアナ・スアレス タリソン・テイシェイラ チェイス・フーパー ドミニク・レイエス ニック・ディアス ブランドン・モレノ マックス・グリフィン マネル・ケイプ モフサル・エフロエフ ランディ・ブラウン 中村倫也 佐々木憂流迦 堀口恭司 平良達郎 朝倉海 木下憂朔 風間敏臣 魅津希 鶴屋怜

UFC 310:朝倉海 アルティメットメディアデー Presented by U-NEXT

概要欄
UFC® 310:ムハマッド vs. ラフモノフ
日本時間:2024年12月8日(日)
会場:T-Mobileアリーナ(アメリカ・ネバダ州ラスベガス)
配信:U-NEXT / UFC Fight Pass

世界最高峰の総合格闘技(MMA)団体であるUFC®(Ultimate Fighting Championship)が日本時間12月8日(日)に開催を予定しているUFC® 310のセミメインイベントにて、UFCフライ級王者アレシャンドレ・パントージャが、UFCデビューを飾る朝倉海を相手に3度目の防衛戦に挑みます。

2023年7月に開催したUFC 290で、当時のUFCフライ級王者ブランドン・モレノを下してUFCフライ級王座を獲得したアレシャンドレ・パントージャ(28勝5敗、ブラジル/アハイアウ・ド・カボ)は、以降の1年間でブランドン・ロイバルとスティーブ・エルセグを退けて王座防衛に成功しました。パントージャはサブミッションで10勝、ノックアウトで8勝、第1ラウンドフィニッシュ10回を記録しており、モレノ(3戦)、アレックス・ペレス、マネル・ケイプ、佐々木憂流迦、カイ・カラ・フランスら強豪に勝利しています。

UFCデビュー戦がタイトルマッチという歴史的な一戦に挑む朝倉海(あさくら・かい、21勝4敗、愛知県)は、現在、日本で最も有名なMMAアスリートであり、10年以上のMMA経験を持つ実績あるノックアウトアーティストと称されています。朝倉のベーススタイルは打撃とグラップリングを包括する日本の空手、禅道会。UFC参戦までに2連勝を収めており、日本のRIZIN FFでは過去12試合中9試合でメインイベントまたはセミメインイベントを務めています。最近では2023年12月にフアン・アーチュレッタを破ってRIZIN FFバンタム級王座を獲得した経歴を誇ります。また、これまでに朝倉はマネル・ケイプ、堀口恭司、佐々木憂流迦らを下してきました。

朝倉の参戦により、UFCロースターに名を連ねる日本人選手はフライ級ランキング5位の平良達郎、女子ストロー級の魅津希、ウェルター級の木下憂朔、ROAD TO UFCシーズン1バンタム級ファイナリストの中村倫也と風間敏臣、ROAD TO UFCシーズン2フライ級優勝者である鶴屋怜の7名となります。

対戦カード一覧(予定)
【メインイベント】
ウェルター級タイトルマッチ
ベラル・ムハメド vs. シャフカト・ラフモノフ

【セミメインイベント】
フライ級タイトルマッチ
アレシャンドレ・パントージャ vs. 朝倉海

【その他カード:順不同】
ヘビー級:シリル・ガーン vs. アレクサンドル・ボルコフ
ウェルター級:ビセンテ・ルーケ vs. ニック・ディアス
フェザー級:モフサル・エフロエフ vs. アルジャメイン・スターリング
ウェルター級:ランディ・ブラウン vs. ブライアン・バトル
ヘビー級:タリソン・テイシェイラ vs. ルーカス・ブジェスキー
女子ストロー級:タティアナ・スアレス vs. ビルナ・ジャンジロバ
フライ級:コーディ・ダーデン vs. ジョシュア・ヴァン
ライト級:クレイ・グイダ vs. チェイス・フーパー
ウェルター級:マイケル・キエーザ vs. マックス・グリフィン
ライトヘビー級:アンソニー・スミス vs. ドミニク・レイエス

※対戦カードおよび試合順、試合数は事前の予告なしに変更となる場合がございます。

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【UFC】師弟対談─03─平良達郎&松根良太が語る朝倉海 。「戦うんだったらベルトを賭けて」(平良)

【写真】個人に夢を追う立場から、日本のリーダーになりつつある平良達郎(C)THE BLACBELT JAPAN

UFC on ESPN58でアレックス・ペレスを倒し、フライ級で5位にランクされることとなった平良達郎と師・松根良太対談、最終回。
Text by Manabu Takashima

ファイターとして世界の頂点に立ちたいと思っていた平良は、同じ想いで戦う日本人ファイターをもっと応援してほしく、UFCの国内での知名度をもっと上げたいと思うようになってきた。UFCで戦うことで、世界を知ったといっても過言でない師弟は、その壁の高さを誰よりも知っている。そんなUFCの日本人ロースターに朝倉海というスーパースターが加わる。

平良、そして松根は朝倉の参戦をどのように捉えているのか。またUFCに愛弟子を送り込んだ松根に「単に打・投・極を総合的に闘えばいいというものでもない。自然の流れにのった技術がとぎれなく連係し、なめらかに回転すること」という修斗の理念をどのように考えているのか──を尋ねた。

<平良達郎&松根良太対談Part.02はコチラから>


「勝てる時に勝つ。とにかく、勝つ。負けない、勝つ。そこを大前提に達郎を育ててきたつもりです」(松根)

──モカエフがケイプに勝ったとして24歳同士、16勝0敗の平良選手と、12連勝のモカエフが事実上の次期挑戦者決定戦として戦えば最高のストーリーになりますね。モカエフになるのか、他になるのか。27日のモカエフ×ケイプも見逃せないです。いずれにせよ、次の試合はいつ頃に戦いたいと思っていますか。

平良 誰と戦おうが、希望としては10月以降に戦いたいと思っています。10月以降で、年内にもう1試合したい。それまで武器を増やして、もっと強くなってオクタゴンに入ります。

──この間に増やしたい武器とは?

平良 打撃が強くなりたいから打撃の練習をするというのは、MMAファイターとして……僕はそういう風に練習はできないと思っています。

──と、言いますと?

平良 アレックス・ペレスと初回に打撃戦で競り合いになりました。5R制になると、あの競った展開が続くのは厳しくなると思います。それにフライ級の上位陣は、柔術が強い選手が多いです。そのなかでは頭一つ抜けた極め力と、相手を削るパウンドということを意識してやって来て、手応えを感じています。サブミッションももっと強化しないといけないですし、打撃ももっと伸ばしたい。その結果として打撃、テイクダウン、極めを上手く融合させた自分のスタイルを創りたいと思っています。

──ストロングベースを持ち、それ以外の部分を補足している選手と戦う時に、日本人選手は総合力で戦うということを口にします。平良選手が育った修斗の選手は、本当にそういう風に言います。ただしUFCで、そういうファイターに総合力で勝つということは、際の攻防や回転させて勝つという次元ではなくて、打撃もレスリングも柔術も全て高いレベルで戦えないといけないと思っています。技術力が足らないと、回転などできない。全てが強ければ、回転させなくても勝てる。その辺り、修斗ジャンキーこと松根さんはどのように考えていますか。

松根 達郎に関してはレスリングが強い選手と戦っても、柔術で上が取れると思っています。僕の指導方針とは、そういうことなんです。レスリングが強い人、柔道が強い人にはレスリングや柔道では負けるけど、柔術を駆使したトップの取り方があって、上が取れればそれで勝てる。そういう風に沖縄の選手には指導をしています。

同様に打撃からテイクダウンのフェイントでつかって、打撃を使いうという立ち技も同じです。レスリングに対しては、倒されても柔術を駆使して上になれる。総合力という一つの言葉では収まらない。強い人は全てができます。

達郎は成績が表しているように、全てができるようになっています。当然、現時点でも完成はしていません。まだまだ伸びるので、本人もそういうところを伸ばしたいと思っているはずです。

──松根さんだからこそ、伺いたいです。回転をさせたいのか、勝ちたいのかと。

松根 そうですね、相手の穴をついて勝てるところで戦えば、回転させなくても勝てます。回転させずとも勝つときには打撃でKOしますし、テイクダウンができればバックチョークで仕留めます。勝てる時に勝つ。とにかく、勝つ。負けない、勝つ。そこを大前提に達郎を育ててきたつもりです。

──とにかく勝つ。2003年8月の松根良太×大石真丈戦を思い出します。

松根 僕が指導する上でやっぱり鶴屋(浩)さん、鶴屋イズムが根底にあります。負けない。判定でも、とにかく勝つ。そこがベースにあって、成長するためにも取れる人は一本を取る、倒せる人はKOする。勝てる時に勝つためにKOする。勝てる時に勝つために、一本を取る。それも負けない鶴屋イズムです。

「世界と勝負している日本人選手のことをもっと知って欲しい」(平良)

──そんななか朝倉海選手が、UFCで戦うことを公言しました。朝倉選手は大きなパイで、UFCにファンを連れてきてくれる選手です。朝倉選手のことは、これまで意識していましたか。

平良 交わることはない人だと思っていました。それが……フライ級で戦うのであれば、交わることがあるかもしれないと思うようになりましたね。何よりも朝倉選手は影響力が大きいので、UFCの知名度を上げてくれると思います。

と同時にフライ級で戦っていくならライバルになりますけど、僕は僕でベルトを目指して戦っていこうと思います。朝倉選手と戦うんだったら、ベルトを賭けてやりたいです。

松根 日本人同士の世界戦というのはボクシングでもありますが、言っても世界の広さは圧倒的なので。中村倫也選手もそうですし、木下憂朔選手も風間敏臣選手もそう。もちろん鶴屋怜、平良達郎、そして朝倉海選手も加わりますが、純粋に世界に挑む彼らが、どう海外の選手に勝つのかを応援してほしいですね。そういった意味では朝倉選手は仲間というわけではないですが、同じ志を持った同志です。

「戦えば、どっちが強いんだ」という風になりやすいですが、やっぱり世界は圧倒的ですよ。もう、見てきたじゃないですか。UFCは強い選手が集まっていて、凄く良い選手でも負けてリリースされてしまう。ここ数年、達郎の後押しをするために海外に出ていくようになって、圧倒的に強い人が多すぎます。日本には島国の良さがありますが、選手もファンも世界をもっと見て、そこで戦う選手を応援して欲しいです。

平良 僕もUFCと契約した頃は、ただひたすらUFCでチャンピオンになりたいということだけを想っていました。それが今ではUFCをもっと日本の人達に知って欲しいという気持ちが、凄く強くなっています。多くの国ではMMA=UFCと思われている世界の最高峰プロモーションと、そこで世界と勝負している日本人選手のことをもっと知って欲しいです。

そういう面で僕はまだまだで……もっともっと影響力を増して、試合を見てくれる人を増やしたい。UFCに朝倉選手が来てくれたら、RIZINだけを見てきたファンの人もUFCに興味を持ってくれるだろうし、朝倉選手がUFCに来ることでUFCが日本でも盛り上がる。それが嬉しいです。

松根 朝倉選手がUFCで戦うことで、達郎が言ったようにRIZINしか見ていない日本のファンの人達がUFCを見るようになる。そんな良いことはない。そして、皆さんに本物を見て欲しいなと思います。本当にそこを日本のMMAファンにも見て欲しいですね。世界には本当に強いファイターがいて、そこに日本人選手達が挑戦しているところを純粋に見て、楽しんで、応援してほしいです。

──そんな世界と戦う日本勢を、平良選手がこれからもリードする存在になることを願っています。

平良 ありがとうございます。頑張りますっ!! 自分が好きでやっているMMAという競技で試合の度に、もっといえば毎日の練習の度に強くなるという気持ちで過ごしています。相手が誰でも準備をしっかりとして挑むので、次の試合も期待して見て欲しいです。

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45 AB DEEP MMA MMAPLANET o TSUNE UFC YouTube   アレックス・ペレス キック ジョシュア・ヴァン ボクシング マネル・ケイプ ムハマド・モカエフ 修斗 和田竜光 岡田遼 平良達郎 松根良太 海外 食事

【UFC 】平良達郎&松根良太、師弟対談─02─「次が世界戦でなければ、モカエフ×ケイプの勝者と」(平良)

【写真】平良がUFC世界王者になるために、頑強が足場が整ってきている(C)THE BLACBELT JAPAN

UFC on ESPN58でアレックス・ペレスを倒し、フライ級で5位にランクされることとなった平良達郎と師・松根良太対談、第2弾。
Text by Manabu Takashima

UFC世界フライ級王座を見据え、武器を増やしながらも軸を崩さない平良の成長の裏には、強い信頼感で結ばれた人間関係とプロアスリートとして彼を支えるマネージメントの存在があった。

王座挑戦が現実的になってきた平良が描く、青写真はファンが見たくなるストーリーだった。

<平良達郎&松根良太対談Part.01はコチラから>


「ボクシング業界から、日本のMMAが少しでも認めてもらえた」(松根)

──課題を克服しつつ長所が伸びる。この稀な例を最高に引き出しているのが、平良選手の環境かと感じています。コロラドでの出稽古と拠点である沖縄での練習。そこがしっかりと調和できているようで。

平良 拠点は沖縄にある。そこは絶対です。そのうえでエベレーションファイトチームのコーチも「セカンド・ホームとして使ってくれれば良いから」と言ってくれています。

──練習をするならこっちに来て、チームの一員になれということではないと。

平良 そういうガツガツしたところはないです(笑)。だからってよそ者扱いすることなく、本当に親切で。それでも今回は試合前に行くのは初めてだったで、不安はありました。でもコーチ達もアレックス・ペレスの映像を視て、アドバイスをくれました。それはチームメイトも同じで。沖縄でやってきたことを信じ、最後にコロラドで練習をして良いイメージを持った状態でオクタゴンに上がることができました。

──その最後の調整に帯同していたのも松根さんではなくて、岡田遼選手だった。そこが機能するのも、THE BLACKBELT JAPAN平良チームの良さかと思います。

松根 試合が2度延期されて、ペレス戦が決まったのはジョシュア・ヴァン戦のために渡米する前日でした。あのタイミングで米国に行くと40日間ほど向うにステイしないといけない状態で。相手もペレスになったので、あのタイミングで渡米するのはよそうということになりました。

そこから2週間半、沖縄でペレスと戦うための準備をして、最後にデンバーで高地トレをしつつ時差ボケを解消するというプロセスがしっかりとハマりました。2週間半、平良とペレス戦について話して、対策を施した。そこを岡田に託して、米国で創ってもらえましたね。本当に岡田のサポートには感謝しています。岡田だからこそ、できたことだと思っています。

──3人の間に絶対の信頼関係があるからこそ、この選択ができたと思います。

松根 とても良いチームができています。その上で今年からセカンドキャリアというボクシングを主体としているマネージメント(井上尚弥、武居由樹、平岡アンディらプロボクサーをマネージメントしている)と一緒にやって行くことが本当に大きいです。

2023年まで沖縄の企業様の協力を頂いていましたが、去年の夏ごろからセカンドキャリアから声を掛けてもらって。色々と話をするなかで2024年から一緒にやって行くことが決まりました。「平良達郎をUFCチャンピオンにするためなら、何でもサポートをする」と言って頂けています。

今回のデンバーでの最終調整に関しても岡田遼、そして食事面のサポートをしてもらうために達郎のお母さんにも同行してもらったんですが、渡航及び滞在に必要な費用を全てセカンドキャリアが用意してくれました。「何不自由することなく平良達郎が勝てるベストの状況を整えて欲しい」ということで、最終合宿が実現できました。セカンドキャリアさんと一緒にやって行けていることは、本当に大きいです。

平良達郎の練習、睡眠、食事だけを考えることに集中して欲しいと、SNSやYouTube、テレビなど露出する必要もない。とにかく試合前は練習と体調管理に集中できています。

──プロとは?という部分で強調される露出と話題創り、ここを考える必要がないということですね。

松根 ハイ。オフの時に、自分でやりたいことがあればやってください──というスタンスなんです。これ以上ない、マネージメント会社とチームが組めたと思います。同時に長い歴史を誇るボクシング業界から、日本のMMAが少しでも認めてもらえたのかと。その最初の一例を平良達郎で創ることができました。後に続く選手たちに良い背中を見せることができています。

先ほど仰っていただいた打撃、テイクダウン、寝技のつなぎができていることに踏まえて、プライベートの部分もUFCチャンピオンになる環境が整ってきていると実感しています。

──松根さんの言葉も本当に力がこもっていますね。

松根 MMAで頑張る。達郎は今、MMA以外に興味がない人間になっていますね。

平良 僕はだらしないんで、SNSとかやると失言しそうで怖くて。

──炎上ビジネスとは真逆の人間性。ホッとします。UFCでも沖縄で煽りVが撮られるまでの位置にきた。それでいて、修斗で2回戦を戦っていた時のような純朴さが残っている。

平良 その辺りは変わらないです(笑)。というよりも、変われないです。

「達郎はデビュー2戦目で、オタツロックを使っているんですよ」(松根)

──一方で、平良選手のMMAは進化し続けている。前回の試合で話題になったオタツロックですが、着目するようになったのは、どのようなことからだったのでしょうか。

平良 和田選手が使っていることでオタツロックという技があるのを知って、修斗の頃からチョコチョコ使っていました。今ではオタツロックを意識しているというよりも、流れのなかでバックを取れば自然に出るようになっています。流れの中で使う技ですね。そこに関しても和田選手から、勉強をさせてもらえました。

僕はアマ修斗から修斗をやってきて、修斗しか知らなかったんです。そのなかでDEEPのフライ級チャンピオンだった和田選手の試合を視た時に、『全てがしっかりしている選手だ』と思ったんです。MMAとして全ての要素を混ぜて戦っていて、柔軟性がある。パンチも強くて、カーフキックも強い。和田選手の戦い方も好きで、注目して視ていました。

松根 実は達郎はデビュー2戦目で、オタツロックを使っているんですよ。

──そうだったのですね。自分は初めて撮影をした試合だったからか、両足フックの大翔選手をパウンドしたイメージが強かったです。

松根 両足フックを使う時もありますけど、以前からオタツロックでコントロールをしてきました。沖縄では達郎がオタツロックを使うということで、後に続く選手も多かったです。和田選手とは体形も違いますし、もしかすると独自で進化している部分もあるかもしれないです。

──ペレス戦ではスタンドでオタツロックを取り、すぐに煽りました。ペレスと垂直になるぐらいまで煽って、また背中に戻った。ペレスの軸が強いのもありますが、平良選手の軸とロックの強固さにも驚かされました。

松根 そういう技なんだよな?

平良 ハイ、そうなんです。

松根 日本では和田選手がいてくれて皆が知っていたけど、海外ではアルジャメインが「あの技はなんだ」と騒いでいました。なので、これから世界に広まるでしょうね。達郎もタツなんで、面白いですよね(笑)。

──確かに(笑)。

平良 だから僕のオリジナルではないということは、しっかりと言っていかないといけないと思っています。

松根 達郎のタツでなく、和田竜光選手のタツだと。

「何だかんだとモカエフが勝つ」(平良)

──そこを気にするのも、この師弟ならではです。そして、この勝利でUFCフライ級5位にランクされました。ここでパントージャの名前を出すことも説得力があります。実際問題、実現の可能性はどの程度に感じていますか。

平良 UFCのマッチメイク的に、これで進んでくれるのだったら、もうやれます。そうでないなら、次に誰かと戦ったあとで挑戦したいです。挑戦権を争ううえで一番盛り上がる……自分自身、一番燃えるのはやっぱりムハマド・モカエフとマネル・ケイプの勝った方と戦うことですね。僕自身そうだし、フライ級の流れとしても盛り上がるのではないかと思っています。この試合で勝った選手と試合をする方が僕も燃えますし、そこで勝つと「もう平良しかいないだろう」という空気になるでしょうし。

──7月27日、UFC304で対戦する両者。実はこの取材で、両者の対戦について平良選手の予想を尋ねたいと思っていました。

平良 まぁ……何だかんだとモカエフが勝つとは思うのですが、毎試合危なっかしい試合をしますよね。モカエフにはスパッと極めるイメージはもともとないです。でも1Rでフィニッシュできないと、危ない場面を見ることになるかと。それでもフィニッシュするにしろ、判定になるにしろ、モカエフが勝つと思います。

<この項、続く>

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AB o UFC UFC302 UFC303 アブドゥル・ラザク アレックス・ペレス ガブリエル・ボンフィム クリスチャン・ロドリゲス ジョシュア・ヴァン ジョシュ・フレムド ダリウス・フラワーズ チャールズ・ジョンソン ティム・エリオット ブラック マイク・デイヴィス メイシー・バーバー モンテル・ジャクソン ルアナ・サントス 平良達郎

UFC on ESPN59:オッズ/予想と展望

ローズ・ナマユナス 1.46
トレイシー・コルテス 2.80
サンチアゴ・ポンジニッビオ 1.52
ムスリム・サリコフ 2.60
ドリュー・ドーバー 1.91
ジェアン・シウバ 1.91
ガブリエル・ボンフィム 1.29
アンジュ・ルーサ 3.70
ジュリアン・エローサ 2.70
クリスチャン・ロドリゲス 1.49
アブドゥル・ラザク・アルハサン 1.59
コーディ・ブランデージ 2.40
ジョシュア・ヴァン 1.46
チャールズ・ジョンソン 2.80
ジャスミン・ジャスダビシアス 1.91
ファティマ・クライン 1.91
モンテル・ジャクソン 1.70
ダモン・ブラックシア 2.20
ルアナ・サントス 1.26
マリヤ・アガポバ 4.00
ジョシュ・フレムド 1.89
アンドレ・ペトロスキー 1.93
エヴァン・エルダー 1.33
ダリウス・フラワーズ 3.50

2週間ぶりのUFCは旗揚げの地デンバーで開催。

メインは女子フライ級。元ストロー級王者ナマユナスは前回フライ級に上げて初勝利。今回はランキング4位のメイシー・バーバーとの対戦が組まれていたが、2週間前にバーバーが欠場。来週ミランダ・マーヴェリックとの対戦が組まれていたランキング14位のトレイシー・コルテスとの対戦に変更されている。

代役のコルテスはUFC初メイン。現在、UFCデビューから5連勝中だが、ほぼ年1の試合ペースのため、なかなか上位との対戦が組まれず、これまでの相手は全部ノーランカー。テイクダウンから押さえ込みするスタイルで、キャリア11勝のうち、KO勝ちと一本勝ちが1試合のみで、残り9試合は判定勝ち。UFCでの5勝もすべて判定勝ちとなっている。かつては打撃が弱点だったが、昨年9月の前戦ではパンチで打ち合う場面を見せるなど打撃が向上していた。

現在もストロー級で戦える体格のナマユナスに対し、コルテスは逆にバンタムから落としてきた選手。身長・リーチは同じだが、フィジカルではコルテスが上回るので、コルテスとしては組みで体力を削る展開にしたいところ。とはいえ、5戦全勝でもこれまでノーランカーとしか対戦していないコルテスでは、ナマユナスの相手は厳しいか。

ナマユナス判定勝ち。

セミ前に出場する元ランカーのドリュー・ドーバーはマイク・デイヴィスと対戦予定だったが、デイヴィスが欠場。ドーバーの相手が先週まで決まらず、急遽UFC303に出場したジェアン・シウバの出場が決まった。

シウバは本来フェザー級だが、前戦では体重オーバーしている。13勝中10KOのハードパンチャーで、前戦では中堅のシャルル・ジョーデインから2RKO勝ちし、UFCデビューから2連続KO勝利。ドーバーもKOパンチャーだが、オッズは本来階級下のシウバとイーブンになっている。今後もライトで戦うのか、フェザーに戻すのかは不明だが、元ランカーのドーバー相手にショートノーティスで勝つなら、ランカーとの対戦にも期待できる。

プレリムにはフライ級期待の新星のジョシュア・ヴァンが登場。昨年11月にUFCデビューし、今年1月にも勝利して2連勝としたが、4月の試合は相手の怪我で消滅。先月のUFC302ではスムダルジ戦が組まれていたがスムダルジが欠場。前月のティム・エリオット戦がエリオットの怪我で消滅していた平良達郎との対戦に入れ替わったが、その後試合のシャッフルがあり、平良はアレックス・ペレスと、ヴァンは当初ペレスと対戦予定だったランカーのウランベコフとの対戦に変更。が、その試合もまた、ウランベコフの欠場により消滅と、4試合続けて自分に責任のない試合消滅が続いている。

今回の相手チャールズ・ジョンソンUFCで3連敗していた時、無敗のカザフスタンファイター・アザト・マクスム相手に代打出場し、打撃で攻めてマクスムを失速させて判定勝ち。5月の前戦は地元セントルイスでUFC2勝2敗のジェイク・ハドリー相手に打撃の手数で上回っての判定勝ちで2連勝。2試合連続でオッズではアンダードッグだったが、アップセット勝利している。ヴァンにとっても油断できない相手。

第1試合開始は14日朝8時から。速報します。

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45 AB MMA MMAPLANET o TSUNE UFC UFC ESPN58 YouTube   アレックス・ペレス キック ジョシュア・ヴァン ティム・エリオット ボクシング マテウス・ニコラウ 修斗 前田吉朗 平良達郎 松根良太

【UFC ESPN58】ペレスを下し、ランク5位。平良達郎&松根良太、師弟対談─01─「謙虚さが強さ」(松根)

【写真】抜群の信頼関係にある松根良太と平良達郎 (C)THE BLACBELT JAPAN

6月15日(土・現地時間)のUFC on ESPN58でアレックス・ペレスから2RTKO勝ちを収めた平良達郎は、日本人前人未到のオクタゴン6連勝とし、フライ級で5位にランクされることとなった。
Text by Manabu Takashima

対戦相手が2度変更、戦う日付も2度延期された。その状態で過去最強といって良いペレスから衝撃的なオタツロック→足の負傷というフィニッシュ勝利をした平良と、師匠である松根良太氏に今回の勝利を振り返り、これからに関して尋ねた。

武器を増やしながらも自分の軸を崩さない平良。UFCで王座挑戦が現実的に見えてきた平良の根底にある強さの源が何なのか──が、両者の言葉から見えてきた。


「上手くいかないことを考える時間が凄く長かった」(平良)

──メインでアレックス・ペレスに勝利し、フライ級のランク5位になりました。ティム・エリオット、ジョシュア・ヴァンと対戦相手が2度も変わり、また試合の日も2週間、また2週間と1カ月近く延びました。ただ、一番良い相手との試合をしっかりと勝てたのではないかと。

平良 3人とも面白い選手でしたが、これからチャンピオンを目指す上でペレスが一番良い相手だったと思います。ペレスのテイクダウンディフェンス能力の高さは誰もが認めるところで。そこに対し、僕はどうすれば勝てるのかなってメチャクチャ考えました。

ティム・エリオットだとガチャガチャの展開になって、彼の方から下になることもあったと思います。ジョシュア・ヴァンはグラップリングに穴があって、これまでの試合と戦い方はそれほど変わることはない試合になっていた可能性が高いです。対してペレスと戦うことで、上手くいかないことを考える時間が凄く長かったです。そのペレスからテイクダウンが取れて、自分がやらないといけないことができて勝てた。結果として、一番良い相手に勝てました。

松根 これまでの5試合はランク外の選手と戦って、UFCで上にいくために良い経験が積めているという気持ちはありました。例えば修斗で戦っていた時に清水(清隆)選手に勝った後に、ランキング的に王座挑戦ということでなく前田吉朗選手と戦うべきだと思いました。

ワンクッションを置いてから、挑戦だと。それは平良達郎の経験が足りていないと感じていたからです。前田選手と戦うための練習をしっかりとすることで成長し、福田(龍彌)選手と戦いで勝利する道に繋がりました。彼が修斗で戦っているときは、そんな風に考えていました。対して今の達郎はUFCの5試合で経験が積めています。

ジョシュア・ヴァンとやっても、彼も言ったようにその5試合と同じような試合になっていたはずです。ティム・エリオットに関しては、扇久保(博正)とのストーリーがあるのと、彼のようなスタイルの選手と戦うと、これまでの試合とは違う経験ができるという想いもしていました。

達郎自身も興味を持っていましたし。でも、アレックス・ペレスは現状で一番良い相手でした。紛れもない実力者で、その彼にああいう試合展開で勝てた。達郎にとって、良い経験になりました。ティム・エリオットですが、ACLを痛めたと聞き、その回復の時や今後の復調を考えるともうやることはないかなと思います。

これまでの16試合、達郎も相当に良い経験を積むことができています。機は熟してきているんじゃないかと、僕は思います」

──ペレスはタイトル挑戦経験もあり、直近の試合でマテウス・ニコラウに勝ったこともタイトル挑戦に近づくうえで大きかったのではないかと。

松根 マテウス・ニコラウも越すことができましたしね。

──UFCで上にいくほど、相手は穴が無くなります。そして防御能力が高い。そこが先ほどから平良選手も言われているペレスのテイクダウン防御能力の高さを含めて、過去一番穴のない相手だったかと。

松根 そうですね。そのペレスに対して、初回にはしっかりとジャブをつくことができていました。ペレスがフック系のパンチだったのに対して、達郎は真っ直ぐが打てていた。そして距離を創ることもしっかりとできていました。

バッと来た時に被弾した場面もありましたが、効かされたパンチは一発もなかったです。届いたように見えるパンチも顔を背けて、抜かしています。

沖縄の琉豊ボクシングジムで、與那城(信一)会長の下でやってきたこともしっかりと試合で出ていました。会長も「アッパーをあそこで出せると思わなかった。試合で出せている」と言ってもらえたように、1Rに打撃でやり合えたことはとても大きいです。戦前に僕が予想していたのは、距離感と相手のステップの雰囲気を掴むのに時間を使う。でも2R以降、3R、4Rと達郎はどんどん見えてくるはずだと。それが2R開始の時点で、相当に見えていましたね。

あのまま打撃戦を続けていても、達郎は目が良くて距離感も良いので彼のペースになっていたはずです。岡田(遼)とも話しましたが、初回にやられているということは全くない。そういう印象でした。ただ、取っているかどうかでいうと、そうでないかもしれない。そこで取られるようなことがあれば(※ジャッジは3者とも10-9でペレスを支持していた)、判定に関して今後ももっと勉強をしないといけないと考えています。

平良 1Rは良いラウンドとは言えないですけど、想定通りというか。ペースも思った通りでした。ケージに詰められて手数が減り、ペレスがカーフキックやパンチで攻めてくる展開が続くことは避けたいと試合前に考えていました。それに一番警戒していたカーフキックを2、3発貰ったのですが、「大丈夫だ」と本当に思えて。

──一番嫌だった技が、そうでもなかった。

平良 スコアはそれほど頭になくて、カーフキックに関して「対応できる」と凄く安心できたのは大きかったです。

──個人的に平良選手がUFCとサインをした時に、やっていけるのか不安ばかりでした。スタイル的に一番の武器が寝技、その前のボディロックテイクダウン。寝技はスクランブルゲームが発達している。そしてボディロックは、、その距離に入るための打撃が必要だったからです。

松根 ハイ。

──そうなると、よりボクシング&レスリングが必要で。ただ、そのために自分の良さを失う選手も見てきました。対して平良選手は課題を克服しつつ、得意だったところもより良くなっている。そこが凄いと感じています。

平良 ありがとうございます。

「達郎を信じて少し背中を押した」(松根)

松根 例えば琉豊ジムでのボクシングに関しても、UFCに合わせて近い距離のボクシングが増えています。そこで技術的に上達すると、安心して試合でも距離が近くなります。そこが、自分が通常はボクシングに手を出し始めた選手に感じる不安です。

でも達郎は、それがないんです。自分の戦いを忘れない。軸を崩さないです。ボクシングに関してはいざという時の近い距離の目慣らしをして、試合の時は自分の距離で戦えます。これまでやってきた15戦、今回が16試合目ですが、それまでやってきたことを信じているからだと思います。テイクダウンと寝技を信じて、打撃も信じて戦うことができています。

ただし、試合前は不安になるタイプなんです。15連勝していても、試合前は常に不安に陥って。スタート時点が「これで勝てるのか」ということになるので、そういう彼の謙虚さが、強さです。だからこそ、自分のなかで色々と考えて、噛み砕くことができるので。

平良 今回は特に──でした。これまで戦ってきた選手のなかでテイクダウン防御が一番強く、無駄打ちすると勝手に自分の方からガス欠になってしまう。ただ松根先生にも言ってもらったのですが、自分を信じて2Rになるとテイクダウンに行こうと思っていました。結果、体が動いてテイクダウンからバックを取ることができました。それができたので、しっかりと自信を持つことができる試合になりました。

──5R制だったので3Rよりも不安で、いつも以上に考える。結果、クリアできて自信になったということでしょうか。

松根 今回の試合、そこの部分で達郎と意見が食い違うこともありました。アレックス・ペレスはオールアメリカンで、ディフェンス能力が高いレスラーです。だから達郎はテイクダウンが通用しないかもしれない、無駄打ちすると5R制なので切られてガス欠が怖いと思っていました。

僕はテイクダウンをしっかりと見せること。切られても打撃、打撃からまたテイクダウンを初回から続けることが大切だと考えていました。そういう僕の考えと、5Rだからという達郎の間でせめぎ合いがありました。でも僕は達郎のテイクダウンは、アレックス・ペレスに通じると信じていました。

と同時に達郎が1Rはテイクダウンにいかなかったことで、ペレスは2Rにモロに受けてしまった。そこがあったとしても達郎のテイクダウン能力は、1度で取れなくても2回目、3回目で取れると思っていました。すんなりでなくても、しっかりと取れてきたモノなので。そこに関しては「自信を持って、行きなさい」と伝えていました。

──それでも取れないかもと、考えてしまうものかと。

松根 ハイ。取れないとしても、強い気持ちを持ってリセットする。テイクダウンのフェイントから打撃、打撃からのテイクダウンを織り交ぜて戦う。試合前にデンバーに入って、高地トレーニングでスタミナもあげていたので。スタミナ面も信じていました。

僕自身、5Rを戦ったこともないのに(笑)。でも、達郎を信じて少し背中を押した感じですね。

<この項、続く>

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【ONE FN23】シェ・ウェイ戦前の和田竜光を岡田遼が訪ねた─01─オタツで勝利の平良達郎、その原風景とは

【写真】岡田が鶴屋怜のセコンドでベガスに向かう前夜、和田を訪ねて都内某所で取材。ココカ〇ファインの明かりを借りてオタツロックを実演 (C)MMAPLANET

6日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニー・スタジアムで開催されるONE FN23「Ok vs Rasulov」に和田竜光が出場し、シェ・ウェイと対戦する。
Text by Manabu Takashima

1年4カ月振りの実戦復帰となる和田だが、今、その存在過去最高に注目されている。6月15日のUFC ESPN57のメインで平良達郎がアレックス・ペレスを負傷TKOに追い込んだのが、和田の十八番=オタツロックから、煽って後方に倒れたことでヒザの負傷をペレスが負った。

日本ではお馴染みのオタツロックだが、まだ世界のMMA界に使い手という使い手は見当たらず、衝撃な結末とともに和田オリジナルというべきオタツロックが世に拡散されている。

そんななか、平良のセコンドを務める岡田遼が和田を訪問、かつてTRIBE TOKYO MMAで練習をしていた両者。世の中はもちろん、和田本人がオタツロックの本当の怖さに気付いていない時の光景が、平良のUFC6連勝に繋がっていた。

ただし、オタツロックだけが和田ではない。岡田が認めるように、練習仲間やコアファン層は承知のウェルラウンダー=和田と、岡田のオタツロック論と和田竜光のこれからについて対談を行ってもらった。


「ONEがなかったら、MMAを辞めているかもしれない」(和田)

――和田選手、1年4カ月振りの試合が近づいてきました(※取材は6月25日に行われた)。

和田 去年の3月のFriday Fights以来ですね。

岡田 ずっと日本大会に出場するものだと思っていました。こないだ久しぶりに電話をくれても、試合のこととか教えてくれなかったですもん(笑)。

和田 契約問題は言っちゃいけないことが多いから(笑)。

──守秘義務というやつですね。ただ自分が知っている限りは、実は日本大会の時に契約は切れていたと。

岡田 えっ、そんなことがあるんですか。

和田 あるんだよ。Friday Fightsは単発だったみたいで(笑)。

岡田 まぁ、それだと日本大会の出場もないですよね。

和田 皆が気付いていなかったようで。そりゃぁリストに名前がないんだから、日本大会に出場も何もないよね(笑)。

──ある意味、奇跡ですよ。マネージメント、マッチメイカーが気付いていないなんて……。

和田 去年の12月に気付いたけど、そこからクリスマス休暇とか新年とかでなかなか時間が掛ってしまって。

──そのタイミングになると和田選手は試合に出られても、ビザが取れないから外国人選手を招聘できないですよね。それにしても、そこからまた7カ月が掛ったわけですし。

和田 長かったですね。でも、組まれないものはしょうがない。ようやく決まりましたね。

岡田 なんで、再契約したんですか。

和田 そもそも俺はONEに感謝しているから。ONEがなかったら、MMAを辞めているかもしれない。DEEPでチャンピオンになって、RIZINの出場も1回きりで。UFCも行けないし、『もうやれることはない。このままダラダラやってもしょうがない』って思っている時にONEが契約してくれて。

──「なぜなら、僕は修斗を愛してるから」と叫んで、全然でない人もいますが。

岡田 アッハハハハハハ。それ、僕じゃないですか。でも和田さん、義理堅いッスね。

和田 俺も悩んだよ。色々な人と話もしたし。RIZINも頭にあったけど、俺の試合が組まれるなんて保障もないし交渉もしていない。だからファイトマネーがいくらになるのかも分からない。けど、そういう状況でいえばONEの方が確実に稼げるので。

──う~ん、勝手ながら和田選手とブラジル人や欧州系の選手との試合、例えUFCでなくても見たいです。

和田 UFCには一応、この契約が空いている期間に交渉をしてもらいましたが、全然だめでした(笑)。

──それでも交渉を試みたんですよね。いやぁ、良い話です。

和田 まぁ年齢もあって、成績も抜群に悪いんで。DJとやって良いところがあった。それと大昔ですけど、カイ・カラフランスに勝っている。そこを材料にダメもとで、契約が切れている間に一丁聞いてもらいました。

ただ変な話、僕はONEと契約した時からDJ以外に試合がしたいという相手がいなかったんです。で、DJと試合ができてから僕のなかでは、ある意味もう上がっていて。もう一番戦いたい人と試合はした。だから明日、ケガをしてMMAができなくなっても、僕のなかでは悔いはないです。もうやりたいことはやったというベースがあります。そこと海外で試合をすること、それと稼ぎも天秤に掛かっていて。

岡田 で、再契約をしたのですね。

──6日に戦う相手は、シェ・ウェイです。かつて若松選手と戦った中国人選手ですね。

和田 佑弥がハイドレーションで引っ掛かった時に戦って、やっつけたヤツで。

岡田 あぁ、あの時の。

和田 今はランカーじゃないけど、トップ5だった時もある。現状はその下の選手です。

岡田 いや、もうフィニッシュしてください。やっぱり、ここはオタツロックから。本家ですから。

「あの形といえばあの形なんです。達郎が勝った理屈も、もう7、8年前のあの練習の時も」(岡田)

和田 オタツロックねぇ。ホント、平良君。ありがとうって。まぁ、得意だから出せる可能性は高いけど、一本を取るならそこからの形ですね。でも、狙って出すようなモノではないので。あれって、オタツロックだよねぇ?

岡田 ハイ、勿論オタツロックです。TRIBE TOKYO MMAのプロ練習に参加させてもらっていた時に、僕と同門の佐久間健太も一緒で。その時に和田さんが練習で仕掛けて、あの形といえばあの形なんです。達郎が勝った理屈も、もう7、8年前のあの練習の時も。

和田 あの時は僕も未熟で。あれでケガをして以来、佐久間選手をTRIBE TOKYO MMAで見かけなくなってしまって……。

岡田 でも、僕もあの時は何が起こったか、分からなかったです。

和田 本当にこの間の平良君とアレックス・ペレスの試合のような形でした。立った状態でオタツロックに入って、組んでいる方でない足に全体重が掛かってしまって。それで倒れた時にはACLがいくような……。ただおんぶされていただけなら煽っても踏ん張られてしまいます。

オタツロックは組んでいる足が入っていくことで、相手の足が持ち上がるような形になります。するともう一方の足にオタツロックを仕掛けた方の人間と、仕掛けられた相手の2人分の体重が全て掛かるんです。

岡田 踏ん張ると、ケガしちゃいます。グラウンドに自分からいくぐらいでないと。

──ペレスは一度目の煽りで倒れず、平良選手が後ろ手に取ってから煽って倒れました。

岡田 体が強い。だから、耐えてケガをした形ですね。

和田 DJは体重を逃がして、転がっていました。初見だったはずなのにさすがです。ただ佐久間選手にケガをさせてしまった時は、オタツロックのメカニズムがまだ分かっていなかったです。もちろん、平良選手のように煽ることもなかったし、足を上げて崩そうとしていたぐらいで。

今だとあんな風にはやらないです。でも、当時は危なさにも気付いていなかった。それで練習相手に仕掛けて、相手がバランスを崩して倒れることがほとんどで。その時、踏ん張り過ぎたり、マットに引っ掛かったりして佐久間選手にケガをさせてしまいました。

岡田 あれはインシデントでなく、アクシデントでした。ああいう風になることを狙うわけがなく。狙っても、そんな風になるものでもないですし。

「達郎って和田さんに憧れていたんです」(岡田)

和田 偶然でも起こり得る動きなので、練習では本当にそうならないようにしています。だから、オタツロック単体で勝とうとかはなく、そこから展開のために使っています。平良選手もあの結末を狙ったわけじゃなかったよね?

岡田 起こり得ると想定した中での仕掛けです。達郎のアクションで事故が起こることもある。その意識でしたね。

和田 試合だとケガをするとか躊躇すると、隙を与えて逃げられてしまいます。同時にケガをさせようなんて思わない。ただし、ケガをするかもしれないとは頭にあって仕掛けています。

──ケガは付き物ですし。殴って、蹴ってという競技ですからMMAは。ところで岡田選手が佐久間選手のケガを見ていたことが、平良×ペレス戦に繋がっているのでしょうか。

岡田 それをいうなら、僕もナンボでもオタツロックの餌食になっています。被害者の会の一員ですから。ケガはしていなくても。何より、これはこの間の勝利があるから話すのではなくて、達郎って和田さんに憧れていたんです。

僕が和田さんと毎週のように練習をさせてもらっていた時期に沖縄に行って、まだ修斗のチャンピオンになる前の達郎から「オタツロックってどうすれば、掛けることができるのですか」って質問されたことがあったんです。達郎は当時から和田さんの試合映像を見て、ずっと研究していましたね。

和田 へぇ、嬉しいなぁ。

──世界的にもヘンゾ・ロックはあっても、日本人選手以外でオタツロックは見た記憶がありません。

岡田 ヘンゾ・ロックは対角に足を入れる。アルジャメイン・ステーリングが使っているやつですね。

和田 僕もこないだの平良君の試合後に、ヘンゾ・ロックなのっていうリプを見てチェックしたのですが、アレは斜めにいれているだけで、足一本に2人分の体重が掛かるということはないです。

──となると、オタツロックは日本のMMAを代表する技ですね。上久保選手、後藤選手、鶴屋怜選手らがオタツ・ツイスターを使っています。

和田 鶴屋君、使っているよね?

岡田 使っています。ハイ、使っています。

和田 俺や上久保が掛けたことがあって。で、極め方は違うのですが、そこにオタツロックの原型は残っているんです。俺もあの極め方のアレンジを使っているから。で、怜君に「良いでしょ。あの仕掛け」って話しかけたら、「あれは違います』って(笑)。それを聞いていた上久保も「いやアレは自分たちが掛けたやつです」と言っていて(笑)。

岡田 アハハハハハは。そこが怜っぽくて良いです。それが達郎だったら「ハイィ。そうなんですぅ」って言いますよ(笑)。

和田 あの若さが良いですよね。買いです。あの雰囲気ね。良いです。イケイケで。絶対に、そこが怜君の強味です。実際にUFCに行っているし。火曜日にロータスまで来て、一緒に練習していますけど本当に強いです。

岡田 怜の目標は日本人初のUFCチャンピオンだから、達郎に先を越されたくなくて。そこがアイツの良さなんです。でも「そうなんですぅ」って言っておけば、先輩に可愛がってもらえるのに。

──その気持ちが透けて見えるのが、岡田選手ですよね(笑)。

<この項、続く>

■ ONE FN23放送予定
7月6日(土・日本時間)
午前8時45分~U-NEXT

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【UFC303】UFCデビュー、鶴屋怜「『達郎君が戦ったことのある相手』というのは、プラスに考えています」

【写真】いよいよUFCデビューを迎える、鶴屋怜 (C)SHOJIRO KAMEIKE

29日(土・現地時間)、米国ネヴァダ州ラスベガスのT-モバイル・アリーナで開催されるUFC303で、いよいよ鶴屋怜がカーロス・ヘルナンデスとオクタゴンデビュー戦を戦う。
Text by Shojiro Kameike

今年2月にRoad to UFC2023のフライ級を制し、UFCとの契約を勝ち取った鶴屋が本当の意味で世界最高峰に挑む。そんな鶴屋にRTUの最中にスタートした土居進トレーナーによるフィジカルトレーニング、そして気になるあの2人についても訊いた。


ATTではペドロ・ムニョスがよく面倒を見てくれて

――試合から10日前のインタビューとなります(※取材は6月19日に行われた)。今は減量期に入っているのでしょうか。

「はい。現地入りまでに脂肪は落として、あとは水抜きという状態にしていきます」

――海外での水抜きは国内とも勝手が違うかと思います。Road to UFCの3試合では、いずれも現地で水抜きも順調に行うことができましたか。

「海外で水抜きするのはRTUが初めてでしたけど、問題はなかったですね。現地に5日間もいると意外と慣れてきて、日本と変わらない感覚で水抜きができました」

――そのRTUで3試合、さらにATTで練習することで、海外の滞在も慣れたのではないですか。

「やっぱり米国となると時差ボケは出て来ますよね。ちょっと気持ちが悪くなったりとか。でも現地に入ってから3日ぐらい経てば、普通の状態には戻ります」

――今年2月にRTUを制してUFCとの契約を勝ち取ってから、いつ頃に本戦デビューを迎えたいという希望はありましたか。

「あくまで自分の希望ではありましたけど、8月か9月ぐらいにランカーと対戦したいという気持ちはありました。初戦でランカーと試合して、あと年内はもう1試合ぐらい戦えばいいかな、という感じで。

だけどATTに行って1週間と少しぐらい経った頃、急に『ナンバーシリーズで試合をしないか? 』という連絡が、米国にいる時に来たんですよ。試合まで1カ月半ぐらい……自分も全然、気持ちが乗らなくて。でも、いろいろ考えて『出よう』と思いました。やっぱり初戦がPPV大会になるのは大きなことですし」

――試合順はともあれUFCデビュー戦がラスベガスで、しかもT-モバイル・アリーナというのは大きいですよね。

「そうですね。ファイターとしてはラスベガスの大きな舞台で試合をするのは夢ですから。『ひとつ小さな夢が叶ったな』という気持ちはあります」

――オファーが来た時には、大会のメインがマクレガー×チャンドラーになると決まっていたのでしょうか。

「まだ正式には決まっていないけど、チラホラ噂されていた――って状態でしたね。自分もオファーが来た時に『マクレガーが出るかもしれないなぁ』ということでOKしたのもあります」

――自分がT-モバイル・アリーナで試合をしたあと、現地でマクレガー×チャンドラーを観ることができたら一挙両得かもしれません(笑)。その後、マクレガーの試合はなくなりましたが……。

「アハハハ、そうなんですよ。T-モバイル・アリーナのPPV大会のほうが、APEXで試合をするよりも注目は浴びますし。だから少し急ではあってもオファーを受けました。

でも最初は『マクレガーと一緒に大会に出られて嬉しいな』と思っていましたけど、調整や減量を進めて、今はもう自分の試合が最優先になりますからね。マクレガーが出ないと聞いて残念ではありますけど(苦笑)」

――米国滞在中に試合のオファーが来たことで、現地で対策練習を始めたのでしょうか。それとも日本に帰国してからでしょうか。

「米国に行って1週間と少し経ってからオファーが来たので、そのことをコーチや周りの選手に伝えたら一緒に対策練習をやってくれました。ATTではペドロ・ムニョスがよく面倒を見てくれていて、ペドロに試合の話をしたら『じゃあオーソドックス(カーロス・ヘルナンデスはオーソ)対策のミットを持ってくれる人を呼ぶよ。今日は何時にジムへ来ることができる?』とセッティングしてくれたんですよ。ペドロも相手の動画を視て、いろいろ教えてくれたり。本格的に対策練習をしたわけじゃないけど、いろいろ対策を考えたりしてくれた――という感じです」

(C)HIROSHI TSURUYA

――なるほど。

ATTに行く前から、魔裟斗さんのフィジカルコーチを務めていたことで知られる土居進トレーナーによる、いわゆる「土居トレ」が始まっています。

「土居トレが始まったのは半年ぐらい前で、父(鶴屋浩)が土居さんにお願いしたそうです」

鶴屋浩 僕がずっとゴン格に掲載されていた土居トレの連載を読んでいたんですよ。ある時、試合会場で土居さんにお会いした際、ご挨拶して「今度ウチの選手をお願いします」と伝えました。最初はずっと土居さんに千葉へ来ていただいて、今は怜が土居さんのジム(新宿のパーソナルトレーニングジムSkyLive-R)に通っています。

――これまで行ってきたトレーニングと土居トレで何か違いはありますか。

「これまで、というか――もともと筋トレやフィジカルトレーニングはやっていなかったんですよ。高校までレスリングをやっていて、フィジカルで負けることもなかったし、練習もスパーリングばかりでした。

でも土居トレを取り入れてから、通常から筋肉質になってきました。昔は結構太った状態から減量していたんですけど、普段から脂肪もつかなくなってきて。さらに減量したあとも筋肉が残って、良い動きができるようになりましたね。筋肉量が増えたおかげで、減量も水抜きがやりやすくなりました」

――土居トレといえば、まずは走りこんだりパワーマックスを漕ぎまくるというイメージがあります。

「自分の場合はパワーマックスとローイングマシンを漕ぎまくっていますね。トレーニングが終わったあとは毎回、足が痛すぎて動かないぐらいです。終わって10分ぐらいジムの床に寝転がっている状態で」

――半年前ということは、RTUの時にはもう土居トレを始めていたのでしょうか。

「準決勝の後から、ですね。準決勝では腕がパンパンに張っていたんですよ。足を怪我していてトレーニングできていなかったこともあるでしょうけど。で、決勝戦の前から土居トレを始める時、土居さんに伝えました。すると『そういう時は――』って、腕が張りにくくなって、さらに力も継続するトレーニングを組んでくれましたね」

――本戦デビューに向けて、土居トレの効果は大きな武器となるでしょうか。

「そうですね。スタミナ面も今までとは違いますし、組んだ時の腕の張り方も変わってくるでしょうから。RTU決勝は1Rで終わったから良かったけど、これが3Rになったら大きく役立つと思います」

『達郎君が勝っているから、俺も普通に勝てるよな』

――その本戦デビュー戦の相手はカーロス・ヘルナンデスに決まりました。ヘルナンデスは2023年12月、平良達郎選手にKO負けを喫しています。どうしても今回の試合は、平良選手と比べられてしまうでしょう。

「どうなんですかね? 自分としては『達郎君が勝っているから、俺も普通に勝てるよな』と思っているぐらいですよ。まぁ『達郎君が勝っているから』と言ったら変かもしれないけど……、別に怖い相手じゃないですし。アハハハ」

――鶴屋選手が平良選手のことを知っているからこそ、ヘルナンデスの力量を測りやすいということですか。

「そうです。達郎君が2RでKOしているから、自分がどれくらいでフィニッシュできるかどうか。それで自分がランカーに通用するかどうかも分かりますしね。自分としてもフィニッシュできると考えていますし、『達郎君が戦ったことのある相手』というのは、自分はプラスに考えています」

――このマッチメイクは、むしろ鶴屋選手にとってアドバンテージになるかもしれないと。

「全く名前も知らないけど謎の強い選手と当てられるよりは、達郎君と対戦したことで日本でも知っている人はいるでしょうし、その相手をブッ飛ばせばオイシイと思っています」

――ではカーロス・ヘルナンデスの印象を教えてください。

「ストライカーなんだろうけど結構テイクダウンに来るな、というイメージですね。テイクダウンに来てくれれば、ありがたいです。そのほうが自分も疲れないし、1Rでフィニッシュできるんじゃないですか。逆にマウントを取りに行くと、バネで跳ね返してくる印象があるんですよ。バネの力は強いので、そこだけ気をつけて削っていけば問題ないです」

朝倉選手がフライ級でやるなら、自分は全然やります

――最後に、他の選手についてお聞きします。まずは先日、平良選手がアレックス・ペレスを下した試合について感想をお願いします。

「お互い5R戦うつもりでいてけど、結果的に2Rにああいう決着になったと思うんですよ。自分としては相手のランカーとしての力は分かりづらい試合でしたね。もうちょっと長く視たかったです」

――ではもう一人、朝倉海選手のUFC参戦が発表されました。ここ最近では日本人選手がRTUやDWCSを経ずに本戦出場というケースは珍しくなったと言えます。

「う~ん……、自分はRTUに出てUFCと契約するスタイルが多くなってくると思っていたので、『そういう形もあるんだ』と思ったぐらいですね。朝倉選手がフライ級でやるなら、自分は全然やりますし。まだ出場が決まったばかりなので分からないですよね」

――平良選手の活躍と朝倉選手の参戦もあり、またUFC日本大会の開催も話題になっていうるようです。

「日本大会が開催されたら面白いですね。もっと日本の人たちがUFCのことを知ってくれるでしょうし、そのためには良い機会だと思いますよ。まず自分がデビュー戦はしっかり1Rで、一本かKOで勝ちます。応援よろしくお願いします!」

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『UFC on ESPN 58』平良達郎 vs. アレックス・ペレスを見たファイター・関係者の反応



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【UFC ESPN57】「対レスラー用の必殺技」でペレスが右ヒザを負傷。平良がランク5位を下し、UFC6連勝!

<フライ級/5分5R>
平良達郎(日本)
Def.2R2分59秒 by TKO
アレックス・ペレス(米国)

平良が左手を伸ばす。ペレスの右ローをかわした平良が右カーフを返した。平良が左ジャブを突いて距離を取る。ガードを固めたペレスが右カーフを放つと、平良が組みに行った。首相撲を狙うもペレスがドライブする。四つで組んだ平良が左ヒザを突き上げるとペレスは離れる。距離が詰まると平良が四つで組み、ケージに押し込んでダーティボクシングへ。ここもペレスが離れた。

ペレスは頭を下げて左右フックを振るう。右ストレートから左ミドルハイ。ペレスの右はバックステップでかわした。ペレスの連打を下がってかわした平が左ジャブを突く。ペレスが組んでくると、首相撲からヒザを連打する平良。ペレスが頭を下げて中に入ろうとしたところに右アッパーを合わせた。ペレスも飛び込んで右カーフを狙う。

距離が近くなると首相撲を徹底する平良は、さらに右ストレートをカウンターで合わせる。さらに左手を伸ばしたところで、ペレスがアイポークをアピールして試合が中断された。再開されると、平良が左を突いて距離を保つ。ケージ中央で右跳びヒザを見せたが、これはキャッチされてグラウンドに持ち込まれてしまった。背中を着かされた平良はスイープから立ち上がる。スタンドに戻るとプレスをかけ、ペレスにケージを背負わせて右ハイを見せた。

2R、ペレスがサウスポーにスイッチしてローを繰り出す。オーソドックスに戻したペレスは、左右を振りながら距離を詰めるが、平良は首相撲で迎え撃つ。打撃の交錯から、またも平良のアイポークが発生。再開後、左拳を握り突き出す平良は、右アッパーを突き上げた。ペレスの右カーフには左ジャブを合わせる。ワンツーで下がらせてから右アッパーを突き上げる平良は、足を使って距離を保つ。ロー、カーフキックを連打するペレスに、平良が右カーフを当てた。ペレスも距離を詰めて細かいパンチを当てる。

平良がケージ中央から飛び込み、シングルレッグでテイクダウンする。ケージ際でバックに回った平良が、右腕を首に回しながら背中に飛び乗った。振り落とそうとするペレスに対し、左手でペレスの右手を掴んでキープする平良。その状態から体を話して引き倒した平良が、おたつロックからバックマウントへ。パウンドを落とそうしたところで、ペレスがうめき声を上げたためレフェリーが両者を分けた。どうやらグラウンドに移行した瞬間、ペレスが右ヒザを捻ってしまったようだ。結果は平良のTKO勝ち——ランク5位のペレスを下し、UFC6連勝を飾った。

試合後「I’m Happy!」と叫んだ平良は世界フライ級王者パントージャとのタイトルマッチをアピール。最後のシーンについては「対レスラー用の必殺技です」と語った。さらに「フライ級ファイター、俺の前に1列に並べ!」とご機嫌だった。


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