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【Road to UFC2024Ep01】34歳・安藤達也の挑戦「今までは本気でUFCに挑む覚悟が足りていなかった」

【写真】無事に公式計量をクリア、安藤の挑戦が始まる(C)Zuffa/UFC

18日(土・現地時間)&19日(日・同)に中国は上海のUFC PIで開催されるRoad to UFC2024。2日間で4エピソードが実施されるアジア発、世界最高峰への道──その初日、エピソード01で安藤達也が中国のチュウ・カンチエと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

昨年3月のONE Friday Fightsでアリ・モタメドに勝利し、ONE本戦出場のチャンスをうかがっていた安藤。その一方で安藤のもとにはRoad to UFCなどUFCにチャレンジするチャンスも届いていた。最終的にONE本戦出場が叶わず、1年以上のブランクが空くことになったが、安藤はUFC出場を目指してRoad to UFC出場を決意した。公式計量を無事に終え、明日の戦いを待つのみとなった安藤。計量に行ったインタビューをお届けしよう。


――安藤選手にとってRoad to UFC初出場が決まりました。(取材日は5月15日)

「自分は今年もRoad to UFCがあるなら、絶対に(出場が)決まると思って動いていたんで、自分が思った通りに物事が進んでいる感じですね」

――去年もRoad to UFCに出るチャンスがあったとお聞きしています。

「ちょっと話すと長くなるんですけど………もともと自分はコロナの問題が落ちついたぐらいから自分のハイライト映像を作ってUFCサイドに送ったり、イリディウム(・スポーツ)のジェイソンが自分のことを気に入ってくれてたみたいで、ちょこちょこ連絡をくれてたんですよ。それで去年はRoad to UFC以外にもTUFとかダナ・ホワイト・コンテンダーシリーズの話が来てたんです。でも自分は3月にONE Friday Fightsに出て、ONEで試合する可能性もあったから、そっちで試合することを考えていたんですよ。でもそれがなかなか決まらなくて。自分も年齢とかキャリアを考えたら先は長くないから、今年から正式にイリディウムに試合のマネジメントをお願いして、UFCを目指そうと思いました。

試合をしてなかった時期は絵を描いたり、グッズを売ったりしてお金を貯めていて、タイに合宿に行こうと思ったんです。それでONEの試合後に買ったゴールドのアクセサリーも売って。それは買った時より値段が上がってたんでラッキーだったんですけど(笑)。そうやって合宿資金を用意して、まず2週間くらいタイで合宿して、それからONEの時にサポートしてくれた(川原)波輝くんがいるアルファメールに行ったんですよね。そしたらその直後に正式にRoad to UFCのオファーがあったって感じです。ただ体重のところをちゃんと見てなくて、ずっとバンタム級だと思ってたんですよ。キロ表記じゃなくてポンド表記だったから、145ポンド=バンタム級だと勘違いしちゃって。それであとで調べたら145ポンド=フェザー級だって聞いて『まじ!?』みたいな。そこだけは計算外だったっすね(笑)」

――そんなことがあったんですね………。とはいえイリディウムと契約して、Road to UFCを見据えて海外に合宿にいったことが最終的にいい方向に進んだようですね。

「まじでそうっすね。自分のなかで『そうなるだろう』と思って動いことが全部叶っていく感じがして。これがどんどん続いていく感覚が面白いなって思いますね」

――フェザー級での試合という部分で、減量そのものは楽ですか。

「本格的な練習を始めたときが74kgだったから、8キロくらいですね。水抜きなしでナチュラル体重という感じです。上海についた段階でリミットをアンダーしていたので、普通に元気に飯も食って…みたいな感じで」

――アルファメールの練習で手応えを掴んだ部分はありますか。

「ガチガチにスパーリングをやって、結構全員ドミネートしてぶっ飛ばしてきたんですよ。帰国してからは毎日15㎞くらい走って、それでめっちゃ痩せて動きも速くなって、今の時点でリミットをアンダーするところまでいきました。向こうでいいイメージを作ることができたんで、あとは自分が気持ちよく過ごして、コンディションを整えることに集中してます」

――対戦相手のチュウ・カンチエの試合映像はチェックしていますか。

「一応4試合分ぐらい見たんですけど、自分あんまりちゃんと見ないんですよ、対戦相手の試合を。チラッと何となく見るくらいで。あんまり相手の映像を見すぎると、自分がそっち(相手)に合わせすぎちゃうんで」

――安藤選手としては相手に軸を置かずに、自分に軸を置いて試合をした方がいいパフォーマンスができますか。

「それこそ波輝君のタイトルマッチの時に練習を見ていて、すげえ対策をやっていたんですよ。で、2年ぶりの試合でプレッシャーもあって、試合そのものもユライア(・フェイバー)にお膳立てしてもらったわけじゃないですか。だから結構ピリついちゃってて。俺がなんかアドバイスしようとしても『何も言わないで』とか言われちゃう感じで。それで波輝くんの邪魔をしないように、勝ってくれれば何でもいいやと思って見てたんですけど、対策をやりすぎてて、負けない試合をやっちゃってたんですよ」

――勝つことが目的ではなく、負けないことが目的になっていたと。

「これでKO勝ちするのは難しいよなと思って見ていたら、案の定KOできずに終わって。もちろん求めるものが高過ぎるの良くないし、勝つことがチームとして大事だったのは分かっていたんですけど、俺は正直に『あれは倒せたよ』と言いました。だから自分はあんまり相手に合わせるというよりも自分が倒すことを狙って練習してますね」

――特に安藤選手は気持ちよく試合を迎えて、やりたいように戦う方がいいタイプだと思います。

「そうっすね。特に自分はそういう感覚のタイプなんで。それを重要視してやってきました」

――このトーナメントを勝ち抜けばUFCと契約できるという明確な道が出来ました。安藤選手としてはUFCに行くラストチャンスという気持ちなのか、それともやることをやればUFCに行けるという気持ちなのか。どちらですか。

「最初に話したみたいに俺は何回もUFCに行くチャンスを逃したわけじゃないすか。それでもオファーしてくれるって、結構俺のことを気に入ってくれてると思うんですよ。普通は『何回も(UFCから)オファーを断るってどういうこと?』ってなるじゃないですか。でもこうやってオファーが来たということは『本当にUFCに来たいの?』って試されてるんだなって。今振り返ると俺自身も覚悟が足りてなかったというか。本気でUFCという修羅の道に入る、全てを捧げてそこに挑む覚悟が足りてなかったんです。もしそういう覚悟があったら、今までもらってたチャンスのどこかでチャレンジしてたはず。それがこうやって覚悟を決めたら、改めてチャンスが来たわけだから、やっぱり俺はいるべくして、ここにいるんだなと思います。

適正階級じゃないチャレンジだけど、俺が見てきたヒーローのKID(山本徳郁)さんは体のサイズが違うのにデカいやつらをぶっ倒して、色んなことにチャレンジして。今と昔はレベルが違うし、そこを比べるのもよくないし、その方法が正しいとは思わないけど、俺自身は『他のやつと同じことやってても駄目だぞ』みたいな。本来バンタム級の俺がフェザー級でぶちかましたら、リスクを負った分だけ自分のポジションをゲットできると思います。

アメリカでパッチー・ミックスとかトップ選手と練習やっても通用したし、自分がUFCに通用するレベルにいるってことが分かって。それは勘違いとかじゃなくて、絶対に自分だったらいけるって自信なんです。だからあとはしっかりチャンスをくれた人たちに対して、自分が仕事をして、自分の評価を作っていくことが今の自分に必要なことなのかなって思っています」

――安藤選手のUFCへの挑戦、楽しみにしています。

「やっとここまで近づけたんで、今は目の前のことにしっかり集中して、このチャンスを逃がさないように。そう簡単な道じゃないことは分かっているし、自分が試されてるんだという自覚を持って挑戦します!」

■視聴方法(予定)
5月18日(土)
午後7時~UFC Fight Pass
午後6時45分~U-NEXT

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【Road to UFC2024】松井、小崎、透暉鷹、野瀬、安藤、河名、原口、本野。MMAPLANET調べRTU出場選手

【写真】(C)MMAPLANET

5月18日(土・現地時間)&19日(日・同)に中国は上海のUFC PIで開催されるRoad to UFC2024。UFCから正式発表がないが、選手及びマネージメント関連から確認が取れている日本人出場選手と対戦相手を纏めてみた。
Text by Manabu Takashima

アジアでは唯一のUFCへの公式ルート=Road to UFC。しかし、選手の選考基準は曖昧で、3度目の開催を迎える今回も多くの出場希望選手がやきもきしてきた。3月31日を選考の〆とする。4月3日が中国のビザ取得のためにタイムリミット。選ばれた選手はビザ取得のため即連絡が入るが、選考に漏れた選手は連絡がないことで不出場を意味する──などなど、今年も情報が錯そうしまくっていた。

また本来UFCはカードの正式発表等のリリースは通常はなく、選手やマネージメントの自己発信に任されている。対して日本国内はプロモーションとメディアのなかでオフィシャル発表を待つという慣例が存在している。Road to UFC出場メンバーの公式発表がなかなか行われないのは、ビザ取得など選手の顔触れが変更されることなども考慮されているという話も伝わってくるが、そのような状況下で選手個人や出場していた団体が公にするケースも出てきた。ここではソースが明らかでない選手を除き、MMAPLANETが選手及びマネージメントに出場の確約があることの確認を取れた選手について言及したい。


【フライ級】
松井斗輝
対戦相手ルエル・パナレス

Grachanでデビューしンクラスでキャリアを積んできたTHE BLACKBELT JAPAN所属の松井が、昨年の鶴屋怜に続き同ジムよりも出場権を得た。キャリア6勝1敗の24歳、伊藤盛一郎や福田龍彌が選外となったことを考えると、このレコードと若さは今のUFCが欲しているゾーンにいるということだろう。

(C)BRAVE CF

松井の対戦相手はフィリピンのルエル・パナレスだ。

レコードは松井と同じく6勝1敗。松井が初めて海外で戦うのに対し、パナレスはUAEWでUAE、BRAVE CFでバーレーンとインドネシアでの試合を経験してきた。ゴリゴリのテイクダウン・ファイター=ムハンマド・サロハイディノフとの敗北から再起戦がUFCを賭けた戦い。スタイル的に初戦以降の対戦相手、つまりは他の出場選手が気になるところだ。

そのフライ級では日本でも一部で猛烈に注目されていたチェ・ドンフンの出場も決まった。

韓国のDouble GFCフライ級王者で、GLADIATORフライ級王座決定トーナメント準決勝出場を決めていたチェ・ドンフンもUFC行きを賭けた戦いにステップアップ。

堅実な戦いができるフィニッシャーの初戦の相手は、前回の準優勝者チーニョーシーユエだ。

エンボー・ファイトクラブ出身、UFC PI所属の中国MMA界のエリートコースを行くチーニョーシーユエと、韓国海軍出身のイケメン=これは興味深い顔合わせとなる。

【バンタム級】
透暉鷹
対戦相手キム・キュソン

小崎連
対戦相手ダールミス・チャウパスゥイ

野瀬翔平
対戦相手ユ・スヨン

Road to UFC出場を狙い、フェザー級からバンタム級に落とした透暉鷹は、昨年のクリスマスイブに河村康博を初回肩固めで斬って落とし、パンクラス二階級制覇を果たした。

大手エージェントとの契約もなく、所属ジムの代表がコーチング修行で得た人脈からの出場権獲得。透暉鷹の意思の強さと周囲の向上心と合致しての挑戦となる。

透暉鷹の初戦の相手は、韓国のキム・キュソンだ。母国ではTOP FC、そして日本、ONEでキャリアを積んできた元Evolve MMAファイターだ。キャリア12勝5敗でHEATで加マーク納、春日井たけし、TOP FCでNavE、ONEで藤沢彰博、若松佑弥と日本人選手との対戦も多い。×日本勢の戦績は3勝2敗で透暉鷹としては、当然遅れを取ることはできない

そんなキム・キュソン、一番最近の試合で魔のNAIZA FCでカザフスタン人選手に勝っているのが不気味だ。

意外というと失礼だが、小崎の選出には驚かされた。KROSS X OVERとDEEPで活躍中の小崎は戦績6勝0敗2分で、フィニッシュが5つの22歳。

彼もまたUFCが求めるゾーンのファイターといえる。

その小崎と相対するのは、昨年の準決勝でイ・チャンホに敗れたダールミス・チャウパスゥイ。とはいえ、イ・チャンホを序盤は圧倒したテイクダウン能力の高さは、小崎が未経験の世界といえる。カザフスタン国境ウィグル出身のフィジカルモンスター超えなるか──小崎のフレッシュさに期待だ。

小崎以上のサプライズは3年連続出場となった野瀬だろう。

これまで準決、初戦敗退も2月のRIZIN LANDMARKで改めて国内バンタム級のトップクラスである強さを見せつけた野瀬。

対するは一時はDEEP、Black Combatとアジア3カ国のバンタム級を制したユ・スヨンだ。UFC行きが掛かっていなくとも、興味深いマッチアップといえるタフファイト。当然、野瀬としてはグラウンドに持ち込めば、勝機が増す。その一方で、ユ・スヨンもれっきとした柔術黒帯で、しっかりとMMAに適合した寝技を持つ。それでも野瀬としては組み技勝負、いかに自分の庭に持ち込み、その庭での力比べとなる。

【フェザー級】
安藤達也
対戦相手チュウ・カンチエ

河名マスト
対戦相手ソン・ヨンジェ

原口伸
対戦相手ホン・ジュンヨン

(C)ONE

昨年3月のONE FFのアリ・モタメド戦の逆転勝利もチャトリCEOに評価されず、昨年のRoad to UFCのオファーを蹴っても安藤のONE本戦出場はならなかった。

この間、コンテンダーシリーズからのオファーもあった安藤が、34歳にして最後の挑戦に挑む。

その行く手を阻もうとするのは中国のチュウ・カンチエだ。レコードは18勝4敗の28歳。中国国内でしか試合をしておらず、実力を推し量るのが困難な相手だ。昨年7月に20秒で勝利している韓国のイ・ミンヒョクはパン・ジェヒョクにスプリット判定負け、工藤諒司にも判定負けをしているファイターで、中国人ファイターはもう強くて当たり前という想いで戦う必要がある。

デビュー戦、LFA、GLADIATORフェザー級王座決定トーナメントと躓く度に力をつけてきた河名マストも、いよいよ盟友・中村倫也の背中が見えていた。

特にパン・ジェヒョクとの連戦で競り負けから、完勝と河名は自身のポテンシャルを最大限に使うことができるようになった。対するソン・ヨンジェは6勝0敗5つのKO勝ちと1つの一本勝ちを誇るフィニッシャーだ。全て試合をAngel’s FCで戦い、バンタム級とフェザー級の王座を獲得している。

豪腕ファイターのソン・ヨンジェだが、一時期4年近いブランクもあり、ここ2試合は秒殺で組み力に関しては判断材料が少ない。ともあれ一発で試合を終らせる力を持つソン・ヨンジェを相手に、河名がいかにオアシスに突っ走れるのかに勝負は掛かってくるだろう。

また前回のライト級決勝でロン・チュウに敗れ、キャリア初黒星を喫した原口伸も、ビザ取得ギリギリの段階でオファーがきた。Road to UFCファイナルに敗れた後は、そのまま本戦出場という交渉もあった原口だが、適正体重のフェザー級での出場は今後のことを考えると──それでも簡単ではないが、好判断と思われる。

対する対戦相手のホン・ジュンヨンは2022年の初戦で松嶋こよみに接戦の末敗れている選手だ。その後はマーシー・グローブTVとインドネシア人ファイターを破り、Angel’s FCライト級王座を奪取──も、現状の力は測定が難しい。とはいえ簡単な相手でないことは明らかで、松嶋戦でも見せた様にタフファイトになった時の心の強さを原口は凌駕しなければならない。

【女子ストロー級】
本野美樹
対戦相手フォン・フェイアール

今年からライト級でなく女子ストロー級が実施されることとなり、日韓有数の女子ファイターに声がかかるなか、日本では出場を固辞する選手もあったようだが、本野美樹のチャレンジが決定した。

準々決勝で戦うフォン・フェイアールは、本野ともにフン・シャオカンに敗れている。未確認情報だがフォン・フェイアールを含め4選手が出場するという中国人女子選手、その中の一人にフン・シャオカンも含まれているという。

つまり本野とフォンにとって、Road to UFCはRoad to フン・シャオカンへのリベンジでもある。またかつてパンクラスに参戦経験のある韓国のソ・ユダンも出場し、中国のシー・ミン戦が決まっている。

現状、8人の日本人選手出場。今年はワンマッチも1日に4試合組まれるという話もあり、この他にも日本人選手の出場もあるかもしれない──中国、インド、タイ、インドネシア、そしてついにあるのか中央アジア勢の参戦等々、オフィシャル・アナウンスを待ちたい。

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『ONE Friday Fights 11』安藤達也 vs. アリ・モタメド ハイライト動画





 3月31日にタイ・バンコクのルンピニースタジアムで開催された『ONE Friday Fights 11』で安藤達也 vs. アリ・モタメドのハイライト動画。1Rにダウンを奪われたものの2Rに逆転勝ちしています。



 なお、その他のMMAマッチはアネリヤ・トクトゴノバがアレクサンドラ・サビチェバに1Rネッククランクで勝利、アリ・カドブラーがアリソン・バーボサに3R TKO勝ちしています。続きを読む・・・
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【ONE】速報中!ONE Friday Fights 11 安藤達也参戦!

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3月31日にタイ・バンコクのルンピニースタジアムで開催されたONE Friday Fights 11。日本から修斗世界バンタム級チャンピオン安藤達也がONEに初参戦。アリ・モタメド(イラン)と対戦しました。

試合は開始直後に安藤がパンチをヒットさせてモタメドに尻餅を突かせたものの、その後にモタメドは猛反撃。パンチをヒットさせると両手をついたところにハイキックがクリーンヒット。安藤は大の字。止められてもおかしくない場面でしたが、安藤がすぐに立ち上がって組み付き難を逃れてラウンド終了。

2Rに入るとモタメドのローで崩されながらも安藤は左フックでダウンを奪うとパウンドを乱射。立ち上がろうとするモタメドを再び倒してパウンドを連打したところでレフェリーが試合を止めました。

いやはや心臓に悪い。安藤らしい刺激的な試合と言えばそれまでですが、最初のダウンで試合が止められても不思議ではなかったし、安藤のダメージを考えると今回のレフェリングが正しかったのかどうか。なんとも言えないところでしょう。

それはさておき、安藤の爆発力、打たれ強さなど規格外の動きが垣間見えた一戦。ONE初戦を勝利で飾った事で今後も継続オファーがあるのは間違いないでしょう。群雄割拠のONEバンタム級で勝ち上がるのは簡単ではありませんが、どうしても期待してしまうデビュー戦。ますます目が離せなくなりました。
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【ONE FF11】サッカーボールorハイ? 反則ギリギリの蹴りでKO負け直前から、安藤達也が逆転爆勝!!

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
安藤達也(日本)
Def.2R1分38秒by TKO
アリ・モタメド(イラン)

川原波輝とマスター・トンをセコンドに帯同した安藤は、リングインすると手を大きく振り回して一周する。どこまでリカバリーしているのかというモタメドに対し、右ジャブを伸ばした安藤は右ハイをガードする。ローをかわした安藤はワンツーで前に出て、ハイにパンチを合わせる。

バランスを崩したモタメドがパウンドを落とすと、背中を見せたところでバックを奪取。モタメドは離れて左フックを振るう。間合いを取り直し、再び圧を高めた安藤がワンツー、モタメドも右ミドルハイを繰り出す。安藤は左から前に出るが、右を受けて姿勢を乱し手をマットにつく。ここから立ち上がり際に、反則ギリギリの右ハイキックを蹴られ、後方に大の字に。

それでも即立ち上がった安藤は果敢に右を振るうが左のカウンターで姿勢を乱す。ヒザを見せて真っ向勝負の安藤だが、近い距離でフックを被弾して危ない展開が続く。ここでシングルに出た安藤、切ったモタメドが右フックを振る。ハイから右を入れた安藤は右インローで姿勢を乱す。ハイをかわして右から左、さらにジャブを伸ばす安藤が右を当てる。左ハイを受けそうになり、ジャブを差された安藤が左を見せ、右フックを受ける。ハイから右を当てたモタメドが予想外の手強さを見せ、初回をリードした。

2R、低い姿勢の安藤のパンチに、モタメドがヒザを合わせて行く。インローで乱れた安藤が左を当て、右ジャブへ。ここで右ハイを見せたモタメドだが、安藤が構えを変えて左オーバーハンドを打ち抜きダウンを奪う。勢いよくパウンドを連打する安藤は、ハーフガードのモタメドにパンチを続ける。モタメドが立ち上がったところでも組み倒す。そのまま右のパウンドを連打すると、レフェリーが試合を止めた。

「調子があんまりよくなくて。自分の調子掴むまで、時間が掛かってしまったけど諦めないところを見せられて良かったです。たくさんの応援ありがとうございます」と安藤は話し、日の丸を羽織って四方に頭を下げた。


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【ONE FF11】アリ・モタメドと対戦、安藤達也─02─「俺はここから上がっていく」

【写真】盟友・川原波輝と。勝てば道は開かれる(C)TATSUYA ANDO

本日、31日(金・現地時間)にタイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE Friday Fight11でアリ・モタメドと対戦する──安藤達也インタビュー後編。

Road to UFC出場を逃した安藤が、ONEというステージをターゲットにし、キャリアの再構築を図る。バンコクでの合宿から、今の練習環境、そして今後に向けて安藤に話を訊いた。

<安藤達也インタビューPart.01はコチラから>


──えぇ、モタメドが苦手なタイプというのは?

「ローキックで崩してくるところなんか。実際にやってみないんと未知数なところはあるんで。自分がこのタイに来て、どれだけパフォーマンスを発揮できるのか。自分自身が、これまでに如何に自分に打ち克ってきたのかということが、試合で表れるかと思います」

──ただ吉野光選手との試合が印象に残っていて。安藤選手とはタイプが違いますが、あれだけテイクダウンされて何で勝ちなのかと。

「あれは酷かったですね(笑)。あれは謎でした。でもONEでやっていくには、決着をつけることが重要になってくるんだなって」

──先ほど言われた自分に打ち克ってきた点に関してですが、ここまでどのように積んできたのでしょうか。

「今回は準備する期間が長くて、波輝君とタイで合宿をして。凄く練習に打ち込めました。その成果が出るのか、試される試合です」

──タイで練習というのは、どこのジムで?

「アルファメールの元打撃コーチが、バンコクの中心部から少しだけ離れたところ(スワンルワン区)でジムをやっていて」

──マスター・トンですか?

「そうです、そうです!!(笑)。マスター・トンはフィットネスジムみたいなのを開いていて、そこでパーソナルでミットを持ったりしてくれるんです。自分には自分のスタイルがあるんですが、一回それを忘れて基礎からやってきました。

マスター・トンの打撃は、ムエタイっぽくなくて。キック、ボクシング、ムエタイのテクニックが混ざってMMAにフィットさせるみたいな感じで、教えてくれました。TJ・ディラショーに近いテクニックのように感じました。ムエタイではなくて、MMAの打撃ですね。キックやボクシングをMMAに落とし込んでいるような。ミットもメチャクチャ凄かったです。何よりもハートですね、マスター・トンのハートが良かった」

──ハート。それだけ厳しい練習ということですか。

「練習は厳しいです。だから楽しんでやろうって、途中で笑いを混ぜてくるんです。すっごい面白い人で(笑)。でも、相当に追い込まれました。だからといって3週間で、自分が劇的に変わることはないし、そんな甘いモノじゃない。でも最初は10日間のつもりが、2週間延長して練習させてもらいました。フリーになってからスパーリング中心の環境でやってきたので、マンツーマンでしっかりと教わることができました。

試合でこういうことができるとはハッキリ言えないですけど、基礎の底上げができたので、随所で学んだことが関係してくると思います」

──「安藤達也はちゃんと練習すれば、こんなものじゃない」という言葉がずっと聞かれてきました。ただ若松佑弥選手が「安藤選手は練習しています」と言っていたのですよね。それが印象的で。

「土曜日のCUTEの練習に祐弥が来てくれるんですよ。多分、そこで『実はやっている』と……まぁ『皆が思っているよりはやっている』ということかもしれないですけどね(笑)」

──アハハハ。CUTEでの練習は、どのようなメンバーが集まっているのでしょうか。

「CUTEは……もともとイエローマンズ時代に臼井(知史)さんが、安永(有希)さんや長倉(立尚)さん、吉田(善行)さんたちの練習を見ていて。それに臼井さんは僕がTRIBEにいる時、デビューする前からミットを持ってくれていて。で、ジムを離れた時に頼ったんです。『なら来たらええねん』って言って貰えて、イエローマンズ時代から通わせてもらって。

今も臼井さん練習が土曜日にあって、そこに祐弥や上田(将勝)さん、それに(中村)倫也も来てくれるようになって。凄く良い練習になっています」

──だからこそ、ちゃんとやったら強いというところを見せてほしいです。

川原 アハハハハハ。

「そうッスね(笑)。実はこそこそやっているので」

──ところでONE本戦出場という目標がある限り、もうルンピニーでは求められていることは明白です。

「やっぱフィニッシュしないといけないなって思っています。シンプルに。倒しに行く試合を見せたいです。『コイツが試合に出たらワクワクするな』っていう試合をしたいですね。ここから、でっかいステージに行きたいので。なんか、ぶち上げたいですね。『おっ、来たな』って。下から上がって、ぶち上げていきたいです」

──修斗世界王者でもルンピニーからかと。山北渓人選手は本戦だったじゃないか──そんな想いは?

「全くないです。俺はここから上がっていく方が、良いよなって思っています」

■放送予定
3月31日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル

■ONE FF11 MMA対戦カード

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
安藤達也(日本)
アリ・モタメド(イラン)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
アリソン・バルボーザ(ブラジル)
アリ・カブドゥラ(カザフスタン)

<女子ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
アレクサンドラ・サビチェバ(ロシア)
アネリヤ・トクトゴノバ(キルギス)

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【ONE FF12】安藤達也 on ONE FF with 川原波輝「たっちゃんとずっと一緒にいる感じ」(川原)

【写真】エネルギーが有り余っている感じがします(C)TATSUYA ANDO

本日、31日(金・現地時間)にタイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE Friday Fight11。同大会では安藤達也が出場し、アリ・モタメドと対戦する。

昨年3月に岡田遼を下し、修斗世界バンタム級王者となった安藤がこの1年、どのように過ごし、なぜルンピニーで戦うことになったのか。ここを尋ねようと思ったが、その前にセコンドとして現地入りしている盟友・川原波輝の言葉から、今回のインタビューを始めたい。


──画面からご機嫌な様子が既に伝わってきますね(笑)。

「計量が終わったんで、ご機嫌になっていました。ハイドレーションとか、色々と初めてのことが多くて。そこが心配だったことは正直ありました」

──ナビゲートしてくれるような人はいましたか。

「ハイ、川原波輝選手が一緒に来てくれています」

川原 ウィーッス(笑)。ご無沙汰しています。どこにでも現れる川原です(笑)。

──いやぁ、ケージの中にはなかなか現れないじゃないですか(笑)。

「アハハハハハ」

川原 痛い、痛い、痛い。

「そこ、試合がないこと一番気にしていますから!!」

──まだONEとの契約は残っているのでしょうか。

川原 ハイ、そうです。

──全然、試合を組んでもらえていないですね。

川原 自分の責任です。今後のことは考えないといけないのは事実ですが、もう一発ONEで勝負したいです。倒せなかった僕の責任なんで。ONEも期待してくれていた。でも、その期待に応えることができなかったので。

──ルンピニー、フライデーファイツが始まったので、タイのリングで再起戦ということもあるのではないですか。

川原 そこも実は進んでいたのですが、実現しなくて。

──なるほどぉ。今は、大阪ですか。

川原 いや、今はバンコクです。

──それは合点承知の助ですよ(笑)。今、拠点は大阪なのですか──と尋ねたかった次第です。

「アハハハハ」

川原 東京でたっちゃんのサポートをしていて、それからバンコクに来ました。今ビザの申請中で、アルファメールで練習できないんですよ。凄く、時間が掛かっていて動けない状態なので、たっちゃんとタイに1カ月ほど合宿に来て。一旦、東京に戻って3週間ほど練習して、またバンコクに来ています。だから、たっちゃんとずっと一緒にいる感じですよね」

「ホントは僕の2週間後とかに試合があるってことだったんですけど、相手が見つからなかったみたいで。このままタイに残って、今度は僕がセコンドに就いて2人でタイで試合をこなすつもりだったんですけど」

──ではルンピニーで試合を組むという方向には、ONEも動いてくれていたのですね。それは安心しました。

川原 相手が見つかれば、即戦います。ルンピニーなら試合ができると踏んでいたので」

──では安藤選手のインタビューではありますが、しっかりと川原選手の言葉も書き記すようにします。

川原 お願いしまーす!!

──では、そういうことで。お二方、お疲れさまでした。

川原 いやいやいや、たっちゃんのインタビューじゃないですか(笑)。

「アハハハ。でも、これでバンコクに来て一つ収穫があったじゃん(笑)」

──では安藤選手、ぶっちゃけてお伺いします。昨年、Road to UFCのオファーがあったのにワクチン接種をしておらず、戦えなかった。この話、本当ですか。

「ハイ。話があってからワクチンを打っても、間に合わない状態で。岡田戦が終ってから、ワクチン接種をしておけば間に合っていたはずですけど、ダメでした」

──それぞれの判断ですが、ワクチン接種をしないというポリシーがあったのですね。

「ありました。ずっと。でも、そんなこと言っていられないと思って接種して。でも、やっぱりワクチンは大丈夫だったのかという話は続いているじゃないですか」

──ハイ。だからこその自己判断ですよね。

「もう、進むしかないなって」

─こればかりは時代と為政者に翻弄されたわけですが、その世の中に生きていくうえで自分がどう判断するのか。10年後に後悔することになるかもしれないし、半年後に後悔するかもしれない。でも、今やりたいことをやるのも人生です。

「その通りっスね。格闘技をやっている時点で、そういうものかもしれないし。アハハハハ」

──確かに。

「加えて10月の準決勝大会にフェザー級でオファーがあったんですけど、階級が違うから受けなかったんですよ。それでSASUKE君が出て。今からすると、あの試合を受けて階級を落とせば良かったんですよね……」

──そこも確かに……です。

「それが俺としては『なんで、バンタム級じゃなかったんだよ』って欲張ってしまいました」

──勿体ない……。そしてONE FFで戦うということは、何か吹っ切った部分があったということでしょうか。

「UFCをどうしようと思っている間に話を頂いて、『ワンマッチ契約だから出てみないか』と。それで一発出てみようと、試合ができていなかったので」

──では、ここからONE本戦を目指すわけでもないと?

「それが今回、ONEの計量をやってみてスゲェ良いのかなって思って。話を貰えたら、ONE本戦で戦っていきたいと考えています」

──良かったというのは、体調面ですか。

「ハイドレーションは心配だったのですが、このサイズで戦えるのが一番良いのかなって。それにONEのバンタム級は層が厚いし、強い選手がいるじゃないですか。この階級に可能性を感じました」

──やはり62キロで、あの髭があったときと顔つきが違います。

「アハハハハ。あの時はヤバい、職質対象でした。それに、もうちょいゲッソリしていましたよね。今回は先輩方や波輝君にアドバイスをもらって、食生活とかも管理し、体重もキープして通過できました。体にもっと力が入るのかって思います。

ただし、切れは北米のバンタム級まで落とす方がありました。今後はONEのバンタム級でやっていくには、気持ちサイズをアップしても良いのかと思います。これまであまりフィジカルとか気にしていなかったけど、今後は必要かと」

──ONE本戦出場、そのように目標が定まったのであれば今回の試合は、そうなるためのパフォーマンスが必要になってきますし、そういう勝ち方が求められます。

「なんか……思ったより、自分の苦手なタイプではあると思っています」

<この項、続く>

■放送予定
3月31日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル

■ONE FF11 MMA対戦カード

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
安藤達也(日本)
アリ・モタメド(イラン)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
アリソン・バルボーザ(ブラジル)
アリ・カブドゥラ(カザフスタン)

<女子ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
アレクサンドラ・サビチェバ(ロシア)
アネリヤ・トクトゴノバ(キルギス)

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【ONE FF09&ONE FF11】3月17日に和田竜光、31日に安藤達也がMust Winのルンピニー出場へ

【写真】しっかりと勝ちたい、いや勝たないといけない試合だ (C)ONE & MATSUNAO KOKUBO

22日(水・現地時間)、ONE Championshipより3月17日(金・同)にタイはバンコクのルンピニー・スタジアムで開催されるONE Friday Fights 09に和田竜光が、同31日(金・同)のONE FF11に安藤達也が出場することが発表されている。

和田の出場はONEと契約中の日本人MMAファイターとして初のルンピニー大会への参戦となる。また、Road to UFCから修斗世界バンタム級王者として国内で活躍中の安藤は、その修斗のベルトを奪取してから1年振りの試合が念願となる初の海外進出だ。


昨年6月のカイラット・アクメトフ戦で判定負けを喫し、タイトル戦線から一歩後退の和田はPXCやURCCで活躍してきたアーネスト・モンティーリャと対戦。

PXCではバンタム級王座決定戦を経験しているが、アルヴィン・カクダックに敗れている。これが3年11カ月ぶりの実戦復帰ということを考えても、和田は負けられない。

安藤の相手アリ・モタメドは、かつて吉野光にスプリット判定勝ちを収めているものの──吉野勝利が妥当という声が多かった試合だった。

なんせモタメドは吉野に15分間で9度のテイクダウンを許している。言い換えると、それだけ倒されながらフィニッシュを許さなかった試合ではあったが、安藤としてテイクダウン後だけでなくて、その前後でしっかりとパンチを当てて倒したい。

和田としては本戦カムバック、安藤は一気に本戦進出するために圧勝を望みたいルンピニーでの戦いだ。

なおリリースに寄せられたONE初出場の安藤のコメントは以下の通りだ。

安藤達也
「ずっと海外で試合をしたいと思っていたので、ONEからチャンスを貰えて嬉しかったです。今回の相手は、経験値の高いストライカーです。自分のひらめきを武器に、いつも通り決着をつけに行きます。そして、ONEのチャンピオンと戦えるチャンスを掴みに行きます。ファイターとしての目標はたくさんありますが、まずは自分に勝つこと。格闘技を通して挑戦する姿を見せて、勇気を与えたいです。格闘技はLIVEだと思うんですよね。やってみないと分からない!ぶちあげます。お楽しみに!」

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【ONE114 Big Bang02】右を効かせたチェン・ルイ。アッパーでモタメドにトドメを刺す

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
チェン・ルイ(中国)
Def.1R1分15秒by TKO
アリ・モタメド(イラン)

遠い距離から蹴りを中心に戦う両者。ここから距離を詰めてパンチを纏めるチェンに対し、モタメドもオーバーハンドやヒザを返す。構わず、圧力を高めて前に出るチェンが、モタメドの右に右を合わせる。完全に腰が落ちたモタメドがなんとかスタンドに踏みとどまるものの、チェンはアッパーを突き上げて勝負を決めた。


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