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【Bellator265】ボリッチ戦へ。”マオリキッド”ジェイジェイ・ウィルソンはグレイシーとノーギ柔道の融合体

【写真】こう見えてノーギワールズ2019の茶帯ライト級で3位になるなど、柔術でも実績を残しているジェイジェイ。アンディ・ムラサキともプロ柔術で対戦経験がある(C)BELLATOR

20日(金・現地時間)にサウスダコタ州スーフォールズのサンフォード・ペンタゴン で開催されるBellator265「Kongo vs Kharitonov 」。

イベント名にあるように同大会のメインは、ヘビー級のチーク・カンゴ✖セルゲイ・ハリトーノフだ。とはいえ、黄昏のヘビー級対決は米国のTV MMAファンの受けは良いかもしれないが、MMAファンであれば絶対的に興味の対象はフェザー級のジェイジェイ・ウィルキンス✖アダム・ボリッチになるに違いない。

ボリッチは既にフェザー級ワールドGPに参戦し、準々決勝で敗れたものの破壊力十分の打撃でAJ・マッキーJr時代のベラトール・フェザー級戦線で中軸を担うことが期待されている。

対してウィルソンは、MMAキャリア8勝で日本での知名度も正直高くない。しかし4月には同じくフェザー級ワールドGP出場者で、準々決勝でパトリシオ・フレイレの持つ世界王座に挑戦しているペドロ・カルバーリョを圧倒して、2R0分53秒でTKO勝ちを収めると、一気に注目されるようになった。

マオリ・キッドの異名を持つキウイMMAファイターに初インタビューを行うと、その格闘技キャリアは現代MMAを戦う新鋭とは思えない意外な要素が散りばめられていた。


──20日にアダム・ボリッチと対戦しますが、調子はいかがですか。

「これまで以上にやる気だよ。凄くエキサイティングな試合だし、皆をちょっと驚かせてやろうと思っている」

──MMAデビュー以来3年間で8連勝、負け無しで注目度がアップしているジェイジェイはマオリ・キッドの異名を持ち、ニュージーランド人ということですが、MMA戦績は全て米国で挙げたモノです。

「僕はニュージーランドで生まれ育ち、3年前から米国のサンディエゴに住むようになったんだ」

──だからMMAの試合は全て、米国で戦っているのですね。

「もともとMMAを始めたのはニュージーランドだよ。15歳の時に……えぇと、僕は言ってみれば問題児だった。悪ガキ仲間がポリスともめて、そのポリスの署長の勧めでジムで練習をするようになったんだ。そいつがちょっとしたフードを買って『一緒にジムに行くなら、金は要らない』って言うんだよ。ついていくとブラジリアン柔術のクラスだった。その1回の誘いで、僕は柔術は夢中になったんだ。

初日はビギナー柔術クラスで、凄く楽しかった。でも次の日はアドバンスド柔術クラスだったから、ジムの皆が『明日は来ない方が良い』と言ってきたんだ。うるせぇよと思って言うことは聞かなかった(笑)。以来、ジムを離れたことはない」

──アハハハハ。

「当時、僕はホームレスで住むところもなかったんだけど、7~8カ月と休むことなく練習を続けて、ジムで寝泊まりすることを許されるようになったんだ。それから3年ぐらいジムで寝起きしていたんだ」

──なんと、軽く振り返っていますが、なかなかタフな10代を過ごしていますね。ただ練習していたのは、柔術であってMMAではなかったのですか。

「ニュージーランドはキックボクシングの強豪国だ。15歳で柔術を始めて、16歳でキックの練習をするようになったよ。その2週間後にはもう試合に出ていた(笑)。柔術も続けていたし、キックに続いてレスリングの練習もするようになり、MMAを戦うようになったんだよ。全てニュージーランド・トップチームで、トレーニングしていたよ」

──では米国で移ったのは、MMAを戦うためですか。

「ノー。柔術の世界チャンピオンになるためさ。そのために僕はカリフォルニアに移り住んだんだ」

──柔術でムンジアル王者を!!

「ニュージーランドの柔術も成長しているけど、レベルは高くなかった。対して、ここカリフォルニアの柔術は最高レベルにある。今でもブラジルよりも上だと思う。サンディエゴではアリアンシ・サンディエゴのジョニー・ファリアに、本当に色々なことを学んだ」

──ジョニー・ファイア……ジョアオ・ファリアですね。競技柔術で世界チャンピオンを目指すということは、ダブルガードや50/50ゲーム、MMAとは違う寝技を磨くためにカリフォルニアに移ったと。

「そうだよ。デラヒーバ、ベリンボロ、リバースデラヒーバ、50/50を使うゲームが大好きだった。ニュージーランドでも数多くのアマチュアMMAで戦っていたし、IMMAFの世界大会にも出場しているけど、黒帯でワールドチャンピオンになるには、モダン柔術の修得は必須だし、全てを習得しようと練習に励んでいた。

そんな時にまたMMAで戦う機会が巡って来て、オールドスクール柔術を習うことになったんだ。トップ重視、相手を殴ることができるポジション、そして下になって殴られないガードワークをね。

ベリンボロはアメージングな技術だよ。ベリンボロからバックを取って、相手をフィニッシュできれば最高さ。でもMMAでそれは無理だ。MMAを戦うようになって、ファンダメンタル柔術の技術を習得することになったんだ」

──Vale Tudoに通じる柔術を今のアリアンシで学ぶことはできたのでしょうか。

「ジョニー・ファリアは、もともとフラヴィオ・ベーリンギの黒帯だよ」

──フラヴィオはエリオ・グレイシーの高弟です。

「そう。だからジョニーはグレイシー柔術の黒帯なんだ。グレイシー・ウマイタ系の道場を初めてサンディエゴに開いたのが、ジョニーだ。その後、ウマイタと決別してファービオ・サントスからジャカレ・カバウカンチと繋がって、アリアンシになったけど。

彼のファンダメンタル柔術は、今も凄く機能的でMMAにもの凄く適している。ジョニーはそういう柔術のマスターなんだ、8歳の時から練習してきたんだから」

──それは興味深いです。とはいえ、どれだけ柔術の基本を学んでも、今のMMAは打撃とレスリングが非常に大きな要素になっています。サンディエゴは多くのMMAのジムもありますが、MMAのトレーニングはどこで行っているのですか。

「全ての柔術の練習はアリアンシで行っている。そしてレスリングはジャスティン・フローレスに指導を受けているよ」

──ジャスティン・フローレスはロンダ・ラウジーの柔道コーチだった人物では?

「その通りだよ。ジャスティンは柔道の全米王者に3度なっていて、米国ナショナル・チームのヘッドコーチだったけど、実はレスリングでもネブラスカ大出身のD1レスラーでもあるんだ。そしてMMAではロンダだけでなく、キャット・ジンガーノ、ドミニク・クルーズ、ジェシカ・ペネの指導もしているよ」

──そうなのですか!! ジェイジェイのMMAキャリアは、興味深い話ばかりですね。

「アハハハハ。ジャスティンとは、もう3年ほどずっと練習してきた。彼との練習で、今やD1レスラーをテイクダウンできるようになったよ」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
8月14日(土・日本時間)
午前7時00分~Prelim :Bellator MMA YouTube Channel
午前10時~Main Card: Bellator MMA YouTube Channel

■ Bellator265対戦カード

<ヘビー級/5分3R>
チーク・カンゴ(フランス)
セルゲイ・ハリトーノフ(ロシア)

<フェザー級/5分3R>
ジェイジェイ・ウィルソン(ニュージーランド)
アダム・ボリッチ(ハンガリー)

<ウェルター級/5分3R>
ローガン・ストーリー(米国)
ダンテ・シーロ(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ケルヴィン・ティラー(米国)
モルセーロ・ゴルム(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
ファビオ・アギラー(ブラジル)
テイラー・ジョンソン(米国)

<ライト級/5分3R>
マイク・ハメル(米国)
ブライス・ローガン(米国)

<ウェルター級/5分3R>
アーチー・コルガン(米国)
ベン・シモンズ(米国)

<ミドル級/5分3R>
ドーン・ジョンソン(米国)
ディヴェン・フィッシャー(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ベイリー・ショーンフェルダー(米国)
ケヴィン・チルズ(米国)

<ミドル級/5分3R>
ジェフ・ニールセン(米国)
コーリー・モーゲンバーグ(米国)

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BELLATOR Bellator256 Report アダム・ボリッチ ジェレミー・ケネディ ブログ

【Bellator256】アダム・ボリッチ、明確な力の差を見せつけジェレミー・ケネディに快勝

<フェザー級/5分3R>
アダム・ボリッチ(ハンガリー)
Def.3-0:30-27.29-28.29-28
ジェレミー・ケネディ(米国)

左ジャブを伸ばすボリッチが、右ローを蹴る。さらに左を見せるボリッチは踏み込んでワンツー、ケネディの右をバックステップでかわす。右ローを蹴ったケネディがボリッチの左フックをブロック、両者がローカーフを蹴り合う。そのカーフに右を合わせていくボリッチは、組まれてケージに押し込まれても左腕を差して耐える。ボリッチは体を入れ替える。2度、3度とポジションがチェンジするなか、ケネディのヒザがボリッチのヒザに当たり試合が中断される。

再開後、左ジャブから右カーフと同じ手順で探る両者。続くカーフに右を狙ったボリッチは、ジャブにも左を伸ばす。と、残り20秒でケネディがテイクダウンを決め、立ち上がったボリッチを金網に押し込んだ状態で初回が終わった。

2R、前に出るケネディ。ボリッチはカウンターをパンチ、ローに放っていく。ボリッチは右リードアッパー、左をステップインに合わせる。さらに右オーバーハンドに続き、左ジャブを当てる。左フックにも左ステップジャブを当てたボリッチが、打撃戦をリードする。続いて左ジャブを被弾したケネディは、ジャブの威力に踏み込めなくなっているか。

下がりながらのパンチというケネディが見せないといけない動きも駆使するボリッチ。ケネディは動かされる形でテイクダウン狙いも切られ、厳しい局面に。跳びヒザを冷静に見切ったボリッチは左ジャブ、さらに右ハイを当てる。ケージに詰まったケネディは見事なヘッドムーブで追い打ちはかわしたが、明白にラウンドを落とした。

最終回、ボリッチはまず左ジャブを当て、カーフを蹴り合う。ケネディの左ジャブに、右を合わせようとしたボリッチは右カーフでダウンを奪う。ハーフのケネディを抑えるボリッチは、寝技を続ける。勝利以上を目指したようなボリッチの選択──つまり、勝負ありというなかでケネディはハーフから潜っていき、ワキ腹を殴られながらスイープへ。ボリッチも下にりきらず、スクランブルしケージを背負った形で立ち上がる。

残り2分を切り、ボリッチがケージに押し込まれた状態で時間が過ぎる。小外でテイクダウンを決めたケネディだが、このままでは逆転勝ちはない。頭を掛けて、時間を使うボリッチは押し込まれた状態で、背中だけをマットにつけないで立ち上がる。直後に左ヒザを突き上げたボリッチに対し、ケネディはここも組みを選択しタイムアップに。

左足を効かされたケネディは組みに頼るしかなく、力の差を見せたボリッチが3-0で快勝し「人生最高のキャンプができた。今はタイトル挑戦の準備ができている。カーフでダウを奪ったあとは、僕はMMAファイターということを見せたくて寝技を選択した」と話した。


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BELLATOR Bellator256 News Preview アダム・ボリッチ ジェレミー・ケネディ ブログ ライアン・ベイダー リョート・マチダ

【Bellator256】計量終了 ベイダー✖ドラゴンがメイン。最注目はボリッチ✖ケネディのフェザー級戦

【写真】ボリッチ、ケネディ、どちらの攻撃がどのタイミング、どのようなステップのなかで相手を捕えることができるか。目が離せない (C)BELLATOR

8日(木・現地時間)、9日(金・同)にコネチカット州アンカスビルのFight sphereことモヒガンサン・アリーナで開催されるBellator256「Bader vs Machida」の計量が行われた。

メインはライトヘビー級ワールドGP準々決勝=ライアン・ベイダー✖リョート・マチダの8年8カ月振りの再戦だ。2012年8月のUFC FOX04で対戦した時は、リョートが2RでTKO勝ちを収めている。

当時34歳だったリョートも今や42歳、ベラトール移籍後は2勝2敗で現状として連敗中となり、このGPが最後の大舞台という見方は十分に成り立つ。対するベイダーも昨年8月に世界ライトヘビー級王座を失って実戦だ。ベラトール発のGPとなったヘビー級を制し、まだ最重量級のベルトは保持しているベイダーとはいえ、リョートと同様にこのGPの1戦、1戦の結果如何で現役ファイター人生の方向性が決まってくるといえる。


SHOWTIME中継が始まり、第2弾となる今大会は5試合組まれたメインカードで要注目はワールドGPが決勝戦を残すところとなったフェザー級のジェレミー・ケネディ✖アダム・ボリッチの顔合わせだ。

ボリッチはワールドGPで飛躍が期待されたが、ダリオン・コールドウェルのRNCに下り、失意の準々決勝敗退を経験。

その後は体の大きさを考慮し、ライト級転向を模索する中で150ポンド契約マッチで2試合を戦っている。結果は連勝こそしているものの、マイク・ハメル&エリック・サンチェスというところに判定勝ちに留まり、階級もファザー級に留まることを決めたか。

対するケネディはデビューから8連勝でUFCと契約。12戦目で現UFC世界フェザー級王者アレックス・ヴォルカノフスキーに敗れ、キャリア初黒星もオクタゴンでの戦績は3勝1敗ながらフリーエージェントに。

中東BRAVE CFで連勝後にPFLと契約、2019年シーズンに飛躍が期待されたがレギュラーシーズンは1勝1敗、プレーオフ準決勝でダニエル・ピネダのギロチンに敗れ(※ピネダに禁止薬物の陽性反応が出て、試合結果はNGに)、100万ドルの獲得はならなかった。それでもベスト4だったケネディは、PFLと契約更新はせずベラトールに新天地を求めた去年の11月にサークルケイジ初勝利を挙げている。

ボクシングとブラジリアン柔術がベースで、MMAファイターとしてレスリングとムエタイを消化したケネディに対し、ボリッチはハンガリーのMMAファイターに多いケンポーカラテ出身のストライカー──と思われるほど、卓越した打撃の持ち主だが、サブミッションでの一本勝ちも多い。

ボリッチのレコードは16勝1敗、4つのKO勝ちに5つの一本勝ちは三角絞めとRNCというものだ。対してケネディの戦績は16勝2敗で、内訳は6つのKO勝ちと2つ(RNC&ペルヴィアンネクタイ)の一本勝利となっている。

ラッシングパワーと圧力でいえば間違いなくボリッチ。だからこそ、見逃せないのがケネディの下がりながら当てるカウンターショット。それも相手の攻撃の紙一重でかわし、見えない大外から被せていくように放たれるフックは見ものだ。

ケネディの下がって打てるステップに対し、打撃をボリッチが入れることができれば先の先。そこを呼びこんでケネディが当てるようだと後の先。先を取るのはどちらになるのか。あるいは、MMAとしてはそこから組みや寝技の展開になるのか。打撃はボリッチ、総合力はケネディ──非常に興味深い、ポスト・ワールドGPが既に始まっているといえる─フェザー級のトッププロスペクト候補対決だ。

■視聴方法(予定)
4月10日(土・日本時間)
午前7時~Prelim :Bellator MMA YouTube Channel
午前10時~Main Card: Bellator MMA YouTube Channel

■Bellator256計量結果

<ライトヘビー級ワールドGP準々決勝/5分5R>
ライアン・ベイダー: 205ポンド(92.99キロ)
リョート・マチダ: 204.6ポンド(92.8キロ)

<女子フライ級/5分3R>
リズ・カモーシェ: 125.4ポンド(56.88キロ)
ヴェネッサ・ポルト: 126ポンド(57.15キロ)

<フェザー級/5分3R>
ジェレミー・ケネディ: 145.7ポンド(66.08キロ)
アダム・ボリッチ: 145.8ポンド(66.13キロ)

<女子フェザー級/5分3R>
キャット・ジンガーノ: 145.2ポンド(65.86キロ)
オリヴィア・パーカー: 145.4ポンド(65.95キロ)

<ライト級/5分3R>
ダン・モレット: 155.6ポンド(70.57キロ)
ゴイチ・ヤマウチ: 155.8ポンド(70.66キロ)

<ミドル級/5分3R>
ダルトン・ロスタ: 185.5ポンド(84.14キロ)
トニー・ジョンソン: 185.2ポンド(84.0キロ)

<女子フェザー級/5分3R>
タリタ・ノゲイラ: 146ポンド(66.22キロ)
ジェシカ・ボルガ: 145.2ポンド(65.86キロ)

<バンタム級/5分3R>
キャス・ベル: 135.6ポンド(61.5キロ)
ジョーネル・ルゴ: 135ポンド(61.24キロ)

<フェザー級/5分3R>
コディ・ロー: 145.2ポンド(65.86キロ)
ネイサン・ガリーブ: 143.8ポンド(65.22キロ)

<バンタム級/5分3R>
ジェイロン・ベイツ: 136ポンド(61.69キロ)
ジェフリー・グロスナー: 137.8ポンド(62.5キロ)

<ライト級/5分3R>
ネイノア・ダン: 155.9ポンド(70.71キロ)
イジー・ウィリアム: 156ポンド(70.76キロ)

<女子フライ級/5分3R>
ジアナ・アフサラゴワ: 125.8ポンド(57.06キロ)
テラ・グラフ: 125.2 ポンド(56.78キロ)

<バンタム級/5分3R>
ジョン・ドーマ: 135.4ポンド(61.41キロ)
ウィル・スミス: 134.6ポンド(61.05キロ)

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BELLATOR Bellator250 Report アダム・ボリッチ エリック・サンチェス ブログ

【Bellator250】互角の序盤から、猛攻の最終回。果敢に腕十字を仕掛けたボリッチが、サンチェスに判定勝ち

<150ポンド契約/5分3R>
アダム・ボリッチ(ハンガリー)
Def.3-0:30-27.30-27.29-28
エリック・サンチェス(米国)

ボリッチが左ローを走らせ、サウスポーのサンチェスは右を狙う。右ハイを見せたボリッチは左ロー、右前蹴り、サンチェスも右カウンターを繰り出し、オーソに構えてパンチで前に出る。ボリッチは左フック&右ローのコンビネーション、左ジャブを当てる。ローの空振り後にジャブを入れたボリッチは蹴り足をキャッチし、引き込んだサンチェスにローを蹴る。

すぐに立ち上がったサンチェスに対し、ボリッチは左ボディフックから左ミドルと腹を攻撃する。サンチェスがスイッチすると右ミドルを決めたボリッチが初回を取った。

2R、右ローのボリッチ、サンチェスは右オーバーハンドを狙う。左ローに右ジャブを合わされたボリッチは右カーフ、続いて右ハイを蹴っていく。サンチェスも鋭い左ローを見せるも、腹を守って右ストレートを顔に受ける。続く跳びヒザは距離が合わなかったボリッチ、ボリッチが右エルボーを打ち込む。飛び込んで左を伸ばすサンチェスを左で迎え撃ったボリッチだが、頭がぶつかる。

両者はそのまま試合を続け、ボリッチが右を当てる。残り1分、ボディを抉り、シングルレッグを切ったボリッチはボディへの攻撃を続け左アッパーから右ストレートを狙う。サンチェスは左ボディフック、右オーバーハンドと近めの距離で十分にやり合っていた。

最終回、ジャブからローを蹴るボリッチは、ワンツーで前に出てきたサンチェスに左を入れる。サンチェスも左ジャブを当て、ヒザをかわす。蹴りのフェイントから右フック、直後にヒザというコンビネーションを入れたボリッチ。サンチェスの攻撃が急所に入り、一瞬の中断後にボリッチがワンツー、サンチェスが右ボディストレートから右を顔面に入れる。ボリッチはここで右ミドル、右ボディフックからヒザ蹴りを繰り出す。ボディに続き、右アッパーを決めたボリッチは、首相撲&ヒザ、ヒジとサンチェスを圧倒する。離れてヒザ、右アッパー、右エルボーを入れたボリッチに対し、サンチェスは下がるようになり右エルボーをさらに2発被弾する。

ボリッチは組んでボディロックテイクダウン、マウントを取ってパンチを入れると腕十字へ。かなりヒザが開いており、サンチェスは体を捻って胸を合わせつつエスケープに成功する。極め切れなかったボリッチは下になると三角を狙う。サンチェスは担いでパスから、バックに回りRNCへ。ここで時間となり、果敢な仕掛けで最後に反撃を許したもののボリッチが判定勝ちを手にした。


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BELLATOR Bellator250 News アダム・ボリッチ ゲガール・ムサシ ドゥグラス・リマ ニック・ニューウェル ブログ ボビー・ヴォルカー

【Bellator250】計量終了 二階級制覇目指すリマが、前王者ムサシと決定戦。ボリッチ&ニューウェル出場

【写真】まだ体重が戻りそうなリマだ (C)BELLATOR

29日(金・現地時間)にコネチカット州アンカスビルのモヒガンサン・アリーナで開催されるBellator250「Mousashi vs Lima」の計量が、28日(木・同)に行われた。

同大会のメインは前Bellator世界ミドル級王者ゲガール・ムサシと現Bellator世界ウェルター級王者ドゥグラム・リマが、空位となっている世界ミドル級王座を賭けて戦う一戦だ。


昨年6月にラファエル・ロバトJrに敗れ、ミドル級王座2度目の防衛戦に失敗したムサシが、ウェルター級ワールドGP制覇と同時に同級世界王者に返り咲いたリマとロバトJrの引退→返上となったベルトを賭けて戦う。

チャンプ・チャンプ対決ではなく、他の階級の王者が2階級制覇を狙い王座決定戦で戦うのは、ONEで2018年2月にミドル級王者オンラ・ンサンがアレッシャンドリ・マチャドとライトヘビー級王座決定戦を戦ったぐらいで、数少ないレア・ケースだ。リマにとっては10年前にアトランタのローカル大会REDLINEミドル級GPという8人制トーナメントを優勝して以来のミドル級でのファイトとなる。

ムサシとウェルター級王者と対決といえば、やはり印象深いのが2018年9月のローリー・マクドナルドの挑戦を受けた試合だ。この時は1階級下のロリ・マクを相手に、スタンドで削りイマナリ・ロールを潰して、マウントからバックマウント、最後は頭部へのエルボーという一方的な流れでTKO勝ちを収めている。

リマとしては、ロリ・マクの二の舞にならないためにミドル級の体をどれだけ創れているのかが重要だ。幸いといっては何だが、この試合は5月に決まっていたがコロナ禍により、5カ月以上の先延ばしになっていた。リマにとってはミドル級の体に心肺機能を追いつかせることができる時間が取れたはずだ。

フェイスオフで並んだ様子からは、それでもムサシの方が背中や肩が大きく見えたが──リマも十分にリカバリーの余地があるラインをしていた。ピークにある世界トップレベルの対戦で、体格差は絶対だ。そこさえクリアできれば、5Rの長丁場でローを効かせ、ムサシのジャブの踏み込みを止めることもリマはできる。明日、サークルケージに足を踏み入れた時のリマのサイズにまず注目だ。

今大会はメインカードが3試合だが、プレリミにアダム・ボリッチ、ニック・ニューウェルという注目ファイターが出場する。

悪夢のフェザー級ワールドGP準々決勝敗北のボリッチはベラトールの活動再開後、8月に続き早くも2度目のファイトでポストGPを狙ってか、ライト級転向も視野にいれてか150ポンド契約で精力的に試合を重ねている。

隻腕ファイターのニューウェルは昨年10月にベラトール2戦目でまさかのスプリット判定負けを喫しており、後がない状態でザック・ゼーンという中堅(=14勝9敗)ファイターと対戦する。

ここで敗れるようなことあれば、浮上は難しいニューウェルが彼にしかできない、唯一無二のバックチョークやギロチンに持ち込めるかが、勝負の鍵を握ってくる。

また今大会のプレリミではUFCリリースから6年、ボビー・ヴォルカーが同じくUFCベテランのサバウ・ホマシとマッチアップでメジャーシーンに戻ってくる。ヴォルカーはこの間、シャムロックFCで戦い続け9勝1敗という結果を残してきた。

コーカーの下で戦うのはStrikeforceがZuffaに買収された2011年以来、元コーカー・チルドレンが41歳になり、どのような生き様をホマシ相手に見せてくれるのか──楽しみだ。

■視聴方法(予定)
10月30日(金・日本時間)
午前6時30分~Prelim :Bellator MMA YouTube Channel
午前9時00分~DAZN

■Bellator250対戦計量結果

<Bellator世界ミドル級王座決定戦/5分5R>
ゲガール・ムサシ: 184.9ポンド(83.86キロ)
ドゥグラス・リマ: 184.9ポンド(83.86キロ)

<フェザー級/5分3R>
ブランドン・ガーツ: 145.6ポンド(66.04キロ)
ヘンリー・コラレス: 145.5ポンド(66.0キロ)

<女子フライ級/5分3R>
ヴィータ・アルテガ: 126.2ポンド(57.24キロ)
デザリー・ヤネス: 125ポンド(56.7キロ)

<ヘビー級/5分3R>
ジェイク・ヘイガー: 253.2ポンド(114.84キロ)
ブランドン・ギャルトン: 258ポンド(117.02キロ)

<ミドル級/5分3R>
タイ・グワーダー: 184.2ポンド(83.55キロ)
ダルトン・ロスタ: 185.5ポンド(84.14キロ)

<フェザー級/5分3R>
ボビー・ヴォルカー: 170.5ポンド(77.34キロ)
サバウ・ホマシ: 171ポンド(77.56キロ)

<ライト級/5分3R>
ニック・ニューウェル: 155.5ポンド(70.53キロ)
ザック・ゼーン: 155.6ポンド(70.57キロ)

<ミドル級/5分3R>
テイラー・ジョンソン: 185.3ポンド(84.05キロ)
ジョニー・エブレン: 185ポンド(83.91キロ)

<150ポンド契約/5分3R>
アダム・ボリッチ: 149.5ポンド( 67.81キロ)
エリック・サンチェス: 150ポンド(68.03 キロ)

<フェザー級/5分3R>
コディ・ロー: 145.5ポンド(66.0キロ)
オーランド・オルテガ: 141.5ポンド(64.18キロ)

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BELLATOR Bellator243 Report アダム・ボリッチ ブログ マイク・ハメル

【Bellator243】ボリッチ、体重オーバー&予想以上の実力者=ハメルにスプリット勝利で再起

【写真】健闘が目立ったハメルだが、ここまでできるなら体重オーバーは本当に悪質(C)BELLATOR

<154.6ポンド契約/5分3R>
アダム・ボリッチ(ハンガリー)
Def.2-1:29-28.29-28.28-29
マイク・ハメル(米国)

体重オーバーのハメルより、ずっとグッドシェイプに見えるボリッチが、パンチが交錯する中でバランスを崩す。力が入り過ぎているように見えるボリッチは、ローから飛びヒザ、ワンツーを繰り出す。もう1度ジャンピングニーを見せたボリッチだが、ダブルレッグに捕えられ尻もちをつかされる。太腿の裏でクラッチを続けるハメるは頭を抱えられても、逆にクレイドルでボリッチに立ち上がることを許さない。

もう一度ギロチンから頭を押してスタンドに戻ったボリッチは、ボディロックからテイクダウンを狙う。耐えたハメルは離れてサイドキック。ボリッチも左ジャブ、右ミドルを蹴り込む。跳びヒザ狙いから左フックを当ててダブルレッグのハメルは、ここもギロチンからスタンドに戻れるも──意外にも──優勢のまま初回を終えた。

2R、サウスポーに構えたハメルに対し、ボリッチの右ローがモロに急所に入る。インターバルが与えられ再開後、オーソに変えたハメルが再びサウスポーに。ボリッチは右ストレートから右ハイ、これらの打撃に飲み込まれないハメルが逆にワンツーを当てる。右ミドルを入れたボリッチは、組まれると逆に両ワキを差して体を入れ替える。

自らリリースしたボリッチは、やや疲れたか。後ろ回し蹴りをかわしたハメルは前に出て組むが、ボリッチも予期しており捌く。左ジャブから右ミドルのボリッチ、急所に当たったとアピールするハメルだが、レフェリーは続行を命じる。オーソからスイッチしつつ右オーバーハンドを当てたハメルは、ボリッチの右に左を合わせていく。勢いづいたハメルが見せた跳びヒザを外したボリッチは、ワンツーから右ミドルと綺麗な攻撃を入れた。

最終回、ハメルの左ハイの蹴り終わりに右カーフを蹴り込んだボリッチが、続いて踏み込んでワンツーから左フックを当てる。ハメルはここでダブルレッグへ。勝負ところで左腕を差し返したボリッチがダブルアンダーフックで押し返す。ボリッチは右エルボーを入れて離れると、右カーフ、右ミドルハイを放つ。それでもハメルも前に出てダブルレッグへ。ここもボリッチが体を入れ替え、ヒザ蹴り。ハメルが押し返すと頭を押してヒザ蹴りを2発突き上げる。

エルボーを打たれて離れたハメルは、右オーバーハンド。離れて跳びヒザを見せたボリッチが、もう一度ジャンピニングニーを狙うと、同時に跳んだハメルの方が勢いがありバランスを崩して下になってしまう。

サイドを取られたボリッチは、背中を預けて立ち上がり、ダリオン・コールドウェル戦のトラウマを打ち消すように胸を合わせることに成功する。離れてミドルを蹴り、最後は後ろ回し蹴りを見せたボリッチが、予想以上に手強かったハメルをスプリットで下し、安堵の表情を浮かべた。


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【Bellator243】計量終了 チャンドラー✖ベンヘンII待ったなし。アガザームの相手は股間にスネーク!!

【写真】セレモニアル計量、すでにかなり戻っているチャンドラーに対し、ベンヘンはここから本格的にリカバリーか (C)BELLATOR

6日(木・現地時間)、7日(金・同)にコネチカット州アンカスビルのモヒガンサン・アリーナで開催されるBellator243「Chandler vs Henderson 2」の計量が行われた。

3年9カ月振りの再戦となるチャンドラーとベンヘンは問題なく計量をクリアしている。


メインカード4試合、プレリミ6試合の計10試合。無観客大会とあって、通常時のベラトールのようにプレリミにローカル勢が大挙出場するということはない。

ヘビー級でマット・ミトリオンが出場するメインカードでは、ジョージ・カラキャニャンのライト級2戦目──ベラトールで2戦目となるマイルズ・ジュリー戦は通好みのマッチアップだ。

スイッチヒッターでKOパンチを持つウェルラウンダーのジュリーと、空手ベースながら卓越したグラップリング技術の持ち主カラキャニャンの対戦は、両者が中堅ではないことを示すファイトとなる。

一方プレリミでは本戦に出場してもおかしくない実力者&注目株の名前が確認できる。フェザー級ワールドGPの台風の目と目されていたが、ダリオン・コールドウェル戦でワンテイクダウン&RNCで敗れたアダム・ボリッチが再起戦に挑む。

対戦のマイク・ハメルは今大会で唯一の体重オーバーに。150ポンド契約を4ポンド以上も上回る154.6ポンドもあったハメル、ボリッチは事実上ライト級マッチに臨むこととなる。

ベラトールの活動休止期間もF2Wでグラップリングマッチに出場していたAJ・アガザームは勝ち星も負け星も揃って彼の倍、6勝2敗のクリス・レンチオーニと戦う。とにかく組んで、倒して、寝技勝負が必要なアガサームはフェイスオフでレスリングの低いスタンスで立つ。と、目前には蛇の膨らみが股間あるレンチオーニのアンダーウェアがあった。

■Bellator243 試合結果

<ライト級/5分3R>
マイケル・チャンドラー: 155.9ポンド(70.71キロ)
ベンソン・ヘンダーソン: 155.6ポンド(70.57キロ)

<ヘビー級/5分3R>
マット・ミトリオン: 262.6ポンド(119.11キロ)
ティモシー・ジョンソン: 263.2ポンド(119.38キロ)

<ライト級/5分3R>
マイルズ・ジュリー: 155.6ポンド(70.57キロ)
ジョージ・カラキャニャン: 155.5ポンド(70.53キロ)

<175ポンド契約/5分3R>
サバウ・ホマシ: 175ポンド(79.37キロ)
カーティス・ミランダー: 174ポンド(78.92キロ)

<150ポンド契約/5分3R>
アダム・ボリッチ: 150.2ポンド(68.12キロ)
マイク・ハメル: 154.6ポンド(70.12キロ)

<フェザー級/5分3R>
クリス・レンチオーニ: 145.8ポンド(66.13キロ)
AJ・アガザーム: 145.3ポンド(65.9キロ)

<女子フライ級/5分3R>
ヴァレリー・ルレーダ: 125.3ポンド(56.83キロ)
テラ・グラフ: 125ポンド(56.7キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
グラント・ニール: 204.7ポンド(92.85キロ)
ハムザ・サリーム: 205.1ポンド(93.03キロ)

<ライト級/5分3R>
ネイノア・ダン: 155.1ポンド(70.35キロ)
チャーリー・キャンベル: 155.8ポンド(70.66キロ)

<ミドル級/5分3R>
ダルトン・ロスタ: 185.7ポンド(84.23キロ)
マーク・ガードナー: 184.8ポンド(83.82キロ)