月別: 2023年9月
【写真】ド天然素材の万智。歯に衣着せぬ発言が続く(笑)(C)MMAPLANET
10月1日(日)に名古屋市中区のドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)で開催されるRIZIN LANDMARK 06で万智が、渡辺彩華と対戦。キャリア5戦目の修斗王者と、キャリア4戦目のDEEPの新鋭が日本の最高峰で戦う。
Text by Manabu Takashima
対戦前から不穏が空気があった両者。渡辺は万智をゴキブリと呼ぶ。その要因となった発言をした万智は、そのことすら忘れてしまっているという天然ぶりを発揮。とはいえ、既に国内トップ級の力を持つ両者の将来の夢の潰し合い。超勝負論マッチに挑む万智を栃木県でキャッチした。
──約10日後(※取材は20日に行われた)に渡辺彩華選手とRIZIN LANDMARK06で対戦します。デビューから1年、4戦目でRIZINデビューに関して、どのように思っていますか。
「まぁ、ちょうど良いぐらいです。早くはないです。今年の目標に入っていたので、ちょうど良い時に来たなって。1年で出場は早いと思われるかもしれないですが、デビュー戦から強い相手と戦ってきたので」
──5月のキム・ユジュン戦で圧勝した後、どのようにキャリアアップを考えていたのでしょうか。
「とにかく試合はしたかったので、DEEPに相手を見つけてもらって戦っていたと思います。ただ日本は本当にストロー級が少ないので……」
──チャンピオンは伊澤星花選手ですね。
「チャンピオンはBlack Combatにベルトが流出した時に、Xで『私が取りに行く』と呟いていたので、階級を下げるのかなぁって。だったらストロー級のベルトは返上してほしいなって」
──表情が厳しくなりましたね。「それそろ良いんじゃないかなって。RIZINのベルトを持っていて、DEEP JEWELSでは戦っていないので。まぁ星花ちゃんと、やりたいのはやりたいです。本当に強いのは分かるんですけど、あと1年ぐらいで」
──その伊澤選手の前に修斗の女子スーパーアトム級王者と戦うようになったことに関して、どのように思っていますか。
「めちゃくちゃ良いマッチメイクです。自分的にもそうだけど、今の女子のなかでかなり面白いカードだと思います。RIZIN、良く見に行くんですけど女子の試合でトイレ休憩になるんですよ。ザァーって凄い感じで、席から人がいなくなります」
──そうなのですか!!
「自分は女だから女子の試合を見ていて面白いですけど、男の人は面白くないんですかね。素晴しい先輩が戦っていても、皆トイレに行っちゃうんで。その現状を変えたいと思っていて。まぁ……2人ともキャリアは浅いですけど、面白いとは思います。今回はトイレ休憩にせず、見て欲しいです」
──この数年のデビュー組は、本当に力をつけていて。MMAとして完成していなくても、激しい戦いをしていると思います。
「上を越したいという気持ちを皆が持っています。確かに色々な人がいます。アイドルみたいな感じの人もいるけど、本気で上を越したい選手もいます。そうやってRIZINとか大きな舞台で戦いたい気持ちもありますし、練習量も増えていると思います」
──そんななかで対戦する渡辺彩華選手に関しては、練習仲間の先輩を倒していることで意識していた部分があったかと思います。そして渡辺選手からすると、『なぜ因縁をつけられないといけない』と感じたはずです。
「そうやって書かれているけど、自分はそこは気にしないようにしています」
──いやいや書かれているのも何も、そういう発言をした張本人ではないですか。
「アハハハ。悔しいけど、自分の試合は自分の試合だから。SARAMIさんや黒部さんが負けたのは確かに悔しいです。悔しいけど、自分は自分の試合をするだけで」
──自分から喧嘩を吹っかけておいて、それはあんまりじゃないですか。
「アッハハハハ。そう考えるようになりました。やり返してやろうとかじゃないです。若くて勢いのある人間が、新しいモノを創っていこう。頑張ろうって感じです(笑)」
──随分と調子が良いかと……。一方で、渡辺選手のことをどのように評価していますか。
「そもそも藤野(恵実)さん、黒部さん、SARAMIさんと当てられて、しっかりとあの勝ち方ができるのだから、絶対に強いです。ただ渡辺さんに勝った藤野さんに勝ったKERENちゃんに勝ったSALT選手に勝った大島(沙緒里)さんに勝ったHIMEに勝った私なんで。一応、一番強いかな(笑)。
渡辺さんが『私の方が強い相手とやっている』って言っていることを聞いて、でも結局はそうやって考えると私が一番かなって思います」
──HIME選手にはパク・シウ選手も勝っていますね。
「パク・シウ選手は練習をしてもらっていますけど、ボコボコにされています。最近、ようやく壁に押し込むようになれました」
──伊澤選手に1年後に挑戦というプランがあるうえで、パク・シウ選手にボコられていて大丈夫ですか。
「頑張ります。練習では(笑)。でもパク・シウ選手に勝った星花ちゃんは本当に強いかなと思うんですけど……そこに辿り着くには、今回は1Rぐらいで極めないと。そういうことも自分のなかで考えています」
──柔道出身でも、スタイルは全く違います。
「本当に運動神経が良いんでしょうね。相手の動きもしっかりと見ていて。きっと組んでも強いと思います。ただスピードと根性では負けません。渡辺選手も気持ちが凄く強いですけど、それに負けない気持ちで戦います」
──地元の栃木での練習、今日は手塚裕之選手の自宅ジムTGFCを拝見させていただきましたが、女子のプロ選手やトップグラップラーとの練習とは明らかに目的が違っているように感じました。
「手塚選手の家のジムでは体格差もあり、力の差もある選手とスパーリングをして気持ちが強くなります。体力トレーニングの意味もありますが、とにかく気持ちです。全部勝てないところで、ずっと続ける。気持ち、体力、パワーの練習になります。技術は通用しないので。
女子とのグラップリングは、技を試したり、力を使わなかったり。自分より階級が上の選手とやる時は力負けするので、男の選手と練習していることを出せるのかとか考えています」──階級が上の女子選手、フライ級になるとストロー級以上になかなか見つからなさそうですね。
「パラエストラ柏の重田ホノカちゃんとか、これまで階級は同じだったんですけど、次はフライ級で戦います。ホノカちゃんは、本人はそうでもないというんですけど、デカいんですよ(笑)。力も強くて、同い年で。あとはライカさんもデカいです。MMAで体負けしないように、競り合いを意識しています」
──それにしても、やはりこれだけ移動して練習をするのは大変かと改めて感じました。
「多分、疲れていることを自分で分かっていないんだと思います。ただ、やればやるほど安心できます。やっていないとめちゃくちゃ不安があって……。それがずっとあるから、ずっと練習しようと思います。時々、梅田(恒介)さんとドミ(弥益ドミネーター聡志)さんから『休め』って言われます。
でも、お母さんが結構『やれ』、『やれ』って言ってきます。『もっとやった方が良いんじゃない?』とかって。昨日も2部連で結構疲れていたんですけど、帰宅すると『追い込みをやった方が良い』とパウンドを殴る練習をお母さんとやって」
──!!
「お母さんが、結構怖くて(苦笑)。お母さんじゃ格闘技が好きで、ずっと格闘技のYouTubeとか視ていて、『〇〇選手がこんなこといっていたよ』とか言ってきます。お父さんもエゴサをやって。延々と格闘技の話が家でも続いて、気持ちが休まらないです(笑)」
──他所の家庭のことですが、早くひとり暮らしを始めた方が良いかもしれないですね(笑)。
「もう、それが日常なので慣れてしまっているのですが、お母さんも『一人暮らししないと』とは言っているんですよ(笑)」
──そうなのですね(笑)。ところで次の試合、名古屋のドルフィンズアリーナが舞台。過去最大の会場での試合になります。
「楽しみです。観客から出る側に代わったので。ここで魅せないといけないです。ファンの時に完全決着を求めていたし、立場が代わったのでそうしたいです。まぁ3Rを見るのも面白いですけど、会場にいる皆が皆、格闘技が好きで分かっているということじゃないので、そういう人が分かる試合をしたいです」
──相手が強くなれば強くなるほど、難しい目標を持っているということですね。
「ハイ。次の試合も若手の自分たちがRIZINで試合をすることに色々な反応があると思うんですけど、若い人同士でどっちかが潰れるわけだから。それが面白いんじゃないかっていうのがあります。そして、私が勝ちます」
■視聴方法(予定)
10月1日(日)
午後12時00分~ABEMA, U-NEXT, RIZIN100CLUB,RIZIN LIVE,スカパー!
■ RIZIN LANDMAKR06対戦カード
<バンタム級/5分3R>
太田忍(日本)
佐藤将光(日本)
<キック61.5キロ契約/3分3R>
梅野源治(日本)
斎藤祐斗(日本)
<ヘビー級/5分3R>
スダリオ剛(日本)
イム・ドンファン (韓国)
<バンタム級/5分3R>
所英男(日本)
アラン“ヒロ”ヤマニハ(ブラジル)
<フライ級/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
トップノイ・キウラム(タイ)
<ミドル級/5分3R>
イゴール・タナベ(ブラジル)
ANIMAL☆KOJI(日本)
<女子ストロー級/5分3R>
渡辺彩華(日本)
万智(日本)
<フライ級/5分3R>
村元友太郎(日本)
ホジェリオ・ボントリン(ブラジル)
<58キロ契約/5分3R>
中村優作(日本)
ヒロヤ(日本)
<ヘビー級/5分3R>
貴賢神(日本)
荒東“怪獣キラー”英貴(日本)
<フェザー級/5分3R>
ビクター・コレスニック(ロシア)
高木凌(日本)
<ライト級/5分3R>
渡慶次幸平(日本)
井上雄策(日本)
<バンタム級/5分3R>
後藤丈治(日本)
日比野“エビ中”純也(日本)
<68キロ契約/5分3R>
銀・グラップリングシュートボクサーズジム(日本)
太田将吾(日本)
<キック57キロ契約/3分3R>
竹野元稀(日本)
内藤凌太(日本)
<バンタム級/5分3R>
切嶋龍輝(日本)
MASANARI(日本)
30日(土・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムでONE Fight Night14「Stamp vs Ham」が開催され、ハム・ソヒがスタンプ・フェアテックスとONE暫定世界女子アトム級王座決定戦を戦う。
Text by Manabu Takashima
アンジェラ・リーの長期戦線離脱より設けられた暫定王座を狙うハム・ソヒは、今年の3月で36歳を迎えている。MMAデビューから15年が過ぎ、女子MMAの歴史を紡いできたと言える彼女にとって、このベルトの意味とは──。
――スタンプ、ハム・ソヒと暫定王座を賭けて戦います。今の気持ちを教えてください。
「2度目のタイトル戦だし、凄くエキサイティングしているわ。今回は絶対に勝ちたいから、プレッシャーも感じているけど(※英語で返答)」
――キャンプの出来栄えには満足していますか。
「ムエタイを含め、しっかりと調整してできたわ。ハム・ソヒは前に出て詰めてくると思うから、特にケージに押し込まれた時にいかに逃れることができるか。そこは重点的に練習できたわ」
――つまりケージレスリング、テイクダウンディフェンスを強化してきたということですね。その際、首相撲との融合などは考えていますか。
「リングだとコーナーを使っていたことを、今回はケージを使ってやってきたの。ケージに押し込まれた状態というのは、常に想定して練習してきているけど、今回はハム・ソヒのスタイルを考えてより力を入れてやってきたわ。だから今、私の腕は金網で傷だらけになってしまったの(笑)。
首相撲に関しては状況次第ね。MMAファイターは、しっかりと胸に頭をつけてくるので首相撲に取れるかどうか。でも、エルボーやヒザが大きな武器になるのは確かね」
――ではハム・ソヒの打撃に関しては、どのように評価していますか。
「彼女のパンチは常に効果的だし、とても危ない。私は過去6年、ほぼMMAの練習に専念したけど、彼女は私の人生ぐらいやってきたわけで。でも私は若くてエネルギーがあるから、彼女を倒すことができると思っている」
――ハム・ソヒは「年齢はただの数字。若い選手よりスマート」と言っていました。
「確かに年齢は、ただの数字という意見には同意するわ。どれだけ練習できているのかが大切になってくるわけだし」
――ではハム・ソヒに対し、スタンプのアドバンテージは何だと考えていますか。
「さっきもいったけど、若さ。それから、打撃は私の方が上ね。彼女のパンチは危険だけど、私はエルボーを織り交ぜて戦うことができるから」
――昨年3月にアンジェラ・リーに挑み敗れました。あれから18カ月、MMAファイターとして最も成長した部分はどこだと考えていますか。
「BJJとレスリング、テイクダウンのディフェンス面ね。アンジェラ・リーに負けてから、ディフェンスの練習に重点を置いてきた。防御面が伸びたことで攻撃がより強力になり、安全に戦えるようになったわ。でもハム・ソヒと戦うにあたっては、打撃に対するディフェンスも強化してきたの。彼女のパンチに対して、ね」
――ムエタイ、キックに続き、MMAの世界のベルトを巻く。この試合はどれだけ重要でしょうか。
「MMAのベルトを巻けば、世界で初めてキックボクシングとムエタイ、MMAのメジャーな世界タイトルを獲得した女性になり、歴史を創ることになるわ」
――ONE FFが始まり、賭けの無いファイトをムエタイ・トップファイターが歓迎の意を表しています。この変化をスタンプはどのように捉えていますか。
「今、ムエタイはリアルスポーツに昇華している最中にあるわ。ルンピニー・スタジアムで賭け事が行なわれないONEルンピニー大会は最高よ。見ている人は賭け事でなく、スポーツとして、アスリートとムエタイの技術を追うようになった。それは凄く嬉しいことよ。ONEルンピニーが賭け事を禁じたことで、ムエタイはスポーツとしての価値が上がったのは絶対よ」
――ムエタイのタイトルをルンピニーで再び手にしたい?
「もちろんっ!! またムエタイのベルトをこの腰に巻きたい」
――ではルンピニーでのムエタイ世界戦、米国でのMMA。今はどちらを選ぶでしょうか。
「今は米国でMMAを戦うことを選ぶわ。タイは私の母国で、試合をする機会も多い。でも米国での試合は、そうじゃない。だから今は米国で試合をしたいと思っている」
――では、土曜日のお昼。何を世界に見せたいと考えていますか。
「ベルトを頭の上に高々と掲げているところかな(笑)」
■放送予定
9月30日(土・日本時間)
午前9時00分~ABEMA格闘チャンネル
■ONE FN14対戦カード
<ONE暫定世界女子アトム級(※52.2キロ)王座決定戦/5分5R>
スタンプ・フェアテックス(タイ)
ハム・ソヒ(韓国)
<ONEムエタイ女子世界ストロー級王座決定戦/3分5R>
スミラ・サンデル(スウェーデン)
アリシア・エレン・ホドリゲス(ブラジル)
<ONEサブミッショングラップリング世界女子アトム級(※52.2キロ)王座決定戦/10分1R>
ダニエル・ケリー(米国)
ジェッサ・カーン(米国)
<女子ストロー級スペシャルルール/3分3R>
シィオン・ヂィンナン(中国)
スーパーガール・ジャルーンサックムエタイ(タイ)
<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ジョン・リネケル(ブラジル)
スティーブン・ローマン(フィリピン)
<ムエタイ・ライト級/3分3R>
ドミトリー・メンシコフ(ロシア)
ルンラーウィー・シッソンピーノン(タイ)
<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
アミール・カーン(シンガポール)
<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
マウロ・チリリ(イタリア)
ポール・エリオット(英国)
<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ブレイク・クーパー(米国)
モーリス・アベビ(スイス)