【写真】自信か、過信か。盛り上げるためのトラッシュトークか。全ては試合で明らかになる(C)MMAPLANET
11 日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニー・スタジアムでONE Fight Night27「Tang vs Abdullaev」が開催され、日本から出場する和田竜光とサンジャル・ザキロフが対戦する。
今大会のメインはONE世界フェザー級王者タン・カイに、キルギスのアクバル・アブデュラエフが挑む。和田と戦うザキロフはウズベキスタン人ファイターでONEにも北米、RIZINと同様に中央アジア旋風が置きつつある。
キャリア10勝0敗、ONE FFで本田良介を破り、予定されていた箕輪ひろば戦は2度に渡り流れた。そして迎えたキャリア最強と言ってもよい和田と戦いを前に、ザキロフをインタビュー。「こいつ、舐めてんのか」と思わされるほど、挑発的な言葉を21歳の無敗のファイターは冷静かつ淡々と発し続けた。
ミノワは僕と戦うことが嫌なんだろう
――昨年の10月にサンジャルのインタビューをさせてもらったのですが、ファイトウィークに箕輪ひろば選手が交通事故に遇い、その後遺症で試合がキャンセルとなりました。
「ミノワが試合をキャンセルせざるを得なかった事実は受け止めたけど、凄く残念だった。本当に何が起こるか分からないことだけど、非常に奇妙な状況だったよ」
──結果的にチームで話し合い、試合に出ないことを決めた箕輪選手ですが、彼自身は最後まで戦いたい気持ちもあったのでセレモニアル計量の時に、負傷していることを懸命に隠さないといけなかったようです。フェイスオフで何か、異変を感じることはありましたか。
「全く。彼がケガをしているなんて、思いもしなかったよ。僕自身、試合がなくなることを知ったのはファイトが始まる30分前だったしね」
──う~ん!!
「それもマネージメント・スタッフから聞かされた。ONEは当然、それより早くミノワが戦えないことを把握していただろうね。僕としては、なら代役と戦うことになるのか、延期になるかの2つに一つだと思う。ただ単にキャンセルになっって、他のことは何も決まっていないことに驚かされた。まぁ、戦う30分前にソレを知った僕には何もできることはなかった。
しっかりと準備もしていたし、残念で仕方なかった。いや、残念という以外に僕の気持ちを表現することはできなかったよ。それでも、僕としてはすぐにでもミノワと戦いたかった。実際、インスタで『いつ、戦えるんだ?』とミノワに問いかけさせてもらった。結論としてすぐに戦うことはできず、彼が戦える状態になるまで時間が必要ということになった。
正直、アイツは僕と戦いたくないんだと思う。例えケガをしていても、ファイターなら目の前にいる相手と何とかして戦おうとするはずだ。でも、ヤツは時間をおきたいと言っていた。ミノワは僕と戦うことが嫌なんだろう」
──う~ん、万全の状態でないなら戦いたくないということだと思いますが……。
「OK、ハラショー。もう、ヤツのことはどうでも良いよ」
僕自身、普段は68キロから70キロある
──ともかく箕輪選手がすぐに試合ができる状況でないことで、和田竜光選手との試合が決まりました。
「まぁ、ワダの方が遣り甲斐のあるある相手だよ。ミノワは僕にとって、白星が1つ増えるギフトのようなモノだった。ワダはミノワより強い。経験も豊富だ。確か36歳だよね。でも、36歳になったワダは勝つために試合に出ているのかな?」
──ハッ? どういうことでしょうか。
「もう分別のある大人だろう? あの年齢になって、戦い続ける目的は金だよね。ワダは戦って小遣いでも稼ぎたいんだろう? まぁ、それでも普通に危険な相手だと思っている。同時に凄く危険な相手ではない。ワダに苦労することはないよ」
──う~ん、サンジャルは相当に断定的なモノの見方をしているのですね。耳にしていて、楽しいですよ。
「君が楽しもうが、不愉快になろうが関係ない。ただ、僕は事実を口にしているだけさ」
ワダの狙いはクリンチだ
──なるほどです(苦笑)。和田選手は私どものサイトのインタビューで「ザキロフはランカーでないけど、ジャレッド・ブルックスの次に強い相手だ」と話していました。
「ワダという選手は、凄く現実的なモノの見方ができているんだね。ただ僕の強さを認めていても、本当の強さは分かっていない。僕がブルックスの次に強い? 絶対的に僕の方がブルックスより強い。ブルックスはワダほどじゃないけど、年齢を重ねている年寄りだ。もうピークを下っている。その証拠に前回の試合でリース・マクラーレンに負けたじゃないか。大したことないヤツに負けるんだから、ブルックスも大したファイターじゃない。
本当にワダが僕のことをブルックスの次に強いと思っているなら、軽く見られたもんだ。でも、そう思っているなら有難い。僕のことを正しく理解できていないんだから、試合はこっちのモノだ」
──ブルックスの敗北は、フライ級という階級も関係しているのではないでしょうか。そして和田選手も長らくフライ級で戦ってきた選手で、今回がONE階級では初めてストロー級、ハイドレーション・テスト有りの56キロで戦うことになります。
「ワダが階級を下げてきたことは気にならない。彼が以前は何級で戦っていたのかも関係ない。僕自身、普段は68キロから70キロある。その気になれば、いつでもONEフライ級で試合もできる」
──70キロ……。それでハイドレーション有りのONE計量で56キロまで落とせるものなのですね。
「ONEストロー級で戦うために、凄く精密なダイエットを行っているから計量は何も問題ない。きっとワダの方が、ストロー級で戦っても僕より細いはずだ(笑)。ワダは良い選手だよ。でも、さっきも言ったようにキャリアの最終局面を迎えている。もう試合に出るのは止めて、グローブを置くべきだ。だって、もうここから新しいキャリアを積み上げる気持ちなんてないだろう? だから金のために戦っているって、僕は言っているんだ。もう引退すべき時を迎えているんだよ」
──う~ん、私からするとサンジャルの方が和田選手のことを軽く考えているのではないかと……。
「えっ? 何?? 確かにワダはウェルラウンディット・ファイターだけど、特別じゃない。全ての局面において、僕は彼を上回っている。試合が始まるとレスリング、寝技、打撃の全てでワダは僕の強さ、支配力に驚くことになるだろう」
──この試合の勝者が次期ストロー級タイトルコンテンダーとなりそうですが、タイトル挑戦権を手にするためにどのような戦いを見せる必要があると考えていますか。
「この試合は絶対的に、僕が挑戦権を手にするための試合だ。56キロ、61キロ、両方の階級で僕が世界最強だ。予定通りキャリアを積み、この2つの階級で世界一になる。それを止められるヤツは、いない」
──ところでワダ選手が得意としているオタツロックを知っていますか。DJも一度は捉えることができた。
「得意技? ワダの得意技はそういうんじゃなくてクリンチだよ。アイツはクリンチをして、息を整えるんだ。組んで休む、そしてアドバンテージを得ようとしている。僕との試合でも、ワダの狙いはクリンチだよ」
■放送予定
1月11日(土・日本時間)
午前9時45分~U-NEXT
■ONE FN27対戦カード
<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]タン・カイ(中国)
[挑戦者] アクバル・アブデュラエフ(キルギス)
<ONE世界女子アトム級(※52.2キロ)暫定王者決定戦/5分5R>
デニス・ザンボアンガ(フィリピン)
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
ルーク・リッシ(米国)
コディ・ジェロム(カナダ)
<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ランボーレック・チョーアッジャラブーン(タイ)
パルハム・ゲイラティ(イラン)
<サブミッショングラップリング・180ポンド契約/10分1R>
トミー・ランガカー(ノルウェー)
ダンテ・リオン(カナダ)
<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
クラップダム・ソー・チョー・ピャッウータイ(タイ)
ジョン・リネケル(ブラジル)
<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
和田竜光(日本)
サンジャル・ザキロフ(ウズベキスタン)
<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
アーロン・カナルテ(エクアドル)
エンフオルギル・バートルフー(モンゴル)
<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
澤田千優(日本)
モン・ボー(中国)
<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
スーブラック・トー・プラン49(タイ)
ドミトリー・コフトゥン(