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AB o UFC アマンダ・レモス キック ジェイ・ハーバート ジェフ・ニール ダニー・バーロウ ピョートル・ヤン ブラッド・カトーナ ヘンリー・セフード マッケンジー・ダーン 中村倫也

UFC298:オッズ/予想と展望

アレキサンダー・ヴォルカノフスキー 1.80
イリア・トプリア 2.05
ロバート・ウィテカー 1.39
パウロ・コスタ 3.10
ジェフ・ニール 2.90
イアン・マシャド・ギャリー 1.43
メラブ・ドバリシビリ 1.46
ヘンリー・セフード 2.80
アンソニー・ヘルナンデス 1.42
ロマン・コプィロフ 2.95
アマンダ・レモス 1.77
マッケンジー・ダーン 2.10
マルコス・ホジェリオ・デ・リマ 1.70
ジャスティン・タファ 2.20
中村倫也 1.08
カルロス・ヴェラ 8.50
ジャン・ミンヤン 1.82
ブレンドソン・ヒベイロ 2.02
ジョシュ・クインラン 2.60
ダニー・バーロウ 1.52
オバン・エリオット 1.32
バル・ウッドバーン 3.50
アンドレア・リー 2.54
ミランダ・マーベリック 1.54

メインはフェザー級タイトルマッチ。ヴォルカノフスキーは6回目の防衛戦。昨年2月にライト級王者マカチェフのタイトルに挑戦した際は、敗れたがマカチェフをもっとも苦戦させたことで評価が上がった。しかし昨年10月、チャールズ・オリベイラの欠場に伴い急遽実現したマカチェフとの再戦では完敗。準備期間がほぼなかったので仕方がないが。キャリアで3敗しているものの、フェザー級では未だ全勝。フェザー級(正)王者はこれまでアルド(2回)・マクレガー・ホロウェイとヴォルカノフスキーの4人しかいないが、他の王者がタイトルを持っていたのは全員30歳以下。ヴォルカノフスキーはそれまでU30だけのものだったフェザー級王座を31歳で獲得し、その記録を更新し続けている。現在35歳。

挑戦者のトプリアはキャリア14戦で全勝、いまだ負け知らず。プロデビューから7戦連続一本勝ちしていたグラップラーだが、UFCでは3試合連続でKO勝ちしているハードパンチャー。ジェイ・ハーバートにはハイキックでダウンを奪われてピンチに陥ったが、2Rにリカバリーして逆転KO勝ちしている。

オッズはヴォルカノフスキーがフェイバリットだが、過去の防衛戦の中でもっとも競ったオッズとなっている。仕方ないとはいえ、マカチェフ戦完敗のイメージが悪すぎたのと、KO負けから4ヶ月でダメージが抜けているかという不安要素もある(一応、1月試合の予定を2月に延期しているが)。

予想はヴォルカノフスキー判定勝ち。マカチェフ戦はライト級というよりマカチェフが特別すぎた。前回の試合のみでは、年齢的な衰えの判断はできないが、1回目のマカチェフ戦から1年でヴォルカノフスキーがそこまで落ちるとは思えない。KO負けのダメージだけが心配だが…。

メインカードではドバリシビリ vs. セフードの実質次期バンタム級挑戦者決定戦も組まれている。セフードは昨年5月、3年ぶりの復帰戦で、アルジャメイン・スターリングのタイトルに挑戦し、敗れたが接戦まで持ち込んだ。対するドバリシビリは同門のためスターリングのタイトルには挑戦できなかったが、スターリングを苦しめたピョートル・ヤンをテイクダウンとタックルを餌にした打撃で圧倒し、判定三者フルマークでの勝利で完全攻略。王者オマリーにとっては最も相性が悪い相手かもしれない。

ドバリシビリが圧倒しての判定勝ちと予想。

プレリムでは中村倫也がUFC2戦目を行う。当初は2021年のTUF準優勝・ブレイディ・ヒースタンドと対戦予定だったが、ヒースタンド欠場により、昨年のTUFで一回戦負けしたカルロス・ヴェラに。ヴェラは初戦の相手が優勝したブラッド・カトーナという不運もあったが、そのカトーナも1度UFCをリリースされた選手で、TUF優勝後の初戦でも負けており、ヴェラにUFCレベルの実力があるかは疑問。オッズも今大会一番の大差になっており、中村は勝ちが絶対条件の試合となる。

第1試合開始は18日朝8時半から。速報します。

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AB F1 MMA o UFC UFC Fight Night   トム・アスピナル ピョートル・ヤン ヘンリー・セフード

2.17『UFC 298』でメラブ・ドヴァリシュヴィリ vs. ヘンリー・セフード、タイ・トゥイバサ vs. マルチン・ティブラ

UFC 2023 PANINI SELECT H2


 UFCが2月17日にカリフォルニア州アナハイムで開催する『UFC 298: Volkanovski vs. Topuria』でメラブ・ドヴァリシュヴィリ vs. ヘンリー・セフードのバンタム級マッチが行われることをMMAFightingが確認したとのこと。

 ドヴァリシュヴィリは3月の『UFC Fight Night 221: Yan vs. Dvalishvili』でピョートル・ヤンに判定勝ちして以来の試合で9連勝中。現在UFCバンタム級ランキング2位。セフードは5月の『UFC 288: Sterling vs. Cejudo』で3年ぶりに復帰、いきなりアルジャメイン・スターリングのバンタム級王座に挑戦し、判定負けして以来の試合。現在UFCバンタム級ランキング3位。


 同じく『UFC 298: Volkanovski vs. Topuria』でタイ・トゥイバサ vs. マルチン・ティブラのヘビー級マッチが行われるとのこと。

 トゥイバサは9月の『UFC 293: Adesanya vs. Strickland』でアレクサンダー・ヴォルコフに2Rエゼキエルチョークで敗れて以来の試合で3連敗中。現在UFCヘビー級ランキング9位。ティブラは7月の『UFC Fight Night 224: Aspinall vs. Tybura』でトム・アスピナルに1R TKO負けして以来の試合。現在UFCヘビー級ランキング10位。続きを読む・・・
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MMA MMAPLANET o UFC UFC292 アマンダ・レモス アルジャメイン・ステーリング ショーン・オマリー ジャン・ウェイリ ピョートル・ヤン ヘンリー・セフード ライカ

【UFC292】UFC世界バンタム級級選手権=ステーリング✖オマリー、展望。絶対の組み力の前の拳の精度

【写真】135ポンドの世界の頂点は組と打が頭抜けたウェルラウンダー対決だ(C)MMAPLANET

19日(土・現地時間)、ボストンのTDガーデンにてUFC 292「Sterling vs O’Malley」が開催される。王者ジャン・ウェイリーにアマンダ・レモスが挑戦する女子ストロー級タイトルマッチをコメインとするこの大会のメインは、王者アルジャメイン・ステーリングにショーン・オマリーが挑むバンタム級タイトルマッチだ。
Text by ISAMU HORIUCHI

世界王者ステーリングは、5月に3年ぶりに復帰した元二階級王者ヘンリー・セフードとの大一番に臨み、お互いが裏をかき合う総力戦の末に2-1で競り勝って3度目の防衛に成功している。この3度連続防衛は、とかく移り変わりの激しいUFCバンタム級の史上最多記録だ。


対するオマリーは、17年のコンテンダーシリーズ2にて衝撃的なKO勝ちを収めてUFCとの契約を得た選手。その後も──薬物検査失格による2年のブランクを挟んだものの──順調にKO勝ちを重ねてボーナスの山を積み上げスターダムに駆け上がると、昨年10月のアブダビ大会において元王者ピョートル・ヤンとの大激闘を判定2-1で制し、今回のタイトル初挑戦権を得た。

実績で圧倒的に上回るのは、当然長期政権を樹立する王者ステーリングの方だ。が、人気では派手なKOを量産し弁も立つ優男=オマリーが大きく勝る。挑戦者もそのことを十分に認識しており、

「アルジョにとって俺との試合はリスキーだよな。俺を避けてフェザー級に上げて(同級絶対王者ヴォルカノフスキーとの)チャンプ・チャンプファイトに挑むという選択肢もあったはずだ。でもスーパースターである俺との試合は、(不人気王者の)アルジョにとってはビッグマネーを稼げる試合になる。だから奴はいかに危険だと分かっていても、俺との試合から逃げることはできなかったんだろうな」と、完全に上から目線で語っている。

そんな両者の試合だが、勝敗に関しては相性的に王者有利を指摘する声が大きい。その背景には、この試合が近年のタイトル戦では珍しいほど明確な「ストライカー✖グラップラー」の構図を描いていることがある。

ステーリングはMMA界最高峰のバック取り&コントロールの名手だ。昨年4月にヤン戦では2、3ラウンドに序盤にテイクダウンからバックの奪取に成功し、そのままラウンド終了まで圧倒的有利なポジションをキープしてみせた。また5月の前戦では、五輪金メダリストのセフードに対してもケージレスリングで五分以上に渡り合い、テイクダウンやバック奪取に成功している。

対するオマリーは、前戦でストライカーのヤンにテイクダウンやバックを取られる場面が何度も見られた。

そのたびに見事なガードワークや体捌きで脱出してみせていたが、もしステーリング相手に一度でもポジションを許してしまったら、そのままチョークを極められてしまうか、あるいはラウンド終了まで一方的にコントロールされる可能性が高い。

よって、この試合の最大の見所はその前の段階──つまり、オマリーがいかに王者に組み付かせずに打撃を当てるか、逆にステーリングがいかにオマリーの打撃をもらわずに組みつくかとなるだろう。

バンタム級では突出した身長&リーチ(180センチ&183センチ)を誇るオマリー。その長い間合いとスムーズなフットワーク、精妙なフェイントや体捌きを見て伝統派空手出身ではと思う者も多いだろうが、高校を中退して初めて習った格闘技がMMAだ。相手の出鼻に抜群のタイミングで蹴りやジャブを放って距離を保ち、またスイッチを自在に使いこなし左右どちらからも鋭い打撃を繰り出すことができる。

特に「無造作に」とでも言いたくなるほど肩の力が抜けた状態から放たれ、相手の顎を瞬時に撃ち抜く左右のストレートの威力は天下一品だ。

打撃格闘技のバックグラウンドなしに、かくなる打撃技術を習得しているのだから天賦の才に恵まれているとしか言いようがない。

「詳しいことは言えないけど、アルジョの穴はたくさん見えているよ。そして顎を打ち抜いてライツ・アウトしてやるさ。俺は今までもそうやってキャリアを築いてきたんだから」と挑戦者は自信を覗かせている。

が、王者ステーリングはただのグラップラーではない。スタンドで有効打をもらわないことにおいても──これまた天下一品だ。

前述のヤン戦やセフード戦では、常に相手から視線を外さずにスイッチを繰り返しては、やはり長いリーチ(180センチ)を活かした前蹴りや、軽いが予測困難な変則のヒジや手技足技で距離を保ち、強引に詰めて来られてもテイクダウンに入ることで、5Rにわたって見事に被弾を回避してみせた。

試合前は自信満々だったセフードも、試合後には「アルジョは頭をいつも振っていて、こちらが予想していたよりもはるかにパンチを当て辛かったよ」と、「ファンクマスター」の異名に相応しい王者の変則的な立ち技スタイルの手強さを認めている。

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
8月20日(日・日本時間)
午前7時30分~UFC FIGHT PASS
午前11時00分~PPV
午前7時00分~U-NEXT

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MMA o ONE UFC   ヘンリー・セフード マルロン・ヴェラ

8.19『UFC 292: Sterling vs. O’Malley』でヘンリー・セフードとマルロン・ヴェラが対戦

Triple C: The Life and Career of Henry Cejudo



 UFCが8月19日にマサチューセッツ州ボストンで開催する『UFC 292: Sterling vs. O'Malley』でヘンリー・セフード vs. マルロン・ヴェラのバンタム級マッチを行うことをESPNのブレット・オカモト記者がデイナ・ホワイトから確認したとのこと。

 セフードは5月の『UFC 288: Sterling vs. Cejudo』で行われた3年ぶりの復帰戦でいきなりアルジャメイン・スターリングのバンタム級王座に挑戦し判定負けして以来の試合。現在UFCバンタム級ランキング3位。試合後には再引退を示唆していましたが、結局現役続行です。

 ヴェラは3月の『UFC on ESPN 43: Vera vs. Sandhagen』でコリー・サンドヘイゲンに判定負けして以来の試合。その前までは4連勝していました。現在UFCバンタム級ランキング6位。続きを読む・・・
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MMA MMAPLANET o Road to UFC RYO TSUNE UFC UFC ABC05 アザット・マスクン アレッシャンドリ・パントージャ クレイジソン・ホドリゲス シャーウス・オリヴェイラ タイソン・ナム ダナ・ホワイト デメトリウス・ジョンソン ブランドン・モレノ ブランドン・ロイヴァル ヘンリー・セフード 修斗 平良達郎 鶴屋怜

【UFC ABC05】クレイジソン・ホドリゲス戦へ、平良達郎─01─「モレノとロイヴァルは強いと思います」

【写真】ジョージア州との州境に近い、ジャクソンビルのビーチで。ジャクソンビルは2020年にコロナパンデミックが起こった際、いち早くUFCの開催を認めた街で、ダナ・ホワイトが「このことは絶対に忘れない」と恩義を感じている自治体だ(C)RYOTA MATSUNE

24日(土・現地時間)、フロリダ州ジャクソンビルのヴィスター・ベテランズ・メモリアル・アリーナで開催されるUFC ABC05「Emmett vs Topuria」に平良達郎が出場し、クレイジソン・ホドリゲスと戦う。

昨年5月のUFCデビューから1年が経ち、世界最高峰で3連勝─2つの一本勝ちと世界最高峰でも国内で戦ってきた時のように結果を残す。I’m happy Thank youというメイクが北米で受けるなど、確実に存在感が増している。

そんな平良を渡米前にキャッチ。次戦について、そしてフライ級戦線全般について尋ねた。


──その背景は、今も沖縄ですね(※取材は6月14日に行われた)。

「ハイ。沖縄です。スミマセン、寝起きで。寝ぐせがついているので、ヘアバンドをしています(笑)。金曜日に東京に行って、羽田空港の近くで一泊して。土曜日の便で米国へ行きます。到着も土曜日ですね。僕としては5日でなく、試合の1週間前に現地に入りたいというのはあるので、こういう便になりました」

──特に標高が高いなど、そういうことがないフロリダでのファイトですが、1週間前に入りたいというのは?

「時差ボケ対策もありますし、日本と米国では体重の落ち方も違うかなって思って。それに時差ボケの方も、1週間あれば良くなるので」

──デンバーでの出稽古は、どれぐらいまで行っていたのですか。

「4月の終わり……5月1日までですね。3月の10日ぐらいに向うに行って」

──一緒に練習していて写真を送っていただいたアザット・マスクン、そしてアズ・アルマバエフというカザフスタンのフライ級ファイターが続々とUFCとサインしていますね。

(C)TATSURO TAIRA

「そうっスねぇ。

カザフスタン、強いと思います。彼らと試合をすることになると、組みの土台が他の選手より強いので簡単にいかないでしょうね」

──ところでRoad to UFCで鶴屋怜選手が勝利しました。あの試合を視て、どのように思われましたか。

「予想通りというか……まぁ、勝ってもらわないと。最初から飛ばしちゃうんで、そこの心配はありました。1R耐えられてしまって。でも、練習をしていてもスタミナはあるし、極め切れるので。やっぱりさすがだなと思いましたね」

──「次もその次も一本勝ちでUFCに行く」と怜選手が言っていた一方で、お父さんは「フライ級は選手を増やしているけど、バンタム級とかと比べるとランカーでもそれほどの力はない。やはりフライ級で日本人はチャンピオンにならないと」という風に言っていました。

「そうは思います。バンタム級は明らかにレベルが高い。フライ級は人によるというか……デメトリウス・ジョンソンやヘンリー・セフードとは違うと思います」

──ランキングの変動はなかなかないという現状のなかで、平良選手自身はランカーと比較して自分の実力をどのように自己評価していますか。

「えぇと……僕は……まぁ、ランキング上位に入れる自信はあります。フライ級ランキングを見渡して、アレッシャンドリ・パントージャがどんなモノか余り分からないですけど、当然チャンピオンのブランドン・モレノとブランドン・ロイヴァルは強いと思います。この2人、それとタイトルマッチを控えているパントージャ……は分からないので、モレノとロイヴァルの2人は強いと思っていますね」

──つまり、他には勝てる?

「そうですね、その自信はあります」

──個人的に気になるのですが、カザフスタンの選手が強いと言っていましたが、彼らはランキングでいえばどの辺りに相当する力を持っていると思っていますか。

「試合をハイライトとかでしか見たことがないのですが、アザット・マスクンは16勝0敗ですしね。もうタイソン・ナム選手との試合が決まっているので(※7月15日)、凄く楽しみです。やった感じ、極めが凄く強いとかはないんですよ。でもタイソン・ナム選手を普通にフィニッシュするのなら、ランキング上位に入ってくると思います」

──平良選手が無敗でUFCに行った時も、対戦相手はUFCファイターではないので参考にできない。UFCでどれだけ戦えるのかは、レコードでは分からないと思っていました。マスクンもまさにそういうことなのでしょうが……。

「ハイ、UFCで試合をして、その実力を確認したいです」

──自身としては、既に3連勝で力を証明しました。そして「I’m happy, Thank you」というセリフが浸透しています(笑)。

「デビュー戦の時に自然に口から出た言葉なのですが、Tシャツとか創られると、『言わないとなぁ』ってプレッシャーになりますね(苦笑)。岡田(遼)さんの『修斗を愛しているから』的になっていて。岡田さんからは『絶対に言い続けろ』と言われていますけど……変に意識してしまいますね」

──平良選手は自然発生的に出た言葉で、その真っ直ぐさが受けたのだと思います。対して岡田さんのセリフは、造られたビジネス的なモノですからね。

「アハハハハ」

──岡田さんネタも振ってもらいましたので、話を本筋に戻させていただきます。改めてクレイジソン・ホドリゲス、どのような選手でしょうか。

「1Rフィニッシュが多くて、その攻撃力は間違いなく彼の武器です。ただ、総合力は足りないと思います。寝技は僕の方が上ですし、それだけに僕が寝技で来ると思っているでしょうね。でも、シャーウス・オリヴェイラのジムに所属しているので寝技対策はしてくるはずです。すぐ極めることができなかったり、極めきれないことがあっても常にフィニッシュを狙う。少し速いと感じられるようなペースで、どんどん仕掛けていこうと思います。

今はそのペースで戦っても、5分3Rを戦うだけのスタミナもあります。ただし、練習と試合は腕の張り方なんかは確実に違っていて……。それが緊張感からなのか、減量をしているからなのか分からないですけど、試合と練習の違いを確かめる上でも色々な展開を創っていきたいと思います」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
6月25日(日)
午前0時30分~UFC Fight Pass
午前0時00分~ U-NEXT

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MMA MMAPLANET o RIZIN UFC UFC ESPN46   アスカル・アスカロフ アミール・アルバジ アレッシャンドリ・パントージャ カイ・カラフランス ジェイムス・クラウス ティム・エリオット デメトリウス・ジョンソン ブランドン・モレノ ブランドン・ロイヴァル ヘンリー・セフード ボクシング ヴィクター・アルタミラノ

【UFC ESPN46】アルタミラノ戦前のティム・エリオット「平良達郎は戦ってみたい若手の1人だ」

【写真】126ポンドで計量をパスしたティム・エリオット (C)Zuffa/UFC

3日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベスのUFC Apexで開催されるUFC on ESPN46はメインでフライ級のカイ・カラフランス✖アミール・アルバジが組まれ、さらにもう1試合メインカードでティム・エリオット✖ヴィクター・アルタミラノ戦もマッチアップされている。

エリオットは1986年12月生まれの36歳、UFC戦績は7勝10敗で負け越している。フライ級では6勝10敗──2012年5月に初めてUFCで戦うも2勝4敗でカットされた。その4敗の相手でタイトル戦を経験しなかったのは1人だけ。UFCも本気で肩入れするまで時間を要した階級で、エリオットは常にトップと戦い続けてきた。

その彼が2度目のUFC挑戦の機会を得たのは2016年のTUFシーズン24だ。同シーズンは世界中のフィーダーショーやローカルプロモーションの王者が一同に介するという画期的な試みが現実となり、UFCをリリースされた後に獲得したTitan FCのベルトを持ってエリオットはTUFに挑んだ。

従来のTUFのようにシーズン・フィナーレがUFC本戦で組まれるのではなく、決勝までTUF内のエピソードに組み込まれ、優勝者が時のフライ級王者デメトリウス・ジョンソンに挑戦するという特別な企画だった。そしてエリオットは決勝で、修斗フライ級王者として参戦していた扇久保博正を破り優勝を決め、タイトル挑戦権を手にした。

DJへの挑戦に敗れたエリオットはUFCがフライ級の活動停止を決め、リリースかバンタム級転向という二択を突きつけられた時、後者を選んだ。結果、UFCはフライ級の再構築ばかりか、より力を入れるという転換期を迎える。ここからエリオットはデイヴィドソン・フィゲイレド、アスカル・アスカロフ、ブランドン・ロイヴァルを相手に3連敗を喫するも、UFCは彼を切ることはなかった。足掛け10年、オクタゴンの中で見せたパフォーマンス、相手を選り好みしない姿勢こそ、ティム・エリオットを世界最高峰に欠かせないキャストならしめる所以だ。

そんなエリオットをファイトウィークにインタビュー、愛すべきキャラの持ち主であることが改めて確認できた。


──ティム、日本のファンに向けてのインタビューを受けてくれてありがとうございます。とはいえ……ティム・エリオットといえばTUF24フィナーレで扇久保博正選手と戦い、彼の優勝を阻んだ存在です。それ故にファンも、ティムのUFCでの活躍をフォローしてきました。

「UFCがヒロマサとサインしなかったことが、僕には信じられなかった。だって彼に負けたアレッシャンドリ・パントージャとは契約して、準決勝までに負けている選手も一部はUFCファイターになった。パントージャなんて、今やタイトルコンテンダーだよ。ヒロマサはハウスで2番目の結果を残した。ほとんどトップだったんだ。日本のファンも彼の後ろには控えている。それなのにUFCは彼とサインしなかった。ショックだったよ」

──扇久保選手はUFCで戦うという気持ちを胸にRIZINで成功を収め、日本での知名度はUFCファイターより高くなりました。素晴しいことですが、個人的にティムと同じように『なぜ?』、『なんでや』という想いが強く残っています。

「ヒロマサだって、UFCで戦うという目標があってTUFに挑んでいたんだ。重ねていうけど、本当に信じられないよ。UFCがサインしなかったことは。そういえば、ヒロマサはベイビーが生まれたんだよね。心から祝福したい。TUFハウスで彼は、僕にとって最も親しい人間だった。今もインスタでコンタクトをとっているし、ヒロマサのことを愛しているよ」

──日本のMMA界にいる人間として、ティムが扇久保選手のことをそのように言ってくれることが嬉しいです。それにしても北米ではなかなかフライ級が認知されない時期が長く続きましたが、ようやくUFCも本腰を入れてきたように感じます。

「もう少しでUFCもフライ級を廃止しそうになっていたしね。多くの選手、優秀な選手までカットした。でもヘンリー・セフード、そしてブランドン・モレノの活躍があって最もエキサイティングな階級のなりつつある。当然、僕はそう思っているけど、ファンもそういう認識になりつつあると思う。今週末のメインイベントだってカイ・カラフランスとアミール・アルバジのフライ級だ。これって素晴らしいことで、フライ級の注目度が上がっている証だよ」

──そしてティムはUFCフライ級で15戦以上も戦い、並みいる強豪と戦ってきました。結果、勝利だけでなく黒星も積み重ねているフライ級の生き字引のような存在です。

「きっと僕は他の選手と違う選択をして、キャリアを積んできたはずだ。皆は白星を積み重ねたい。僕はタフな選手と戦いたいと思っていたから、UFCとしてもティム・エリオットは使い勝手の良いファイターだったと思う。僕自身、対戦相手を選ぶことはなかったから、ファイトIQを高くすることができた。

今も肉体的には以前と変わらず。決して、強度を増しているわけではない。だけど、強い相手と思い切りやることで、ファイトとして成長している。それに……多くの黒星を喫しているけど、ボーナスも多く手にすることができたよ。誰と当てられても減量して、計量にパスしてオクタゴンで戦うよ」

──ティムのMMAは文字通りスクランブルの連続で、動き続けています。ただし、その動き続けるのは結果論で、ティムはスクランブルの要所でフィニッシュを狙っている。そこがただアクションの多いファイターとの違いだと思います。

「これも多くの他の選手と違っている僕の有り方で……。僕は自分がマーシャルアーチストだなんて、これっぽっちも思ってない。僕はファイターなんだ。ファイトが好きで、戦うことを楽しんでいる。オクタゴンに入り、良い時間を過ごしたい。そう思って戦ってきた。それとマネーだよ。2012年からUFCで戦うようになり、最初は全く金にならなかった。

今、稼げるようになったのは試合で勝ってきたからじゃない。エキサイティングな戦いをして、ファンから試合が見たいと思われるように戦ってきた。それで十分だ。そうやってファイトマネーを手にして、家族を養うことができれば。好きなことを毎日やって、生きていけている。最高だよ」

──素晴らしいです。ところで、今回の試合前にネクスト・ジェネレーション……クリス・ブレナンのジムに移籍したそうですね。なぜ、カンザスシティからテキサス州フリスコにあるジムへ? 500マイルも離れています。

「クリス・ブレナンはMMA界のレジェンドだ。彼は誰も金儲けできなかった時代に、世界中で戦ってきた。そうそう、なぜクリス・ブレナンのジムで練習するようになったかだね。クリスは息子のルーカスと一緒にグローリーMMAフィットネスを訪ねてきたことがあって、一緒に練習していたんだ。で、ご存知のようにジェイムス・クラウスがジムを閉めることになった。その時、『俺はどうすりゃあ良いんだ』ってジェイムスに尋ねたんだよ。

そうしたら彼は『クリス・ブレナンと練習すれば良い』と言ってね。すぐにパッキングして、テキサスに向かった。ルーカス・ブレナンは最高の──そして、仮想ヴィクター・アルタミラノとしても完璧な練習相手だよ」

──テキサスに移り住んだのですか。

「いや、クリスはムービールーム、サウナ、エクササイズ・ルームがある豪邸に住んでいて、僕に寝室、食事を用意するだけでなく、ジムへの送り迎えまで車でしてくれるんだ。『これが真の意味でプロフェッショナル・アスリートなんだ』って、分かったよ。

今はクリスの家に住まわせてもらっていて、心身共に絶好調だ。これまでのキャリアで、ここまで体をケアしたことはなかった。だからこそ、その成果を土曜日の夜に皆に披露したいと思っている」

──ご家族の方は?

「娘がいて、カンザスシティでプライベートスクールに通っている。8歳だけど、彼女をプライベートスクールに通わせ続けたい。ただし娘が今、通っているようなファンシーなプライベートスクールがテキサスで見つけることができていなくて。それでも、この夏にはしっかりと将来を考えて家を買わないといけないとは思っているんだ。今はクリスの家の居心地が良すぎて、家を見つけることができていないんだよ(笑)とはいっても、どれだけファイティングを愛していても、娘が一番だからね」

──こういうと偉そうですが、当然です(笑)。でも今は離れ離れになっていて娘さんは「パパは私とファイト、どちらが大切なの?」とは尋ねてこないですか。

「彼女はファンシーなプライベートスクールに通っていることが、どれだけ良い環境なのかを理解している。それに生まれた直後から、ジムに馴染んでいた。以前、ラスベガスで練習していた時、1歳だった彼女は僕と一緒にジムにいたんだ。だから、ファイターやファイトが身の回りにあることが当然になっていて。彼女にとってファイトは全くデンジャラスなモノではない。ハグをして友達と楽しむような感覚でいるんだよ」

──では娘さんも何か格闘技の練習を?

「以前は柔術を習わせていたんだけど、小学校でジムにいるようにただ楽しみたくて、友達をテイクダウンしてしまったことがあって……。その一件があったから、柔術を辞めさせて今は体操をやっているよ(笑)」

──ただ楽しみたかったと(笑)。娘さんの理解もあって、テキサスで準備をしてきた今回の試合ですが、先ほど名前が出たヴィクター・アルタミラノという新鋭と戦います。アルタミラノの印象を教えてください。

「確か12勝2敗というレコードを残しているよね。僕と似た感じの動きをするかな。僕がUFCで戦いだした時に似ているよ。彼の動きには目的がない。何も考えずに、ただ動きたいように動いているだけだ。分かるんだよ、僕も最初はそうだったから。でも今の僕はやるべきことを理解して、動いている。まぁスタイル的には良いマッチアップじゃないかな。でも彼は僕を相手にして何一つ、やりことができないだろう」

──土曜日の夜、アルタミラノを相手にどのようなファイトを見せたいですか。

「リアル・ファンキー・ストライキングだ。ボクシングではない打撃で戦いたい。今回はあまり寝技に持ち込むことは考えていないよ。これまで見せたことはなかったけど、打撃戦でKOしたいと思う。立ち技で戦って、KO勝ちする」

──組むための打撃でなく、KOするための打撃で戦うということですか。

「テイクダウンをして戦うこともできる。でも今は打撃が絶好調なんだ」

──それはティムの新しい局面が見られるということですね。ところで今、UFCフライ級には3勝0敗の平良達郎選手が戦っています。平良選手のことを認識していますか。

「タツロー・タイラは戦ってみたい若い選手の1人だよ。とにかく試合がエキサイティングだから。今、僕はランキング11位で対戦相手を選ぶことはないから。上位ランカーでなくてもオファーがあれば戦う」

──実は平良選手はある意味、扇久保選手の後輩なんです。

「おお、2人は一緒に練習しているの?」

──ハイ、時折りですが。扇久保選手の成長に欠かせなかったファイターが、生まれ故郷に戻りジムを開いて、そこで平良選手を育てました。姉妹ジムなので、平良選手が扇久保選手の所属しているジムを訪れて練習することはあります。

「そうか。いや、楽しみだよ。打撃もできて、柔術も強い。僕が戦う相手って、いつも22歳とか23歳、まぁ25歳ぐらいまでが多い(笑)。彼らからすれば僕は年寄りだろうけど、まぁずっとUFCで戦っていれば、周りは若いファイターばかりになるのも当然だ。

今回のアルタミラのもそうだだしね。とにかく最高のキャンプができたから、今は土曜日の試合に集中して思い切り暴れようと思っている」

■視聴方法(予定)
6月4日(日・日本時間)
午前7時00分~UFC FIGHT PASS
午前6時30分~U-NEXT

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MMA MMAPLANET o UFC UFC288 アルジャメイン・ステーリング キック ショーン・オマリー ヘンリー・セフード ボクシング

【UFC288】五感&五体を駆使したチェスゲームは、ステーリングに軍配。セフードからスプリット判定勝ち

<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
アルジャメイン・ステーリング(米国)
Def.2-1:48-47.48-47.47-48
ヘンリー・セフード(米国)

前に出るステーリングが右ハイを蹴る。さらに左ローから左ハイを繰り出し、セフードは見る展開に。左右に動き、右を伸ばしたセフードに対し、構えを変えて前に出るステーリングがヒザ蹴りへ。蹴り足を掴み、ボディロックに移行したセフードが簡単にテイクダウンを奪う。バタフライガードのステーリングは、セフードの腰を浮かしてレッスルアップへ。シングルを許さずにセフードががぶると、3/4ネルソン&エルボー。立ち上がって離れ両者、パンチの応酬からステーリングの蹴り足を掴んだセフードの右は空振りに。

ここから組み合いとなり、セフードがケージに押し込む。体を入れかえ、ダブル狙いのステーリングを切ってがぶったセフードだが、スイッチ狙いからステーリングが左腕を差してケージに押し込む。前方に下してバックに回ったステーリングが、ヒザを腿やワキ腹に入れ、小外刈りでテイクダウンで倒してバックを取る。ヒザ&ヒジを打ったステーリングが初回をリードした。

2R、まず右カーフを蹴ったセフードに対し、前に出るステーリングがカーフを返す。セフードの右は届かず、逆にステーリングが左を入れる。一瞬のクリンチアッパーもステーリングが間合いを外し、セフードの右ハイが頭部をかすめる。ステーリングは前蹴り、シングルを切って離れる。左フックを見せたセフードだが、ステーリングが蹴りを多用し詰めることはできない。それでもステーリングのダブルレッグも遠く、動じることなく立ち続けるセフードの圧が上回って来る。

ステーリングの右をかわし、バックを伺ったセフードは、ここに固執せず真正面に立つとカーフからパンチを狙う。ボディを殴ったステーリングは下がり、回る場面が増えてきた。セフードは逆にジャブを貰っても前に出て、スピニングバックエルボーをかわす。右オーバーハンドをダック気味にかわしたステーリング、そこにセフードが右ハイを狙う。ニータップからパンチにつなぐセフードに対し、ステーリングが右ロー。セフードがローを返し右を当てると、シングルをかわしてスクランブルからがぶって時間に。

3R、左ミドル、ローと蹴りを使うステーリングに対し、セフードが右ミドルを蹴り、右を当てて跳びヒザへ。ステーリングのテイクダウン狙いをがぶったセフードは、リリースして立ちの間合いに戻る。すぐにシングルを仕掛けても、切られたステーリングがヒザをボディに被弾する。それでも組んでボディロックに入ったステーリングは、ここの逆にケージに押し込まれてしまう。

ケージ際でポジションを2度、3度と入れ替えステーリングが小外で姿勢を乱させ、起き上ってきたセフードのボディにヒザを突き刺す。しっかりと左腕を差しいれ、ここからダブルレッグ、さらにボディロックに転じたステーリングだが、回ったセフードが離れる。セフードは組んでくるステーリングに右を当て、シングルレッグはスプロール。ステーリングもバックに回らせないが、ここもセフードががぶってリリース、胸をマットにつけているステーリングが立ち上がるをまっている。ステーリングはパンチから組んでヒザ蹴り、ここでセフードがボディロック&大内刈りでテイクダウンを決め、ガードの中からパンチを繰り出してラウンド終了を迎えた。

4R、右カーフを3発蹴ったステーリング。さらに右カーフを見せると、セフードも右ローを返す。足を使い左右に回るステーリングが左ミドル、セフードは左ボディフックを振るう。シングルのフェイクに続き、右を狙ったステーリングが左ヒジを見せる。セフードは右を振るって前に出て、組み狙いにヒザを突き刺す。

トリッキーなステーリングに対して、セフードは王道の圧を掛けて組むというファイトでケージに押し込む。押し返され離れたセフードだが、圧を掛けてテイクダウン狙いを切る。懸命に動いて仕掛けるステーリングは、組んでヒザをボディに入れる。離れては左ジャブのステーリングが、やや動きが落ちてきたように見えるセフードに右を当てる。

セフードはここで組むと、押し返してきたところでスナップダウン、さらにシングルにクレイドルで対抗する。ここでステーリングが起き上り、ダブルレッグからリバーサル。右足を両足で挟み、勢いのあるパンチを見舞ってラウンドを取った。

最終回、セフードが圧を掛けステーリングが右ハイを蹴る。左右に動くステーリングが左ミドル、セフードの左は届かない。正面に立ったステーリングに対し、セフードが右ミドルを蹴り、右をかわす。パンチからテイクダウン狙いという動きのステーリングだが、右の蹴りで上体を伸ばされる。と、ステーリングがスピニングバックキックも当たりは浅い。さらにテイクダウン狙いから右を当て、直後に左をヒットさせる。

セフードも左も返し、シングルレッグから右を打ちこむ。ステーリングの動きの多さに、惑わされそうになりながら前に出て圧を掛けることで、流されなかったセフードはダブルレッグをスプロール、ウィザーで止めて離れる。ここでヒザ蹴りを決めたセフードは、クリンチでケージに押し込まれてヒザを受けるが、離れて圧をかけなすとシングルレッグからレッグリフト、そのまま押し込んでテイクダウンを奪う。

スクランブルでバックに回ったセフードは、ステーリングがスピニングバックエルボーを放ったタイミングで正対すると、ダーティボクシングでパンチを入れた時間を迎えた。

1Rと4Rはステーリング、2R、3R、5Rはセフードか。この接戦ではジャッジがどう判断するかは、もう主観でしかない。結果、スプリット判定でステーリングが王座防衛に成功した。

次期挑戦者としてショーン・オマリーがオクタゴンインし、ステーリングと罵り合いを始める。それでも会場のファンは、裁定結果に不満を持っているようで──その空気を両者のフェイスオフでも払拭することはできず、セフードがマイクを握ると大きな声援が送られた。


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『UFC 288: Sterling vs. Cejudo』前日計量動画/ザルガス・ズマグロフ vs. ハファエル・エステヴァムが中止に

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MAIN CARD (Pay-per-view, 10 p.m. ET)

・Champ Aljamain Sterling (134) vs. Henry Cejudo (135) – for bantamweight title
・Gilbert Burns (171) vs. Belal Muhammad (170)
・Jessica Andrade (115) vs. Yan Xiaonan (115)
・Movsar Evloev (145) vs. Diego Lopes (146)
・Kron Gracie (145) vs. Charles Jourdain (145)

PRELIMINARY CARD (ESPN/ESPN+, 8 p.m. ET)

・Drew Dober (155.5) vs. Matt Frevola (155)
・Devin Clark (205) vs. Kennedy Nzechukwu (205)
・Rolando Bedoya (170) vs. Khaos Williams (169)
・Virna Jandiroba (115) vs. Marina Rodriguez (115)

PRELIMINARY CARD (ESPN/ESPN+, 6 p.m. ET)

・Parker Porter (249) vs. Braxton Smith (262)
・Ikram Aliskerov (186) vs. Phil Hawes (185)
・Rafael Estevam ()* vs. Zhalgas Zhumagulov (125)
・Joseph Holmes (189)** vs. Claudio Ribeiro (185)

 『UFC 288: Sterling vs. Cejudo』前日計量結果。メインカードは全員パス。アーリープレリミナリーカードでザルガス・ズマグロフと対戦予定だったハファエル・エステヴァムが体重計に乗ることすらできず、UFCは体重管理のミスで試合中止と発表。クラウディオ・ヒベイロと対戦するジョセフ・ホームズが189ポンドと3ポンドオーバー。出場給の20%を譲渡し試合は行われます。

 1試合減ったことにより開始時刻は日本時間午前7時30分に変更されます。




 前日計量動画。


 MMAJunkieスタッフによるメインカード勝敗予想。

・アルジャメイン・スターリング vs. ヘンリー・セフードはスターリング支持3人、セフード支持8人。

・ベラル・ムハマド vs. ギルバート・バーンズはムハマド支持5人、バーンズ支持6人。

・ジェシカ・アンドラジ vs. ヤン・シャオナンはアンドラジ支持10人、ヤン支持1人。

・モフサル・エフロエフ vs. ディエゴ・ロペスは11人全員エフロエフ支持。

・クロン・グレイシー vs. チャールズ・ジョーデインはクロン支持4人、ジョーデイン支持7人。続きを読む・・・
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【ONE FN10】モライシュと決着戦。デメトリウス・ジョンソン「試合が終れば、直に日が沈む時を迎える」

【写真】今回の試合が最後になる空気を漂わせていたDJは 「Covid19のおかげで、ONEが日本大会から遠ざかってしまった。日本はいつだって最高に訪れたい、そして戦いたい国。ファンの皆もそうだし、スシ、うどんヌードル、ヤキニク、何もかも恋しい。日本をまた訪れたい。この試合が終われば、今後のことを決める。ただ、ONEが日本大会を開くなら日本に行って新宿を楽しみたい」と言っていた (C)MMAPLANET

5日(金・現地時間)、コロラド州ブルームフィールドの1stバンク・センターで開催されるONE FN10「Johnson vs Moraes 3」。同大会のメインでONE世界フライ級王者デメトリウス・ジョンソンが、アドリアーノ・モライシュと3度目の世界戦を戦う。

2021年4月の第1戦はモライシュがTKO勝ち。昨年8月の再戦はDJがヒザでリベンジした。決着戦はONE米国初大会のメインで組まれた。計量方法、階級、ルールと北米MMAとは一線を画すONEの上陸が、どのような影響を与えるのか──をDJにモライシュとの3度目の試合、今や練習仲間のヘンリー・セフード✖アルジャメイン・ステーリング戦の行方とともに語ってもらった。


──ONEにとって初の米国大会でヘッドライナーを務めます。試合まで約3週間、今の気持ちは?(※取材は4月14日に行われた)。

「最高だよ。体調も体重もバッチリだ。あと4日、ワシントン州にいてコロラドに向かう。コロラドの標高に体を合わせる必要があるからね。またフィニッシュするために。

WECのときにニック・ペースとデンバーで戦ったことがあるんだけど(※2010年9月30日)、あの時は違和感はなかった。でも今回は2週間前に入ることにしたんだ。36歳になり、18年間戦ってきて……今も最高のレベルで戦うのだから、それぐらいの準備期間を設けようと思った」

──ONEの米国デビューに、母国のファンの期待が高まっている空気を感じますか。

「期待しているかどうか分からないけど、エキサイトしている様子は伝わってくる。でも米国にはUFC、PFL、Bellatorがあるし、LFAやCFFCや僕が覚えていないショーもたくさんある。そんな状況でONEがUSデビューを飾るわけだからファンも喜んではいても、期待をしているというのとは違うかと思う」

──開催地のブルームフィールドは、UFCが第1回大会を開いたデンバーの郊外。何か運命的なモノを感じないですか。

「ノー。そんなこと考えたこともなかった。コロラドで試合だと言われ、ただ了解しただけだから」

──ではONEのMMAルールセットや計量システムは、北米の他のショーに影響を与えることになるでしょうか。

「ノー。計量方法ってカルチャーなんだよ。米国ではMMAだけでなくボクシング、レスリング、キックボクシング、ムエタイ、柔術が行われており、このONEの素晴らしい計量方法を取り入れているところは一つもない。そして何級で戦うかは、選手が決めることだ。誰かの指図を受けて、その階級で戦っているわけじゃない。

対して計量方法は選手が選ぶものでなく、団体がチョイスしている。僕はONEのやり方が気にいっているし、ハイドレーションがあるなかで適した階級で戦っていく。でも米国は米国の減量文化があるから、このシステムが広まることはないだろう」

──なるほど、です。ではルールの方はどうでしょうか? ヒザ蹴りがグラウンドで認められているのは危険にも感じますが、フェアでもあるように思います。そしてファンはデンジャラスな攻撃を好むのではないでしょうか。

「そこに関して……僕はアドリアーノとの初戦で受けたヒザ蹴りで反則勝ちにならないのかという説明を、何度も米国でしないといけなかった。皆、UFCやBellatorで北米ユニファイドのルールの試合を見慣れているからね。う~ん、どうだろうね。ファンはこれまでもPRIDEやDREAM、今はRIZINでサッカーボールキックも見ている。でも米国のプロモーションは、どこもこのルールを採用していない。まぁ、将来的にどうなるのかは様子を見る必要があるだろうね。とにかく僕に必要なのは、このルールに合わせた戦いをすることだけだから」

──ONEとしては特色としてアピールはできるかと。

「う~ん、そこも思わないなぁ。僕はただ合わせて戦うことしか考えていないから。僕らは米国で拳銃の出回っているなかで生活をしている。そこに関して目の前のある状況に合わせているだけで。それと同じことなんだよ。寝技でヒザ蹴りを認めた州は本当にわずかだ。コロラドとジョージアだけじゃないかな。だから米国のファンは、その攻撃を見ると『なんだ? 反則だろ?』ってなるだけで。

だから、そういう攻撃が認められているということは伝えても、そこをPRがプッシュすることはないはずだ。彼らがやるべきはMMAだけでなくキックボクシング、ムエタイ、サブミッショングラップリングというマーシャルアーツが一同に会しているのがONEという大会をアピールすることだから。

グラップリングより柔術が好きだという人もいるし、昨夜、実際に『試合を見るなら柔術やグラップリングよりもムエタイの方が好きだ』という人がいた。僕は『じゃあMMAのなかで組み技を見るのは?』って彼に尋ねたんだ。すると『パンチやキックがあるなら良いよ』って言うんだよ。『そこで使われる技術は、MMAもサブミッショングラップリンも変わりはないよ』と説明したよ。そして、ONEなら全てを一度に見ることができるからってね」

──それがONEのエンターテイメント性でしょうか。

「う~ん、エンターテイメント性というよりも、スポーツ性が強調されていると思う。もし、そのエンターテイメント性がWWEのような方向性にあるなら、僕はエンターテイナーじゃない。それは2人の人間が、人々を煽って一つの完成された世界観を提供するショーだから。僕はONEだけでなく他の団体の試合もスポーツとして見ている。そう、エンターテイメントよりスポーツだ。NFLやNBAを見ている時もそうだ。僕個人としては、そういう風に見ているよ」

──キック、ムエタイ、グラップリング、そしてMMAが一つのパッケージになっていることでONEのエンターテイメント性は上がっているのかと思った次第です。球技ならバレーボール、バスケットボール、テニスや卓球の試合を1枚のチケットで観戦できるのは。

「なるほど、そういう観点なら立派なエンターテイメントだ。ショーのパート、パートで楽しむ人もいるだろう。ただ僕に関しては、サブミッショングラップリングが好きな人、立ち技が好きな人にも楽しんでもらえるフルパッケージのMMAを皆に見てもらう。それこそが、ONEが僕に望んでいるマーシャルアーツだと思っている。パーティーのメニューなら、誰もが食べられる食事でありたい。それが僕の役目だからね」

──では3度目の対戦となるアドリアーノ・モライシュのことをMMAファイターとして、どのように評価していますか。

「ONE、アジアで戦ってきたから米国のファンには知られていないけど、本当に良い選手だよ。レンジ、背の高さはこの階級で頭抜けている」

──前回の対戦から、DJはどのあたりが成長していると感じていますか。

「2度戦い、僕が良い動きをした時、彼は不完全で。彼が良い動きをした時は、僕が不完全だった。試合に勝って、ファミリーと時間を過ごし、また試合が決まるとアリゾナに行ってヘンリー・セフードと話し、練習をしてきた。互いの知識を交換し、クリンチゲームでは僕の知識がヘンリーのアルジャメイン・ステーリング戦に役立てば良い。そして僕のレスリングゲームは、ヘンリーのアドバイスが絶対的に生きてくる。

それからワシントン州に戻り、道着を着たブラジリアン柔術をマスターとやり、マット(ヒューム)と練習を続けてきた。当然、成長している。前回の試合から7カ月、この期間で目に見えて成長するということはちょっと困難だ。でも、この7カ月間が僕にとって戦略を実行するうえでの一部となっている。だから……う~ん、ここではそれほど話せない部分だし……試合で見せたいと思う。僕が強くなっていることを」

──DJには大切な試合が控えているなかで、このような質問をすることを許してください。セフード✖アルジャメイン戦は、どのような結末を予測していますか。

「とにかく楽しみにしている。最初はアルジャメイン・ステーリングが、どういうアプローチでヘンリーと相対するのかを楽しみにしていた。ただ一緒に練習し、ヘンリーのケツを叩いてきた。だからベストバージョンのヘンリー・セフードが見られることを楽しみにするようになった。本当にヘンリー・セフードは知性的なファイターなんだ。

ヘンリーがフィニッシュできると思っているけど、絶対にハードな時間も過ごすことになるだろう。きっと、それだけの練習をアルジャメイン・ステーリングもやってきたはずだ。うん、どうなるのか──そこは試合を見てみないと分からないね」

──DJ✖ミキーニョ、セフード✖アルジャメインと連夜で視られるファンは、エキサイティングかつファイトIQの高いファイトが堪能できますね。

「そうなってくれれば嬉しいよ(笑)。でも、MMAファンならエキサイトしてほしい。僕とアドリアーノ、ヘンリー・セフードとアルジャメインの試合が続くことに。僕もヘンリーも年を重ね、36歳になった。家庭もある。僕らはこの試合が終れば、直に日が沈む時を迎える。そうだね、金曜日に自分の試合が終わると、土曜日は僕もしっかりとヘンリー・セフードの試合を見たいと思っている。ファンの皆もそうしてほしいね」

■放送予定
5月6日(土・日本時間)
午前8時00分~ABEMA格闘チャンネル

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【UFC288】フォークスタイル=ステーリング✖フリースタイル=セフード戦展望─02─、間と圧

【写真】凄まじいフィジカルの持ち主同士、戦い方&思考はセフード=剛✖アルジャメイン=柔 という見方も成り立たないわけではない(C)Zuffa/UFC & MMAPLANET

6日(土・現地時間)、ニュージャージー州ニューアークにあるプルデンシャル・センターにてUFC 288「Sterling vs Cejudo」が開催され、メインでUFC世界バンタム級王者アルジャメイン・ステーリングにトリプルCこと元UFCフライ&バンタム級王者のヘンリー・セフードが挑む。
Text by Isamu Horiuchi

両者の1年に渡る伏線から、試合直前の舌戦を経て世界最高峰の座を争うのに相応しい技術的な側面を考察したい。

<アルジャメイン・ステーリング✖ヘンリー・セフード考察Part.01はコチラから>


ESPNでのZOOM共同インタビューはセフードとステーリングが自らのファイトを論題とし、ディベートと化し熱を帯びていった。

セフードが「お前の戦い方など分かる。前に出てきて前蹴りを放ち、えらい遠くからテイクダウンを狙ってくるんだろ。ラテラルムーブメント(横の動き)も使いながらな。俺はお見通しだ。お前など及びもつかない高いファイトIQがあるからな!」と先陣を切る。

(C)Zuffa/UFC

対してチャンピオンも「俺に別のプランがないと思っているのか?

俺は試合中に戦い方を変えることができるんだ。あんた自分を過大評価しすぎなんだよ。一人でイージー・ファイトだと思っているがいい。あんたは試合が始まった瞬間、自分はバカだったと気づくんだ。マイティマウス(DJ)があんたにやったのと同じことをやってやるからな。柔術で極めるのではなく、ぶっ倒してやる」と言葉を返す。

このような舌戦を展開し試合を盛り上げつつも、両者とも試合に向けての準備は抜かりない。セフードは復帰に向けて地元アリゾナでフィジカルから栄養、そして打倒ステーリングに必要な各能力を段階的に築き上げる綿密なファイトキャンプを計画&実行。

さらにかつての宿敵DJ(以前セフードは、ONE にてアドリアーノ・モラエシュ戦を控えたDJの練習を手伝った)もアリゾナに招き、さらなる技術の習得にも余念がないようだ。

(C)Zuffa/UFC

対するステーリングも、地元ロングアイランドで順調に調整を進めている。

セフードがDJと練習していると聞くと「俺はマイティ・マウス(DJ)の何倍も力が強いぜ」一笑に付した現王者は、こちらも軽量級のレジェンドであるドミニク・クルーズと練習。自分の戦いに役立つアドバイスを得ることができたと満足げだ。

さらにコロンビア大学のレスリング部(NCAA D1)に出向き、ヘッドコーチにして、かつてセフードと一緒にオリンピック・トレーニングセンターで一緒だったザック・タネーリ氏とも練習するなど、着々とセフード対策を進めている。トレーニングパートナーとして、セフードと似た体格のトップランカーのドゥヴァリシビリがいることも大きな利点だろう。

最後に、この両者の攻防における注目点をいくつか挙げてみたい。

まずはなんと言っても、スタンドの主導権をどちらが取るか。レスリングをバックグラウンドに持つ両者だが、MMAの最高峰に上り詰めることができたのは、高度な打撃技術を併せ持つからこそ。そして二人の打撃スタイルはきわめて対照的だ。

(C)Zuffa/UFC

殺傷力で大きく勝るのはセフードだ。

リーチは163センチと短いものの、松濤館空手を取り入れた遠い間合いのコントロールに長け、そこから素早くステップインしての右は一撃必殺の威力を持つ。踏み込んでのローも強烈だ。クルーズ戦では変幻自在のステップに幻惑されることもなく、ローを当て立ちの攻防を制していった。

(C)Zuffa/UFC

が、ステーリングはセフードの攻めを無効化するのに適した戦い方を持つ。

180センチという長いリーチを活かし、蹴りを多用して距離を取ることに巧みな現王者。左右の立ち方を自在に使い分け、テイクダウンのフェイントも交えながら、相手が距離を詰めようとするその出鼻にノーモーションの左右ジャブ、前手でのヒジ、スピニングエルボー等多彩な打撃を先に当てては横に動く。「ファンクマスター」の異名の通り、まさにファンキーにして変則的なスタイルだ。

「そんなお前の戦い方などお見通しだ」と語ったセフードは、いかにステーリングの手数を突破して間合いを詰め、強打を打ち込むつもりなのか。逆にステーリングはセフードの侵攻を止め続けることができるのか。

両者とも弱点らしきものがないわけではない。ステーリングはペドロ・ムニョス戦後に「俺の足はクソ細いから奴のローは効いたぜ」と認めたことがあった。逆にセフードはDJとの第1戦ではボディへのヒザで倒されており、今回ステーリングは「腹が奴を攻略する鍵になる。酒ばかり飲んでいた肝臓をテストしてやるよ」と語っている。いかに自分の弱点を守りつつ相手のそれを突くか、ともに自負するファイトIQの高さが問われるところだ。

この立ち技の攻防に加わる重要なピースが、テイクダウンを起点とするレスリングの攻防だ。寝技に絶対の自信を持つステーリングは「奴は俺とレッスルしたがらず、打撃で戦いたがるだろう」と予測するが、同時に「奴が(強打を狙って)間合いを詰めてきた時は、俺が組み付ける距離になるってことだよ」と、試合を組みに持ち込む自信を覗かせている。が、セフードは言わずと知れた金メダリスト。これまでMMAの試合でテイクダウンされたことはない。「あんたの体を浮かせてやる」というステーリングの予言は本当に成就するのか。

そのステーリングの最大の武器はバックコントロール&チョーク。別にセフードを倒して背中を付けさせる必要はなく、流れの中でバックを奪えば目的達成だ。「奴はフリースタイルレスラー。俺はフォークスタイルレスラー。この違いは大きいよ」と語るステーリングのレスリングが、MMAにおいて金メダリストを凌駕する場面は見られるか。

またステーリングが認めていたように、セフードが得意の大内刈りを決めて上になる場面も想像できる。もしそうなれば、寝技においても異なるスタイルによる興味深いせめぎ合いが見られるだろう。

(C)Zuffa/UFC

セフードのグラウンド&トップでの武器は圧とパウンドだ。

カレッジに進まず、フリースタイルに特化し五輪センターでの日々を送って金メダリストとなったセフードは、このレスリングをDJとの第2戦で駆使して僅差の判定をものにした。今回の練習メニューでもグラウンド&パウンドを重点的に組み込んでいる模様だ。

一方ステーリングの寝技は、フォークスタイル独特のボディクラッチのないコントールに最先端のノーギ・グラップリングの影響をより強く受けたもの。ジョン・ダナハーの弟子にして世界最高峰のテクニシャンの一人として呼び声高いジェイソン・ラウの指導を受けるステーリングは、「もし俺をテイクダウンしても、俺のガードの中で苦労するのは奴の方だ」と語る。

(C)Zuffa/UFC

予告した三角絞めの他にも、足関節やさまざまな下から崩し、スクランブルに持ち込む形を持っているだろう。

それがセフードの強力きわまるトップコントロールに通用するのか。

そしてステーリングは、一度上になれば無類の強さを誇る。相手のガードの中にステイすることなく、まず腰を制してから上半身のコントロールに移行してポジションを進めるきわめて現代的なパスガードの使い手であり、スクランブルを試みた相手からバックを奪いチョークにつなげる流れは天下一品だ。もし下になった時、驚異のフィジカルを持つセフードがどう対処するかも興味深い。

打撃、レスリング、グラップリングとどの局面においても、全く異なるスタイルをきわめて高いレベルで実践する両者の頂上決戦。3年間不在だったセフードに人気と知名度で遅れを取り、試合前の舌戦でも押され気味の印象が否めないステーリングは、ハードワークを重ね戦績を積み上げてきた現役王者の意地を見せることはできるのか。それとも傲慢不遜なるセフードが、ブランクをものともせずに現王者を凌駕し、改めてその天才ぶりとファイトIQの高さを見せつけ、前人未到の3階級制覇&4冠王に王手をかけるのか。

世界最高峰のMMAの攻防を、心ゆくまで堪能したい。

■視聴方法(予定)
5月7日(日)
午前7時00分~UFC Fight Pass
午前11時00分~PPV
午前6時30分~U-NEXT

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