カテゴリー
45 DWCS DWCS S08 MMA MMAPLANET o   シャノン・クラーク ジュネイシ・ドゥベン ダナ・ホワイト

【DWCS S08 Ep04】女子フライ級で一撃KO!!! クラークを失神させたドゥベンにダナは「おめでとう」

<女子フライ級/5分3R>
ジュネイシ・ドゥベン(ベネズエラ)
Def.1R1分13秒by KO
シャノン・クラーク(カナダ)

スイッチを織り交ぜ、荒いパンチを纏めるドゥベン。左を受けて腰が落ちたクラークが、首相撲からヒザを突き上げる。ドゥベンは細かいコンビからスピニングバックフィスト、前に出てくるクラークに右を合わせてダウンを奪う。すぐに立ち上がったクラークもスイッチしたが、ローにドゥベンの右オーバーハンドを合わせる。この一発でクラークが失神、大の字に倒れた相手への鉄槌をわざと外したドゥベンに、ダナ・ホワイトは「最高だ。おめでとう」という言葉をかけた。

「しっかりとビジョンを描いて、実現していくの。ダナが話していることは分からなかったけど、ただハグをしたわ(笑)。ベネズエラだけで、7年間拠点にしているペルーを代表して戦っている」とドゥベンは話した。


The post 【DWCS S08 Ep04】女子フライ級で一撃KO!!! クラークを失神させたドゥベンにダナは「おめでとう」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 DWCS DWCS S08 DWCS S08 Ep03 MMA MMAPLANET o UFC ダナ・ホワイト ボグダン・グラッド マイケル・アズウェル

【DWCS S08 Ep03】人生を賭けた15分。CS史上初、アズウェルに競り勝ったグラッドにダナがボーナス公言!!

<フェザー級/5分3R>
ボグダン・グラッド(オーストリア)
Def.2-1;30-27.29-28.28-29
マイケル・アズウェル(米国)

昨年のコンテンダーシリーズで敗れ、リベンジとなるグラッドが左ハイを見せる。アズウェルもワンツーを放ち、序盤からアグレッシブな展開に。それでも両者とも力が入り過ぎりおり、どこまでこの展開が続けることができるのか。それとも一撃フィニッシュとなるか。グラッドはローからボディ、ミドルにアッパーととにかく手数が多い。アズウェルもカウンターで右を当てるなど、落ち着きを見せるが勢いに圧された状態だ。と、グラッドは左フックに逆に左を合わされ動きが落ちる。

アズウェルはジャブを伸ばしてサークリングを駆使するようになるが、グラッドは前に出続けワンツーを振るう。ボディを決めたアズウェルは、ジャブを差しスピニングバックフィストをかわす。と、グラッドはダブルレッグでテイクダウンへ。しりもちをついて立ち上がったアズウェルの頭を抱えたグラッドだが、ギロチンはセットできず間合いを取り直す。スピニングバックフィストの空振りから。左ミドルというコンビを見せたグラッドが最後に左フックをヒットさせた。

2R、アズウェルのジャブにフックを合わせたグラッド。アズウェルも右フックからローを蹴って、ワンツーを入れる。グラッドは足が止まる瞬間も出てきたが、右オーバーハンドを決める。さらにガードの上から力強い左ハイを見せるなど、グラッドは勢いを持続しようと懸命に攻撃を続ける。それでも口が開き気味のグラッドに対し、アズウェルはボディを抉っていく。

攻撃が大きくなってきたグラッドに対し、アズウェルはボディから顔面を狙う。さらにワンツーからスリーを決めたアズウェルはグラッドのダブルレッグをケージを利して切りエルボーを落とすが、尻もちをつかされる。すぐに立ち上がったアズウェルにエルボーを狙って離れたグラッドが、右をヒットし腹にヒザを入れる。さらに右ストレートを決めたグラッドは、無尽蔵のスタミナと精神力を見せる5分となった。

最終回、「契約は目の前だ」とセコンドにプッシュされたアズウェルがハイをかわしてボディを殴る。グラッドもすかさずコンビネーションを接近戦で見せる。アズウェルも対応し、激しい乱打戦のなかでグラッドがマウスピースを吐き出し、試合が一旦止まる。再開後も、グラッドはパンチを被弾しながらも、「うんうん」と頷き、前に出る。そこに右を当てるアズウェルも、左目尻をカットしており──まさに激闘に。グラッドはダブルレッグ、崩して足を束ねていくがアズウェルはすぐに立ち上がる。

離れて右オーバーハンドをヒットさせたグラッドに対し、アズウェルも細かいパンチを纏めジャブを2発入れる。ローに右を合わせ、ボディから顔面を打ち抜くアズウェルはテイクダウン狙いを切ると、クリンチからボディを連打する。両者、大きく肩で息をしながら打ち合いを続けるなかで、精度と手数で上回るのはアズウェルだ。それでもグラッドも右ハイをチップさせ、テイクダウン狙いでアズウェルの姿勢を崩す。そのまま殴りに出たグラッドに対し、アズウェルもすぐに応戦したところでタイムアップに。

まさに人生を賭けた15分を追え、この日2度目のダナ・ホワイトによるスタンディングオベーションが見られた死闘は、スプリットに割れ──グラッドに凱歌が挙がった。バックステージに戻るグラッドに対し、ダナはコンテンダーシリーズ8年の歴史で初めて5000ドルのボーナスを中継中に伝える。この1戦で1万5000戦ドルを手にすることになったグラッドは「マイケルと一緒に契約が欲しい。ハードな日々が、このボーナスにつながった。UFCでもっと活躍したい、激闘になることは分かっていた。だから、タッチグローブをしなかったんだ」と勝利者インタビューで語った。


The post 【DWCS S08 Ep03】人生を賭けた15分。CS史上初、アズウェルに競り勝ったグラッドにダナがボーナス公言!! first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 DWCS DWCS S08 DWCS S08 Ep03 MMA MMAPLANET o キック ジャック・ダフィー ダナ・ホワイト ニック・ピッチニーニ ボクシング

【DWCS S08 Ep03】カーフで削られたピッチニーニが、組みに来たダフィーを逆転スプリット判定勝ち

<フライ級/5分3R>
ニック・ピッチニーニ(米国)
Def.2-1:29-28.29-28.28-29
ジャック・ダフィー(米国)

左ミドル、左ハイを放ったダフィーがシングルレッグへ。レッグリフトにも耐えたピッチニーニは、クリンチでダフィーをケージに押し込んでヒザをボディに入れる。ボディロック&小外掛けでテイクダウンを奪ったピッチニーニはギロチン、三角、オモプラッタを防いでパウンドを落としていく。ダフィーは蹴り上げを見せると、飛び込んできたピッチニーニに対してハイガード、Kガードから足を取りに行く。ピッチニーニがヒザ十字にヒザを抜いて立ち上がると、試合はスタンドに戻る。

ダフィーはヒザ蹴りから右カーフ、そして左ハイ、左ミドルと蹴りを多用する。ピッチニーニは右カーフを蹴られ、スイッチしたダフィーの左ミドルの受ける。腹、足をスイッチしながら攻め、ヒザも繰り出すダフィーがダブルレッグへ。切ったピッチニーニががぶりからヒザを突き上げる。ダフィーは右エルボーを打ち込み、左ミドルから右カーフを続ける。ピッチニーニの右ハイをかわして、カーフを続けるダフィーが残り10秒でも2発カーフを決めて試合を有利に進めた。

2R、フック、前蹴りのピッチニーニはスピニングバックフィストからカーフを蹴られ、ついに構えを変える。すぐにオーソに戻したピッチニーニに対し、ダフィーはテイクダウンを仕掛けて切られると引き込む。カーフを効かせているので、勿体ない展開だ。ガードの中からパウンドを落とすピッチニーニに対し、ダフィーは足を懸命にきかせて、ハーフを取らせない。それでも下が続くダフィーは、蹴り上げから立ち上がろうとしてバックを取られる。

サイドバックから崩し、真後ろに回ったピッチニーニはボディトライアングルを完成させて仰向きに。ピッチニーニは足を組み替えようとしフックを解いた刹那、ダフィーが胸を合わせてスタンドに戻る。ピッチニーニがクリンチでケージに押し込み、残り30秒を切って小外刈りでテイクダウンを決めると、再びスクランブルでバックを取り四の字フックへ。立ち上がったダフィーは背中からスラムするが、バックを許したまま時間となった。

最終回、ピッチニーニが右オーバーハンド。ダフィーのワンツーは届かないが、続く右ハーフでピッチニーニが尻もちをつく。直ぐに立ち上がったピッチニーニ。ダフィーはまたもテイクダウンを狙うが、切られる。ここはスタンドに戻ったダフィーはテンカオ、直後にピッチニーニはダブルレッグでテイクダウンを奪う。ギロチンを防御されたダフィーは背中を見せて、両足のフックを許す。

前方に落としに掛かったダフィーだが、ピッチニーニは位置を修正してフックを解きバックコントロールに転じる。正対してダブルレッグを仕掛けたピッチニーニは、ギロチンを警戒して離れると一気に動きが落ちる。ダブルを切ったダフィーはジャブの差し合いから前蹴りで顔面を蹴る。残り2分を切り、ダブルレッグからワキを潜ってバックに回ったピッチニーニはテイクダウンを狙う。胸を合わせたダフィーはがぶって離れると、スピニングバックキックをボディに入れる。

エルボーのダフィー、ダーティーボクシングのピッチニーニ。ここから互いにスピニングバックフィストを空振りと、白熱の根性戦に。と、ピッチニーニが組んでバックへ。前転を潰され、立ち上がったダフィーは背中を取られ厳しい展開に。残り15秒で胸を合わせたダフィー、最後の10秒は足を止めての打ち合いで終幕となった。瞬間、ダナ・ホワイトは立ち上がって両者に拍手を送った。

ジャッジの裁定は割れ、スプリット判定をピッチニーニが制した。10日前のショートノーティス・ファイト、厳しい戦いを勝ち抜いたピッチニーニは「2Rと3Rは僕の方がフィニッシュに近かったから、判定には自信があった。初回は落としたけど、前に進むだけだった。フィニッシュを目指して戦った。今後はオクタゴンで戦っていきたい」と話し、足を引きずってドレッシングルームに戻った。


The post 【DWCS S08 Ep03】カーフで削られたピッチニーニが、組みに来たダフィーを逆転スプリット判定勝ち first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 AB DWCS DWCS S08 DWCS S08 Ep03 LFA MMA MMAPLANET o UFC YouTube アダム・ブラムハルド アンドレイ・プリャエフ ジャック・ダフィー ダナ・ホワイト ボグダン・グラッド マイケル・アズウェル マチュー・デュクロ マルコム・ウェルメーカー マルコ・トゥーリオ リアム・アンダーソン

【DWCS S08 Ep03】D1全米✖3度のピッキニーニ×アルファメール所属ダフィー。出直しトゥーリオは??

【写真】打撃の使い方もミソとなる柔術&レスリングのダフィーとD1×3度のオールアメリカンレスラー=ピッキニーニのフライ級戦(C)Zuffa UFC

27日(火・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスでDana White’s Contender Series第3週が開催される。
Text by Manabu Takashima

2週連続で4人選手がUFCとの契約があったシーズン8だが、反面ダナ・ホワイトは出戻り組に「経験を積めといったのに、この間1試合しか試合をしていない」とケージに上がるまでの動向にも触れて不合格とした非情さも見せている。当日のパフォーマンスの出来不出来でなく、過去1年の試合数を問われてしまうのであればオファーしたこと自体に問題があるのではないかと突っ込みたくなってしまうが、これはもうダナが今週からの出場選手に発破をかけた言葉と受け取って間違いないだろう。


そんな第3週もMMAPLANET的には第1試合、そしてフライ級のマッチアップに注目したい。ペルヴィアン・シュートボクセ戦士ホセ・オチョア、UFCを僅か1戦でリリースされ仕切り直しの機会が与えられたミッチ・ラポーゾら2人の欠場を受けて出場が決まったニック・ピッキニーニはキャリア6勝0敗で内3勝はFury FCで挙げた勝ち星だ。

6つの勝利の内訳は5つの一本勝ちと1試合の判定勝ちというフィニシャーは、オクラホマ州立大時代にD1レスリングで3度のオールアメリカンを獲得している。そのフィニッシュはRNCと肩固めに限定されており、ダブルレッグからテイクダウンして削っていくスタイルだ。対して、ダフィーはレスリングと柔術の融合体MMAという特色があり、チーム・アルファメール所属らしく激しい動きの試合が信条だ。躍動感あるアグレッシブなファイトを展開するという部分では、ピッキニーニよりもダフィーはUFC首脳好みのファイターといえる。

ダフィーのレコードは7勝0敗でTKO勝ちが2つ、一本勝ち4つで動きのなかでポジションを奪取し、フィニッシュを狙う。右を見せてのダブルレッグは遠い距離でも、近距離でも抜群のタイミングを誇っており、パンチにつられるとD1オールアメリカンでも倒される可能性がある。

スクランブルのなかでバックを制するや、ダフィーはレスリング的にはなく柔術的なポジションを展開するファイターともえいる。仕掛けと動きの多さで、ピッキニーニの好守に通じる軸の強さを攻略できるか。打撃を使えるという部分でパワフルなのはピッキニーニだが、被弾して腰が落ちた時もある。打と組みの連動はダフィーが上だと予想できるが、果たして。

第2試合のバンタム級に出場するアダム・ブラムハルドは英国のCaged Steelなるプロモーションのバンタム級チャンピオンでベースはムエタイ、首相撲を上手くMMAに生かしている。対してパワーウェルラウンダーのマルコム・ウェルメーカーはConflict MMAのバンタム級王者で、キャリア7勝のうち5つのフィッシュ勝利を手にしている──ものの、チャンスを掴むまでは相当に慎重な部分がある。コンテンダーシリーズという舞台を意識しすぎると、自身のリズムを見失う様なファイトになるやもしれない。

より積極的に動くことが求められているのが、第3試合のミドル級戦でフランスのマチュー・デュクロと戦うマルコ・トゥーリオだ。トゥーリオは去年のDWCSで判定勝ちを収め、戦績を10勝1敗としたが、積極性が欠けるとサインに至らなかった。

その後はLFAブラジル大会で右ストレートから、パウンドアウトで勝利している闘莉王。丁度1年前に契約がお預けとなったトゥーリオのファイトスタイルに、どれだけの変化が見られるか。積極性とフィニッシュを要求するダナの言葉が、マジックワードのごとくファイティング・スタイルに変化をもたらすのか。人の根底にあるモノは変わらないのか。非常に興味深い。

■視聴方法(予定)
8月28日(水・日本時間)
午前8時~UFC FIGHT PASS

■ DWCS S08Ep03対戦カード

<ミドル級/5分3R>
アンドレイ・プリャエフ(ロシア)
リアム・アンダーソン(米国)

<フェザー級/5分3R>
マイケル・アズウェル(米国)
ボグダン・グラッド(オーストリア)

<ミドル級/5分3R>
マルコ・トゥーリオ(ブラジル)
マチュー・デュクロ(フランス)

<バンタム級/5分3R>
マルコム・ウェルメーカー(米国)
アダム・ブラムハルド(米国)

<フライ級/5分3R>
ジャック・ダフィー(米国)
ニック・ピッキニーニ(米国)

The post 【DWCS S08 Ep03】D1全米✖3度のピッキニーニ×アルファメール所属ダフィー。出直しトゥーリオは?? first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 MMA MMAPLANET o Special UFC カマル・ウスマン クレイ・グイダ コナー・マクレガー コルビー・コヴィントン ショーン・オマリー ダナ・ホワイト ネイト・ディアス ベラル・モハメッド ベンソン・ヘンダーソン レオン・エドワーズ 大沢ケンジ 柏木信吾 水垣偉弥

【Special】月刊、水垣偉弥のこの一番:7月 エドワーズ×モハメッド「モハメッドの良さを伝えたい」

【写真】決して派手なスタイルではない。だからこそモハメッドの試合にはMMAの奥深さが詰まっている(C)Zuffa/UFC

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画。背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。
Text by Takumi Nakamura

大沢ケンジ、水垣偉弥、柏木信吾、良太郎というJ-MMA界の論客をMMAPLANET執筆陣がインタビュー。今回は水垣偉弥氏が選んだ2024年7月の一番──7月27日に行われたUFC 304「Edwards vs Muhammad 2」のレオン・エドワーズ×ベラル・モハメッドについて語ろう。


――7月の一番として、レオン・エドワーズ×ベラル・モハメッドのUFC世界ウェルター級選手権試合を選んでもらいました。この試合を選んだ理由を教えてもらえますか。

「僕はモハメッドの地味強感が好きというか、彼はフィジカル的にすごく優れているわけでもないし、リーチが長かったり、なにか特徴があるわけでもない。バックボーンはレスリングですが、決してエリートレスラーというわけでもなくて、そういう選手がMMAファイターとしてUFCのトップ戦線で戦っている。しかもフィニッシュするのではなくて、5Rフルに使って戦って勝つというのが非常に僕好みですね。

今回はエドワーズ相手にモハメッドの良さがすごく出ていて、こういう試合をみなさんに伝えられたらなと思って選びました。おそらくもっと派手な試合、例えばエドワーズのKO勝ちを期待したファンの方も多いと思うんですけど、僕的には見たいものを見ることが出来た試合です」

――この取材前にモハメッドのプロフィールを調べたら、モハメッドは高校時代にレスリングをやっていたくらいの経歴なんですよね。それで開始早々にモハメッドがテイクダウンするという展開でスタートしました。

「まずそこがすごく驚きました。エドワーズのここ数戦を見て カマル・ウスマンやコルビー・コヴィントンといったテイクダウンが強い相手に対して(エドワーズは)はほとんどテイクダウンを許してないんですよ。そのエドワーズ相手にモハメッドは開始早々テイクダウンをとってるんですよね。その作り方もすごく上手いですし、この最初のテイクダウンが活きて、その後のラウンドも有利に試合を進めていくので、試合の作り方の上手さも感じました。

もちろん1個1個の格闘技の技術もバランスよく使うものは持ってるんですけど、それ意外の部分での試合巧者というか、相手の心理を読むというか。そういう心理戦がすごい上手いんじゃないかなと思います。それがまさに最初のテイクダウンで、あれはほぼファーストコンタクトに近いようなタイミングでのタックルでしたが、おそらくエドワーズはああいうタックルはが来るとは思っていなかったと思います」

――結果的に最初にモハメッドがテイクダウンを取ったことで、エドワーズはモハメッドのテイクダウンを警戒せざるをえなくなりましたよね。逆にモハメッドはテイクダウンだけでなく打撃でもいけると踏んだと思いますし、まさにあの一発目のテイクダウンが25分間の試合の流れを決めたと思います。

「そうなんですよ。エドワーズはいきなり予想外のタックルに入られて、焦ってテイクダウンを取られてしまった。 それで打撃・スタンド勝負でも、モハメッドは楽になったと思うんですよね。それで1Rの終わりぐらいにモハメッドが打撃をまとめるシーンがあるんですよ。あれはおそらくエドワーズがテイクダウンを警戒して自分の打撃ができなかったところに、モハメッドがパンチを当てて、明らかにエドワーズが嫌がったんです。

ここでモハメッドは打撃で攻めるんじゃなくて、もう一回タックルに入るんですよ。で、そこでもまた1発でテイクダウンを決めました。そういった試合運びの巧さというかクレバーさ。フィッシュを狙うファイターであれば、打撃であそこまで行けたら そのまま打撃で行くと思うんですよね。でもそこで自分がやることを明確にして、打撃からテイクダウンに切り替えることが出来る。相手が打撃を嫌がって意識が上に行ったら、タックルに行くという。そこをパっと切り替えられることの凄さですよね」

――またモハメッドは上(打撃)と下(テイクダウン)の散らしが絶妙ですよね。

「僕もモハメッドのテイクダウンの何がいいのかを考えて、僕は理由が2つあると思うんですよ。まず1つは位置取りですよね。モハメッドはたまにスイッチを使いながら、 ナチュラルに相手にケージを背負わせるんですよ。それで相手のバックステップを殺しておいて、パンチかタックルの2択にして、パンチを散らしてタックルって入っていますよね。あともう1つは左手=前手の使い方がすごく上手いです。ジャブだけじゃなく、アッパーも打ったり、左のパンチを散らすことができる。その2つの要素がモハメッドの試合の作りにすごく関係している気がします」

――エドワーズからすると知らないうちにケージに詰められていて、打撃を散らされてテイクダウンに入られていたわけですね。

「おそらく打撃の1発はそんなにないと思うんですよね。いざ打てば強いかもしれないですけど、そういう打ち方をしていない。相手としては(モハメッドのパンチを受けて)これなら大丈夫かなと自然にステップしていたら、いつの間にかケージを背負っていって『あっ!』と思った時には、目の前で左のパンチを散らされている。今度はそれを鬱陶しいなと思ったら、タックルに入られているみたいな。そういう作りが完成されている気がします」

――技術的なところで言えば、股下で腕をクラッチして相手を持ち上げるテイクダウンが目立っていました。

「僕はあれをクレイ・グイダ・スローと呼んでいるんですよ。クレイ・グイダがネイト・ディアスを投げた時の技があれだったので(笑)」

――確かにクレイ・グイダがやっているイメージがあります(笑)。

「ハイクロッチから股下でクラッチして持ち上げる技なんですけど、あれはサクラバアームロック(キムラロック)を取られた時のカウンターでやると有効なんですよね」

――モハメッドはバックを取った時でも、すぐに両足フックせずにレスリング的なコントロールで上手く時間を使っていました。

「時間の使い方もすごい上手いですよね。バックキープはしつつも、あまりそこには固執せず。下になったシーンもありましたけど、基本的にはもう1回上を取りに行っている。あの辺りのポジションコントロールも、いい意味でフィニッシュにこだわりすぎていない。 本人もインタビューで言っているように、ドミネイトして制圧して強さを見せることが好きなんでしょうね。僕もそういう戦い方は好きですね」

――しかもそういった試合運びをエドワーズにやったことがすごいと思います。

「エドワーズはウスマンやコビントンのテイクダウンを切って、逆にテイクダウンするぐらいの選手なので、このレスリング力で、あの打撃があったら、なかなか崩せる選手はいないだろうなと思っていたところで、モハメッドが開始早々にテイクダウンを取って。モハメッドがMMAというものを見せてくれた感じがして、すごくよかったです」

――年齢的にも36歳での王座戴冠でした。

「階級がウェルター級なので、軽量級よりも多少は競技寿命が長いと思うのですが、身体能力に頼った戦い方ではないですよね。反射神経や瞬発力に頼らず、試合運びや駆け引きを武器として戦ってる選手なので、基本的な技術プラス試合作りが上手いですよね。その試合作りで言うと、3Rにエドワーズにバックを取られた時点で、僕はモハメッドがラウンドを捨てたような印象があるんですよ。このラウンドを取られてもいいから、体力回復にあてよう、みたいな。だから僕は5Rこそモハメッドの良さが出る気がしています」

――ポイントを計算できるからこそ、そういった戦い方もできる、と。

「3Rも最初はモハメッドが攻めに行って、スクランブルの攻防でバックを取られちゃって、その瞬間に、フィニッシュさえされなければいいやと思ったんじゃないのかなと。僕は見ていてそう感じていて、そういったラウンドを捨てる潔さもいいなと思いました。

例えなハビブ(・ヌルマゴメドフ)の過去の試合を見てみると、試合中に休むんですよね。1・2Rを明確に取ったら3Rは休む、みたいな。ただハビブの場合はポジションを許して休むのではなくて、攻めのテンションを一旦落ち着けて休むみたいな戦法で。モハメッドの場合は先に攻めたんだけど、守勢に回る展開になって、そこで休むことを選択したように見えました。そこでの切り替えの良さというか、すごくクレバーだなと思いましたね」

――なるほど。3Rはサブミッションさえ凌いで休めればいいという判断だったんですね。

「僕はそう思いました。バックを取られて相手に首を絞められたり、うつ伏せで潰されてしまうとダメですが、モハメッドのようにエドワーズを下にして、自分が天井を見ているような状態でバックを取られている分には強い打撃をもらうことはないと思うんです。

だからダメージもそんなに受けないし、サブミッションだけ気をつけていれば意外に疲れないのかなと。もちろん寝技が超一流の相手にバックを許して休むのは危険ですけど、エドワーズからはそういった危険を感じなかったと思うんですよね。だから一本を取られないようにディフェンスして、休もうという感覚もあったのではないかと思います」

――少し話題はずれますが5Rにモハマッドがバックを取っていて、最後の最後にエドワーズが正対して肘で流血させたじゃないですか。ああいう展開でエドワーズにポイントが入ることもありえそうですね。

「それはあると思います、ダメージ重視の視点でいくと」

――バックを取られて相手に攻めさせないで守るというのも戦法の一つとしてありえるのかなと思いました。

「自分と相手の技量を比べて極められない自信があって、ポイント的にもリードしているという、非常に限定されたシチュエーションにはなりますけど、5Rマッチであればそういう選択もありなのかもしれません。

もちろんモハメッドがバックを取られた状態から粘るのが得意だったのかもしれないし、その辺も含めて自分が持ってる引き出しと使い方、それを完全に熟知して戦っていると思います。ずば抜けて特別なものを持った選手ではないけれど、自分が持っている引き出しをどう使えばいいかを分かっている。だから勝つ。そういう選手なんだと思います。僕もそういう戦い方をしたかったので、モハメッドにはすごく惹かれますね」

――今のUFCチャンピオンの顔ぶれを見ると、また新たな個性を持ったチャンピオンが誕生しましたよね。

「ぶっちゃけ人気は出ないと思うんですよ(笑)。PPVが売れなくて、ダナ・ホワイトがキレる姿を想像しちゃいますけど、間違いなく通好みの選手ではあるので。MMA好きはチェックすべき試合、選手だと思います」

――確かに派手さはないかもしれませんが、例えば選手サイドからすると参考になる点が多い選手かもしれませんね。

「この企画でも以前話したことですが、教科書にしていい選手としちゃいけない選手がいて、ショーン・オマリートやコナー・マクレガーを真似するのは相当難しいと思うんです。そういう選手に憧れる気持ちは分かりますが、僕のような凡人が(笑)憧れる選手、見本とする選手は今回のムハマッドだったり、僕は結構ベンソン・ヘンダーソン戦い方が好きだったんですけど、そういう真似できる可能性がある選手を見るべきだと思いますね」

The post 【Special】月刊、水垣偉弥のこの一番:7月 エドワーズ×モハメッド「モハメッドの良さを伝えたい」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 DWCS DWCS S08 DWCS S08 Ep02 MMA MMAPLANET o UFC アンドリアス・グスタフソン キック コーテヴィアス・ロミアス ダナ・ホワイト トーレス・フィニー

【DWCS S08 Ep02】興味深い!! グレコムエタイのグスタフソン。ハッドン、ロミアス、クニエフらとUFCへ

<ウェルター級/5分3R>
アンドリアス・グスタフソン(スウェーデン)
Def.2R3分20秒by TKO
パット・ピトリック(カナダ)

開始直後にパンチを交換し、ボディロックからテイクダウンを決めたグスタフソンがスクランブルでバックに回る。腿や臀部、ワキ腹にヒザを受けたピトリックが胸を合わせる。力強いグレコローマンレスリングを見せるグスタフソンはピトリックにスペースを与えない。グスタフソンはクリンチから左エルボーを2発入れ前方にピトリックを崩す。立ち上がったピトリックだが、ケージに押し込まれた状態が続く。

ピトリックはようやく体を入れ替えて離れることに成功する。しかし、直後にパンチを振るって前に出たグスタフソンが左腕を差してケージに押し込む。スペースを作ったピトリックは首相撲からヒザをボディに突きさし、左をヒットさせた。直後に組みに出たグスタフソンだが、ラウンドを失った可能性もある。

2R、すぐに組んでヒザを繰り出すグスタフソン。それでも初回よりルーズになっており、ピトリックもヒザを返す。グスタフソンはヒジを打ち、ピトリックが首相撲からヒザ、アッパーを打ち返す。マウスピースを吐きだしたグスタフソンは、ブレイク後にアッパーを被弾する。必死でクリンチに持ち込むグスタフソンがクリンチアッパーへ。離れたピトリックはサークリングを駆使し、右ストレートをカウンターでヒットさせる。

グスタフソンは直後にクリンチに持ち込むが、相当に疲れている。それでも一瞬にして、ピトリックの姿勢を崩してヒザを顔面に突き上げる。ここから2発、3発とヒザを続け、ピトリックが腰から崩れ落ちるを見て急ぎレフェリーが試合を止めた。グレコ&ムエタイ、非常に興味深いスタイルで勝ったグスタフソンは「レスリングでテイクダウンを奪って、グラウンドでフィニッシュしようと思っていたけど思った以上にタフだった」と語った。

そして、合否の発表へ。「個人的には、望んだ夜はならなかった」とダナ・ホワイトは、まずコディ・ハッドンに合格を言い渡すが、トーレス・フィニーは「去年もここにいて、私は経験をもっと積むことを勧めた。君は才能に溢れ、9勝0敗のレコードを持つ。ただし、この1年間で1試合しかしていない。UFCの求めることを軽く見ているのだろうか。去年のほうが今夜よりも良いパフォーマンスだった。25歳で素晴らしい才能の持ち主だ。今年は3、4試合戦ってから戻ってきて欲しい。3Rにガスアウトした……経験を積むということは1試合じゃないんだ」と2年連続の勝利も、契約に至らなかった。

コーテヴィアス・ロミアスには「この機会を与えたことは、本当に正しい判断だった。打撃、テイクダウン能力、全てを見せてもらった。素晴しい才能を天から与えてもらっている。だから、ファイトIQについて問いたい。何度も試合を終えることができていた。ボディキックで試合が終わったと思った。もう1、2発ボディを殴っていれば。なのに、ラウンド中全くボディを攻撃しなかった。でも才能に満ちたファイターなんだ。何ができれるのか、見たい。だからチャンスを与える。おめでとう」と話す。ダナの言葉にローラーコースターの乗っているような心境だったに違いないロミアスは、満面の笑みを浮かべた。

リズワン・クニエフも「カビブのプロモーションのチャンピオンだ。我々はいつもヘビー級のファイターを欲している」とUFC行きが決定。最後にグスタフソンに向けて、ダナは「いつも言っているように我々は30歳以上の競技者を求めていない。パットの方に期待をしていたんだ。それに今日の君の作戦は少し奇妙だった。エキサイティングではなかった。でも、最後の攻撃で君はキラーで、サベージであることを示した。UFCでの試合を与えたい」と話し──先週に続き、今週も4人のファイターがUFC行きを決めた


The post 【DWCS S08 Ep02】興味深い!! グレコムエタイのグスタフソン。ハッドン、ロミアス、クニエフらとUFCへ first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
AB o UFC キック ギャビン・タッカー ダナ・ホワイト ドン・シェイニス

UFC305:第4試合・ジャック・ジェンキンス vs. ハーバート・バーンズ

フェザー級。ここからオセアニア勢 vs. ブラジル勢の試合が5試合続く。

地元のジェンキンスはコンテンダーシリーズでUFCと契約し、昨年2月のパース大会でUFCデビュー。UFC0勝1敗のドン・シェイニスに判定勝ちした。6月の2戦目はジャマール・エマース相手に僅差判定勝ち。昨年9月のオーストラリア大会では、柔道バックボーンのチェペ・マリスカルと対戦し、投げられた際に手をついて肘を脱臼してTKO負けでUFC初黒星。そこから11ヶ月ぶりの復帰戦となる。カーフキックが武器のストライカーで、コンテンダーシリーズで勝った際には、ダナ・ホワイトからは「一芸が武器のワントリック・ポニー」と評された。31歳。

当初の相手ギャビン・タッカーの欠場により、約20日前にバーンズの出場が決まった。

ギルバート・バーンズの弟ハーバードだが、UFCデビューから2連続フィニッシュ勝利の後、3試合連続フィニッシュ負け。試合間隔も開いており、前回の勝利から4年以上勝てていない。膝の靭帯の負傷明けでの復帰戦では、試合中にまた膝を痛めてTKO負け。今年3月の試合でも、試合中膝を押さえて倒れ込む場面があり、その後はタックルを切られて引き込む展開で2Rに戦意喪失してのTKO負け。特に負傷はしておらず、今回は5ヶ月インターバルでの復帰戦となるが、内容が悪すぎたため、オッズではレイエスに続く今大会2番目のアンダードッグとなっている。柔術黒帯で極めが強いグラップラー。36歳。

バーンズが打撃で出る。ジャブ、ミドル。ジェンキンスもワンツーを返すが、バーンズ下がらない。ジャブの刺し合い。バーンズがカーフキック。左をヒットさせたジェンキンスジェンキンスの連打がヒット。ケージ際まで詰めた。バーンズが出てくるところにジャブをヒット。またジャブ。ケージ際から抜け出せないバーンズ。左ボディをもらったバーンズ。さらに右フックを入れるジェンキンス。ちょっと弱気になったバーンズ。逆にガンガン打ち込むジェンキンス。バーンズタックル。切られて引き込むが、付き合わず立ったジェンキンス。スタンドに。すぐプレスされケージを背負うバーンズ。またパンチが顔面を捕らえる。ジェンキンスラッシュ。しかしバーンズタックルで飛び込みテイクダウン。ハーフで押さえ込んだ。残り1分。しかし密着したまま時間が過ぎる。細かい打撃を入れるのみでホーン。

1Rジェンキンス。せっかくテイクダウンしたバーンズだが、そこから攻めず。

2R。すぐ詰めるジェンキンス。バーンズ逃げ気味のタックル。切られて引き込むが、当然付き合わないジェンキンス。スタンドに。もうバーンズの負けパターン。ジャブを突くジェンキンス。カーフキック。足が流れたバーンズ。しかしダブルレッグで飛び込んでテイクダウン。すぐハーフに。肩固めをセットするが外れた。足関!ストレートフットロック。が、足を抜いたジェンキンスがすぐ立ち上がって上に。パウンドを入れるが、離れて足を蹴る。ブレイク。バーンズ、ブレイク後の立ち上がりが遅い。またタックル。もう最初から引き込みありきで下に。それでもクローズドの中に入れることには成功したバーンズ。ジェンキンスインサイドから密着したままパウンド。バーンズがニーシールドで距離を作ると離れて立つ。ブレイクがかかりスタンドに。ジェンキンスボディブローから右フック。嫌倒れ気味にダウンしたバーンズ。ジェンキンスは深追いせず立った。カーフを蹴るジェンキンス。バーンズタックル→引き込み。付き合わないジェンキンス。カーフ。効いてる。タックル→引き込み。もはや攻めというより護身。ホーン。

2Rジェンキンス。バーンズはもう戦意喪失に見えるが、セコンドが檄を飛ばす。

3R。バーンズタックル。切られたが今度は引き込まずに首相撲。が、ヒザを出すとローブローに。再開。またカーフを入れたジェンキンス。効いた。バーンズタックルから引き込み。ジェンキンスパウンドラッシュ。打たれているバーンズ。ジェンキンス離れた。ブレイクがかかるが立てないバーンズ。ダメージもあるのかもしれないが、もう戦意喪失している。レフェリー止めた。

やはり心が折れていたバーンズ。またこの負け方。次のチャンスはなさそうな戦いぶりだった。

カテゴリー
45 DWCS DWCS S08 DWCS S08 Ep01 K-1 MMA MMAPLANET o UFC キック ダナ・ホワイト ブルーノ・ロピス マンスール・アブドゥルマリク ラミ・ハメド

【DWCS S08 Ep01】アブドゥルマリク、乱戦も一気にヒジでTKO。カヴァナ、デルカド&ロピスとUFCへ

<ミドル級/5分3R>
マンスール・アブドゥルマリク(米国)
Def.2R3分55秒by TKO
ウェズ・シュルツ(米国)

D1レスラーのアブドゥルマリクに対し、シュルツはD3レスラーだ。ジャブで詰めるアブドゥルマリクに対し、蹴りを多用するシュルツ。構わず前に出たアブドゥルマリクはワンツーからスリーと、フックを振るう。間合いを取り直しフックで詰めたアブドゥルマリクに対し、嫌がったようにシュルツがシングルレッグへ。切ったアブドゥルマリクのバック狙いを前方に落とし、逆にシュルツがバックへ。すぐに胸を合わせて離れたアブドゥルマリクは右を当てる。ハイからスピニングバックキックを見せたシュルツは、逆に左ハイを蹴られてダブルレッグから引き込む。

クローズドの中でアブドゥルマリクは腰を上げ、三角狙いを防いでパスへ。バタフライガードを取ったシュルツはパンチにレッスルアップでスタンドに。既に疲れた感のあるシュルツに対し、アブドゥルマリクは左ストレートから左ハイを繰り出す。回転系の蹴りやワンツーという攻撃も、威力が感じられないシュルツはスピニングバックフィストも、右を当てた直後に左を被弾して初回が終わった。

2R、左ミドル&右ハイのシュルツ。アブドゥルマリクも左ハイを返して、ジャブを伸ばす。アブドゥルマリクは慎重に攻めるが、右回りに後ろ回し蹴りから左を被弾する。ダブルレッグを切ったアブドゥルマリクはとにかく荒いシュルツのパンチを被弾し、ダブルを切ってもスイッチでバックを許す。離れたアブドゥルマリクにダブルレッグを決めたシュルツが、サイドバックで左のパウンドを連打する。

アブドゥルマリクは立ち上がりきれず、崩されパンチ&ヒザを受ける。立って離れたアブドゥルマリクはジャブを入れ、右ストレート。シュルツのシングルを切ってパウンドを打ち込む。ダブルに切り替えて、股間の下から後方へのフリップを潰されたシュルツは、シングルも防がれバックからフォールを奪いに来たアブドゥルマリクに背中をつけさせる。

そのままマウントに移行したアブドゥルマリクが、強烈な右エルボーの連打で背中を見せ――レフェリーが試合を止めると、ダナ・ホワイトが立ち上がって拍手を送る。さらにダナはケージに上がり、敗者にも「ファッ〇ン・グレートファイトだ」と声を掛けた。

慎重さが禍し、切れて強さを見せつけたアブドゥルマリクは「凄くハッピーだ。神に感謝している。チームの皆が支えてくれた。パワーは使わず、スピードとテクニックで戦った。粗いファイトだけど、こういうこともある。スタミナがないと色んな奴ら言う。でも、意味はないよ」と話し、エクストリーム・クートゥアーの面々に改めて感謝した。

そして審判の時。「5度のK-1王者、7勝0敗。4つのKO勝ち、6勝0敗の相手に最高のKO勝ちを収めた。Get Over Here」とロニー・カヴァナが合格。続いてホゼ・デルガドは「最高のウェルラウンダーだ。ショートノーティスでアゴも強かった。全てを兼ね備えている」と絶賛され、契約へ。

続いてブルーノ・ロピスが「31歳に見えない。殺傷能力がある。ボディショットのKOも良いし、君の物語も好きだ」と言われたのに対し、ラミ・ハメドは「君が何者が見せないといけない。今日はそうじゃなかった」と契約は見送られる。最後にアブドゥルマリクは「テストに受かった」と笑顔を迎えられ、4人の勝者が最高峰へのステップアップを決めた。


The post 【DWCS S08 Ep01】アブドゥルマリク、乱戦も一気にヒジでTKO。カヴァナ、デルカド&ロピスとUFCへ first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
AB o UFC キック ダナ・ホワイト ニック・ディアス

UFC on ABC7:セミファイナル・シャラ・マゴメドフ vs. ミハル・オレクシェイチュク

ミドル級。

隻眼ファイターシャラマゴ。ちゃんとしたコミッションがある場所では試合許可が降りないと言われ、ダナ・ホワイトが中東のみで試合を組むと明言しているが、今後もずっとそうなのか。前回は6月22日のサウジアラビア大会で、代役初参戦のアントニオ・トロコリに組みで劣勢な展開から、2R以降は打撃で攻勢となり3RKO勝ち。組みに穴があるままではタイトル戦線まで上がるのは厳しいと思われる。30歳。

オレクシェイチュクも6月に試合をしてからインターバル約2ヶ月での出場だが、こちらは前回KO負けで、今年に入ってから2試合連続秒殺KO負け。相手がランカークラスのミシェウペレイラとケビン・ホランドなので仕方がない部分もある。UFC7勝6敗1NCで、7勝のうち6KO・6敗のうち5一本負けと、こちらも打撃が強く組みに穴がある。29歳。

下がりながらローを蹴るマゴメドフ。しかしマゴメドフの蹴りに合わせたオレクシェイチュクのパンチがヒット。バランスを崩して倒れたマゴメドフだがすぐ立つ。どんどん詰めるオレクシェイチュク。ケージを背負うマゴメドフ。テンカオ。左ボディを入れたオレクシェイチュク。ケージ際から逃さないオレクシェイチュク。下がりながらパンチを返すマゴメドフ。テンカオ・サイドキックを返すマゴメドフ。左ハイ。しかし受け止めたオレクシェイチュクが左を入れる。オレクシェイチュクのヒザに合わせて組み付いたマゴメドフだが、引き剥がしたマゴメドフ。マゴメドフバックブローからテンカオ。ハイはブロックしたオレクシェイチュク。間合いが近い。逃さないオレクシェイチュク。回り込んでパンチを入れる。右ボディを入れたマゴメドフ。ホーン。

1Rややマゴメドフ。

2R。すぐに圧をかけるオレクシェイチュク。下がりながらワンツーを入れたマゴメドフ。オレクシェイチュク組んでボディロック。引き剥がしたマゴメドフ。なおも詰めるオレクシェイチュクに右がヒット。前に出る圧が止まったオレクシェイチュク。マゴメドフ右ボディから左フック。オレクシェイチュクもボディを返して出る。打ち下ろしの右からハイキック。しかしキャッチしたオレクシェイチュク。倒すとバックについた。時間がない。チョークを狙うがワンハンドのみ。ホーン。

2Rマゴメドフ。

3R。すぐに詰めるオレクシェイチュクだが、マゴメドフは距離を取りながらサイドキック。ジャブ。オレクシェイチュクの左フックはブロック。詰めていくオレクシェイチュクだが、サークリングするマゴメドフを捕らえきれない。サイドキックを顔面に入れたマゴメドフ。首相撲からのヒザ連打から左ハイ。右ハイ。キャッチしたオレクシェイチュクがテイクダウン。すぐ立ったマゴメドフをまた倒そうとするが、ケージを使ってこらえたマゴメドフ。オレクシェイチュクタックル。シングルレッグでテイクダウン成功。下から殴るマゴメドフ。ヒジ。オレクシェイチュクもインサイドからパウンドを入れるが、フィニッシュが必要。マゴメドフ下からヒジ連打。タイムアップ。

30-27×2、29-28の3-0でマゴメドフがUFC3連勝。

次はランカーと見たいが、オレクシェイチュク相手にもテイクダウンを取られるなどスタンドレスリングには穴があるので、まずはストライカー対決が見たい。

試合後のインタビューでは、当初出場予定だったニック・ディアスと10月のアブダビ大会で戦いたいとアピール。階級が違うが…。

カテゴリー
45 LFA LFA189 MMA MMAPLANET o UFC ダナ・ホワイト ナターシャ・クジウチナ ブルーナ・エレン ボクシング

【LFA189】暫定女子ストロー級王者クジウチナ、柔道色が強い投げと抑えでエレンを破り初防衛に成功

<LFA暫定女子ストロー級選手権試合/5分5R>
ナターシャ・クジウチナ(ロシア)
Def.3-0:50-45.50-45.49-46
ブルーナ・エレン(ブラジル)

右カーフを蹴ったエレンが、左ミドルも繰り出す。慎重なクジウチナは右ローから前に出るが、エレンが右を当てる。エレンはローで詰めてくるところでショートのフックのコンビで突き放していたが、逆に右ストレートを伸ばした瞬間に組まれる。左腕を差して思い切りダーティボクシングで連打したクジウチナが、一旦間合いを取り直す。右に回るクジウチナに対し、うかつに距離を詰めることができなくなったエレンは左フックを被弾する。

遠い距離でロングフックを伸ばすエレンだが、当たっても怖くないためにクジウチナもパンチを返していく。エレンのワンツーに組んだクジウチナは、離れ際のパンチに逆にフックを食らう。スリップしたエレンに組みついたクジウチナがケージに押し込み、クリンチアッパーを突き上げる。オーバーフックでクジウチナが殴り、腕を抜いたエレンが離れる。残り10秒を切り、クジウチナがシングルレッグでテイクダウンを決めた。

2R、エレンが右に回るクジウチナに右ボディストレートを伸ばす。続いて左ミドルを蹴ったエレンが、クジウチナが前に出られないよう工夫した攻撃を続ける。そして回るクジウチナに右フックを当てる。続いてワンツーの右ストレートを受けたクジウチナは、左ハイをかわして左フックも、エレナのペースになっている。クジウチナはパンチを出す際に、アゴがあがって空いており非常に危ない。

それでも一気の寄りから組みついてケージにエレンを押し込むと、一旦は左右のフックを見せて組み直す。ヒザをボディに連続して入れ、右のダーティーボクシングに切り替えたクジウチナはヒザを突き刺して離れる。続くテイクダウン狙いを切られたクジウチナは、後頭部を殴られ。立ち上がったところで、間一髪右フックをかわした。後頭部へのパンチに抗議するクジウチナだが、これはかわして後頭部を見せたために当たっただけで、エレンに過失はない。

3R、互いに間合いを測るなか、エレンが左ジャブを伸ばす。組むまでに時間が掛るクジウチナだが、右のカウンターを当て左をフォローする。エレンもワンツーをフックをヒットさせ、左ボディフックに繋げる。両者とも手数が少なかったが、左フックから組んだクジウチナが一気に頭を抱えて背負い投げを決めて、袈裟&左腕を制してパンチを落とす。細かいパンチを受けながらバックを取ろうとするエレンは。ワンフックで体を起こして、上下を入れ替えるとバックに回る。しかし、頭を抱えられたままで追撃を見せることはできず

4R、これまでと同様に組む機会を伺うチャンピオンは、右に回りながら左を伸ばす。と、エレンの右を当てられるとヒザをついたクジウチナだが、これはテイクダウンを狙ってレベルチェンジのタイミングだけだったか。すぐに立ち上がり、左リードフックをヒットさせたクジウチナが続いてジャブも当てる。エレンは狙い過ぎか、手数が少ない上に右ストレートに組まれてヘッドロックに取られる。

エレンは投げられる前に離れ、シングルレッグは余裕を持って切る。その後もエレンは追いかけるが、手が少ない。再びシングルの仕掛けに右を合わせていったエレンだったが、残り1分を切った時点でクリンチから、首を抱えられ崩される。今度は頭を抱えず、リバースハーフでトップを取ったクジウチナはバックは許さなかった。

最終回、組の圧を強めたクジウチナが、ジャブを当てカーフを蹴る。エレンは組まれないようパンチを当てようとするが、これではダメージを与えることは難しい。加えて動きが大きくなり、クジウチナが反応できている。かわすだけでなく、カウンターを入れるクジウチナだがスピニングバックフィストは空振りに。それでもジャブ、前蹴り、カーフと手数で上回るチャンピオンは、エレンのロングフックに左を当てる。連打で前に出るクジウチナ、フォームは良くないが攻める姿勢を見せている。

さらにクジウチナは組んでケージに押し込む。離れたエレンだが、勝負を賭けた距離にはいれずまたも組まれて投げを許しつつバック狙い。ヘッドロックに捕えたクジウチナは、右のパンチを落としつつタイムアップを迎えた。

結果は文句なしで、3-0でクジウチナが判定勝ち──「勝てたことは嬉しいけど、内容は満足していない。防御ともに打撃の練習をして来たけど、エレンは思った以上にタフだった。1カ月前に体調を崩し、1カ月しか準備期間がなかった。次? UFCで戦いたい。ダナ・ホワイト、サインしてほしい」とマイクで話したが、UFC、いやコンテンダーシリーズで戦う機会を得らえるなら、打撃以前にテイクダウンのバリエーションを増やすはあるだろう。


The post 【LFA189】暫定女子ストロー級王者クジウチナ、柔道色が強い投げと抑えでエレンを破り初防衛に成功 first appeared on MMAPLANET.