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【Special 】K-MMA、2023年・秋。原口央戦後のキム・スーチョル「ギロチンは手応えがありました」

【写真】大会終了後、夫人と7カ月の長男ジウ君とファミリーショット(C)MMAPLANET

日本と韓国、MMAにおいても永遠のライバルである両国。Road FCを頂点とするK-MMA国内シーンは規模的には日本のRIZINのようなビッグステージを持たない。対してUFCファイターの評価は引退したコリアンゾンビに代表されるように、韓国勢の方が高い。9月のDEEP vs BLACK COMBATで。後者である韓国の新興プロモーションの王者たちが日本の老舗団体のチャンピオンを圧倒した。日韓関係に少し変化が見られるようにもなった2023年の秋、10月の最終週に韓国を訪れK-MMAの今を歩いた。
Text by Manabu Takashima

特集「K-MMA、2023年・秋」。第一弾は10月29日(日・現地時間)、Road FC66のメイン=グローバル63キロトーナメント決勝戦で原口央を破ったキム・スーチョルの優勝直後の声をお届けしたい。

故郷のファンの熱烈なサポートを受け──4カ月で3試合目を迎えたスーチョルは、彼が期待した通りの原口の奮闘が見られた大激闘を制した。大会終了直後、原口戦を振り返り大晦日について尋ねた。


――おめでとうございます。

「アリガトウゴザイマシタ(※日本語で)」

──キム・スーチョルが圧勝するという予想が多かったなか、本当に頑張った原口選手を相手に強さを見せて勝利しました。

「なぜ、そんなに原口選手を日本の皆が軽視していたのか。そういう気持ちが大きいです。実際に日本人選手が誇るべき、粘り強さを本当に感じました」

──試合開始直後のギロチン、あの時の手応えは。

「ギロチンは極まったという手応えがありました。しっかりと入っていたので」

──では秒殺もあったと。

「ハイ。極めるつもりで絞めていました。アレを耐えるのだから、『この選手は本当に凄いな』と戦っている最中も原口選手については思っていました。あれ以上力を込めていると試合に影響が出ると思って、戦いにアジャストを加えました。

試合前から言っていたように、原口選手が準決勝でラハザリ・シェイドゥラエフと戦っていても、絶対に勝つと思っていました。それだけの実力の持ち主だと、自分は確信していました。だから今日の試合の原口選手の頑張りは自分にとっては驚きではなかったです」

──ギロチンを凌いだ原口選手は試合前の宣言通りに、テイクダウン勝負に出ました。バック奪取、スラムを受けたスーチョルですが、スタンドで左のパンチを被弾したシーンは逆に驚かされました。

※ここでイ・ゴウン夫人から「背中に負担がかかるから、立ってインタビューを受けて」と声が掛る。

「パンチの威力にも驚きました。それでも一応、急所でないところに当たっていたので。原口選手のパンチがアゴに入っていたら、ベルトは誰が巻いていたか分からなかったでしょう」

──そこまでだったのですね。とはいえ、打撃戦になるとしっかりと左ボディフックを効かせました。原口選手も一番警戒していたショットだと思われますが。

「ただ、あの時も原口選手の目は死んでいなかったです。絶対に負けないという目をしていました。同時にあの原口選手の表情を見て、嬉しくなりました」

──結果、左でダウンを奪いパウンドアウト勝利を手にしました。この勝利にはどのような意味があるでしょうか。

「原口選手のような強い選手に勝てて良かったです。自分もRIZINでは余りスポットライトが当たっていない選手ですが、選手を指導する立場となった今──彼のような強い選手と戦う姿を皆に見せることができて光栄でした。この試合内容と結果は、より良い評価を受けることができるのではないかと期待しています」

──では大晦日について、どのような気持ちでいますか。

「RIZINの大晦日大会で戦える。そのオファーを貰えるのであれば、ファイターとして光栄極まりないです。声がかかれば、メチャクチャ出たいです……ただ、今、奥さんが隣にいて、それを声高に口にすることはできないです(苦笑)」

イ・ゴウン夫人 4カ月で3試合よ。

「……。自分としては戦いたいです。ただ、この短期間でこれだけの試合をしてきたことは体の負担も大きく、奥さんが心配するのも分かります。なので、体と相談します──(ウィンクをして、小声で)必ず、戦います(笑)」

──1年振りにスーチョルの試合を日本で見たいという気持ちは当然ありますが、私の人生を振り返ると、一番の理解者の言葉に従うことが正解ではないかという想いもあります(笑)」

イ・ゴウン夫人 ほらぁ、そうでしょ!!

「……。そうですね、ごもっともです。勉強になります(笑)」

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【DEEP115】北岡悟が振り返るDEEP X BC対抗戦─02─「負けた人が考えていない感が出ちゃいました」

【写真】ユ・スヨン。この選手と交わることができることを北岡は、良いことだと言い切った(C)DEEP

9月18日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されたDEEP vs BLACK COMBATの対抗戦を北岡悟が振り返るインタビュー第2弾。
Text by Manabu Takashima

大島沙織の意外な敗北に続く、石司晃一と大原樹理のベルト流出劇に関して、北岡はどのような気持ちでいたのか。

<北岡悟のDEEP vs BLACK COMBAT対抗戦振り返り、Part.01はコチラから>


――それでも最後は足関節をパク・シユンに切り返されました。

「それは相手も組み技の技量を上げてきたということだと思います。大会が終わって青木真也さんから『韓国は柔術が盛んで、柔術のレベルは上がっている』という連絡があったんです。ちゃんと組み技も修練していて、その部分は次の試合にも表れていましたね」

――その次、ユ・スヨンが石司晃一選手に圧勝した試合になります。

「石司選手と戦ったユ・スヨンは、パンクラスに来ていましたよね。大橋悠一選手という期待されていた選手、組みができるけど殴り勝てる選手と戦ってパンチを纏めて秒殺した。しかも、結構バリバリの柔術家で。あの選手は強いですね」

――BLACK COMBATの試合を見て、ユ・スヨンは強いという認識はあったのですが。石司選手にあのような形で勝つとは思っていなかったです。

「日本でトップ10に入る実力の持ち主、石司選手はトップ5を狙うことができるトップ10の選手です。身体能力も高く、体も強い。その彼が下になってニーシールドとプッシュだけで返そうとしていたけど、普通に纏められましたね」

――ユ・スヨンの寝技のコントロール……技術力で完全に上回っていたように見えました。

「柔術でいえば青・紫帯と、黒帯の差のような上と下の攻防になりました。悪くない青帯、紫帯の動きを良い黒帯が抑えた――ような。そもそも上を取ったテイクダウンも、ハイクロッチから入って。石司選手から、あんなイージーにナイス・テイクダウン……当たり前のMMAテイクダウンを取った。凄いですよね、良い選手です」

――一部でキム・スーチョルより強いのではないかという声も挙がっています。

「それはやってみないと分からないけど、普通にRIZINのレベルであることは確かです。RIZINレベルというか、RIZINで上の方と――ベスト5と戦っても良いじゃないかという選手ですよね」

――Road to UFCに出ている韓国人選手より強いようにも見える。そういう選手を抱えることができるのは、ファイトマネーが良いから。Road to UFCに行こうとせず、BLACK COMBATで知名度を上げて、UFCを狙っているファイターがユ・スヨンだと思います。

「それは成功しているということですよね。BLACK COMBATはMMAで、Breaking Downのやっていることをしている。そういう良い選手が、DEEPと絡んでくれる。これは日本のMMAにとっても良いことです。

DEEPのチャンピオンになったのだから、防衛戦をすることになると聞いていますし。でも、めっちゃ強いですよ。ユ・スヨンは色々な日本人選手との試合が見てみたいですね」

――続く大原選手は、イ・ソンハにスロエフストレッチで一本負け。この試合はどのように捉えられていますか。北岡選手は大原選手と戦った当人ですが。

「これが一番悔しいと言っちゃあ、悔しい気がしますけど……。まぁ、しょうがないですよね。しょうがないです」

――大原選手はストライカーですが、組み技&寝技対策をしっかりとやっている選手だと思います。

「絶対にやっていますね。絶対に」

――その大原選手が仕留められた。

「まぁ、ちょっと動き方にはクエスチョンが残るディフェンスはしていました。ただし、体格的なところでまかり通っていた部分はあると思うんです。ぶっちゃけて僕の時も、テイクダウンとサブミッション・アタックはできているので……いや、自分の話はいいや(苦笑)」

――小金翔選手の対戦ではバックグラブを許し、ブレイクでスタンドに戻ったことがありました。

「上迫戦も微妙な節はありました。解説でも話したのですが、あの相手選手は、バックに回ると包めますもんね。容易に包めることができる。打撃でそこまで押しきれなかったことも、あの結果にもちろん通じているでしょうし。そこは総合力だから。結果的に大原選手には相性が良くなかったのかと。う~ん、まぁまぁまぁ――しょうがないです」

――では最終戦のヘビー級、酒井リョウ選手が腕十字でヤン・へジュンに下りました

「酒井選手は最近の試合で、良い勝ち方をしてきました。でも、総合格闘技だからね――と。解説では『ヘビー級なんで、複雑なことを考えずに』とか言っていて。そうしたら酒井選手がグワァっていくと、ヤン・ヘジュンが『ナイス・テイクダウン!!』と(笑)。で、ここからヤン・ヘジュンの抑え込みがメッチャ上手くて。ちょっと上の方で抑えているけど、ヘビー級なんで酒井選手も潜るとかできないじゃないですか。

酒井選手は後ろを向こうとしたけどできなくて。ヤン・ヘジュンは柔術的にも茶・黒の力がある。最低でも紫帯でしょう。マウント、S字マウント、腕十字と流れるような動きで仕留めました」

――試合タイムは1分32秒。防がれると下になって殴られるリスクのある腕十字をこの時間帯で狙うというのは……力の差を感じたのか。

「とにかく綺麗でしたね。しっかりと動けていますよ。まぁ、もともとミドル級の選手だったというのもあるけれど――総合格闘技ですからね」

――結果、DEEP側は最初の2試合の勝利後はチャンピオンが5連敗で完敗を喫しました。試合内容的に大島選手と戦ったパク・シユンは、大島選手の投げを許さなかった。ユ・スヨンとイ・ソンハ、そしてヤン・ヘジュンらは逆に一発で自分の形で持ち込んでいました。結果論として、対戦相手のことをしっかりと研究して、今回の試合に臨んでいたように感じました。

「いや、それは……本当はそこをやるものですからね。とにかく最初のアプローチで、やるべき形に持ち込むと差があるように感じられますしね」

――スクランブルに持ち込ませないで、コントロールして仕留めた。彼らが自分の間で戦ったのに対し、逆にパク・シユンは大島選手の間にさせなかった。

「まぁ1Rがあんな風なら、2Rからは変えないといけない。もちろん、僕らには分からない何かがあったというのは考えられますけど、普通は流れを変える戦いをしないといけないですよね。逆にいえば自分たちがラウンドを取っていると判断しているのか――ぐらいに思いました」

――韓国勢の取り組み方と、日本勢の取り組み方に差を感じた次第です。

「今回は特に、負けた人が考えていない感が出ちゃいましたね(苦笑)。負けた人たちの負け方はそうです。大島選手の敗北に関しては、韓国勢は個の力でなくて、チームの工夫で勝った。それが見えるから、パク・シユンを応援している人達からすると、熱いモノがこみあげてくる勝利ですよね。工夫や努力を感じられました」

<この項、続く>

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『ROAD FC 066』試合結果/フルファイト動画

D37 地球の歩き方 韓国 2023~2024(地球の歩き方D アジア)


▼ROAD FC グローバル63kgトーナメント決勝 5分3R
〇キム・スーチョル(韓国)21勝7敗1分
[2R TKO]
×原口 央(日本)9勝5敗
※スーチョルが63kgトーナメント優勝

▼バンタム級 5分3R
〇ヤン・ジヨン(韓国)9勝1分
[判定3-0]
×高橋謙斗(日本)7勝2敗1分

▼ROAD FC グローバル70kgトーナメント決勝 5分3R
〇アルトゥル・ソロヴィエフ(ロシア)
[1R 1分32秒 TKO]
×ムングントスズ・ナンディンエルデン(モンゴル)
※ソロヴィエフが70kg級トーナメント優勝

▼無差別級 5分3R
〇キム・ミョンファン(韓国)
[2R TKO] ※左ストレート
×シム・ゴンオ(韓国)

▼ROAD FC グローバル70kgトーナメント補欠戦 5分3R
〇ユ・ジェナム(韓国)
[判定3-0]
×ハン・ユンス(韓国)

 遅ればせながら10月29日に韓国ウォンジュのチアック体育館で開催された『ROAD FC 066』の試合結果。メインイベントの63kgトーナメント決勝はキム・スーチョルが原口央に2R TKO勝ち。高橋謙斗はヤン・ジヨンに判定負け。70kgトーナメント決勝はアルトゥル・ソロヴィエフがムングントスズ・ナンディンエルデンに1R TKO勝ちしています。





 大会フルファイト動画。続きを読む・・・
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【ROAD FC】キム・スーチョルが原口央にTKO勝利 63kgトーナメント優勝

440: 実況厳禁@名無しの格闘家 2023/10/29(日) 13:56:09.87 ID:UXhv5Mi/0NIKU
スーチョルの試合だけ見れればいいかな


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【Road FC66】原口央がスーチョルと真っ向勝負。最後は左ストレートに沈むも大奮闘

<Road FC グローバル63キロ決勝/5分3R>
キム・スーチョル(韓国)
Def.2R4分25秒 by TKO
原口央(日本)

サウスポーの原口に対し、スーチョルは前に出ながら右ストレート。原口がダブルレッグを狙うと、スーチョルはニンジャチョークで絞める。

スーチョルは原口の身体をケージに押しつけてノーアームギロチンを極めようとするが、原口は自らグラウンドで下になって脱出する。スーチョルがサイドポジションで抑え込むと、原口は脇を差してガードポジションに戻す。

身体を起こしてパンチを落とすスーチョル。原口も身体を起こして脇を差し、スーチョルの右足にシングルレッグに入ってケージに押し込む。

原口はスーチョルの奥の足を引いて寝かせつつ、スーチョルが立つ動きに合わせてバックへ。スーチョルが正対してケージに身体を預けると、ダブルレッグから持ち上げるようにしてテイクダウンを奪う。

原口がインサイドガードからパンチを落とすと、スーチョルは原口の左腕を取って腕十字と三角へ。

原口はスーチョルの身体を潰してディフェンスし、スーチョルの両足を担いでパスガードしながらバックへ。

立ち上がったスーチョルは、バックキープする原口を前に落とす。原口は落とされながらも、スーチョルの左腕をとってアームロックへ。

これを潰したスーチョルが逆に原口の左腕に腕十字を狙い、これ外れると組みつく原口に再びノーアームギロチンを仕掛けた。

2R、スーチョルが二段蹴り、ジャブを見せて左ボディと右アッパー。原口のダブルレッグを切ってがぶる。

原口はシングルレッグに切り替えてスーチョルをケージに押し込み、スーチョルはバックへ回る。原口は前転して足を狙いながら上をとろうとするが、スーチョルがサイドポジションで抑え込む。

原口の右手を両足で挟み、パンチを落とすスーチョル。

ここからマウント、バックとポジションを変えると、原口は亀になってシングルレッグでスーチョルをケージに押し込む。スーチョルはケージに身体を預けて立ち上がると、原口は左ストレートを当ててパンチで前に出る。

ここでスーチョルはインローと右ミドル。原口はその右ミドルをキャッチして、シングルレッグでスーチョルをケージに押し込むが、スーチョルが原口のボディに鋭いヒザ蹴り。

これで原口がダウン気味に亀になる。そこにパンチを打ち込むスーチョル。原口も何とか立ち上がるが、スーチョルは左右のボディを打ち込む。

距離を原口に対し、スーチョルは身体を沈めての右フック。さらに原口の左ストレートに左を合わせると、これがストレート気味に突き刺さり、原口が後方にダウン。

スーチョルが追撃のパンチを落としたところでレフェリーが試合を止め、スーチョルがKO勝利で63キロトーナメントを制した。

スーチョルに敗れたものの、大奮闘を見せた原口。試合後「スーチョル選手、ありがとうございました。本当にトーナメントにかけていたんで……悔しいです。決勝で負けて、取り返しにくるものがあるので、来年必ずリベンジしたいと思います」と悔しさをにじませながらも、スーチョルへのリベンジを語った。


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【Road FC66】計量終了 キム・スーチョルの前に、原口央に立ちふさがった市長のロングスピーチ!!

【写真】フェイスオフ終了からが――長かった(C) MMAPLANET

29日(日・現地時間)、韓国はウォンジュのチアック体育館で開催されるRoad FC66のパブリック計量が同市、中央洞伝統市場マンドウ(餃子)フェスティバル野外特設舞台で行われた。
Text by Manabu Takashima

午後5時半のパブリック計量スタート時点の気温は16度だったが、陽が欠けると急激に寒さが増する。さらに商店街の端に設置された舞台は寒風の通り道となり、選手たちには厳しい公開計量となった。


ファイトコスチュームの選手、トレイナー着用の選手など、個々の判断の装いで計量&フェイスオフは続くが、メインカード出場選手は上半身裸と統一され、すぐに上着を羽織る選手が続出した。

70キロT決勝進出、韓国籍取得を取得したモンゴル人ファイター=ムングントスズ・ナンディンエルデンが、キム・インソォンの名でもコールされ、ロシアのアルトゥル・ソロヴィエフと向き合った。

メインの63キロT決勝では原口央とキム・スーチョルのマッチアップで、計量台に乗る時点で寒さが顔に出ている原口に対し、ご当地ファイターのスーチョルは笑顔を浮かべる。

フェイスオフが終わり、原口はマイクで「This fight is mine」と絶叫した。

スーチョルがウォンジュの街の人々に感謝の言葉を伝えて、公開計量も終了――と想いきや、ここでウォンジュ市の市長がマイクを握る。結果――非常にありがちな長い長いスピーチを披露。たまらずパーカーを手にした原口だが、掌で腕をさするなど寒さに苦笑いの時間が続いた。

■メインカード計量結果

<Road FC グローバル63キロT決勝/5分3R>
キム・スーチョル:62.7キロ
原口央:62.9キロ

<Road FC グローバル70キロT決勝/5分3R>
キム・インソォン:70.0キロ
アルトゥル・ソロヴィエフ:70.0キロ

<バンタム級/5分3R>
ヤン・ジヨン:63.5キロ
高橋謙斗:62.8キロ

<無差別級/5分3R>
シム・ゴンオ:131.3キロ
キム・ミョンファン:132.7キロ

<Road FC グローバル70キロT補欠戦/5分3R>
ユ・ジェナム:63.0キロ
ハン・ユンス:63.1キロ

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【Road FC66】グローバルT決勝=キム・スーチョル戦へ、原口央「自分のスタイルを貫く、曲げないこと」

【写真】強度高め、集中力の持続。ハードなトレーニングを重ねて、スーチョル戦に挑む原口央(C)MMAPLANET & TAKUMI NAKAMURA

29日(日・現地時間)、韓国はウォンジュのチアック体育館で開催されるRoad FC66で、原口央がキム・スーチョルとグローバル63キロトーナメント決勝で戦う。
Text by Takumi Nakamura

トーナメント準決勝でラザバリ・シェイドゥラエフと対戦を予定していた原口だが、シェイドゥラエフが計量遅刻&体重オーバーで失格。不戦勝で決勝に勝ち進み、逆ブロックの準決勝でブルーノ・アゼベドに勝利したスーチョルと拳を交える。シェイドゥラエフ戦消滅という事態に見舞われながらも、すぐに決勝へ気持ちを切り替えたという原口は、VS日本人無敗&アジア最強とも目されるスーチョル戦に向けて静かに燃えている。


――Road FC65で予定されていたグローバル・トーナメント63キロ級準決勝のラザバリ・シェイドゥラエフ戦はシェイドゥラエフ選手の計量オーバー&失格となり、試合そのものがキャンセルとなりました。あの時どういう状況だったのかを教えてもらえますか。

「基本的な計量時間は11時~12時で、トーナメント選手のみ9時から計量可、クリアした選手は12時からのルールミーティングまでに戻ってくればいいという話だったんですね。それで僕は計量をクリアして、ルールミーティングに参加しようとしたら、シェイドゥラエフ選手が会場にいなかったんです。それでマネージャーに確認したら『シェイドゥラエフは体重が落ちていない』と言われて。それで色々と話し合いがあって、最終的に試合はなしと言われました」

――トーナメントの契約書には遅刻と体重オーバーが重なった場合は失格という条項が記されていたと聞いています。

「そうなんですよ。主催者からは『シェイドゥラエフ選手は体重オーバーに加えて計量時間のオーバーもあるから失格、原口選手が決勝進出です』と言われて。ちゃんと確認していなかった僕も悪いんですけど、そういうルールがあったみたいです(苦笑)」

――契約条項とはいえシェイドゥラエフ選手は200グラム・オーバーだったので、何かしらのペナルティを加えて試合実施という道はなかったのかなと思ってしまいます。

「実はそのあとに『トーナメントとしては不戦勝で決勝進出だけど、試合はやってくれないか』と打診があったんです。それでもし僕が負けて決勝進出というのも違和感があるし、決勝戦が10月というのも決まっているので、KO負けや怪我で決勝をキャンセルしたら元も子もないじゃないですか。それも含めて宮田(和幸)先生と相談して、試合をやらないという選択をしました」

――そういった打診もあったんですね。ワンマッチではなくトーナメントの準決勝ということを考えると、その選択は間違っていないと思います。

「あと一回戦の時にリザーブマッチが組まれていて、そこで勝った選手はどこに行ったんだろう?と思いました(苦笑)。僕としては試合がないと言われた時点で決勝のことを考えていたので、すぐにその場で気持ちを切り替えました」

――その決勝では順当に勝ち上がったキム・ス―チョルとの対戦になりました。原口選手もスーチョルの勝ち上がりを予想していましたか。

「スーチョル選手が本命で、もしかしたらブルーノ・アゼベド選手もあるかな?という予想でした。僕はアゼベド選手も強いと思っていたので、準決勝でアゼベド選手に完勝したスーチョル選手はやっぱり強いですよね」

――直接スーチョル選手の試合を見て、どんなことを感じましたか。

「ボディへの攻撃がめちゃくちゃ上手いですよね。顔面とボディのパンチの打ち分けとプレッシャーをかけながらのヒザ蹴り。RIZINで扇久保(博正)選手からダウンを奪ったのもボディへの攻撃でしたけど、全く同じ入り方でアゼベド選手を効かせていたので、あれは警戒しています。あとは首相撲も強かったですし、左ハイキックでぐらつかせていたので、どの攻撃にも気を付けないといけないです」

――スーチョル選手は試合経験も豊富ですし、試合の緩急のつけ方、攻めどころを見極める力も感じます。

「試合を創るのが上手いですよね。独特なステップで前に詰めて、相手にペースを掴ませない。試合慣れしているところも印象的でした」

――スーチョル攻略のために、どういうことを意識して練習していますか。

「僕の強みはスタミナとドロドロにして競り勝つところなので、そういう展開に持ち込んでスクランブルで必ず上を取る。そこは意識しています」

――ずばりスーチョル選手は穴という穴がないです。

「全局面で強いので、出たとこ勝負でやりあっても勝てないと思うんですよ。だから僕が出来ることは自分のスタイルを貫く、曲げないことだと思います」

――またスーチョル選手は×日本人無敗でもあります。その相手と戦うことをどう捉えていますか。

「日本人が誰も勝てていない、アジア最強の選手だと思います。でも、いずれこういう選手とやることになっていたと思うし、その舞台がROAD FCになったというだけで、僕は勝ちに行くことしか考えてないです」

――シェイドゥラエフ戦前のインタビューでは「本当に強い選手たちと戦って勝ちたい」という言葉もありました。ROAD FCに戦いの場を求めて、こういった強豪たちと戦えることはうれしいですか。

「はい。もし僕がRIZINでスーチョル選手やスーチョル級の選手とやろうと思ったら、もっともっと戦績を積まないといけないと思うんですよ。でもROAD FCを選んだおかげで、こういうチャンスが巡ってきたので、必ず結果を残したいです」

――日本人初のスーチョル撃破&グローバル・トーナメント優勝がかかった一戦で、今後のキャリアにおいても重要な一戦です。

「僕はずっと強い選手とやりたいと言ってきて、スーチョル選手と戦えることをうれしく思うし、SNSでも『原口じゃスーチョルには勝てない』と書かれていますけど、見とけよって感じですね。格闘技はやってみないと分からないし、下馬評通りにいくものじゃないので」

――先日RIZIN LANDMARK07、アゼルバイジャン大会に出場する武田光司選手を取材させていただいたのですが、Braveにはプロ練習に参加する選手が20名近くいて、国内外の様々な団体で活躍していますよね。ジムとしての躍進の理由はなんだと思いますか。

「最近は色んなタイプの選手が集まっていて、ストライカー、グラップラー、柔道家……みんなで意見交換をしながらお互いを高め合って、成長していけるのかなと思います」

――Brave設立当初は宮田代表とレスリング出身の選手が多い印象でしたが、そういった色もいい意味で薄れてきていますよね。

「はい。DEEPに出ている野村(駿太)やGladiatorでデビューした南(友之輔)は伝統派空手出身ですし、打撃だけで言ったら2人とも相当レベルが高いんですよ。そうやって色んなタイプの選手たちがいて、宮田先生が練習メニューを考えて選手たちをまとめてくれているので、本当にジム全体でレベルアップしていると思います」

――「原口ではスーチョルに勝てない」というアンチ・コメントもあるなか、今回のスーチョル戦ではどんな試合を見せたいですか。

「まずアンチに対しては、やっと僕もアンチされるところまで来たんだなと思います。無名のままだったらアンチすらされないと思うので(笑)。ファンだけじゃなく、選手のなかでも僕がスーチョル選手とやることに色々と思うことがある選手もいると思いますが、スーチョル選手に勝てる日本人がいるというところを見せたいです」


■視聴方法(予定)
10月29日(日・日本時間)
午後2時00分~KAKAO TV、AFREECA TV

■メインカード対戦カード

<Road FC グローバル63キロ決勝/5分3R>
キム・スーチョル(韓国)
原口央(日本)

<Road FC グローバル70キロT決勝/5分3R>
ムングントスズ・ナンディンエルデン(モンゴル)
アルトゥル・ソロヴィエフ(ロシア)

<バンタム級/5分3R>
ヤン・ジヨン(韓国)
高橋謙斗(日本)

<無差別級/5分3R>
シム・ゴンオ(韓国)
キム・ミョンファン(韓国)

<Road FC グローバル70キロT補欠戦/5分3R>
ユ・ジェナム(韓国)
ハン・ユンス(韓国)

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【ROAD FC65】アゼベドにTDを許さず左ハイを効かせて判定勝ちしたキム・スーチョルが決勝で原口央と対戦

【写真】最終回の左ハイ→パウンド連打でダメ押し(C)ROAD FC

<Road FC グローバル63キロT準決勝/5分3R>
キム・スーチョル(韓国)
Def.3-0
ブルーノ・アゼベド(ブラジル)

キム・スーチョルがプレスをかけて左インローを当てる。アゼベドにケージを背負わせたが、アゼベドも右ローを返した。左右ボディブローから組みついたキム・スーチョルは、右腕を差し上げてアゼベドをケージに押し込む。左ヒザを顔面に突き上げたキム・スーチョルに対し、アゼベドは首相撲へ。しかし体勢を入れ替えられず、フェレリーがブレイクをかける。前に出て来るアゼベドに右ストレートのカウンターを合わせたキム・スーチョルは、続く左インローがローブローに。再開後、アゼベドが左ボディから右ローに繋げて組みつく。しかしキム・スーチョルが右の足払いでアゼベドにマットへ手を着かせた。

すぐに立ち上がったアゼベドがダブルレッグで組みつく。ケージに押し込まれたキム・スーチョルだが、背中を向けて足を抜いた。向かい合ったキム・スーチョルが左ハイを繰り出す。アゼベドは何とか組みつこうと試みるが、キム・スーチョルが腕を差し上げてディフェンンスする。残り45秒でアゼベドのダブルレッグを潰したキム・スーチョルがトップへ。パウンドを連打すると、アゼベドの口から出血が見られるように。スクランブルに持ち込むアゼベドをガブったキム・スーチョルが、シングルバックからパンチを連打し、立ち上がるアゼベドをケージに押し込んで初回を終えた。

2R、アゼベドが右ローを打ち込む。右縦蹴りでアゼベドを下がらせたキム・スーチョルだが、組みつかれてケージに押し込まれてしまう。しかしケージから離れるとスタンドでプレスをかけていく。左ジャブの差し合いからキム・スーチョルが左右のボディブロー、さらにヒザを突き上げてアゼベドをケージに押し込んだ。アゼベドがケージから離れると、キム・スーチョルが右カーフキックを当てる。キム・スーチョルは右ミドルをヒットさせ、左ボディを突き上げる。アゼベドはダブルレッグでドライブするも、キム・スーチョルからテイクダウンを奪うことができない。

レフェリーがブレイクをかけ、両者はケージ中央に。スタンドではキム・スーチョルがスイッチを繰り返す。アゼベドの右ミドルがキム・スーチョルのボディに突き刺さるが、右ハイはディフェンスされた。左フックの相打ちのあと、アゼベドはパンチから右ミドルに繋げる。キム・スーチョルは左テンカオから組みつき、右腕を差し上げてアゼベドをケージに押し込むも、ラウンド終了間際に離れたアゼベドの左フックをもらった。

最終回、キム・スーチョルがワンツーから左ハイを伸ばす。アゼベドが右ストレートの交錯から左フックを返した。組みついたキム・スーチョルが右腕を差し上げ、アゼベドをケージに押し込む。アゼベドは首相撲に持ち込むが体勢を入れ替えることができない。アゼベドは離れて左のパンチを当て、ニータップを狙うがキム・スーチョルに潰された。キム・スーチョルも抑え込みきれず、アゼベドが立ち上がる。消耗戦の様相を呈するなか、キム・スーチョルが組んできたアゼベドの両ワキをすくってトップへ。立ち上がるアゼベドのバックに回ったキム・スーチョルだが、アゼベドに立ち上がられてしまう。

ケージ中央でキム・スーチョルは首相撲からヒザを打ち込む。そして離れるとキム・スーチョルの左ハイがアゼベドの顔面を捕らえた。グラついたアゼベドが組みついてくると、それを潰したキム・スーチョルがパウンドを浴びせていく。ハーフガードから潜りにきたアゼベドを潰したキム・スーチョルがサイドへ移行する。アゼベドはガードに戻してキム・スーチョルの両リストを掴むも、一旦立ち上がったキム・スーチョルがガードの中に戻りパウンドを連打。アゼベドはキム・スーチョルの左腕を取って腕十字を狙ったが、極めることはできず試合終了のゴングを聞いた。

裁定はユナニマスでキム・スーチョルの勝利に。ラザバリ・シェイドゥラエフの遅刻&計量オーバーによる失格で、決勝進出を決めていた原口央がケージインし「キム・スーチョル戦は全局面で圧倒していた。強い選手だと思います。僕はトーナメントで一番目立っていない選手だと思いますが、このトーナメントに懸けているので絶対に優勝します」と語った。


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【ROAD FC65】計量終了 原口央と戦う予定だったシェイドゥラエフが2つの違反で失格に……

【写真】セレモニアル計量の場には姿が見えた原口央。弟の伸は「ラッキーと思っているんじゃないですか」と言っていたが、彼が明日戦う予定のバーハートゥブールゥ・アトゥボラティも計量開始から40分を過ぎた時点で計量会場に姿を見せていない……(C)ROAD FC

本日26日(土・現地時間)に韓国はアニャンのアニャン室内体育館で開催されるRoad FC65の計量が、昨日25日(金・同)に行われ――グローバル・トーナメント63キロ級準決勝で原口央と対戦予定だったラザバリ・シェイドゥラエフが失格になった。
Text by Manabu Takashima

衝撃的なニュースが韓国から伝わってきた。原口にとってキャリアを賭けた大一番は、キャンセルという未完の形で終幕を迎えた。


本来は11時スタートの本計量、主催者はトーナメント出場選手に限り9時から体重チェックを開始し、リミットは正午まで3時間。そしてシャイドゥラエフは正午から送れること12時12分に計量をし、63.2キロと体重オーバーに。

同トーナメントの契約書には遅刻と体重オーバーが重なった場合は失格という条項が記されていた。これにより原口はセミファイナルを戦わずして10月29日の決勝でキム・スーチョルとブルーノ・アゼベド戦の勝者と戦うことが決まった。

キャプテン☆アフリカ、マックス・ザ・ボディの両者は、対戦相手も含めてパス。

本日午後1時スタートのショーで、2時半からのメインカード出場に備えている。

■視聴方法(予定)
8月26日(土・日本時間)
午後1時00分~KAKAO TV、AFREECA TV

■ROAD FC65主な計量結果

<Road FC グローバル63キロT準決勝/5分3R>
キム・スーチョル:62.8キロ
ブルーノ・アゼベド:62.9キロ

<Road FC グローバル63キロT補欠戦/5分3R>
ムン・ジェフン:62.6キロ
ヤン・ジヨン:62.9キロ

<Road FC グローバル70キロT準々決勝/5分3R>
ムングントスズ・ナンディンエルデン:69.9キロ
キャプテン☆アフリカ:69.0キロ

<Road FC グローバル63キロT準決勝/5分3R>
ラザバリ・シェイドゥラエフ:63.2キロ
原口央:62.9キロ

<Road FC グローバル70キロT準決勝/5分3R>
アルトゥル・ソロヴィエフ:69.9キロ
マックス・ザ・ボディ:69.7キロ

<Road FC グローバル70キロT補欠戦/5分3R>
シン・ドングク:69.6キロ
ハン・サングォン:69.9キロ

<無差別級/5分3R>
関野大成:69.9キロ
オ・イルハク:69.9キロ

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【Road FC65】Global T準決勝=アゼベド戦へ。キム・スーチョル「プレッシャーを感じる自分を愛して」

【写真】アゼルバイジャン?と首を傾げたキム・スーチョル(笑)。このあと頭も掻いていた(C)MMAPLANET

26日(土・現地時間)、韓国はアニャンのアニャン体育館で開催されるRoad FC65のグローバル63キロ・トーナメント準決勝でブルーノ・アゼベドと戦うキム・スーチョル。
Text by Manabu Takashima

6月のトーナメント準々決勝大会では韓国勢が総崩れするなか、スーチョルはわずか55秒でギロチンを極め。初戦突破を果たした。唯一の韓国勢としてK-MMA界代表の責務、そして一家の大黒柱の責務を果たそうというスーチョルを計量終了6時間後にインタビューした。


――大会前日、本計量を終えセレモニアル計量を待つ状態のキム・スーチョル選手です。まず計量を終えて体調の方はいかがですか。

「今回は主催者の計らいでトーナメント出場選手だけ、午前11時スタート予定だった計量が9時に変更されました。なので6時間半ほど前に計量は終わっているのですが、現時点で7キロほどリカバリーできました。年を食ったのか、体重が戻るのが早いです(笑)」

――いやぁ、代謝が今も激しいということではないですか(笑)。明日戦うブルーノ・アゼベドや原口央×ラザバリ・シェイドゥラエフの両選手も問題なかったですか。

「ハイ。ブルーノも計量が早く終わることを喜んでいる感じでした。ただキルギスの選手は随分と遅くに計量にやってきましたが、なんかコンディションは芳しくない様子でした。でも、自分はとにかく眠かったので、何かやっているなぁという感じで気にしていなかったです。自分も減量で『死にそうだ……』っていうぐらいの状況だったので(苦笑)」

――前回の準々決勝大会、スーチョル選手まで韓国人選手が全滅でした。最後の登場でプレッシャーにならなかったですか。

「プレッシャーは感じていました。韓国人としてだけでなく、一家の大黒柱として負けられなかったです。でもプレッシャーを抱えて戦う方が、自分は良いと思います。プレッシャーがないと、危険を察知する能力も下がりポカをしてしまいます。なのでプレッシャーを感じる自分を愛しています(笑)」

――アハハハ。では対戦相手のブルーノ・アゼベドですが、右カーフとねちっこい組み技が印象的です。

「組み技、寝技が強いと思いますが、なぜかオープン・ワークアウトで右のハイばかりを蹴っていて。自信があるのか、何か隠しているのか。ただ、右の蹴りは良かったです。もちろん、それで組んでくることも十分にあると思いますが、それならそれで構わないです。クリンチに来るなら、その局面でも圧倒してやります」

――スーチョル優位の声が圧倒的です。

「そういう声があるのは知っていますが、相手もわざわざ負けるために来るわけがないので。いつも試合中に『相手の打撃は当たらない。試合を支配できる』というフレーズを呟いてマインドコントロールをしていますが、今もやっています」

――どのような試合をファンに見せたいと思っていますか。

「自分から攻撃できるよう、その攻撃の幅を厚くしカードも揃えています。接近戦から自分がフィニッシュできる技を披露したいと考えています」

――明日の試合に集中しないといけないのですが、決勝は10月29日です。スーチョルはその後に大晦日のRIZINで戦いたいということを明言していましたが、なんだか11月4日のアゼルバイジャン大会への出場をRIZINは考えていたという話もありました。

「アゼルバイジャンですか……(笑)。そういう風に希望してくれるなら、本当に幸せなことです。ただし、自分は試合前は試合のことしか集中できないんです。そうでないと対戦相手に失礼です。SNSで相手を殴っている写真などアップする人もいますが、それは戦った選手への礼を欠いています。なので、今は明日のことだけを考えて――決勝戦やアゼルバイジャン(苦笑)、大晦日のことはブルーノに勝ってから、決めれば良いことです。自分はジョン・ムンホン館長と並び、大山倍達の両者を誰よりも尊敬しています。なので日本から声が掛かることはとてもありがたいですが、今は明日の試合のことだけを考えています」

――明日、日本からスーチョル選手の応援をしているファンに一言お願いします。

「日本のファンに人たちには、本当にありがとうございますと伝えたいです。日本の格闘技人気が100だとすれば、韓国は10もありません。それでもプロの舞台があるのはPRIDEと日本の格闘技界のおかげです。自分はPRIDEと日本の格闘技が大好きで、ジョン・ムンホン代表が日本の格闘技に挑戦した話と、大山倍達の逸話が本当に大好きです。日本の格闘技があり、二人の先人がいたことで自分がMMAで食べていけるようになりました。つまりは日本の格闘技界と日本のファンのおかげです。本当にありがとうございます」

■視聴方法(予定)
8月26日(土・日本時間)
午後1時00分~KAKAO TV、AFREECA TV

■ROAD FC65主な対戦カード

<Road FC グローバル63キロT準決勝/5分3R>
キム・スーチョル(韓国)
ブルーノ・アゼベド(ブラジル)

<Road FC グローバル63キロT補欠戦/5分3R>
ムン・ジェフン(韓国)
ヤン・ジヨン(韓国)

<Road FC グローバル70キロT準々決勝/5分3R>
ムングントスズ・ナンディンエルデン(モンゴル)
キャプテン☆アフリカ(日本)

<Road FC グローバル63キロT準決勝/5分3R>
ラザバリ・シェイドゥラエフ(キルギス)
原口央(日本)

<Road FC グローバル70キロT準決勝/5分3R>
アルトゥル・ソロヴィエフ(ロシア)
マックス・ザ・ボディ(カメルーン)

<Road FC グローバル70キロT補欠戦/5分3R>
シン・ドングク(韓国)
ハン・サングォン(韓国)

<無差別級/5分3R>
関野大成(日本)
オ・イルハク(韓国)

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