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【ONE FN06】韓国MMAを知る。佐藤将光と対戦、キム・ジェウン「高校生の時から試合を見てきました」

【写真】非常に物静かなキム・ジョウン。ボディショットに代表される、殴り合いの強さはまるで感じられることはない (C)MMAPLANET

昨年末、大晦日に開催されたBlack Combatを取材するために渡韓し、Gladiator1月22日大会出場選手の取材と同時に、複数のジムや選手、指導者、プロモーターに合いK-MMA界の今を探ってきた。

その中の1人、エクストリーム・コンバット所属のキム・ジェウンが14日(土・現地時間)にバンコクのインパクト・アリーナで開催されるONE Fight Night06で佐藤将光と対戦する。

訪韓時、まだ佐藤戦は正式発表されておらず、現地では韓国におけるONEのポジション等について尋ねていた。今回、改めて佐藤戦に向けてバンコク入りしたキム・ジョウンにインタビューを行い──ソウル郊外コヤンで訊いた話とともにお届けしたい。

韓国において少数派のONEで戦うキム・ジェウンは、佐藤将光を心底尊敬していた。


UFCが頂点のMMAヒエラルキーが大勢を占めるK-MMAにあって、Road FCという国内メジャー=老舗を活躍の舞台とする選手とともに、ONEに戦いの場を求めるファイターも存在している。

キム・ジェウンはそんなコリアンONEファイターの1人だ。その彼は韓国におけるONEの現状を以下のように語っていた。

「UFCには歴史があって、韓国でもメディアによる露出が多いのも事実です。有名なのはUFCです。活躍している韓国人の数も違います。でもONEはハイドレーションもあって、選手を守ってくれています。計量に関しては、自分はONEが正しいと思っています。それにUFCが最強といっても、UFCチャンピオンがONEで負けることもありますし、自分はONEで頂点を目指したいです。ONEは選手が主人公になれる場を提供してくれます。韓国の若い選手がONEで戦いたいかどうか。そこにはONEなのか、UFCなのかという部分でジムがUFC志向のところもあります。

ONEはルールも計量方法は違うし、選手が戦いたい団体で戦うのが一番だと思います。これからONEで活躍する韓国人が増えれば知名度も変って来るでしょうし、とにかく自分に関しては、試合のオファーがあれば今日でも明日でも戦います。バンタム級でとにかく強い選手と戦いたい。最強になりたい」

そして今週末に迫った佐藤戦を控え、本日1月10日に行ったインタビューは以下の通りだ。

──韓国でお会いした時は、まだ佐藤選手との試合に関して話を伺うことができなかったですが、今回は150ポンドでの試合となります。

「試合まで2週間を切ってのオファーでした。準備期間もそれだけしかありません。でも、ジムでお会いした時に言ったようにオファーがあれば、自分はその日でも翌日でも戦うつもりでいました。常に試合がしたいとONEに伝えていましたし、『ショートノーティスだけど、戦えるかい?』という連絡に『戦う』と即答しました。

複数の対戦相手候補がいましたが、佐藤将光選手も戦う準備ができているということでした。素晴らしいチャンスですし、ぜひとも戦いたいと思いました」

──両者ともバンタム級の選手です。この試合がキャッチウェイトになったのは、体重を落とす期間がなかったという理解で良いでしょうか。

「準備期間が少なったオファーで、選択肢は2つありました。この間、戦うための練習をそれほどせずにバンタム級のリミットまで体重を落とすことに専念するのか。それとも良いコンディションで、より良いパフォーマンスを見せることができるキャッチウェイトで戦うのか。バンタム級の正規の体重で戦うことは重要です。しかし、良い状態で良い試合をすることの方が大切だと思いました。それは佐藤選手も同じだったはずです。

良いコンディションで、良いパフォーマンスを見せてファンに喜んでもらう。この判断は正しかったと思っています。だからこ、契約体重で戦うという決断をしたんです」

──揃ってアグレッシブなファイターで、好勝負が絶対視されています。佐藤選手に関して、どのような印象を持っていますか。

「彼は頭の良い選手です。そして、とても経験豊富です。佐藤選手の戦績を見てください。ONEでは誰も彼をフィニッシュできていません。彼は勝ち方を知っています。距離を取り方が上手く、全くもってイージーな試合にはならないです。そして、佐藤選手の勝負強さを知っているので、闇雲にフィニッシュを狙う試合は自分もしないです。

スマートに戦おうと思っています。コンディションは抜群なので、3R動き続けます。途中で疲れるようなことは決してないです。今回の試合は頭を使って戦います」

──MMAは個人戦ですが、チーム戦の側面もあるといえます。そしてエクストリーム・コンバットのチームメイトであるクォン・ウォンイル選手が既に佐藤選手と戦っています。佐藤選手が2週間のショートノーティスでそれほどキム・ジェウン選手のことを知る猶予がなかったのに対し、チームが彼を既に研究していた過去があることはアドバンテージにならないでしょうか。

「佐藤選手が自分のチームメイトと戦ったのは、1度だけじゃありません。自分がエクストリーム・コンバットに合流する前にも、先輩たちと戦っていました。当時、自分は高校生でアマチュアでした。以来、ずっと自分は佐藤選手の試合を見てきたんです。彼はずっとトップで戦ってきた選手です。

佐藤選手がRoad FCで戦った時から、自分はずっと彼を追っていました。もちろん、対戦相手として見ていたわけじゃないです。戦う日が来るなんて、当時は思っていなかったですから。でも、ずっと彼の試合を見てきました。

自分の周囲には、佐藤選手のことを安全パイだという人がいます。でも、自分は全くそんな風に考えていないです。確かに彼は自分よりも年を重ねています。それだけ経験があるということです。今も進化している。佐藤選手を軽視することはないです。前回の試合とは違う、何かを試合でやってくるはずです。そうなっても戦える準備を自分はしてきました」

──いやぁ、聞き入ってしまうほどの熱量ですね。確かに佐藤選手も今は成熟しましたが、いざとなると喧嘩上等のファイターです。そんな佐藤選手とどのような試合をしたいと思っていますか。さきほどはスマートに戦うと言っていましたが。

「佐藤選手は動き回って、テイクダウンから寝技に持ち込みたいはずです。自分の重いパンチを受けないために。でも、構いません。どの局面でも受けて立ちます。一つだけ言えるのは彼の戦いをさせないということです。自分のファイトを彼に強います。それがこの試合の作戦です」

──熱い試合になること間違いなさそうです。ではこの試合を視聴する日本のファンにメッセージをお願いします。

「あのう……自分は佐藤選手の対戦相手ですよ(苦笑)。自分が何か言って、日本のファンは自分のことを嫌わないでしょうか」

──アハハハハ。そんなことありません。そりゃあ佐藤選手を応援するでしょうが、キム・ジェウン選手のことをしっかりと尊敬してこの試合を日本のファンは視てくれます。

「分かりました。日本のファンの皆さん、この試合は自分にとって本当に特別なファイトになります。高校生の時から、佐藤選手の試合を見続けてきました。彼に近づいて、皆さんに喜んでもらえる爆発的な試合をします。ベストを尽くすと約束します。カムサハムニダ」

──コマスニダ。

「アリガトゴジャイマス」

■放送予定
1月14日(土・日本時間)
午前10時00分~ ABEMA格闘チャンネル

■ ONE FN06対戦カード

<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
スーパーガール・ジャルーンサックムエタイ(タイ)
エカテリーナ・ヴァンダリエヴァ(ベラルーシ)

<150ポンド契約/5分3R>
キム・ジェウン(韓国)
佐藤将光(日本)

<ONEキックボクシング世界フェザー級選手権試合/3分5R>
[王者]スーパーボン・シンハマウィーン(タイ)
[挑戦者] チンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン)

<ONEキックボクシング世界フライ級王座決定戦/3分5R>
スーパーレック・ギアットムーガーオ(タイ)
ダニエル・プエルタス(スペイン)

<ONEサブミッショングラップリング世界フライ級(※61.2キロ)選手権試合/12分1R>
[王者] マイキー・ムスメシ(米国)
[挑戦者] ガントゥルム・バヤンドォーレン(モンゴル)

<フリースタイル女子アトム級(※52.2キロ)/3分4R>
スタンプ・フェアテックス(タイ)
アニッサ・メクセン(フランス)

<215ポンド契約/5分3R>
オンラ・ンサン(ミャンマー)
ジルベウト・ガルバォン(ブラジル)

<キック・フライ級/3分3R>
ロッタン・シットムアンノン(タイ)
ジドゥオ・イブ(中国)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ゲイリー・トノン(米国)
ジョニー・ヌネス(米国)

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【ONE FN06】立ち技無双メクセンとミックスファイト、スタンプ・フェアテックス「実戦で教えてあげる」

【写真】スタンプはインタビュー中、常に笑顔で明るい。それなのに戦術的なことをどんどん話してくれます(C)MMAPLANET

14日(土・現地時間)にバンコクのインパクト・アリーナで開催されるONE Fight Night06でスタンプ・フェアテックスがアニッサ・メクセンとムエタイ&MMAのミックスファイト=フリースタイル戦で戦う。

混合ルールとはいえムエタイを戦うのは2020年8月以来となるスタンプは、立ち技通算戦績103勝5敗のメクセンが初回は優位であることを認めた上で、MMAのラウンドでフィニッシュすることを宣言した。


──「おお、ドラえもんが」とインタビューを始めさせてもらおうかと思ったのですが、髪の毛が凄く伸びていますね。スタンプがそれだけロングヘアーになったのは初めて拝見させていただきました。

「ハハハハ。ルックスも変ったでしょ?」

──ちょっと驚きました。髪の毛が長いと視界を奪って戦い辛いと思うのですが、なぜ伸ばしたのですか。

「ロングヘアーの方が、皆が親しみやすいかなって思って(笑)。ショートヘアーだと、筋肉が凄く目立ってしまうから、こっちの方が良いんじゃないかなって(笑)」

──なるほどぉ。では試合の時も、そのままで?

「サイドを少しカットしようかと思っているけど、それほど変わらないかな」

──ではスタンプのコーンロウが見られるかもしれないですね。

「そうね。そうなると思うわ」

──もちろん、ファイトは外見で雌雄を決するものではないですが、コーンロウはある種、女子選手にとって戦いへのイニシエーションのように感じます。今回のミックスファイトルールに関して、どのような印象を持っていますか。

「凄く楽しみで、ハッピー。ムエタイとMMAを交互に戦うなんて初めてのことだから、凄くチャレンジングで」

──ミックスファイトはONEの歴史でも2度目です。昨年3月にDJとロッタンが戦いましたが、ロッタンはMMAの経験がなく、DJはムエタイの試合をしたことがなかった。そしてスタンプと戦うメクセンはMMAを戦ったことがないです。スタンプだけがムエタイもMMAも試合をしている点はアドバンテージになると考えていますか。

「う~ん、1Rはアニッサにアドバンテージがあると思う。彼女は素早く、打撃のレンジも少し私より長い。でも私もムエタイを長い間戦って来たし、アニッサに遅れを取るとは考えていない。そして2Rになると、明白に私にアドバンテージがあるはず。アニッサは最初のムエタイのラウンドは、より積極的になるでしょうね」

──DJとロッタンの試合、DJはMMAファイターとして初回のムエタイをロッタン相手に見事に戦い抜きました。ただし、その目的はサバイブにあったと思います。ではムエタイの経験があるスタンプは、この1Rをどのように戦うつもりですか。

「ちゃんと打撃戦をアニッサとやるつもりよ。でも、2Rになるようサバイブも心掛ける。まずムエタイでもアドバンテージを握って、2Rに入ってサブミットするつもりよ。当然、MMAのラウンドの方が試合を終らせることができるチャンスも多いから」

──ムエタイのリズムのなかでムエタイを戦ってきたスタンプに対し、アニッサは欧米のトップファイターとキックボクシングも戦っているムエタイ選手なので、至近距離のパンチの交換は彼女の方が有利かと予想できます。

「確かにアニッサのキックボクシングの経験値が、私よりも高いのは確か。フットワークも優れているから、その距離を潰して接近して戦うわ。彼女のレンジを潰すためにも」

──つまり、より近づいてクリンチゲームに持って行くということですか。

「私のゲームプランはローキックを多用して、彼女のスピードをまず殺すこと。そして2Rになるとテイクダウンからサブミットすることね」

──実はアネッサにインタビューをした時、彼女は1年半米国でMMAのトレーニングをしたことで、MMAルールで戦うことにも思った以上に自信を持っていました。

「彼女のMMAトレーニングが、私のMMAへの取り組み方と比べてシリアスだとは思わない。私はもう5年、6年とMMAの練習をして来たから。打撃の試合と、MMAの試合に向けての練習は全く違うことを彼女は知らないといけない。アニッサが自信を持っているのは勝手だけど、如何にMMAがハードかを実戦で教えてあげるわ」

──この試合に向けてムエタイとMMA、どちらにウェイトを置いて練習してきましたか。

「ムエタイもMMAも同じだけ練習してきたわ。彼女は優れたキックボクサーだから、しっかりと研究する必要があったから。だからボクシング対策も、ちゃんとやってきた。テイクダウンの練習も力を入れていたし、あとは試合で練習の成果をだすだけね」

──この大会はバンコクで行われます。スタンプが2020年8月にバンコクで戦ったときは無観客イベントでした。今回は母国のファンの前で試合ができますね。

「両親や友達もアリーナにやってくるし、タイのサポーターの声援を耳にして戦えることはとてもハッピーよ」

──ところで以前からスタンプと戦いたいと言っていた平田樹選手が、前々回の試合を体重オーバーしキャッチ戦で勝利。そして11月に予定されていたハム・ソヒ戦も計量失敗し、今度はハム・ソヒが対戦を飲みませんでした。彼女の計量失敗について、思う所はありますか。

「イツキが体重を落とせてなくて、ハム・ソヒと戦えなかったことで私はアンジェラ・リーとの再戦に集中できるから、少しハッピーだったわ(笑)」

──!! そうなのですね……(苦笑)。

「イツキとハム・ソヒが戦わなくて、勝者も生まれなかった。だからアンジェラに挑戦するライバルとの試合が、オプションになったから(笑)。私とイツキが戦えば、良い試合になるとしてもね。彼女は打撃だけでなく柔術にも優れているから、凄くエキサイティングな試合になると思う。だからイツキとは、いつか戦いたいと思っているわ」

■放送予定
1月14日(土・日本時間)
午前10時00分~ ABEMA格闘チャンネル

■ONE FN06対戦カード

<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
スーパーガール・ジャルーンサックムエタイ(タイ)
エカテリーナ・ヴァンダリエヴァ(ベラルーシ)

<150ポンド契約/5分3R>
キム・ジェウン(韓国)
佐藤将光(日本)

<ONEキックボクシング世界フェザー級選手権試合/3分5R>
[王者]スーパーボン・シンハマウィーン(タイ)
[挑戦者] チンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン)

<ONEキックボクシング世界フライ級王座決定戦/3分5R>
スーパーレック・ギアットムーガーオ(タイ)
ダニエル・プエルタス(スペイン)

<ONEサブミッショングラップリング世界フライ級(※61.2キロ)選手権試合/12分1R>
[王者] マイキー・ムスメシ(米国)
[挑戦者] ガントゥルム・バヤンドォーレン(モンゴル)

<フリースタイル女子アトム級(※52.2キロ)/3分4R>
スタンプ・フェアテックス(タイ)
アニッサ・メクセン(フランス)

<215ポンド契約/5分3R>
オンラ・ンサン(ミャンマー)
ジルベウト・ガルバォン(ブラジル)

<キック・フライ級/3分3R>
ロッタン・シットムアンノン(タイ)
ジドゥオ・イブ(中国)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ゲイリー・トノン(米国)
ジョニー・ヌネス(米国)

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ABEMA GLORY K-1 MMA MMAPLANET o ONE ONE Championship ONE FN06   アニッサ・メクセン オンラ・ンサン ガントゥルム・バヤンドォーレン キック キム・ジェウン ゲイリー・トノン スタンプ・フェアテックス チャンネル ボクシング マイキー・ムスメシ ロッタン・シットムアンノン 佐藤将光

【ONE FN06】スタンプとミックスファイト。立ち技無双、アニッサ・メクセン「MMAでもビックリさせる」

【写真】絶対的に立ち技の強さは頭抜けている。故にムエタイも楽しみだし、MMAも興味深い一戦になる(C)MMAPLANET

14日(土・現地時間)、ONE Championshipの2023年のスタートを切るONE Fight Night06がタイはバンコクのインパクト・アリーナで開催される。

同大会ではアニッサ・メクセンがスタンプ・フェアテックスとフリースタイル=ミックスファイトを戦う。ムエタイとMMAを交互に戦う同ルールは昨年3月のDJ✖ロッタン以来、2度目の試みとなる。そんな一戦に挑む、メクセンにインタビューを試みた。

MMAファンには馴染がないメクセンだが、その経歴は驚くばかり。通算成績103勝5敗、WBCムエタイ世界王座、WPMFムエタイ世界王座、Gloryキックボクシング世界王座、ISKAキックボクシング世界王座を獲得しているばかりか、サバットで世界と欧州、母国フランスを制し、ボクシングでもフランス王者になっている。

(C)ONE

立ち技無双メクセンは間違いなく、世界最強女子といえる。

ムエタイでもキックでもそのルールに応じて、全ての局面をこなせ、倒せる力を持っているメクセン。ボクシンググローブでも、MMAグローブに共通して、左右の拳で倒せる彼女の強味は相手が姿勢を乱したところでの一撃だ。

そのために前に出て拳の届く距離で、攻撃を散らすことに長けている。そんな立ち技無双はムエタイルールはおろか、MMAでも絶対の自信を見せていた。その自信の裏付けとなるMMA転向秘話、自身の存在を軽視されている憤りが感じられるメクセンの声をお伝えしたい。


──スタンプ・フェアテックスとミックスファイトを戦います。今の心境を教えてください。

「凄く良い感じよ。キャンプも良かったし、2カ月この試合のために集中してきた。早く試合がしたい、待ち切れないわ」

──アニッサは立ち技ファイターとして、間違いなく世界のトップです。ただし、グラップリングに関しては誰もが技量を疑っているはずです。この試合が決まる前に柔術やレスリングなどの経験はありますか。

「私は6歳の時から柔道をやってきたし、2017年から1年半アルバカーキのジャクソン・ウィンクMMAで練習していたことがあるの。当時からMMA転向を考えていて、だから柔術とレスリングもトレーニングしていたわ」

──その後、5年を経てMMAを戦っていませんが……。

「MMAで戦おうと思っていたけど、私のキックやムエタイでの経験を警戒して誰も対戦を了承してくれなかったの。結果的にデビュー戦が纏まらないままだったから、Gloryと契約を更新してキックを続けることにしたのよ」

──つまりジャクソン・ウィンクMMAでの1年半のトレーニング経験があるので、スタンプとMMAルールで戦っても自信があると?

「もちろんよ。このルールに必要な練習は全てやってきたから。私は決して対戦相手を軽く見ることはないわ。だから毎日、ボロボロになるまで練習しているし。1日、1日がビッグファイトのような生活を送ってきているから」

──今回の試合はMMAではなく、ミックスファイトルールです。1Rがムエタイ、2RがMMA。それを2度繰り返す。では最初の4分間、ムエタイルールでスタンプと戦う際にアニッサのムエタイはどの点でスタンプより優れていると思いますか。

「全てよ。私はずっとムエタイを戦って来たから」

ブノワ・ゼディ・コーチ 我々は対戦相手を選んだことは一度もない。世界中の女子選手と戦ってきた。皆と戦ってきて、全員を倒してきたんだ。

──アニッサはムエタイだけでなくキック、K-1、そしてサバットとあらゆる立ち技の戦いをこなしており、その経験値は凄まじく打撃戦に関して引き出しが非常に多いと感じました。

ゼディ 彼女はボクシングだって戦っているよ(※2勝0敗)。

「私の動きは、どのルールにも対応できる。とにかくこのスポーツが好きだから、どのルールでも戦って来たし、そのためにはルールに合わせて動きや技がアジャストできないといけないから」

(C)ONE

──相手がバランスを失った時に的確にパンチを入れる攻撃が秀でていますね。

ゼディ それは我々はいつもフィニッシュするために戦っているからだよ。その機会を彼女は見逃さない。ジャッジに勝利の行方を委ねないために、常に前に出て攻撃する。アニッサがリングに上がるのは勝つためじゃない、相手をノックアウトするためだよ。

──スタンプはパンチの交換よりも、首相撲を好む傾向があると思います。一方で、アニッサはキックルールで殴り合い上等という戦いも見せてきました。

「私にとってスタンプはムエタイファイターとしては、特に秀でている点はない。ONEでムエタイは3勝1敗、キックは1勝1敗。あの子がムエタイとキックの世界王者だったなんて悪夢よ。そして、彼女はどの試合でも同じ動きをしているし。

ミドルキックと右のパンチが強いのは、どのタイ人ファイターも同じ。共通した特徴でしかないわ。典型的なムエタイファイターね。だから特に印象に残る選手ではなくて。首相撲に関しても、私はずっとずっと練習してきた。仮に彼女がクリンチゲームを仕掛けてきても問題ない。レスリングも同じことよ。何でもやってくれば良いわ。その全てに私は対応できるから」

──この試合はアニッサの名前を世界に轟かせるための一大デモンストレーションと考えていますか。

「もちろんよ。ONEチャンピオンシップですら、私が何者か理解していないわ。今3勝0敗でやりたいことがたくさんあるけど、何も実現しない。このファイトは私にとってチャレンジであると同時に、周囲からリスペクトされるための戦いでもあるの。だから絶対に負けないし、私がどのようなファイターかを証明してみせる」

──ムエタイでスタンプを仕留めるのか、MMAでの可能性を示したいのか。どちらでしょうか。

「1Rで終わらせたい。でも試合は試合、どうなるのかは分からない。例えMMAのラウンドになっても構わないわ。ビックリさせるから。まぁ、楽しみにしていて」

──分かりました!! ファイトはファイト、勝敗はつきもので勝者は1人です。アニッサはこの試合後、ONEの立ち技で世界王者を目指すのか。MMAに転向するのか、どちらの青写真を描いていますか。

ゼディ アニッサが負けるわけがないよ(笑)。

「最初はジャネット・トッドの持つONEキックボクシング世界女子アトム級王座に挑戦したいと思っていたけど、全く実現しない。だから、今はこの試合に勝ってからどうするかは……まだ決まっていない状態ね」

──アニッサとしては立ち技を続けることと、MMAにチャレンジすることどちらに興味がありますか。

「う~ん、それは問題じゃないの。私はこの試合を戦い、人々から尊敬されるようになりたい。だから、この試合を受けたの。スタンプとのミックスファイトは、私が何者なのか──存在証明のファイトになるわ。

今後に関しては、ただ試合に勝つための試合はしたくない。ベルトを取るための試合がしたいわ。3年間も待ち続けてきたの。もう、こんなクレイジーな状態は我慢できないから」

──そのためにもスタンプとの試合、何を世界に見せたいですか。

「私がベストのチャンピオンだと、世界に見せつけるわ」

■放送予定
1月14日(土・日本時間)
午前10時00分~ ABEMA格闘チャンネル

■ONE FN06対戦カード

<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
スーパーガール・ジャルーンサックムエタイ(タイ)
エカテリーナ・ヴァンダリエヴァ(ベラルーシ)

<150ポンド契約/5分3R>
キム・ジェウン(韓国)
佐藤将光(日本)

<ONEキックボクシング世界フェザー級選手権試合/3分5R>
[王者]スーパーボン・シンハマウィーン(タイ)
[挑戦者] チンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン)

<ONEキックボクシング世界フライ級王座決定戦/3分5R>
スーパーレック・ギアットムーガーオ(タイ)
ダニエル・プエルタス(スペイン)

<ONEサブミッショングラップリング世界フライ級(※61.2キロ)選手権試合/12分1R>
[王者] マイキー・ムスメシ(米国)
[挑戦者] ガントゥルム・バヤンドォーレン(モンゴル)

<フリースタイル女子アトム級(※52.2キロ)/3分4R>
スタンプ・フェアテックス(タイ)
アニッサ・メクセン(フランス)

<215ポンド契約/5分3R>
オンラ・ンサン(ミャンマー)
ジルベウト・ガルバォン(ブラジル)

<キック・フライ級/3分3R>
ロッタン・シットムアンノン(タイ)
ジドゥオ・イブ(中国)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ゲイリー・トノン(米国)
ジョニー・ヌネス(米国)

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