日本からONEに挑戦する武尊を讃える一方で、魔裟斗と那須川天心を引き合いに出して「彼らは日本で戦ってきた日本の王者。日本でいうところの巨人軍レベル。国内レベル」と評しました。
武尊を称賛したい一心で勢い余って口が滑ったのかもしれませんが、言わずもがなと言うか何と言うか。世界の強豪を相手に戦ってきた魔裟斗と天心に対してあまりにも失礼だし、完全にとばっちりを食らった巨人軍にも失礼すぎる。そして何より、その裏側にいる日本人ファンの怒りを買ったのは間違いないでしょう。
そもそも今後日本で武尊を擁した大規模イベントを開催するのであれば、わざわざ日本に来てまで日本人の反発を招く発言をする必要があるのか。UFCの代表ダナ・ホワイトが桜庭和志へのリスペクトを公言していたのとは真逆の対応。マーケティングの視点からも正直理解に苦しみます。
武尊との契約にテンションが上がって口が滑ったのかと言えば決してそうとも言えません。昨年も「この30年間で、日本の格闘技のレベルは下がっていってしまっているね。武道の文化、歴史があるのに世界レベルじゃないね。これは本当に残念です。キックもダメ、MMAもダメ、グラップリングもダメ。私は半分日本人、これは本当に悲しい結果です」と日本人選手に対して厳しい発言をしたばかり。根底に厳しい視線があるのは間違いなさそうです。
もちろん、この発言が的を得ているなら納得しますが、昨年から数えて30年前と言えば、PRIDEはおろか、修斗もパンクラスもDEEPも旧K-1ですら存在していなかった時代。一体何と比較してレベルが下がったと言っているのか。
そして猿田洋祐と青木真也がONEで王者になったのが2019年。内藤のび太は2018年。そして秋元皓貴は2022年におたくの王者になっていますよ?30年前の訳のわからない幻想を追い求めて不当な評価をするのは止めてもらいないなと。
そんな中、一矢報いてくれたのが会見後の武尊のツイート。「ひとつだけ今日の会見で納得いかなかったのは魔裟斗さんも天心くんも場所が日本だったというだけで世界と戦って結果を残してきている選手。そこへのリスペクトは持って欲しい」とつぶやきました。
さすが武尊。しっかり主張してくれて少しだけ報われました。あとはONEで結果を残すだけ。ロッタンに勝ち切ってチャトリの鼻を明かしてくれる事を期待しています。