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【RIZIN LANDMARK08】鈴木博昭のMMA打撃論「制限があるほど深く、制限がないほど広い」

【写真】“怪物くん”と呼ばれる鈴木だが、独自の理論に基づいたうえでの本能系であることが分かる(C)TAKUMI NAkAMURA

24日(土)、佐賀県佐賀市のSAGAアリーナで開催されるRIZIN LANDMARK 8 in SAGAにて、鈴木博昭が芦田崇宏と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

昨年はRIZIN.43での西谷大和戦の1試合のみに終わった鈴木。試合ができないストレスこそあったものの「僕はMMAファイターとして時間をかければかけるほど強くなる」という手応えを感じながら日々を過ごしていた。今回のインタビューでは芦田戦についてはもちろん、RIZINでMMAへの道に進んだ立ち技ファイターの先駆けでもある鈴木のMMA打撃論についても訊いた。


──2023年は6月の西谷大成戦のみ、1試合という1年でした。

「その西谷戦も1分くらいで終わったので、試合が出来なくてフラストレーションが溜まりまくりですね。もちろん試合のお話自体は結構いただいてはいたんですけど、上手く相手と噛み合わなくて。試合は1人ではできないし、僕は(試合の話をもらって)やりますと言ってはいたんですけど、最終合意に至らなかったという感じです」

──そういう状況の中で集中を切らさず練習を続けるのは難しくはなかったですか。

「正直、ないことはないんですけど、そんなに日常のスケジュールは変わらないんで、修行期間が増えたのかなっていう感覚ですね。僕は単純に日常のレベルアップを考えながらずっと練習しているんで、その期間が自分のブラッシュアップに繋がっています」

――前回の試合以降、特に意識してやってきた練習はありますか。

「基本(打撃と)組みの連携はずっとやってますし、その中でMMAにおいて自分がやるべき打撃とか、際の攻防であったりとか、毎日MMAのことを考えて過ごしています。僕の場合はMMAのキャリアが長いわけじゃないから、時間が経てば経つほど強くなっちゃうよと。今は試合も含めて全部経験しながら、戦いながら経験値を積み重ねている最中なので、本当に回を追うごとに、試合を重ねるごとに強い姿を見せられる自信があります」

──例えば去年の大晦日は立ち技から多くの選手がMMAに挑戦しましたが、鈴木選手はその先駆けといってもいい選手です。鈴木選手はMMAをやるにあたって、打撃のキャリアをリセットして一からMMAに取り組もうとしたのか。それとも打撃のキャリアにMMAを上乗せしてやろうとしたのか。どちらだったのですか。

「もともと僕は立ち技出身ですが、もっと前までさかのぼると、最初に入ったのはMMAのジムだったんですよ」

──そうだったんですか。ストライキングジムAresですよね?

「はい。元々自分はMMAをやりたくて、看板が総合格闘技・キックボクシングということだったのでAresに入会したんです。それではじめはMMAの練習をやっていたんですけど、ジムに入って半年くらいでMMAのコーチがいなくなっちゃって、それでジムそのものがシュートボクシング中心のジムになったんです。その流れで僕もシュートボクシングでプロデビューしたという経緯があるんですよ」

――それは意外でした。

「立ち技は立ち技で奥が深いので、ずっと立ち技を追及していたから、MMAに転向するタイミングがなかったんです。当時はONE Championshipに出ていたんですけど、立ち技で自分が満足できていないのに(MMAに)逃げんじゃねえ!って気持ちもあったし。ただコロナで海外に行けなくなって、試合から遠ざかっている時にたまたまホベルト・サトシ・ソウザやクレベル・コイケたちと一緒に練習するようになって、2人が東京ドームで試合をした時にセコンドに就いたんです。その時に『そういえば俺ってMMAやりたかったんだよな』と思い出して、ちょうどONEと契約も切れるタイミングだったんで、そこでMMAをやろうと決心しました。だからMMAにチャレンジするというよりも、もともとやりたかったMMAに戻ったという感覚で、MMAをやるのが楽しいですよ」

──一緒に練習しているのがボンサイ柔術の選手たちで、組み技・寝技の楽しさも日々感じていますか。

「いきなりあのメンバーが練習相手だったんで、最初の頃はただただボコられて『なんじゃこりゃ!?』でしたけど、最近はようやく楽しさが分かってきました。今でもボコられるのは変わらないですけど(笑)」

──ちなみにMMAレスリングやMMAグラップリングではなく、ピュアグラップリングを練習しているのですか。

「それもやりつつ、MMAとして自分の持ち味を活かす技術、ようは戦いですよね。なるべく制約のない戦いを楽しんで、練習しています」

──鈴木選手はMMAにおけるファイトスタイルを模索しながらやっているように見えます。

「本当その通りです。もともと2021年のお盆明けからボンサイ柔術に通い始めて、10月の奥田啓介戦がMMAデビューだったんで、MMAの練習を始めて1カ月半くらいで試合に出てるんですよ。だからしっかり準備して試合するというよりも、試合をしながら『これいけるんじゃないかな?』や『ここはあんまり欲をかいちゃダメだな』と、色々と試して学びながらやっています。だから僕のMMAの試合キャリア=MMA歴と思ってもらってかまわないです」

――では鈴木選手のMMA歴は約3年、まだまだ伸びしろはたくさんあるわけですね。

「僕はMMAという制約の少ない戦い自体を楽しめているんですよね。だいぶ耳も沸いてきたし、これからMMAファイターとしてドンドン熟成されて、時間をかければかけるほど強くなりますよ」

──もう一つこれも聞きたかったのが、鈴木選手は試合ごとに重心の落とし方、構え、打撃の組み立てを変えていると思うのですが、自分の理想の打撃のスタイルはこれだというものが徐々に見えていますか。

「見えてきていますね。ただそれをドンドン肉厚なものにしていきたいので、自分の元の強さの幅も広げつつ、取捨選択をしている最中でもあります」

──立ち技時代の鈴木選手は繊細な印象があって、しっかりガードを上げて細かい蹴りで削って仕留めるイメージでした。それがMMAの場合はあえて大振りの打撃を見せることもあったり、MMA用に変えている部分もありますか。

「やっぱり立ち技とMMAは違うし、立ち技では自分のスタイルのなかにハメ技みたいなものがありました。僕はルールの制限があればあるほど深みがあって、制限がなければないほど広がりがある、そういうイメージなんです。ただ最終的には1対1でタイマンを張るわけだから、何を選択してフィニッシュするのか。もしかしたら変に狙わずに自然に行った方がいいかもしれないし、そこは自分の本能というか、0.1秒後の自分に任せようと思います」

――ではMMAをやることで立ち技においても新たな発見はありますか。

「めちゃめちゃありますね。キックボクシングじゃない、シュートボクシングじゃない、これがMMAストライキングですねっていう。僕は立ち技出身と言われれば出身だし、そこで戦ってきた歴史はありますけど、今現実に目の前にある俺の戦いを見てほしいと思います」

──さて対戦相手の芦田選手にはどんな印象を持っていますか。

「まさにこういう選手と戦っていきたいという選手ですね。MMAの経験を重ねて、MMAを知って、MMAでのし上がるための第一歩。そこで相手が元DEEPのチャンピオン。めちゃめちゃちょうどいいじゃないですか」

──試合間隔こそ空いてしまいましたが、試合としてはベストの相手だ、と。

「そうですね。僕の場合は注目度優先のカードが多かったんですけど、今回は勝てば上位陣に食い込んでいけるための試合になったと思います」

──前回の西谷戦から比べて、違う自分を見せられそうですか。

「違う自分どころか、全くの別人がいますよ」

──今年はどんな1年にしたいですか。

「最低3試合はやりたいですね。着実ステップアップして、いわゆるランクを上げる1年にしたいです」

──鈴木選手が戦うフェザー級は個性派揃いですが、そのなかでどんな自分を表現していきたいですか。

「自分のファイトスタイルを見せていきたいので、基本は打撃でぶっ倒していこうと。あとはMMAファイターとして気づいたら1本取っちゃったって姿も見せたいです。そのために今は日常を積み重ねていますけど、本番の試合になったら何も考えないでただの戦闘する生き物でいたい。そういう生き物が目の前にいるっていう試合をしたいです。さっきも言いましたが、何も考えずにただ戦うだけの人間が0.1秒後に何で試合を終わらせるのか?そういう戦いを見せたいです」

──それでは最後にファンのみなさんにメッセージをいただけますか。

「本当に面白いファイト、強い生き物を見せたいと思います。僕の試合は何も考えなくていいし、見ていて語彙力が頭の中からぶっ飛んじゃう状態にしたいと思っているんで楽しみにしていてください」

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【ONE】U-NEXTとパートナーシップ契約を締結!全試合独占配信!

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突如U-NEXTでの配信がスタートしていたONE Friday Fights。日本の格闘技映像配信市場の地殻変動の前触れかと思っていた矢先、やはり大きなうねりが。。。U-NEXTがONE Championshipとパートナーシップ契約を締結し、、『ONE Fight Night』と『ONE Friday Fights』の全試合を日本国内独占で配信する事を明らかにしました。

これまでABEMAと蜜月関係だったONE Championship。先月の日本大会もPPV中継しており、その関係は磐石かと思っていただけに、今回の発表は驚きの一言。まさかU-NEXTがここに割って入る事になるとは。。。これでUFC、ベラトール、RIZIN、パンクラス、DEEP、シュートボクシングに加えてONEの放送権も獲得して、格闘技映像配信市場をほぼ独占したと言っても過言ではありません。

ひとつ気になるのはABEMAと専属PPVファイター契約を結んだ武尊。既に契約期間が終了したのかもしれませんが、武尊が出場するONEの試合の取り扱いはどうなるのか。武尊が出場する大会だけABEMAが中継って事はさすがにないですよね。。。この部分がどうにも興味を掻き立てられます。結末はいかに?
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ONE Championshipがセージ・ノースカットのセコンド問題に反論「彼らとは明らかな誤解がありました」

誤解されても放っておく もう「気にしすぎる」のは、やめることにした


セージ・ノースカットが『ONE 165』青木真也戦欠場についてONE Championshipを猛批判「彼らはセコンドに就労ビザは必要ないと言っていた」(2024年02月09日)

 こちらの続報。


 『ONE 165: Superlek vs. Takeru』で予定されていた青木真也戦をセコンド2人のビザ問題によりドタキャンしたセージ・ノースカットがONE Championshipを猛批判した件について、ONE Championshipが以下の声明を発表。

「ONE Championshipは、セージ・ノースカットが『ONE 165』で直面したコーチ2人がセコンドに就くことが認められず、出場辞退に至った状況について同情します。

 『ONE 165』の全てのセコンドに対する在留資格認定証明書 (COE) 要件に関する第三者ビザ・コンサルタント会社からの外部ガイダンスの変更により、イベントまでに就労ビザの処理に問題が発生し、残念ながら複数の選手に影響を及ぼしました。

 ONEチームは現在進行中の問題を選手とそのマネージメントに伝えましたが、セージと彼のチームに提示された選択肢には明らかに誤解がありました。

 彼の最近のコメントにも関わらず、ONEはセージとのパートナーシップを個人的およびプロフェッショナルレベルで尊重しており、この状況を友好的に解決できることを望んでいます。

 また、私たちが現地の法律に100%準拠するという彼らの利益を最優先に行動していたこと、そして何百もの世界的なイベントに選手とそのセコンドを無事に飛行機で送迎してきた弊社の実績を考慮すると、これは異例な出来事であったことを選手たちが理解してくれることを願っています」


 ノースカットは他にもSNSでONEの薬物検査、減量、ポリシー、現役選手、安定性などについて暴露していくことを示唆していましたが、それらについては一切触れず。いろいろ言われることを恐れて平和的に解決しようという姿勢が伺えます。続きを読む・・・
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セージ・ノースカットが『ONE 165』青木真也戦欠場についてONE Championshipを猛批判「彼らはセコンドに就労ビザは必要ないと言っていた」

命のビザ 評伝・杉原千畝 一人の命を救う者が全世界を救う [ 白石 仁章 ]


『ONE 165』セージ・ノースカットが青木真也戦欠場の理由について説明「土壇場でセコンド2人のビザ問題が発生し、ベストな状態で試合ができないと判断した」(2024年01月29日)

 こちらの続報。



 『ONE 165: Superlek vs. Takeru』で予定されていた青木真也戦をドタキャンしたセージ・ノースカットがインスタグラムで以下のコメント。

「ONE Championshipは、僕の不測の事態のせいで青木真也戦を辞退したと示唆している。それは完全に間違いだ。僕はコーチのビザ取得に必要な書類を大会の48日前にONE Championshipに送った。電話やメールで、柔術のメインコーチであるファビオ・プラドにはビザは必要ないと言われた。僕が彼の航空券と旅費を支払ったので、彼はビザが必要な就労者とは分類されなかったし、もう一人のコーチも観光客として入国できたのでビザは必要なかった。

 僕のコーチ陣はほぼ1週間現地にいたが、そのうちの2人がセコンドに就くことができないことを知らされたのは、試合の数時間前だった。その日知らない番号からメールが来て、チケットのセールスマンが僕の試合を客席で観戦するためにコーチ2人の招待券を手に入れることについて尋ねてきた。ONE Championshipは、僕がアリーナに到着して試合をするまでは、コーチがセコンドに就くことは許可されないということを、数時間前にチケットセールスマンから連絡がなければ、僕に伝えるつもりはなかったと思っている。

 また、僕のコーチがビザの条件に違反してカメラに映った場合、逮捕される可能性があり、その有罪率は99.8%であることも試合の数時間前に聞かされた。僕はONE Championshipに、3人のコーチがセコンドに就けないならアメリカから日本へのフライトはしないとはっきり言った。僕は日本へ出発する前に、幹部からコーチなしで戦う必要はないと言われた。彼らは僕が出発する前に、コーチのうち2人を帯同できないことを知っていた。コーチがビザ違反で刑務所に入れられる可能性があるなんて彼らは言わなかった。ONE Championshipの舞台側、僕が試合を辞退した原因、その他のことについては、後日フェイスブック、インスタグラム、メディアなどで話すつもりだ。

・薬物検査
・減量/ポリシー
・現役アスリート/ロースター
・ONEの安定性…など」


 もうONEで試合をする気はないという感じですね。続きを読む・・・
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【Special】バンタオ・ムエタイ&MMA、ジョージ・ヒックマンに訊くプーケットの利点「宿泊、食事が安い」

【写真】アトランタでジュカォン・カルネイロやブライアン・スタンらとトレーニングをしていたジョージ・ヒックマン。2014年の大晦日、つまりDEEP DREAMで長倉立尚と対戦している(C)MMAPLANET

タイ、プーケット。タイガームエタイ&MMA。世界中からMMAファイターが集まるメガジムには、現在トライアウトに合格した本田良介が所属している。そのタイガーのヘッドコーチから独立しバンタオ・ムエタイ&MMAを興したのが米国人ジョージ・ヒックマンだ。
Text by Manabu Takashima

なぜヒックマンはジム&フィットネス街道といっても過言でないシャロンの街を後にし、バンタオにタイガームエタイに勝るとも劣らないメガジムを創り、活動することとなったのか。タイのMMAの将来を見据えて、話を訊いた。


──凄い設備ですね。タイのどのジムよりも大きくて。ところでジョージのバンタオ・ムエタイ&MMAでの肩書は何になるのでしょうか。

「MMAコーチで、ジムの共同オーナーの一人でもあるよ」

──既にヘッドコーチとしてタイガームエタイで成功を収めていたのに、なぜバンタオMMAに合流したのでしょうか。

「僕自身、アレックス・シールド、弟のフランクはタイで10年近く生活してきた。自分たちのジムをやろうってシリアスではなく、口にするようになってきたんだ。自分たちの意志で全てを運営したくてね。でも、本当に真剣なモノではなかった。転機になったのは、コロナ禍だ。コロナ禍になって……あれって僕らの歴史でも、とても奇妙な時間になっただろう? 人々に考える時間を与えることになったんだ。そしてジムを閉めたり、開けたりということを繰り返していて……世界中、どうなるのか分かっていなかった。

で、何に投資すれば良いのか、そこを探る時間を与えてくれたんだ。色々な物件を見て回る時間ができた。コロナで新しいジムを成功にさせることができる時間ができたんだよ」

──タイガームエタイとは違う、何かを加えたかったのですか。

「そうだね、タイガームエタイで色々と経験を積み、コネクションもできた。誰かのためでなく、自分たちのパッションを全て反映させることがバンタオではできている。自分が愛していることが根底にある仕事ができるのって、本当にラッキーだろう。十分な施設だけども、今も拡張工事をしている。設備はワールドクラスだし、コーチ陣も同様にワールドクラスだ。素晴しいチームでやっていけて、凄く幸運だよ」

──ファイトビジネスは実は、あまりロイヤリティのあるモノではないです。選手たちは簡単にジムを移っていきます。ただジョージがバンタオを創ると、アレックスやトップノイという生徒や仲間も一緒に移ってきましたね。このビジネスでファイターとの人間関係はどれだけ大切だと考えていますか。

「とても重要だよ。ファイティングはバスケットボールとか、そういうモノをプレーするのとは違う。僕と弟はレスリングと共に大人になったけど、ファイティングもレスリングと似ていてコーチと選手は密接な関係にある。実際、家族よりも長い時間を共にするわけだし。

一緒に旅をして……ファイターとコーチはとても近い関係だ。コーチとしては、選手は一人一人が違う性格をしていて誰一人として同じことを教えることはない。試合の準備も違いがあるし、試合前の困難さもそれぞれだ。人一倍ストレスを抱える者もいる。コーチは人として、彼らの一部になる必要もあるんだよ」

──近年、MMAの状況も違ってきて5年、いや3、4年前までは誰もが最高の設備があり、最高のコーチがいる米国で練習しようとしていましたが、今はこのプーケットにはジム・ビジネスを成功させるのに優位な点があります。プーケットでジム・ビジネスを行う利点を教えてください。

「僕らのジムだけでなく、他の全てのジムに世界中から人々が集まっている。正直、そんな人達がプーケットにやってくるためには航空運賃が、もっとも高いコストになる。でも宿泊、食事に掛かる必要はそこを差し引いても安い。それに僕らのジムではレスリング、柔術、MMA、ムエタイと全てを一カ所で学ぶことできる。ここやジムに裏に宿泊施設も揃っているしね。

米国でも一部の大きなジムではそれが可能だ。でも、僕がアトランタに住んでいた時は朝に一つのジムへ行き。お昼には違う場所へ移動していた。対して、ここだとジムの直ぐ近くステイして、ビーチもすぐそこにある。バイクで行き来できる範囲で、2つの違うビーチもある。練習に必要な全てが整っていて、ファイター特有のストレスをここでは感じることがない。練習に集中して、ビーチでリカバリーする。それがタイでの練習の良いところだよ」

──タイガームエタイのあったシャロンはファイティングジムだけでなく、ストレングスコンディショニングジム、ヘルシーフードレストランと全てが整っています。フィジカル街のようになっていますが、なぜジョージはバンタオを選んだのですか。

「正直を言えば、シャロンで色々な場所を見て回ったよ。そうしたらアレックスが『なんで、バンタオでジムを開かないんだ?』って言ってきたんだ。あの時、弟はTUFのコーチで米国にいて……僕はアレックスに『ありえない。バンタオに行くことは絶対にない』と言っていたんだけど、ここにワイフと子供達と一緒に2週間弱ステイしてみた。ビーチやレストランを友人に案内してもらった。そして、すぐにバンタオが大好きになったんだ。

それからロケーションを探すようになって、ここ以外にも候補地はあった。でも、ここが見つかったんだ。実はアレックスとコーナーマンとして米国に行っていて、戻って来てからここで隔離されていたんだ。なんだか、運命的だろう?」

──バンタオの成功を見て、他のジムも続こうとしなかったですか。

「いくつか、ムエタイのジムがこの辺りにもあるよ。でも、僕らのジムより小さい。本当に近しい友人も『そんなところにジムを出して、どうするつもりだ』って言っていたよ。そんな時も僕は『皆がやっているところからは遠い。でも、実際に見てみたら僕らがここを選んだ理由が分かるはずだ』って自信たっぷりに答えていた。幸運にも上手くいったね(笑)」

──自分たち訪問者にとって、バンタオがシャロンより良いのは空港が近いことです。

「イエス。ジムから20分で悪くない。なによりサリムビーチとバンタオビーチの間にある。以前はビーチまで15分や20分ドライブしていたけど、今はその必要もなくなった」

──プーケットには多くのジムがありますが、タイ人選手がほとんど見当たりません。タイにMMAが根付けば、この国はMMAの強豪国になると思っているのですが……。プーケットも外国人ファイターばかりで、今もタイのMMAファイターはまだ成長していないです。

「なれるよ、でも今じゃない。タイでMMAはまだ歴史が浅いスポーツだ。でも、ムエタイからMMAに転向する人間も増えてくる。10年前に初めて来た時より、ずっと成長している。あの頃はMMAといっても分かってもらえないから、説明が必要だった。ONE Championshipがタイにやってきて、MMAはずっと知られるようになった。それでも、ずっとやってきたムエタイからMMAに転じるのを恐れているんだ。

僕らはキッズクラスを始めるし、もう少しすればタイ人ファイターも成長するに違いない。柔術やレスリングを彼らに教えることが楽しみでならない。将来、ムエタイからMMAに転じるファイターが増える……そこに一番、情熱を注いでいるんだよ。ビッグネームのコーナーについて、一緒に練習することも素晴らしいことだけど、若い選手がキャリアの最初から前に進むところを見ていく……タイのMMAが発展することに、最も情熱を燃やしているんだよ」

──ムエタイは最近まで賭けの対象で、低所得者層が夢中になっていました。それがONEもそうですが、賭けの対象でなくスポーツエンターテイメントとして発展し、ムエタイの選手が良いお金を稼ぐようになってきました。そこはムエタイからMMAへの転向を鈍化させる要因になっていないでしょうか。

「そうだね。ムエタイでお金を稼ぐことができるようになってきた。ONE Championshipやラジャダムナン・ワールドシリーズで。MMAファイターがここにきてMMAのためにムエタイのトレーニングをするだけなく、色々なオプションがある。タイの俳優や女優がムエタイの練習をしている。ムエタイの大会も観戦するようになった。より認知度は上がっている。僕の友人であるタイ人の俳優もムエタイやMMAにハマっているしね。このスポーツは注目されているし、これからもっとそうなるだろう」

──タイ人ファイターはワールドベストになれる可能性を秘めていますか。

「もちろんだ。当然レスリングやグラップリングを知り、ムエタイのMMAに少しアレンジする必要があるけど、ムエタイとMMAって実は凄く似ていることを多くの人が理解していない。ムエタイのコーチも、タイ・クリンチ(首相撲)は凄くグレコローマン・レスリングに似ていると言っていた。確かに別競技だけど、柔術やレスリングに通じるところはムエタイにはあるよ。クリンチへの理解度の高さが、成功を保証することになる」

──今若い選手が経験を積めるフィーダーショーはタイに存在しているのですか。

「いくつか小さなプロモーションはあるよ。以前のフルメタル・ドージョーのようにね。今はファイトサーカスと名前を変えたけど。日本のスモールショーにも選手を送りたい。DEEPで戦う米国人選手も今、バンタオで練習しているよ」

──もしジョージが日本のMMAに送り込みたい選手がいれば、名前を教えてもらえますか。

「トップノイだね。もう日本に行っているけど。何人か、注目の若い選手がいるから彼らを日本に連れて行きたい。小さな団体から、RIZINを狙わせたい。コーチとして、日本への旅は大好きだ。美しい国で、食事も美味しい。良いビールとウイスキーもあるしね(笑)」

──最後に日本のMMAファンに呼びかけをお願いします。

「色々なファイターと、色々な団体の試合のために何度も日本を訪れている。日本で戦ったこともある。日本のMMAは巨大だ。余り日本人ファイターはやって来ていないけど、それほど長旅でもない。僕は日本を訪れるのも、ファンと交流することも大好きだ。何も恐れることなくも日本人ファイターには、もっともっとバンタオにトレーニングに来て欲しい。アリガトゴザイマス。イイネ」

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【ONE FN19】猿田洋祐、1年10カ月振りの実戦で難敵マラチェフと。手塚はダ・シウバ撃破でタイトル接近?

【写真】猿田、手塚、それぞれのONEへの想いがある(C)MMAPLANET

6日(火・現地時間)、ONE Championshipが17日(土・同)にタイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE FN19の全対戦カードを発表している。
Text by Manabu Takashima

これまでメインのONEムエタイ世界バンタム級選手権試合=王者ジョナサン・ハガティー✖挑戦者フィリッピ・ロボ、女子ストロー級でワンダーガール・ナット・ジャルンサック✖ダヤニ・カルドゾのミックスルール、ストロー級MMA戦のダニエル・ウィリアムス✖リト・アディワンなどが明らかとなっていたが、今回のアナウンスで全9試合が出揃い手塚裕之と猿田洋祐の参戦がオフィシャルなモノとなった。


昨年10月のONE FN15で10日前のオファーを受け、ジン・テホを腕十字で下したものの熱望していた日本大会の出場が叶わなかった手塚は、今後の進路を真剣に考えるようになっていた。しかし、バジェッドの関係で出場を逃したことで直後のFN大会への出場が決まり、心も晴れてヴァウミール・ダ・シウバ戦に臨むこととなった。

一方の猿田は2022年4月以来、1年10カ月振りの実戦復帰となる。グスタボ・バラルトに判定負けを喫した後、自らのジム「Fight Beat Workout」と開き現役生活に区切りをつけるという想いもあった。そんな猿田だが、ONEとの契約が残っていることで再び戦いの舞台に戻ってくることを決めており、今回マンスール・マラチェフを相手に再びグラブをつけることに。

(C)ONE

手塚と戦うダ・シウバはONEでは1勝2敗、通算9勝3敗のブラジル人ファイターだ。

元王者ゼバスチャン・カデスラムに86秒で敗れているダ・シウバを相手に4試合連続のフィッシュ勝利を挙げられれば、タイトル挑戦に繋がる舞台に進める──手塚にとって、終わらせることが大切になる試合だ。

(C)ONE

猿田と対戦するマラチェフは10月7日にジョシュア・パシオと対戦し判定負け、プロ12戦目で初黒星を喫している。

とはいえテイクダウン&コントロールで試合を支配しており、極め切れなかったギロチンのキャッチで星を落とした感はある。

MMAではパシオを上回っていたといっても間違いでないマラチェフに対して、猿田は組み勝つことを狙う選択をするのか。今やONEで判定勝ちを手にするには、MMAで総合的に支配するよりも、一発狙いの大砲で印象点を稼ぐ必要がある──と割り切ることも必要なほど、偏った裁定を考慮しなければならない。

とはいえ、ファイターは一発狙いの練習を日々課しているわけではない。そこには勝利を得るための組み立てが存在する。その組み立ての部分で、猿田が如何にマラチェフを攻略するのか。要注目のファイトとなる。

なお今週金曜日に開催されるONE Friday FightはU-NEXTでライブ中継されることが明らかとなっているが、このFight Night大会に関しては中継及び配信の発表はなされていない。果たして、どのアプリをクリックすればONE中継が視聴できるようになるのか、正式発表を待ちたい。

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【ONE】セージ・ノースカット セコンドのビザ問題で急遽欠場!


スーパーレック×武尊の激しい攻防に三浦彩佳の執念を感じる試合運びなど大いに盛り上がったONE 165: Superlek vs. Takeru。その中でもハプニング中のハプニングだったのが青木真也と対戦する予定だったセージ・ノースカットの欠場。

大会が進む中、第6試合の終了後、ノースカットの欠場が場内アナウンスが。。。さらに代役としてリザーバーとして待機していたジョン・リネカーが青木と対戦する事が発表されました。2試合後に本番が迫ったタイミングでの欠場発表。これほど切羽詰まったリリースが今まであったでしょうか。しかも、この時点ではノースカットの欠場の理由は発表されておらず、ファンのモヤモヤが蓄積する中で試合が行われました。

その後、ONEのチャトリ・シットヨートンCEO、ノースカットのコメントで事の顛末が判明。以下、チャトリCEOのコメントをゴング格闘技さんから抜萃です。

「プレリミナリーの試合中にセージから電話があり、セコンドの一人がビザを持っていなくて、すでに飛行機に乗ってしまったと。ユライア・フェイバーはビザがあったが、もう一人はないとのことで。セコンドがいないまま試合は出来ませんと言って試合をすることをやめたと言われた」

さらにSNSでのノースカットのコメント。
「私のコーチ2人とギリギリのビザの問題があり、彼らは今米国に戻っているところです。ONE Championshipは、私の代わりに柔術世界チャンピオンのコーチを与えることで助けることを申し出たが、キャンプ全体をトレーニングしたコーチたちと一緒にいなければ、史上最高のMMAサブミッションアーティストと対戦することはなかった」

ノースカットのセコンドが就労ビザを取得していない事が直前で判明し、ノースカットは青木対策を練ってきたセコンドなしでは戦えないと直訴してキャンセルが決まったようです。

就労ビザの取得と確認が選手サイドの責任か、主催者が確認すべきだったのかはさておき、明らかな不手際であり準備不足。日本人ファンにとってのビッグカードが消滅しかけた責任の所在はうやむやにはするのは勘弁願いたい。少なくともノースカット陣営には厳正な処分を下すべきでしょう。

そしてONEの主催者側もしかり。大会前には選手のオファーを巡ってK-1陣営から厳しい指摘を受けたばかり。マッチメイクを見ても、ブランクのある秋山成勲に不慣れなボクシングルールの試合をオファーするなど、不可解な動きが目につきます。これは運営体制、管理体制が瓦解しかけている一幕なのか。今後も日本で興行を続けていくつもりなら早急に立て直しを図るべきです。

しかし、今回の窮地を救ったのは、これ以上ないスクランブル出場を決断したジョン・リネカー、苦悩の末に試合を受けた青木真也に他なりません。2人の英断がなければ有明アリーナは大ブーイングの嵐でSNSも大荒れに荒れたはず。ONEとチャトリは2人に足を向けて寝られませんよ。小言が止まらなくなりそうですが、何はともあれイベントを救ったリネカーと青木に最大級の拍手を!
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『ONE 165』セージ・ノースカットが青木真也戦欠場の理由について説明「土壇場でセコンド2人のビザ問題が発生し、ベストな状態で試合ができないと判断した」

今日も言い訳しながら生きてます


セージ・ノースカット「青木真也の柔術は怖くない」「これはMMAだ、グラップリングマッチではない」(2024年01月28日)

『ONE 165: Superlek vs. Takeru』速報(2024年01月28日)

 こちらの続報。


 セージ・ノースカットが青木真也戦直前に欠場、代わりにジョン・リネカーが青木と対戦しましたが、ウォーミングアップ中の負傷欠場や体調不良などではなく「試合出場を拒否」という部分が引っかかります。



 この件についてノースカットがインスタグラムで以下のコメント。

「ファンの皆さん、そして対戦相手の青木真也には、今夜試合ができず申し訳ないと思ってる。土壇場になって僕のセコンド2人のビザ問題が発生し、彼らは今アメリカに帰国中だ。ONE Championshipは代役として世界チャンピオンの柔術コーチを用意してくれると言ってくれたが、おそらく世界で最も偉大なMMAサブミッションアーティストと対戦するためには、キャンプ中ずっと一緒に練習してきたコーチを帯同させないことは僕にとってベストではなかった。土壇場でベストを尽くしてくれたチャトリとONE Championshipの皆さんには感謝している。また、青木真也と視聴してくれていた皆さんには改めて申し訳ない。『ONE 165』は、素晴らしいワールドクラスのタレントが揃った好カードなので、(僕が抜けても)みんながエンジョイできると思ってる」続きを読む・・・
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【ONE165】方向性と日本で目指すモノをチャトリCEOを訊く。「日本人選手は最も頭を悩ませている部分」

【写真】今も熱く、精力的なチャトリ。でも、コンタクトをするようなったそうだ(C)ONE

本日28日(日)に東京都江東区の有明アリーナで開催されるONE 165「 Superlek vs Takeru」。2019年10月以来のONE日本大会は初のリング使用で、キックがメインとなる。
Text by Takashima Manabu

スーパーレック✖武尊戦の会見が行われた直後、チャトリ・シットヨートンCEOをインタビュー。日本のファンから根強い反発の声が聞こえるONEが目指すのは、どのようなマーシャルアーツ・イベントなのか。そして日本で目指すモノとは。リングやキック、そんな可視化できるONEを巡る日本事情──とは別に、これまでとは違う空気をチャトリCEOは纏っていた。


──チャトリさん、ロッタンが欠場しスーパレックに武尊選手が挑戦する。素晴しい代替カードの発表会見でしたが、消滅したロッタン✖武尊戦は米国で実施されるという発言。これは日本のファンはガッカリな、ビックリ発言でした(取材は11日に行われた)。

「ロッタン✖武尊は世界中のファンが注目しているファイトだったんだ。そして、武尊が今回の試合で世界チャンピオンになると、日本だけでなくヨーロッパや米国──世界的規模でプロモーションする立場に私はある。そうなると、今回の試合が武尊にとって最後の日本でのファイトになることは十分にあり得るから、私は正直に日本のファンにそのことを伝えるべきだと思ったんだよ」

──最後の試合というインパクト……とロッタン戦が日本では見られないというショック。なかなか難しいです。武尊選手はロッタン戦は日本でないということは納得しているのでしょうか。

「この試合でチャンピオンになれば、今回が最後の日本での試合というのは彼も言っているよ」

──米国でロッタン✖武尊を実施するほど、米国でキックのマーケットは広がっているのでしょうか。マーケットでいえばMMAが抜けていると思います。

「その通りだよ。キックはDoスポーツとして世界中で普及しているけど、エンターテイメントとしてはMMAのように広まっていない。ただ、我々がやろうとしていることは、Doスポーツを観賞用スポーツとして発展させようということではないんだ。MMAでもグラップリングでも、キック、ムエタイと世界のマーシャルアーツのベストとONEはサインをする。この星に住む最高のストライカー、最高のグラップラー、最高のMMAファイターを私は欲している。

だからONEのイベント形態は他のプロモーションとは別モノで。MMA市場が広がる米国では当然のように最高のMMAを組む。と、同時にロッタン✖武尊というカードでキックボクシングの素晴らしさを彼の地に伝える必要があるんだ。最高のキックを組んで、キックボクシグを米国の人達に認知してもらう。それだけのマッチアップなんだ、この2人の戦いは」

──なるほどです。ところでMMA記者として、昨年のONEはキックやムエタイ、グラップリングに力を入れてMMAのストーリーラインが崩れたような気がします。ランキング制に基づいたMMAの試合よりも、チャンピオンが立ち技や組み技マッチに出向いていました。

「モノゴトには順序があるし、その時の状況というモノが関係することは、理解してほしい。去年、タイ政府がONEを支援する意向を固めた。それは巨額のファイナンシャルも含めてのことだ。そして、我々ONEは格闘技の殿堂としてMMAだけでなく、最高のムエタイ、キック、グラップリングを世界中のファンに提供していきたいと思っている。

そういう事情もあって昨年はムエタイに力を入れる時期だった。今年はまた違う方法論を用いる。そして、MMAに力を入れることを約束するよ。当然、ムエタイとグラップリングもだけどね。3月1日のカタール大会を見て欲しい、MMAのタイトルマッチ・ラッシュだよ」

──カタールの市場は、MMAに扉を開けているということですか。

「というよりもONEとしては1年、1年、その開催地に則したイベントを開くということなんだ。カタール……中東でのマーシャルアーツの需要は高まっている。そしてカタールはヨーロッパ標準時間帯と3時間しか時差がないということを重視している。ワールドカップ・サッカーが成功したのも、そういう背景がある。なぜ、過去最多の視聴数をカタール・ワールド杯は集まることができたのか。西洋と東洋の両方で視聴できる最高の時間帯にある場所だからだよ。そこをONEも重視している」

──つまりカタール大会は欧州進出への足掛かりということですか。

「MMAは欧州に根付いている。キックがどれだけ認知されているは、説明する必要はないだろう。そしてグラップリングが急速に成長しているんだ。ヨーロッパ進出に関しては、色々なアイデアがある。我々にはSKYスポーツという心強いTVパートナーがいるしね。プレミアリーグ、F1、NBAと欧州で最もスポーツに投資している放送局だ。ヨーロッパは凄く期待ができるマーケットで、最高のパートナーがONEには存在しているんだ。

ロッタンがONEと契約する前はSNSのフォロワー数は1万4000人だった。今は5百万だ。ONEのブラットフォームは巨大で毎週、世界の119カ国で試合を視聴できる。そういう風にスターが生まれるだけの基盤あるんだ。武尊のフォロワーも増えるだろう。ONEは既にSNSだけで8000万のファンがいる。UFCは世界最大のMMA団体だよ。ONEは世界最大のマーシャルアーツの団体なんだ。」

──その分だけコンダクトを握るのが、大変かと思います。ファン・ベースが違うルールの試合を組んでいるので。ONEにとって完璧なバランスが取れたマーシャルアーツ・ショーとは、どのようなモノになるとチャトリさんは考えているのですか。

「そうだね……。ハードコアMMAファンは、MMAというスポーツを既に理解している。キックボクシングは凄く分かりやすい。入口になる。そしてONEの基盤となる国は、それぞれ事情が違う。中国はキックだ。ヨーロッパ全域ではキック、特定の地域ではMMA人気が上回っている。米国は完全にMMAで、タイは完全にムエタイだ。日本はまだキックとMMAだよね。このように国によって事情が違う。ただし、ONEにはそこにベスト・アスリートをはめ込める。

私自身、欧州、米国、アジアと違ったチャンネルを持って考えて、そこにONEとして一貫性を持たせないといけないんだ」

──ONEには根強い反発の声、記事もあります。そこは存在感が増しているという風に捉えることができるのでしょうか。

「そういう声は気にしていないよ。既に2年前に我々は世界のトップ5スポーツプロパティになっているのだから。どれだけ高い支持を集めても少数のネガティブな意見、下らない論調、そしてフェイク・ニュースはなくならない。それらをコントロールすることは不可能なんだ。でも、そういう声や記事がったも過去7年間に渡りONEは成長してきたんだよ」

──では日本についてですが、今大会以外にも今年中に日本大会を開くという発言もありましたが、武尊選手と青木真也選手が今大会でラストだとすれば興行の軸になる日本人選手が誰になるのか。そこは気になるところです。

「ユーヤ・ワカマツは今も世界チャンピオンになる可能性を持っている。ケイト・ヤマキタもそうだ。ただ正直を言って、日本人選手は私が最も頭を悩ませている部分なんだ……。彼らの活躍を7年間、注視してきた。でも、本当のトップに辿り着かない。日本人ファイターが再び、その地位を戻るサポートをしたいんだけど、結果が伴わない。ただ日本に向けては、ビッグアナウンスが控えている。どれだけ日本のことをシリアスに考えているのか、ここ1カ月か2カ月で皆に伝えることになるだろう。楽天とNSNというパートナーが日本にはいるから。ONE Championshipは日本で、さらに成長できるチャンスがあると私は信じている」


■視聴方法(予定)
1月28日(日・日本時間)
午後5時00分~ABEMA格闘チャンネル
午後6時30分~ABEMA PPV

■ONE165対戦カード

<ONEキックボクシング世界フライ級選手権試合/3分5R>
[王者] スーパーレック・ギアットムーガーオ(タイ)
[挑戦者]武尊(日本)

<ONEサブミッショングラップリング世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/12分1R>
[王者]ケイド・ルオトロ(米国)
[挑戦者] トミー・ランガカー(ノルウェー)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
セイジ・ノースカット(米国)

<スペシャルルール187.25ポンド (※84.94キロ)契約/3分3R>
秋山成勲(日本)
ニキー・ホルツケン(オランダ)

<キック156.5ポンド(※70.99キロ)契約/3分3R>
マラット・グレゴリアン(アルメニア)
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ゲイリー・トノン(米国)
マーチン・ウェン(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
三浦彩佳(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ダニー・キンガド(フィリピン)
若松佑弥(日本)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラデ・オパシッチ(セルビア)
イラジ・アジズプール(イラン)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ボカン・マスンヤネ(南アフリカ)
山北渓人(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
グスタボ・バラルト(キューバ)
箕輪ひろば(日本)

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【ONE165】青木真也と対戦。セイジ・ノースカット「僕には試合では使っていない技がたくさんある」

【写真】大会3日前の公開練習ではTシャツを脱いで仕上がりの良さをアピールしたノースカット。ミットを持つのはユライア・フェイバーだ。デカい!(C)TAKUMI NAKAMURA

28日(日)に東京都江東区の有明アリーナで開催されるONE 165「Superlek vs Takeru」でセイジ・ノースカットが青木真也と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

2019年のONEデビュー戦でコズモ・アレッシャンドリにKO負けし、顔面を複数箇所 骨折し、約4年という長期欠場を余儀なくされたノースカット。昨年5月の復帰戦ではアフメド・ムジタバにヒールフックで一本勝ちし、復活の第一歩を歩み出した。今回のインタビューは日本文化へのリスペクトや対戦相手としての青木についてなど、ざっくばらんに語ってくれた。


──対戦カード発表記者会見でもお話していましたが、ノースカット選手は親日家のようですね。

「はい! 日本の文化や他人をリスペクトする精神性が好きだし、来日して街を歩いた時の街並みやファッションもすごくユニークで素晴らしいなと思ったよ」

──いつ頃から日本の格闘技や文化に触れるようになったのですか。

「数年前から日本の文化に触れ始めて、ずっと日本に行きたいと思っていたよ」

──会見では「兄と一緒に日本のアニメを見ていた」ということですが、どんなアニメだったんですか?

「(即答で)ONE PIECEだね!」

──なるほど。てっきり格闘技系の漫画やアニメかと思っていました(笑)。

「もちろんONE PIECEは日本の文化の好きなものの一つで、先ほども言ったように僕は日本人や日本の文化を見ていて、あらゆる方向に対する敬意を持って接しているように思うんだ。その精神性から日本の文化は非常に丁寧に作り込まれていることを感じる」

──では日本の武道や格闘技についてはどう思っているのですか。

「物心がつく前から空手を始めたから、意識して武道や格闘技に触れようと思ったことはないんだ。でも年齢を重ねて成長するにつれて、様々なメディアで日本の武道や格闘技にも触れ、やはり他とは違って目をひくものがあるように感じているよ」

──青木真也というファイターはその日本において大ベテランと言える選手です。

「彼に対しては特に特別な感情はないでよ。彼とは一度試合が決まって流れたことがあるんだけど、その時にX(旧Twitter)でバチバチなやりとりがあった。彼はファイターとしては尊敬すべき経歴を持っているかもしれないけど、ああいうやりとりがあった以上、僕は試合で“報復”したいし、彼に勝つだけだよ」

──SNSでのやり取りで感情的になったところがあるのですか。

「そうでもないんだけど、会見で握手をしようとしたら、彼は握手をしてくれなかった。彼がそういうキャラクターの選手ということは分かっているし、実際にそういうことが目の前で起これば試合に向けてのモチベーションになる。勝ちに行く気持ちが強まったし、もっと練習しようと思ったよ」

──彼のファイターとしての印象はいかがですか。

「とてもすばらしい戦績を残しているし、とても才能に溢れたレジェンドファイターだと思う。日本の選手の中で長いチャンピオンホルダーだったので、そういう面“は”リスペクトしているよ」

──ノースカット選手はこれからキャリアを作っていく選手として、青木選手のようなレジェンドを超えたいと思っていますか。

「それはもちろん大事なことだし、彼との試合は今までで一番試合になると思う

──今回初めて日本で試合をするということで、初めてノースカット選手の見る日本のファンも多いと思います。自分のどこを日本のファンに見てもらいたいですか。

「僕は瞬発力があって、スピードが速く、力もとても強い。ファンが喜んでくれる面白いKOを見せるよ。ゴロゴロ抱き合って寝技ばかりやる試合は見たくないだろうからね」

──ノースカット選手はフィニッシュ率も高いので、どんな試合を見せてくれるんだろうと期待しているファンも多いです。これからどんな選手になっていきたいと思っていますか。

「まだ試合では使っていないファイトスタイルや技がたくさんあって、そういうのも使っていきたい。高いフィニッシュ率を残すことはONE Championshipにおいても、ファンを楽しませるということでも大事だから、僕はそこを意識して戦いたいと思う。今まで見せていない自分のテクニックをドンドン見せていきたいよ」

──ちなみに僕は40オーバーなので、ノースカット選手のような若い選手たちが、僕ら世代が想像できないようなMMAを見せてくれることを楽しみにしています。

「僕がMMAデビューした頃は子供だった。怪我で4年間休むことになって、27歳になって色んな経験を積んだ。それでもまだ年齢的には若いと思うし、やっとここから自分が持っている力を試合で出していけると思う。新しいセイジ・ノースカットを楽しみにしていてほしい!」

■視聴方法(予定)
1月28日(日・日本時間)
午後5時00分~ABEMA格闘チャンネル
午後6時30分~ABEMA PPV

■ONE165対戦カード

<ONEキックボクシング世界フライ級選手権試合/3分5R>
[王者] スーパーレック・ギアットムーガーオ(タイ)
[挑戦者]武尊(日本)

<ONEサブミッショングラップリング世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/12分1R>
[王者]ケイド・ルオトロ(米国)
[挑戦者] トミー・ランガカー(ノルウェー)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
セイジ・ノースカット(米国)

<スペシャルルール187.25ポンド (※84.94キロ)契約/3分3R>
秋山成勲(日本)
ニキー・ホルツケン(オランダ)

<キック156.5ポンド(※70.99キロ)契約/3分3R>
マラット・グレゴリアン(アルメニア)
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ゲイリー・トノン(米国)
マーチン・ウェン(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
三浦彩佳(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ダニー・キンガド(フィリピン)
若松佑弥(日本)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラデ・オパシッチ(セルビア)
イラジ・アジズプール(イラン)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ボカン・マスンヤネ(南アフリカ)
山北渓人(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
グスタボ・バラルト(キューバ)
箕輪ひろば(日本)

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