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【LFA198】ビア・メスキータ、じっくり攻めてアラウージョをRNC葬。「マッケンジーとは練習したい」

<女子バンタム級/5分3R>
ビア・メスキータ(ブラジル)
Def.2R4分21秒by RNC
フェルナンダ・アラウージョ(ブラジル)

パフンパとレティシア・ヒベイロをコーナーにつけたビアは、-1400というフェイバリットで試合開始を迎えた。打撃の間合いでジャブを伸ばすビアが、右ロー。アラウージョがワンツー、そして右を伸ばす。ビアはワンツーから左、そして右ローを蹴る。ステップインしワンツーを振るうビアだが、ここで左を被弾してバランスを崩す。右オーバーハンドからパンチの応酬も、ビアは上体があがり、アゴががら空きで危ない。それでも組みへのステップインはスピードに乗っているビアは、シングルからクリンチへ。右腕を差し、左でパンチを放つビアが小外刈りへ。アラウージョが耐え、互いにヒザを繰り出す。

残り1分を切り、ヒザを続ける両者。そのままクリンチが続き、ビアが左のパンチを打つ。アラウージョも右を返し、そのままケージに詰まった状態で初回が終わった。

2R、3度目のMMAで初めて2Rを戦うビア。右を振り、右ローを蹴るアラウージョ。ビアは右ローにワンツーを合わされそうになる。アラウージョはジャブをジャブを伸ばし、ワンツー。これも届かず、ビアが前蹴りを繰り出す。アラウージョが右を当てるも、大きな動きはないまま時間が過ぎる。アラウージョのワンツーに、ビアは小外刈りでテイクダウンを決める。まだ時間は2分残っている。足を畳まれた状態でハーフのアラウージョに対し、ビアはパスでなく細かいパンチを落とす。と、一気に足を越えてマウントを奪う。

懸命にボディロックを取るアラウージョにエルボー、さらにパンチを落としたビアは背中を取ると一気にRNCを極めた。「スタンドで向き合う自信が少しついて、テイクダウンすれば私の時間だから、焦らずミスを犯さないように戦った。テイクダウンしてからも、急いで仕留めに掛からず練習をしてきたパウンドを落としたの」と話したビアは、ケージサイドで観戦していたマッケンジー・ダーンと戦うことはいう質問受けると、「私は体重を落とせないし、マッケンジーは階級を上げることはない。もう戦うんじゃなくて、一緒に練習したい」と話した。

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【LFA198】MMA3戦目へ、女子柔術GOAT=ビア・メスキータ「護身で柔術のリアリティを感じた」

【写真】必死になってチャレンジしていることが、心底楽しそうなビアだった(C)MMAPLANET

6日(金・現地時間)にカリフォルニア州コマースのザ・コマース・カジノ&ホテルでLFA198「Miranda vs Oyarzun」が開催される。
Text by Manabu Takashima

2025年、25度目のイベントとなるLFA198のメインで予定されていたLFAフェザー級王座統一戦=正規王者アライジャ・ジョンズ×暫定王者レリアン・ドゥグラスの一戦は正規チャンピオンがファイトウィークに入って体調を崩し延期となった。

そんな今年最後のLFAにムンジアルの黒帯で世界一に輝くこと7度、ADCCも制しているIBJJF殿堂入りを果たしているビア・メスキータが3度目となるMMAをフェルナンダ・アラウージョと戦う。

また競技柔術の頂点を究めたメスキータだが、セルフディフェンスとしての柔術、グレイシー柔術の本質に触れることで「柔術のリアリティ」を知り、より理解が深まったという。

33歳、柔術界の真のレジェンドが向き合う柔術のリアリティと、MMAのリアルとは──。


──2度の無差別制覇を含め、ムンジアル黒帯で7度の世界王者。IBJJFの殿堂入りを果たしたBJJ Lady Greatest of all timeの異名をとるビアが、33歳を迎える年にMMA転向を果たした。正直、ちょっと信じられなかったです。

「とにかく、もっと何からにチャレンジしたかったの。一言で言えば、そういうことになるかしら。私は柔術を愛している。5歳から始めて、柔術は私の人生だと言えるわ。でも、もう柔術では燃えるような熱さを自分のなかに感じることができなくなって。ムンジアル、ADCCを制してチャレンジ精神が柔術では沸き起こってこない。でも、再びファイトを通して燃え上がるような熱を自分に感じたかった。その熱をMMAで戦えば、また感じられると思ったの。

柔術のように素晴らしいキャリアを築くことができるのかは、分からないわ。だからこそ、MMAを戦おうと思ったの。自分がどうなるのか。それを知りたかったから。MMAを戦うとなるとムエタイ、ボクシング、今より上のレスリングと多くの新しいスキルを身に着ける必要がある。柔術にしても、そう。パンチがあるなかで、いかに私の柔術を使いこなせるのか。そのために厳しい練習が必要で。そうなると私はまた、競技者として自分のなかの炎をたぎらせることができるはず。そう……MMAに向かい合うことで」

──柔術は今もMMAに欠かせない要素であり、グレイシー柔術がなければ今のMMAも存在していません。ただし、多くの柔術スクールはIBJJFの競技柔術のトレーニングをする場所です。そしてビアはヒクソン&ホイラー系といっても過言でないウマイタ系の柔術家です。もう10年以上前になりますが、サンディエゴのグレイシー・ウマイタを訪れた時、皆がクローズドガードからの柔術を懸命に習っていました。とはいえムンジアルに勝つには護身ではなく、競技柔術のトレーニングに専従する必要があるかと思います。MMAのルーツといえる護身術であるグレイシー柔術の稽古をビア自身は、行って来たのでしょうか。

「長い間、セルフディフェンスについては考えたこともなかったわ。子供の頃から、競技者として柔術で勝つことに集中していたから。ムンジアルの黒帯で優勝するころになって、パリのマーシャルアーツの祭典のような催しに柔術代表として招かれ、レティシア(ヒベイロ。ホイラーの教え子で、女子柔術を牽引してきたビアの師匠)と柔術を紹介するうえで、護身術のデモンストレーションをしたことがあったぐらいで。その時に少しだけ、セルフディフェンスの知識を身に着けたけど、継続して学ぶことはなかった。

それが2019年の1月に……まだ5年前ね。もう何度も黒帯でムンジアルを制していたけど……、そんな時にホイラーが10日間のセルフディフェンス・コースに招待してくれたの。それまで私はブラジルに住んでいて、1月に米国にいることがなくて。米国に移り住むようになって、初めてホイラーに護身を教わる機会を得ることができた。

この10日間で私の柔術に関する考え方は、変わった。護身的な柔術はマットの上だけでなく、人生を助けるものだと理解できた。だってストリートで襲われた時に、引き込むことはできないでしょ(笑)。ホイラーに教わって、私の考えはクリアになったの。

その後、ATTでMMAのトレーニングをするようになってからは、車で40分でいけるヴァレンチ・ブラザースに通うようになり、ペドロ・ヴァレンチ(※父ペドロ・ヴァレンチSrはエリオ・グレイシーの愛弟子で、ファダ柔術との対抗戦にも出場。今年の5月に逝去)に、本格的な護身術の指導を受けるようになったの。

ホントにいくつかのクラスに出ただけで、完全に柔術への捉え方自体が変わったわ。護身で柔術のリアリティを感じたって感じで。『セルフディフェンスは退屈。あんなの現実的じゃない』なんて意見もよく聞かれるけど、それは誰の指導を受けたかによってくると思う。ペドロにセルフディフェンスを教わると現実しかないし、学んで楽しいものだったわ。

ペドロは私のMMAデビュー戦もサポートしてくれて、プライベートで指導を受けることができた。MMAを戦ううえで必要になってくる自分の身を守る術を何通りも、細かいディテールまで教えてくれた。最高の教えよ。私は自分では技術的に、柔術の理解度は十分にあると思い込んでいたの」

──いやいやムンジアルで7度も優勝しているのですから。それはそうですよ。

「いいえ、ペドロに指導を受けて私は柔術の細かい部分が分かっていないことに気付かされたわ。しかも何も複雑じゃなくて、凄くシンプルなことで。特にMMAを戦ううえでペドロは道着のない──体しか掴むところがない状況での身の守り方、戦い方の教えを受けて。『えっ、それだけのことでこんなに簡単に技ってかかるモノなの』って」

──そのペドロの指導を受けたMMAデビュー戦では、全く危なげなくRNCを極めて勝利しました。そして2戦目はLFAと契約し、今回が3戦目となります。以前だとミシェル・ニコリニ、最近ではヴィアンカ・バシリオを初めて複数のトップ柔術家がONEと契約し好待遇を受けています。ビアなら、同じような条件でMMAを戦うことができたのではないでしょうか。

2017年のADCCで60キロ級で優勝。2位はヴィアンカ・バシリオ、3位はミシェル・ニコリニだ

「私はMMAで戦うことを決めた時から、LFAでキャリアを積むって決めていたわ。

UFCで戦うために、一番クリアな道がLFAだから」

──つまり明確なゴールがあるわけですね。

「だってUFCがワールドベストでしょ? ベストファイターがベストファイターと戦い、ベストが決まる。MMAを戦うなら、私もベストを目指す。なら、その場はUFCだけ。最終目標はUFCのチャンピオンになること。確かにMMAを戦い始めたのは遅いけど、それまでに私は柔術家、アスリートとして多くの経験を積んできた。だからUFC世界チャンピオンになるという目標も現実的だし、必ず実現すると信じているわ。

そのUFCと契約できる力をつける場所、経験を積めるプロモーションがLFAで。対戦相手、ファイトウィークの過ごし方からUFCで戦うための準備になる。LFAの試合はUFC Fight Passで中継されているし、私のゴールに近づくには最適で。そうデビュー前から決めていたけど、試合の方が決まらなかったから、アンデウソン・シウバとチェール・ソネンのボクシングマッチを組んだイベントで戦っただけで。最初からLFAでキャリアを積むつもりだった。

10月にLFAで勝って、すぐにでもまた戦いたいと伝えていたら、本当に1週間後に今回のオファーが来たの(笑)。LFAにはイージーファイトはないから、今の自分を知ることができる。それこそUFCと契約するために必要な経験で。でも急いではいないわ。しっかりと力をつけるために、LFAで試合を重ねてLFA女子バンタム級のベルトを巻くこと。LFAのベルトは、次のレベルに進むことができる証明書ね」

──それが実感できる前回のLFA初陣だったかと。殴られ、カットし流血もありました。デビュー戦はリング、LFAは当然ケージで。スタンドでのバックを制してのマタレオンは、まるで金網をマットに見立てて極めたような感じでした。

「ケージで戦うことは正直、練習を始めた頃は簡単じゃなかった。金網があるから、私の柔術はアジャストが必要だと考えていて。でもホントに今言われたように、ケージを使うことで多くが解決できた。練習でバックに回ろうといて、相手が立ちあがって私を金網に押しつけてきた時に、『あぁケージが私を助けてくれるわ』って(笑)。

実際に前の試合でも、ケージを背中してスタンドでRNCを極めることができた。ただ、試合自体は簡単じゃなかった。左を2発被弾し、頭がクラクラしてしまって。とにかく休まないといけないって思って必死だった」

──懸命に組みついていきましたね。

「実はあの時に両手の開いて、相手の拳の前に置くようにして圧力をかけて前に出たんだけど、あの動きこそペドロに習ったセルフディフェンスだったの」

──おお、そうなのすか!! 必死になって距離を詰めていたのかと思っていました。

「必死にはなったいたのは事実だけど(笑)。そうやって組んでもテイクダウンを奪うことはできずに離れられてしまったけど、あの押し込んでいる時間でダメージを抜くことができたわ。それでも余裕は全くなくて『少しでも早くテイクダウンを奪わないといけない』って動いていると、また殴られて(苦笑)。

あそこで前に出たことは、色んな人から間違っていると指摘されたわ。ただ、前に出ないともっと殴られていたはず。今から振り返ると、あの時間こそ私に必要だった経験で。柔術では絶対的にディフェンスには自信があるから、私はどんどん積極的に前に出ることができるけど、打撃だと前に出るだけでなく、頭を動かして後ろもサイドも使わないといけない。

私自身がパンチを打つことも必要で。同じテイクダウンでも、そこまでのプロセスや必要な情報量は全く柔術とは別モノで。最初から打撃を進化させないといけないことは分かっていたけど、あの経験をしてより真実味が増すことになったわ」

──この1カ月少しのインターバルの間も、打撃に重点を置いてきたのでしょうか。

「すぐに成果が出るということじゃないけど、試合の直後からボクシングの練習を再開させたわ。金曜日の試合では、少しでも練習をしてきたことが出せればなって思っている。どれだけ、打撃の間合いで自分の戦いができるのか。しっかりと上体を起こして構えて、相手を見ることがでできるのか。肩を使って、頭を守ることができるのか。習得中の打撃をいかに試合で使えるのか。そこが一番大きなチャレンジね。

前回の試合よりは上手くなっているけど、相手が違うから。相手の動きが違うと、自分ができることも変わって来る。その部分で、私はまだまだ経験不足。でも、練習してきた打撃とテイクダウンを組み合わせて戦いたいと思っている。倒してしまえば、私には柔術がある。いかに速く動き、疲れないで組みつけるのか。

今は柔術が絶対的な武器だけど、このままではUFC世界チャンピオンにはなれない。テイクダウンできなければ、強いパンチを当てることができるようにならないと。それがあれば相手は打撃の防御が必要になってくる。なら、テイクダウンも仕掛けやすくなる。次の試合もそうだけど、実戦こそ一番の練習・経験になるわ」

──と同時に観客の前で戦うプロの試合です。

「私が期待されているのは、またサブミッションで勝つこと。フィニッシャーだし、私自身フィニッシュして勝ちたいと思っている。勝利への近道が、柔術で勝つことだし。コンプリートファイターにならないといけないけど、私は柔術を背負って勝っていきたい。金曜日の試合も1Rで一本勝ちするわ。RNCになるか分からないけど、とにかく試合を楽しみにしてほしいわ。会場のファンだけでなく、日本のファンにも。

もう10年も前になるけど、日本に行って本当に皆が歓迎してくれたの。私の柔術キャリアを後押ししてくれた日本の皆に、今後は私のMMAキャリアをサポートしてほしい。次の試合も、愛する日本の皆に応援してもらいたい」

■視聴方法(予定)
12月7日(土・日本時間)
午後12時00分~UFC FIGHT PASS

■ LFA198メイン対戦カード

<ライト級/5分3R>
リッチー・ミランダ(米国)
ウーゴ・オヤルスン(チリ)

<女子バンタム級/5分3R>
ビア・メスキータ(ブラジル)
フェルナンダ・アラウージョ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
コール・ラーセン(米国)
イライ・ブラジライ(イスラエル)

<女子ストロー級/5分3R>
シドニー・トリーヨ(米国)
ステファニー・ネイヤン(米国)

<ウェルター級/5分3R>
アルトゥル・バホス(ブラジル)
タイ・ミラー(米国)

<フェザー級/5分3R>
クリス・マカーテ(米国)
シャヒーン・サンタナ(米国)

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