【写真】随分と失礼なことを尋ねてしまっていますが、しっかりと答えてくれました(C)MMAPLANET
12月19日(日)に千葉市美浜区の幕張ベイパークアリーナで開催されるGrachan52でGrachanバンタム級チャンピオン伊藤空也が、手塚基伸の挑戦を受ける。
RIZINバンタム級GP出場を経て、古巣での凱旋防衛戦に向けて、伊藤は何を想うのか。10月25日に渋谷区の恵比寿カルフールSTUDIOで行われた記者会見後に、訊いた伊藤空也の声を届けしたい。
──グラチャン出場は1年3カ月、そしてバンタム級王座の初防衛戦になります。
「正式に発表されたし、逃げられないです。あとはもう作っていくだけで、ホントにやるだけです」
──この間、RIZINで戦った経験というのはキャリアのなかで、どのように捉えていますか。
「自分、2度目(渡部修斗)戦はコロナで陽性になり欠場したのですが、1回目(金太郎)は会場も当然デカいし、演出とかあの規模のお客さんの前で試合をするのは初めてでした。当然相手も強かったんで、ね。キャリアも僕より全然上だったので、あの状況下でああいう相手と試合ができたことで僕自身、殻を破れたかと思います。
あの試合に向けて、いつも通りの練習じゃ絶対に無理だと思っていたから、試合に対してやれることを全部やっていきました。だからこそ、成長を出来たと思います」
──私は正直、伊藤選手がバンタム級GPに出場することに対して、あのトーナメントに出場していなくても修斗、DEEP、パンクラスには伊藤選手だけでなく、獅庵選手、渡部修斗選手より強いバンタム級のファイターがいる。そういう見方をしていました。グラチャンのチャンピオンになる、それはステップアップをしていく道程ですが、いきなりRIZINというのは違うだろうと。
「もちろん、そう思われるのは当然です。僕もRIZINが全てだと思っていないです。でも世間では、なかなかそうは思ってくれない。当然、Grachanって何?っていう人が多いです。
パンクラス、修斗、DEEPからRIZINに行くモノじゃないのかと、格闘技界のなかで思わるのも分かります。あのトーナメントに出場するのに、僕は相応しくないと最初は思っていました。そのなかで声が掛った。なら、そこに何か意味があるはずだし」
──オファーがあって、「No」という必要な全くありません。
「だから勝てば良いんだろうって(笑)。見せてやれば良いんだろうっていう気持ちで、やっていました」
──それが殻を破ることに繋がったと。だからこそ、その成果を見せるにはしっかりと手塚選手と戦う必要がありますね。それにグラチャンとしても、チャンピオンが戻ってタイトル防衛戦をすることがRIZIN参戦効果だと思います。
「RIZINに出る選手って、もともと出ていた大会に出ない人が多いじゃないですか。僕はそれはちょっと違うんじゃないかなって思っています。正直、手塚選手とのタイトルマッチのオファーが来た時も、気持ちが上がりました。グラチャンで戦うこともそうですけど、手塚選手が相手だって聞いて断る理由はないですからね。もう2度とないチャンスだし、勝てば僕の力を証明できる試合になります。
僕にとって格闘技を始めた原点はプロレスで、プロレスラーは会場を選ばないです。小さな会場でもリングに立つと、やることは同じです。大谷晋二郎さんとか、絶対にそうですし」
──う~ん、スミマセン。その例えは分からないのですが、言われている言葉は格好良いです。
「アハハハ。会場の大小に関係なく、やるべきことをやる。僕もそうありたいと思っていますし、そのつもりでMMAを戦っています」
──幕張ベイパークアリーナでの試合にも、モチベーションが下がることがないと?
「ないですね。言うと、もっと魅せる試合をするつもりです。そこは変わんないです。だからこそ、負けられないです」
──強さを見せる試合と、負けられない試合では感じるプレッシャーも違うかと。
「ベルトを防衛するのもそうですし、RIZINに出て何だかんだと以前よりも注目されるようになりました。でも、ここで負けるようだとそれまでの選手と思われます。UFCに出てHEATとグラチャンのベルトを巻いた手塚選手に、どこまでできるのか。これは自分が試されている試合です。ここで勝つことができれば、僕自身を証明できる」
──大きな舞台を経験して自信がついたのか、口ぶりも変わりましたね。
「(囁くように)その振りです。自信は全然ないです。強気で言っているだけなんです。人間が変わったということはないので、大丈夫です」
──以前の伊藤選手に一気に戻りましたね(笑)。
「場慣れ……とか、分からないです。インタビューは緊張しているままですし(苦笑)」
──では12月19日、どのような試合……いや試合ではないですね。どのような伊藤空也を見せたいですか。
「そうっスね。マジの選手を相手にして、グラップラーだとかレスラーとかは関係なく勝てる……そういうMMAの強さを見せたいッスよね。このベルトを防衛できるだけ、防衛し続けたいです」
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