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【UAEW44】砂漠のUFCへの道。藤田大和 in アブダビ―01―「ギリギリのタイミングで試合が決まりました」

【写真】アブダビは人工的な緑と水の豊か街だが、砂漠の熱風だけでなくペルシア湾の湿った空気もあり本当に暑さを感じる街だ(C)TAKESHI YAMAZAKI

26日(土・現地時間)にUAEはアブダビのエディハド・アリーナで開催されるUAEW44で、藤田大和がウズベキスタンのフィルカドベク・ヤクボフと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

メインで予定されていたUAEWライト級王座決定戦=アムル・マゴメドフ×アレックス・ダ・シウバの一戦が、前者の欠場で163ポンド契約マッチ=シウバ×バジシュ・サルママトフに変更された今大会、藤田は日本人として2人目のUAEW出場となる。

その藤田は昨年7月にRIZIN沖縄大会で曹竜也を下したあと、翌8月からスタートしたDEEPフライ級GPは欠場に。以降は海外での試合を希望しているという話が伝わってきていた。そして曹戦から1年の時を経て、UAEW出場が決定。MMAでは初となる海外での試合に向け、アブダビ入りした藤田をキャッチした。


――この取材は8月21日に行っています。アブダビは今、朝10時ですよね。昨夜現地に入ったそうですが、暑さはいかがですか。

「外に出たのは昨夜、空港に着いた時だけで、今日はまだホテルから出ていないんですよ。でも昨夜の時点で蒸し暑さを感じました」

――天気予報によると、今日のアブダビは最高気温が40度で、湿度が46パーセントとのことです。日本のほうが湿度は高いですが、日本とは異なる暑さを感じませんか。

「すごく湿度が高く感じますよね。日本とは違うなって思います」

――そのアブダビに、すでに体を絞った状態で入っているのですね。顔つきも細く見えます。

「はい。水抜き前までの状態まで落として日本を出発しました。こちらで体を動かして体重を落とすようなことはないですね」

――アマチュアボクシング時代も含めて、海外での試合経験はありますか。

「実はボクシングで初めての海外遠征先がイランだったんですよ。だから中東は初めてじゃないんです」

――えっ、そうだったのですか。

「高校時代のユース・アジア選手権ですね(2010年3月)。その翌月にはアゼルバイジャンでも試合をしています。もう15年も前の話なので、あまり当時のことは覚えていませんが(苦笑)。ただ、またイスラム圏で試合をすることになるとは不思議な気持ちです」

――藤田選手は昨年7月の曹竜也戦以来、1年1カ月ぶりの試合を迎えます。この間、海外で戦うことを目標にしているという話を聞いていました。

「そうですね。いろんな方に出られる大会を探していただいてUAEWに出られることになり、ホッとしています。」

――様々な団体と交渉しているなか、このUAEWは最初から視野に入っていたのですか。

「いえ。全く――というわけではないですけど、あまり大会について知らなかったです(苦笑)。日本から吉野光選手が出場していたので、UAEWという大会があることは知っていました。でも自分がアブダビで戦うとは想像していなかったですね」

――他にはどの大会と交渉していましたか。

「Road to UFC、ONE、あとは神龍誠君がベルトを獲ったCFFCといったところも考えていました。あとは豪州の団体も」

――結果、1年を経てUAEW出場が決定しました。この1年間は海外の試合が決まらなければ国内で試合をするという選択肢はなかったのでしょうか。

「ギリギリのところでしたね。UAEWの試合が決まったのが、ちょうど前の試合から1年経ったところで。これ以上、試合間隔が空くようなら国内の試合も考えようと山﨑(剛Me,We代表)さんと話をしていました」

――その間、主戦場としていたDEEPではフライ級GPが開催されていました。ご自身のいないDEEPフライ級GPはどのように見ていましたか。

「フライ級GP、すごく面白かったです。僕が対戦したことのある選手も出場していましたし、ずっと見ていました。そのなかで福田選手が優勝して――自分も福田選手と対戦したいっていう気持ちになりました。前から福田選手の存在は気になっていたんですよ。GPの試合を視て、以前よりも戦いたい気持ちが強くなっています」

――一方で福田選手としては、1年間も試合がないことに対して焦りはなかったですか。

「焦りがないというわけではなかったです。1年間は長かったですよ。でも練習へのモチベーションが下がることはなかったですね。試合がないから、試合が決まらなそうだから――というのは関係なくて。逆に日本国内でフライ級が盛り上がることで、すごく良い刺激をもらいました。さらにギリギリのタイミングでUAEWの試合が決まりました」

――では練習をしながら試合決定を待っていた1年で新しく取り組んだり、伸ばしてきた部分はありますか。

「いろんな面を伸ばしてきました。たとえば倉本一真先輩が米国のファイトレディで教わったことを、僕が日本でドリル練習に取り入れたりしました。グラップリング面でも岩本健汰君が週1回、Me,Weに来て技術を教えてくれていたんですよ。グラップリングの立ちから寝から――いろいろと。この1年、試合はしていなくても全体的に成長してきたなって感じます」

――1年前の自分と比べて、今は何パーセント増しになっていると思いますか。

「そうですね……。20パーセントから30パーセント、と言っておきます(笑)」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
8月26日(土・日本時間)
午後11時00分~ UFC Fight Pass

■ UAEW44対戦カード

<163ポンド契約/5分3R>
アレックス・ダ・シウバ(ブラジル)
バジシュ・サルママトフ(キルギスタン)

<バンタム級/5分3R>
サビア・アラウイ(カナダ)
チィルイイースー・バールカン(中国)

<フライ級/5分3R>
サンスハル・アジロフ(カザフスタン)
キリンベク・アルティミシュ・ウルル(キルギス)

<ウェルター級/5分3R>
サマンダル・ムラドフ(タジキスタン)
ルーカス・サンパイオ(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
ラシッド・ヴァガボフ(ロシア)
チュウ・ルン(中国)

<ミドル級/5分3R>
イスラム・アブドゥル・バシット(エジプト)
ロビン・ルース(スウェーデン)

<フライ級/5分3R>
フィルカドベク・ヤクボフ(ウズベキスタン)
藤田大和(日本)

<ウェルター級/5分3R>
シェフバン・アルハソフ(ロシア)
サラマット・オロザクノフ(キルギス)

<フライ級/5分3R>
ジョーヴィンセント・ソー(フィリピン)
アーロン・アビー(英国)

<176ポンド契約/5分3R>
エルキン・ダルメノフ(カザフスタン)
マルク・ハルム(南アフリカ)

<160ポンド契約/5分3R>
ルスタン・セルビエフ(ベルギー)
アナル・フシイノフ(アゼルバイジャン)

<150ポンド契約/5分3R>
イスラム・レダ(エジプト)
アーニー・ブラカ(フィリピン)

<女子フライ級/5分3R>
マリア・エウヘニア・ズブルン(アルゼンチン)
バクチブグル・クルマンベコワ(キルギス)

<ウェルター級/5分3R>
コホタム・ボイナザロフ(ウズベキスタン)
ミキャイル・バイハム(フランス)

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DWCS S07 Ep03 GLORY INVICTA K-1 MMA MMAPLANET o RENA Road to UFC UAEW UFC イシス・ファーベック キック ボクシング

【DWCS S07Ep03】SBでRENAと戦ったファーベックとK-1でKANAと戦ったキヌットソンが対戦=格闘浪漫

【写真】世界的なキックでのバリューはファーベックが上か。よりMMA化が進んでいるのはキヌットソンだが、総合力(=合計点)で上回っていると言い難い。ここがMMAの面白き点 (C)INVICTA FC/DAVE MANDEL & MMAPLANET

22日(火・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでコンテンダーシリーズの第3週が開催される。
Text by Manabu Takashima

過去2週、10人の勝者の合格率が100パーセント。勝てば全員がUFC行きを決めている今年のコンテンダーシリーズだが、フィリップ・ドスサントスとフライ級で対戦予定だったウルグアイ人ファイター=ルシアノ・ペレイラが計量に失敗し、4試合で第3週は実施されることとなった。

各大陸のローカルシーンや米国フィーダーショーから、世界最高峰を目指すファイターが集まるコンテンダーシリーズだけに、その出場選手のほとんどが日本ではなじみがない。そんななか、今大会には来日経験のあるファイターが対戦する。それが女子ストロー級でUFC行きを賭けて戦うイシス・ファーベックとジョセフィン・キヌットソンだ。


オランダ人ファイターのファーベックは、イシス・バービックの名でシュートボクシングに2度来日経験があり、2014年には0-2でRENAに、4年後にGirld S-Cupに再来日を果たすもまたも0-2でMISAKIに敗れ、日本で勝ち名乗りを挙げることはできなかった。

それでも名門ボスジムでイワン・ヒポリットの教えを受け、キックボクサーとして成長したファーベックは欧州は当然として中国のKunlun Fight、GLORYと世界を股にかけてキック&ムエタイを戦い、立ち技では41勝8敗1分というレコードを残している。

MMAデビューは2018年11月と2度目の来日から4カ月後で、Invicta FCで判定負け。その後はここまで4連勝中で、CombateやInvicta FCで結果を出しただけでなく、ベアナックルMMAを2度戦いどちらの試合も勝利している。

(C)INVICTA FC/DAVE MANDEL

キング・モーの指導を受けるファーベック。

それでも首相撲でのヒザ蹴りと縦ヒジという攻撃が、MMAでも一際印象に残っている。ばかりかカーフ、左レバーショット、ハイキックと打撃のテクニックは文句のつけようがない。また激しくトラッシュトークを批判し、マーシャルアーツ愛を熱くアピールすることもあったフェーベックの課題は、やはり組みの展開だ。

そんなフェーベックと相対するジェフェフィン・キヌットソンはヨセフィン・ノットソンの名で、K-1に来日したIFMA世界女子フライ級王者で、プロでも30戦以上の戦績がある。しかも日本のエース=現K-1女子フライ級王者KANAとは合計3度拳を交え、初対決(2018年11月)はコスチュームが外れて後ろを向いた際にダウンと判断されて判定負け、2戦目(2019年3月)は判定勝ち、3戦目の初代K-1女子フライ級王座決定トーナメント決勝(2019年12月)では延長スプリット判定負けと完全に互角だった。

彼女もまたMMAに転向を決意し4戦目で、昨年のRoad to UFC Ep03で韓国のソ・イェデムに判定勝ちを収め、その後はUAEW経由でコンテンダーシリーズに辿り着いた。

キヌットソンもムエタイベースだが、上下とも寝技でいえばフェーベックより、しっかりと実戦で使いこなしている感もあり、よりウェルラウンダーといえる。ただし、寝技に持ち込むまでの流れが相手のテイクダウンを切って上を取ったり、ケージレスリングで競り勝つことが多く、そのプロセスに首相撲を好む傾向がある。

ゼロ距離になるとフェーベックの方が力強くも感じるが、立ち技オンリーになるとキヌットソンは圧と手数で疲弊させ、よりこなれたMMAでの強さを──ダブルやシングルでクリーンテイクダウンを奪うことがでできれば、勝機が訪れる確率が上がる。同様にフェーベックは、それらのテイクダウンに対応でき、クリンチに持ち込むことができるのか。その辺りが、このUFC行きを賭けた戦いの鍵を握るだろう。

■視聴方法(予定)
8月23日(水・日本時間)
午前8時~UFC FIGHT PASS

■ DWCS S07 Ep03<ミドル級/5分3R>
エリ・アロノフ(イスラエル)
ザッカリー・リース(英国)

<ウェルター級/5分3R>
オーバン・エリオット(英国)
カイキ・ブリト(ブラジル)

<女子ストロー級/5分3R>
イシス・ファーベック(オランダ)
ジョセフィン・キヌットソン(スウェーデン)

<フェザー級/5分3R>
ロビー・リング(米国)
ルイス・パフエロ(ペルー)

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【Road FC65】8月のvs世界!! Raod FCで原口央、キャプテン☆アフリカがキルギス&在韓モンゴリアンと!!

【写真】キャリア最強の相手と戦ういっても過言でない原口。翌日にRoad to UFCを戦う実弟・伸に良い形でバトンをつなげることができるか(C)MMAPLANET

8月最終週末、25日(金・現地時間)から26日(土・同)、27日(日・同)にかけてアブダビ、シンガポール、そして韓国で日本勢が世界と戦う。

アブダビ=UAEWには藤田大和、シンガポール=UFC ESPN52には木下憂朔、中村倫也、風間敏臣。Road to UFCには鶴屋怜、上久保周哉、神田コウヤ、原口伸が出場する。

そして26日(土・同)の韓国=Road FCでは6月にスタートを切ったグローバル・トーナメント63キロ級準決勝に原口央、70キロT準決にはキャプテン☆アフリカ、マックス・ザ・ボディと3選手が挑む。


ソウル近郊のアニャンはアニャン室内体育館で開催されるRoad FC65。6月23日にウォンジュで実施された同トーナメント準々決勝を勝ち残った面々が、5カ月間で3試合――10万ドル獲得を目指した短期決戦の折り返しを迎える。

初戦でムン・ジェフンを破った原口は、韓国を襲った中央アジアの猛威=キルギスのラザバリ・シェイドゥラエフとの対戦が決まっている。

RIZINでも連勝中だったヤン・ジヨンをボディロックテイクダウンからRNCで仕留めたシェイドゥラエフは、テイクダウン前の打撃が蹴りも含めて、正確かつ威力がある。組みとの緩急という面も含めて、相当な力を持ち主といえよう。ここを切り抜けるには、やはり思い切りの良さ。スクランブルの先にあるフィニッシュ力が、いよいよ求められる原口央だ。

Road FCフェザー級王者パク・ヘジンとのスイープ合戦を制し、力強いコントロールでセミファイナルに進出を果たしたアフリカは韓国在住のモンゴリアン=ムングントズ・ナンディンエルデンと相対する。いうとテイクダウンを切ってパンチ勝負のナンディンエルデンと、テイクダウンからが命綱のアフリカ。

ナンディンエルデンが徹底して組みを避けるのに対し、アフリカは打撃戦に応じる傾向にある。ここはなりたい自分、K-MMA独特の会場に雰囲気、レフェリーの打撃示唆に影響されることなく、この試合で勝つためのアフリカのベストを見せてほしい。

初戦を反則のグラウンド・ヒザで勝ち上がったマックス・ザ・ボディは、右のカウンター一発でユン・テユンをKOしたロシアのアルトゥル・ソロヴィエフと戦う。

まだソロヴィエフが組みという部分を見せていないが、中間距離よりも近い位置で、倒す右を持っており。如何にソロヴィエフの右ショート、クロスを貰わないで戦うか。まずはそこが、第一関門となろう。

そして2階級揃って韓国勢が総崩れとなったなか、最後の砦となった63キロ級T出場のキム・スーチョルは、パク・ヘギュンを初戦で下したブルーノ・アゼベドを迎撃する。

生まれ故郷で、韓国勢全滅かというプレッシャーをはねのけたスーチョルは、その精神面の成長もあり今がキャリアハイ、ピークといえる状況――ここで、躓くことはあまり考えられない。

■Road FC65対戦カード

<Road FC グローバル63キロT準決勝/5分3R>
キム・スーチョル(韓国)
ブルーノ・アゼベド(ブラジル)

<Road FC グローバル70キロT準々決勝/5分3R>
ムングントスズ・ナンディンエルデン(モンゴル)
キャプテン☆アフリカ(日本)

<Road FC グローバル63キロT準決勝/5分3R>
ラザバリ・シェイドゥラエフ(キルギス)
原口央(日本)

<Road FC グローバル70キロT準決勝/5分3R>
アルトゥル・ソロヴィエフ(ロシア)
マックス・ザ・ボディ(カメルーン)

<Road FC グローバル70キロT補欠戦/5分3R>
シン・ドングク(韓国)
ハン・サングォン(韓国)

<63キロ/5分3R>
ムン・ジェフン(韓国)
ヤン・ジヨン(韓国)

<無差別級/5分3R>
関野大成(日本)
オ・イルハク(韓国)

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DEEP MMA MMAPLANET o RIZIN Road to UFC UAEW UAEW44 UFC アムル・マゴメドフ アリ・アルカイシ キック ボクシング 藤田大和

【UAEW44】中東から世界へ。藤田大和が危険と隣り合わせのヤクボフと対戦。アラビア王者とあの男も!!

【写真】吉野光に続き、藤田大和が砂漠をステッピングボードに選んだ。砂に足を取られてはならない……(C)MMAPLANET

4日(金・現地時間)、UAE Warriorsより今月 25&26日(金&土・同)にUAEはアブダビのエティハド・アリーナでUAEW43「Arabia」とUAEW44が開催され、後者に日本から藤田大和が出場。フィルカドベク・ヤクボフと対戦することが発表されている。

元DEEPフライ級暫定王者の藤田は昨年5月に神龍誠との王座統一戦に敗れ、7月にRIZIN沖縄大会で曹竜也に勝利して以来、1年1カ月振りのファイトが中東&UAEWとなった。


対戦相手のヤクボフはドバイのTKMMA所属のウズベキスタン人ファイターでキャリアは8勝3敗、今年の5月に同プロモーション初勝利を挙げたばかりでUAEWでの戦績は1勝2敗だ。とはいえその2敗はバンタム級とフェザー級で喫したもので、しかもフェザー級戦の相手は現UAEWフェザー級王者で元UFCファイターのアリ・アルカイシだった。

フライ級ではレコードに残っているものだけで4勝0敗、さらにキックボクシングでもキャリア25戦ほど戦っており、勝ち星は20を超える。加えてヤクボフは道着を着た柔術の試合にも出ているが、基本はストライカーでスピニングバックキックは絶品だ。

MMAでもキックの距離で絶対的な強さを誇り、踏み込みに合わせたカウンターショットの破壊力は抜群だ。藤田にとって手が合うか、合わないかといえばヤクボフは手が合う相手だろう。ただし、常に危険と隣り合わせだ。

近距離でも巧みに距離を外せる藤田が、そのレンジコントロールから組みを織り交ぜることで疲弊させ、強弱をつけるというよりも強打が多いヤクボフの打のエネルギーゲージを如何に下げることができるか。中東から世界を狙う藤田にとって大一番だ。

なおUAEW44のメインではブルーノ・マチャドが返上したUAEWライト級王座を巡ってヌルマゴ軍の新鋭アムル・マゴメドフが、UFCベテランのアレックス・ダ・シウバと対戦。

(C)Zuffa/UFC

コメインのバンタム級ではUAEWアラビアのバンタム級王者ザビア・アラウイが、5月のRoad to UFCで上久保周哉に敗れたチィルイイースー・バールカンと戦う。

カナダ人のアラビア王者、つまり中東の育成枠トップがRoad to UFCで上久保を苦しめた中国人ファイターとどのような攻防を繰り広げるのか。この一番も要注目だ。

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【Gladiator022】バンタム級GP出場、ジェイソン・マルガリョ「タケモトの遅いパンチ&超遅い蹴りに注意」

【写真】1994年9月生まれ、28歳のマルガリョ。プロでは11勝6敗、アマは3勝3敗 というレコードの持ち主だ(C)MMAPLANET

本日11日(日)、大阪府豊中市の176boxで開催されるGLADIATOR022では8人参加のバンタム級GPがスタートする。そこでフィリピンのジェイソン・マルガリョが、竹本啓哉と対戦する。

アジアの#01フィーダーショーを目指すグラジエイターにあって、韓国とモンゴルが結果を残すなか――ポテンシャルこそ見せても勝利を手にできていないのがフィリピン勢だ。そのなかで手にしたチャンス、国際戦の経験も豊かなマルガリョはディンクレディブルMMA……つまり1月にグラジに来日したジョン・オルニドの同門でフィリピンMMAの強さを見せることを胸に竹本と相対する。


――ジェイソンが格闘技を始めたのはいつ頃ですか。

「17歳の時にボクシングを始めた。マニラから北に100キロほど離れたサンバレス州に住んでいて、柔術も生まれ故郷で習うようになった。ボクシングジムがMMAジムになったんだ。本当はプロボクサーになることが夢だった。でも17歳からやり始めたのでは、遅すぎた。だからMMAに転向した。

MMAキャリアをスタートさせるのに17歳は、まだ十分に早い。柔術、ボクシング、柔道、ムエタイという別々のスタイルの格闘技を学ぶようになり、19歳からMMAを戦ってきた」

――それからマニラに出てきてロランド・ディ門下として、活動するようになったのですね。

「生まれ故郷にいるより練習環境も良く、試合の機会もマニラの方が多い。だからマニラに引っ越した。2013年の時だよ。MMAを始めた直後だ。でもロランド・ディと練習を始めたのは3年前、それまではマルキーナでMMAをやっていた。ロランドは素晴らしいコーチで、最高のリーダーなんだ。いつもファイターにやる気を与えてくれる」

――ではジェイソンのMMAファイターとしての強みを教えてくれますか。

「僕はストライカーだ。でも、柔術でもレスリングでもタケモトと同じことがきるよ。念を押すけど、打撃の選手だけどね。僕らはどの局面でも戦える。そのために柔術とレスリングの練習を多くやっているんだ。確かにタケモトは良いグラップラーだ。でも、そんなことは気にしない。

この試合はMMAだから。サブミッションだけでなくパンチ、キック、エルボーと試合をフィニッシュできる数多くの武器を持っている。それに試合は常に立ち技から始まるからね。僕がタケモトを倒すことは分かっている」

――竹本選手の攻撃で注意しないといけないのは、どこだと考えていますか。

「タケモトの遅すぎる打撃だ。パンチは本当に遅くて、キックも超遅い。ただしグラップリングは本当に、本当に、本当に強いよ。彼がパンチを出すのはテイクダウンを狙うためだということは分かっている。そこもしっかりと対策を練ってきた。僕とタケモトとの試合はエキサイティングな戦いになる。爆発力のあるファイトになること間違いない。MMAはトータルファイティング。グラップリング、レスリング、どのような状況になっても戦うことがデキる準備をしてきた」

――ジェイソンの戦績を紐解くと、フィリピン以外の試合も多いですね。

「これまで僕はマレーシア、タイ、中国、アブダビで戦ってきた。UAEWでの戦いは、大きな舞台で凄いプレッシャーだったよ。勝てなかったけど、凄く良い経験になった。パニックになってはいけないことを学んだんだ。自分を見失っていたから、すぐに寝技に持ち込まれた。本来はパンチも蹴りも使えたはずだ」

――その経験が如何に成長につながったかを確認するには、竹本選手は格好の相手になりますね。

「だからこそ、この試合の機会が得らえた意味は本当に大きい。フィリピンで国際戦を戦うことはとても難しいから、このチャンスを与えてくれたGladiatorにとても感謝している。ベルトが掛かったGPに向けて、できることは全てやってきたよ。

グラジエイターでは不運にもジョン・オルニドは反則負けになった。エイドリアン・バトトもヒールで敗れている。僕はフィリピンMMAの底力を見せたい。新世代のフィリピンMMAファイターはただのストライカーじゃない。色々な技術を習得しているから、もっと国際的な舞台で戦うことができるはずだ」

――では最後に今回の試合に賭ける気持ちをお願いします。

「タケモトと戦う準備はできている。だからタケモトも僕と戦う準備ができていることを願っている。爆発力のある試合をして、タケモトをぶっ飛ばす」

■視聴方法(予定)
6月11日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator022計量結果

<バンタム級/5分2R>
フェルナンド:63.95キロ
今村豊:63.95キロ

<バンタム級/5分2R>
秋田良隆:61.0キロ
田中壱季:61.05キロ

<フライ級/5分2R>
古賀珠楠:56.5キロ
廣瀬裕斗:56.7キロ

<フェザー級/5分2R>
桑本征希:65.75キロ
天草ストロンガー四郎:65.6キロ

<バンタム級/5分2R>
藤原克也:60.9キロ
別所竜弥:61.2キロ

<フェザー級/5分2R>
ハンセン玲雄:66.05キロ
徳野一心一馬:65.95キロ

<Gladiatorバンタム級GP1回戦及びGladiatorバンタム級選手権試合/5分3R>
神田T-800周一:61.2キロ
テムーレン・アルギルマー:61.1キロ

<Gladiatorフェザー級王座決定T準決勝/5分3R>
河名マスト:66.1キロ
パン・ジェヒョク:65.55キロ

<Gladiatorフェザー級王座決定T準決勝/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス:66.15キロ
ダギースレン・チャグナードルジ:66.1キロ

<Gladiatorバンタム級GP1回戦/5分3R>
竹本啓哉:61.65キロ※再計量
ジェイソン・マルガリョ:61.45キロ

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級暫定王座決定T準決勝/5分2R>
森戸新士:76.35キロ
網藤雄太:76.55キロ

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級挑戦者決定T準決勝/5分2R>
世羅智茂:76.2キロ
加賀谷庸一朗:75.9キロ

<バンタム級/5分2R>
江田こうすけ塾長:61.45キロ
溝口司:61.00キロ

<フライ級/5分2R>
江木伸成:56.3キロ
空:56.55キロ

<フェザー級/5分2R>
木村総一郎:65.8キロ
藤岡陸:65.95キロ

<ライト級/5分2R>
後藤丈季:70.5キロ
水野翔:69.8キロ

<ライト級/5分2R>
八木敬志:69.9キロ
直島弘昌:69.95キロ

<バンタム級/5分2R>
安枝匠:59.45キロ
吉田開威:61.15キロ

<ストロー級/5分2R>
田中優樹:51.75キロ
武尊:51.65キロ

<フライ級/5分1R>
MASATERU:56.25キロ
塩谷尚也:56.2キロ

<フェザー級/5分1R>
野口蒼太:56.25キロ
西村剛:56.2キロ

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【Gladiator022】Road to ”Road to UFC”=パン・ジェヒョク戦へ、河名マスト「自分を信じて戦いたい」

【写真】色々あった計量、パン・ジェヒョクの視線が今からすると――そういうことなのかと納得できる (C)MMAPLANET

11日(日)に豊中市の176BOXで開催されるGLADIATOR022でフェザー級王座決定トーナメント準決勝戦=河名マストが、パン・ジェヒョクと戦う。

鳴り物入りながら、「苦労する」――そんな評判のなかで、文字通り泥臭くキャリアを積みかさね、LFAで跳ね返された河名がアジア路線のグラジで王座を狙う。もちろん、その先にはRoad to UFCとUFCという絶対的な目標が存在している。

絶対的な組み力を如何にMMAに活用、いや転用するのか。進化した姿を見せる、そんな真価が問われるパン・ジェヒョク戦が決まった直後に行った河名インタビューをここでお届けしたい。


──グラジエイターに初出場、パン・ジェヒョクとフェザー級王座決定T準決勝を戦います。昨年11月の寿希也戦からここまで試合期間が空き、グラジエイターに出場となった経緯というのは?

「Road to UFCに出場できるのか。そこを待っていました。最初はメンバーに入れるというところから話が進まなくて、50/50という気持ちでいたのですが『出られない』という空気が強くなりました。結果、出場できなかったですが、そこから気持ちの切り替えは早かったです。

BRAVE CFとかUAEWなど中東で戦おうと考えて。マネージメントも、組めるかもということだったので。中東は日本で戦うよりも目に留まる。結果を残せば、インパクトがあるだろうと考えていました」

――それでも日本、そしてグラジ参戦となりました。

「今回のRoad to UFCではベルトを持っているのが判断基準になったように感じました。だからベルトを獲るということが念頭にあって。どこでベルトを狙うか、そこを思案していた時にグラジエイターからオファーがありました。ベルトが掛かったトーナメントで、外国人選手を呼んでくれる。去年、LFAで戦って外国人選手と戦う経験が必要だと感じていたのですが、そうなると中東でやろうが、日本でやろうが場所は関係なくなるので。

グラジエイターは実際にチャンピオンがRoad to UFCに出ていますし、自分が目指すところに向かう階段に確実になっていると思います。ちゃんと実績を残せば北米のメジャーに目に留まるのは明らかで、ただし今そこに引っかかってくるのは韓国人だったりモンゴル人だったりしているので、そこに自分が引っかかるように戦います」

――初戦で戦うバン・ジェフンは韓国人選手で、もう一人の外国人選手はモンゴルのダギースレン・チャグナードルジです。アジア圏の選手と戦うことに関しては、どのように思っていますか。

「今回戦う韓国人選手は、海外の選手にありがちな雑さがあって、際で強くて粘ることができると思いました。僕と戦うと誰もがそうなのですが、組みを拒否してきます。その拒否力が高いです。亀井(晨佑)選手との試合は、そういう試合にならなくてボクシングで突き放されたと思います」

――対して、透暉鷹選手との試合では組みを切って打撃を入れるという部分で強さを見せていました。そして、倒されても立ちます。

「倒しても立たれるというのは、倒し方に問題があるのかと思います。そこは寿希也戦前までは綺麗に投げる……レスリング的には相手にケガをさせないようにフォールを取れるように投げていたのを、如何に投げるときにケガをさせるのか。相手が立ちづらいように投げて落とすというのを寿希也戦で少し出すことができたので、今回もそこをしつこくやろうと考えています。相手がもう立ちたくないと思うように投げて、ダメージを与えようと思います」

――レスリングではケガをさせないように投げていたというのが、新鮮に聞こえます。

「そういう投げを使うと、自分もバランスを崩してケガをする可能性が出てきます。そうなるとレスリングという競技は成り立たないので。そこの綺麗さを捨てた、汚く相手を傷つける投げを出せると思います」

――つまりは組んでからの話で、そこまでの成長具合が気になるところです。

「う~ん、受け返しを一般会員さんのクラスでも丁寧にやるようにしています。プロ練習で受け返しを意識しても、それ以前の問題だったので。それすら恐怖が優ってできないので、それを一般会員さんのクラスで一からやってきました」

――もう勇気だけで向かっていた時期とは違うと。

「ハイ。無謀とは違うかと思います。立ち姿と目線、相手を俯瞰して見て自分の姿勢を崩さない。殴られると殴り返すか、組み返す。そこを丁寧にやろうと練習してきました」

――パン・ジェヒョクは打撃で出てくるファイターなので、そこが如何に成長しているのか試金石となる試合ですね。

「相手が思い切り振ってくれればくれるほど、自分が触ることができる機会は増えると思います。相手からすると、組まれても大丈夫だから思い切り殴ってくるわけで。相手がそういうつもりでいるなかで、組んだ時のプレッシャーが相手の想定より上だったら、もうこの試合は取れるんじゃないかと思っています」

――前に出てパンチを当てた方が勝つ。そのような思考で、今回も来ることが予想されます。

「だからこそ、付け入る隙が出てきます。相手が振って、組み返すことが勝利の方程式だとすれば、そこで組み勝てば向こうに切れるカードはない。そこでグゥの音も出ないほど完封できればと思います」

――実際問題、グラジのベルトはRoad to UFCへのチケット。その切符を手にするために、この2試合で何を見せないといけないと思っていますか。

「まず最低条件として、絶対に勝つこと。勝たないといけない。その勝ち方も、これまで通りずっとコントロールし続けるうえで如何に極め技に持って行くのか。それとも倒してダメージを与えるのか。それをこの2試合で見せないといけないことです。

ストレートを当ててKOができれば良いです。でも、そんなことできないので自分がこれまでやってきた形のなかで、コントロール+フィニッシュにいくことで相手も疲れる。もちろん、自分も疲れるのですが、フィニッシュにいくことがコントロールにつながり、コントロールすることがフィニッシュにつながると思っています」

――去年の1月にFight&Lifeで中村倫也選手と対談をしてもらい、あの時に倫也選手は「最長で2年でUFCに行く」と宣言して実現させました。対して河名選手は「最短で2年」と発言し、ここで王者になってRoad to UFCという道が開けば3年目のUFCはありえます。

「そう考えると、現状は……今年のRoad to UFCに出たかったけど、それが可能になればラッキーで。だから、今ここにいることは遅くはないと感じています」

――ところで今日、練習を見させてもらい意外だったのが、練習仲間から『スッと諦めることがある』という発言が聞かれたことです。

「アハハハハ。練習でやったことしか、試合で出ないです。でも、勝負ということを考えると練習と試合は違う。練習で弱くても、試合で強い場合もあって、その逆の人もいます。そういう意味で、僕は試合で自分の力を信じて出せると思っているので、出し切って勝つ。試合で諦めることは絶対にないです。

LFAまではただ無謀に突っ込んでいました。今は怖さを知った上での勇気です。少しは変わることができた思っているので、自分を信じて戦いたいです」

――では、このトーナメントへの意気込みを改めてお願いします。

「打撃からレスリングでコントロールするなかで見る人が見たら分かる――『ここで明らかにダメージを与えた』、『この動きはフィニッシュにつながっている』というのを自分の頭のなかで想像していて。それを表現できればなと思います」

■視聴方法(予定)
6月11日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator022計量結果

<バンタム級/5分2R>
フェルナンド:63.95キロ
今村豊:63.95キロ

<バンタム級/5分2R>
秋田良隆:61.0キロ
田中壱季:61.05キロ

<フライ級/5分2R>
古賀珠楠:56.5キロ
廣瀬裕斗:56.7キロ

<フェザー級/5分2R>
桑本征希:65.75キロ
天草ストロンガー四郎:65.6キロ

<バンタム級/5分2R>
藤原克也:60.9キロ
別所竜弥:61.2キロ

<フェザー級/5分2R>
ハンセン玲雄:66.05キロ
徳野一心一馬:65.95キロ

<Gladiatorバンタム級GP1回戦及びGladiatorバンタム級選手権試合/5分3R>
神田T-800周一:61.2キロ
テムーレン・アルギルマー:61.1キロ

<Gladiatorフェザー級王座決定T準決勝/5分3R>
河名マスト:66.1キロ
パン・ジェヒョク:65.55キロ

<Gladiatorフェザー級王座決定T準決勝/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス:66.15キロ
ダギースレン・チャグナードルジ:66.1キロ

<Gladiatorバンタム級GP1回戦/5分3R>
竹本啓哉:61.65キロ※再計量
ジェイソン・マルガリョ:61.45キロ

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級暫定王座決定T準決勝/5分2R>
森戸新士:76.35キロ
網藤雄太:76.55キロ

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級挑戦者決定T準決勝/5分2R>
世羅智茂:76.2キロ
加賀谷庸一朗:75.9キロ

<バンタム級/5分2R>
江田こうすけ塾長:61.45キロ
溝口司:61.00キロ

<フライ級/5分2R>
江木伸成:56.3キロ
空:56.55キロ

<フェザー級/5分2R>
木村総一郎:65.8キロ
藤岡陸:65.95キロ

<ライト級/5分2R>
後藤丈季:70.5キロ
水野翔:69.8キロ

<ライト級/5分2R>
八木敬志:69.9キロ
直島弘昌:69.95キロ

<バンタム級/5分2R>
安枝匠:59.45キロ
吉田開威:61.15キロ

<ストロー級/5分2R>
田中優樹:51.75キロ
武尊:51.65キロ

<フライ級/5分1R>
MASATERU:56.25キロ
塩谷尚也:56.2キロ

<フェザー級/5分1R>
野口蒼太:56.25キロ
西村剛:56.2キロ

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BELLATOR Brave CF Gladiator Gladiator021 Gladiator022 MMA MMAPLANET o UAEW キック コンバット柔術 ジェイソン・マルガリョ テムーレン・アルギルマー ボクシング ロランド・ディ 櫻井雄一郎 江木伸也 海外 神田T800周一 福島啓太 竹本啓哉 笹晋久 釜谷真

【Gladiator022】今度はバンタム級GP!!。準々決勝前半戦でチャンプ神田✖テムーレン。竹本✖マルガリョ

【写真】 フェザー級王座決定T準決勝と共にバンタム級GP準々決勝。だんだんとグラジを無視できなくなってくる選手も出てくるのでは……(C)MMAPLANET & ELORDE MANAGEMENT

24 日(水)、Gladiatorより6月11日(日)に豊中市の176BOXで開催されるGLADIATOR022より8人参加のバンタム級GPがスタートを切り、同大会で準々決勝2試合が組まれることが発表された。

同GPはいわゆるBellator方式というべきチャンピオンが出場し、準々決勝、準決勝、決勝とその時点での王者が防衛戦を行うというもの。そして今大会ではGladiatorバンタム級チャンピオン神田T800周一✖挑戦者テムーレン・アルギルマーのタイトル戦、前チャンピオン竹本啓哉✖ジェイソン・マルガリョの2試合が準々決勝として組まれることが明らかになった。


3月のGLADIATOR021のノンタイトル戦で衝撃のモンゴリアン・スラムから神田をパウンドアウトしたテムーレンが、その神田がダイレクトリマッチでベルトに挑む。これは王者の強い要望で実現した選手権試合だ。

神田は王座の価値を下げたとベルトを返上してGP参戦する意向も持っていたが、「さらなるバンタム級の活性化を促すためにチャンピオンが参戦するGPトーナメントの開催」という櫻井雄一郎グラジ代表の言葉を受け入れ、王者のままGP出場を決意したという。

一方のテムーレンは王座挑戦がGP戦の一環として行われることを後から知り、母国モンゴルでなかなか試合経験を積むことができなかった状況を鑑みて、強い相手と戦えるのは大歓迎と張り切っているそうだ。

もう一方の準々決勝=竹本✖マルガリョは、事実上の次期挑戦者決定戦。2020年2月に神田との王座決定戦で同タイトルを獲得も2021年9月の釜谷真との防衛戦で、計量に失敗しタイトルを剥奪された竹本にとって、ようやくタイトル奪還の機会が巡ってきた。

この間、福島啓太に敗れて厳しい状況に追い込まれた後、江田こうすけ塾長、笹晋久選手を破り、今年の1月にはコンバット柔術マッチで江木伸也選手をRNCで下すなど、自力でGP出場枠を手にした。

聞くところによれば、竹本の対戦相手はグラジで結果を残してきた日本人選手や、若手の抜擢、他のアジア勢と二転三転した結果、マルガリョに決定したという。そのマルガリョのMMA戦績は11勝6敗で、BRAVE CFフィリピン大会、PXC、タイのFMD、さらにはUAEWと国際的なフィーダーショーで戦っており、国際戦という点においては竹本を上回る経験を持っている。

グラジでは1月大会で、不幸にも不可抗力の急所蹴りで一発反則負けを喫したジョン・オルニドを招聘予定だったが叶わず、同門のマルガリョを両者の師ロランド・ディに強くリコメンドしてきたそうだ。

1994年9月18日生まれ、28歳のマルガリョはボクシングベースでレスリング、柔術を習得したウェルラウンダーという触れ込みだ。とはいえ韓国、モンゴル勢が猛威を振るうグラジにあってフィリピンは結果を残せておらず、竹本はしっかりとグランドで仕留めることが求められている。

なお、このバンタム級GPは次回=10月1日大会で、残りの準決勝2試合を行い、12月大会、来年上四半期で準決勝と決勝戦を実施していく予定だという。

「10月1日の準々決勝2試合の出場選手は、国内外から初参戦選手を含め、よりGladiatorバンタム級戦線が盛り上がること間違いないファイターと現在交渉中です」と櫻井代表はリリースにコメントを寄せているが、どのようなメンバーが集まるのか──アジア#01フィーダーショーを目指す、攻めるGladiatorだけに──楽しみだ。

リリースに寄せられたバンタム級GP準々決勝出場4選手の抱負は以下の通りだ。

Gladiatorバンタム級チャンピオン神田T800周一
「前戦からテムーレンのことだけを考えてきました。この戦いが決まったことが嬉しいです。アジアからの参戦者も増え、Gladiatorのベルトの価値は上がり続けています。この一戦、このトーナメントを制して真のチャンピオンになりたいと思います」

Gladiatorバンタム級挑戦者テムーレン・アルギルマー
「自分がこのGPの勝者になる。その自信で溢れています。自分はチャンピオンになるために、必死に練習しています。神田選手、しっかりと練習してきてください。6月11日、前回以上に激しい試合になるはずなので会場に見に来てください。最後は僕がチャンピオンになります」

元Gladiatorバンタム級チャンピオン竹本啓哉
「再びベルトを締めるチャンスを与えてくださった櫻井代表ならびにGladiatorの関係者の方々に感謝しています。国際戦になって非常にワクワクしているのと同時に、積極的に海外選手を招聘して下さるGladiatorの中で日本人の強さを見せつける覚悟です。強さが試される試合になると思いますが、きっちり極め勝ちます。

対戦相手のマルガリョ選手はサブミッションでの勝ちが多いようですが、『柔の発祥地』のグラップリングを存分に味わって帰ってもらいます。西日本の選手を積極的に使ってくれるGladiatorで強さを示す事で、西日本の若手選手達に希望を与えたいです」

ジェイソン・マルガリョ
「フィリピンでは国際戦を戦う機会を得ることはとても難しいから、今回のGladiatorのオファーにはとても感謝している。タケヤは優れたグラップラーだけど、MMAにはパンチもキックもある。多くの武器を僕らは持っている。サブミッションオンリーではないし、試合はスタンドから始まるものだ。僕はタケヤ・タケモトを倒せる。彼のパンチとキックは本当に遅い。グラップリングのために使っているんだ。そこも研究している。日本のファンの皆には、僕とタケヤとの試合を楽しみにしてほしい。日本で会おう!!」

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Brave CF DEEP Gladiator Gladiator022 LFA MMA MMAPLANET o Road to UFC UAEW UFC Wardog   キック キ・ウォンビン ジャダンバ・ナラントンガラグ ダギースレン・チャグナードルジ チョ・ソンビン テムーレン・アルギルマー パンクラス パン・ジェヒョク 亀井晨佑 寿希也 河名マスト 福田龍彌 透暉鷹

【Gladiator022】フェザー級王座決定T=河名マスト✖失地回復パン、チハヤフル✖蒙古再襲来ダギースレン

【写真】マスト✖パン、チハヤフル✖ダギースレン。今回こそ、勝負が見たい──グラジエイターのアジア路線 (C)MMAPLANET

15日(月)、6月11日(日)に豊中市の176BOXで開催されるGLADIATOR022の対戦カードが発表され、フェザー級王座決定トーナメント準決勝戦2試合=河名マスト✖パン・ジェヒョク、チハヤフル・ズッキーニョス✖ダギースレン・チャグナードルジが組まれることが分かった。

1月のチョ・ソンビン&キ・ウォンビン、3月のニャムジャルガル・トゥメンデムベレル&テムーレン・アルギルマーに続き、韓国&モンゴル勢の襲来。そのチョ・ソンビンが返上したベルトの新しい持ち主が決まる決勝戦は、10月1日の次回大会に実施されることも明らかとなっている。

加えて、今回はMMAではグラジ初参戦の川名マスト、さらに生え抜きといっても過言でないチハヤフルが1年半振りの参戦──と、外敵に蹂躙されない迎撃手が用意されたといっても良いだろう。


昨年8月にLFAに挑むもアライア・ジョンズに敗れ、11月にネクサスの寿希也戦でもタフファイトを経験した河名。

Road to UFCの選考に漏れ、UAEWやBRAVE CFという中東を視野に入れていたが、その目的は国際戦であったため国内でのベルト獲りに舵を切った。

対するパン・ジェヒョクは昨年12月の横浜大会と4月の立川大会とパンクラス参戦し、フェザー級暫定KOP透暉鷹、続いて亀井晨佑に2試合連続でスプリット判定負けも喫している。どちらも接戦、とはいえ下記にある本人のコメントで話しているような亀井戦の勝利はない。

ただし透暉鷹戦でのテイクダウンを切る能力を河名にとっては非常に嫌な相手。また透暉鷹、亀井と直接比較されることになるRoad to ”Road to UFC”第一関門となる。

もう一方の準決勝戦に出場するチハヤフル・ズッキーニョスはキャリア7勝1敗、福田龍彌擁する京都のMIBURO所属の選手でグラジエイターではグラチャンとの合同興行を含め4連勝中、7つの勝利のうちフィニッシュ勝利が6試合ある。

グラジ参戦は1年半振りとなるが、この間にDEEP大阪大会、グラチャン、Wardogで3勝1敗という結果を残しての凱旋となる。ある意味、新しい時代を迎えたGladiatorにあって生え抜きのファイターだが、そのグラジで育った選手たちが国際戦で惨敗を喫する状態が続いている中で、どのようなファイトを見せることができるか──注目だ。

そして蒙古再襲来、ズッキーニョスと戦うダギースレンはジャダンバ・ナラントンガラグの一番弟子といって良い存在でMMA戦績は5勝0敗、MGL-1FCフェザー級チャンピオンだ。

モンゴル相撲、テコンドー、キック、ノーギグラップリングとMMAで実戦を積んできたダギースレンには、練習仲間ニャムジャルガルと同様に大会こそ準決勝イベントとなるがRoad to UFCのワンマッチでのオファーがあった。ただし、ワンマッチ戦での勝利をどこまでUFCが評価するかは不明で、師ナラントンガラグが自身のキャリアを顧みて日本で経験を積むことを進言したという。実力未知数のダギースレンだが、ニャム&テムと同様の力を持つのであれば王座決定トーナメントの優勝候補に考えられるだろう。

ここに勝てば──来年のRoad to UFC出場に近づく可能性は十分であることは、グラジ過去2大会を見ても明らかだ。そんなステップアップがかかった王座決定トーナメントに挑む4選手がプレスリリースに寄せたコメントは以下の通りだ。

ダギースレン・チャグナードルジ
「トーナメントに呼んでもらえたこと、とても嬉しく思っています。そして、自分が新チャンピオンになると信じています。自分は目指している目標に向かって毎日練習に励んでいます。今回のトーナメントでは練習で培ったものを全て出して、自分がどれほど強い人間かということを見せつけるつもりです。

6月11日に対戦するチハヤフル・ズッキーニョス選手、しっかり練習してきて下さい。そして、火の出るような熱い戦いをしましょう!」

チハヤフル・ズッキーニョス
「Gladiatorでチャンスをもらえたことが僕の格闘家としての始まりです。このところ他団体に参戦していましたが、トーナメント出場という形で戻って来ることができて嬉しく思います。僕が離れている間にも選手層が広がり、急激にレベルが上がっていると感じます。

今回のトーナメントも強者が集うと思いますが、これに勝ち抜いて優勝したときには間違いなく王者に相応しい男になっていると確信しています。正直な話、これまでにGladiator初参戦の選手がいきなりタイトルに挑戦してベルトを持っていくのを見ていて、面白くありませんでした。

その点、今回はトーナメントなのでドロドロの潰し合い、人生の奪い合いになると思います。それでこそのベルト、それでこその格闘技だと思うので、開催してくれたことに感謝です! 目の前の相手を片っ端から倒して、僕が1番グGladiatorのベルトが似合う男だと証明します!」

パン・ジェヒョク
「パンクラスで2連敗中にもかかわらず、今回Gladiatorのフェザー級王座決定トーナメントに参戦できるようになりました。まずタイトルを得られるチャンスを与えてくれたGladiatorの皆さんに感謝の気持ちを伝えたいです。

自分が出来る最高の試合で盛り上げることが、恩返しだと思っています。今回のGladiator初陣では必ず相手を仕留めてみせます。実際、パンクラスでの2試合とも自分の勝ちだと思っています。だからこそGradiatorの皆さんも、自分にこの大きなチャンスをくれたと理解しています。

透暉鷹選手には2-1、亀井選手には3-0で勝ったと思っています。透暉鷹選手との再戦が決まったと思っていましたが、亀井選手と試合をすることになりました。あの試合では有効打撃、ダメージともに自分でした。なぜ、あのような結果になったのか未だに理解できないです。Gladiatorのベルト取った後で、透暉鷹選手と亀井選手にはリベンジをしたいと思っています。

今回戦う河名マスト選手は、日本のグレコローマンレスリンクのエリートだと聞いています。試合映像をチェックしましたが、それだけのことはあって力も相当あるし、打たれ強い良い選手だと思います。残念なのは、自分のように派手なファイトで観客を盛り上げられる能力が足りません。なので、彼を相手にしてどうすれば観客の皆さんが盛り上がるのかを教えてあげます。

本来、自分は派手で面白い試合をしようとしてきていましたが、最近は勝ちに拘り良い結果を残せなかったです。なので、河名選手との試合では過去最高レベルで積極的にフィニッシュを狙うつもりです。自分に大きなチャンスをくださった櫻井代表に感謝しています。出来る限り、面白い試合をしてベルト取るので、応援よろしくお願いします」

河名マスト

「自分のためのトーナメントだと思っています。勝ちます」

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Bu et Sports de combat MMA MMAPLANET o ONE UAEW UFC   キック ボクシング ヴィニシウス・ジ・オリヴェイラ 剛毅會 吉野光 岩﨑達也 平本蓮 武術空手

【Bu et Sports de combat】武術的な観点で見るMMA。オリヴェイラ✖吉野光「組と打の回転力」

【写真】組んで攻勢に出られない時、打撃は必要。打撃があれば組みのアドバンテージが増える。これが組み技ベースのMMAではあるのだが、レスラーがジャブだけ勝つのもMMA (C)UAEW

MMAと武術は同列ではない。ただし、武術の4大要素である『観えている』状態、『先を取れている』状態、『間を制している』状態、『入れた状態』はMMAで往々にして見られる。

武術の原理原則、再現性がそれを可能にするが、武術の修練を積む選手が試合に出て武術を意識して勝てるものではないというのが、武術空手・剛毅會の岩﨑達也宗師の考えだ。距離とタイミングを一対とする武術。対してMMAは距離とタイミングを別モノとして捉えるスポーツだ。ここでは質量といった武術の観点でMMAマッチを岩﨑師範とともに見てみたい。

武術的観点に立って見たヴィニシウス・ジ・オリヴェイラ✖吉野光戦とは。


──質量や間という武術的要素でMMAを見た場合、打撃だけでなく組みの展開にもあると思います。吉野選手は胸を合わせた状態からの小外、大内、そして払い腰という投げに絶対的な自信を持っている選手で。

「では、なぜ組みを続けることができなかったのか。もう、その一点に尽きるかと思います」

──思うに最初にテイクダウンをした後に立たれた。そして組んで倒せない展開があった。そこから組み疲れを考えたのではないかと。そうなると組みの選手の質量も落ちるのでしょうか。

「まず組みの回転数と打撃の回転数は別モノです。打撃の人間が組みの練習をすると打撃が劣化する。取返しがつかないほど劣化してしまう。ただし、MMAには組み技は当然のように存在しており、その対処も必要です。試合で組み技を使わない選手でも、組み技、寝技の練習は欠かせない。と同時に打撃を劣化させない必要性を最近は感じるようになってきました。打撃を劣化させない方法論は、あります。分かっています。だから最近指導している立ち技からMMAに転向してきた選手にはボクシング、キックボクシングのつもりでMMAを戦えと言っています。もちろん組みを対処できるうえで。

対して吉野選手は、組みの選手なのでしょうが打撃にセンスの良さを感じました。よく見えているし、動きも良い。だから、その目や動きがあるのだから得意の組みに行けば良かったのにと思いました。センスがあっても、打撃ができているわけではないので。相手の打撃に対して、打撃でなく組みで戦えば彼の回転数は上がる。そうなると、質量も大きくなります。回転数が質量を生むので。

その回転ですが、組み技はトルクで馬力を生む。対して、打撃は重力に逆らわずにそこを生かす戦い方が必要になります。

ボクシングとキック、レスリングと柔道の回転数は違っているので、ミックスする方法論はほぼ存在していないです。この2つの回転を両立させるのは、本当に難しいです。だから型が大切なんですよ。型には両方が養える」

──そして、吉野選手は組みで戦うべきだったと。

「吉野選手は序盤で、打撃のセンスがあるとすぐに分かりました。それはセンスという部分で。見えているし、動きも良い。でも、だからといって相手を倒せる決め手を持っているわけではないです。それに相手のオリヴェイラの打撃は、バーリトゥードの時のような打撃ですよね。粗い。だからこそ、世界で戦うという意志を持っているのであれば、あの精度の選手とは打撃で張り合えないと。

以前からMMAは寝技ができないと、『倒されてお終い』という風に言われてきました。今、レスリングやスクランブルができないと、『MMAでは勝てない』と言われます。それはそうでしょう。ただし、打撃ができない人はいくらでも戦っていますよね。なぜ、打撃で戦えるようにはしないのですか。

組み技と寝技で戦えるようにならないといけないのに。無暗に打ち合えってことじゃないですよ。打撃で攻防ができて、引かないで戦う。それはレスリングやグラップリングと同じことじゃないでしょうか。打撃で引いたら、世界では勝てないですよ。組みで引くと『ダメだ。引いちゃいけない』という正論が飛び交うのに、打撃は引いても良いのかと。

スクランブルで引くとバックを許し、あるいは下になって不利になりますよね。それは打撃も同じで。顔を殴られて、引いていちゃ勝てないって。平本蓮とスパーリングをして、ボコられている子がいました。そうしたら練習仲間が、『あの子は打撃ができないから、もっとやさしくしてください』って。

バカやろう、打撃ができないで何でMMAをやっているんだよって」

──ほとんどビートたけしの突っ込みじゃないですか(笑)。

「いや、だってホイス・グレイシーの時代だと打撃ができなくても勝てたかもしれないですよ。でも、今、打撃ができないでUFCで勝てますか? ONEで勝てますかって。でも、そのやさしくしてやってと言われた選手、試合を見ると良い左を持っていましたよ。良いモノを持っていても、練習しないと。優しくしていて、レスリングや柔術は強くなれるんですか」

──打撃はケガやダメージに直結する。だから、練習はより安全に行わないといけない。ただし、打撃ができないと上の舞台では勝てないのも確かです。

「致命的に打撃ができないのに、打撃をやらない」

──組みで勝つということかと。

「じゃあ、どこまでそれで勝てるのってことになっちゃいますよ。だって打撃の人間が、打撃だけやっていたらダメ出し食らうじゃないですか。もちろん、そうじゃない道場やジムの指導者もいると思います。打撃ができないと、勝てないよっていう。それでも、打撃を疎かにしていないかなって感じることは、試合を見ていても多々あります。

シャドーの段階から、自分より打撃が強くて、殺しに来ているという意識を持って練習している選手がどれだけいるのか。そういうことなんですよ。寝技の打ち込みも、動く相手を想定しているのと、ただ機械的に動くのとでは違うと思うんですよ。

そういう部分では、吉野選手はまた違っていて。彼はセンスが良いから、打撃ができていないという認識はそれほどないのかもしれないですね。これまでは、それで勝ててきたから。で、得意分野の組みで思い通りにならなかったから打撃戦をやってしまった。

日本人が国内に留まらず。アラブに行って戦う。UAEWで戦うという姿勢は素晴らしいです。だからこそ、自分の特性を生かして戦ってほしいですね。そして、とっかかりの部分でしっかりと打撃を学んでほしいと感じました」

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Overlooked【UAEW40】国際&アラビア王者アルカイシが、マルセロチンでファレス下しアラビア王座防衛

【写真】キャリア14勝6敗。しっかいとMMAファイターとして生きていくことがデキる環境がある元UFCファイター(C)UAEW

イベントスケジュールが重なり見逃した試合を月末にお伝えする──帳尻合わせ試合レポート。

ここでは19日(日・現地時間)、UAEはアブダビのエティハド・アリーナで開催されたUAE Warriors40「ARABIA10」からメインで組まれたUAEWフェザー級選手権試合=王者アリ・アルカイシ✖挑戦者アフメッド・ファレスの一戦の模様をお届けしたい。

デザートフォース、Phoenix FC、BRAVE CFでキャリアを積み、UFCへ。2敗でリリースされUAEWに転身、中東でキャリアを積み続けているヨルダン人ファイターのアルカイシは、2021年10月にイ・ドギョムからベルトを手にすると、昨年3月にUAEWアラビア・フェザー級王者決定戦をファレスと行い、判定勝ちでチャンプチャンプに輝いている。

その後、昨年7月にカナダのジェシー・アーネットにカットで敗れUAEW(インターナショナル)王座を失うが、2カ月後のリマッチではギロチンで一本勝ちしてベルトを取り戻している。ONEベテラン、ファレスと1年振りの再戦はアラビア王座が賭けられたものだ。


<UAEWアラビア・フェザー級選手権試合/5分5R>
アリ・アルカイシ(ヨルダン)
Def.3R1分40秒by ギロチンチョーク
アフメッド・ファレス(エジプト)

サウスポーのファレスが右カーフを蹴る。アルカイシは右ミドルをかわしたファレスが、左ハイを狙う。そこにローを入れたアルカイシが右から左ミドルを見せて、シングルレッグへ。ケージにファレスを詰めて、ダブルレッグに移行しテイクダウンを決める。スイープ狙いを阻止されて立ち上がったファレスだが、ボディロック&小外掛けで再び背中をつかされる。

ファレスはクローズドで固め、アルカイシが低い位置だが持ち上げてスラム、続くバタフライスイープを防ぐ。ケージに詰めて細かいパンチを落とすチャンピオンだが、レフェリーがブレイクを命じた。試合がスタンドに戻ると、ファレスが右ジャブ。アルカイシが右ローを蹴る。

ジャブを当てたファレスの左ハイに飛び込んだアルカイシが、キャッチして叩きつける。スタンドで待ち受けたアルカイシは、距離を詰めることなくファレスの蹴り2つをかわして時間となった。

2R、初回に続き慎重な展開が続き、アルカイシが左から右フックを当てる。ファレスも右ジャブをヒットさせ、シングルレッグを切るが、もう少し手数が欲しい。アルカイシは右カーフを蹴り、右オーバーハンドを空振りする。直後に右はミドルを蹴ったアルカイシは右の蹴りを見せて、テイクダウンのフェイクでファレスに反応させる。

ステップインしたアルカイシがショートのワンツーも、お見合いのような展開が長くラウンドも残り1分に。ここでアルカイシがテイクダウンを決め、スクランブルのファレスをギロチンに捕えて引き込む。左ワキに首を取られ、時計回りでギロチンを無力化したファレスだが、この回も失った。

3R、やや距離を詰めてジャブを見せるチャレンジャーだが、すぐに2Rまでの距離に。アルカイシは右ミドルを蹴り、右を振って前に出る。ここから盛り返す必要があるファレスが、跳びヒザへ。

右足をキャッチされてもパンチを入れるが、後方に倒される。起き上りながらダブルレッグを仕掛けたファレスに対し、アルカイシは再びギロチンを仕掛け、マルセロチン&クローズドガードに。そのままロールしてマウントのなった直後、ファレスがタップした。

アラビア王座を守ったアルカイシ。前夜=UAEW39ではモハメド・マカエフがバグドス・オルジャバイに勝利、ヴァルテル・コリアンドロも微妙な判定ながらマーク・ストリーグルを破っており、インターナショナル王座に如何に絡むかも注視したい。

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