【写真】イサエフの蹴り技は、警戒する必要はあるかと思うが……(C)MMAPLANET
4日(土・現地時間)、カリフォルニア州イングルウッドのキア・フォーラムでBellator290「Bader vs Emelianenko2」。世界ヘビー級選手権試合=王者ライアン・ベイダー挑戦者エメリヤーエンコ・ヒョードルがメインの今大会で、プレリミながら10勝0敗と9勝0敗というトッププロスペクト対決が実現する。
デビューから10連勝、全試合フィニッシュ勝利のスティーブ・モウリーと、9勝0敗で2019年PFL世界ヘビー級王者アリ・イサエフは次期挑戦者決定戦であってもおかしくない顔合わせといえる。
10の勝利中、6試合がサブミッションで試合を決めている技師モウリーに初インタビューを試みた。
──チームメイトの佐藤天選手に繋いでいただきインタビューができることになったのですが、メッセージでスティーブンは佐藤選手のNii-Chan(兄ちゃん)と呼んでいたのが微笑ましたかったです。
「そうなんだ、ニーチャンって呼んでいる(笑)。ブラザー、タカシはキョーダイだよ」
──そんなスティーブンですが、今週末アリ・イサエフと戦います。今の調子はいかがですか。
「絶好調だよ。しっかりと準備できたから、今はとてもリラックスしてその時を迎えようとしている」
──スティーブンはヘビー級なのに、ミドル級のように速くて色々な仕掛けを見せています。テイクダウンしてコントロールするアメリカン・レスラーとは一味違っていて興味深かったです。
「確かにレスリングの経験はあるけど、自己流で練習していただけなんだ。だからMMAに転じた名前のあるレスラーと違って、大会で結果を残せてもいない。でも、僕のファイトをそういう風に思ってくれているのなら、コーチと練習仲間に恵まれたおかげだよ」
──レスリングで結果を残せなかった? そうなのですか。MMAではしっかりとテイクダウンを奪って、ポジションを奪取しています。では柔術の方では?
「柔術で僕がメダルを取ったのは、2013年のノーギワールドの青帯(※スーパーヘビー級)の銅メダル。それだけだよ。あの頃は頻繁に柔術の試合に出ていたかな。それからMMAに集中するようになって、柔術の練習も続けているけどグラップリングの試合に出ることはなくなったよ。
レスリングを自己流にやっているときに、MMAを始めたいと思った。でも、どうすれば良いか分からなかった。柔術の練習をして、レスリングもより力をいれるようになり、2012年からMMAの練習をスタートさせたんだ。
さっきも言ったように最高のコーチと練習仲間がいるから、しっかりと技術を備えて戦えるようになった。柔術に関してはトーナメントで実績があるわけじゃないけど、最高の柔術家達とトレーニングを続けてきたから、それなりの腕前にはなっていると思っている」
──MMAはヘンリー・フーフトやグレッグ・ジョーンズの下で始めたのでしょうか。
「MMAは2012年にペンシルバニアで始めた。アマの試合にでるようになり、7年前にフロリダに移ってブラックジリアンに合流した。ペンシルバニア時代に何人かのコーチとトレーニングをして、プロでやっていこうかと考え出した頃にヘンリーに出会ったんだ。
ヘンリーと話をして、ただ練習をするだけでなく人間として良い関係を築くことができると思った。そして、ヘンリーの下でやっていれば良い形で化学反応を起こして強くなれると確信したんだ。それ以来、ヘンリーやグレッグとはブラックジリアンからコンバットクラブ、ハードノックス365、サンフォードMMA、そしてキルクリフFCとずっと一緒にいるよ。
キルクリフFCには世界のトップコーチが揃い、前向きで生産性のあるトレーニングを課してくれる。そこに世界中からやる気があり、経験も積んでいる選手たちが集まってくるんだ。自分だけでなく、皆で強くなれる。背中を押してもらえる環境があるよ」
──そんなキルクリフFCで鍛えられたスティーブンの前回の試合、ヴァレンティン・モルドフスキー戦は勝利すればタイトル戦が見えてくる試合だったと思います。しかし、アイポークでNCになってしまいました。
「ついていなかったし、凄く残念な結果に終わってしまった。色々なことが掛かっている試合だったからね。だからこそ、今回の試合が楽しみなんだ。前回のノーコンテストを払拭するだけでなく、勝てば前に大きく進める相手と戦える。もちろんモルドフスキーとは決着をつけたい。ただし、今はイサエフ戦に集中しているよ」
──2021年から昨年と4度に渡り、PFLの試合がキャンセルになったイサエフですが、2019年のヘビー級王者で既に100万ドルを獲得している実力者です。キャリアで最もタフな相手とも考えられますし、メインカードでないことが驚きです。
「その通りだよ。100パーセント同意するよ。ただ、プレリミだろうがメインカードだろうが最高の試合をすることに変わりないからね。イサエフは優れたレスラーだ。前の試合ではまだ経験が十分じゃなかったけど、実現しなかった試合でも勝ち続けていただろうね」
──テイクダウンも強いですが、近距離でも遠距離でも使える蹴り技も大きな武器だと思います。
「色々とやっているけど、特に彼の蹴り技を気にすることはない。立ち技でもやり合っても問題ないと思っている」
──イサエフに勝てばモルドフスキーとの再戦の必要がなく、タイトル挑戦権獲得も有り得るのではないでしょうか。
「良い試合、良いフィニッシュができればね。それだけ良い相手だということだよ」
──ではメインの世界ヘビー級選手権試合、ライアン・ベイダーエメリヤーエンコ・ヒョードル戦の行方を占ってもらっても構わないですか。
「きっとグッドファイトになるだろう。ヒョードルに勝ってほしい気持ちもあるけど、ライアン・ベイダーだろうね」
──スティーブン、今日はありがとうございました。最後に日本のファンにメッセージをお願いできないでしょうか。
「日本のファンにはアリガトと言いたい。MMA文化の中には、日本の文化が存在している。日本のファンが僕の試合をチェックしてくれることは、凄く光栄だよ。日本からマーシャルアーツが世界に伝わったんだからね」
■視聴方法(予定)
2月5日(日)
午前7時30分~ U-NEXT
■Bellator290対戦カード
<Bellator世界ヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者]ライアン・ベイダー(米国)
[挑戦者] エメリヤーエンコ・ヒョードル(ロシア)
<Bellator世界ミドル級選手権試合/5分5R>
[王者] ジョニー・エブレン(米国)
[挑戦者] アナトリー・トコフ(ロシア)
<ウェルター級/5分3R>
サバウ・ホマシ(米国)
ブレナン・ワード(米国)
<ウェルター級/5分3R>
ネイマン・グレイシー(ブラジル)
ダンテ・シーロ(米国)
<ウェルター級/5分3R>
ロレンツ・ラーキン(米国)
ムハメド・ベルハモフ(ロシア)
<フェザー級/5分3R>
ヘンリー・コラレス(米国)
アクメド・マゴメドフ(ロシア)
<ヘビー級/5分3R>
スティーブ・モウリー(米国)
アリ・イサエフ(ロシア)
<ライト級/5分3R>
クリス・ゴンザレス(米国)
マックス・ロスコフ(米国)
<ライトヘビー級/5分3R>
グラント・ニール(米国)
カール・アルベクツソン(スウェーデン)
<女子フライ級/5分3R>
ジアナ・アフサラゴワ(ロシア)
アレハンドラ・ララ(コロンビア)
<バンタム級/5分3R>
ダリオン・コールドウェル(米国)
ニキータ・ミハイロフ(ロシア)
<バンタム級/5分3R>
ジェイロン・ベイツ(米国)
ジョーネル・ルゴ(米国)
<フェザー級/5分3R>
アイザイア・ホキット(米国)
ピーター・イシグロ(米国)
<ウェルター級/5分3R>
イーサン・ヒューズ(米国)
ユスフ・カラカヤ(トルコ)