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ABEMA IRE06 MMA MMAPLANET ロベルト・ヒメネス 杉内由紀 石黒遥希

【IRE06】奇跡のOT同タイムショーで杉内由紀に競り勝った石黒遥希は、ウェルラウンディット柔術家!!!

【写真】コンバット柔術でしっかりとIBJJF柔術の技術を駆使して戦った石黒は、まるでロベルト・ヒメネスのようなアッパレな戦い振りだった(C)MMAPLANET

10日(日・祝)に東京都港区のリバーサル田町芝浦スタジオで開催されたIRE06。

コンバット柔術ルールの6試合がABEMAでライブ配信されるという画期的な大会から──奇跡のオーバータイムが見られた石黒遥希×杉内由紀の模様をレポートしたい。

<51.5キロ契約/7分1R>
石黒遥希(日本)
Def.OT3term
杉内由紀(日本)

試合開始直後、距離を詰めてケージ際まで押し込んだ石黒は、押し返されると大内刈りを切り返され、下になって足を取る。ここで杉内も外掛けからヒールを狙い、抜かせないように足首を掴む。

石黒は一瞬起き上りつつ、ストレートフットロックへ。腹ばいになった石黒に対し、杉内は外ヒールで対抗する。

杉内はトーホールドに移行し、起き上った石黒が左の尺骨系掌底を落とす。サドルを取りつつ石黒を寝転ばせた杉内は上体を起こして、掌底を見舞っていく。50/50で尻もちをつかせた石黒が、内ヒールへ。杉内もここも外ヒールで対抗したが、起き上った石黒は足関合戦に見切りをつけて、パスに成功する。

ここから石黒はマウントを取り、左右の掌底を思い切り落としつつ杉内が背中を見せたタイミングで両足をフック&チョークへ。

しっかりと入っているように見えたが、両手を差し入れた杉内が気道を確保する。チョークを狙いつつ左の掌底を連打した石黒が、柔術に掌底を上手く融合させた動きを見せている。

杉内は腰をずらして正対すると、石黒は下から叩いていく。杉内の掌底狙いに、一気に腰を切って腕十字を狙った石黒は、ここも掌底につなげる。

さらに杉内のストレートフットロックにも、上体を起こして叩いていく石黒は足の取り合いでもストレートフットロックを狙う。石黒は右足を杉内の左ヒザ裏に固定し、掌底を続ける。最後に杉内がストレートフットロックを仕掛けたが、極まらずタイムアップに。

OTはジャンケンで勝った石黒が50/50をセレクトする。杉内がフックを蹴って足を抜くまで要した時間は19秒、後攻となり50/50を選択する。極めにいった杉内に対し、ロールしながら石黒が足を抜く──と、このエスケープタイムも19秒で異例のOT2タームへ進む。

石黒はここも50/50、杉内がフックを足で落ちてヒザを抜いた。後攻・杉内も50/50を選択し、ロールを繰り返した石黒はケージに詰まりそうになりながらヒザを押して足を抜く。何と2タームも29秒と同タイムになり、石黒×杉内の一戦は奇跡のOT3タームに突入する。

三度、石黒は50/50でカカトを抱えホールドする。極めより、捕らえるという展開の足関勝負は44秒で杉内が足を抜く。徹底して50/50に拘る杉内は、ロールを繰り返し座ってきた石黒のカカトを掴んで両足で挟んだ──が、石黒が39秒でエスケープし、本場EBIのOTトーナメントを彷彿させた延長戦を制した。

OTの奇跡的な連続同タイムの印象が強い試合となったが、恐るべきは石黒の総合力の強さだ。サブオンリー的な足関節合戦をこなし、途中からノーギ柔術的なトップゲームに尺骨系掌底を織り交ぜるなど、コンバット柔術のコンバット、ノーポイント、柔術の全ての技術を融合させた見事な“闘い”振り、アッパレだった。


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ABEMA IRE06 MMA MMAPLANET ジェイク・ムラタ 清水俊一

【IRE06】MMAグラップラー同士のコンバット柔術は、オーバータイムで清水がジェイクを下す

【写真】OTでの一本決着、グライディング系のジェイクはOTは苦手か(C)MMAPLANET

10日(日・祝)に東京都港区のリバーサル田町芝浦スタジオで開催されたIRE06。

コンバット柔術ルールの6試合がABEMAでライブ配信されるという画期的な大会から──本戦第1試合の清水俊一×ジェイク・ムラタ──MMAグラップラー同士の一戦の模様をレポートしたい。

<無差別級/7分1R>
清水俊一(日本)
Def.OT
ジェイク・ムラタ(日本)

両者揃ってMMAではバンタム級で戦うが、「なら、同じ体格だから」ということで無差別級で戦うことになった両者。立ちレスでケージに押し込んだジェイクが小外からバックに回りテイクダウンを奪う。サイドで掌底を落とすジェイクに前腕が当たるということで注意が入る。

清水が正対し、下から掌底を入れるとジェイクが立ち上がる。直後のスタンドの展開で右の掌底を入れてダブルレッグに入ってしまったジェイクに注意が入る。

「ビックリしたぁ」と言う清水は再開後にアームドラッグを狙う。反応したジェイクをケージに押し込んだ清水が、テイクダウン狙いをすかしてトップを取ると掌底を打っていく。清水のギロチンに立ち上がったジェイクが再びボディロック&バック、そしてテイクダウンを決める。

フルガードを取った清水が下から掌底、立ち上がった村田も掌打を放つ。MMAでは下から、これほど打撃を使うことはなく──これもコンバット柔術の特徴か。

そのなかでパス狙いのジェイクに対し、清水が上手くスイープを決めたトップへ。スクランブルで立ち上がると、がぶってケージに押し込みテイクダウンへ。ジェイクは倒され際に上を取り、掌底を打ちながらスクランブル狙いは小手で耐える。

清水はダブルレッグを決め、両足を束ねるとジェイクの立ち上がり際に跳びつき三角狙いもすっぽ抜ける。ヒザをついた座ったジェイクは、叩けとアピールして掌底を打っていく。レッスルアップからダブルでトップを決めた清水に対し、ジェイクはネルソン狙いからのスクランブルでトップを取る。最後も上下から掌底を見せて時間となった。

OT先攻はジャンケンで勝った清水がサドルを選ぶと、クロスヒールでタップを奪う。15秒以内に一本化必要なジェイクだったが、50/50をエスケープした清水がOT勝利──これもコンバット柔術らしい勝利だった。


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IRE06 MMA MMAPLANET ONE 今成正和 石黒翔也

【IRE06】掌打の連打も見せた石黒翔也、オーバータイムで今成正和の足関節から脱出して勝利

【写真】柔術全日本王者・石黒は勝利した瞬間、ケージ内を駆け回っていた(C)MMAPLANET

<68キロ契約/7分1R>
石黒翔也(日本)
Def. Overtime 47秒
今成正和(日本)



石黒が探りながら前に出て、カニ挟みで引き込んだ。しかし今成がディフェンスの体勢を取ると、すぐに離れた石黒。今成も立ち上がってスタンドの攻防に戻る。石黒が今成ロールでもぐり込むが、今成は足を掴ませない。石黒がシッティングガードをとると、今成はスタンドから掌打を浴びせる。石黒が下から足を取りに行く。取れないとみるや、立ち上がり掌内を連打する石黒。今成は立ち上がってケージを回り、今成ロールを見せるが、石黒は背中を着けて足でディフェンスする。



ケージ際でグラウンド勝負になったが、今成が立ち上がると石黒はシッティングガードへ。今成は掌打を放つ。石黒が立ち上がり今成をケージに追い込むが、石黒は再びシッティングへ。足を狙い続けるが取れない。すると立ち上がり、カニ挟みで引き込むも今成は付き合わず。石黒にケージへ押し込まれた今成が足を狙うも、石黒はディフェンス。反対に石黒も足を狙っていく。下になる石黒に掌打を狙う今成という展開のなか、残り30秒で足の取り合いへ。ここで石黒が掌打を放つ。さらに立ち上がって掌打を連打して本戦を終えた。


試合はオーバータイムへ。石黒が50/50を選択したが、今成もまずヒザを抜く。しかし石黒は足を離さず、再び今成に背中を着かせる。今成は苦悶の表情を見せながら、30秒間を凌いだ。
続いて今成がサドルを選択し、ヒールへ。クラッチして極まると思われたが、石黒が立ち上がり上から体重をかけていく。今成の右腕を掴んでクラッチを切った石黒が、そのまま回転しながら足を抜いて勝利した。


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IRE06 MMA MMAPLANET ONE 倉本一真 寒河江寿泰

【IRE06】ヒザ着き掌打が炸裂! 倉本一真が寒河江寿泰の顔面を破壊してTKO勝ち

【写真】この状態からヒザを着いて掌打を放つという技も見せた倉本が勝利(C)MMAPLANET

<63キロ契約/7分1R>
倉本一真(日本)
Def. by TKO
寒河江寿泰(日本)


倉本がいなしながら寒河江をケージに追い込んでいく。ここで倉本がヒザを着いて掌打を繰り出す。寒河江がケージから離れると、追いかける倉本がケージ際に追い込んで、ヒザ着き掌打を当てていく。さらにガブりながら、シングルバックで掌打を連打すると、レフェリーが試合を中断。寒河江の右目が大きく腫れ、鼻血も出ており、レフェリーが試合をストップした。


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Flash IRE06 MMA MMAPLANET   村田卓実 魚井フルスイング

【Flash】IRE06 第4試合結果

【写真】村田がクロスヒールを極めた(C)MMAPLANET

<65キロ契約/7分1R>
村田卓実(日本)
Def.5分04秒 by クロスヒールホールド
魚井フルスイング(日本)


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Flash IRE06 MMA MMAPLANET   杉内由紀 石黒遥希

【Flash】IRE06 第2試合結果

【写真】ズシンと重い音が響いた石黒の掌打(C)MMAPLANET

<51.5キロ契約/7分1R>
石黒遥希(日本)
Def.Overtime
杉内由紀(日本)


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Flash IRE06 MMA MMAPLANET   ジェイク・ムラタ 清水俊一

【Flash】IRE06 第1試合結果

【写真】MMAファイターの両者による掌打の打ち合いが見られた(C)MMAPLANET

<無差別級/7分1R>
清水俊一(日本)
Def.Overtime by クロスヒールホールド
ジェイク・ムラタ(日本)


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ABEMA MMA MMAPLANET Shooto Shooto2022#02 修斗 山田崇太郎 西川大和

【Shooto2022#02】3月の後楽園ホール大会で、西川大和=ウェルター級✖山田崇太郎決定!!

【写真】1年2カ月振り、2度目の修斗参戦となった山田。寝技地獄に若きライト級王者を引きずりこむことができるか (C)MMAPLANET

10(月・祝)、Sustainから3月21日(月・祝)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2022#02で、西川大和✖山田崇太郎が組まれることが発表された。

18歳の修斗世界ライト級王者は、2試合連続のノンタイトル戦──しかもウェルター級での戦いとなった。


異色のカードが明らかとなった。ライト級でも決して大きくない西川が、ウェルター級で組み技師、しかも一発のある極め技師との対戦が決まった。

下からの打撃で注目を浴びる世界チャンピオンは、その実スタンドで効かせる打撃の印象が薄れがちだが、彼のファイトはまずはそこから始まる。

相手の嫌がるところで戦うなら、スタンドで戦い続けるという一点買いの勝負も考えられる。対して山田は、打撃に付き合うことはなく引き込み、あるいは今成ロールであろうと組みから極めという試合を組み立ててくるに違いない。

足関ばかりを気にしていると、山田はアームドラッグや足関のエントリーからでもバックを取り、スクランブルだけでなく下からもギロチンをセットできる。

西川は、こまで本格的な極めの技術を持つグラップラーとの対戦経験はなく、ウェルラウンディット化が進むMMAにおいて、突出した力を攻略する武器=攻撃力と同時に跳ね返す=防ぐ防御能力が問われる一戦となる。

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BELLATOR F1 Fairtex MMA MMAPLANET ONE UFC   キック スタンプ・フェアテックス プレム・フェアテックス ボクシング ルンピニー

【F1】ルンピニーでMMA。プレム・フェアテックスに訊く─02─「2年でタイ人選手をワールドクラスへ」

【写真】タイ人がMMAで強くなれない理由が見つからない。プレムの踏み出した一歩は、すぐにダッシュに変わるのではないだろうか(C)MMAPLANET

16日(日・現地時間)、タイはバンコクのルンピニー・スタジアムでフェアテックス・ファイト・プロモーション主催興行=F1 Rumpinee Fairtex Fight「New Era」では5試合のムエタイ戦に加え、3試合のMMAが実施される。

そんな格闘技の歴史が変わるイベントを目前に控え、フェアテックス・ファイト・プロモーションのプレム・フェアテックス代表のインタビュー後編をお送りしたい。

ムエタイ400年の歴史、MMA27年の歴史が今、変わろうとしている。

<プレム・フェアテックス・インタビューPart.01はコチラから>


──フェアテックスでは練習だけでなく、試合をそのために組んでいくということですね。

「その通りだよ。ONEでは何人かタイ人のMMAファイターが見られるけど、あのビッグステージで戦う前で経験を積む必要がある。その経験がないから、タイ人選手たちはケージで敗れている。

日本でもローカルショーがあって、そこで選手たちは経験を積んでいるじゃないか。タイ人選手は1勝0敗とかで、5勝0敗や6勝1敗の選手と戦う必要がある。そういうタイの新しい世代に経験を積む場を与えたい。タイ人は環境さえ整えば、どのようなファイトスタイルだって貪欲に学ぶ姿勢を持っている。

そしてMMAと交流することで、ムエタイも新しいビジネスを展開できるはずだ。チェンマイにベストジムがあり、プーケットにもベストジムがある。パタヤにはフェアテックスがある。ムエタイの人間がMMAに扉を開ければ、世界中から多くの選手が集まりキャンプを張り、生活の拠点を置くケースも出てくる。

タイ人ファイターにとっては、他の国と同様にONEという目指す舞台が存在する。他のプロモーションでアジア人ファイターをそこまで登用することはない。だけどONEはアジア人ファイターにとって新しい場を創った。ONEではタイで戦っているのとは別次元の条件で試合ができる。新しい夢をファイターに与えてくれたんだ。

スタンプはタイでは6000バーツ(約2万700円)で戦っていた。彼女は引退しようと考えていたんだ。ムエタイでは生活できなくて、仕事をしないといけなかった。ONEはそんな彼女にとって、ファイトで生きていける機会を与えたんだ。彼女はそのチャンスを生かした。ムエタイ、キックボクシングで成功し、MMAを3試合戦うことで1年間に100万バーツ(約350万円)を稼げるようになったんだよ(※タイの平均年収は140万円程度)。

自分が生きていくだけでなく、ファミリーを支えることができている。人生が変わった。。スタンプは人々が思い描く人生の手本を見せている──皆が「自分だって、デキる」と思うようになったことはとても大きいよ」

──スタンプに続け──と。

「そのためにも私のショーは賭けの対象ではなくて、誰もが楽しめるエンターテインメントにしたい。演出にも力を入れ、何よりもジャッジをフェアにする。試合もアクションを増やし、これまでムエタイを見ていた層とは違う人々が観られるモノにしていくつもりだよ」

──ONEなどグローバルステージにタイ人MMAファイターをステップアップさせるためのショーということですが、リングとケージのどちらを使用するのですか。

「最初はリングを使わないといけない。タイの格闘技はリングとともにある。何よりムエタイ産業を尊重しないといけないからね。1年、2年と順調にショーが発展していけばルンピニーとは違う会場でケージを使うことを考えているよ。

リングとケージは違うという意見は分かっている。ただONEもケージとリングを併用していたように、我々もその2つの舞台を並行して活用していくことは可能だと考えているんだ。

タイ人選手と同じようなキャリアの外国人選手を招聘したい。アジアはMMAの巨大市場だ。コロナパンデミックの動向次第だけど、日本にもフェアテックスはパートナーがいるから、日本人選手もルンピニーに呼びたいんだ」

──おお、素晴らしいです。

「楽天を通して、フェアテックスのファイトギアも日本で購入できるようになった。フィリピンでもフェアテックスの需要は高まっているし、韓国もそうなりつつある」

──日本でも既にフェアテックスの道具は広まっていると思いますが、ファイトショップでなく楽天で購入できるのは大きいですね。

「そうなんだよ。そういう需要があると、日本人選手をタイに呼ぶ追い風になる」

──そのMMAルールはONE方式を踏襲するということでしょうか。ルールやクラスなどは。

「そうだね。ただ体重や計量に関しては、タイ人ファイターはハイドレーションに不慣れだから、これまでの慣例に則してやっていく。半年ぐらい様子を見て、ONEが選手の健康を守るために実施した計量方法を採り入れることができればと思う。

フェアテックスとONEは10年間に及ぶ協力関係がある。チャトリとの関係もあるし、選手をONEにステップアップさせたいのは当然のことだよね。ただし、ONEだけでなく米国でUFCやBellatorで戦えるようにしたい。とはいえ、最初のステップはフェアテックスのショーからONEに選手を送り出すことだよ」

──いやぁ、本当に歴史が変わりますね。仮にルンピニー・スタジアムMMAチャンピオンなんて誕生すると、鳥肌モノです。

「もちろんベルトは創るし、ランキングも作成していくことになるよ。ルンピニーにおけるMMAの歴史を創っていくんだ」

──WOW!! 月に2回、ルンピニーでMMAが組まれるなら、その日が訪れるのも遠くないですね。

「若い世代はMMAで戦うことにより興味を持っているからね。MMAには世界的なステージが存在している。収入面でも、人生を変えることができるチャンスがMMAにはある。そしてルンピニーとフェアテックスの協力関係は、この想いを後押しできる」

──スタンプ・フェアテックス、ローマ・ルックンブミー、アム・ザ・ロケットは世界を舞台に戦える選手たちです。一方でムエタイがこれだけ強いタイから、そのような選手は誕生していません。デイダムロン・ソーアミュアイシルチョークに続く選手は現れていないです。

(C)ONE

「2年だ。2年間、時間を与えてほしい。

立ち技の基礎のあるファイターが、MMAの練習をして、試合をしていけば世界で戦えるようになる。ヨッカイカーを見てほしい。彼は4年間、柔術の練習をしてきた。日本のファンは色々と思うところもあるだろうけど、タツミツ・ワダと互角の試合をした。とにかくタイ人選手のグラウンドのスキルをあげること。それが最も大切なことだよ。2年後、もっと多くのタイ人ファイターが国際的な舞台で戦っているだろう──それが私の願いだよ。

80キロや90キロは難しいけど、タイの軽量級MMAファイターや女子選手は世界のトップになるポテンシャルを持っている。それは絶対だ」

──いやぁ非常に楽しみですが、韓国、フィリピン、中国に次ぎタイ人選手まで強くなると本当に日本人MMAファイターにはアジアで勝つこと自体が、非常に困難になってきますね……。

「私からすれば、そうなることを楽しみにしている。そのためのルンピニーでのMMAマッチだし、ここで試合があることで選手たちがシリアスに組み技を学び、ディフェンスの大切さを知ることになるに違いない。

(C)ONE

スタンプがレスリング、テイクダウンディフェンスの重要性を既に見せ、そこが成長したことでどれだけMMAが戦えるようになったかを示している。

寝技に対応でき、立ち上がることができるようになれば、タイ人ファイターは無敵だ。そして1月16日に──日本だけでなく、他の国に追いつくための第一歩が踏み出されようとしているんだよ」

■視聴方法(予定)
1月16日(日)
午後8時00分~Fairtex Facebook
             
■対戦カード

<50キロ契約/5分3R>
ジェイダ・キャトリー(豪州)
アピデー・フェアテックス(タイ)

<バンタム級/5分3R>
ピーター・ダニソー(タイ)
ザンニャル・ハッサニ(イラン)

<ライト級/5分3R>
クイティン・トーマス(米国)
エリス・コップ(ドイツ)

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MMA MMAPLANET ONE ONE Winter Warriors ONE Winter Warriors02 Special UFC   ジェレミー・ケネディ ジョン・リネケル スティーブン・ローマン ビビアーノ・フェルナンデス ファブリシオ・アンドラジ ユーサップ・サーデュラエフ リー・カイウェン 佐藤将光 柏木信吾 水垣偉弥

【Special】月刊、水垣偉弥のこの一番:12月:ローマン✖サーデュラエフ─02─からのアンドラジ

【写真】柏木信吾氏のジェレミー・ケネディと同様に、水垣氏からスティーブン・ローマンも日本人選手の指標という言葉が聞かれた (C) ONE

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。3人の論客から、水垣偉弥氏が選んだ2021年12月の一番は12月3日に行われ、17日に放送されたONE Winter Warriors02よりスティーブン・ローマン×ユーサップ・サーデュラエフ戦についてさらに語らおう。

<月刊、水垣偉弥のこの一番:12月:ローマン✖サーデュラエルPart.01はコチラから>


──ゴリゴリ行けるというのは?

「粗いじゃないですか。決して上手くはない。KOしたパンチにしてもテイクダウン狙いや蹴りが鋭いので、他に意識が行っていたからこそ当たる……MMAだから当たるパンチをしっかりと決めました。

ただし、粗い。ローマンは粗いの一言ですね。どういう攻めが有効だったか、それは体の強さでサーデュラエフにプレッシャーを掛けることができるということでした。ロシア人、ダゲスタン人のサーデュラエフにソレができるというのは、衝撃的でした」

──アジア人といってもフィリピンの山の民ですし、我々のようなモンゴロイドではないですよね。

「まぁアジア人で一括りにするのは、強引ですよね(笑)。
でも、そのフィリピン人を日本人選手は越えていかないといけない。日本人選手でサーデュラエフに勝っているのは、岡嵜康悦選手ぐらいですよね。それも随分と昔だし(2014年7月)。計量方法が違うのも、上手く活用できるようにしないといけないですね」

──その計量方法と体重リミットが北米と違うONEバンタム級戦線では王者ビビアーノ・フェルナンデスに、ジョン・リネケルが挑むことが決定しています。日本でトップを張ったビビアーノ、UFCファイターだったリネケルにローマンが挑むという構図で見ると、水垣さんはローマンの今後をどのように占いますか。

「単純に比較はできないですけど、サーデュラエフのパンチも被弾していますし、パンチを受けることに関しては課題があります。リネケルが一番良い時であれば、今のローマンでは厳しいです。ただリネケルもあの時と比べると落ちている。今がピークではないと思います。

そこを加味すると、ローマンにもチャンスはあると思いますが……。とにかく粗いのでパンチはもらうでしょうね。サーデュラエフを圧すことはできましたが、それができなくなるとパンチを被弾するようになるかと。ただし、BRAVEでアレだけ勝っているので、まだ見せていない部分がある可能性もありますけど。

ローマンは蹴りは割と早い、テイクダウンも取れる。ただし、少し遠い。今のままだとリネケルに勝つのは厳しいですね。対して日本人選手には強いと思います。相性的にも。あのフィジカルでゴリゴリ来られると、厳しいという日本人選手は少なくないでしょうね。

もちろん、日本人選手にも色々なタイプがあるのですが、そういうフィジカルで来られると苦手な選手には滅法強いはずです。ONEに出ている日本人選手にとっては、鬼門のファイターになります」

──まだ粗いということを踏まえると、フィジカルがあって粗くない選手がいるのが世界ですから、そこを目指すならローマンを越えていく必要があると。

「その通りですね。スティーブン・ローマンのような選手は、世界を目指す選手には良い指標になると思います。ONEのスタイルではなくMMAをやっていますし、力があって粗い。決して上手くないパンチを当てることができる選手ですし、考え過ぎちゃう日本人選手にとっては苦手なファイターだと思います。

ただ、ONEのバンタム級でいうとローマンよりもファブリシオ・アンドラジの方が怖いでしょうね」

──おっ、アンドラジですか!! 既にマーク・アベラルド、佐藤将光選手、そしてリー・カイウェンに勝っています。

「アンドラジの打撃のスキルは、ローマンより全然上です。

ローマンがサーデュラエフ戦のようにゴリゴリやろうとしても、入らせない。強引になるとヒザもあります。ここでもキーになるのが、ローマンのテイクダウンです。打撃とテイクダウンを混ぜることで、どれだけ圧力を掛けることができるか。

つまりローマンのゴリゴリは、テイクダウンと打撃がミックスされているということで、そこが彼の強味です。テイクダウンがあるから右オーバーハンドが当たる。テイクダウンを警戒させることで、あのパンチが生きてきますよね」

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