<Invicta FC世界アトム級選手権試合/5分5R>
ジェシカ・デルボニ(ブラジル)
Def.3-0:50-45.50-45.49-46
アリーシャ・ザッピテーラ(米国)
いきなりワンツーを入れたデルボニは、ザッピテーラのテイクダウン狙いを小手で切ろうとするが倒される。立ち上がったデルボニをがぶり、ギロチンに移行したザッピテーラは、シングルを切りってマルセロチンへ。
頭を抜いたデルボニがジャブの相打ちから、ワンツー&左ローを蹴る。レベルチェンジでダブルレッグを狙ったザッピテーラ。切ったデルボニはケージに押し込まれるが、体を入れ替えてヒザを突き上げる。ザッピテーラは小手投げも、耐えたデルボニにシングルを狙う。切ってバックに回ったデルボニは下に落とされながらも、バックを狙う。落としきれないザッピテーラだったが、デルボニも窮屈な姿勢からガードを選択する。
ハーフバタフライから立ち上がったデルボニは、ヒザから左フックを当てて離れるとワンツーを打つ。ザッピテーラもパンチを返して、テイクダウン狙い──も切られ、デルボニの圧に負けるようなテイクダウンを仕掛ける。切ってバック狙いのデルボニは回り切れずスタンドに戻ると、パンチを交換し初回が終わった。
なんと──これでもジャッジ1人は10-9でザッピテーラを支持、2人はデルボニにつけて試合は2Rに。ザッピテーラのシングルレッグを切ったデルボニが左ロー、サウスポーからオーソに戻し左アウトサイドローを蹴る。互いに構えを変えるなか、右ローを蹴ったデルボニに組んだザッピテーラは、切られてもケージに押し込む。ボディにヒザを入れあうと、回して離れたデルボニはダブルここも切ってエルボーを連打する。
チェーンレスリングができないザッピテーラは、ローで足が流れハイを狙わる。デルボニはテイクダウン狙いを切ってパンチを入れるという展開のなかで、右アッパーを打ち込む。左フックを当てたザッピテーラは、バックステップでスリップしたデルボニに組みつくが、テイクダウンは奪えない。デルボニは右ミドルを繰り出すようになり、ローにシングルを合わされても体を捩じって足を引き抜く。
テイクダウン狙い一本槍となったザッピテーラは左を被弾し、離れてテイクダウン狙う。これもスプロールされ、最後は初回と同じようにパンチを交換。さすがにジャッジ3者ともデルボニにつけ、スコアを20-18、20-18、19-19とした。
3R。ジャブの相打ちからデルボニが左ロー、ザッピテーラが右を合わせる。中間距離の打撃戦は、決してザッピテーラが劣勢ということもなく、テイクダウンを交えない展開もあり得る。それでもデルボニは左をヒットさせ、左ローから左ハイを放つ。ザッピテーラのワンツーに、素早くパンチを打ち返すチャレンジャーの左がカウンターで当たる。チャンピオンの右は振りが大きくなり、ローから左ハイを再びデルボニが狙う。
テイクダウンの踏み込みがないと、打撃の威力も落ちたザッピテーラはフックを振るいながらクリンチも、ケージに押し込んだデルボニが右腕を差して左エルボーからヒザを決める。離れてダブルレッグも遠いザッピテーラ、パンチを打たれて立ち上がる。完全に試合はデルボニのペースとなり、終盤の打ち合いで下がりながらテイクダウンを仕掛けたチャンピオンは切られてパンチを纏められた。
30-27、30-27、29-28の状態で迎えた4R、テイクダウン狙いを切られたザッピテーラは、フックの打ち合いに応じる。デルボニは足を使い、間合を外してロー。ここにパンチを合わせようとしたザッピテーラが、直後に左をヒットさせる。しかし、右ストレートを被弾すると、シングルを仕掛けたザッピテーラが、肩に座ったデルボニのパンチを打たれる。
最後は前転で離れたデルボニは、スイッチの左ミドルを蹴られるも、構わず圧を掛けて右をヒット。シングルを即前転から逃れ、立ち上がったチャレンジャーが左ストレート、そして左ローを蹴る。ザッピテーラがテイクダウン狙いにパンチを交えるも、当たらない。前足を左ローで削られ、テイクダウン狙いでようやく尻もちをつかせたザッピテーラだが、コブラでリバーサルを許しそうになる。
尻を抜かずに、足を抱えたままケージを背負うデルボニは余裕の表情でエルボー肩口に落とし試合は4P×2、2P×1のリードの状態で最後の5分を迎えた。
5R、パンチの交換に逆転を賭けたいザッピテーラがパンチを振るって前に出る。シングルをスイッチして切ったデルボニは、足を抱えて背中をつけない。ザッピテーラは尻もちをつかせた状態でシングルに拘るが、時間が進んでしまう。結果、鉄槌を落とされエルボーを受けたザッピテーラは、スイッチでシングルを切られてバックを許す。
足はフックできず、落とされそうになったデルボニは腕十字へ。ザッピテーラが防ぎ、トップを奪取も、時間は残り45秒に。前転からヒザ十字を仕掛けたデルボニは、このまま極めずともホールドで時間を使う。ワキ腹を殴られるが、蹴って離れたデルボニは時間とともに勝利を確信し、笑顔を浮かべた。
結果、大差の判定勝ちを収めた新王者デルボニは「とても嬉しい。何て言って良いのか。柔術も打撃も私の方が上だと言ったように……なぜ前回負けたのか……自分を信じて、ムエタイでも成長した。コーチからも『もう、私の想うように戦える』と言ってもらえたわ。ヒジもヒザも使える。皆が好きな試合ができる。全てで成長し、私がチャンピオンだと断言できる。アリーシャには対戦相手を尊敬するということを教えてあげたわ。チャンピオンはケージの外では、ポライトでないと」と語った。