【写真】棚からボタ餅か、千載一遇のチャンスか(C)MMAPLANET
18日(月)、パンクラスから12月15日(日)に東京都港区のニューピアで開催されるPancrase351のメインで予定されていたフェザー級KOP王座決定戦に出場予定だったキム・サンウォンが欠場し、三宅輝砂が平田直樹とベルトを賭けて戦うことが発表されている。
Text by Manabu Takashima
同リリースに寄せられたキム・サンウォンのコメントは以下の通りだ。
キム・サンウォン
「こんにちは。コリアントップチーム所属、キム・サンウォンです。12月15日、パンクラスで韓国人初のフェザー級タイトル戦に出場する予定でした。しかし、試合準備を進めている中、PFLよりフェザー級トーナメント出場のオファーを受けました。この件については、すぐにパンクラス側に連絡を取り、多くの議論を重ねました。その結果、福井代表から『PFLに行き、アジアだけでなくパンクラスの代表として世界の強豪たちと戦ってきてほしい』とのお言葉をいただきました。福井代表にとって、タイトル戦を控えた私を送り出すという決断は、決して容易なものではなかったと思います。それでも選手の立場に深く共感し、私の夢を後押しするための道を作っていただけたことに、心から感謝しています。パンクラスは、選手の成長と栄光を支える団体だと聞いています。今回、PFLに挑戦できるのも、歴史と伝統、そしてプライドを持つパンクラスで3勝を挙げ、その実力を評価していただけたからだと思っています。パンクラスでの経験が、メジャー団体への道を大きく切り開いてくれたと確信しています。これまでパンクラスで試合をさせていただいたことを誇りに思い、心より感謝申し上げます。恩を忘れることなく、アジア人ファイターの強さを世界に示し、必ず成長して戻ってきます。パンクラスのさらなる発展をお祈りし、改めて感謝の気持ちをお伝えします」
KTTはFIRTST ROUND マネージメントと強い結びつきがあり、キム・サンウォンもマネージメントを受けているファイターの1人だ。このラインからPFL出場権を得たことは容易に想像がつく。その一方でタイトル戦、しかもメイン出場が決まっていたキム・サンウォンのリスク回避のためにタイトル戦をキャンセルという判断を支持したパンクラスは、自らの立場がUFCを頂点としたMMAヒエラルキーのなかにあることを明白にしたといえる。
過去に北米フィーダーショーではTitan FCで、ファイトウィークになってタイトル戦出場予定だったファイターをUFCに送り出した例もある。一方、国内ではチャンピオンのステップアップではなく、タイトルコンテンダーのメジャー挑戦を後押しするという事例においては、Gladiatorがフライ級王座決定トーナメント出場中の同じく韓国人選手チェ・ドンフンがRoad to UFCへ。フェザー級次期挑戦者決定トーナメント参戦中の松嶋こよみのLFA契約によるトーナメント準決勝キャンセルを認めたケースが見られる。が、これらは異例という見方がされていた。
ベルトを巻けば1度は防衛を。それが契約や暗黙の了解となっているJ-MMA界にあって──繰り返すが──王座決定戦、そしてヘッドライナーのキャンセルに応じたのは、福井幸和パンクラス代表が常々公言している「世界へ挑戦。日本のプロモーションはフィーダーショー」という言葉を有言実行したことになる。
そしてランク3位から王座決定戦出場が決まった三宅輝砂。グラジ、DEEP名古屋、HEATと地元や関西でキャリアの序盤を戦い、パンクラスへ。プロモーション・レコードは7勝3敗で2021年のネオブラを制している。亀井晨介、田村一聖という新旧王者や中田大貴に敗れ、名田英平に勝利している三宅は、今年7月には石田陸也に前蹴りでKOという衝撃的なKO勝利を収めているものの、平田直樹とタイトルと争うということを考えると戦前の不利予想は否めない。平田としてはチャレンジという意味合いが下がった王座決定戦となったことも確かだろう。
■Pancrase351対戦カード
<フェザー級KOP王座決定戦/5分5R>
平田直樹(日本)
三宅輝砂(日本)
<フライ級/5分3R>
猿飛流(日本)
ジョセフ・カマチョ(グアム)
<フライ級/5分3R>
有川直毅(日本)
山崎蒼空(日本)
<ストロー級/5分3R>
寺岡拓永(日本)
舩田電池(日本)
<バンタム級/5分3R>
合島大樹(日本)
山本歩夢(日本)
<ストロー級/5分3R>
リトル(日本)
織部修也(日本)
<バンタム級/5分3R>
平岡将英(日本)
ギレルメ・ナガガワ(ブラジル)
<ライト級/5分3R>
平信一(日本)
張豊(日本)
<ストロー級/5分3R>
リトル(日本)
織部修也(日本)
<フライ級/5分3R>
水戸邉荘大(日本)
小林了平(日本)
■Pancrase350対戦カード
<バンタム級KOPC/5分5R>
【王者】透暉鷹(日本)
【挑戦者】カリベク・アルジクル ウルル(キルギス)
<バンタム級/5分3R>
田嶋椋(日本)
オタベク・ラジャボフ(タジキスタン)
<フェザー級/5分3R>
名田英平(日本)
柳川唯人(日本)
<ライト級/5分3R>
鈴木悠斗(日本)
小川道的(日本)
<フェザー級/5分3R>
岡田拓真(日本)
敢流(日本)
<フライ級/5分3R>
菅歩夢(日本)
岸田宙大(日本)
<バンタム級/5分3R>
平岡将英(日本)
ギレルメ・ナガガワ(ブラジル)
<フライ級/5分3R>
砂辺光久(日本)
時田隆成(日本)