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BELLATOR Interview Special The Fight Must Go On ブログ ベンソン・ヘンダーソン マイケル・チャンドラー 水垣偉弥

【The Fight Must Go On】Must Watch !! 水垣偉弥のおススメ、Bellatorを知るための5番勝負─05─

Chandler vs Benhen【写真】劣性だったベンヘンが1票を取れる、そんな巧さも見せていた激戦だった (C)BELLATOR

国内外のMMA大会の中止及び延期、さらには格闘技ジムの休館など、停滞ムードの真っただ中です。個人的にも大会の延期と中止のニュースばかりを書かざるをえない時期だからこそ、目まぐるしい日々の出来事、情報が氾濫する通常のMMA界では発することができなかったMMAに纏わる色々なコトを発信していければと思います。こんな時だからこそ The Fight Must Go On──第27弾はMust Watch!!  このスポーツの著名人が、改めて視聴することを薦める試合を紹介したい。

元日本MMA界のエースでDAZNでベラトール中継の解説も行っていた水垣偉弥が選ぶ、BELALTOR編。水垣が「Bellatorを知って欲しいために選んだ5番勝負」から、最後の1試合は?

※ここで紹介する試合は、オフィシャルホームページやオフィシャルYouTubeチャンネルで誰もが無料で視聴できるファイトに限っており、違法でアップされた試合は含まれていません。


水垣が選んだ「Bellatorを知って欲しいために選んだ5番勝負」、4試合目は2016年11月19日に行われた世界ライト級選手権試合=王者マイケル・チャンドラー✖ベンソン・ヘンダーソンの一戦だ。

パトリッキー・フレイレを破り3度目の王座戴冠となったチャンドラーに、その弟パトリシオを破り挑戦権を得たベンヘン。ズバリ、Bellator✖UFCという構図が話題となった。

水垣偉弥のMust Watch 05、チャンドラー✖アルバレス戦の選択理由は以下の通りだ。

水垣偉弥
「個人的にベンヘンが好きというのもありますが、チャンドラーがベラトールのチャンピオンとして元UFC&WEC世界チャンピオンを迎え撃つというシチュエーションにドキドキ、ドキドキさせられました!! ガンガン攻めまくるチャンドラーに対して、凌ぎ続け最後にバック取るところまで行ったベンヘンの粘り、最後まで目の離せない一戦でした。

最後にバックチョークを極めていればベンヘンのファンにとっては最高の1戦でしたが。とにかく剛✖柔という感じで見所の多い激闘でした」

BellatorオフィシャルYouTubeチャンネルで視られる──動画はコチラから

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Interview J-CAGE JJ Globo ONE Road to ONE02 ブログ 世羅智茂 青木真也

【Road to ONE02】試合直後の青木真也の話。魅せるためにリスクは? 「格闘技をやっているということ」

Aoki Shinya【写真】試合直後、控室となった会議室で (C)KEISUKE TAKAZAWA/MMAPLANET

7日(金)に行われたRoad to ONE02。MMAPLANETでは1日を経てからメインで世羅智茂と対戦し、時間切れドローとなった青木真也にマイクの意図などを尋ね、彼の言葉を掲載した。

ここではクローズドショー、開催場所さえアナウンスされないという異様な状況での試合を終えた直後の青木の談話から、試合に関しての部分だけを抜粋してお送りしたい。


──世羅選手とのグラップリングマッチ、時間切れドローとなりました。

「語れるものじゃない」

──語れるものじゃないというのは?

「人に見せられるものじゃなかったですよね。攻めないから、試合が動かないッスよね。あぁ、こういうのかって。動かなくて、負けない試合をされた感じですよね。まぁまぁ、それで良いなら、それで良いけど。勝負はしたかった感じはしましたね」

──青木選手も手堅かったですよね。

「手堅かったです。来ないもん。カウンター待ちされているから、試合にならないですよ」

──そこで隙を見せようが、自分から動くことはできなかった?

「そうですね……最後は少し動かせたけど、そういう風にしても乗ってこないですよね」

──世羅選手のクローズドが、オープンになった瞬間も青木選手はスッと動くことはなかった。そして、セコンドからもオープンになっているという指示がなかったです。

「そうですか? 僕はクローズドで待たれた感じがします。でも、セコンドの声がなくてもそれは分かりますし。オープンにしても仕掛けはなかったですからね。そのままステイ、ステイ、ステイにされましたね」

──この試合、グラップリングを普段見ていないファンも視聴する機会だったと思います。そして、その視聴者は『青木、攻めろよ』という印象を持ったかもしれないです。

「そうですね、僕はこれで全局面で圧倒しちゃっているから。僕の概念では。僕が上からコントロールしていて、相手が掛け逃げをしている。まぁ、意識の差ですよ。この1つの試合じゃなくて、大会ごと背負って見ているつもりだから。全部まとめて大会を見ているつもりだから、もうちょっとお互い良いモノを創れたとは思います」

──う~ん、ただそこで足関節に入るとかやってしまうと、実は青木選手らしくない。あのままステイし続ける、それが青木真也の格闘技だと思います。

「ずっとステイ、相手が掛け逃げしてもステイする。これはこれで我慢比べなんです」

──我慢比べになるとになると譲れない?

「根負けはしないです」

──逆にブレイクがあっても良いのかもしれないですね。そういう意味では。仕切り直すために。

「良いかもしれないけど、それは戦うほうの意識だからブレイクがあっても同じ形になるんじゃないですかね。だから結論としてEBIはオーバータイムの決着戦があるという。そこに行き着くってことで」

──それでも魅せたいモノは見せられましたか。

「もうチョットかな。とりあえず及第点です。こういう時は仕方がない。だからマイクで誤魔化しました。そういうことです」

──繰り返しますが、良いモノを創るために勝負から外れるリスク、魅せるためのリスクは試合でおかさないと。

「それが、ちゃんと格闘技をやっているということだし」

──では、このような状況が続くとすれば青木選手は次は何を目指しますか。

「ここでMMAをやるかも。それはあるかと思います。もう寿命が短いから、勝負したいかな。もう別にいつ死んだって、いつ辞めたって良いって言いましたけど、本当に思っていますから。だから試合しても、良いのかなって思います」

をクリックすると、オンデマンドで試合が再チェックできます

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ABEMA Fighter's Diary Interview J-CAGE ブログ 北岡悟

【Fighters’s Diary con on that day】「試合がない日々」を生きる北岡悟の声 on 2014年9月22日

Satoru-Kitaoka【写真】番組内でも北岡の言葉は刺さるモノが多かった。「依存すら超えている」──さすがです (C)ABEMA & MMAPLANET

全世界を巻き込む新型コロナウィルス感染拡大の影響は当然のように日本の格闘家たちの人生にも影響が出ている。試合がない、大会が開かれない、練習場所の確保も困難だ。

そんな今、格闘技を愛する全ての人へ──ABEMA格闘CH が公式YouTubeチャンネルで Fighter’s Diary Ep.02が19日(日)より、アップされている。

第2回でクローズアップされた格闘家はKRAZY BEE軍団(朴光哲、矢地佑介、田村一聖、あい)、佐藤天、浅倉カンナ、北岡悟、堀江圭功(と高阪剛)の9人だ。

Fighter'sDiaryFighter’s Diaryは3週に渡り、3つのエピソードで総勢16人の格闘家たちの声をYouTubeで伝え、26日(日)午後7時より、ABEMA格闘CHにて Fighter’s Diary完全版が放送される。

そんなFighter’s Diaryでは「試合がない日々」を格闘家たちはどう生きるのか? ──という今の声を集めた。MMAPLANETでは、タイアップ企画ならぬボーディング企画を提案。MMAファイター達が今を発せられるようになった原点を探る上で、あの日の彼らや彼女達の声=on that dayとして、MMAPLANETインタビュー初登場時の声を紹介したい。

題してFighter’s Diary con on that day、第8回は2014年10月2日公開、9月22日に取材が行われた──ワールドスラムT準決勝=リッチー・ウィットソン戦に向けて調整中だった──北岡悟のあの日の声をお届けしよう。


<リードを含めた完全版はコチラから>

──北岡選手をMMAPLANETで取材させてもらうのは、2012年4月の北米トレーニングの出稽古の旅以来となります。J-CAGEという国内のケージ大会を扱うコンテンツを立ち上げたことで、今回の取材を実現できることとなりましたが、この2年5ヶ月の間、北岡選手はMMAPLANETの主たる取材対象である海外MMAから遠い場所で戦い続けてきたこととなります。そして、あのトレーニングの旅に参加した選手で、MMAPLANET再登場に最も時間を要したのが北岡選手で、一人前がGRANDSLAMに出場した伊藤健一選手でした。個人的にもここで北岡選手の話を聞けることが嬉しいです。

「ハイ、ありがとうございます。僕はケージやユニファイドに遠いところにいましたけど、まだ現役やっています(笑)。」

──そんななか9月20日、UFN52で金原正徳選手のセコンドに就かれていましたが、どのような印象を持ちましたか。

「UFC全般ですか?」

──はい。

「僕、金ちゃんの試合しかアリーナにいることがなくて、モニターしか見ていないんです。だから何とも言えないですけど、金ちゃんの試合は長年の想いが実った瞬間を共有させてもらい、凄く光栄でした」

──『ありがとう、UFC』というセリフがとても印象に残っています。

「彼は……不良上がりだとは思うのですが(笑)、本当に明るい性格だし、良いですよね」

──UFCに関して、特に感じ入るモノはなかったですか。

「いや、でも素晴らしいと思いましたよ。控室にいても、そういう風に思えました。日本人選手が多かったですけど、そこは日本を代表する指折りの選手ばかりなので、取り組み方だったり、意気込みも高い。日本のトップの人たちばかりだから。やっぱり、そういうモノに触れたり、同じ空間にいられることは心地よかったですね」

──UFC JAPANが終わってから2週間後にはVTJとパンクラスという国内有数のケージ大会が開催され、ここにきて北岡選手がパンクラスでケージ、そしてユニファイド・ルールに挑みます。

「う~ん、去年の年末のラマザン・エセンバエフ戦も、4月の宮崎(直人)戦もヒジ有りだったので、リングでの試合でしたが徐々に寄っていっているというのは有りました。ただ、DEEPはタイトル戦なので、サッカーボールキックも有りなんですよね。そこもDEEPに関しては、菊野戦以外はタイトル戦なのでリングで戦うということは外せない要素だったんです。一時期、選手が同意すればケージでもタイトル戦が行われるようになりそうなこともあったんですが、結局のところタイトル戦はリングに拘るという風に落ち着いたようですし。ただ、今後もルールに関してはユニファイドに寄せるようになるとは聞いています」

──ではケージという部分については、どのように考えられていますか。

「ケージに関しては、意識して練習はしてきました。でも、たまたま……ですよね。海外に戦場を求めなかったこと以上にたまたまです」

──今回出場するパンクラスが、たまたまケージを使用していると?

「パンクラスで戦うこともたまたまに近いかもしれないです。去年の9月に出て、また出たいとは思っていたんですけど、それは遣り甲斐でもあるし、生きるためでもある。両方ですよね、ハイ」

──その想いがあっても、DEEPのチャンピオンということもあり、なかなか実現には至らなかったわけですが。

「難しい時期もありました。電撃和解というか茶番劇というか……でも、良かったと思います。選手の立場からすると、試合の機会が明らかに増えるわけですから」

──何れにせよ、和解劇(笑)が北岡選手のパンクラス出場という形で表れたのであれば、それはファンにとっても歓迎すべきことですしね。

「僕だけでなく、いわゆる中堅どころの選手が、行き来できるようになっています。両団体がストックしている選手のなかにも、やっぱり対戦カードとか扱いが難しくなってくる状況の選手がいても、パンクラスとDEEPの交流によって目新しい顔合わせが生まれることは本当に良いことですよ。それに若くてやる気のある選手なんて、めちゃくちゃ試合経験を積めるわけですしね」

──ここに修斗、あるいはVTJが加わるとさらに良い状況になりますよね。

「VTJなら階級も同じですしね……。でも、僕が出ていないところの話は……(苦笑)」

──現状、北岡選手は戦い勝手の良い場所で戦っていくということでしょうか。

「何とも言えないです。戦い勝手の良い……、何だろうなぁ。DEEPに関してはチャンピオンですから、タイトル戦が中心になるはずです。ファイトマネーの額からも、頻繁には使い辛いだろうし、それはパンクラスも同じことで。でも、ディファ有明で外国人、僕が出るからワールドスラムも復活したというのもあるだろうし、よくこの場を与えて下さったと思います。そこは本当に感謝しています」

──トーナメントとなると、またDEEPライト級王座防衛戦とスケジューリングのバッティングが起きないよう、団体間での調整も必要になってくるのかと。

「優先順位としてはDEEPですよね、チャンピオンですから。ただ、究極的には僕の気持ち次第です」

──このところ、選手を拘束したいのであれば、契約が必要という意見が多く聞かれるようになりました。

「DEEPとは一度、防衛をすれば自由にして良いということになっています。返上しても良いけど、僕が防衛戦を行う気持ちでいるなら、挑戦者に関しても佐伯さんのなかでは意中の選手はいるようです」

──それが決してTDCホール大会のようなビッグショーではないと。

「今年は4月にすでに防衛しちゃっていますからね。う~んパンクラス出場が決まっていなかったら、TDCホール大会に出ていたかもしれないです」

──昨年9月のパンクラス再出場の要因の一つには20周年記念大会ということもありました。今大会もパンクラスに出場することで、特別な思い入れは持たれているのですか。

「去年の9月にパンクラスで戦い、『またパンクラスで見たい』と言ってもらえたし、それ以上に僕自身も『また、ここに出たいな』という気持ちもありました。その両方の部分とプロとして……、スイッチというか、DEEPとパンクラスの両方に出ることで注目もされますしね。それとパンクラスのデカゴンの中で戦い、勝ちたいという気持ちもあります」

──10角形のケージで戦うことで、戦い方にアジャストは必要だと感じていますか。

「相手のリアクションという要素はありますが、何といっても広いですしね。修正すべき点は出てくると思います、格闘技に関しては僕もバカではないので考えてはいます(笑)。やってみないと分からない部分はついて回りますし、そういう怖いもの見たさのような興味もあります」

──北岡選手はテコンドーを取り入れ、ステップなどにも工夫をしてきました。リングから角のほぼないデカゴンで戦うには、間合いや出入りも変化が必要になりますか。

「変化というよりも、よりこれまでやってきたことが生き、より使えるようになるんじゃないでしょうか。と同時にベタ足でもプレッシャーを与えて、相手に触ることも大切だと最近は感じるようになっています。それを実践したのが、8月のONE FCで青木が見せた試合ですよね。あれってもの凄いことをやったと思うんです」

──今、日本人でカマル・シャロウスを一方的に下せる日本人はいるのかという部分でも、より評価されても良い試合だったと思います。

「いや、誰もできない。できないですよ。でも僕は僕でステップ等歩法を意識しつつ、日本で一番と言っていいくらいの練習をできていると思っています。それこそUFCの日本大会に出場したほとんどの日本人選手とこの試合前にスパーしていますし」

──現在はプロ練習やスパーリングはどこで行っているのですか。

「DEEPジムが閉まってから、ここロータス世田谷で従来の金曜日だけでなく月曜日にもプロ練習を開くようになり、シンガポールに行っていない時は青木も来てくれます。あとは火曜日はHEARTSに行き、木曜日がTRIBE。スポット的にAACCとBRAVEで1、2回練習させてもらいました」

──宮田和幸選手率いるBRAVEですか。場所的にかなり遠くないですか。

「三郷ですから1時間半から2時間ほど掛かりました。でも、BRAVEにはケージがあるので、2回ほど寄せてもらって先週は宮田さんや芦田(崇宏)君とスパーをしたんです。その前は川中(孝浩)君っていう70キロの選手がいて、彼ともやりました。ケージの感触を掴みたかったので。アッ、ケージだと大阪でタクミさんのパラエストラ大阪にも行きましたよ。大阪ではタクミさん、別府(セブン)選手と練習しました」

──大阪にもケージを体感しに行ったのですか。

「はい、それだけでなく舘和男さんにテコンドーの指導をしていただくのと併せて、タクミさんのところでケージで練習させていただこうと思って」

──なるほど。本当に真剣に格闘技と向かい合っていますね。AACCでは強烈な追い込み練習が行われていると窺っています。

「大塚(隆史)選手や鈴木JAPAN選手がいて、3分間のMMAグローブをつけたフルスパーをやるので、実戦に近い緊張感を持って臨むことができます。マットスペースも広いですし、感覚的な部分を掴みやすいですね」

──試合が近づいていますが、技術練習は余り行わないのですか。

「技術練習? 打ち込みはHEARTSやTRIBEの練習メニューに組み込まれているので、それが技術練習ですかね。なんだかんだと言って、青木も技も教えてくれますし(笑)。あとはこれまで練ってきたものを確認するように、自分も教えています。それが僕的には技術練習に近いですかね。基本、スパーリング中心ですから」

──スパーは先ほどAACCでフルスパーがあると言われたように、他ではシチュエーション・スパーが中心ですか。

「僕が管轄の練習で、壁を使ったりする限定スパーを一時期、極端に増やした時があったんですけど、結局は元に戻って今はフル・グラップリングのスパーを大事にしています。人それぞれ、色々な入り方があってムエタイを重視して、ムエタイをしっかりとやりこむ人もいます。フィジカルを重視する人もいれば、ボクシングを重視する人もいる。柔術を大切にする人もいますよね。僕はフル・グラップリングを大事にして作っています」

──北岡選手がフル・グラップリングを重要視していても、出稽古中心だとそのジムのメニューに当然、合わせる必要があるので、自分の想い通りの練習ができないというジレンマに陥ることはありませんか。

「火曜日のHEARTSでは打ち込みから、シュートボックス。そこからシチュエーションのMMAスパー。木曜日の長南さんのところ(※TRIBE)はフィジカルで体を温めて打ち込みからシチュエーション。だからこそ、月曜と金曜日はここで、ひたすらフル・グラップリングのスパーをやって、おしまいって感じで。土曜日もここでやることが増えて、軽量級の子が多いから、その子たちをただひたすら苛めるだけ(笑)。打ち込みのつもりで、スパーをやっています」

──つまり、約束ではなくても自分の好きな動きができる練習ですね。

「もう、容赦なくやっています。土曜日はフル・グラップリングからフルMMAを回すような感じなんですけど、フライ級やバンタム級の子を抑えつける練習だと思ってやっています。それで全然、問題ないです。逆にシチュエーションだけだと不安になります。限定スパーだけだと、僕は無理です」

──もう、今から10年も前にスクランブル渋谷で、所属先や戦っているプロモーションに関係なく選手が集まりスパーリング・セッションを行うようになりました。八隅孝平、植松直哉が声を掛け、北岡選手をはじめ青木真也、今成正和、大石真丈、渡辺直由、所英男、宮田和幸、佐藤ルミナ、朴光哲、孫煌進、アマ時代の田村一聖らが一同に介していました。あの時代のフル・グラップリングを北岡選手は、今も大切にしているということですね。

「あぁ、あれがYBTの始まりで、プロ練習の走りですね。でも、その原点の金曜日のYBTは過疎化が半端ないです(笑)。それ、このインタビューで声高にかつ切実に訴えさせてほしいです。キムさん(※キム・ジュン)とタイマンでやっていますから(笑)」

──キムさん……。佐藤ルミナ選手つながりでK’z Factoryに出入りするようになり、YBTには初期から参加していた知る人ぞ知るキムさんですか。

「ハイ、今は茶帯で。トライフォースでノーギのインストラクターもしていてテクニシャンだし、良い練習になっていますよ」

──道場主の八隅さんの名前が出てこないですが(笑)。

「もう色々とボロボロで、スパー練習はたまにしか一緒にやっていないです(笑)。月曜日の方は、今日なんかでも青木、加藤忠治、中島太一君が来てくれて凄く良い練習ができているんです。だから、金曜日ですね(苦笑)。先週なんかはもうキムさんしか来ないだろうということで、自分でスケジューリングして夜にBRAVEへ行くことを決めていました。そこで宮田さんや芦田君とMMAの練習をして。

今、色々なジムで練習させてもらっていて上の方……指導者の方はやっぱりしっかり色々と分かってらっしゃいます。宮田さん、大沢さん、長南さん、阿部さんもそう」

──分かっているというのは?

「凄く見えてらっしゃいますよね。選手世代が指導者になり、変わってきていると思います。僕もそうなるのかなぁ……、それはちょっと嫌だなぁ(笑)」

──その指導者が師匠となっていくのか。韓国のトップ選手は指導者を人間として慕って、指導者も対戦相手の研究などに関しては、今の日本の多くのケースより熱心なように見受けられます。

「あぁ、なるほど。そうなんですねぇ、UFCの日本大会を見ていても、そんな感じはしていましたよ。でも、それって単純に熱意、熱意の差ですよ。韓国には凄く興味あります。クミMMAのイ・チャンソプから練習来てよってメールをもらって」

──チェ・ドゥホのコーチの?

「ハイ、そうです」

──韓国もそうですが、UFC日本大会を見ていてアライアンスMMAなど、チームとして機能しているので、日本人選手は個人の能力として、そこまで開きがないはずなのに、結果という部分で違いが出てきているのは怖いです。

「まぁ、色々な部分。トータルで負けていますよ。いっぱい負けていると思います」

──そのようななか、出稽古中心の北岡選手は米国人のリッチー・ウィットソンが相手となります。

「長岡に一本勝ちしているけど、ONE FCで一本負けしているんですよ。良いテイクダウンを取ったのに、そのあとやられて。ニコニコ動画で解説していて、『えっ』と思いました。不思議な選手ですね」

──ラマザン戦もありますし、外国人と戦うと何が起こるか分からない怖さがあります。

「今は外国人に限らず、凄いスピードでこの競技は全体的にレベルが上がっているので全く油断はできないし、自分に余裕を持つようなことはないです。勿論僕自身も強くなってきているとは思いますし、今年に入ってから自分のなかで感じてきているものもあるのでそういったものを出したいです」

──ウィットソンを相手にここは気を付けないといけないという点は?

「気を付けないといけないのは、全ての局面です。長岡にはサブミッションで勝っているわけだし、外国人ですし、打撃、グラップリングともに一発がある。だからといって、警戒しまくって丁寧にお行儀よくやるつもりはないです。自分で研鑽を重ねてきたものをぶつけてやる気持ちでいます」

─ではさきほど言われた、強くなっていると感じる部分とはどこになりますか。

「グラップリングとか、ちょっと変わりました。アマチュア・レスリングなのかどうか分からないですけど、レスリング的な繋ぎとか分かったりだとか。グラップリングも、よりMMAというか制圧するグラップリングになってきたので。スタイルは変わったと思います。練習で足関節とか、全然やらなくなりました。まぁ、本当のところはずっと前からやっていないんですけどね」

──制圧するスタイル、足関節は仕掛けない。つまりは上を取るということでしょうか。今の判定基準だと、下からのコントロールは制圧することにはならないですよね。

「下からの制圧もあるんですけど、それって下になっているようでなっていないんですよ。そこらへんは、言葉にしづらいですね。ただ、お客さんがどういうものを見たいのかっていうのもありますし」

──観客の目を意識しますか。

「いや、それはやっぱりないですね。そこまでは考えていません」

──4月の防衛戦を見ていると、攻め続ける気持ちがあるのは理解できたのですが、その攻めよう、やろうという気持ちによって必要以上に動き、疲れた部分があったのではないかと思いました。

「そうじゃないとダメなんじゃないですか。疲れないと。そんな楽したらダメだと僕は思っています」

──体力を失い、疲れると判断ミスを生むのであれば、スマートに戦っても良いかと。宮崎戦は特に、トップを取ってから絶対的に自分で局面を打開しようと動き続け、かなり疲れていたように見えました。

「いや寧ろ、またアレがやりたいぐらいですけどね。相手より疲れて負けるなら、それまでじゃないかと思います。ドロドロにして、自分が疲れる以上に相手を疲れさせる。そういう戦い方ができれば、それが理想的な戦いです。そんな行儀良くできないです、僕」

──自分のペースなら、動いていてもそれほど疲れないこともあるかと思います。

「だから、そこまで……心配してもらっているほど疲れていなかったと思います。傍からどう見えるかは分からないですけど。出し切ったら偉いと思うわけじゃないですけど、僕は出し切りたい」

──北岡選手には出し切らなくても良いから、結果を出す。そういう風に求めてしまいます。

「なるほどっ!!  それはありがとうございます。やっぱり、心配してくれているんですよね?」

──心配とかではなく、格闘技は練習で苦しい目にあい、試合では苦しまずに勝てるのが一番だと思っています。だから、いうなれば疲れようが、疲れまいが勝利が大切だと。

「なるほど、なるほど……ですね」

──疲れた方が敗北に近づきますしね。

「……難しいですね。そこまで、強くないですから」

──そうとも思っていません(苦笑)。

「それも、ありがとうございます。弱者の理論じゃないですけど、弱者の理論と強者の理論のミックスがやりたいというか……。相手より強いからこそ、相手より頑張る。そして相手より弱いからこそ、相手よりも頑張らないといけないみたいな。変なこと言っているかもしれないですけど。人間って両方持っているものじゃないですか。そして、僕の良さは両方あることだと思っています。

それこそギュッと抑え込み、上からドミネイトしまくって勝てれば良いですけど、やられかけた時に下から捲れたりとか。柔術の技とか、切り返す技を持っているのと、持っていないのでは全然違うじゃないですか。凄く劣勢な場面で、一発逆転を狙うことができる技があるのか、ないのか。そういう跳ね返す力と、パーフェクトゲームで勝てる力、両方を持っていたいです」

──パーフェクトゲームで勝てる気持ちを持って、劣勢になってから返す準備もしておく?

「そういう風でいたいです」

──ウィットソン戦はスカッと勝ってほしいと周囲も期待しているとは思うのですが、北岡選手はドロドロの局面になることも良しとしているようですね。

「そうですね、別にそれでも分かる人には面白いモノに……でも、それじゃダメだな。う~ん、ライブ観戦を楽しみにしてくれている人に……何ていうんですかね、見応えのあるモノを見せるという自信はあります。根拠を問われると、答えられないですけど(笑)。そういう取り組みはしてきているつもりです」

──あとから振り返って見る気にはなれないけど名勝負、そういうライブ特有のモノもありますよね。ライブでも振り返りでも名勝負といわれる戦いとは別に。それこそ、北岡選手が言ったような手に汗握る見応えのある戦いが。

「こんだけやっていますし……。他に何もやっていない。なくても良いけど、責任感もあります。だから、見に来てくれたファンが喜んでくれる試合はやります」

──責任感というのは、どこに対しての責任感ですか。

「DEEPのチャンピオンであることもそうですし、パンクラスであったり日本の格闘技を代表しているような気持ちは持っています。未だにアイコンの一つである自負があります。ただ、格闘技界のためにと思う気持ちは、犠牲の心ではないです。自分のためであり、張り合いがあるからです。総合格闘技をやっている北岡悟というモノが好きで、誇りを持っていることを最近、また気づきました。だからこそ、やっていないことはやっておきたい。

そういう気持ちがあってのケージでユニファイドなわけです。リングではなくなったパンクラスに出ておきたいと思ったのも事実ですし。10月5日より、先のことは終わってから聞いてもらえればと思います。ただし、やってなかったことをやっていく──その道標ではいたいです。そのためには勝ち続けること……が、自分自身の張合いをもたらしてくれるので。そのためにも勝利が大事になってきます」

──これが最後の質問です。今回のパンクラス出場に際し、日本人相手ではなく、外国人選手と戦いたいという気持ちでいたのでしょうか。

「僕と釣り合う相手と戦いたいとは思っていました。そうしたら日本人は、資格を持っている者がいなかった。資格がある人がいなくなってしまったので。こういうことは縁だから、仕方がないです。でも、パンクラスに出場し続けるのであれば、ディファ有明という箱を考えると日本人選手と戦う方が絶対に良いと思います。言っても日本の格闘技界で、僕と戦うことは相手にとって張りのある試合になるはずだから。そこに手を挙げてくれるような選手と戦いたいです。そのためにも僕も勝ち続けて、相手にとって張り合いのある選手でありたいです」

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BELLATOR Interview Special The Fight Must Go On エディ・アルバレス ブログ マイケル・チャンドラー 水垣偉弥

【The Fight Must Go On】Must Watch !! 水垣偉弥のおススメ、Bellatorを知るための5番勝負─04─

Chandler vs Alvarez【写真】勝負を決めたのは、この前の──今やチャンドラーの代名詞となった右のオーバーハンドか (C)BELLATOR

国内外のMMA大会の中止及び延期、さらには格闘技ジムの休館など、停滞ムードの真っただ中です。個人的にも大会の延期と中止のニュースばかりを書かざるをえない時期だからこそ、目まぐるしい日々の出来事、情報が氾濫する通常のMMA界では発することができなかったMMAに纏わる色々なコトを発信していければと思います。こんな時だからこそ The Fight Must Go On──第25弾はMust Watch!!  このスポーツの著名人が、改めて視聴することを薦める試合を紹介したい。

元日本MMA界のエースでDAZNでベラトール中継の解説も行っていた水垣偉弥が選ぶ、BELALTOR編。水垣が「Bellatorを知って欲しいために選んだ5番勝負」から、4試合目を。

※ここで紹介する試合は、オフィシャルホームページやオフィシャルYouTubeチャンネルで誰もが無料で視聴できるファイトに限っており、違法でアップされた試合は含まれていません。


水垣が選んだ「Bellatorを知って欲しいために選んだ5番勝負」、4試合目は2011年11月19日に行われた世界ライト級選手権試合=王者エディ・アルバレス✖マイケル・チャンドラーの一戦だ。

水垣偉弥のMust Watch 04、チャンドラー✖アルバレス戦の選択理由は以下の通りだ。

水垣偉弥
「チャンドラー✖アルバレス、本当は2度目の対戦の方をおススメしたかったのですが、この動画がオフィシャルYouTubeにフルファイトで残っていなかったです。2度目の対戦はアルバレスがベラトールとの契約を更新せずに、最後の試合でタイトルを取ってUFCへ行こうという想いと、絶対にそんなことはさせないというベラトールの思惑がぶつかってヒリヒリしていたのですが、その分オフィシャルとしてはアーカイブさせ辛いのかもしれないです。

それにマルコ・ロウロ✖ドゥドゥ・ダンタスや、マイケル・マクドナルド✖ダンタスなんかも、アーカイブされていないので残念です。

とはいいつつ、チャンドラー✖アルバレスは1試合目も凄い内容でした。この試合でチャンドラーの名前が世界に知れ渡ることになったといっても過言でないです。チャンドラーはトーナメントで優勝していましたが、試合前の下馬評はアルバレスが上でした。そのアルバレスを相手に一本勝ちというインパクトの大きな試合でしたね。この試合があって、僕の中ではベラトールといえばマイケル・チャンドラーという印象になりました」

BellatorオフィシャルYouTubeチャンネルで視られる──動画はコチラから

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Interview Special フランク・シャムロック ブログ

【Special】第2回、MMA版あいつ今何してる? フランク・シャムロック─01─「UFCにとって一番の敵に」

Frank Shamrock【写真】2009年4月、最後の試合から11年が経ったフランク・シャムロック (C)DAVE MANDEL

MARTIAL WORLD Presents新訪問シリーズ=「MMA版あいつ今何してる?」──第2回は日米を股にかけてMMAの創世記から、定着&発展期に常にトップファイターとして活躍したフランク・シャムロックだ。

ケン・シャムロックの義弟は1994年12月にパンクラスに来日し、一躍トップスターに躍り出ると、1997年にはRINGSで高阪剛、VTJでエンセン井上と日本の重量級のトップファイターを破る。さらにエンセンに勝利した1ヵ月後に横浜アリーナで開催されたUFC JAPANで五輪金メダリスト・レスラーのケビン・ジャクソンを腕十字で秒殺し、フランクはオクタゴンデビューを果たした。

1997年12月から1999年9月までUFCで活躍したフランクは世界ライトヘビー級王者に君臨し、4度の王座防衛に成功している。しかし、Zuffa体制になると彼はオクタゴンを去り、Zuffa買収前のWECからElite XC、Strikeforceと常にUFCのオポジションで活躍し、ダナ・ホワイトに対しては批判的なコメントを繰り返してきた。

そのフランクが現役を退いて11年が過ぎた。2017年にはRIZINで桜庭和志とグラップリングのエキシビションも行った彼は今、何をしているのだろうか──。自らのドライブで北米MMAのフィーダーショーを追い続けたキース・ミルズが近況と、殿堂入りしてもおかしくないZuffa UFCとの間に何があったのかと尋ねた。
Text by Keith Mills


──UFC、WEC、そしてStirkeforceで頂点に立ったフランクだけど、ZuffaになってからUFCとは疎遠になったままだね。

「彼らがUFCを買った時に、実は僕は彼らに雇われていたんだ。そして2週間いっしょに練習し、MMAはどうあるべきかを協議していた。僕は彼らがUFCをどう発展させていくのか、その代弁者であり、彼らのブランドのチャンピオンだったんだ。2週間、ロレンツォとダナと一緒にトレーニングをし、このスポーツは何かを彼らと話し合っていた。このスポーツの成り立ちを話し、これからどのようにやっていくのかを、ね。

2週間後、2人は僕に椅子につかせて彼らの方針を伝えてきたよ。彼らは僕に『試合に出てくれ、それが君の役割だ。我々の次のマーケット開拓は、この2人がやっていく』とね。それがティト・オーティズとカルメン・エレクトラ(モデルでデニス・ロッドマンの元夫人)だった。ピカピカに着飾られた……見せかけ重視の方針だった。僕は『これは僕が想うMMAというスポーツじゃない』と伝えたよ。

少なからずMMAは、今もあの時の彼らの選択の影響を受けている。そのダメージを受け続けているといっても良いだろう。2人のあのやり方が、今もMMAの一般的なプレゼンになっているようにね。皆が、そういうイメージでMMAを見ているんだ。

『これは違う。もっと正しくMMAを導かないと。こういうことをやり過ぎるのは良くない』。それが僕の考えだった。だからUFCと同じ道を進むことはなくなり、他の団体で自分の信じるやり方でMMAを発展させたいと思った。

結果、フランク・シャムロックは公然とUFCにとって一番の敵になったんだ」

──そんなことがあったんだね。

「その後、僕はストライクフォースで仕事をするようになり、彼らとハッキリと競合するようになった。自分のすべきことを加速させたよ。UFC……ダナ・ホワイトとの関係はさらに悪化し、互いに嫌うようになっていったんだ」

──ダナやロレンツォとストライクフォースのスコット・コーカーは違ったの?

「僕にとっては違う。僕は常にスコット・コーカーには全幅の信頼を寄せている。文字通り、スコットとストライクフォースの面々は命を懸けてプロモーションを運営していたからね。

それが僕のスコットの印象だ。でも、ノールール時代に格闘技とコネクトしていた連中って、そうなんだよ。そういう時代を経験している連中は命を懸けてMMAを発展させるという想いでいた。それが僕にとって全てだったんだ。

──引退から2年後にStrikeforceがUFCに買収されたね。

「彼らと一緒にやりたいとは一切思わなかったよ。僕は彼らを信用していない。僕らはある一線のあっち側と、こっち側にいる。同じサイドにいることはない。僕は彼らと同じ側にいようとは思わないんだ」

<この項、続く>

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Interview J-CAGE ONE Road to ONE02 ブログ 世羅智茂 青木真也

【Road to ONE02】大会決行から1日を経て、試合後のマイクを青木真也に尋ねた「種明かしをすると……」

Shinya Aoki【写真】試合終了直後の青木の表情。彼の話を訊く限り、これは苦笑いだったか(C)MMAPLANET

昨日、7日(金)にRoad to ONE02のメインで世羅智茂と対戦し、時間切れドローとなった青木真也

MMAPLANETでは試合直後に試合内容に関して、青木に話を訊いた。その前にここではマイクアピールへの反応に対し、今夜、電話取材を行った時の青木の返答を紹介したい。


──昨日のマイク、まずキ〇〇イという放送禁止用語を使ったこと。アレはまずくないですか?

「言わないなら、言わない方が良かったと思います。でも、もう言ってしまったことなので。放送禁止用語かどうかでいえば、ネットTVで。その辺は地上波ではないですし。

あと、こういうのはその時に伝わらないとしょうがないんですけど、別に悪い意味で使ったんじゃない。最高の連中っていう文脈で使った言葉ですからね」

──Fucking Coolのような感じだと。

「そこにセンシティブに引っ掛かる人がいるんでしょうね」

──マイクの内容はあらかじめ考えているのですか。

「だいたい何を話すかは、こんな感じでっていうのはあるんだけど、昨日は試合内容がアレだったんで、あのまま終わるわけにはいかないと思って話していて。なんかやらないといけない、締めないといけないなって(苦笑)」

──「いつ死んだって良いんだよ」と「なぁ」を連呼していたのは、次のセリフを考えているから?

「そうっ! そうなんですよ。分かっちゃいましたか(笑)」

──アハハハハ。

「大仁田(厚)さんとか、真壁(刀義)さんとかも(笑)。長州さんが、『うんうん、そうだな』っていう時とか考えているの(笑)。で気負った時こそ、連呼するんです」

──青木選手も昨日はマイクで気負っていた?

「ヤバイ、これ。何とかしないとって(笑)。これ帳尻合わせられるかなとは思っていました。世羅とは掛け合いできないし。いやぁ、考えているの、まさか……バレていましたか(笑)」

──あとですね、昨日の発言内容に関しても、大会を開催したことを含めて賛成意見ばかりでなく、しっかりと反対意見があったことが良かったと思いました。

「逆にないとヤバイですよね、世の中として。やっちゃダメだっていう声がないと。バランスは取れないですからね」

──「死にたくねぇ。負けたくねぇだったら、試合しなきゃ良いし、ずっと家に居ろよ。ステイ・ホームってずっと書き込んでいろっ!」という言葉に対し、逆上したような反応でなく、『分かるけど、今じゃないんだよ』という反応がありました。

「ハイ……」

──あの強い言葉があり、反論でも反応がある。自粛に関して「耐えて、終息したら──こんなことやりましょう」という優しい言葉は、逆に頭を麻痺させますよ。青木選手の劇薬のような言葉は、皆にまた考える機会を与えることになったのではないかと。

「それは種明かしすると、考えていました。僕が本当に言いたいことは家にいろ、出てこい、自粛バカヤローっていうことじゃない。自分で考えろってことだから。だから、考えないで……ただ試合の機会があるからって、このタイミングで試合をするヤツも同じ。

何も考えず、このままどうなるのか、家にいると終息するなんて思っているのはダメ。家にいるなら自分の価値観を持って家にいて欲しい。自分でもっと考えようよってことなんです。ちゃんと考えて自粛するのも、考えて何かをアクションを起こすのも同じことで。それはホントに。僕がズレているとか、おかしなヤツって思われるのは構わないけど。

でも今、それすら考えられず、明日のご飯も食べられない人がいる。これが終息しないと、国全体、国民全体が貧しくなっていく。格闘技界も、社会もそう。このままじゃ、コロナは終息なんてしなくて長引く。そんな時にこのままジリ貧で良いのかて、色んなことを自分で考えた人が、昨日はあの場に集まった。

コロナが続くなかで、無観客大会のノウハウを創ろうとした。これが続くと覚悟した連中が一緒になって、一体感を持って創り上げたんです」

──青木選手も思い入れがあったと。

「アントニオ猪木が世間とプレロスをしていましたが、そういうモノと戦った大会でした。世間とか常識と戦った。やって良かったと思います。何より夜明けが見えないなかで、ここで何か一つ動かしてもらったのはありがたかったです」

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BELLATOR Interview Special The Fight Must Go On エド・ルース ネイマン・グレイシー ブログ 水垣偉弥

【The Fight Must Go On】Must Watch !! 水垣偉弥のおススメ、Bellatorを知るための5番勝負─03─

Neiman vs Ruth【写真】耐え忍んで、掴んだチャンスをモノにしたネイマン (C)BELLATOR

国内外のMMA大会の中止及び延期、さらには格闘技ジムの休館など、停滞ムードの真っただ中です。個人的にも大会の延期と中止のニュースばかりを書かざるをえない時期だからこそ、目まぐるしい日々の出来事、情報が氾濫する通常のMMA界では発することができなかったMMAに纏わる色々なコトを発信していければと思います。こんな時だからこそ The Fight Must Go On──第25弾はMust Watch!!  このスポーツの著名人が、改めて視聴することを薦める試合を紹介したい。

今回から元日本MMA界のエースでDAZNでベラトール中継の解説も行っていた水垣偉弥が選ぶ、BELALTOR編。水垣が「Bellatorを知って欲しいために選んだ5番勝負」から、3試合目を。

※ここで紹介する試合は、オフィシャルホームページやオフィシャルYouTubeチャンネルで誰もが無料で視聴できるファイトに限っており、違法でアップされた試合は含まれていません。


水垣が選んだ「Bellatorを知って欲しいために選んだ5番勝負」、3試合目は2018年12月15日に行われたウェルター級ワールドGP準々決勝=ネイマン・グレイシー✖エド・ルースの一戦だ。

4年連続カレッジレスリングでオールアメリカンに輝き、NCAAを3度制したエリート・レスラー=ルースと、柔術ロイヤルファミリーのネイマンの大切、デビュー以来14連勝中だったMVPに対し、強烈なローキックを武器に王座返り咲きとGP優勝を狙うリマ。歴史に残る一瞬の間を制したKO劇が見られた。

水垣偉弥のMust Watch 03、ネイマン・グレイシー✖ルース戦の選択理由は以下の通りだ。

水垣偉弥
Neiman「試合前から、何と言うか20年以上前にただワクワクしながらUFCのビデオを探し漁っていた頃のワクワク感を思い出させてくれるカードでした。ただ現代MMAなのでルース徹底してスタンドをチョイスするような戦いになるのかなぁっと思っていたのですが、いい意味で期待を裏切ってお互い自分の強みで勝負した一戦になったのでめちゃくちゃ楽しめました!!

そしてグレイシーってやっぱりすげ〜ってなって……ホントに水垣少年に戻れた一戦でしたね」

BellatorオフィシャルYouTubeチャンネルで視られる──この試合の動画はコチラから

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BELLATOR Interview Special The Fight Must Go On ドゥグラス・リマ ブログ マイケル・ペイジ 水垣偉弥

【The Fight Must Go On】Must Watch !! 水垣偉弥のおススメ、Bellatorを知るための5番勝負─02─

Lima vs MVP【写真】歴史に残るノックアウト (C)BELLATOR

国内外のMMA大会の中止及び延期、さらには格闘技ジムの休館など、停滞ムードの真っただ中です。個人的にも大会の延期と中止のニュースばかりを書かざるをえない時期だからこそ、目まぐるしい日々の出来事、情報が氾濫する通常のMMA界では発することができなかったMMAに纏わる色々なコトを発信していければと思います。こんな時だからこそ The Fight Must Go On──第23弾はMust Watch!!  このスポーツの著名人が、改めて視聴することを薦める試合を紹介したい。

今回から元日本MMA界のエースでDAZNでベラトール中継の解説も行っていた水垣偉弥が選ぶ、BELALTOR編。水垣が「Bellatorを知って欲しいために選んだ5番勝負」から、2試合目を。

※ここで紹介する試合は、オフィシャルホームページやオフィシャルYouTubeチャンネルで誰もが無料で視聴できるファイトに限っており、違法でアップされた試合は含まれていません。


水垣が選んだ「Bellatorを知って欲しいために選んだ5番勝負」、2試合目は2019年5月11日に行われたウェルター級ワールドGP準決勝=ドゥグラス・リマ✖マイケル・ペイジの一戦だ。

デビュー以来14連勝中だったMVPに対し、強烈なローキックを武器に王座返り咲きとGP優勝を狙うリマ。歴史に残る一瞬の間を制したKO劇が見られた。

水垣偉弥のMust Watch 02、リマ✖MVP戦の選択理由は以下の通りだ。

水垣偉弥
「マイケル・ペイジのような選手と戦い、どうすれば勝てるのか。それがまるでペイジの独特の動きや、リズムを狂わせる攻撃に翻弄されず、リマはとにかく自分の戦いをしていました。そして、一瞬にして訪れたチャンスをモノにしたリマには脱帽でした。

ただペイジも、あのKO負けのあとに調子を落とさず、すぐにウィイニングトラックに戻ってきた。そういう風に選手をリードできるベラトールのマッチメイクも素晴らしいですし、またペイジが上位陣と戦うのが楽しみです」

BellatorオフィシャルYouTubeチャンネルで視られる──この試合の動画はコチラから

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ABEMA Fighter's Diary Interview J-CAGE ONE ブログ 青木真也

【Fighters’s Diary con on that day】「試合がない日々」を生きる青木真也の声 on 2012年8月某日

Aoki & Zoro【写真】写真はその前年=2011年にEvolve MMAの柔術クラスでゾロ・モレイラと談笑する青木 (C)ABEMA & MMAPLANET

全世界を巻き込む新型コロナウィルス感染拡大の影響は当然のように日本の格闘家たちの人生にも影響が出ている。試合がない、大会が開かれない、練習場所の確保も困難だ。

そんな今、格闘技を愛する全ての人へ──ABEMA格闘CH が公式YouTubeチャンネルで Fighter’s Diary Ep.01というドキュメンタリームービーが12日(日)より、アップされている。

第1回でクローズアップされた格闘家は平田樹、若松佑弥、中村K太郎&杉山しずか夫妻、堀口恭司、青木真也の6名だ。

Fighter'sDiaryFighter’s Diaryは3週に渡り、3つのエピソードで総勢16人の格闘家たちの声をYouTubeで伝え、26日(日)午後7時より、ABEMA格闘CHにて Fighter’s Diary完全版が放送される。

そんなFighter’s Diaryでは「試合がない日々」を格闘家たちはどう生きるのか? ──という今の声を集めた。MMAPLANETでは、タイアップ企画ならぬボーディング企画を提案。MMAファイター達が今を発せられるようになった原点を探る上で、あの日の彼らや彼女達の声=on that dayとして、MMAPLANETインタビュー初登場時の声を紹介したい。

題してFighter’s Diary con on that day、第7回は2012年8月14日公開、8月某日に取材が行われた──ONEデビュー戦=アルナウド・ルポン戦が決まったばかり、ONEがONE FCと呼ばれていた時代──青木真也のあの日の声をお届けしよう。


<リードを含めた完全版はコチラから>

――OFC06への出場が決まりました。今回はシンガポールのイヴォルブMMAに入って、そのまま試合をするそうですね。

「はい。試合の日程が決まった時点で、そのスケジュールで行こうと思ったので、試合が終わるまでの約1カ月間をシンガポールで過ごすことになります」

――OFC参戦までの経緯については、すでに各媒体でお話されていると思うので、参戦決定以降の話を聞かせてもらえればと思います。7月に大会のプロモーションでフィリピンに行かれたそうですが、現地の様子はいかがでしたか?

「とにかくエナジーを感じましたね。主力選手をほとんど集めて、150人以上のメディアを招いて、フィリピンのYahoo!でトップニュースとして報道されたという話も聞きました。

またプロモーションそのものも、格闘技だけではなくて対外的な部分にアプローチしているので、今すぐに成果が出なくても1~2年後を見越した投資だと感じました。出場選手を見てもグレイシーが3人、UFCの元王者が2人もいる。スポンサーも有名企業が名を連ねているんで、世界的にも見てもビッグプロモーションと言ってもいい大会規模だと思います」

――フィリピンでもMMAは人気がある競技なのでしょうか?

「マニー・パッキャオを生んだ国だし、基本的にファイトが好きな国だと思うんですよ。だからMMAも興味を持たれているという印象を受けました」

――OFCと契約して初めてビクター・クイCEOと顔を合わせる機会だったと思うのですが、何か会話されましたか?

「僕の場合はイヴォルブのチャトリ会長を通してやりとりしているので、ビクターと直に話をする機会はなかったです。逆にチャトリにはとにかく感謝の気持ちを伝えました。イヴォルブでの練習環境も含めて、今まで以上にチャトリにはサポートしてもらいましたからね」

――OFCという新たな団体で試合をするうえで心境に変化はありますか?

「PRIDEやDREAMの頃とは全く違います。OFCでデビューするじゃないですけど『ここでもう一山稼いでやる!』って気持ちです」

――現時点ではまだ対戦相手が発表されていません。過去にDREAMでは対戦相手選びが難航したこともありましたが、不安はないですか?(※取材はシンガポール入りする前に行われた)

「正直、簡単には決まらないだろうなとは思いますけど……。今は自分になんだかんだで、自信があるんです。4月にエディ・アルバレスに負けちゃいましたけど、この2年間でMMAで負けたのはアルバレスとギルバート・メレンデスだけですからね。そのクラスの選手以外には負けないよという気持ちはあります」

――イヴォルブMMAでの練習も3月以来ですが、それについてはいかがでしょう?

「久しぶりにゾロ(バベル・モレイラ)やエディー(・アング)たちと会えるから楽しみですよ。あとナルポン・フェアテックスがトレーナーに加わるそうなので、それも気になりますね」

――イヴォルブのメンバーは青木選手が練習をスタートした頃に比べると、かなりレベルアップしていますよね。

「僕がイヴォルブに行く度に、みんなが強くなっています。特にやばいのはゾロ。初めて練習した時から『こいつは強いな』と思っていましたけど、それがさらに強くなっている感じですね。8月のOFCには出ずに、72~73kgまで体重を落として、ルンピニーかラジャでヨーロッパ人とムエタイの試合をするみたいです」

――青木選手はもちろんイヴォルブ勢の活躍にも注目が集まります。

「ライト級は特に層が厚いんですよ。僕とゾロがいて、少し僕らよりは劣るけどエディもいて。UFCに出ているハファエル・ドスアンジョスもいるから、イヴォルブのライト級はチームとして強いと思いますよ」

――OFC参戦で青木選手を取り巻く環境も大きく変わると思いますが、そこで自分がどうなるのか楽しみな部分はありますか?

「自分ももう37戦やっていて、2003年のDEEPフューチャーキングトーナメント王者なので、プロとしては来年で10年選手になります。いい条件でOFCとは契約させてもらったので、今までとは違って試合数も少し考えながらやっていきたいとは思っています。あと今年の大晦日、正月は格闘技から離れて、のんびり過ごしたいです(笑)」

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Interview J-CAGE ONE Road to ONE02 ブログ 北野雄司 未分類

【Road to ONE02 & Fight & Life】Keep Fighting。北野ABEMA格闘CHプロデューサーに訊く、中継する理由

Kitano【写真】取材は15日、午後12時半。普段なら人で溢れているアベマタワー11階の食堂は閑散としていた。BYRON BAY COFFEEも休業中でコンビニのみオープンという状況だった (C)MMAPLANET

今月23日(木)に発売されるFight & Life誌では『Keep Fighting─格闘技は続く─』という特集が組まれている。

MMA、グラップリング、キックから那須川天心、堀口恭司、RENA、青木真也、岩本健汰、チャトリ・シットヨートン、弥益ドミネーター聡志らが新型コロナウィルス感染拡大、主要都市の非常事態宣言下で如何に格闘技と生きていくのかを語る特集のなかで、ABEMA格闘チャンネルの北野雄司プロデューサーがこの1カ月半と今、コロナウィルスが存在し続けるかもしれない将来においての格闘技中継についての取材も行われた。

ここでは17日(金)に開催されるRoad to ONE02でのコロナウィルス対策や、この大会を開く理由の一つを話す氏の言葉を抜粋してお伝えしたい。

sponsored by ABEMAという言葉が見られる大会に関して、「今でも悩むけど……1人じゃないというのを感じています。僕も今は在宅勤務で誰とも会っていないけど、同じ想いの人はいる」という言葉が思わず発せられるなか、北野氏が示した今大会を中継の意味とは。


──『会場を専門業者により1日複数回の消毒を実施、サーモグラフィー・体温計のよる検温、うがい、アルコール消毒を徹底し、3密の状況を極力避け、大会関係者にはマスク着用を義務付ける』などコロナウィルス感染予防策が主催者からリリースで伝えられ、メディアも会場で取材ができないことが通達されました。

「ハイ、この大会に関係する多くの人と意見を出し合って感染者を出さない、万が一出た場合はクラスターを起こさない。感染者が出た場合は、その経路がハッキリわかるという対策を最大限、実行委員会の皆様と考えてきました。

感染者を出さない努力をする一方で、万が一出た場合の対応も想定しないといけないですからね」

──リリースでは言及されていない対策もあるということですね。

「まだ大会までの時間があるので、その時の状況に合わせて変更点も出てくるかと思いますが、まず初歩的な部分としてスタッフ、アスリート、セコンド、全ての人をリスト化して、大会後2週間の後追い健康チェックを行います。

それと今回は急遽会場が変更となったことを受け、会場すぐ近くにある大会議室を借り切り、さらに稼働していないシティホテルを何部屋か借りてソーシャルディスタンスが一定程度確保された選手の控室に当てています。その部屋や会場も消毒作業を徹底します。

スタッフは朝から晩まで会場や控室の隅々まで消毒をすることになっています。実はこの消毒を無料でやってくれるという業者さんが現れて。その方は格闘技界に関わっていた人で、『少しでも格闘技に恩返しをしたい』と言ってくれたんです。

でも実行委員の坂本(一弘)さんが、無償でやってもらうわけにはいかないと。そのような想いや熱量がシンクロするできごとがあって……。正直なところ、それぞれのご家族の気持ちを考えると『なぜ、うちの人間がそこにいる必要があるの』という考え方をもつご家庭もあるはずです。

僕自身、ウチの会社が主催するイベントじゃない。でも、そういうグッとくることがいくつも出てきたんです。現場に入ると、役割や立場などの分け隔てはなく……我が事として予防対策をやらないといけないという気持ちになりました」

──万全を期しても、万全にならない。でも万全に向けての対策ということですね。

「ソーシャルディスタンスをキープすることも当然で、参加選手には地方からくる選手もいますが、公共交通機関を使う時間を減らす、もしくは完全に無くしたいと考えています。

そのなかで決まったのは選手、セコンド、ドクター、スタッフ……関係する人全員は家から会場までドア・トゥ・ドア──車で来てもらうこと。地方の選手は新幹線の駅からになりますが、ここは徹底をお願いしています。

自家用車で来る人はパーキングの負担、そうでない選手は行き帰りをタクシー移動にしてもらい、駐車場代やタクシー代は主催者サイドが支払う。理想をいえば会場に来る人間は朝起きて、夜眠るまで会った人が指折り数えられるような状態にしたいです」

──当日に関しては、接触者の数を減らすよう徹底するということですか。

スタッフは試着も終えている。中継陣はここに手袋をしてそなえることとなる

スタッフは試着も終えている。中継陣はここに手袋をしてそなえることとなる

「距離が近くなるような作業が必要になるスタッフには、使い捨ての防護服を購入しているので、それを着用してもらう予定です。これまで格闘技で汗が飛び散っている写真は良い写真とされていましたが、現状はカメラマンさんにとってはリスクなのかもしれないですし。

スタッフの機材も会場に運び入れるまでの期間に消毒をする。この作業は既に始まっていますし、中継が終わった後もやることになると思います」

──そこまでして、「なぜやるのか?」ということは格闘技界内外から挙がると思います。

「これから日本の格闘技界はお客さんが試合を会場で見られるのは、いつになるのか現状見えていないです。

お客さんが会場にこられるようになっても、それは私たちの社会生活が『コロナとともにある状態』になっている可能性だってあります。インフルエンザ、ノロウィルスと同じように練習仲間、家族から伝染る、当然のように病院に行き投薬を受ける……そんな当たり前にコロナのある世界になるかもしれない。そのような世界が来る時のイベント開催、中継フォーマットは、プロモーター……団体さんだけでなく、私たちメディアも確立する必要があると考えています。

お客さんが会場で格闘技を見られるようになるまで、格闘技は無観客大会が続く可能性もある。その判断を団体がしたときに、僕らとしては『このような対策をしているので、中継が可能です』と応えられるフォーマットを提示できるようならなければならないです。

医学的に新型コロナが解明されていくまで、僕らは何が有効なのか、本来は必要ないかもしれないことまで試さないといけない。今はその時期で、これからのwithコロナの時代を迎えるための準備……そんな時代がこないことを想いながらも、そうなってしまう社会を想定した安全な中継体制の準備は必要になる。それも今、やるべきことでもあると考えます。

そのフォーマットは格闘技に限らず、無観客で中継されるスポーツ番組の未来に通じるかもしれない。出場選手やスタッフからすると、17日には『こんなことしないと大会は開けないのか』という想いも出てくるだろうし、当日になって初めて分かることも出てくるはずです。

そんなことを可能にできるのが、今回のメンバーの繋がりだと僕は考えています」

■Road to ONE02対戦カード

<グラップリング・ライト級(※77.1キロ)/10分1R>
青木真也(日本)
世羅智茂(日本)

<ムエタイ72.5キロ契約/3分3R>
緑川創(日本)
西川大和(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
祖根寿麻(日本)
後藤丈治(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
工藤諒司(日本)
椿飛鳥(日本)

<グラップリング・フェザー級(※70.3キロ)/10分1R>
宮田和幸(日本)
田中路教(日本)

<ムエタイ・ストロー級(※56.7キロ)/3分3R>
HIROYUKI(日本)
ポン・ピットジム(タイ)