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【RIZIN48】2年2カ月振りの再戦=元谷友貴戦へ、太田忍「スキルは追いつかないけど、当たったら倒せる」

【写真】戦闘態勢になくても、強さ、ヤバさが伝わってくる(C)TAKUMI NAKAMURA

29日(日)さいたま市中央区のさいたまスーパーアリーナで行われるRIZIN48にて、太田忍が元谷友貴と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

昨年10月の佐藤将光戦ではスプリットでの判定負けを喫して以降、3連勝と勝ち星を積み重ねている太田。今年4月には元RIZINフェザー級王者の牛久絢太郎に判定勝利し、6月の海外遠征=Bellator CSダブリン大会ではローゲル・ブランケから一本勝ちを収めた。

今大会では2022年7月に敗れている元谷との再戦を迎え、年内での王座挑戦という目標を達成すべく「いい勝ち方をすることが最低条件」と語った。


――6月のBellator CSダブリン大会ではローゲル・ブランケにノースサウスチョークで一本勝ちでした。大会直前に対戦相手がフランチェスコ・ヌッツィからブランケに変更になるアクシデントもありましたが、あの試合を振り返っていただけますか。

「ヌッツィがサウスポーだったのでずっとサウスポー対策をやっていて、ブランケはオーソドックスだったんですけど、試合の時に(ブランケが)スイッチしてミドルを蹴ってきたんです。だから事前にやっていたサウスポー対策は出た試合だったかなと思います」

――向かい合った時にいけるという感覚はありましたか。

「そうですね。前日計量の時点で相手はリミットをアンダーしていたので、通常体重がそのくらいの選手だったと思います。だから組みになったら体格差・フィジカル差が出るだろうと思っていて、いざ試合で組んでテイクダウンした時に、これだったらいけるなと思いました」

――ヌッツィ戦に向けて準備していて、そこで身についたもの・プラスになったものはありますか。

「ヌッツィは打撃をメインに組み立てて、テイクダウンの処理もできる相手だったんです。4月の牛久(絢太郎)戦はテイクダウンしてトップキープ出来たんですけど、そこがより強くなったかなと思います。自分のMMAが世界に通用するかどうかだったところで、それが世界にも通用できる準備はできていたと思います」

――前回のインタビューでは「今はMMAのMぐらいまではできるようになってきた」という言葉もありました。そこの理解度は上がっていますか。

「徐々に、ですね。僕はなんだかんだで次がMMA11戦目で、試合の感覚とか、場慣れはしている思います。ただ客観的に自分を見てMMAファイターとしてレベルが低いと思うので、MMA全体のスキルで見たときにはまだまだですね」

――MMAでは初の海外遠征で勝利したことで得られたものはありますか。

「ファイターとしてスキルが実力が飛躍的に変わったというのはないんですけど、世間の評価は変わりましたよね。Bellator CSに出て勝ったという部分で。そういう評価は得られた試合だったかなと思います」

――今大会では元谷選手と約2年2カ月ぶりの再戦となりました。太田選手にとってはリベンジマッチにもなりますが、オファーを受けた時はどんな心境でしたか。

「対戦カードが決まる時に、ここで勝ってタイトルマッチへという雰囲気もあったので、リベンジマッチですけどタイトルマッチにつながるステップの試合をやっと組んでもらえたなと思いました」

――最近の元谷選手にはどんな印象を持っていますか。

「全体的にレベルが高くてトータルファイターだと思います。今まで寝技の極めは強かったけど、あまり自分からテイクダウンしにいくタイプじゃなかったと思うんです。でも最近の試合は自分からテイクダウンにいくようになって、あの年齢ですけど、米国に行って戦いの幅が広がったなと思います。今年の5月にうちの平松(翔)とやった試合を見るとボクシングに穴があるし、撃たれ弱くなっていると思いますが、そこをリカバリーできる経験値もあって強い選手だと思います」

――太田選手自身は前回と今回ではどこが変わったと思いますか。

「打撃ですね。まだスキルの部分は追いつかないですけど、当たったら倒せる自信はついてきました」

――太田選手は純粋な打撃は誰の指導を受けているのですか。

「内山(高志)さんにボクシングを教えてもらっています。内山さんの指導はすごく分かりやすいんですよ、こういう動きのときはこういう対処をするとか。あとはどういうパンチが当たりやすいとか。まだまだ自分のスキルが高くないので、どこにどういう風に当てればいいとか、パンチの打ち方そのものも教えてもらっています」

――それまで打撃の練習はどうされていたのですか。

「ジムにいるムエタイのコーチにミットを持ってもらったり、選手同士でミットを持ったりですね。内山さんにはデビュー戦の前に教えてもらっていたんですけど、それをまた再開した感じです」

――打撃が伸びたことでMMAとして戦いの幅が広がった部分はありますか。

「パンチがあることを相手に印象づけられれば、自分の得意なテイクダウンにも有効だと思います。今までは相手が消耗していないところで組んで、決めきれないことがあったんですけど、今は打撃で相手を消耗させてから自分のいいところを出せるようになったかなと思います」

――今大会では同じ階級=バンタム級の王座決定戦として井上直樹×キム・スーチョルが組まれていますが、どちらと戦いたいですか。

「自分は今回元谷選手を倒して、チャンピオンになりたいので、勝った方とやりたいです。そこに関してはどちらでもいいですね。ただ井上選手には一度試合を飛ばされているから、そこを倒したいという気持ちもあるし、僕がタイトルマッチをやるなら井上選手と日本人対決をやった方が盛り上がるかなと思います」

――太田選手は2024年内にRIZINのベルトを獲るという目標を立てていますが、ここまでは計画通りに来たという感覚ですか。

「井上選手は年間の試合数が少ない方だから、大晦日にすぐ防衛戦をやるかどうか分からないし、ス―チョルもこの試合のあとにROAD FCのGlobalトーナメントを控えているので、年内に自分のタイトルマッチが組まれるかどうかは分からないですよね。ただ自分が今回いい勝ち方をして見たいという声が大きかったら実現する可能性もありえるので。まずは元谷戦でいい勝ち方をすることが最低条件ですね」

――今年のパリ五輪ではレスリングの日本代表がメダルを多数獲得しました。太田選手も元レスリングの銀メダリストとして刺激は受けましたか。

「凄すぎましたね。言い方は変かもしれませんが、僕からするとこいつらバカじゃねえの?と思うぐらい凄すぎます(笑)。僕は必死こいて銀メダルを獲ったのに、みんな金メダルをポンポン獲っちゃうから、凄いとしか言いようがないです」

――今のレスリングはルール的に日本人が勝ちやすいという側面もあるのでしょうか。

「僕が出た時とはあまりルールが変わっていないので、そこはないのかなと思います。メダルを獲った選手はそのための準備ができていたんだと思います。五輪は本来の力を出せない選手が多いので。僕がメダルを獲った時も、僕が強かったからメダルを獲れたというよりも、五輪というタイミングで自分が持っている力をすべて出すことができたからメダルを獲れたと思っています。今回はみんなそれができていたってことですよね」

――五輪は大会そのものが4年に1度ですし、そこに選手としてのピークを持っていけるかどうか。ライバルたちの仕上がりがどうかも影響しますよね。

「そうなんですよ。五輪にドン!とピークを合わせるには、そのための準備が必要だし、逆に五輪の合間の世界選手権を3連覇していても、オリンピックに出られない選手もいるわけですよ。そういう巡り合わせもあるだろうし、いろんな要素がピタッとハマらないと五輪で結果を出すことは難しいと思いますね」

――こういったお話を聞くと、改めて太田選手のファイターとしてのポテンシャルの高さを感じさせられます。ご自身でもまだまだ伸びしろがあると感じますか。

「伸びしろしかないと思います。僕は2020年にMMAに転向して、年齢的に若くはないし、MMAを始めたのも遅いです。でも言ったらMMAをやってまだ4年、4年生なんですよ。算数でいったらようやく3桁の割り算をやっているとか、そういうレベルじゃないですか。ようはまだ算数の段階で数学にすらいけてないわけですよ。そのくらい僕はMMAファイターとしてやらなきゃいけないことだらけです。

自分は去年・今年と定期的に試合が続いて、試合のための練習が中心になっていて、その準備のなかで強くなってはいますけど、MMAファイターとして自分を強化するための時間がどうしても少ない。試合を定期的に組んでもらえるのはありがたいことなんですけど、将来的にはバランスを見ながら試合をしていきたいです」

――もちろん元谷戦もそうですが、ここから太田選手がどう変化・進化していくかも楽しみにしています。

「僕はRIZINで戦う上で今年が一つの勝負だと思っています。僕は年内もう1試合やるつもりでいますし、そのなかで成長して、ファンの期待に応えられるかどうかも勝負だと思っています」

■RIZIN48視聴方法(予定)
9月29日(日)
午後2時00分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!

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【DWCS S08 Ep07】RNCで一本勝ちのヴォイエヴォドキンを始め、5人の勝者全員がUFCとサイン

<ヘビー級/5分3R>
ダニーロ・ヴォイエヴォドキン(ウクライナ)
Def.1R1分13秒by RNC
ベイリー・ショーンフェルダー(米国)

カレッジのフットボールからMMAに転向し、LFA & Bellatorで2勝ずつ挙げCage Fury FCでヘビー級王者となったショーンフェルダーが、ロー、ハイをと左右の蹴りを多用するヴォイエヴォドキンにボクシングで勝負を挑む。距離を詰めると、パンチに切り替えたヴォイエヴォドキンが、回るショーンフェルダーに左を入れてダウンを奪う。すぐさまバックを制したヴォイエヴォドキンがRNCでタップを奪った。

運命の時。まずはダナ・ホワイトからアレクサ・タイナラにまず契約が告げられると、ケヴィン・バジェホスを「20のコンビネーションを決めた。この22歳には光り輝く未来が待っている」と大絶賛しUFC行きを伝える。

そして、3試合目の勝者ケヴィン・クリスチャンには「9勝2敗、100パーセントのフィニッシュ率。これだけリーチのアドバンテージがあるのに、ジャブを一発も打たずスローな試合だった。それでも5連勝だ……。私自身は本当にこの試合は楽しめなかった。でもミック・メイナードが強くプッシュしてきた。こっちにきてミック・メイナードに礼を云え。君はミック・メイナードの選手だ」と、合格に。

続いてダニエル・フルンザ、ヴォイエヴォドキンは、ダナの満面の笑みとともにUFCに迎え入れらた。


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【RIZIN48】サトシに挑戦、日本♡=ルイス・グスタボ「チャンピオンになり、防衛戦でパトリッキーを倒す」

【写真】通訳をしてくれたロイベ・デ・オリベイラ・ネイトと。ロイベは2023年に修斗で2度来日をしている (C)MMAPLANET

29日(日)、さいたま市さいたまスーパーアリーナで開催されるRIZIN48でルイス・グスタボがホベルト・サトシ・ソウザの持つRIZINライト級のベルトに挑む。
Text by Takashima Manabu

古くはVale Tudo Japan時代からブラジルは日本のMMA界が戦いを挑んできた先駆者であり、PRIDEの時代は多くのスーパースターを生み出した。日本との親交が深く、ある意味歴史を共に紡いできたMMA王国だが、現状──UFCとの契約下にある選手が110名を超えるのに対し、RIZINでレギュラーとして活躍しているファイターはグスタボただ一人だ。

2018年の初参戦からRIZIN一筋で戦ってきたグスタボ。日本へのリスペクトは頭抜けているといっても過言でない彼が、タイトル挑戦への想いを──日本への想いの強さと共に熱く語った。


──サトシ選手への挑戦が、3週間後に迫ってきました(※取材は6日に行われた)。今の気持ちを教えてください。

「ずっと1年間、この時を待っていたのでタイトルに挑戦できることが嬉しくてたまらない。早く日本に行って、試合の日を迎えたくてウズウズしているよ」

──正式にタイトル戦のオファーがあったのは、いつ頃だったのでしょうか。

「最初に話があったのは2月のホリエ戦のあとで、それから正式決定まではしばらく時間があったけど……きっとサトシがナカムラとの試合があったからだろう。コロナパンデミックが起こり、僕のMMAファイター人生も大きな影響を受けた。RIZINが活動を再開して4試合を戦い、ようやくタイトル挑戦権を得ることができたんだ。オファーを貰った時には『絶対にこの機会を逃すわけにはいかない』って思ったよ。RIZINライト級王座は、僕のモノになる」

──ブラジルはバーリトゥード時代から、常にMMA大国でした。そして日本のMMA界とも深い繋がりがあります。その一方で現状、ブラジルの若い選手はLFAブラジル大会に代表されるフィーダーショーからUFCを目指すのが本流で、日本で戦う選手は少なくなっています。そのなかでルイスがRIZINに拘り続けてきたのは、なぜでしょうか。

「まず僕にとって日本は第二の故郷だ。僕は日本でキャリアを続け、日本で引退したい。日本で戦った最初の試合から、ファンは僕を受け入れてくれて凄く歓迎してくれた。日本で戦うことは凄くエモーショナルなことで……これは僕に限った話じゃないはずだ」

(通訳をしてくれた)ロイベ・デ・オリベイラ・ネイト 本当にそうだ。例えRIZINでなくても、僕自身は修斗で戦った時も日本で戦えることに凄く感激して、感情的にすらなっていた。あのファンのファイターへの接し方、尊敬をしてくれる姿って、他では本当にないことなんだ。

「だから、僕は日本だけで戦っていきたい。日本でキャリアを終えたいんだ。そして、そのまま日本に住みたいぐらいだ。その一方で今のブラジルの若いファイターはUFCで戦いたいというのが一番で、僕らの上のジェネレーションのように日本で戦いたいという風ではないのが実情なんだ。上の世代の選手は日本でヴァンダレイ・シウバたちが活躍していたのをテレビで見ていたから、日本への想いが強い。

でも、僕が今回RIZINのチャンピオンになることでブラジルの若い世代のファイターも、もっと日本に行って戦いたいと思うようになるはずだ。しっかりと僕の名前をRIZINのリングに刻むことで、この状況も変わり日本で戦いたい選手が増えるようになる」

──UFCや北米で戦うのに比べて、RIZINのイベント数は限りがありますが、ルイスはそこでレギュラーの座を手にできました。

「凄くラッキーなことだと自覚しているよ。RIZINはだいたい年に8イベントが開かれ、2度は僕も試合も組まれている。それは日本のファンが僕の試合を見たいと思ってくれているからで。本当にファンの皆には感謝しているよ。

しかも去年の12月から今年の2月までの3カ月間、カルペディエムで柔術の指導とプロフェッショナル・トレーニングを積むことできた。本当に素晴らしい日々だったよ」

──言葉だけでなく、文化の違いもブラジルと日本は大きいです。日々の生活で戸惑うことはなかったでしょうか。

「日本の人達はとても親切だし、日本食が好きだから何も問題はなかったよ。イソマルスイサン(磯丸水産)は、本当に美味しいフードばかりだった(笑)。

それに僕はアスリートだ。普段から規律正しく……いうとブラジルでは堅苦しいと感じられるほど健康的な生活をしている。夜は早く寝て、朝は早く起きる。しっかりと栄養を考えた食事を摂り、思い切りハードな練習を繰り返す。何も派手な生活をしているわけじゃないし、それは日本でも同じだった。日本にいてブラジルが恋しかったのは、家族や友人と会えなかったことだけだよ」

──なるほどです。ファイターがファイターらしく生きていると、派手に出歩くこともないと。これほど日本好きなルイスですが、試合前に日本に少し長く滞在して時差の調整などを行おうと思うことないですか。ロングフライトがあるだけでも、ディスアドバンテージかと思うのですが。

「ブラジルから日本に向かうことが、ディスアドバンテージだとは思っていないよ。そりゃあ2週間前から日本に滞在できると最高だろう。でも、そんなこと言ってもしょうがない。だから考えもしない。ただ伝えられたスケジュールに従い、計量をパスして戦う。それだけだよ。40時間のフライトがあっても、しっかりと体重を落とす。そしてファイトを楽しむんだ。

それにチーム全員で日本に早く行って準備できれば良いけど、そうでないならブラジルでギリギリまでトレーニングした方が良いと思っている。それはいつの試合もそうだし、タイトル戦だからといって何か違うことをしようとは考えなかったよ」

──サトシはMMAというスポーツにおいて、最高のグラップリング技術を持っています。とはいえ寝技は、MMAでは一つの局面でしかないという考え方もできます。改めてMMAファイターとしてのサトシの印象を教えてもらえますか。

「今回の試合はクラシカルなグラップラー×ストライカーの戦いだ。確かにサトシは優れたグラップラーだけど、MMAファイターとして他の局面は特にコレといって特筆すべきモノではない。それに僕自身、テイクダウンされても柔術を駆使して防げば良いだけだよ。この試合のためじゃなくて、ずっと柔術をやってきたから。

僕はただのストライカーじゃない。でも、さっきも言ったように今回の試合はグラップラー×ストライカーという図式が成り立っている。サトシが僕をテイクダウンしたくて組みついてくるなら、殴ってKOするだけさ」

──サトシは3月の中村K太郎戦のハイキックからのKO勝ちだけでなく、パンチでKO勝ちも過去にしています。それでも彼の打撃は、特に気になるモノではないですか。

「重ねて、サトシの打撃は印象深いモノではないと断言する。僕はコンプリートファイターだから、どの局面でも戦えるけどサトシの打撃に対して特別な準備をする必要はないよ。まぁ打撃戦を挑んでくるというなら、好きにすれば良い。僕はマイク・タイソンと向き合って、殴り合うことだって平気だから(笑)」

──では日本好き、そしてRIZINラブのルイスにとってRIZINライト級王者がBellatorのパトリッキー・フレイレ、AJ・マッキーに敗れていることをどのように思っていましたか。

「だからこそ僕は9月29日にチャンピオンになり、防衛戦でパトリッキー・フレイレを倒すつもりだよ」

──ルイス、今日はインタビューを受けていただきありがとうございました。最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

「常に言って来たことだけど、本当に心の底から日本のファンに感謝している。皆の存在があるから、日本で戦うことがモチベーションになっている。チケット代に値するような試合をするから、期待してほしい。

この試合を見てくれるファンの皆に初回から、KO勝ちを狙うことを約束する。今回の試合は、1R……5分間あれば十分だ。2Rは訪れない。初回KO勝ち、サトシをボコボコにするよ。会場では僕の名前を叫んで応援してほしい。アリガトゴザイマス」

■RIZIN48視聴方法(予定)
9月29日(日)
午後2時00分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!

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45 AB ABEMA BELLATOR MMA MMAPLANET o RIZIN RIZIN48 UFC マンスール・ベルナウイ 宇佐美正パトリック 海外 白川陸斗 矢地祐介

【RIZIN48】有言実行なるか。宇佐美正パト戦へ、矢地祐介「今の時代の風潮と戦うにはちょうどいい相手」

【写真】気持ちの良いポジティブ思考。矢地の言葉は、人々を幸せにできる (C)TAKUMI NAKAMURA

29日(日)さいたま市中央区のさいたまスーパーアリーナで行われるRIZIN48にて、矢地祐介が宇佐美正パトリックと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

2023年は1試合に終わった矢地だが、今年は2月のRIZIN佐賀大会の白川陸斗戦、5月のBellatorフランス大会のマンスール・ベルナウイ戦に続いて、早くも3戦目となる。ベルナウイ戦での反省を踏まえて、フィニッシュへの意識を高く持って練習に取り組んできたという矢地。それは打撃への評価が高くなった最近のMMAへの対応という意味も含まれる。

そのなかで迎える宇佐美との一戦を「時代への挑戦。新世代のMMAファイターと戦って、そこに抗えるか」と位置づけた。

──5月のBellator CSにおけるマンスール・ベルナウイ戦後のインタビューでは「今年はドンドン試合をしたい」と話をしていて、3試合目=宇佐美正パトリック戦が決まりました。矢地選手としては常に試合ができる状態で準備していたのですか。

「そうですね。体重含めて常に試合の準備はできているんで、今年はトントントンと試合が決まって嬉しいです」

──Bellator CSのベルナウイ戦の敗戦を踏まえて、どんなことを意識して練習をしているのですか。

「一本勝ちを目指してテイクダウンするとか、ラウンドの中で極めきるとか、練習中の1Rのなかでも勇気を出して失敗してもいいから極めに行く姿勢でやるようにしています」

──より試合をイメージしてスパーリングしているのですか。

「自然にそうなってきていると思います」

──試合は5分3Rなので、ラウンド数もそれに合わせる形にして、短いラウンドを集中してやるようにしているのですか。

「なぜかこの夏、ロータスはエアコンをつけない方針だったんですよ、理由は分からないんですけど(苦笑)。あまりにも暑すぎて、連続では2本やるのが限界みたいな感じでした」

──エアコンをつけない!? 毎年恒例でやっているわけではないんですよね。

「はい。いきなりなんちゅうことを企画しているんだよっていう感じですよ。ただボス(八隅)が決めたことだから反対できないし、ジムから外に出て『あっ、涼しいな』と思うぐらいの暑さでした。外の気温は36度とかなのに(笑)。しかも今年は湿気も凄かったし、マジでバテてました。9月に入ってから少し涼しくなってきて、今日も3本連続で集中してやったんですけど。まあ大変な夏を過ごしました」

──想像するだけでも過酷な練習環境ですね……。よりフィニッシュを意識して練習するようになったのはどういった理由からですか。

「最近のMMAの判定基準が、やっぱりUFCをはじめ世界的にストライキング重視になっていて、寝技でのコントロールがあまり評価されないようになってきていますよね。そういう中で組み技の選手としてはしっかり一本を取るとか、パウンドやヒジでダメージを与える展開を作らないといけない。

特にRIZINの場合はトータルマストなので、3R終盤までずっと相手を組み技でコントロールし続けていても、最後の最後に立ち上がられて1発食らってふらついちゃったら、それだけで相手に判定を持っていかれていて負けになる可能性があるわけじゃないですか。そういう意味で、寝かせたらダメージを与える・一本取ることを意識するようになりました」

──最近のMMAのトレンドを抑えたうえでのことだったのですね。やはりそこは一本を狙う・ダメージを当たると“意識”するだけじゃなくて、体がそうなるように練習から作っておかなければいけないということですね。

「はい。そういう判定基準がどうかは別にして、世界的にそうなってきているわけだから、僕ら選手としてはそれに従わなきゃいけないし、順応しなきゃいけない。そういう意味でも自然にそうなってきました」

──矢地選手はそういった判定基準は分かりやすくていいと思いますか。

「分かりやすいんでしょうけど、その事実を認められていない選手も多いと思います。特にグラップラーの選手は。今までそれ(コントロール重視)で勝ててきた分、あれ?と思って対応しきれていない選手が多いイメージですよね。でも選手はそれに従ってやるだけですよ。そうじゃなかったら勝てない」

──フィニッシュやダメージへの意識が高くなって、動き自体も変わってきましたか。

「良くも悪くも相手に隙を与えてしまう場面もあったりするんですけど、今までよりフィニッシュできるようになったし、そこを狙っていくことで、技術体系も変わってきて、新たな発見もありますね」

――よりアグレッシブになっていますか。

「好戦的になりますよね。練習の時点で自分からフィニッシュに向かって展開を作っていこうというマインドになっているので。例えばボイド・アレン戦なんかは、固めて勝とうみたいな意識だったんですけど、今はあれじゃ勝てないと思うんですよ。練習の時点でフィニッシュを意識して、それができるようになってきた感覚はあります」

──フィニッシュにトライするからこそ、今までに気づかなかった一本の取り方やダメージの与え方も見えてきましたか。

「それもありますね。(一本を取りに)行ってみたら割と行けるんだみたいな場面はありました。自分は心配性でビビリだから、なかなか一歩前に出られないタイプなんですけど、練習でフィニッシュを狙うことによって、こういうところからでも極められるんだとか、今までは自信がなかったところでも、全然(一本)取れるんだ!みたいな発見はあったかもしれないです。一歩踏み出さなかったから分からなかったけど、一歩踏み出してみたらこんな楽園があった、そんなノリですよ」

──言い方は難しいですけど、変にキツいことをやらなくても、決着つけられる道があるということですよね。

「自信がないからキープしようとか、ちょっとチープに手を打ってラウンドを終わろうみたいな感じだったのが、行くしかないんだとなったら、『なんだ、俺って意外とできるじゃん!』みたいな」

──しかもそれが失敗したとしても、今はトライしたことが判定で評価に繋がるかもしれないわけですからね。

「そうそうそう。それもあると思うし、そういう意味で今の判定基準に順応していますね」

──去年は試合数が少なくて、決まっている試合に勝つための練習ではない、技術そのものを伸ばす練習ができた時期だったと思います。逆に今年は試合がコンスタントに続いていて、勝つための練習にシフトできている部分もあるのかなと思いました。

「確かに…そう言われるとそうですね。いい流れができていると思います」

――今はまた充実して練習ができていますか。

「相変わらず楽しいですね。ただ最近は楽しいのが良くないのかなと思っちゃって。楽しい格闘技になっているから、いま一歩、もう一歩上に上がれていないのかなって思うし、格闘技のことが嫌いになるまで突き詰めないとダメなのかなとか。最近そういう風に思っているんですよ」

──練習するのも嫌になるくらいじゃないとダメだ、と。

「そう、そうなるぐらいまでやらないといけないのかなって。でも………いくらやっても楽しいものは楽しいんで」

──先ほどの判定基準の話にもつながるかもしれませんが、見ている側からすると今のMMAは楽しいMMAになりつつあると思います。

「ちょっと競技、競技しすぎていたのが、またファイトっぽくなってきますよね」

──打撃重視になると言っても、組み技・寝技のスキルがなければ勝てないわけで、逆に組み技・寝技のレベルが上がる部分もあるはずで。

「そうなると柔術の時代や寝技が評価される時代が来るだろうし」

──そういう時代の流れがありつつ、今回はパトリック選手と試合が決まりました。

「まさに今の時代の風潮と戦うにはちょうどいい相手ですよね。彼は打撃の選手で、俺に1発当てればいいと思っているだろうし。その中で俺はしっかり、もちろんMMAなんで打撃も寝技も全部なんですけど、その中でフィニッシュするっていう。時代への挑戦ですよね」

――なるほど。まさに先ほど矢地選手が言っていたように、パトリック選手は試合のほとんどをコントロールされても、最後の最後で一発当てればひっくり返せるというマインドを持って戦ってくるでしょうね。

「だと思いますよ。あっちは俺が被弾する場面が多いのを見ているだろうし、1発テンプルに当てちゃえば、アゴに当てちゃえばって思っていると思います。だから、そこをしっかりディフェンスして、MMAだから俺のパンチが当たることもあるかもしれないし、打撃にせよ寝技にせよ、しっかり極めきることが大事だなと思います」

──カード発表会見で「若い選手とやることに意味がある」とおっしゃっていましたが、今日話を聞いていてもっと大きなテーマの話になってきたなと思いました。今の時代のMMAとの勝負ですよね。

「そうですね。まさにそう。新世代、今の時代のMMAファイターと戦うっていうことですよね。だからいいっすよね。そこで抗えるかどうか」

──今年はそういった意味で試合も多いですけど、それこそいろんなテーマがありますよね。

「はい。続けているとテーマは増えますよね、結局」

──そうやって試合の度にテーマが出てくるのは矢地選手が格闘技にしっかりと向き合っているからだろうし、地震の被弾数が多いということも理解したうえで練習しているからですよね。相手はその弱点を突いて攻めてくると思いますが、そうさせずに一本を取るという部分は入念に練習しているところですか。

「そこは(ルイス・)グスタボに負けて以来ずっと取り組んでいることで、俺が被弾しているのは相手のプレッシャーに負けて下がってしまって…という場面なんで、不用意に下がらずにしっかりプレッシャーをかける。組むにしろ打撃を当てるにしろ、自分からプレッシャーをかけて攻撃を作っていくことがテーマです」

──それも決して昨日今日で修正しようとしていたことではない、と。

「最近それを試すのにちょうどいい相手と試合を組んでもらえているから、RIZINからの俺への課題というか。これを乗り越えないと君は上に行けないよというのを試されていると思っています」

──同じ日にライト級のタイトルマッチもありますが、そこは意識していますか。

「シンプルにどっちが勝つんだろうと思って気になりますね。凄い楽しみです」

──それこそあのカードも今のMMA的な打撃=グスタボ×組み技=サトシという試合かもしれないですね。

「確かに確かに。でもサトシもパンチは強いですからね、上手くはないけど」

──喧嘩が強い系ですよね。

「体の節々がでかいし、パンチが硬いんですよね。本当にいい試合になると思います」

──もちろん矢地選手もパトリック戦をクリアして、そのベルトを狙っていると思います。

「もう1発ここで勝って、大晦日に試合を組んでもらって。何度も言うけど俺は強豪外国人と戦って、乗り越えたいって気持ちが強いんで、また海外の選手と大晦日にやりたいなって今は思っています。もちろん次勝たないと何も始まらないんで」

──分かりました。この夏、冷房を切った中で練習してきた成果をぶつけてください。

「本当そう! 冷房の中で試合ができるだけで天国ですよ(笑)!」

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45 AB BELLATOR Cage Warriors DWCS DWCS S08 DWCS S08 Ep06 LFA MMA MMAPLANET o UFC YouTube アテバ・グーティエ アフマッド・ハッサンザダ アライジャ・スミス アーロン・タウ ボグダン・グラッド マルコ・トゥーリオ 内藤由良 岩﨑大河

【DWCS S08 Ep06】内藤由良出陣=コンテンダーシリーズ。マオリのタウ、アフガンのハッサンザダも要注目

【写真】既に存在感がありまくるアーロン・タウ (C)Zuffa/UFC

14日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるDWCS S08 Ep06。
Text by Manabu Takashima

先週の岩﨑大河に続き日本から内藤由良が出場しアテバ・グーティエと対戦する今大会には、ケージ外のサイドストーリーが強烈なファイターが出場する。

それがオープニングファイトでダイラン・マンテーロと対戦するアフマッド・ハッサンザダだ。2021年8月、20年に渡りアフガニスタンに在留した米軍の完全撤退時、首都カブールの警察署で徒手格闘技を指導していたMMAファイターのハッサンザダは親米民主政権下側の人間とみなされ、タリバン武装勢力から命を狙われる状況に陥っていた。

実際に襲撃を受け、空港から国外への避難を図ったハッサンザダは警察署での身分と、MMAファイターであることを告げアフガンを去る軍用機の搭乗が許されたという壮絶な過去を持つ。


当時7勝1敗だったハッサンザダは、チーム・アルファメールに合流し2022年2月にLFAでデビュー。その年のコンテンダーシリーズに挑むも3RにKO負けを喫し、ステップアップはならなかった。その後、LFAでの再起戦でも判定負けを喫したがCage Warriors米国大会、Tuff-N-Uff(タフイナフ)で連勝し、再度の挑戦権を得た。

ムエタイベースの打撃、トップもボトムもこなすグラウンドと長い手足を武器としたスタイルのハッサンザダは、LFA初陣以外の勝利はTKO勝ちか一本勝ちを挙げているフィニッシャーだ。ただし、打と寝技の間にありMMAのコアといえるレスリングには課題が残っていたが、今では自らテイクダウンを仕掛けるウェルラウンダーに成長している。

対するマンテーロも昨年のコンテンダーシリーズで黒星を喫しておりセカンドチャンスに挑む同じ状況にあるファイターだ。今年のコンテンダーシリーズの特徴の一つが、マルコ・トゥーリオ、リズワン・クニエフ、ボグダン・グラッドら再挑戦組みの活躍と契約だ。ハッサンザダ、あるいはマンテーロの何れかがこの流れに乗ることができるか。

またメインに登場する豪州XFCのバンタム級チャンピオン=アーロン・タウも非常に興味深いファイターだ。マオリ族にとって高貴さの象徴と言われている顔へのタ・モコ(刺青)であるマタオラが一際目立つタウ。そのフィニッシュに至る殺傷能力の高さは、まさに神がかったよう。一心不乱に対戦相手を殴りつける姿は、狂気ささえ感じられる。

一見して南太平洋の民に見られる重厚ながら柔らかさのある肉体でなく、隆起した肩や上腕の太さは筋肉の鎧をまとっているようで、とにかく振り回し系のパンチが強い。また首相撲でなく、頭を押さえてのヒザ蹴り、組んでくる相手に対しての鉄槌等々、パワーあふれる攻撃力がタウの最大の持ち味だ。

対戦相手のエライジャ・スミスは2度のTUF出場、UFCとBellatorで合計3試合を戦っているギルバート・スミスと父に持つ親子鷹ファイターだ。テイクダウン&コントロールが軸にあるスミスだが、右はKOパワーを誇り接近戦も強い。それでいて寝技でもポジションを失う可能性もある腕十字を迷いなく仕掛ける思い切りの良さを持つ。

タウの粗さが勢いと化し、スミスを下がらせることができるのか。あるいはテイクダウンで釣っておいて、必殺の右の距離をスミスが構築することができるのか。KO必至のヘッドラインといえるバンタム級戦だ。

■視聴方法(予定)
9月18日(水・日本時間)
午前9時~UFC FIGHT PASS

■DWCS S08 Ep06対戦カード

<バンタム級/5分3R>
アーロン・タウ(ニュージーランド)
アライジャ・スミス(米国)

<ヘビー級/5分3R>
タリソン・テイシェイラ(ブラジル)
アルトゥル・ロピス(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ベンジャミン・ベネット(米国)
ジョーイ・ハート(米国)

<ミドル級/5分3R>
内藤由良(日本)
アテバ・グーティエ(カメルーン)

<ライト級/5分3R>
ダイラン・マンテーロ(米国)
アフマッド・ハッサンザダ(アフガニスタン)

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45 BELLATOR Bellator CS2024#05 MMA MMAPLANET o クリス・サイボーグ サラ・コリンズ ラリッサ・パチェコ リア・マコート

【Bellator CS2024#05】コリンズ、右でダウンを奪いRNCで一本勝ち。「サイボーグ、アイムカミング」

<女子フェザー級/5分3R>
サラ・コリンズ(豪州)
Def.1R2分25秒by RNC
リア・マコート(英国)

サウスポーのコリンズに右インローを蹴ったマコートだが、蹴り足を掴まれパンチを受けて姿勢を乱す。すぐに立ち上がったマコートは左ロー。そこにコリンズが右を合わせていく。右ローを蹴ったコリンズは、マコートのステップインに右を合わせてダウンを奪う。サイドで抑えてのパンチの連打にレフェリーは試合を止めない。袈裟に取られまいと動いたマコートは、その瞬間にバックを許す。しっかりと両足をフックしたコリンズはRNCを極めて堂々の初回フィニッシュ。

10月にラリッサ・パチェコとスーパーファイトを控えるクリス・サイボーグへの挑戦権を事実上、獲得。「サイボーグ、アイム・カミング」と話した。


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45 BELLATOR Bellator CS2024#05 MMA MMAPLANET o ハファエル・シャビエル

【Bellator CS2024#05】シメオン・パウウェル、ダウンを跳ね返しハファエル・シャビエルに2-1勝利

<ライトヘビー級/5分3R>
シメオン・パウウェル(英国)
Def.2-1:29-28.29-28.28-29
ハファエル・シャビエル(ドイツ)

シジャブを伸ばすパウウェル。シャビエルは右カーフを蹴り、近い距離で拳が交換される。互いにローを蹴り、ジャブを伸ばすなかでシャビエルのカーフでパウウェルが尻餅をつかされる。立ちがったパウウェルのアゴに前蹴りを決めたシャビエル。尻餅をついたパウウェルは急ぎ立ち上がって組みつき、ケージに押し込んでいく。テイクダウンを取れず、打撃の間合いになるとジャブの差し合いからパウウェルがレベルチェンジ、ダブルレッグへ。ケージにシャビエルを押し込んだパウウェルは、すぐに離れる。

カーフの蹴り合い、シャビエルはチェックして前蹴りから左ミドルを繰り出す。パウウェルは左ボディショットを決めると、クリンチでも腹を殴る。離れたシャビエルは右カーフで再び、パウウェルを崩す。終了直前、パウウェルの左に左を合わせたシャビエルがダウンを奪った。

2R、時間に救われた形のパウウェルは慎重にならざるを得ない展開か。そのパウウェルにカーフを続けるシャビエル。ワンツーからスリー・フォーと続けたパウウェルに対し、シャビエルは引き続きカーフを蹴る。下への蹴りを見せ、上を蹴るシャビエルだがパウウェルもパンチで距離を詰めていく。ジャブの応酬から右カーフ、さらに前蹴りと攻撃をまとめたシャビエルに対し、パウウェルは左ボディからクリンチへ。

このまま時間を使ったパウウェルが、右エルボーを打って離れる。シャビエルはカーフからワンツー、ジャブを差す。パウウェルも左ジャブを当て、右ロー。チェックしたシャビエルは、疲れたか動き落ちる。ここで今成ロールのような動きを見せたシャビエルが、スタンドに戻ると最後の1分は両者ともに手数が減って最終回へ。

3R、カーフにジャブを伸ばすシャビエルに対し、パウウェルが足を使ってジャブを伸ばす。ジャブが当たるパウウェル。こうなるとジャブ以外も当たるようになるか。そのジャブにワンツーを返すシャビエルが、ジャブで前に出て右ハイを蹴る。残り半分、パウウェルはジャブの先が欲しい。と、右エルボーを狙ったパウウェルだが空振りに。そして組んでクリンチ、ケージにシャビエルを押し込んだ。

この選択が功を奏すのか……時間過ぎるならでボディロックに取ったパウウェルだが、テイクダウンを奪えない。こうなると打撃戦となり、シャビエルが圧を掛ける。パウウェルはジャブ、そして右ストレート。シャビエルは左ミドルを蹴る。最後の20秒になるとシャビエルがワンツーで前に出ると、パウウェルは回って過ごした。

最終回のクリンチとサークリング、パウウェルポイントを取っているという判断だったのか、それとも打撃戦を避けたのか……。ジャッジの裁定は割れ、パウウェルに凱歌が挙がった……故に最終回のストレートを当ててからの時間稼ぎは正解ということだが、シャビエルの株が上がった一戦といえるだろう。


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45 BELLATOR Bellator CS2024#05 MMA MMAPLANET o UFC キック ティム・ワイルド

【Bellator CS2024#05】蹴り多用のディアキシーがTD&コントロールのリードを守り、ワイルドを3-0で下す

<ライト級/5分3R>
マーク・ディアキシー(英国)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
ティム・ワイルド(英国)

UFCから転じたディディアキシーアキシーのサークルケージ初陣。足を使うワイルドに左ミドルを入れたディアキシーが、続いて左ハイを蹴っていく。これはガードしたワイルドは、カーフをかわす。ワイルドは前蹴りからパンチを伸ばすが、距離が遠い。ディアキシーは左ローを蹴り、構えを変えて右を振るう。ワイルドはカーフを蹴り、ディアキシーは左フックを空振りした際にバランスを崩す。

ワイルドが左ミドルを返すと、ディアキシーはスピニングホイールキックを繰り出す。豪快な蹴りは届かなかったディアキシーは、続く攻防で急所への攻撃があったとアピール。ワイルドの前蹴りは正面ではないが、ベルトラインだったか。再開後、左インローを蹴ったワイルドに対し、ディアキシーが再びスピニングホイールキックを狙う。左ボディを見せたディアキシーは上への蹴りで姿勢を乱し、ダブルレッグを切られる。

ミドルの蹴り合いから、ディアキシーがダブルレッグへ。ヒザをついてボディロックに持ち込むと、スラムするようにテイクダウンに成功する。マウントは戻されたディアキシーだが、トップで初回を終えた。

2R、スラッピーなパンチの応酬からボディを決めたワイルドが、左ジャブを当てる。ディアキシーは左ミドルを入れ、ダブルレッグからバックに回りつつボディロックテイクダウンを決める。立ち上がったワイルドをケージに押し込んだディアキシーが、ヒザがボディに入ったと訴えるも、レフェリーは続行を命じる。レベルチェンジからダブルレッグ、シングルを仕掛けるディアキシーはボディロックへ。ウィザーのワイルドが顔面を殴っていくが、残り2分15秒でテイクダウンを許す。ディアキシーはハーフで抑え、肩固めを狙いつつマウントへ。ハーフに戻り、レッグドラッグ気味に動きを制したディアキシーがパンチを落とす。ワイルドは背中を預けて立ち上がるも、ここもボディロックで後方に倒される。ディアキシーは鉄槌を落とし、初回以上に明確はラウンドとした。

最終回、回転蹴りの蹴りを繰り出すディアキシーは、構えを変えてジャブ、左ストレートを伸ばす。ワイルドは右ボディストレート、ディアキシーが左ハイ。ならばとワイルドもスピニングバックキックを繰り出すが、基本は蹴りの距離が続く。ワイルドが詰めると、テイクダウンを狙うディアキシー。切ったワイルドが左を当てる。

疲れたディアキシーに対し、ワイルドが右フックから右カーフを当てる。必至のテイクダウン狙いを切られたディアキシーは、ケージを背負うとカーフで姿勢を乱す。右で飛び込み、サークリングのディアキシーに右を当てたワイルド。逆にフィニッシュに向け、残り70秒のワイルドが前に出る。ディアキシーもジャブを突き離しにかかり、テイクダウンを狙いつつサークリングを続ける。ワイルドは最後は打ち合いでなく、組みを選択して時間に。

結果はジャッジ3者は29-28でディアキシーを勝者とした。


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45 BELLATOR Bellator CS2024#05 MMA MMAPLANET o   アーチー・コーガン

【Bellator CS2024#05】殴られないと、TDで勝てる?! コーガンがソウザとの無敗対決を制す

<ライト級/5分3R>
アーチー・コーガン(米国)
Def.3-0:30-27.29-28.29-28
マノエル・ソウザ(ブラジル)

11勝0敗のソウザ、10勝0敗のコーガン。慎重な立ち上がりとなり、両者が距離を取り手を出さない。1分が過ぎ、構えを変えるソウザが左ジャブを伸ばす。同時にステップインすると、ソウザが左フックを当てる。ツーステップでジャブを入れたコーガンは、ワンツーで前へ。距離を取ったソウザが右を振るう。ソウザは低いガードからパンチを伸ばし、コーガンはしっかりとガードを上げている。

そのガードを打ち破るように鋭いフックを振るうソウザに対し、コーガンも右を返す。中盤も両者の手が止まり、ステップとフェイクが繰り返される。会場のファンがじれ始めた頃にコーガンが一気にダブルレッグでテイクダウンを決め、残り15秒でソウザが立ち上がってケージを背負ったところで時間となった。

2R、ソウザが左リードフック、頭を振って前に出たコーガンも左フックを返す。左ボディショットを放ったソウザは、左ハイをブロックして左を放つ。と、コーガンがアイポークがあったとアピールし、試合は中断される。やや時間をおいてリスタートが切られると、遠い位置からの踏み込みでなく、近い距離でパンチの交換が見られるように。

全てが強振という風のソウザは、残り半分でダブレッグでテイクダウンを許す。ニーシールドからハーフ&キムラ狙いにパンチを落としたコーガンは、2度目のソウザのトライの際に足を抜いてステップオーバーへ。腕関節をあきらめてリリースしたソウザは、ダブルレッグにヒザ蹴りを見舞う。コーガンは構わず肩にまでリフトし、スラム。パウンドを落として、この回を取った。

最終回、ソウザのパンチに距離を取るコーガンが右を当てる。右オーバーハンド、左フックと思い切り振るうソウザだがクリーンヒットはない。クリンチの状態で互いにパンチを見せ、離れるとコーガンがダブルレッグでテイクダウンを決める。ソウザはケージを利して立ち上がるも、コーガンがバックを取る。正対したソウザが左フック、このタイミングで離れたコーガンは右をヒットさせる。ダメージはなく前に出てアッパー、ストレートを振るうが届かないソウザは、コーガンとの距離を詰め切れない。

残り15秒のダブルレッグを切ったソウザは、最後まで拳を射抜くことはできなかった。結果、テイクダウンを奪ってからは距離を取って戦ったコーガンが3-0の判定勝ちを収め連勝を11に伸ばし、ソウザはキャリア初黒星を喫した。


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45 BELLATOR Bellator CS2024#05 MMA MMAPLANET o Report エスラム・アブドゥル・バセット ブログ マイク・シップマン

【Bellator CS2024#05】シップマンがバセットをヒジで流血に追い込み、ヒザからのパウンドでTKO勝利

<ミドル級/5分3R>
マイク・シップマン(英国)
Def.2R2分32秒by TKO
エスラム・アブドゥル・バセット(エジプト)

いきなりシップマンがワンツーで飛び込む。バランスを崩したバセットだが、すぐに立ち上がってシップマンをケージに押し込む。シップマンは両差しで組んで態勢を入れ替えて、ケージ際から引き出すようにテイクダウンを奪う。シップマンはバセットの左足をまたいでハーフガードでトップキープし、この時間が長く続く。ラウンド終盤にシップマンが右ヒジを落とし、これでバセットが右眉の上をカットして流血。バセットが右腕を差して立ち上がったところでラウンド終了となった。

2R、シップマンがジャブを見せてダブルレッグでテイクダウンを奪う。一度は立ち上がるバセットだが、シップマンが再びテイクダウンに成功し、すぐにサイドポジションを奪う。バセットが腹ばいになると、シップマンがアナコンダチョークを狙う。

バセットが頭を抜いて立ち上がると、シップマンがケージに押し込んでバックにつく。ここはバセットが正対して離れる。試合がスタンドに戻るとシップマンが右から左フック、組みつこうとするバセットに右ヒザをカウンターで合わせるとバセットがダウン。シップマンが追撃のパンチを落としたところでレフェリーが試合をストップした。


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