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45 Grachan Grachan71 MMA MMAPLANET o Report ブログ 山田哲也 植田豊 草訳駿介 足立晃基

【Grachan71】相手変更の草訳は植田にRNCで敗れる。山田がベルト挑戦アピール、足立はTKOデビュー

【写真】急きょのオファーでキッチリと試合ができるのは、普段の鍛錬の賜物だ。同時に、草訳にも早々に次のチャンスが欲しい(C)GRACHAN

9月15日(日)、東京都江東区のTFTホール500でGrachan71が開催された。ここではメインイベントのほか、強烈なフィニッシュとなった2試合のレポートをお届けしたい。
Text by Shojiro Kameike


<ウェルター級/5分2R+ExR>
植田豊(日本)
Def.2R1分21秒 by RNC
草訳駿介(日本)

今大会のメインは当初、芳賀ビラル海が草訳と対戦予定だったが、試合1週間前に主催者からビラルの負傷欠場が発表された。その5日後——試合2日前に急きょ、植田が草訳とウェルター級契約で対戦することが決定している。試合が始まると、サウスポーの植田がサークリング。互いにローを繰り出すが、草訳が植田にケージを背負わせる。植田はシングルレッグで組み、草訳をケージに押し込む。

右腕を差し上げた植田が草訳をケージ中央に動かし、大外でテイクダウンする。草訳はハーフガードに。植田は草訳の右足を二重絡みで抑え、左腕を枕にして押さえ込んだ。パンチで削りつつパスに成功した植田に対し、草訳がケージ際まで下がりながらハーフに戻す。植田は二重絡みで草訳の足のクラッチをほどこうと試みる。ハーフからガードに戻した草訳だが、ボトムを強いられて初回を終えた。

2R、植田がサークリングから横向きでシングルレッグに入った。草訳の左足を抱えてドライブした植田は、さらに右足を刈ってグラウンドに持ち込む。両足を差し入れてバックマウントを奪取した植田は、草訳の体を伸ばして首に腕を回す。ここはディフェンスした草訳に対し、自ら背中をマットに着かせた植田が一気にRNCへ。うつ伏せになった草訳は、そのまま絞め上げられタップした。

勝利した植田は試合後、今回の試合について次のように語った。
「実は年齢のせいかライト級の体を維持することが難しくなり、フェザー級に転向することを考えていた時に、ビラル選手の負傷欠場を聞きました。どうぞお大事にしていただいて、また練習をお願いします。僕がこの年齢まで格闘技をやっているのは、100パーセント自分のエゴです。もちろん応援に来てくれたり、勝って喜んでくれるのは嬉しいですけどーー本当に周りの人のことを考えたら、こんなに心配かけて迷惑をかけて格闘技を続けていないんですよ。そんな自分でもホームにしている大好きな団体が、メインが潰れて興行が傾いていると聞いたら何とかしたい、って……。次回からしっかりフェザー級の体をつくって、今日返上があったみたいなのでベルトを狙って頑張ります」


<ウェルター級/5分2R+ExR>
山田哲也(日本)
Def.1R3分11秒 by TKO
宇土冬真(日本)

ともにサウスポー。開始早々、山田が一気に距離を詰める。左右ローを散らす山田は、宇土にケージを背負わせるが、宇土の左ストレートも山田の顔面を捉えた。宇土のローをすくいに行った山田は、そのまま宇土をケージに押し込むも切り返されてしまう。ケージを背にしながら、ボディロック&小外刈りでテイクダウンを狙う山田。一度は踏ん張った宇土だが、山田が再び小外刈りを仕掛けて背中を着かせた。

ハーフガードの宇土はケージキックを狙うも、パスを仕掛ける山田に対してケージから足を離すことに。山田の腰骨を押し、Zハーフでパスを防ぐ宇土。山田は左腕を枕にして宇土を押さえ込む。ケージ際でパス&マウントを奪取した山田だが、宇土がハーフに戻してから立ち上がった。ボディロックで組みケージに押し込む宇土だが、反対に小外刈りでグラウンドに持ち込まれてしまう。すぐにマウントへ移行した山田が連打を浴びせると宇土は防戦一方に。バックマウントで宇土の体を伸ばした山田は、パンチを連打してレフェリーストップを呼び込んだ。

勝利した山田はマイクを握り「最低限課せられたフィニッシュはできたと思うので、次に自分が試合をする時はチャンピオンの桜井(隆多)選手に挑戦させてください。自分がチャンピオンになります」とベルト挑戦をアピールしている。


<バンタム級/5分2R+ExR>
足立晃基(日本)
Def.1R4分12秒 by TKO
内山国光(日本)

サウスポーの足立がガードを下げて、右ジャブで距離をつくる。内山がフェイントから距離を詰めてくると、足立の右ジャブが顔面に突き刺さる。回ってケージ中央を取った足立は、左ハイから右スピニングバックエルボーに繋げる。さらにワンツーから組んだ足立が内山をケージに押し込む。ボディロックで組まれた内山は、下がりながらギロチンで引き込んだ。ここで内山の左目から流血が見られる。内山は足立の右腕を取って絞り上げていく。立ち上がった足立の右足を抱え、鉄槌を受けながらもスクランブルに持ち込む。

立ち上がる足立をケージに押し込む内山。ケージ中央に向けて投げを見せるも、踏ん張った足立にトップを奪われてしまう。スイープから立ち上がる内山に対し、足立は首相撲から左ヒザを突き刺す。この一撃で内山の動きが一瞬落ちた。左ストレートから左ハイを2発見舞った足立が、内山をケージに詰めて連打を浴びせ、ダブルレッグで尻もちを着かせる。内山の出血が大量に。

一度離れた足立が、内山をケージに押し込めてパウンドを連打する。スクランブルに持ち込む足立が内山を連打で追い詰める。足立が内山をケージに押し込んだ残り1分、レフェリーがブレイクをかけドクターチェックが入る。内山の出血は止まったもののストップ。元体操選手の足立はケージに昇り、鮮やかなバク転を決めた。

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45 AB ABEMA DEEP DJ.taiki MMA MMAPLANET o RIZIN RIZIN47 カルシャガ・ダウトベック ライカ 中原由貴 井上直樹 佐々木憂流迦 原口央 山田哲也 朝倉未来 松嶋こよみ 遠藤来生 関鉄矢 雑賀ヤン坊達也

【RIZIN47】石の左拳=ダウトベックと対戦、関鉄矢「スクランブルも強いほうがスイングして面白い」

【写真】リモート画面の背景が――(C)SHOJIRO KAMEIKE

9日(日)に国立代々木競技場第一体育館で開催されるRIZIN47で、関鉄矢がカルシャガ・ダウトベックと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

打撃を主体として戦ってきた関の目に、脅威の左ストレートを持つダウトベックはどのような相手として映っているのか。関はダウトベック対策の行う一方で、また新たな自分のストロングポイントも見つかってきたという。ダウトベックも今年1月の松嶋こよみ戦で見せた姿は、2018年の初来日時(朝倉未来に判定負け)とも違っていた。成長過程にあるストライカー同士の一戦について関が語ってくれた。


――本日は宜しくお願いいたします。リモート画面の背景がキャンプ場なのですか。試合前にファイトキャンプではなく本物のキャンプに行っているのかと思いました。

「アハハハ。これは自分の趣味で……」

――お子さんも4人いらっしゃるそうですが、一緒に行くと楽しそうですね。

「そうですね。でもまだ4歳と2歳の子がいるので、目が離せないです。でも一番上の娘が小学5年生で、面倒を見てくれるので助かっています」

――なるほど。関選手に前回インタビューさせていただいたのは、2021年9月のDJ.taiki戦の前でした。DJ戦はDEEPで行われましたが、その前後からRIZINのレギュラー選手になっている感もあります。

「どうなんでしょうね? 自分自身としては戦う場所にこだわっていなくて。たまたまRIZINのオファーが、タイミングが合っていて」

――ただ、その中で以前よりも打撃戦は激しくなっているようにも思います。特に2022年7月、中原由貴戦のあとには「打ち合いに寄りすぎた」という発言もありました。

「あの時は、もっと組みの展開をつくればよかったと思いました。緊急オファーだったこともあって、打撃以外の要素をつくり上げることができなかったというか。その状況で自分ができることといえば殴り合いなのかな、と。

原口央戦(同年5月に判定勝ち)と遠藤来生戦(2023年6月、判定勝ち)は戦っている最中に、打撃のほうが分はあると感じたんですよね。だから試合中にシフトチェンジしました」

――試合ごとに打撃の精度が高まっているようにも感じます。

「以前より距離をつくることができるようになったと思いますね。特に最近はサウスポーの選手と対戦することが多くて、サウスポー対策を通じて距離のつくり方が重要なんだなって勉強できました。その勉強したことを体に叩き込んでいます」

――打撃に関しては所属ジムであるSONIC SQUADのみで練習しているのか、あるいは出稽古で他のジムに行ったりしているのでしょうか。

「練習はSONIC SQUADだけですね。ウチのジムは出稽古に来てくださる方が多いんですよ。だから新鮮な感覚でスパーもさせてもらっています」

――どのような選手が出稽古に来ているのですか。

「ヤン坊(雑賀ヤン坊達也)とか、たまに佐々木憂流迦さんもいらっしゃいますね。あとは今グラチャンに出ている山田哲也選手も来られています」

――皆さん長身でリーチも長く、パンチが伸びる選手ばかりですね。

「スパーさせてもらっていて、おかげで毎回ヘトヘトになっています(苦笑)。でもそのなかで手応えは感じていますね。自分のストロングポイントというものが、だんだん分かってきました。『ここは負けないな』と自信がついてきたことも多くて」

――ご自身の中で最近分かったストロングポイントには、どんなものがありますか。

「自分はスクランブルの展開が強いと思いました。こちらから打撃で攻めた結果、組まれたとしてもスクランブルから、自分の展開にできると感じています」

――なるほど。スクランブルが強くなるからこそ、打撃の精度も高まっていくと。

「そうなんですよ。組まれることが怖くてパンチを打てない、ということもなくなりました。スクランブルに持ち込まれても立つことができるし、自分からポジションを取りに行くこともできます。打ち合うだけじゃなくスクランブルも強いほうが、試合もスイングして面白いんじゃないかと思っています」

――ヤン坊選手や山田選手のようにパンチだけでなく組みも強い選手を相手にしても、スクランブルから勝負できるようになっているのですね。

「どちらに動いていいのか分からない状態でも、とにかく暴れる。そう言われて実践していたら、気づけば漬けるのが巧い選手との練習でも立ち上がることができるようになっていました(笑)。もう抑え込まれて、固められるようなことはないです」

――次に対戦するカルシャガ・ダウトベックはサウスポーで、特に左ストレートが強いパンチャーです。かつテイクダウンを混ぜてくることもあります。

「打つ時は懐に入ってきて至近距離で強いパンチを出してくる選手ですよね。松嶋こよみ選手との試合を視ると、ガードを固めて入ってくる。ただの打ち合いよりも、ガードを固めて懐に入ってくる――朝倉未来選手と対戦したときよりも、より確実にパンチを当てるスタイルになっていると思います。自分の左ストレートに完全な自信を持っていて」

――加えて、前に出るだけでなく細かいカウンターも取れるようになっていませんか。

「あれは立ち位置を間違えていると、蹴りに対してカウンターの左ストレートが飛んできますよね」

――パンチを得意とする両者だけに、距離と立ち位置を一つ間違えるだけで危険な状態になりかけない。それだけスリルがある試合になります。

「自分もその距離と立ち位置を、練習で叩き込んできました。あとは試合で、練習でやってきたことを実践できるかどうか。ワンミスが命取りになる状況では、『こう来たら、こう……』と頭で考えていたら反応が間に合いませんからね。もう相手の動きに対して反射的に動くまで、体に染み込ませています。もうダウトベック選手だけのための対策ですよ」

――同じことをやると、その次の試合では勝てないぐらい……。

「そうなりますね。とにかく今回の試合で勝つためだけの作戦です。井上直樹君と作戦を考えていて、直樹君は器用だから何でもできるんですよ。でも僕がやってみると、『これは自分に合わないな』と感じるものがあって。数が多くても自分の頭が回らなくなりますしね。だから僕に合ったものを絞り込んで、自分にできる動きの中で作戦を立ててきました。おかげで自分が勝つための道筋は、ハッキリ見えています」

――それは試合が楽しみです。このダウトベック戦はご自身のキャリアの中で、どのような位置づけの試合になると思いますか。

「ダウトベック選手が松嶋選手に勝っているというのは、すごく大きいことだと思います。そのダウトベック選手に良い勝ち方をしたら、RIZINフェザー級のトップ選手に大きなプレッシャーをかけられますよね。そのためにも次は、しっかり良い試合をして勝ちます!」

■視聴方法(予定)
6月9日(土)
午後12時30分~ABEMA、U-NEXT、RIZIN100CLUB、スカパー!、RIZIN LIVE

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45 AB Gladiator Level-G MMA MMAPLANET o Progress YouTube キック 室谷勇汰 山田哲也 峯岸零弥 竹内稔 須藤拓真 高本裕和

【Level-G】3月3日、KROSS X OVER-NEXT07内でLevel-G組み技戦、峯岸零弥✖竹内稔など2試合決定!!

【写真】この先、須藤戦はあるのか (C)LEVEL-G & MMAPLANET

1日(木)、Level-Gより3月3 (日)に東京都新宿区のGENスポーツパレスで開催されるKROSS X OVER-NEXT07においてグラップリングマッチ2試合が組まれることが発表されている。
Text by Manabu Takashima

キックとMMAの混合興行=ROSS X OVERで組まれるLevel-G提供のグラップリング戦、今回決定したのは高本裕和✖室谷勇汰、峯岸零弥✖竹内稔の2試合だ。


昨年11月にADCCアジア&オセニア予選66キロ級で準優勝した竹内は、今月16日にGladiator Challenger Series 01「Bang vs Kawana II」で竹本啓直哉とPROGRESSフォークスタイルグラップリング・フェザー級王座決定戦に出場が決まっており、2週間連続のプログラップリング出陣となる。

その竹内、昨年6月に開催されたLevel-Gライト級王座決定トーナメントでは初戦で山田哲也に敗れ、結果を残すことができなった。対する峯岸は同トーナメントの決勝で須藤拓真に敗れたが、準優勝となっている。

峯岸は8月のJBJJF全日本ノーギ柔術選手権でもアダルト黒帯ライト級を制しており、このクラスの第一人者といえる。「がぶればアナコンダチョークを極めることができる」と豪語し、立証してきた竹内に対して、峯岸がどのような戦略を取るか。完全トップ、あるいは完全ガード──スイープは狙っても、上体を起こしてのスクランブルは厳禁──という状況で、どのような組み技の攻防が見られるのか。

当然、この試合の先にはライト級チャンピオン須藤への挑戦という話も浮上するであろう……非常に興味深い一戦だ。

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Column Grachan Grachan63 MMA MMAPLANET o ONE   児玉勇也 古谷宗太郎 山田哲也 御代川敏志 松場貴志 植田豊 瓜田幸造

【Grachan63】試合結果 メインは痛み分け、御代川がフライ級チャレンジャーに。ビラル、勝つ

【写真】タイトルマッチ経験者の植田と、ONEベテランの山田。大会メインでもあり、この種の顔合わせは3R戦を強く要望したい(C)GRACHAN

6日(日)、東京都江東区のTFTホールでGrachan63が開催された。

メインの山田哲也×植田豊選手は痛み分け、もう1R見たかった。またコメインのフライ級挑戦者決定戦は御代川敏志が初回TKO勝ちし、松場貴志に挑戦することが決まった。

同大会のプロMMAマッチの試合結果は以下の通りだ。

Grachan63
<ライト級/5分2R>
△植田豊(日本)2R
判定
詳細はコチラ
△山田哲也(日本)
<フライ級挑戦者決定戦/5分3R>
○御代川敏志(日本)1R1分48秒
TKO
詳細はコチラ
×児玉勇也(日本)
<無差別級/5分2R>
○ダンカン・ヒロ(台湾)2R
判定
×瓜田幸造(日本)
<ライト級/5分2R>
○芳賀ビラル海(日本)2R
判定
×山下康一朗(日本)
<フライ級/5分2R>
○髙橋謙斗(日本)1R0分11秒
TKO
×原拓郎(日本)
<バンタム級/5分2R>
○佐藤洸杜(日本)2R0分36秒
TKO
×ロバ・モー(日本)
<フライ級/5分2R>
○水谷健人2R
判定
×三笠貴大(日本)
<ライト級/5分2R>
○古谷宗太郎(日本)2R1分54秒
DQ
×草訳駿介(日本)
<フェザー級/5分2R>
○松田征也(日本)2R1分12秒
TKO
×今村豊(日本)
<フライ級/5分2R>
○熊崎夏暉(日本)2R
判定
×二之宮徳昭(日本)
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Grachan Grachan63 MMA MMAPLANET o 山田哲也 植田豊

【Grachan63】1Rに山田がバックを奪うも、2Rは植田がトップをキープーー結果は痛み分けに

<ライト級/5分2R>
植田豊(日本)
Draw.0-0
山田哲也(日本)

サウスポーの植田が足を使いながら、いきなりの右で飛び込んだ。これをブロックした山田に、さらに右ハイを浴びせるもバランスを崩してグラウンドへ。すかさずトップを奪った山田に対し、植田はハーフガードから潜りに行くも、山田がバックを奪う。四の字フックで固めた山田はパンチで削りながら右ヒジも突き刺していく。山田の左腕を抑える植田だが、形勢を逆転するには至らない。

山田のパンチを受けた植田の顔が歪む。四の字フックからバックマウントに変えた山田は、植田の腕を振りほどいて左右のパンチを浴びせる。ここで植田が山田の左腕を掴み、ワキをくぐろうと試みたが、山田が四の字フックで固めてRNCへ。これを植田が凌ぐと、山田はバックから植田の右腕を狙いに行く動きを見せるも、植田が耐えてラウンドを終えた。

最終回、植田がワンツーで前に出る。山田がローを返した。距離を詰めてきた植田に組みついた山田がグラウンドに持ち込むも、すぐに植田が立ち上がる。山田はボディロックで植田をケージに押し込み、テイクダウンを狙う。ウィザーで耐えた植田が、逆に山田からクリーンテイクダウンを奪った。ハーフガードの山田に対し、植田が左腕を枕にして抑え込む。

コツコツとパンチを落とす植田は、さらに肩パンチを叩きつける。完全に胸を合わせて抑え込む植田が鉄槌を落としつつ、セコンドの指示通りパスを狙う。二重絡みでパスを防いだ山田だが、体勢を変えることができない。残り40秒で再びパスを仕掛ける植田。山田はブリッジで跳ね上げるも返せず。クローズドガードになった山田をケージ際まで運んだ植田が、パウンドを落として試合終了のホーンを聞いた。

1Rは山田、2Rは植田が取ったことは間違いない。試合全体を通じて判断するグラチャンで、どのように判断されるのか。結果、裁定はジャッジ3者ともドローに。3R制での再戦が望まれる。


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Grachan Grachan63 MMA MMAPLANET o ONE Road to UFC UFC 原口伸 山田哲也 植田豊

【Grachan63】メインの山田哲也戦前の植田豊─02─「強い選手に勝つことで、今後も良いオファーが」

【写真】しゃばっ気がなく、達観した感のある植田。より臨機応変なファイトができるか(C)SHOJIRO KAMEIKE

6日(日)、東京都江東区のTFTホールで開催されるGrachan63で、山田哲也と対戦する植田豊のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

植田は昨年5月以来、1年3カ月ぶりの試合を迎える。山田との対戦は、王者の原口伸がRoad to UFC参戦中のGrachanライト級の今後を占う一戦となりそうだ。しかし植田にとっては、そのベルト獲得がゴールではないという。自分自身が納得できる戦いを目指す植田は、元ZSTウェルター級王者の山田哲也との一戦で何を見せてくれるのだろうか。

<植田豊インタビューPart.01はコチラから>


――ご自身でも言われているとおり、植田選手といえば幾度となくベルトに挑み、跳ね返されてきた。それだけチャンスを得たのは実力者であることの証明だと思います。ただ、もうそのベルトにも興味はないと……。

「ベルトを巻くことができれば、それはそれで良いことですよね。ベルトを巻いていれば大きな大会から見つけてもらいやすいでしょうし。格闘技を知らない人でも、チャンピンになったと言えば喜んでくれますから。縁があれば獲りたいです。でもベルトがもう第一ではなく、それがゴールというわけでもなくて」

――では次の山田哲也戦に関するお話ですが、これまでと比べて相手の試合映像を視ていないとのことでした。

「今まではガッツリと視ていたというわけでもないんですけど(笑)。まぁ、普通レベルというか。今まで視ていたレベルが10だとしたら、今回は1ですかね」

――えっ!? それは随分と変わりましたね。

「それでも、試合映像を視ないことで不安になることはないです。今までのように試合映像を視て考えすぎるために、試合で失敗を繰り返すことのほうが怖いですから」

――-今回の試合が決定する前に、山田選手の試合をご覧になったことはありましたか。

「ONEの試合を観客として視ていた感じです。もちろん分析とかはしていないし、自分が対戦することになるとは考えていませんでした。彼がまた国内で試合をすると聞いた時は、対戦もあるかなぁとは思っていたんですよ。でもウェルター級でやるということで、やっぱり試合することはないかと(笑)」

――その山田選手がライト級で戦う。対戦相手としてご自身にオファーが来た時は意外でしたか。

「特に何も思わなかったですね。『あぁ、そうなんだ』という感じで。良い相手だと思ったので、オファーが来て即答しました」

――山田選手に対しては、どのような印象を持っていますか。

「戦極の頃に『スーパー高校生』というキャッチコピーで出てきて、その頃からグラップラーというイメージが強いですね。ONEに出始めた頃からタイガー・ムエタイで練習していると聞いて、『これからはムエタイも交えてくるのかなぁ』と思って試合を視ていたんですよ。でもムエタイスタイルにはなっていなかったし……。まずは長いリーチを生かした打撃から組んで来るファイターだと思っています」

――国内のウェルター級でもフレームが大きい山田選手がライト級で戦う。植田選手にとっては、相手にフレームのアドバンテージがあると思いますか。

「どうですかね。結局は同じ体重まで落として戦うので、そこまで警戒することはないです。もちろん相手のほうが身長は高いけど、自分がパワー負けするとも思っていません。相手の身長が高くても低くても――自分のやるべきことは変わらないです」

――まだ山田戦を控えているなかで先のお話をして恐縮ですが、この試合で勝利したあとは、どのようなキャリアを考えていますか。

「強い選手に勝つことで、今後も良いオファーが来ると良いなぁと思っています。納得のいく試合ができれば、それだけ自分でもアピールしていかないといけないですね。プロフェッショナルの興行なので、選手自身がストーリーを創っていくことも重要だとは思います。でも自分の場合は、ただただ好きでMMAを続けていて。だから『応援してほしい』という気持ちよりも、『たまたま僕の試合が目に入って、興味を持ってくれたらまた見続けてほしい』という感じです。……すみません、面白いことを言えなくて(苦笑)」

――お話を聞いていると、もうご自身やMMAに対して何か達観していますね(笑)。

「えっ、僕ですか? うーん、どうなんでしょうね。これまでMMAを続けてきたなかで、そんなに考えても仕方ないということが分かったんですよ(笑)。タイトルマッチまで行くけど獲れない、ということの繰り返しで。毎回『あぁ……』と思うなかで、そんなに考えていても仕方ないというところに至りました」

――以前のインタビューでも「やるべきことをやる」という発言がありました。今も気持ちは変わっておらず、さらにその気持ちが深まっている状態ですか。

「そうですね。要は、やるべきことができていない。出せていない部分を、もっと出せるように。そのために変な情報を余計に入れることなく、自分のやるべきことをやるだけです」

――ここ最近で、「自分のやるべきこと」に変化はありますか。

「試合をしていないなかでも練習していて、技術的な面で新たな気づきがありました。今までなら、せっかく新しく気づいたことを練習していても、対戦相手によって自分自身を変えていたんです。相手がこうだから、自分の構えはこう……とか。そういう考えがなくなった分、新たに気づいたものをピュアに伸ばせている。余計なことを考えることなく、自然に体が動くようになっている感覚はありますね」

――試合の対策を考えすぎることで、逆に自身の良さを消してしまっていたのですね。

「それはすごく大きかったと思います。応用力のある選手なら、それでも良いんですよ。僕の場合は、ワンパターンの対策を決めすぎてしまうところがあって。次の試合は、本来の自分を見せられるように作りこんでいます」

■視聴方法(予定)
8月6日(日)
午後1時00分~ GRACHAN放送局

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Grachan Grachan63 MMA MMAPLANET o 原口伸 山田哲也 植田豊

【Grachan63】メインの山田哲也戦へ、植田豊─01─「殴る、蹴る、投げる、極める。そういう単純なこと」

【写真】ファイトウィークの輪郭になっている植田(C)SHOJIRO KAMEIKE

6日(日)、東京都江東区のTFTホールで開催されるGrachan63のメインで、植田豊が山田哲也と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

昨年5月、植田は原口伸とGrachan暫定ライト級王座を争い、判定負けを喫した。2010年にプロデビューし、2013年に一度戦いの舞台から離れたものの、2019年に復帰した植田。以降はベルト挑戦の機会が与えられながらも、チャンスをモノにすることができていない。そんな植田を取材すると、彼の中に悲観的な部分は一切なかった。まさに達観――ベテランがMMAの中で辿り着いた場所とは。


――本日はお仕事のお昼休みにインタビューの時間を取っていただき、恐縮です。しかも太陽が照りつけるなか……。

「いえいえ、大丈夫です。写真を撮ったら移動しますので(スクリーンショットを撮影後、日陰に移動)」

――ありがとうございます。試合を4日後に控え、今もフルタイムで出勤されているのですね。コンディションに影響を及ぼすことはないでしょうか。(※インタビューは2日に行われた)

「コンディションは至って普通ですね。良すぎず、悪すぎず。減量中なので節々が痛いところはあるますけれども、計量後に栄養を摂ったら治ると思います(笑)」

――2022年5月の原口伸戦以来の試合を迎えます。2019年に復帰後はコンスタントに試合をしたかったか、あるいは試合間隔を空けたかったのか。どちらでしたか。

「あぁ、もう1年以上の間隔が空いてしまっていますよね。復帰後はコンスタントに試合をしたいという気持ちはありました。でも怪我が多く――実はもう何年も前から、首のヘルニアが痛くて、練習もコンスタントにできない状態でした。だから今、首の痛みがない状態というのが本当に久々で」

――試合をしていない期間はヘルニアの治療に充てていたのでしょうか。

「治療自体は、何年も前から続けていました。さらに練習量を少し落としてみたら、首も良くなってきたんですよね」

――それは良かったです。しかし練習量を落とすと、「これで大丈夫なのか……」と不安になったりはしませんか。

「いや、不安にはならないですね。もともと相当練習するほうだったと思うので。正確に言えば、強度の高い練習を毎日やることを止めました」

――質も高く、量も多すぎたわけですね。

「はい(笑)。どうしてもガンガンやってしまう性格なので。でも年齢的なこともありますし(現在36歳)、少しは考えていかないといけない。だから『休むこと』を覚えました」

――なるほど。この期間に技術的な面など、他に大きく変わった部分はありますか。

「技術的な面というよりも――今まで練習しすぎてしまっていたり、試合も作戦を綿密に練りすぎてしまうところがありました。すると試合で考えていたような展開ではなくなると、対応できなくなったりする場面が出てきたりとか。そうなると相手とお見合い状態になったり、自分も手数が出ないまま試合を終えるということが多かったんです」

――……。

「だから今回も、それほど対戦相手の試合映像も視ていません。気をつけるべき点だけをチェックして、5分2Rただただ前に行くというスタイルに変えようと考えています」

――「試合で考えていたような展開ではなくなると、対応できなくなったりする場面が出てくる」というのは、復帰後でいえばどの試合でしょうか。

「前回の試合は、まさにそうですよね。もっと相手がプレスをかけてくると思っていました。でも相手が慎重に戦ってきて、自分としては『アレッ?』となってしまい……。そうなると、自分の動きも止まってしまうような試合が、今までは多かったです」

――予想と違う展開になると、自分自身の中で切り替えるのも難しかったのですか。

「難しくなっちゃうタイプでしたね(苦笑)。もう本当に、作戦を練りすぎて。おそらく会長(山﨑剛Me,We代表)も同じことを感じていて、今回の試合については細かいことを言われなくなりました。もちろん相手に関して気をつけるべき点は指摘してくれます。でも、そういうことは大雑把にインプットするだけで。あとは殴る、蹴る、投げる、極める――そういう単純なことをやれば良いと思っています」

――殴る、蹴る、投げる、極める。大雑把といいますか、もっとシンプルに考えたほうが良いという結論に至ったわけですね。

「ずっと僕の試合を見ていて、周りの人たちもそう感じていたでしょうし、僕自身もそう考えました」

――昨年5月の原口伸戦は注目のルーキーとベルトを賭けて戦い、敗れました。

「先ほど言ったとおり、内容は自分が考えていたものと違いましたよね。相手はもっとパンチを振って前に出て来ると思っていたら、ローでチョコチョコと攻めてきた。そこでワンテイクダウンを取られ、あとは自分のプランも総くずれになってしまいました。さらに相手のパウンドが自分の首に当たると、首が痛くて動けない状態になって」

――それだけ首のヘルニアも悪化していたのですね。結果、またもベルトに手が届きませんでした。

「ベルトどうこうよりも、チャンスを頂いてもモノにできていないことについては申し訳ないという気持ちがあります。周りのチームメイト、支えてくれている人たち、そしてチャンスをくださった方たちに対して。ただ、今は僕自身がベルトというモノにこだわっているわけではないんです」

――では今、植田選手がMMAを続けるうえで目指しているものとは何なのでしょうか。

「好きだから続けている――それだけですよね。もっと上手くなりたい、もっと強くなりたい。ベルトって、その先にあるものですから。ここ一番で自分の力を発揮できない、というのは格闘技だけの話ではなくて」

――というと?

「日常の中であったり、仕事の場面でも『まだまだ足りない。もっと上手くならないといけない』と思うことが多いです。格闘技だけでなく、人生全てにおいて大切なことじゃないですか。この先、自分自身のなかで納得できるところに至るかどうかは分かりません。でも好きなものだからこそ、納得できるところまで続けたいんですよ」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
8月6日(日)
午後1時00分~ GRACHAN放送局

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Brave Fight27 Grachan Grachan59 Grachan63 Level-G Level-G02 MMA MMAPLANET o ONE Road to UFC UFC ブログ 山田哲也 植田豊

【Grachan63】植田豊と再起戦、山田哲也「心も体も“普通の人”になっちゃっていました」

【写真】(C)TAKUMI NAKAMURA

6日(日)、東京都江東区のTFTホール500で開催されるGRACHAN 63で、山田哲也が植田豊と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

2月のGRACHAN59×BRAVE FIGHT27で、約2年2カ月ぶりの復帰戦を迎えるもブレンゾリグ・バットムンクにKO負けを喫した山田。6月のLevel-Gライト級王座決定Tを挟み、本人が適正階級と話すライト級での植田戦が決まった。バットムンク戦を経て「今は身も心もみなぎっている」という山田は自信たっぷりに植田戦への意気込みを語った。


――2月のブレンゾリグ・バットムンク戦をKO負けという結果に終わり、6月にLevel-G02でのグラップリングの試合を挟み、今回の一戦が決まりました。

「2月の復帰戦は約2年間試合間隔が空いていて、試合が決まって2カ月間では心と体が間に合わなかったかなと思います」

――6月にグラップリングの試合を入れたのは、試合勘を取り戻す意味でも試合間隔を空けたくなかったということでしょうか。

「2月の試合はウェルター級で、試しに一度、ライト級まで体重を落として動いてみたかったんです。それで6月にグラップリングの試合に出ようと思いました」

――ウェルター級で復帰戦を戦いましたが、ライト級が適正という感覚だったのでしょうか。

「試合から離れている間に体重が増えていたんですけど、試合に向けてハードに練習を続けていると自然に体重も落ちてきて。自分としてはライト級の方が適正なんじゃないかなと思うようになりました」

――MMAPLANETのインタビューでフェザー級時代は90kgから減量していたというエピソードもあったので、ウェルター級の方がコンディションが良いかと思っていました。

「過去の戦績を振り返ってもライト級が一番動けていたし、戦績的にも良い結果を残せていたんですよね。改めて自分はライト級の選手なんだなと思いました」

――では6月の試合を終えて今後戦う階級を決めた、と。

「はい。あの試合を終えて、ライト級でやっていこうと決めました」

――分かりました。日本に活動の拠点を移して、今はどんな練習環境なのですか。

「基本的にE.D.O. Yokosuka Baseで練習をしています。まだプロ選手は数名なんですけど、プロを目指しているアマチュアの選手たちも交えて一緒に練習しています。あとが出稽古で鍛えてもらっています」

――出稽古先はどちらですか。

「長岡さんのDOBUITA FIGHT SPORTS GYM 、安田けんさんのSONIC SQUADですね。それこそ僕が高校生の頃からお世話になっている方たちなので、すごくいい練習ができています」

――タイ時代とはどのような部分で違いがありますか。

「タイで練習していた時はちょっと大雑把になっていた部分が多かったかなと思います。日本に戻ってきてからは周りと細かく話し合いながら練習ができるようになったと思います」

――それは言葉の壁ですか。

「それもありますね。技術の細かい部分だったり、試合に向けた戦術だったり、そこまで作りこむことは出来なかったかなと思います。体力的に伸びるところはあったんですけど、その分、雑さが際立ってしまった感覚です」

――そこを先輩たちから修正してもらっている、と。

「はい。みなさんしっかり指摘してくれるので、自分自身もそこを意識して練習しています」

――言える範囲で具体的にどこを意識して練習していますか。

「今まで試合中に休んでしまっていた場面でも攻めるというか。組み立ての部分です。最終的にどこを目指して戦っているのか。そのために何が必要か。そこを考えています」

――山田選手は思い切りの良さや爆発力が武器だと思うのですが、そことのバランスはどう考えていますか。

「それこそ中村さんに解説してもらっていた頃、当時はZSTでイケイケで怖いものなしだったんですけど(笑)、今回もあのくらいの勢いでいってやろうと思っていますね。ビビらずにガンガン行こう、と」

――復帰戦でKO負けして細かい技術を修正していると聞き、リスクを冒さず勝ちに行くスタイルを確立させていると思っていました。

「僕は手堅くやって判定で勝とうなんて一切思ってないです」

――フィニッシュしたい欲が出ているのですか。

「それがまさに2月の試合前には感じていなかったことで、あれから練習を重ねていくうちに思い出してくるものがあるんですよ。こうだったよな、ああだったよなって。そうやって蘇ってきた感覚を大事にして、今回は戦いたいと思っています」

――山田哲也はこういうファイターだろ、と。

「まさにその通りです」

――では対戦相手の植田選手の印象も聞かせてください。

「柔道ベースで首投げからフィニッシュする選手という印象です」

――組み技を主体に戦うスタイルが形になっている選手ですが、攻略のイメージは出来ていますか。

「相手の得意な部分をつぶしていこうと思います。あと試合としてはかみ合う展開になると思います。しっかり準備して試合ができるので一切負ける気がしないです」

――2月の復帰戦前とは違う感情が沸いてきていますか。

「はい。前回は本当に準備ができなかったというか…試合前もそうでしたし、試合当日もなんかフワフワしていて、地に足がついてなかったんですよ。根本的にファイター、戦う人間としての心構えができていなかったです」

――試合に向けて気持ちのスイッチが入りきらなかったのですね。

「そうですね。で、何もできないまま終わっちゃうという(苦笑)」

――今振り返って、それは何が原因だったと思いますか。

「試合がない期間で心も体も“普通の人”になっちゃっていました。それを“ファイター”に戻すために2カ月という準備期間は短すぎたのかなと思います。もちろんその2カ月間は必死にやったんですけど、結果として戻しきれなかったです」

――では改めて今の山田選手のMMAにおける目標は?

「絶対にGRACHANのベルトは獲りたいです」

――ライト級に階級を落とすとなると、とりあえずは原口伸選手が標的となりますが、Road to UFCでUFCとの契約を目指しています。その原口選手の実力をどのように評価していますか。

「すでに試合映像はチェックしていますし、現時点でもめちゃくちゃ強いと思います。で、これからさらに強くなっていく選手だと思います。原口選手はRoad to UFCに参戦中ですが、僕はあそこで負けるとは思えないんですよね。先のことは分からないですが、そのくらい可能性を持った選手だと思います」

――山田選手も高校生在学中にZSTでプロデビューして、戦極、パンクラス、ONE……そして今またGRACHANと国内外、色んな団体で試合をしてきました。MMAをめぐる状況もその都度変わっていったと思うのですが、今はどんなファイターになりたいと思っているのですか。

「僕はまだ自分を諦めてないんですよ。もっといけるところまでいきたい。海外から日本に拠点を移して、僕のなかでは新しいスタートだと思っていて。今までのことや過去の試合がどうこうではなく、僕はここからだと思っているんです。次の試合から僕の連勝街道が始まると思います」

――今までの試合では自分の力を出し切れない、悔いが残るような試合も多かったのですか。

「それこそタイにいた時は自信を持って試合をしたことがなくて。毎日海外から来ている選手たちにボコボコにされたり、ロシア人にぶっ飛ばされたりするんですよ。そうすると試合前なのに『ああ…俺って弱いな』ってメンタルになっちゃって。他の国の選手たちはチームごとタイに来ることが多くて、そのチーム内でコミュニケーションを取るんですよ。でも僕は単身タイに住んでいたので、何かメンタル的に落ちた時に相談する相手もいないし、そういう部分を支えてくれるチームメイトもいなかったので、メンタル的にはボロボロでしたね(苦笑)」

――では日本に戻ってきて仲間や旧知の先輩たちとともに戦うというのはまさに新章の幕開けですね。

「ホントにその通りです。今は心も体もみなぎっているので、自分に自信しかないです」

――それでは次の試合ではどのような姿を見せたいですか。

「一言で言うと…ぶっ飛ばしますよ。全然負ける気はしないんで一方的にぶっ飛ばして終わらせます」

■視聴方法(予定)
8月6日(日)
午後1時00分~ GRACHAN放送局

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ケージで行われるサブオンリーの8人制ワンデー・トーナメント。ここでは準決勝の峯岸零弥×平田直樹、山田哲也×須藤拓真の試合をお届けしたい。


<ライト級初代王者決定トーナメント準決勝/7分1R>
峯岸零弥(日本)
Def.3-0
平田直樹(日本)

開始早々、峯岸が飛びつき気味に組みに行ったが平田が離れた。平田のほうから距離を詰めると、峯岸が頭をつけて平田の前進を止める。さらに峯岸が跳びついて引き込もうとしたが、これを切った平田がトップへ。峯岸はハーフガードを取る。ニーシールドから平田の頭と右手首を押さえる峯岸、平田はニースライスを狙う。峯岸はアームドラッグを仕掛けるも、それを潰した平田に対して再びニーシールドの体勢に。平田が峯岸のヒザを振り払うと、峯岸はリバース・デラヒーバで平田の右足首から崩しにかかる。

平田が峯岸の左ワキを抑えに行くと、峯岸は左ヒザを差し込んでZハーフに。さらに頭を抱えて平田の動きを封じる。ここで峯岸がスイープを狙ったが、これは平田がトップをキープした。平田が離れて立ち上がると、峯岸もスタンドに戻る。距離を取る峯岸は、平田が前に出て来たところで開始早々と同様に組んだ。平田も頭をつけて組み手争いを展開するも、峯岸が跳びついてクローズドガードに。峯岸はベースをつくるために腕を伸ばした平田の右腕を狙う。

平田が峯岸の頭をケージに向け、そのまま押し込んでいく。峯岸は下から平田のリストを抑えている。ここでレフェリーがブレイクをかけた。平田が膠着状態を誘発しているとみなし、ルールに則りケージ中央で峯岸がバックマウントを取った状態から再開された。平田にとっては苦しい展開だ。再開直後、峯岸がバックマウントから横三角へ。すぐに平田も立ち上がり、追ってくる峯岸を突き放す。距離を詰めた峯岸が跳びついたが、クローズドガードの中に入れることはできず。

再び峯岸のニーシールドに対し、平田は右ヒザからニースライスを仕掛ける展開へ。しかし峯岸の右足が平田の右足に絡みついている。平田はニーカットパスに。ここで峯岸は距離をつくろうとしたが、平田も食らいついていく。平田が立ち上がると、峯岸もスタンドへ。組み手争いから平田が峯岸をケージに押し込む。押し込まれた峯岸が跳びついて平田をクローズドガードに入れた。自らケージに頭を着けて、膠着を誘うか。

峯岸が平田の左腕にアームドラッグを仕掛けた。さらに足を上げると平田が離れる。峯岸は平田の右足にデラヒーバで絡みつき、左足を触りに行ったところで平田が逆側に回った。続けて平田がパスのアタックを見せるも、峯岸がニーシールドから体勢を崩させ、最後のパスのアタックも防ぎ切った。終始トップにいたのは平田だがパスのアタック回数よりも、峯岸が跳びついて自らクローズドガードに入れ、下からのコントロールしたことが優位とみなされたか。膠着注意もあり、峯岸が3-0での判定勝利で決勝に進出した。

<ライト級初代王者決定トーナメント準決勝/7分1R>
須藤拓真(日本)
Def.1分23秒 by 三角絞め
山田哲也(日本)

両手を下げた山田に対し、須藤が今成ロールで飛び込む。かわした山田が、シッティングガードの須藤を抑え込みにいくと、須藤はZハーフの体勢に。山田が左を枕にして体を伸ばしてくると、リバース・デラヒーバに切り替えた。須藤が山田の体を浮かせて、クローズドガードに入れる。山田の頭を抑えながら足を上げていく須藤が、右足のオモプラッタから三角で組み、反転してマウントへ。そのまま山田の頭を引いてタップを奪った。

須藤は2試合連続の一本勝ちで決勝へ。初代ライト級王者の座は峯岸と須藤が争うこととなった。

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Text by Shojiro Kameike

ケージで行われるサブオンリーの8人制ワンデー・トーナメント。ここでは1回戦第3試合の竹内稔×山田哲也、第4試合の鈴木真×須藤拓真の試合をお届けしたい。


<ライト級初代王者決定トーナメント1回戦/7分1R>
山田哲也(日本)
Def.3-0
竹内稔(日本)

両者が手四つで探り合うなか、竹内が前に出る。山田は後ろを向いてケージの位置を確認した。右腕を差し上げた竹内が山田をケージに押し込む。山田はケージに背中を着けながら竹内の両リストを掴んで、右腕を差し返して押し込んでいく。山田が小内刈りで竹内に腰を落とさせた。すぐに立ち上がった竹内を押し込む山田が、ボディロックからグラウンドに持ち込んだ。背中を着かされた竹内はバタフライガードからリバース・デラヒーバへ。左腕を差し上げてフックスイープを仕掛けるも山田が耐えた。

バタフライガードに戻した竹内が、ボトムから山田を揺さぶる。両腕を差し上げ、バタフライガードから山田の体を跳ね上げた竹内が、さらに山田の左腕に腕固めを狙う。山田が頭を押して腕を抜くと、竹内が下がりながら右腕を差して立ち上がる。山田は立ち上がった竹内をケージに押し込みながら、ボディロックから小外刈りで尻もちを着かせた。立ち上がる竹内、押し込む山田——ここで山田が離れた。竹内はケージを背負わせてシングルレッグで組み、ハイクロッチからダブルレッグに切り替えた。

シングルレッグに戻して、山田をケージに押し込みながら揺さぶるもテイクダウンはできず。ここで離れた竹内を押し込んだ山田が、さらにバックコントロールからグラウンドへ。竹内は山田の右腕を取ってキムラからリバーサルすることに成功した。すぐに腕を抜いて立ち上がる山田。竹内は右腕を差してケージへ押し込み、ツーオンワンでテイクダウンを奪った。バタフライガードの山田に対し、パスのアタックをかける竹内だが、山田がフックガードから立ち上がり、最後は小外刈りでテイクダウンを狙っていった。

僅差の内容だったが、裁定はジャッジ3者とも山田の勝利を支持。裁定を聞き驚くような表情を浮かべた山田が準決勝に進出した。

 

 

 
<ライト級初代王者決定トーナメント1回戦/7分1R>
須藤拓真(日本)
Def.1分34秒 by ヒールフック
鈴木真(日本)

須藤が低い体勢で構えた鈴木の左足にZハーフで絡む。鈴木はニースライスから須藤の左側へ飛び込むようにパスするが、すぐに正対した。鈴木は噛みつきパスへ。須藤も潜って鈴木の右足を狙うが、これは鈴木が須藤の両足を潰して防いだ。須藤は左足首を持ってコントロールしてくる鈴木に対し、リバース・デラヒーバからのキス・オブ・ザ・ドラゴンで、バックではなく鈴木の左足を抱える。さらにフィフティ・フィフティに近い形に持ち込むも、鈴木がバックを狙いに来たところで後転しトップへ。

鈴木は上半身を起こすも、すぐに須藤がKガードから左足に外ヒール。ヒザを抜く鈴木、組み直した須藤は鈴木の左足を抱えつつ、自身の右足で鈴木の右足を畳んで内ヒールで絞ると、鈴木が声を挙げたためかレフェリーが試合を止めた。

この勝利で須藤が準決勝に進出し、竹内を下した山田と対戦することとなった。

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