【写真】口ベタな一面はあるものの、そのぶん自分の意志がしっかりと伝わってくる本田だ(C)SHOJIRO KAMEIKE
21日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP109で、DEEPフライ級GP1回戦として本田良介が越智晴雄と対戦する。
Text by Shojiro Kameike
7月10日の杉山廣平戦で判定負けを喫した直後、佐伯繁DEEP代表から、敗れた本田もGP出場が確定というコメントがあった。それを受けて6日後の抽選会に参加した本田は最後に残った形で、かつてチームメイトであった越智との対戦が決定している。そんな本田に、杉山戦とGP抽選会について聞いた。
――本田選手は7月16日のDEEPフライ級GP1回戦抽選会の直前、10日に杉山選手と対戦しています。その段階でフライ級GPの話は聞いていたのでしょうか。
「はい、試合の前に聞いていました。GPに出そうかなぁ、ぐらいのレベルで。16日に抽選会があると言われたのは、試合直後だと思います。だから試合が終わって一度、福岡に帰ってから、その週にもう一度東京に行きました」
――なるほど。それ以前からDEEPフライ級GPに関しては、開催のお話が出ていました。杉山戦の前から、GPには出場したいと思っていましたか。
「オファーがあれば、なりふり構っていられない、というのが正直な気持ちですね。GPに限らず、呼ばれるのであれば出るという意識でいます」
――抽選会に呼ばれた時点では、他のGP出場メンバーについて知らされていなかったのでしょうか。
「そうですね。というか、僕自身があまり考えていなかったんですけど(苦笑)。DEEPに出ている選手はGPに出る、それ以外のプロモーションからも出るよ、っていうぐらいは聞いていました。RIZINやDEEPに出ているフライ級ファイター、あとチャンピオンやタイトルマッチ経験者が出るだろう、とか」
――では出場が確定したメンバーを知ったのは、抽選会の時だったのですね。他の選手も同じようですが。
「みんな予想はしていたと思うんですけど、抽選会場に着いてから出場メンバーを見て、『おぉ~』と思いました(笑)。反対に、僕が出るのを知って『なぜ?』と思った人もいるかもしれないですけど」
――その気持ちは、直前の試合で杉山選手に敗れていることも関係していますか。
「それもありますし、僕はタイトルマッチも経験していなくて、トップ選手に勝っているわけでもないので……」
――杉山戦が組まれた時点で、この試合がGP出場者決定戦のような意識はありましたか。
「そういう意識はなかったですね。前の試合で負けたあとにGPのオファーが来ても、GPというより試合のオファーが来たのか、と。自分の中では、そんなに深く考えていなかったです。すみません(苦笑)」
――いえいえ、我々としては試合が組まれた意味を一つひとつ考える職業なので、その深読みがファイターの意識と異なっているのも面白いです。
「一戦一戦に集中する、もともと僕がそういうタイプなんだろうなと思います。どんな試合であれ、勝たないと次はない。だから勝つしかない。そういう気持ちで杉山戦に挑んでいました」
――すると敗戦直後は……。
「まず悔しかったです。次のこととか考えずに、とにかく悔しい。次がどうなるか分からないけど、練習するしかない。真っ先に浮かんだ感情は、それでした」
――……。
「杉山戦に関してポイントほどの差はなかった、ってよく言われるんですよ。でもそれはポイントが出た結果論であって、100パーセント僕の勝ちはなかったです。どれだけ競った試合をしても、どれだけ良い試合をしても、勝敗が全てですから。ポイントほど……って言われるのは嬉しいですけど、試合をした本人からすれば勝たないと意味はないので」
――では、敗因はどこにあると思っていますか。
「ちょっと見すぎましたね。相手に付き合いすぎました。もともとガンガン行くタイプだと自分では思っているんですけど、あの試合では少し離れて淡々と、巧くやろうかなと思ってしまったというか。
杉山選手はバランスが良い、オールラウンダーです。自分がミスをしたら、そこで押し込まれるだろうなと思っていました。一番大きいのは、一発もらってしまって、僕がその印象を上回ることができなかったことですね」
――一発もらったというのは、1Rに右ショートでダウンを喫したことですね。
「はい。ダウンしてからバックを奪われた流れは、大きかったです」
――その杉山戦直後、抽選会場に着いて出場メンバーを見た時の印象を教えてください。
「……こんにちは、っていう(笑)」
――えぇっ!?
「いやいや、まだ誰と対戦するかも決まっていなかったじゃないですか(苦笑)。国内のトップ選手が集まると聞いていたので、緊張していました。やっぱり小川選手を見た時は、パンクラスの元チャンピオンも出るのかぁ、って驚きましたね」
――そこで誰と戦いたいか、抽選で誰を選ぶかということは考えたのでしょうか。
「そこは……前回の試合のことを引きづっているわけじゃないけど、負けている自分が相手を選ぶことは考えていなかったです。そこで誰とやりたいとか考えて『こうなれ、こうなれ』と思って見ているほうが疲れるじゃないですか。しかも、自分が思ったとおりにはならないし(笑)」
――アハハハ、確かにそうですね。
「だったら、誰とでも戦うっていう気持ちでいたほうが良いです。格闘技をやっていても思うのは、みんな強い。誰と対戦したいというよりも、目の前にいる相手を倒す。そういうイメージで格闘技をやらせてもらっています」
<この項、続く>
■視聴方法(予定)
8月21日(日)
午後5時40分~SPWN PPV
午後5時40分~ニコニコ生放送PPV
■ DEEP109対戦カード
<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
原虎徹(日本)
<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
安谷屋智弘(日本)
小川徹(日本)
<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
本田良介(日本)
越智晴雄(日本)
<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
渋谷カズキ(日本)
ビョン・ジェウン(韓国)
<フェザー級/5分3R>
今成正和(日本)
芦田崇宏(日本)
<ウェルター級/5分3R>
住村竜市朗(日本)
鈴木槙吾(日本)
<バンタム級/5分3R>
石司晃一 (日本)
山本聖悟(日本)
<メガトン級/5分2R>
誠悟(日本)
トーマス(米国)
<フェザー級/5分2R>
高野優樹(日本)
山本歩夢(日本)
<ストロー級/5分2R>
林豊(日本)
中村真人(日本)
<フェザー級/5分2R>
五明宏人(日本)
ゲオ・レバナ(コンゴ)
<バンタム級/5分2R>
KENTA(日本)
岩見凌(日本)