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【DEEP109】越智晴雄とのフライ級GP1回戦に臨む本田良介ー01ー「なりふり構っていられない」

【写真】口ベタな一面はあるものの、そのぶん自分の意志がしっかりと伝わってくる本田だ(C)SHOJIRO KAMEIKE

21日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP109で、DEEPフライ級GP1回戦として本田良介が越智晴雄と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

7月10日の杉山廣平戦で判定負けを喫した直後、佐伯繁DEEP代表から、敗れた本田もGP出場が確定というコメントがあった。それを受けて6日後の抽選会に参加した本田は最後に残った形で、かつてチームメイトであった越智との対戦が決定している。そんな本田に、杉山戦とGP抽選会について聞いた。


――本田選手は7月16日のDEEPフライ級GP1回戦抽選会の直前、10日に杉山選手と対戦しています。その段階でフライ級GPの話は聞いていたのでしょうか。

「はい、試合の前に聞いていました。GPに出そうかなぁ、ぐらいのレベルで。16日に抽選会があると言われたのは、試合直後だと思います。だから試合が終わって一度、福岡に帰ってから、その週にもう一度東京に行きました」

――なるほど。それ以前からDEEPフライ級GPに関しては、開催のお話が出ていました。杉山戦の前から、GPには出場したいと思っていましたか。

「オファーがあれば、なりふり構っていられない、というのが正直な気持ちですね。GPに限らず、呼ばれるのであれば出るという意識でいます」

――抽選会に呼ばれた時点では、他のGP出場メンバーについて知らされていなかったのでしょうか。

「そうですね。というか、僕自身があまり考えていなかったんですけど(苦笑)。DEEPに出ている選手はGPに出る、それ以外のプロモーションからも出るよ、っていうぐらいは聞いていました。RIZINやDEEPに出ているフライ級ファイター、あとチャンピオンやタイトルマッチ経験者が出るだろう、とか」

――では出場が確定したメンバーを知ったのは、抽選会の時だったのですね。他の選手も同じようですが。

「みんな予想はしていたと思うんですけど、抽選会場に着いてから出場メンバーを見て、『おぉ~』と思いました(笑)。反対に、僕が出るのを知って『なぜ?』と思った人もいるかもしれないですけど」

――その気持ちは、直前の試合で杉山選手に敗れていることも関係していますか。

「それもありますし、僕はタイトルマッチも経験していなくて、トップ選手に勝っているわけでもないので……」

――杉山戦が組まれた時点で、この試合がGP出場者決定戦のような意識はありましたか。

「そういう意識はなかったですね。前の試合で負けたあとにGPのオファーが来ても、GPというより試合のオファーが来たのか、と。自分の中では、そんなに深く考えていなかったです。すみません(苦笑)」

――いえいえ、我々としては試合が組まれた意味を一つひとつ考える職業なので、その深読みがファイターの意識と異なっているのも面白いです。

「一戦一戦に集中する、もともと僕がそういうタイプなんだろうなと思います。どんな試合であれ、勝たないと次はない。だから勝つしかない。そういう気持ちで杉山戦に挑んでいました」

――すると敗戦直後は……。

「まず悔しかったです。次のこととか考えずに、とにかく悔しい。次がどうなるか分からないけど、練習するしかない。真っ先に浮かんだ感情は、それでした」

――……。

「杉山戦に関してポイントほどの差はなかった、ってよく言われるんですよ。でもそれはポイントが出た結果論であって、100パーセント僕の勝ちはなかったです。どれだけ競った試合をしても、どれだけ良い試合をしても、勝敗が全てですから。ポイントほど……って言われるのは嬉しいですけど、試合をした本人からすれば勝たないと意味はないので」

――では、敗因はどこにあると思っていますか。

「ちょっと見すぎましたね。相手に付き合いすぎました。もともとガンガン行くタイプだと自分では思っているんですけど、あの試合では少し離れて淡々と、巧くやろうかなと思ってしまったというか。

杉山選手はバランスが良い、オールラウンダーです。自分がミスをしたら、そこで押し込まれるだろうなと思っていました。一番大きいのは、一発もらってしまって、僕がその印象を上回ることができなかったことですね」

――一発もらったというのは、1Rに右ショートでダウンを喫したことですね。

「はい。ダウンしてからバックを奪われた流れは、大きかったです」

――その杉山戦直後、抽選会場に着いて出場メンバーを見た時の印象を教えてください。

「……こんにちは、っていう(笑)」

――えぇっ!?

「いやいや、まだ誰と対戦するかも決まっていなかったじゃないですか(苦笑)。国内のトップ選手が集まると聞いていたので、緊張していました。やっぱり小川選手を見た時は、パンクラスの元チャンピオンも出るのかぁ、って驚きましたね」

――そこで誰と戦いたいか、抽選で誰を選ぶかということは考えたのでしょうか。

「そこは……前回の試合のことを引きづっているわけじゃないけど、負けている自分が相手を選ぶことは考えていなかったです。そこで誰とやりたいとか考えて『こうなれ、こうなれ』と思って見ているほうが疲れるじゃないですか。しかも、自分が思ったとおりにはならないし(笑)」

――アハハハ、確かにそうですね。

「だったら、誰とでも戦うっていう気持ちでいたほうが良いです。格闘技をやっていても思うのは、みんな強い。誰と対戦したいというよりも、目の前にいる相手を倒す。そういうイメージで格闘技をやらせてもらっています」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
8月21日(日)
午後5時40分~SPWN PPV
午後5時40分~ニコニコ生放送PPV

■ DEEP109対戦カード

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
原虎徹(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
安谷屋智弘(日本)
小川徹(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
本田良介(日本)
越智晴雄(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
渋谷カズキ(日本)
ビョン・ジェウン(韓国)

<フェザー級/5分3R>
今成正和(日本)
芦田崇宏(日本)

<ウェルター級/5分3R>
住村竜市朗(日本)
鈴木槙吾(日本)

<バンタム級/5分3R>
石司晃一 (日本)
山本聖悟(日本)

<メガトン級/5分2R>
誠悟(日本)
トーマス(米国)

<フェザー級/5分2R>
高野優樹(日本)
山本歩夢(日本)

<ストロー級/5分2R>
林豊(日本)
中村真人(日本)

<フェザー級/5分2R>
五明宏人(日本)
ゲオ・レバナ(コンゴ)

<バンタム級/5分2R>
KENTA(日本)
岩見凌(日本)

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DEEP DEEP109 DEEPフライ級GP Interview MMA MMAPLANET o RIZIN YUKI コナー・マクレガー ボクシング 五明宏人 今成正和 伊藤裕樹 住村竜市朗 原虎徹 安谷屋智弘 宮城友一 小川徹 山本歩夢 山本聖悟 本田良介 渋谷カズキ 石司晃一 福田龍彌 藤田大和 誠悟 越智晴雄 関原翔

【DEEP109】フライ級GP1回戦で原虎徹と激突、伊藤裕樹「体のポテンシャルを極限まで使いこなす」

【写真】7月16日のGP1回戦抽選会にサングラス着用で臨んだ伊藤。インタビューでは意外な一面も発覚した。(C)MMAPLANET

21日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP109から、DEEPフライ級GPがスタートする。そのGP1回戦で、伊藤裕樹と原虎徹の対戦が決定した。
Text by Shojiro Kameike

昨年9月、藤田大和に敗れて暫定フライ級王座を獲得できなかった伊藤。その後、RIZINではKO勝ちを収めるも、DEEPでは福田龍彌に敗れている。以降は2連勝を収めている伊藤の中で起こった大きな変化とは? さらにGPとDEEPへの想いを語ってくれた。


――2022年に入り、ハードスケジュールで試合に出場していますね。次の原虎徹戦が今年4戦目となります。

「今年は2月(福田龍彌にTKO負け)、5月(関原翔に判定勝ち)、7月(宮城友一にTKO勝ち)に試合しています。それと去年も4試合やっていますね」

――2年連続で年4試合というのは、MMAだと珍しい試合ペースかと思います。怪我など体に負担はないですか。

「ところどころ痛い箇所はありますけど、それは試合に向けた調整の中で何とかして、試合に出ていますね。今まで大きな怪我の経験はないです。拳を骨折したこともなくて」

――それは骨が丈夫なのか、あるいは打ち方や動きに気をつけているのか……。

「両方だと思いますよ(笑)。丈夫だし、練習でも気をつけています。よく試合に向けてガチスパーをやったりするじゃないですか。僕はなるべくガチスパーをやらないようにしているんですよ。怪我が怖いので」

――すると打撃は、基本的なフォームの練習やミットなどのほうが多いのでしょうか。

「そうですね。僕の場合は、ガチスパーをやって良いことってないんです。ダメージが溜まるし、次の日に頭が痛くなるのも嫌で。試合の時にガチになればいいかなって、アハハハ」

――試合の中でも緩急、オンとオフの使い分けが巧いですよね。試合運び自体もそうですし、打撃も長いストレートと短いパンチの緩急が印象深いです。

「常に冷静に試合をしようと意識しています。すると、試合の中で無意識に体が動いてくれることもあって。ガンガン行くばかりじゃなく、その緩急があるから相手もやりにくくなるじゃないですか。そこは自分の強みでもあると思いますね。

僕は昔からボクシングをやっているんですけど、中学校からはBOXMANの福澤朗さんというトレーナーに教わっていて。そのトレーナーさんから、僕は近い距離で打ち合うよりも遠い距離で当てて、また動いて――っていうアウトボクシングスタイルが合うと言われたんですよ。それ以来、ずっとボクシングは福澤さんに教わっています」

――パンチはインパクトの瞬間だけ強く当てる形ですか。

「そうです、そうです。タイミングがすごく大事なので。コナー・マクレガーのように、タイミングで当てて、インパクトの時だけ強く。だから拳にも負担はかからず、怪我もしにくいんだと思いますね」

――7月の宮城戦はRIZINでしたが、この試合はDEEPフライ級GPに出場することが決まっているうえでの出場だったのでしょうか。

「RIZINに出る時には、もうDEEPフライ級GPの話は聞いていました。もともとフライ級GPはRIZINでやるっていう話もありましたからね。それが7月のRIZINが近くなった頃に、DEEPでやることが確定して。佐伯さんからもRIZINで勝ったらDEEPフライ級GPに出てほしいと言われました」

――正直なところ、7月にRIZINで試合をして、8月か9月にGP1回戦に出るのはキツくないですか。

「もちろん簡単なことじゃないですよ。国内でいえば、やっぱりRIZINが一番大きなプロモーションじゃないですか。だからRIZINに出たいっていう気持ちが強かったです。でも僕はDEEPに育ててもらったので、育ててもらったところに恩を仇で返すようなことはしたくなくて。もうRIZINにしか出ない、DEEPのフライ級GPに出たくないっていうのは、筋が違うと思いました。

それに、せっかく自分の階級で大きなトーナメントが開催されるなら、そこで優勝したほうが自分に箔が付きますし。あとは……たくさん試合をすれば、それだけ稼げるので(笑)。僕は試合が決まれば、ドンドン出たいです」

――それがRIZINであれDEEPであれ、フライ級GPの話を最初に訊いたのは、いつ頃のことでしょうか。

「5月の試合前ですかね。関原翔選手との試合で、勝ったほうがトーナメントに出られますよ、みたいなことを言われて。おっ、マジすか!? みたいな感じでしたね(笑)。自分としては、出ます出ます、って」

――同じフライ級GPでも、RIZINで開催されるのとDEEPで行われるのでは、何か変わってきますか。

「リングとケージで大きく変わってきますよね。全く別モノじゃないですか。僕はケージのほうが好きです。壁際の攻防ができるので。ただ……RIZINのほうが勝率は良いんですよ(苦笑)」

――確かに過去の敗戦は全てDEEPで、しかもケージの試合でした。

「その理由は自分でも分からないんですよ。たぶん打撃主体の選手は、リングのほうがやりやすいと思います。テイクダウンに来てもスプロールするのに、リングから外へ足を出しちゃえば、相手もそこから押し続けることができないし。でもケージは、壁に押し込まれたところから、また別の展開が始まるので。僕は、どちらかといえばケージ際の攻防のほうが好きなんです。だから――なぜでしょうね(苦笑)」

――直近の2敗……昨年9月の藤田大和戦、そして今年2月の福田戦については、どのように捉えていますか。

「やっぱり負けたのは悔しいけど、3年前に初めて負けた試合があるんですよね」

――2019年12月、鮎田誠戦で判定負けを喫しています。

「昔は格闘家として、負けることが本当に嫌でした。あの頃は、もう負けたから格闘技はやりたくない、そんな気持ちもあったんですよ。

でも――確かに勝敗は大事だけど、一度負けたからって格闘家としての人生が終わるわけじゃなくて。負けたとしても自分の中で心の整理ができていれば、プラスになっていくんじゃないかと思っています。

負けたからこそ自分の弱点も分かるし、直さなイカンところも出てきたので。それも全て経験ですよね。それに、もうこれ以上は負けないと思うので。あれは貴重な2敗ですよ」

――その2敗を経て、何か新しく取り組んでいることはありますか。

「福田戦のあとから、体の使い方を見直そうと思って新しいトレーニングを取り入れました。そのおかげで、しなやかさは上がってきたなと思います。技術というよりも、自分の体のポテンシャルを極限まで使いこなすことができるトレーニングをやって、自分でも成果は実感していますね」

――そうでしたか。先ほど壁際の攻防が好きだと言われていましたが、それは組んで押し込まれてからの攻防かと思います。一方、関原戦では足運びなどによって、組まれる前に対処できていたように見えました。

「あぁ~、そうですね。ありがとうございます(笑)。このトレーニングを取り入れてから、試合をするのも楽になってきましたね。もちろん試合自体はエライけど、体の可動域が増えることによって、試合運びもやりやすくなったんですよ」

――その分、さらに怪我をするケースも減るでしょう。

「そう思います。やっぱり練習でも試合でも怪我をしないことが、連戦できる秘訣なので」

――なるほど。DEEPフライ級GPの話に戻りますが、まず出場メンバーを見た時の印象から教えていただけますか。

「凡そのメンバーは聞いていましたけど、抽選会場に行くまでは誰が出るか、確かなことは分からなくて。誰がおるんだろう、ってワクワクしながら会場に行きました。実際、国内のフライ級では本当に良い選手が集まりましたよね。ただ、僕って結構ビビりなので、みんな強く見えるんですよ(苦笑)」

――えっ、それは意外です。

「アハハハ。よく他の選手の試合を見るんですけど、みんな強いなぁってビビッちゃいます。なかには対戦したくない選手もいますよ(笑)。とりあえず今回のGPは、福田選手が出てくれたので良かったです。もう他の選手のことは一旦置いて、トーナメント決勝で福田選手を倒してやろうと思いました」

<この項、続く

■視聴方法(予定)
8月21日(日)
午後5時40分~SPWN PPV
午後5時40分~ニコニコ生放送PPV

■ DEEP109対戦カード

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
原虎徹(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
安谷屋智弘(日本)
小川徹(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
本田良介(日本)
越智晴雄(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
渋谷カズキ(日本)
ビョン・ジェウン(韓国)

<フェザー級/5分3R>
今成正和(日本)
芦田崇宏(日本)

<ウェルター級/5分3R>
住村竜市朗(日本)
鈴木槙吾(日本)

<バンタム級/5分3R>
石司晃一 (日本)
山本聖悟(日本)

<メガトン級/5分2R>
誠悟(日本)
トーマス(米国)

<フェザー級/5分2R>
高野優樹(日本)
山本歩夢(日本)

<ストロー級/5分2R>
林豊(日本)
中村真人(日本)

<フェザー級/5分2R>
五明宏人(日本)
ゲオ・レバナ(コンゴ)

<バンタム級/5分2R>
KENTA(日本)
岩見凌(日本)

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DEEP DEEP109 DEEPフライ級GP MMA MMAPLANET o ONE RIZIN 五明宏人 今成正和 伊藤裕樹 住村竜市朗 原虎徹 安谷屋智弘 小川徹 山本歩夢 山本聖悟 本田良介 渋谷カズキ 石司晃一 誠悟 越智晴雄 関原翔

【DEEP109】フライ級GP1回戦は本田良介との盟友対決、越智晴雄ー01ー「誰とやっても勝つ」

【写真】越智のプロデビューは2008年、GP出場者の中で安谷屋智弘と並び最もキャリアは長い(C)SHOJIRO KAMEIKE

21日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP109で、DEEPフライ級GPがスタート。越智晴雄と本田良介が1回戦で対戦することとなった。
Text by Shojiro Kameike

7月16日に行われた抽選会で、かつてCAVEで練習を共にしていた2人の対戦が決まった時、会場には重い空気が流れている。そんな盟友対決を前に越智は、意外な事実を明かしてくれた。今年2月、関原翔に判定負けを喫してから考えていたこと。そしてDEEPフライ級GPへの想いを訊く。


――DEEPフライ級GPの具体的なお話を、最初に聞いたのはいつ頃でしょうか。

「6月ぐらいだったと思います。その頃にDEEPでフライ級のトーナメントをやるということを聞きましたけど、まだ具体的な話や正式なオファーはなかったですね。実は、僕はストロー級に戻すことも考えていたんですよ」

――いきなり意外なお話ですね。

「自分としてはストロー級でもいいし、フライ級GPのオファーがあれば出る、という感じだったんです。そこにフライ級GPのオファーが来たので、受けることにしました」

――なぜ一旦はストロー級に戻そうと考えたのですか。

「ベルトが欲しいからです。もともと、いずれ地元の愛媛県に戻ろうと考えていて。チャンピオンになって地元でジムを開きたい。そう思った場合に、ストロー級のほうがチャンスはあるのかなと」

――現役選手として地元でジムを開くということでしょうか。それとも……。

「あぁ、引退とかではないです。最初は引退してから愛媛に帰るつもりでした。それは上京した時から。ただ、いろんな方からアドバイスを頂きまして。現役のチャンピオンとしてジムを開くほうが宣伝しやすいし、みんなも応援してくれるんじゃないかということで、そういう計画を立てることにしました」

――現役チャンピオンが指導するジム、というキャッチコピーは大きいですよね。ただ、東京……特に現在所属しているCAVEと比べた場合、練習環境として不安はないですか。

「環境に関しては全然違いますけど、そこは仕方ないですね。地元でお世話になっていたパラエストラ愛媛の若い選手たちと練習しながら、自分も指導しつつ現役として続けていきたいと思います」

――今年2月、関原翔選手に判定で敗れています。この内容と結果で、DEEPやRIZINのフライ級王座は遠のいたと感じますか。

「そうですね。フライ級でベルトを獲るためには、また何試合も勝ち上がらないといけないと思いました」

――もともと越智選手はストロー級で戦っていました。それが2020年にDEEPストロー級のベルトを失ってから、2021年からフライ級に転向しています。

「やっぱり自分のナチュラルな体重を考えたら、適正階級は間違いなくストロー級ですよね。でも、もちろん組み力もストロー級の選手とフライ級の選手では違いますし。それは練習でも試合でも分かっていました。

ただ、RIZINでもDEEPでもフライ級が盛んでしたから。特にRIZINでストロー級は難しいようだったので、自分もフライ級で試合をしていたという経緯はあります」

――現在はストロー級の主要選手がONEに出ているため、国内プロモーションの動きが活発ではありませんでした。

「はい。そのストロー級よりはフライ級のほうが選手も多いですし。でも何戦か経験してフライ級の選手は、ストロー級の時と比べてテイクダウンするのが難しい場合もありましたね」

――関原戦では2Rに得意のギロチンを仕掛けたものの、極めることはできませんでした。あのギロチンも、いつものような攻めではなく守りであったように見えました。

「ギロチンは階級が上の選手でも極まるんですけど、まぁ……そうですよね。どちらかといえば、ギロチンに行っちゃったという感じでした」

――その関原戦を経て、フライ級GP参戦が決まりました。GPの出場メンバーを聞いたのは、いつ頃のことでしょうか。

「メンバーを聞いたのは、最後の最後ですね。抽選会の時に、誰が出るかを知りました。メンバー全員が、そうだったと思いますよ。それまでは予想ぐらいしかしていなかったです。

抽選会に行ったら、予想とは違う選手もいました。もっとDEEPの若手が出て来ると思っていたんですけど、松場さんや小川さんとか、他のプロモーションに出ていた選手もいて」

――そういった出場メンバーを見て、もう一度ベルトを獲るために……と考えた場合、ご自身はどれぐらいのポジションにいると思いましたか。

「うーん……、どうなんでしょうね。ただ、試合に出るかぎりは勝つ気しかないし、トーナメントに出場するうえでは優勝することしか考えていないです。

強いメンバーばかりが集まったと思います。弱い選手は一人も出ていない。誰と当たっても厳しい試合になることは間違いないですよ。でも、誰とやっても勝つつもりでいないと、最初からトーナメントに出ていないので」

――なるほど。今回のフライ級GPの面白さの一つに、これまで対戦経験のない選手が多いという点が挙げられます。

「そうなんですよね。今まで対戦したことがあるのは、渋谷さんと島袋さん、あと村元さんぐらいです。初対戦になる選手も多いことに対しては特に何も思っていなくて。でも、どちらかといえば再戦はやりたくないので、良かったです。まさか本田さんと対戦することになるとは思っていなかったですけど(苦笑)」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
8月21日(日)
午後5時40分~SPWN PPV
午後5時40分~ニコニコ生放送PPV

■ DEEP109対戦カード

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
原虎徹(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
安谷屋智弘(日本)
小川徹(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
本田良介(日本)
越智晴雄(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
渋谷カズキ(日本)
ビョン・ジェウン(韓国)

<フェザー級/5分3R>
今成正和(日本)
芦田崇宏(日本)

<ウェルター級/5分3R>
住村竜市朗(日本)
鈴木槙吾(日本)

<バンタム級/5分3R>
石司晃一 (日本)
山本聖悟(日本)

<メガトン級/5分2R>
誠悟(日本)
トーマス(米国)

<フェザー級/5分2R>
高野優樹(日本)
山本歩夢(日本)

<ストロー級/5分2R>
林豊(日本)
中村真人(日本)

<フェザー級/5分2R>
五明宏人(日本)
ゲオ・レバナ(コンゴ)

<バンタム級/5分2R>
KENTA(日本)
岩見凌(日本)

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DEEP MMA MMAPLANET o RIZIN 伊藤裕樹 修斗 原虎徹 宇田悠斗 安谷屋智弘 小川徹 島袋チカラ 平良達郎 本田良介 杉山廣平 村元友太郎 松場貴志 渋谷カズキ 福田龍彌 竿本樹生 越智晴雄 風我 駒杵嵩大

【DEEP】フライ級GP、最後の1人=Xが決定!! 修斗フライ級王座を目指していた宇田悠斗が、DEEPを直撃!!

【写真】ある意味、退路を断った選択をした宇田。注目せざるを得ない (C)MMAPLANET

1日(月)、DEEPより21日(日)に開幕するDEEP東京都中野区のフライ級GP最後の出場選手が、宇田悠斗になったことが発表された。

7月16日に中野サンプラザ15階スカイルームで1回戦対戦カード決定抽選会が行われ、島袋チカラと9月11日のニューピア・ホール大会で対戦する選手のみXとされていたが、本日のプレスリリースで宇田に決まった。


竿本樹生、伊藤盛一郎らとともにGP出場が期待された宇田が最後の枠に収まり、しかも修斗期待のファイターということで今回のGPがさらにグレードアップされたといっても過言でない。

愛媛県宇和島市出身、修斗ライト級戦線では平良達郎に続くホープとして注目される宇田は3月にRIZINで竿本に判定負けし、プロ6戦目で初黒星を喫し、再起戦が初出場のDEEPとなった。

元KOP小川徹の参戦とは別に、修斗王座を目指す過程にある宇田の参戦により、これからの8カ月間――DEEPフライ級戦線がJ-MMA界56キロの戦いの中心になることがより明白になった。

■DEEPフライ級GP1回戦対戦カード

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
渋谷カズキ(日本)
ビョン・ジェウン(韓国)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
安谷屋智弘(日本)
小川徹(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
本田良介(日本)
越智晴雄(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
原虎徹(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
福田龍彌(日本)
杉山廣平(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
駒杵嵩大(日本)
松場貴志(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
村元友太郎(日本)
風我(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
島袋チカラ(日本)
宇田悠人(日本)

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【DEEP】フライ級GPに小川徹参戦!1回戦対戦カード決定!


RIZINでやらなきゃDEEPがやる。そんな佐伯繁代表の心意気で動き出したDEEPフライ級GP。その出場選手及び1回戦の組み合わせが抽選の末に決定しました。

8月21日の後楽園ホール大会、9月11日のニューピアホール大会で1回戦各4試合を実施。11月の後楽園大会、12月のニューピア大会で2回戦。来年2月に準決勝、4月に決勝という長丁場。冠スポンサーの宗明建設から優勝者には賞金300万円が贈呈されるとの事。

神龍誠、藤田大和という現在進行形の王者経験者の欠場。残念ではありますが、8ヶ月も拘束されるとUFCやRIZINへの出場にも影響するわけで致し方なしでしょう。

そんな中、サプライズだったのはパンクラスを主戦場にしている小川徹(TRIBE TOKYO MMA)の参戦。王者経験者にしてフライ級ランキング2位につけている正真正銘の実力者です。おまけに佐伯代表と和解した長南亮が代表を務めるTRIBE TOKYO MMA所属というのも因縁めいていて面白いじゃありませんか。そんな小川も含めた1回戦の対戦カードは次の通りです。


【8月21日 後楽園ホール】
渋谷カズキ(高本道場)

ビョン・ジェウン(フリー)

安谷屋智弘(氷ヲ刻メ/池田道場)

小川徹(TRIBE TOKYO MMA)

本田良介(CAVE)

越智晴雄(パラエストラ愛媛)

伊藤裕樹(ネックスイチムエ)

原虎徹(CAVE)


【9月11日 ニューピアホール】
福田龍彌(MIBURO)

杉山廣平(SPLASH)

駒杵嵩大(FIGHT BASE都立大)

松場貴志(パラエストラ加古川)

村元友太郎(ALIVE)

風我(フリー)

島袋チカラ(CORE)

調整中


福田、伊藤、松場、村元らRIZIN参戦経験者とパンクラスからの刺客・小川がトーナメントの軸になりそう。ここからキラリと光るニューフェイスの台頭なるか。そういう点で見ると非常に興味深いトーナメント。誰が抜け出してくるのか注目です。
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【DEEP】フライ級GP出場者、初戦への意気込み。「ヒジ有り、サッカーボール有り、本番無し」(松場貴志)

【写真】 トーナメント勝ち残りだけでなく、個々の試合が非常に楽しみなスタートとなるフライ級GP(C)MMAPLANET

16日(土)、東京都中野区の中野サンプラザ15階スカイルームにてDEEPフライ級GPの1回戦対戦カード決定抽選会が行われ、本日18日(月)よりDEEP公式YouTubeチャンネルで公開されている。

ここでは会見に出席した全15選手の初戦に対する意気込みをお伝えしたい。


ビョン・ジェウン
「こんにちは。ビョン・ジェウンです。こんなに大きなトーナメントに参加できるから、本当に嬉しいです。韓国と日本のフライ級で私が一番強い選手だと思います。今回のトーナメントに勝利したいです。楽しみにしてください。ありがとうございました」(※全て日本語で)

渋谷カズキ
「最初にDEEPの佐伯代表にこのような機会を設けて頂き感謝申し上げます。ビョン選手は去年の2月に社会情勢により来日できずに、私が藤田選手と暫定王座決定戦の代役を引き受けたんですけど、運命的なモノもあるのかなと思っております。ビョン選手が先ほど『韓国と日本で一番強いフライ級は自分じゃないか』ということを仰っておられたので、そんな選手と……一番強い選手と戦える8月21日をとても楽しみにしております。ビョン選手、宜しくお願いしま~す」

小川徹
「今までずっとパンクラスに出ていて、今回DEEP初参戦なのでとても楽しみにしています。

フライ級トーナメントということも楽しみに、DEEPで試合をしたいと思います」

安谷屋智弘
「このトーナメントに全てを賭けて挑みたいと思います」

越智晴雄
「ちょっと選択肢がなかったので選べなかったんですけど、皆さん凄く強い選手ばかりが出ているので。まぁ、伊藤選手とやりたいと思っているので、そこまでも自分も勝って。でも伊藤さんの相手、強いので上がって来るか分からないですけど、まぁやりたいと思います」

本田良介
「僕も選択肢がなかったんですけど、出た以上は皆とうやるという気持ちで。今日も誰とやりたいとかっていう気持ちはなく来たので。とにかく決まった越智選手にしっかりと勝って生き残っていきたいと思います」

原虎徹
「僕は連敗中なので、失うモノは何もないので伊藤選手のような強い選手とやれて嬉しく思います。

勝って行って優勝できるよう頑張るので応援よろしくお願いします」

伊藤裕樹
「原虎徹選手は多分、越智晴雄選手に僕の倒し方を習っていると思うので当日はバチバチに盛り上げたいと思います」

杉山廣平
「9月にやりたいと思って、ちょうど空いていたというのもあるんですけど、福田選手とはずっとやりたかったので凄くラッキーでした」

福田龍彌
「DEEPに来てからというモノ、本当に楽しい格闘技ライフを送れていて。ホンマにこのトーナメントにも感謝しています。もうホンマに15人、皆とやりたいぐらいに思っています」

松場貴志
「今回フライ級トーナメントに呼んでいただき光栄に思います。駒杵選手に当たりましたが、しっかり必殺技考えてきています。ちょっと使えるかどうか、ルール的に微妙なんですが──フライ級トーナメントって5分3R、本番──あっ、スミマセン。間違いました。ヒジ有りでしたっけ? (ヒジは全部有ります──佐伯代表) ヒジ有り、サッカーボール有り、本番なし。ヒジ有りなら必殺技、使えそうです。楽しみにしていてください」

駒杵嵩大
「フライ級トーナメント、参加させていただいてありがとうございます。凄い癖のある選手なんですけど、気を抜かずに勝ちに行こうと思っているので。応援、宜しくお願いします」

村元友太郎
「RIZINではなく、このDEEPに日本最強のフライ級が集まるということでこっちを選びました。見たメンバーも本当に日本のトップの集まりだなって思って。ここを制して、日本で一番になり勝負を終えたいと思います。楽しみです。風我選手も昨日、試合映像をたまたま見ていて、あぁ良い選手だなと思って。ちょうど相手いたんで、とりあえずお願いすることにしました。ホント、噛み合うと思うんで5分3R激しい試合になると思います」

風我
「凄い格上の相手とやることに、凄いワクワクしているんですけど、ここを倒してしっかり有名になれるように頑張りたいんで応援よろしくお願いします」

島袋チカラ
「佐伯さん、チャンス頂きありがとうござます。自分は今対戦相手が決まっていない状況なんですけど、楽しみにしようと思っています。見たところ、僕だけ40代で若くて強い選手が集まって良いなぁと、凄くワクワクしています。ただ年齢はただの数字で、僕は全盛期を迎えていないので──強くなっっているので。1戦、1戦しっかりと戦って最後に頂に立てるようにしますのでよろしくお願いします」

■DEEPフライ級GP1回戦対戦カード

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
渋谷カズキ(日本)
ビョン・ジェウン(韓国)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
安谷屋智弘(日本)
小川徹(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
本田良介(日本)
越智晴雄(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
原虎徹(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
福田龍彌(日本)
杉山廣平(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
駒杵嵩大(日本)
松場貴志(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
村元友太郎(日本)
風我(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
島袋チカラ(日本)
X(──)

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【DEEP】フライ級GP抽選会。隠し玉は前KOP小川徹。福田✖杉山が潰し合い、越智✖本田の盟友対決も

【写真】8カ月の長丁場、日本のフライ級はDEEPが中心の回るようになる──のか (C)MMAPLANET

16日(土)、東京都中野区の中野サンプラザ15階スカイルームにてDEEPフライ級GPの1回戦対戦カード決定抽選会が行われ、本日18日(月)よりDEEP公式YouTubeチャンネルで公開されている。

まず出場16人中、15人が決定し残りの1人はXとされるGP出場選手=抽選会参加者は以下の通りだ。

安谷屋智弘
伊藤裕樹
小川徹
越智晴雄
駒杵嵩大
渋谷カズキ
島袋チカラ
杉山廣平
原虎徹
風我
福田龍彌
本田良介
ビョン・ジェウン
松場貴志
村元友太郎

そう今回のGPの隠し玉=他団体のタイトル戦経験者とは元フライ級KOP小川徹だった。かつてJ-MMA界の親子関係と称されたながら、近年は人間関係がこじれてしまっていた佐伯繁代表と長南亮氏の雪解け──愛弟子のGP出場は嬉しい限り。そして「ウチは出たいという選手の意志を尊重する」という長南氏の言葉が実証されたことになる。

RIZINとの兼ね合いで出場を控える可能性もあると見られていた伊藤と村元が揃ってトーナメントに参加するのは朗報だ。その一方で5月の王座統一戦で敗れた藤田大和と柴田モンキー有哉は負傷を理由に参加しないことが佐伯代表から説明された。


何れにせよ実力者が揃ったGPは既報の通り、全試合が5分✖3R制となり、8月21日の後楽園ホール大会で4試合、9月11日のニューピア・ホール大会で4試合が組まれる。

再度抽選で顔合わせが決まる準々決勝は11月の後楽園(場合によっては12月のニューピアと振り分け)、準決勝は来年2月、4月に予定される決勝戦は「神龍誠選手がUFCにステップアップし、タイトル返上となればタイトル戦の可能性もある」(佐伯代表)とのこと。またGPウィナーには賞金300万円が宗明建設より贈られる。

今回の抽選は安谷屋、松場、ビョンがリモート参加で、まずは佐伯代表と全選手がDEEP抽選会名物のじゃんけんを行い、勝った選手、あいこの選手、負けた選手同士が改めてジャンケン。

勝った順からトーメント枠を選択する権利を持つ番号の書かれた封筒を選ぶ──という手法が取られた。

結果、1番を当てた島袋は9月枠、しかもXの相手を選択する。続いて福田龍彌から駒杵、風我と9月大会を選んだ。ここで5番目の村元が風我を選び、対戦が成立する。

6番目の伊藤は8月枠を選んだが、7番=リモート参加の松場がまた面倒くさいことを言いだし、動画の枠を稼ぐという手段に出る。「駒杵選手とやりたいのですが、オーソですか、サウスポーですか?」とZOOMで尋ねる松場に対し、駒杵は素直に「オーソです」と答え、駒杵✖松場田決定した。

抽選会場に緊張感が走ったのが、8番手・杉山が福田の隣を選んだ瞬間だった。

ここに1回戦の目玉カードが生まれた。9番の渋谷は8月枠、直後のビョンはその渋谷との戦いを望み、11番の原は伊藤の対戦相手を自らの意志で買って出た。

残るは8月大会の2試合のみ──抽選会場にいたCAVEの遠藤マネージャーの顔がこわばる。というのも残る4選手のうち、越智と本田は所属こそパラエストラ愛媛と元CAVEで現フリーであっても、チームCAVEといえる練習仲間だ。

そして12番の安谷屋が残るC対D、E対Fの枠でCをチョイする。続いて13番を引いた小川が、その横のDに収まった。

結果、14番の本田と15番の越智には選択権はなく──両者の1回戦が決まり、非常に重い空気に。

この両者、待ち合わせをするわけでもなく抽選開始前に中野でばったり顔を合わせ、そのまま会場にやってきたそうで「あの時から、そんなこともあるかもという気がした」と越智と本田は抽選会を振り返った。

一方、小川は練習仲間対決に関して全く意識しておらず、永遠のTRIBE TOKYO MMAのチームメイトである故・秋葉尉頼さんの最後の相手が安谷屋だったため、対戦を望んだとのことだった。

気になるXは、交渉中で2~3週間で決まるとのこと。

トーナメントの盛り上がりを考えると同時に、ファイターとして強さを追求する姿勢を求めるという側面からも、団体間の関係もあるだろうが──Xには竿本樹生、宇田悠斗、伊藤盛一郎の何れかに名乗りを挙げてほしいところだ。が、果たして……正式発表を待ちたい。

■DEEPフライ級GP1回戦対戦カード

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
渋谷カズキ(日本)
ビョン・ジェウン(韓国)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
安谷屋智弘(日本)
小川徹(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
本田良介(日本)
越智晴雄(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
原虎徹(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
福田龍彌(日本)
杉山廣平(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
駒杵嵩大(日本)
松場貴志(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
村元友太郎(日本)
風我(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
島袋チカラ(日本)
X(──)

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【DEEP】フライ級GP 16人参加で開催決定!

DEEPの公式Twitterによると、かねてから開催が検討されていたDEEPフライ級GPが16人参加で開催する事が正式にリリースされました。以下はツイート原文のまま。

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DEEPフライ級GPを16人参加で開催する事が決定しました。8月21日と9月11日に一回戦を行います。現在10選手が内定、今週末のTDCホール大会の結果をふまえて最終で決めさせていただきます。
------------

RIZIN.36で勝利した伊藤裕樹も出場を直訴していただけに、藤田大和らRIZIN出場組も参戦して豪華なラインナップになりそうな予感。出場選手と組み合わせの発表が待たれます。
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【DEEP108】教えて、佐伯さん─02─「なぜ本田✖杉山が2回戦?」「ユータ&ロック✖漢・中村大介の背景」

【写真】両者の対戦が決まった経緯を聞くと、さらに注目度が高まる中村大介✖ユータ&ロックだ(C)MMAPLANET

10日(日)、東京都文京区のTDCホールでDEEP108を主宰する佐伯繁代表インタビューPart.02。

潰し合い上等の勝負論だらけのマッチメイクが目立つ今大会において、力もあって上に行く可能性の高い選手の潰し合いがなぜ生じるのか。また、ある程度の実績残している実力者の顔合わせが、どうして2回戦なのかを尋ね──、ユータ&ロック✖中村大介という注目カードが決まった背景を話してもらった。

<佐伯繁インタビューPart.01はコチラから>


──そういう厳しいカード、典型的なのか雅駿介選手と海飛選手の顔合わせです。良い試合です。

「そうですねぇ(笑)。正直を言えば、海飛選手に関してはPOUNDSTORMでの試合が結構厳しいと思っていたんです。相手の鈴木崇矢選手が高校生で評判の良い選手で、当て感があった。でも終わってみれば完勝、KO勝ちできました。海飛選手もFKTで優勝したけど、プロになってからは2敗して順風満帆ではなかったです」

──ポテンシャルはあっても。

「ハイ。だから、簡単じゃないって自分でも分かっていると思います。雅選手もデビュー戦に勝ったけど、その後に負けが続いた。大阪でやっと勝てて。本当に厳しい戦いを続けていますよね」

──トントントンと行けそうな選手たちが、潰し合っている。

「ニューピアの大会だと、育てるマッチメイクもまだできます。でも後楽園ホールに出る選手は、どうしてもきついマッチメイクになりますよ。今回のTDCもそうですし、後楽園ホールの大会に選ばれて出場するというのはそういうことになります」

──厳しさついで言うと、本田選手と杉山選手のフライ級が2回戦でこの位置で行われる。この試合が3回戦でないのは勿体なさすぎます。

「アハハハハ。それねぇ、今、こうやってカードが揃うと3回戦にしたかったですよ。でもね、ぶっちゃけていうとマッチメイクが先に確定してしまって……。それから上の方で組もうと思っていた試合が2、3枚あったんですよ。だから2回戦にした。結果、その用意していた札が切れなくなったけど、もう何ともならない。新宿FACEだったらメインです。でもTDCホールで戦いたい気持ちもあるだろうし」

──その通りですね。それでも勿体ない(笑)。

「だって5分3R制の試合が15試合も並ぶと、見ている方も集中力を保てないですよ。お目当ての選手の試合が終わると、お客さんも帰ってしまいます。現実的に考えても、3回戦で組みたい試合も後楽園では時間も限られているし、何ともならない部分があるんです。でも今、思えば……3回戦でっていう風に考えちゃいますね(笑)。

と同時にですね、そこを指摘してくれるのは有難いですよ。選手にとっても、そういう評価があるんだってことですし。そういう通が好む試合をGPをきっかけにして、広く知ってもらいたい。そういう想いではいます。

だいたい僕はね、フライ級GPは去年からやりたいと思ってきたんですよ。でも、RIZINがやるみたいなことを言った時期があったので様子を見る必要が出てきた。RIZINでフライ級のトーナメントをやるのか。それともフェザー級なのか、あるいは女子なのか。正式決定まで時間が掛かる状態になっていたので……どうしてもTDCホールでフライ級GPの開幕戦を組むことができなかった。

それに本田選手と杉山選手に関しては、GPまでの流れをつくるうえでもっと前に組んでいて良かったかもしれないけど、両者の体調の問題もあって今回のTDCホールにタイミングが合ったんですよ。現状では両者の上に福田龍彌選手、伊藤裕樹選手たちがいます──序列的には。そういうなかで上がってくためには、試合をしていかないと。DEEPのフライ級は層が厚いですからね」

──待っていては上にはいけないということですね。フライ級GPに関しては、そろそろ正式発表があると踏んで……ここからは上の3試合についてお伺いしたいです。

「ユータ&ロック選手ですね、まずは(笑)。強さは誰もが認めていると思います。同時に地味でエンターテイメント性が少ない。一本勝ちもなかなかない。加えて『強いけど、あまり試合をしないね』という評判もある。そういう面も含めて、魅力的なんですよ。ただし、誰が対戦を受けてくれるかなというのはありました」

──幻の日本最強は皆に嫌がれると。

「ハイ。スタイル的にも抑え込まれて終わってしまう可能性がありますし」

──そこで中村大介選手だったのですね。

「ハイ、TDCでユータ&ロック選手が戦うとなった時に、すぐに中村選手の名前と顔が頭に浮かびました。正直言って、ユータ&ロック選手に対して何か仕掛けられる選手が、他に思い浮かばなかったです。それにユータ&ロック選手にとってオイシイ試合にもなります。だって、この試合に勝つと誰もが注目せざるを得ない状態になりますからね」

──中村選手に勝てば、これはもうタイトルンコンテンダーとして一目置かれます。

「そこはですね……ウチのチャンピオンがRIZINのチャンピオンなんで(苦笑)。まぁ、どういう風になっていくのか。そこでいえば、ユータ&ロック選手もRIZINフェザー級のなかに入り込む可能性も大きくなるでしょうしね。勝ち進めば、RIZINだってエイターテイメント性とか言えなくなってきますし」

──佐伯イズムじゃないですか。どれだけ注文をつけようが、結果を残した選手にはチャンスを与える。

「アハハハ。ただねぇ、今回に関しては中村選手もあまりユータ&ロック選手のことを知らなくて。で、オファーをした時に調べたようで。ちょっとヤバいと思ったんじゃないですかね、いつも二つ返事の中村選手が了承するまで少し時間がありました」

──いやぁ、興味深い!!

「それでも中村大介は受けるんです。ここから『前に進むためには』と」

──漢です。

「本当に戦い辛い相手だと思います。ただ試合に出ていないことでユータ&ロック幻想が大きくなりました。しかし、僕自身は前回の試合から期間があいているからどうなんだろうと疑ってはいたんです。そうしたら金原徳正選手から『摩嶋(一整)戦前に対策練習で、ユータ&ロック選手と練習していた』と聞いて……。準備もできてるじゃん。

こりゃあ、本当だと(笑)。できる選手じゃんってなったわけですよ」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
7月10日(日)
午後2時30分~SPWN PPV
午後2時30分~ニコニコ生放送

■ 対戦カード

<DEEPライト級選手権試合/5分3R>
[王者] 大原樹理(日本)
[挑戦者] 石塚雄馬(日本)

<ライト級/5分3R>
北岡悟(日本)
上迫博仁(日本)

<フェザー級/5分3R>
中村大介(日本)
ユータ&ロック(日本)

<バンタム級/5分2R>
渡部修斗(日本)
内山拓真(日本)

<フライ級/5分2R>
本田良介(日本)
杉山廣平(日本)

<女子ストロー級/5分2R>
ケイト・ロータス(日本)
ARAMI(日本)

<メガトン級/5分2R>
赤沢幸典(日本)
アンディコング(日本)

<バンタム級/5分2R>
雅駿介(日本)
海飛(日本)

<フライ級/5分2R>
原虎徹(日本)
風我(日本)

<バンタム級/5分2R>
山本有人(日本)
濱口奏琉(日本)

<ライト級/5分2R>
泉武志(日本)
野村駿太(日本)

<フェザー級/5分2R>
劉獅(日本)
鷹辰(日本)

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【DEEP108】シューター✖パンクラシスト?! 本田良介戦へ、杉山廣平─01─「試験観察の条件が……」

【写真】爽やかな笑顔、スタイルは組み技中心──でも、試合中に見せる気の強さ。そのバックボーンが今回のインタビューで明らかになった(C)SHOJIRO KAMEIKE

10日(日)、東京都文京区のTDCホールで開催されるDEEP108で、これがDEEP2戦目となる杉山廣平が本田良介と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

パンクラスを主戦場としてきた杉山は、RIZI参戦を経て昨年9月にDEEP初戦で駒杵嵩大に判定勝ちを収めた。前戦から約9カ月、今回の本田戦は噂されるDEEPフライ級GPへの出場権を賭けた戦いとなってくるに違いない。

その杉山は駒杵戦後、愛知県岡崎市から千葉へ活動拠点を移しパラエストラ千葉ネットワークで練習を続けている。本田戦を控えた杉山に、これまでのキャリアと、千葉に移った理由を訊いた。


――本田良介戦を控えている杉山廣平選手です。もともと愛知県岡崎市を拠点に活動していた杉田選手ですが、現在は千葉で練習しているのですか。

「はい。去年の11月から千葉に移って、パラエストラ千葉ネットワーク(以下、パラエストラCNW)で練習させてもらっています」

――どのような経緯で岡崎を離れ、千葉に移り住んだのでしょうか。

「去年の夏ぐらいに名古屋の知人と千葉へ遊びに来て、ついでにパラエストラ柏で練習させてもらったんです。そこからの繋がりですね。

もともと愛知県でも田舎のほうで、練習仲間も多くないなかで練習していました。そんななかでもタイへ3回ぐらい行かせてもらっていましたけど、前から東京に行ってみたいなとも思っていたんですよ。それで去年の夏に柏で練習させてもらい、すごく刺激をもらって、すぐに決めました。(千葉へ)来るなら、このタイミングだなって」

――昨年の夏ということは、9月の駒杵嵩大戦の前ですか。

「そうです。8月と9月、駒杵戦に向けたファイトキャンプとして来させてもらって、この試合が終わったら引っ越して来ようと思いました。それで11月に千葉へ」

――では前回の試合で、千葉で練習した成果は何か出ていましたか。

「成果は大きかったですね。取り組み方もそうですし、ここで練習したことで強くなることもできたし、気持ちの面でも変わった部分がありました」

――杉山選手といえば、組みの面では柔術ベースの印象を持っていました。しかし駒杵戦ではケージレスリングの展開のなか、バックコントロールで駒杵選手を組み伏せています。杉山選手のなかで、どのような変化があったのかと思っていました。

「そうなんです。レスリング力の強化は、大きく違いますね。パラエストラCNWにはレスリングが強い選手が多くて、それだけ強い人たちと組んでいたら、自分もレスリングが強くなれるんだなって思います。

ただ千葉に来てから負傷があって休んでいたので、なかなか試合ができなかったんですよ。だからこれだけ期間が空いてしまって。千葉に来てからガンガン試合したかったんですけど……」

――その間にDEEPフライ級が大きな盛り上がりを見せています。特に前回の駒杵戦が行われたDEEP103のメインはDEEPフライ級暫定王座決定戦で、藤田大和選手と伊藤裕樹選手の激闘を目の当たりにしていると思います。そのような現在のDEEPフライ級について印象を持っていますか。

「良いですよねぇ。盛り上がってきていて、トーナメントもあると言われていますし。自分はトップ戦線に食い込むのが遅れているので、早く上がっていきたいです」

――なるほど。では、これまでのキャリアについてお聞きしたいのですが、まずMMAを始めたキッカケから教えてください。

「18歳の時に、小さいジムから始めました。これは記事にできるかどうか分からないんですけど……10代の頃は結構悪さをしていて」

――両肩のタトゥーを見ると、何となく想像はできます……。

「アハハハ、そうですよね。ぶっちゃけていうと成人でいうと執行猶予のような試験観察下にありました。試験観察が認められる条件が、健全な趣味に取り組むというようなものだったんですね。それで格闘技のジムに行ったのがキッカケです」

――健全な趣味ということは、どのようなスポーツでも良かったかもしれません。その中で格闘技を選んだ理由は何だったのですか。

「やっぱり悪い……ヤンチャな時代だったので、アウトサイダーとか地下格闘技を見ていたんですよ。ちょうどアウトサイダーが人気の頃で、自分も出たいと思っていました」

――結果、アウトサイダーには出場したのでしょうか。

「いえ、出ていないです。アウトサイダーに出たいと思って格闘技を始めたんですけど(笑)。最初のジムにいた頃はアマチュアで2試合ぐらいして、そのあとスプラッシュに移ってプロデビューしています」

――そういったキャリアからすると、打撃中心のファイトになる選手が多いかと思います。しかし杉山選手の場合は、柔術的な動きが特徴的でした。

「今でも、組み技ができることにビックリされることがありますね(笑)」

――アハハハ、失礼ながら見た目のイメージとは違うかもしれません。

「プロデビューして最初の2試合はKOで勝ったんです。でもスプラッシュの木部(亮)代表は柔術の黒帯を持っている方なので、自分も自然とそういうスタイルになっていったのかな、と思います。

何ていうのか……当時から、打撃より組み技のほうが強いんじゃないかと思っていました。もともとキン肉マンの影響でプロレスも好きでしたし、何でもありなら掴んで倒して、上になってボコボコにするほうが良いんじゃないの、って」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
7月10日(日)
午後2時30分~SPWN PPV
午後2時30分~ニコニコ生放送

■ 対戦カード

<DEEPライト級選手権試合/5分3R>
[王者] 大原樹理(日本)
[挑戦者] 石塚雄馬(日本)

<ライト級/5分3R>
北岡悟(日本)
上迫博仁(日本)

<フェザー級/5分3R>
中村大介(日本)
ユータ&ロック(日本)

<バンタム級/5分2R>
渡部修斗(日本)
内山拓真(日本)

<フライ級/5分2R>
本田良介(日本)
杉山廣平(日本)

<女子ストロー級/5分2R>
ケイト・ロータス(日本)
ARAMI(日本)

<メガトン級/5分2R>
赤沢幸典(日本)
アンディコング(日本)

<バンタム級/5分2R>
雅駿介(日本)
海飛(日本)

<フライ級/5分2R>
原虎徹(日本)
風我(日本)

<バンタム級/5分2R>
山本有人(日本)
濱口奏琉(日本)

<ライト級/5分2R>
泉武志(日本)
野村駿太(日本)

<フェザー級/5分2R>
劉獅(日本)
鷹辰(日本)

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