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【RIZIN LANDMARK10】2年振りの復帰戦に臨む浜崎朱加─01─「柔道時代の貯金とポテンシャルだけで」

【写真】写真は今年1月、クレア・ロペス戦に向けたインタビュー時のもの(C)SHOJIRO KAMEIKE

17日(日)、名古屋市港区のポートメッセなごやで開催されるRIZIN LANDMARK10で、浜崎朱加が韓国のシン・ユリと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

これまでジュエルス、Invicta FC世界アトム級、そしてRIZIN女子スーパーアトム級のベルトを巻いている浜崎は日本の女子MMA史上、最高位の実績を残しているファイターの一人だ。しかし2021年大晦日から伊澤星花に2連敗を喫し、さらに翌年のRIZIN女子スーパーアトム級GPでは準決勝でパク・シウに敗れ、その試合で左腕を骨折したためブランクをつくってしまう。
そんな浜崎は当初、今年2月にRIZIN LANDMARK佐賀大会で、クレア・ロペスを相手に復帰戦を行う予定だった。MMAPLANETでも1月、浜崎にインタビューを行っていたが、その後またも左腕を骨折したことにより試合の中止が発表される。
今回はまずは前編として、1月のインタビューからRIZIN参戦以降について訊いた内容を掲載したい。


負けた相手にリベンジしたい、という気持ちはあります

――MMAPLANETに浜崎選手のインタビューが掲載されるのは2018年1月以来、6年振りになります。個人的には2016年3月、インヴィクタ世界アトム級王座の初防衛に成功した後のインタビューが最後で、あれからもう8年が経ちました。

「あぁ~、もうそんなに経つんですね」

――2018年から浜崎選手がRIZINに参戦して以降、浜崎選手を取り巻く環境も大きく変わったかと思います。

「RIZINに出て、ガラッとではなく徐々に変わっていきましたよね。簡単にいうと知名度が上がったというか。私を知ってくれている人が多くなり、街や会場でも声を掛けられることも多くなりましたし」

――浜崎選手はパク・シウ戦で負った怪我のために1年半のブランクがあります。この期間はどのように過ごしていたのですか。

「動けない期間は、ずっと休んでいました。パクちゃんとの試合で蹴りを受けた時、左腕を骨折して。我慢して試合を続けたら粉砕骨折していて……試合翌日に入院、その翌日に手術しましたね。それが2022年の9月で、12月ぐらいから軽いウェイト程度はやっていました。MMAの練習は年明けから再開していたと思います」

――その状態から復帰まで1年近い期間があるのは、試合に出る状態仕上げることに時間を要したのでしょうか。

「いえ、試合はできましたけどオファーがなくて。だから堂々と休んでいました(笑)」

――オファーがなかった……、どうしても女子の選手層の問題はありますよね。定期的に、もう対戦経験のある選手ばかりという状態になってしまう。

「そうなんですよ。あの時はグランプリだったけど、もう対戦相手も一周してしまっているし、私が休んでいる間も停滞している感はありました」

――特に浜崎選手の場合は、対戦相手選びも難しくなるとは思います。GP前に伊澤星花選手に2連敗を喫している。かといって、GP後の復帰戦で誰と対戦するのか。

「分かります。今もなかなか相手はいない状態ですよね。特に日本人相手だと」

――RIZINの女子スーパーアトム級トップグループで、対戦していないのはRENA選手ぐらいでしょう。

「そうなりますね。RENAとの対戦について、求められていることは感じます。でも……試合したいか、したくないかでいえば、やりたくはないですよ。やっぱり仲間だから」

――RENA戦を求める声は大きいですか。

「大きいです。自分の中でも興味はありますよ。RENAも強くなっていますし。正直、何年か前だったら、RENAと試合をしても普通に勝っていたとは思います。でも今は分からないですね。RENAには一発があるし、寝技も強くなっていて――MMAファイターとして成長していますから」

――では伊澤選手との2連戦があり、ジェシカ・アギラーやパク・シウと対戦したあと、「次は誰と戦えば良いのだろう?」とは考えませんでしたか。

「その時は別に、次のことなんて考えていなかったです。気づいたら対戦相手がいなくなっていたというか。昔から私の中で『誰と対戦したい』という気持ちはなくて。でも負けた相手にリベンジしたい、という気持ちはあります。負けている以上、私に発言権はないけど」

インヴィクタに出ている時よりは、いろんなことを知ろうとする気持ちが増えた

――2019年の大晦日、ハム・ソヒに敗れてRIZINのベルトを失いました。そのハム・ソヒはコロナ禍を経て、2021年からONE女子アトム級GPに出場しています。浜崎選手としては、同じくONEのGPに出場してハム・ソヒにリベンジしたいとは思わなかったのですか。実際、浜崎選手のGP出場を望む声もありました。

「あぁ~、あの時は私もハムちゃんを追っかけてONEに行こうかとも考えたんですよ。判定の内容はどうあれ負けたことは悔しかったし、このままじゃモヤモヤするだろうと思って。実は当時、RIZINとの契約も終わってフリーだったし、ONEとも話をしました。でも私はRIZINで戦い続けることを選んで」

――その時、RIZINで戦うことを選んだ理由は何だったのですか。

「そもそもインヴィクタのベルトを返上して、日本で戦うことを選んだ理由が『応援してくれる人たちの前で試合をしたい』ということでした。さらに一度契約が終わった後も榊原(信行RIZIN CEO)さんからも『RIZINで戦ってほしい。浜崎が必要だ』と言われたことに誠意を感じて。あとは『いつかまたハム・ソヒを呼んでリベンジの機会をつくる』とも言われたから。今となっては難しいと思うので、仕方ないですけど」

――一方で当時、伊澤星花選手の存在に対して、どのように見ていたのでしょうか。伊澤選手はまだプロで4試合しか経験しておらず、パク・シウに勝っているとはいえ2021年大晦日に浜崎選手と対戦するのは意外でした。

「まぁ、何て言うんでしょうね……私も相手がいなかったですし」

――ジュエルス、インヴィクタ、そしてRIZINのベルトを巻いていた浜崎選手にとって、当時のモチベーションは何だったのでしょうか。

「モチベーションかぁ……、最初の伊澤戦は、さすがにちょっとヘコみましたよね」

――えっ!? 初戦のほうが負けてヘコんだのですか。

「初戦しかヘコんでいないです。2試合目はむしろ自分に可能性を感じたというか。今まであんまり、ちゃんと練習していなかったんですよ」

――……!?

「ちゃんと頭を使って練習していなかった、というのが正しいのかな。初戦のあと、いろいろ初めてのことをやり始めました。柔術の強い人に技術を教わり始めたり、福山BURSTの佐々木信治さん藤井惠(佐々木惠)さんにも、いろいろと教わって。だから2試合目は新しくできたことも多かったし、『なぁんだ。新しいことを覚えたら、まだまだ試合で出せることは多いんだな』と思いました(笑)」

――その状態で、よくインヴィクタの世界王者になりましたね(笑)。

「アハハハ! あの時は本当に柔道時代の貯金とポテンシャルだけで。あと勢いで戦っていましたね」

――年齢のことを言うのは恐縮ですが、40歳まで貯金とポテンシャルだけで戦う選手は、なかなかいないと思います。

「もちろん今までAACCでも教わっていたはずなんですよ。それがインヴィクタに出ている時よりは、いろんなことを知ろうとする気持ちが増えた気はします。いまだにMMAについて知らないことだらけで、驚かれることもあるぐらいで。ただ、今のほうが吸収する力はあると思う。

だけど、とにかく次のクレア・ロペス戦で勝たないと今後も厳しいとは思っています。だから勝ちにこだわりたいですね」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
11月17日(日)
午後1時00分~ABEMA、U-NEXT、RIZIN100CLUB、スカパー!、RIZIN LIVE

■ RIZIN LANDMARK10対戦カード

<フェザー級/5分3R>
ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)
摩嶋一整(日本)

<バンタム級/5分3R>
昇侍(日本)
芦澤竜誠(日本)

<女子スーパーアトム級/5分3R>
浜崎朱加(日本)
シン・ユリ(韓国)

<ライトヘビー級/5分3R>
イゴール・タナベ(ブラジル)
マルコス・ヨシオ・ソウザ(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
イ・ジョンヒョン(韓国)

<フライ級/5分3R>
柴田“MONKEY”有哉(日本)
ヒロヤ(日本)

<フライ級/5分3R>
村元友太郎(日本)
トニー・ララミー(カナダ)

<フライ級/5分3R>
北方大地(日本)
アリベク・ガジャマトフ(ロシア)

<バンタム/5分3R>
アラン“ヒロ”ヤマニハ(ブラジル)
山本聖悟(日本)

<ヘビー級/5分3R>
スダリオ剛(日本)
加藤久輝(日本)

<バンタム級/5分3R>
白川ダーク陸斗(日本)
マゲラム・ガサンザデ(アゼルバイジャン)

<ライト級/3分3R>
キム・ギョンピョ(韓国)
倉本大悟(日本)

<フェザー級/5分3R>
鈴木博昭(日本)
秋元強真(日本)

<バンタム級/5分2R>
窪田泰斗(日本)
日比野“エビ中”純也(日本)

<ヘビー級/5分2R>
稲田将(日本)
佐々木克義(日本)

<フェザー級/5分2R>
TATSUMI(日本)
平松翔(日本)

<キックボクシング55キロ契約/3分3R>
としぞう(日本)
JIN(日本)

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RIZINチャンピオンの伊澤星花に立ち向かった男2人の末路

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RIZIN.48:セミ・メイン以外の試合の感想

カルシャガ・ダウトベック vs. 木下カラテ

打撃戦なら木下にも勝機はある…なんてことはなくて、普通にダウトベックが打ち合いで意識を飛ばしてKO勝ち。木下自身が言うように、他の選手がダウトベックを拒否した上で回ってきた試合なのだとしたら、ランキングは上がらず実力的には怖い相手という印象がさらに増してしまっただけの結果で、ダウトベックはますます避けられる存在になりそう。さすがに次に外国人同士で組むのは露骨すぎるだろう。

新井丈 vs. エンカジムーロ・ズールー

ズールーが打撃を効かせてのKO勝ち。ストローから上げてきた新井と、近年バンタムでも戦ってきたズールー。新井は筋力増量したと言っても、単純に体格に差があった。前回は激闘からブランクを開けずに出てきてしまったので、ダメージが抜けていなかったという事情があったが、今回の効かされ方を見ていると、若くして早くもダメージの蓄積が感じられる内容だった。

KO勝ちしたズールーについては、やはりそこまでの実力の選手とは思えなかったが、派手な打ち合いをしてくれそうだし、初手でインパクトは残せたので、今後も若手の壁としての役割がちょうど良さそう。年齢的にもUFCが取るとも思えず、いなくなる心配もない。

金太郎 vs. 秋元強真

テイクダウンしたら金太郎にも勝機はありそうだったが、凌いで打撃を入れた秋元の1RKO勝ち。まずは今後もこのクラスの、コロナ禍で外国人枠が空いたおかげでメインストリームに入っていたことがあるレベルの相手を刈っていって経験を積むのが良いのでは。

金太郎はATT所属になって鍛え直したと言っても、30歳を過ぎてそこまで短期間で飛躍的に実力が上がるはずもなく。ていのいい咬ませ犬の役割が精一杯。それにしても18歳相手に完敗というのは、言い訳が全く出来ないし、あまりにも残酷すぎる。今後は関西大会限定キャラとして使うしかなさそう。

萩原京平 vs. 高木凌

高木がタックルを仕掛けた時点で、打撃戦を避けての展開だったので、これは萩原の勝ちかと思ったが、高木レベルの組みもしのげずにチョークで一本負け。とどめにDV騒動の報道まで出る始末。まあ今さら影響することもなさそうだが。さすがに相手のレベルを高木クラスまで落として勝てないようでは、咬ませ犬としての役割も厳しいし、金太郎同様、関西大会ご当地枠になるのが関の山か。

高木は2連続フィニッシュ勝利ではあるが、2連戦とも相手ありきのマッチメイクだったので、これでRIZINが推してくれるかは微妙なところ。結局中堅外国人相手には手も足も出ないという実力は変わっておらず、上位と当てられると厳しい。ダウトベックのような地味強の踏み台にされそう。

矢地祐介 vs. 宇佐美正パトリック

海外のオッズでは宇佐美がフェイバリットになっているところもあったが、矢地が順当に勝利。しかし矢地の強さを見せたと言うより、宇佐美がまだこのレベルではなかったというのを見せただけで、評価が上がる内容ではなかった。タイトル戦線の海外勢の相手は厳しいので、フィーダーショー王者クラスの野村・ヤン坊・大原あたりとの対戦が見てみたいが、わざわざRIZINで矢地のために組むカードなのかという疑問も残る。

宇佐美もまた、矢地クラスの前に適当な踏み台の実力の相手との対戦が必要なところだったが、前回のように実質セミリタイアしていた徳留のような相手を毎回連れてくるわけにもいかないし、宇佐美自身がDEEPクラスで経験を積んだほうが良いと思える。

牛久絢太郎 vs. 佐藤将

またも僅差の試合になった将光だが、終盤のギロチンの印象もあり勝利。実際にこれがジャッジで評価されたかは不明だが、観客に勝ったという印象は残した。トップクラスが相手だから仕方ないが、毎回僅差の試合になる。王者井上には敗れているし、次の相手が難しくなりそう。

その将光に敗れてしまった牛久はさらに難しい状況に。太田戦に比べれば動きは悪くなかったが、やはりフィジカルを落として階級を下げる判断が、選手としての魅力も下げているように見えてしまう。

伊澤星花 vs. 浅倉カンナ

伊澤が危なげなく勝利。もとより勝負論がある組み合わせではなかったが。RIZINではパウンド・フォー・パウンドと言ってもいい実力を見せてはいるが、それに値する相手がいないのが残念。UFCにない階級だけに、アメリカのこの階級のトップは階級を上げてストローで戦ってしまう。伊澤は海外への挑戦よりもRIZINを盛り上げたい意向を示しているが、伊澤が強すぎるが故に盛り上がっていないのが実情。

浅倉は当時の絶対王者浜崎をあと一歩のところまで追い込み、年齢的に次の対戦では超えられそうだったが、その前に同い年の伊澤に先を越されてしまった。RIZIN初参戦時には、修斗パンクラスJEWELSでは前座クラスで、抜擢されたのは実力ではなく「現役JK」という当時の肩書きありきだったが、その後王者にまで昇りつめた。昇りつめてしまったために、目標がなくなってモチベーションが上がらなくなってしまったのかもしれない。王座から陥落後、JEWELSに降りてきて、当時の王者前澤を圧倒した試合が一番印象に残っている。

RIZIN LANDMARK10カード発表

浜崎朱加 vs. シン・ユリ

42歳で2年ぶり復帰の浜崎。相手はビジュアル枠のシン・ユリ。厳しい試合が続いてきたので、調整試合的なカードになるのは仕方がないが、一度実力の世界を構築したRIZIN女子が、またキャラ先行階級になってきてはいないか。

昇侍 vs. 芦澤竜誠

昇侍も41歳で2年以上のブランク。以前、ジヨン戦で負傷した腕の経過が思わしくなく復帰できないとSNSで報告していたが、大丈夫なのだろうか。

イゴール・タナベ、ヘビー級転向

ウェルターの減量が厳しいタナベが、ミドルやライトヘビーではなくヘビー級に。まあウェルターへの減量が厳しい時点で、通常体重は100kgくらいあるだろうし、減量ではなく増量すればRIZINヘビー級でも戦えるだろう。ナチュラスーパーヘビー級で技術もあるような、階級トップとの試合は厳しいが。同時に、タナベありきで存続していたRIZINウェルター級の終了のお知らせかもしれない。

フアン・アーチュレッタ vs. ラジャブアリ・シェイドゥラエフ

もともと差があるマッチメイクと思っていたところで、アーチュレッタが体重超過。勝っても公式記録にならず、試合のモチベーションはさらに低下してしまい(もともと大幅超過する時点であまりないのかもしれないが)、内容も見どころなくシェイドゥラエフ勝利。北米MMAでの厳しい競争をするより、Bellator王者の肩書きを世界一大事にしてくれるJMMAで戦うことを選択したエンジョイ勢なのかもしれないが、最低限のルールを守れないのは厳しい。

シェイドゥラエフは完勝したが、榊原代表は「ダメージがないから11月の名古屋大会出場」とコメント。地方大会だと集客力がある日本人選手との対戦はなさそうだし、勝ってもタイミング的に大晦日に出られなくなってしまうのがもったいない。

元谷友貴 vs. 太田忍

一番意外だった試合結果。太田は将光戦といい、ベテラン相手だとうまくいなされてしまうのか。もっとレスリングでゴリゴリ削っていくと思っていたので、レスリングで攻めさせず、打撃で削りながら、最後はスクランブルに持ち込んでチョークを決めたのが見事だった。前回の井上戦は1Rチョークで敗れたが、実力を出し切ったとは思えなかったので、王座戦での再戦が見てみたい。ただ、前回大晦日で負けたヴィンス・モラレスが、同日のUFCの前座で完敗していたので、選手が抜けて階級全体が底下げされている感は否めない。

太田はまたもや今後使いにくくなる敗戦。前回のBellator出陣は、直前で相手が欠場して、階級下でRIZINに出ているより下のレベルの外国人との対戦になってしまったので、またBellatorに出て、今度はちゃんとトップクラスの選手との対戦が見てみたい。

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【ABEMA同時生中継】RIZIN.48 冒頭2試合&8試合目無料生中継

9.29『RIZIN.48』
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RIZIN.48」が9月29日(日)にさいたまスーパーアリーナにて開催決定!

2つの王座戦でRIZIN”新章”が開幕。

ライト級王者で柔術スパーエリートのホベルト・サトシ・ソウザに挑むのは、
現在4連勝中で勢いの乗るルイス・グスタボ。悲願のベルト奪取は叶うのか。

そしてバンタム級新王者決定戦では「天才と呼ばれ続けたエンジェル」こと井上直樹と、韓国出身で対日本人10勝無敗の戦績を誇る「ゾンビ」ことキム・スーチョルが激突!日韓対決を制するのは果たしてどちらなのか。

その他、リベンジに燃える悪童こと萩原京平、今回で現役を引退を決意した浅倉カンナ、前戦では苦杯を喫した元谷を相手に再戦に挑む太田忍、朝倉未来の弟子として「格闘代理戦争」でアラン“ヒロ”ヤマニハに快勝した秋元強真など豪華選手が一挙に集結!

最強戦線、RIZINの新たな門出を、その目に焼き付けよう。

▼対戦カード
メインイベント
ライト級タイトルマッチ
RIZIN MMAルール:5分3R(71.0kg)
ホベルト・サトシ・ソウザ vs. ルイス・グスタボ

第10試合
バンタム級タイトルマッチ
RIZIN MMAルール:5分3R(61.0kg)
井上直樹 vs. キム・スーチョル

第9試合
RIZIN MMAルール:5分 3R(61.0kg)
元谷友貴 vs. 太田忍

第8試合
RIZIN MMAルール:5分3R(66.0kg)
フアン・アーチュレッタ vs. ラジャブアリ・シェイドゥラエフ

第7試合
RIZIN MMAルール:5分3R(49.0kg)
伊澤星花 vs. 浅倉カンナ

第6試合
RIZIN MMAルール:5分 3R(61.0kg)
牛久絢太郎 vs. 佐藤将光

第5試合
RIZIN MMAルール:5分 3R(71.0kg)
矢地祐介 vs. 宇佐美正パトリック

第4試合
RIZIN MMAルール:5分3R(66.0kg)
萩原京平 vs. 高木凌

第3試合
RIZIN MMAルール:5分 3R(61.0kg)
金太郎 vs. 秋元強真

第2試合
RIZIN MMAルール:5分 3R(57.0kg)
新井丈 vs. エンカジムーロ・ズールー

第1試合
RIZIN MMAルール:5分 3R(66.0kg)
カルシャガ・ダウトベック vs. 木下カラテ

#ABEMA #RIZIN #アベマRIZIN #RIZIN48
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45 MMA MMAPLANET o RIZIN RIZIN48 キック 伊澤星花 浅倉カンナ

【RIZIN48】浅倉がラストファイトを勝利で飾れず。TD&ギロチンで攻め立てた伊澤は判定勝ちも悔し涙

<女子スーパーアトム級/5分3R>
伊澤星花(日本)
Def.3-0
浅倉カンナ(日本)

サウスポーに構えた浅倉が距離を詰める。しかし伊澤がプレスを掛けて来ると、オーソドックスに戻した。伊澤がニータップで組みテイクダウンする。浅倉の左腕を取って十字を狙うかに見えたが、伊澤が立ち上がった。浅倉も立ち上がり、パンチの打ち合いで浅倉がサウスポーにスイッチする。そのボディに伊澤の右三日月蹴りが突き刺さる。伊澤が浅倉の右足に組みつき、ニータップで倒した。

クローズドガードで守る浅倉。レフェリーがアクションをコールすると、伊澤がパウンドを落としたが、再び動きが止まるとブレイクが掛かった。スタンドに戻るとパンチを振るい合うなか、伊澤の右三日月蹴りがヒットする。左フックを当てたあと右ハイを繰り出した伊澤に組みついた浅倉だが、逆に背中を着かされてしまう。トップに回った伊澤はマウントからギロチンへ。ここは極めることができず、サイドでラウンド終了を待った。

2R、サウスポーの浅倉の顔面を、伊澤の右ストレート、左フックが襲う。続いてテイクダウンを奪った伊澤は、コーナー際で尻もちを着いた浅倉にパウンドとサッカーボールキックを打ち込んでいく。浅倉がスクランブルから立ち上がってバックに回る。正対した伊澤が切り返し、パンチからダブルレッグへ。足をすくい、尻もちを着かせた伊澤が首を抱えながら背中を着かせる。ヒザを打ち込み、ノースサウスを狙う伊澤。暴れる浅倉の首をマウントからねじ曲げる。浅倉が耐えるとクラッチを解き、パンチを連打。背中を見せた浅倉からバックマウントを奪取し、パンチで削ってRNCへ。ここも浅倉が耐えきった。

最終回、浅倉の左ストレートに対し、伊澤がカウンターでダブルレッグを狙う。浅倉にスプロールされるも、幾度も狙う伊澤がコーナーまでドライブした。コーナー下でサイドを奪った伊澤が腕を狙うと、浅倉がスイープする。しかしボトムの伊澤が右腕で浅倉の首を抱えている。腰を上げて体重をかけた浅倉が、首を抜いてパウンドを落とすも、背中を着けたままの伊澤が足を利かせて全て防いだ。

再びガードの中に入った浅倉の顔面に、伊澤が蹴りの連打を浴びせる。それでもガードの中に入ってくる浅倉に、三角を仕掛ける伊澤。一度は三角から抜けた浅倉だが、伊澤が逆の足で組み直した。浅倉が頭を抜いて離れる。伊澤もスタンドに戻り、リング中央で伊澤が右ハイ、右ストレートからレベルチェンジでドライブした。伊澤がバックマウントからパンチを連打すると、すり抜けた浅倉もパウンドを連打して試合を終えた。

裁定は伊澤のユナニマス判定勝ち。勝者の伊澤はマイクを握り「浅倉選手、今まで女子格闘技を引っ張ってきてくれて、ありがとうございました」と述べつつ、自身は不甲斐ない試合をしたと涙を流しながらリングを下りた。リング上では引き続き浅倉の引退セレモニーが行われ、浅倉は周囲に感謝を伝え「皆と切磋琢磨してきた日々が私の青春です。今日までたくさんの応援をありがとうございました。格闘家として勝ったり負けたりで、最強でも何でもなかったですが、皆さんの応援がパワーになりました。最高の格闘技人生でした。ありがとうございました」とテンカウントを聞いた。


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【RIZIN.48】アーチュレッタ、“盟友”朝倉海とのコンタクト&クレベル戦でのケガの状況を明かす “強敵”シェイドゥラエフ戦に意気込み 『RIZIN.48』試合前インタビュー

9月29日開催の『Yogibo presents RIZIN.48』(さいたまスーパーアリーナ)の試合前インタビューが27日に都内で行われた。

■『Yogibo presents RIZIN.48』対戦カード
第11試合/ホベルト・サトシ・ソウザ vs. ルイス・グスタボ
第10試合/井上直樹 vs. キム・スーチョル
第9試合/元谷友貴 vs. 太田忍
第8試合/フアン・アーチュレッタ vs. ラジャブアリ・シェイドゥラエフ
第7試合/伊澤星花 vs. 浅倉カンナ
第6試合/牛久絢太郎 vs. 佐藤将光
第5試合/矢地祐介 vs. 宇佐美正パトリック
第4試合/萩原京平 vs. 高木凌
第3試合/金太郎 vs. 秋元強真
第2試合/新井丈 vs. エンカジムーロ・ズールー
第1試合/カルシャガ・ダウトベック vs. 木下カラテ

#アーチュレッタ #シェイドゥラエフ #RIZIN48 #RIZIN #朝倉海

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【RIZIN48】伊澤星花とラストファイト、競技生活20年&MMA10年=浅倉カンナ「しっかりと燃え尽きます」

【写真】迷いなく、最後のリングへ(C)SHOJIRO KAMEIKE

29日(日)、埼玉県のさいたまスーパーアリーナで開催されるRIZIN48で、浅倉カンナが伊澤星花と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

2014年10月のデビューから10年、浅倉がプロMMAキャリアにピリオドを打つ。現在26歳——まだ引退には早いとも思われるが、レスリングを始めてから20年が経ち、現在は本人も気持ちがスッキリしているという。なぜこのタイミングで引退を決めたのか。プロデビュー~RIZIN 女子スーパーアトム級GP優勝~コロナ禍の苦難と、引退試合で伊澤星花という頂点に挑む意気込みを語ってくれた。


――浅倉選手に初めてお会いしたのは、まだプロデビュー前にパラエストラ柏で練習していた時でした。あれから10年ほど経ち、当時10代だった浅倉選手がラストファイトを迎えるというのは、なんだか不思議な気持ちです。

「あぁ~、前のパラエストラ柏ですよね。10年は結構長い期間ではあるけど、振り返ってみれば『あっという間だったな』と思います」

――なぜこのタイミングでラストファイトなのか。その理由からお願いします。

「引退を決めたのは去年の秋頃でした。自分の中では『これっ!』っていう理由があるわけではなくて。だけど今までは常に目標があって、他の選手の試合を観ると燃えてきて『私も試合がしたい』と思っていたんです。でも最近は、その気持ちがなくなってきていました。中途半端な状態でしたよね」

――……。

「私の中の格闘家って、常に燃えていて毎日ハードな練習をして――というイメージなんです。ずっと自分もそうでしたしね、今は自分自身が格闘家として毎日を過ごすことができていない……、そう感じて引退を考え始めました」

――以前からファイターとして燃え上がる時と、燃え上がらない時の波があった。ここ数年はその燃え上がらない状態のまま試合に臨んでいたのでしょうか。

「そうですね。何かモヤモヤというか、いろいろ考えながら格闘技をやっていました」

――本能や直感で動くということではなく?

「はい、そうです」

――その言葉を聞いて理解できました。後出しジャンケンになってしまうかもしれませんが、ここ数年の試合について「どこに向かって試合をしているのだろうか」と感じていたのは事実です。特にコロナ禍の前後から……。

「正直、そういう部分はあったと思います。海外選手とも試合がしたいけど、コロナ禍で私が海外で試合をすることも、日本に選手を呼ぶことが難しくなって。国内の選手との試合が組まれるなかで、『自分はどこを目指していけばいいんだろう?』とは考えました。

その時は感じていなかったけど、思い返せば少しその変化はありましたね。そんな状況で伊澤選手が自分の勝てなかった選手を倒していくことで、私自身はモチベーション迷子になっていったと思います」

――当時その伊澤選手に勝てば、自身の敗戦をひっくり返せるという考えに至るファイターもいます。むしろファイターとは、そうあってほしいとも思います。

「分かります。でも、う~ん……『自分には遠くなったなぁ』という気持ちになっちゃったんです。あと自分はパク・シウ戦でボコボコにやられてしまったじゃないですか。伊澤選手はそのパク・シウ選手にも勝っている。『どこまで練習して試合をしたら、あそこまで辿り着けるんだろうか』と考えてしまったんですね。自分は勝ったり負けたりのファイターだったので、迷いは生まれました」

――勝ったり負けたりと仰いましたが、2017年からは8連勝しています。そのなかで、RIZIN女子スーパーアトム級トーナメントで優勝もしました。当時は自信がみなぎっていたのではないですか。

「自信というか勢いはありましたよね。試合ごとに自分の成長を感じることができて、それが楽しかったです」

――浅倉選手は当時20歳、プロデビューから4年目でした。そのキャリアで、RIZINで駆け上がり周囲の期待も高まっていくことに対して、気持ちは追いついていましたか。

「……当時は何も気にしていなかったです。ただ強くなること、目の前の試合になることだけを考えていました。今のように深く考えるようなことはなくて、負けてもすぐに気持ちを切り替えることができていましたし。とにかく強くなることが楽しかったです」

――その気持ちが徐々に変わっていったのは、2018年の大晦日の浜崎朱加戦以降ですか。

「2戦目(2021年3月に判定負け)のほうですね。次の試合も大島沙緒里選手に負けて、初めて連敗を経験したことも大きかったです」

――試合に対する気持ちが落ちていった場合、練習は……。

「試合は勝ち負けがありますけど、練習はもともとキツイものですからね」

――あの鶴屋浩代表の指導ですし。

「アハハハ! でも当時は練習も楽しかったです。とにかくガムシャラに練習していて。だけど当時と今では状況が変わったんですよ。あの頃は私が年齢も一番下で、周りはお兄さんばかりでした。でも今は後輩もできて、練習でも自分より年下のほうが多い時もあります。そうなると後輩——重田ホノカやKARENの試合が決まったら、練習を見てあげたいし。だから楽しさは変わらないけど、練習に対する気持ちは変わっていたかもしれないですね」

――浅倉選手は現在26歳ですが、競技年齢も考慮しないといけないですからね。

「あぁ、そうですね。レスリングを始めたのが年長さん(5~6歳)で、格闘技を始めてもう20年になりますから」

――重田選手のインタビューで浅倉選手のことを訊くと、「もしかして浅倉選手はファイターとしての活動より、後輩の成長を見ているほうが楽しいのかな」とは感じました。

「それはあります。ホノカもKARENも自分で努力できるタイプだから、私が何かするってことはないんですよ。でもずっとジムには女子選手がいなくて、私も出稽古とかに行っていたし――それが今は男子だけでなく女子も、ジムの中で全ての練習ができる。そういう環境で彼女たちと一緒にいるのは楽しいです」

――ラストファイトの後はジムの指導者に加わるのでしょうか。

「そこは難しいですね。まだ自分が引退した後に、どういう気持ちになるのか想像がつかないんです。だけど後輩たちの試合は見続けていきたいです。でもこのまま練習に参加し続けると、私がボコボコにされることのほうが多くなりますから。それは悔しくなっちゃいます(笑)。

自分でも引退後に何をするかは、まだ何も固まっていなくて。ファイターではなくなってしまうので、ちゃんと考えないといけないです。よく『すぐ復帰するんでしょ?』と言われますけど(苦笑)」

――ラストファイトで戦う伊澤選手は、間違いなく現在の国内女子MMAで最強のファイターの一人です。その伊澤選手に勝てば、まだMMAを続けたいという気持ちになるのも当然だとは思います。

「私の中では、伊澤選手に勝つことでスッキリ辞めることができると思います。この試合に全てを懸けていますし、しっかりと燃え尽きますよ。ずっと気持ちもモヤモヤしていたのが、引退を決めてからは吹っ切れて練習に臨むことができていますから」

――ラストファイト、しっかり見届けさせていただきます。ちなみに浅倉選手LOVEを広言している重田選手は、引退することを伝えた時に悲しんではいなかったですか。

「今回はホノカに、初めてセコンドについてもらいます。パンクラスのタイトルマッチで負けて、彼女も悩んでいるとは思うんですよ。私のセコンドにつくことで少しでもモチベーションが上がってくれたら嬉しいし、次はホノカにあの舞台を目指してほしいです」

■RIZIN48視聴方法(予定)
9月29日(日)
午後2時00分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!

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【DEEP Osaka2024#03】須田萌里&サダエ☆マヌーフが語る大阪女子練習会「今の女子は気持ちが違います」

【写真】大阪府吹田市の『SCORPIONGYM SENRI』で行われている女子MMA練習会。(C)SHOJIRO KAMEIKE

22日(日)、大阪市の錦秀会 住吉区民センター大ホールでDEEP Osaka Impact2024#03が開催される。メインイベントでは須田萌里が韓国のイ・イェジと迎え撃ち、サダエ☆マヌーフは青野ひかると対戦することとなった。
Text by Shojiro Kameike

年齢もキャリアも違うサダエと須田は現在、須田が所属するスコーピオンジム千里で週1回行われている女子練習会で共に汗を流している。1ジム単位では選手が少ない女子MMA界において、こうした女子選手のみによる練習会は貴重だ。これまで東京を中心に関東では多く見られる女子練習会だが、近畿圏ではまだ珍しい。そんななか、互いに試合を控えた須田とサダエの取材のため女子練習会を訪れると――スパーが始まった瞬間、サダエが須田の顔面に右ストレートを直撃させていた。これぞ練習会だ。


「昔はファッションでMMAをやっている子もいたじゃないですか」(サダエ)
「一緒の大会に出る選手と一緒に練習できて助けられています」(須田)

――先ほど終わった練習会について、須田選手とサダエ選手にお聞きします。この大阪女子練習会は、いつ頃どのようにして始まったのでしょうか。

サダエ いつかな? だいぶ前から「練習会やらへん?」みたいな感じやったよね。

須田 そうですね、そういう話をいつ頃からし始めたかは覚えていないけど、練習会は3~4年前からやっています。

サダエ ちょうど萌里ちゃんがMMAの試合に出て、活躍し始めて――。当時は女子だけでMMAの練習をする環境がなくて。このスコーピオンジム千里は萌里ちゃんのお父さんのジムで、ここなら集まりやすいんじゃないか――と、徐々に集まるようになった感じですね。

――練習会の話が出る前から、お二人は交流があったのですか。いえば須田選手からするとサダエ選手は大先輩で。

須田 会場で会ったらご挨拶させていただいていました。メチャクチャ優しい方で。

サダエ だって萌里ちゃんからすれば、私はお父さんやお母さんの年齢やからね。実際、私は萌里ちゃんのお父さんより年上やし。昔の印象なんて覚えている? 私が最初に現役やった頃、まだ萌里ちゃんは小学生やったもん。

須田 一緒に練習し始めたのは、サダエさんが復帰する頃からですよね。その前の試合は動画で視ました。

サダエ 私は萌里ちゃんを見た時、「今は若くて強い子がいっぱいおるなぁ」と思ったんですよ。

――今日、練習会の参加者は9名でした。サダエ選手が2013年に一度MMAから離れる前、少なくともプロのレベルで練習できる選手が大阪に、これだけの人数はいましたか。

サダエ いない、いない。全然いなかったです。女子とMMAの練習ができる機会は、ほぼ無かったですから。昔は――誤解を恐れずに言うと、ちょっとファッションでMMAをやっている子もいたじゃないですか。

須田 ファッション!?

――アハハハ、言い切りますね。しかしその言葉が合っているかもしれません。

サダエ そうでしょ? 「ちょっと格闘技をやってみたい」と思ってくれるのは全然良いことで。そこまでの気持ちじゃなく「格闘技をやるのがカッコイイ」という気持ちのほうが大きい。憧れや「カッコイイ」で止まっている、という意味でのファッションですね。

でもこの練習会に来ているのは、カッコイイかどうかより強くなりたい子たちやから。「絶対に強くなりたい」という子たちが、人生を賭けて集まっていることが嬉しいです。

――今日の練習会でも若い選手が多い中に、サダエ選手と栗山選手が入ってくると、雰囲気もピリッと引き締まりますね。良い意味で。

サダエ ホンマに良い意味ですか? みんな私じゃなくて、葵ちゃんにビビッているんじゃないかな(笑)。

須田 ウフフフ。でもホンマに二人のおかげなんです。

サダエ ありがとう。私は私で、若い子たちの中に混ぜてもらっている立場やから。

須田 一緒の大会に出る選手と一緒に練習できて「助けられているなぁ」って思います。どんどん集まってくれて、モチベーションにもなっていますよね。最初は3~4人ぐらいだったけど、葵ちゃんがいっぱい誘ってくれて。

サダエ そうそう。葵ちゃんが脅して連れてくる感じで。

――先ほどから栗山選手をネタにしすぎですよ(笑)。

大阪女子練習会のキーパーソーン、栗山葵

サダエ アハハハ! どのジムにも女子選手が1人か2人はいるんですよ。そういう人たちの中でも声を掛けてもらって、どんどん増えていきましたね。

――練習会の内容は技術よりもスパーが中心なのですか。

須田 はい。お互いジムで練習してきたことを、この練習会で出し合います。やっぱり男子選手が相手やと、できないこともあるので。それが女子選手同士なら、実戦に近い形で練習してきたことを試し合えますから。

サダエ 女子選手同士のほうが、いらん怪我もせぇへんしね。男子とだけ練習していたら、どうしても怪我が増えていくし。

須田 確かにそうですね。

「サダエさんは際の攻防とかで相手の隙を突くのがすごく巧くて」(須田)
「自分が勝てるところで勝負せんと。勝負は常に油断できない」(サダエ)

――練習会のスタートを仕切るのは須田選手でした。

須田 一番下っ端が、スミマセン(苦笑)。

サダエ ここは萌里ちゃんのホームやしね。それに格闘技は年齢制じゃないから。萌里ちゃんが中心になって、どんどん進めてほしい。

――今日の参加メンバーの中でも、年齢では須田選手が一番下になるのですか。

須田 一番下……ですよね。

サダエ そうね。萌里ちゃんはまだ20歳やから。

須田 一番年齢が近い選手でも23~24歳ぐらいとか。

サダエ ここに来ている子はほとんどが二十代で。それがまた良いんですよ。

――ということは、皆さんにとって妹のような……。

サダエ 私が?

――違います(笑)。

サダエ 私はもうお母さんやなぁ。「みんな、これから色んな人生があって、いろいろ経験していくんやなぁ。頑張って!」という目線で見ていますよ(笑)。

――そのサダエ選手も練習会のスタート直後はウォーミングアップや打ち込みをしていて、須田選手とのスパーが始まると、いきなり右ストレートをブチ込んでいました。

サダエはアップからこの表情——練習とは言え勝負だ。この右ストレートの直撃だけで、練習会の方向性が理解できる

サダエ 萌里ちゃんはオールラウンダーで、かつ寝技で勝負したいタイプじゃないですか。私はその寝技に付き合いたくない。そうなったら、どうしても距離が近くなるとパンチを当てて離れたくなるんですよ。

須田 サダエさんは際の攻防とかで相手の隙を突くのがすごく巧くて。

サダエ あぁ、それは狙うね。そこを取っとかんと、コッチが勝てるところがないから。もう動きもスピードもパワーも、若い子には勝てへん。そこはいつも狙っているし、自分が勝てるところで勝負せんと。勝負は常に油断できないから、そういうタイプと練習することで萌里ちゃんたちが勉強になってくれたら良いかなって。

須田 そうですね。いつも気を抜いているところにパンチをもらって「ウワッ!」ってなります(苦笑)。

サダエ でもそのあとに逆襲されるから(笑)。やっぱりそのあたりは強いですよ。凌いだあとに何をするか。どうやって自分の得意なところに持っていくか。それが何歳になってもMMAの面白いところです。

――一方、須田選手はレスリングのバックコントロールを徹底している場面もありました。組みについては柔術のイメージが強かったので、意外な展開でした。

柔術&レスリングでグラウンドの安定感も増すだろう

サダエ いつも試合では、そんな展開になる前に極めているもんな?

須田 いえいえ、そういうわけじゃないです(笑)。前よりもっとレスリングを勉強するようになりました。

サダエ 今は逆に、極めるのを凌がれた時に次の展開をどうするのか――というところが苦手なのかなって思います。でもまだ若いから、そういうところも勉強して上手くなっていくよ。どんどん強くなっているからね。

須田 ありがとうございます!

――ちなみに、お二人が一緒に練習を始めて以降、試合をすることは考えられなかったのですか。もし今でも対戦オファーが来たら……。

須田 え~っ、分からないです(苦笑)。やっぱり試合はしたくないですね。

サダエ 試合はしたくないよなぁ。親子で戦いたくはないです。

須田 アハハハ!

サダエ 確かにファイターとしてはライバルかもしれないけど、今は同じチームとしてね。昔は、そういう気持ちもありましたよ。一緒に練習していても、対戦する可能性があれば少し手の内を隠したりとか。でもこの年齢になったら「みんな頑張れ!」という気持ちしかなくて。

「大強敵に勝って萌里ちゃんにバトンを繋ぎます」(サダエ)
「こんなに試合が空いたのが初めて。成長したところを見せたいです」(須田)

――なるほど。次の試合に関する話の前に……須田選手は今年1月のBlack Combatでパク・シユンに敗れましたが、相手のグローブ掴みもあり試合後は問題が紛糾していたと思います。その後、Black Combatの件はどうなったのでしょうか。

須田 どうなったんでしょうね? 相手の選手も引退しちゃったみたいですし(※パク・シユンは今年3月の伊澤星花戦を最後に、自身のインスタグラムでMMA引退を発表している)。

サダエ えっ、そうなん!? なんか逃げられた感じやな。

――パク・シユンとの再戦の可能性もなくなったなか、復帰戦の相手として海外選手を希望したのですか。

須田 いえ、そういうわけじゃないんです。ただ、国内の選手はもう一通り対戦してしまったので……。

サダエ それはもう女子あるあるよね。萌里ちゃんとしても、次はベルトに絡んでいきたいでしょう。

須田 それはそうですね。

サダエ 伊澤さんは確かに強敵やけど、若い時にどんどん挑戦していったほうが良い。そして若い時にベルトを巻いたほうが良いよ。

――では須田選手、対戦するイ・イェジについて印象を教えてください。

須田 凄く体がゴッツイ印象があります。試合を視たけど、綺麗な打撃とレスリングが武器という感じですよね。MMAの試合は久しぶりで、こんなに試合が空いたのが初めてで緊張していますけど、楽しみです。その間もいっぱい練習していたので、成長したところを見せたいです。

――そしてサダエ選手は青野ひかる選手と対戦します。

サダエ 「なんで!?」って感じですよ。大強敵じゃないですか(苦笑)。でも、そういう強い相手と対戦できるのは感謝しています。勝って萌里ちゃんにバトンを繋ぎます。

――須田選手はメインイベントですからね。

最後はLOVE

須田 男子の試合もあるなかでメインって、ヤバくないですか……。

サダエ ヤバくないよ。3月の大阪大会も女子がメインでしたし、時代は変わりました。みんな強くて、ガツガツ来てくれるし。今の女子選手は気持ちが違いますよ。

■DEEP Osaka Impact2024#03 視聴方法(予定)
9月22日(日)
午後12時30分~ ツイキャスPPV

■DEEP Osaka Impact2024#03 対戦カード

<アマチュアフェザー級/3分2R>
石田拓己(日本)
三浦健人(日本)

<アマチュアバンタム級/3分2R>
原田泰志(日本)
梅本純平(日本)

<フェザー級/5分2R>
宜野座ケビン(ペルー)
小西澄斗(日本)

<フェザー級/5分2R>
松原聖也(日本)
前原泰輝(日本)

<バンタム級/5分2R>
大空斗(日本)
エダ塾長こうすけ(日本)

<フェザー級/5分2R>
三井俊希(日本)
藤田宇宙(日本)

<バンタム級/5分2R>
山﨑鼓大(日本)
カーレッジユウキ(日本)

<女子フライ級/5分2R>
樹季(日本)
山口恵(日本)

<女子49kg以下契約/5分3R>
須田萌里(日本)
イ・イェジ(韓国)

<フェザー級/5分3R>
三村亘(日本)
鬼山斑猫(日本)

<フェザー級/5分2R>
古根川充(日本)
牧野滉風(日本)

<ウェルター級/5分2R>
角野晃平(日本)
中門虎鉄(日本)

<女子49kg以下契約/5分2R>
青野ひかる(日本)
サダエ☆マヌーフ(日本)

<バンタム級/5分2R>
MG眞介(日本)
堂園悠(日本)

<フェザー級/5分2R>
桑本征希(日本)
延命そら(日本)

<フライ級/5分2R>
藤田健吾(日本)
飴山聖也(日本)

<メガトン級/5分2R>
KENNY中村・ザ・天才チンパンジー(日本)
竹内龍吾(日本)

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【RIZIN47】仮想スーチョル=水垣偉弥が語る井上直樹「酷い目にあったので勝ってもらわないと困る」

18日(水)都内にて、29日(日)さいたま市中央区のさいたまスーパーアリーナで行われるRIZIN48に出場する選手たちの合同公開練習が行われた。
Text by Takumi Nakamura


ファン公開形式で行われた今回の公開練習は全14選手が参加。新井丈のミット打ち&木下カラテによる空手の型からスタートし、RIZIN初参戦の秋元強真がJTTのエリーコーチとのミット打ちを披露する。

3組目から6組目までは対戦相手が見ている前での公開練習となり、宇佐美正パトリックのシャドー→矢地祐介ミット打ち、佐藤将光と高橋遼伍によるMMA形式のマススパーリング→牛久絢太郎のミット打ち、太田忍の気配斬り→元谷友貴のミット&打ち込み、浅倉カンナと重田ほのかのMM形式のマススパーリング→伊澤星花とCOROのグラップリングスパーリングと続いた。

そして練習仲間でもある高木凌と井上直樹は揃ってミット打ちを見せた。キム・スーチョルとのバンタム級王座決定戦を控える井上のミットを持ったのはMMAPLANET「今月の一番」シリーズでもおなじみの水垣偉弥。井上曰く、水垣が仮想スーチョルとしてトレーニングパートナーを務めているそうだが、公開練習のミット打ちはあくまで軽めのもの。

公開練習後に水垣にコメントを求めると「今回、仮想スーチョルとして頑張りました。最後の方は色々な攻撃を当てられまくって酷い目にあったので、仕上がりはいいと思います。これで仮想の相手を出来るのはもう最後かもしれないくらい出し切ったので、勝ってもらわないと困ります」と井上の仕上がりの良さを教えてくれた。

そして締めに登場したのはルイス・グスタボとの防衛戦を控えるライト級王者のホベルト・サトシ・ソウザ。柔術衣を着てマットに表れたサトシは原点回帰ともいえる柔術形式のスパーリングで「久しぶりの試合、タイトルマッチです。絶対にベルトを守ります。日本の名前とRIZINの名前を守ります」と意気込みを語った。

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45 DEEP DEEP JEWELS DEEP JEWELS46 HIME MMA MMAPLANET o ニュース ライカ 伊澤星花 古瀬美月 彩綺 摩嶋一整

【DEEP JEWELS46】HIMEと対戦、彩綺が目指すMMA人生「ずっと青コーナーで戦っていきたい」

【写真】清々しいほどの確固たる意志を持っている(C)MMAPLANET

8日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP JEWELS46で、彩綺がHIMEと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

ブレイキングダウン出身として注目を集めていた彩綺は、今年3月に古瀬美月を36秒でKOしたことによりMMAファイターとしても今後が期待される存在に。そんな彩綺がHIME戦と、その先に思い描くMMA人生とは。


――古瀬戦ではKO勝利後、「みんな私のファンになってください!」とマイクで叫んでいました。その後、ファンは増えましたか。

「私の中では『増えたなぁ』と実感しています。たとえばXで投稿すると、今までは何も反応がなかったような内容でも誰かコメントしてくれるようになったりとか。応援のDMとかも以前に比べたら増えました。

そういえば、マイクでアピールした時に会場から『彩綺ぃ!!』と叫んでくれた人がいたんですよ。知らない人だったんですけど、大会が終わったあとに『さっき叫んだ人間です』と声を掛けてくれて。その人は次の大会、VIP席のチケットを買ってくれています」

――おぉっ、凄い! 試合内容としても手応えがあったのではないですか。

「ありましたよ! 試合前からフィジカルで負けることはないと思っていました。でも技術と経験の差はどうにもならない。だから私の中で覚悟を決めていくしかない――と。かといって練習していないと覚悟は決まらないですよね」

――古瀬戦のフィニッシュシーンは、サウスポーにスイッチした相手に左ヒザのフェイントから左のショートフックを決めました。古瀬選手がサウスポーの時、オーソドックスの時と作戦は考えていたのでしょうか。

「そんなにガッチリは決めていなかったです。前の試合は、相手がどう来ても良いように練習していました。古瀬選手は相手の構えやファイトスタイルによってスイッチすることが多いですよね。私との試合でも、36秒の間に何度もスイッチしていましたし。オールラウンダーでスイッチしてくるから、私も『コレ!』と決めるわけでもなく、とにかく全体的に。

古瀬選手はテイクダウンのために足を触りたかったのか、どんどん構えが前傾姿勢になっていて。パンチもフックが中心になって頭も下がってきていたんですよ。そこにヒザを当てようと思ったら相手がサウスポーになったので、私も左のショートを当てました。

映像を視てもらえれば分かると思いますけど、意外と私も冷静だなって(笑)。あのパンチが当たったあとに畳みかけることなく、『これで勝ったでしょ』と思えるぐらいの手応えがあったので」

――キャリアで上回る古瀬選手をKOしたことで、自信になったのではないですか。

「自信にはなりましたけど、う~ん……試合前から『ここで躓いていちゃいけない、ここで負けていちゃダメだ』と思っていました。MMAができるのも、あと4~5年ぐらいだと思うんですよね。だから勝っても『まだまだ上に行きたい』って――MMA人生を行き急いでいる感じです(苦笑)。私、まだ青コーナーでしか戦ったことがないんですよ。これからも、ずっと青コーナーで戦っていきたいと思っていて」

――青コーナー、つまりずっと挑戦者として戦っていくということですか。

「私、本当に失うものがないんですよ。だから青コーナーで戦いつづけて、最短で伊澤星花と試合がしたいです」

――おぉっ!!

「伊澤さんとはMMAを始める時に一度練習させてもらったことがあるんですよ。その時はスパーが始まってすぐギロチンを極められましたけど(笑)。その時に『この人と最短で試合するためには、どうすればいいんだろう?』と考えていました。

今、女子の49キロ(スーパーアトム級)が変わりつつあるじゃないですか。いろんな選手を発表していて……。でも、そこに伊澤さんが残っている。その伊澤さんと最短で戦うために、私も負けている場合じゃないんですよ」

――ただ、自分も予想していないスピードで駆け上がっていくと、そのスピードに戸惑いを覚える選手もいます。彩綺選手の場合は……。

「あぁ、そういうことがあるんですね。私の場合は、そもそも自分が期待されていると思っていなくて。期待されていない、って考えると結構楽ですよ(笑)」

――とはいえブレイキングダウンに出たあと、プロでも古瀬戦のようなKO勝ちでファンも増えた。結果、失うものが出来てしまうこともあります。

「どうなんでしょうね? ちょっと違う話かもしれないけど、やっぱり自分がブレイキングダウンに出ていたことで、いろんなイメージを持たれていたんですよ。さらに私が何かSNSに書くとネットニュースになって、アンチのコメントも増えるし。イラッとはしますけど、それはそれで仕方ないとは思っています。自分自身で選んだ道だから。だけどMMAで勝つと回収できていることもあって」

――勝っていくと評価も高まりますが、ぶつかる壁も高くなることもあるとは思います。それこそ「ここで負けられない」という気持ちは、「失うものがない」こととは相反するものではないですか。

「それは『越えなきゃいけない』と思い込んでしまうから、ですよ。一つひとつ壁のことを考えるから難しいのであって。言ってみれば全て壁ですもん。どれだけ壁があったとしても、まずは自分が普段から何をしているか――じゃないですか」

――そう考えると、最も楽しみなのは彩綺選手が赤コーナーで試合をする時ですね。

「あぁ、そうか。考えたこともなかったです(笑)。確かに、チャンピオンになったら赤コーナーですもんね。そうなったらまた青コーナーで試合することを考えるかもしれないけど」

――ベルトを巻いても挑戦し続けるということですね。まずは目前に青コーナーの試合が控えています。HIME戦はストライカー対決と言われていますが、ストライカーとしても違うタイプではあります。

「とにかく手足が長い相手ですよね。リーチは男子選手と同じぐらいなので、男子選手との練習で『これぐらいの距離なんだろうな』と考えながらやっています。ただ、やりづらさはあるけど、こちらがやることはシンプルだと思うんですよ」

――シンプル……というのは、打ちますか。それとも組みますか。

「自分が組んで面白い試合ができるかどうか、ですよね。たとえばHIME選手と同じジムの摩嶋一整選手は組んだら強いし、倒した後の展開が面白いじゃないですか。『こうなるのか。おぉっ! 次はこうなった』みたいな。今のDEEPジュエルスの中では、私はそこで魅せられる選手じゃなくて。でも打撃のイメージがあるのに、速攻で極めることができたらインパクトも大きいですかね(笑)」

――アハハハ、それはインパクトが大きいと思います。

「でも私はストライカーでいたいです。オールラウンダーを目指したいけど、その中でもストライカーにこだわりたい。もちろん打撃としてパウンドで倒すことも想定はしていて。あと今回は3R制で、ヒジありだし楽しみですよ」

――前回の試合ではファン獲得だけでなく、ヒジありの試合もアピールしていました。それだけヒジ打ちに自信を持っているということですか。

「自信もあるし、やってみたいんですよ。やっぱりヒジありの試合は迫力があるじゃないですか。タイでは全然ヒジの練習はしていなかったけど、HEARTSでは皆さん、ヒジ打ちをガンガン練習していて、しかもレベルも高いから『やっぱりヒジありをやりたい!』と思いました(笑)。今回は3Rだけど、1秒も相手に与えるつもりはないので。ずっと私のターンで、勝たせていただきます」

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