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11.23 UFCマカオ大会のメインイベントはピョートル・ヤン vs. デイヴィソン・フィゲイレド/その他オーズデミア vs. アルバーグ等4カードも発表

D09 地球の歩き方 香港 マカオ 深セン 2024~2025


 UFCが11月23日に中国・マカオで開催する『UFC Fight Night 248』のメインイベントがピョートル・ヤン vs. デイヴィソン・フィゲイレドのバンタム級マッチを行うことを発表。

 ヤンは3月の『UFC 299: O'Malley vs. Vera 2』でソン・ヤードンに判定勝ちして以来の試合。現在UFCバンタム級ランキング3位。フィゲイレドは8月の『UFC on ABC 7: Sandhagen vs. Nurmagomedov』でマルロン・ヴェラに判定勝ちして以来の試合で3連勝中。現在UFCバンタム級ランキング5位。


 他にも同大会ではヤン・シャオナン vs. タバサ・リッチの女子ストロー級マッチ、ヴォルカン・オーズデミア vs. カーロス・アルバーグのライトヘビー級マッチ、ソン・ケナン vs. ムスリム・サリコフのウェルター級マッチ、ワン・ツォン vs. ガブリエラ・フェルナンデスの女子フライ級マッチも合わせて発表されています。

 ヤンは4月の『UFC 300: Pereira vs. Hill』でジャン・ウェイリの女子ストロー級王座に挑戦し判定負けして以来の試合。現在UFC女子ストロー級ランキング2位。リッチは8月の『UFC on ESPN 62: Cannonier vs. Borralho』でアンジェラ・ヒルに判定勝ちして以来の試合で2連勝中。現在UFC女子ストロー級ランキング9位。

 オーズデミアは6月の『UFC on ABC 6: Whittaker vs. Aliskerov』でジョニー・ウォーカーに1R KO勝ちして以来の試合で2連勝中。現在UFCライトヘビー級ランキング6位。アルバーグは5月の『UFC on ESPN 56: Lewis vs. Nascimento』でアロンゾ・メニフィールドに1R KO勝ちして以来の試合で6連勝中。現在UFCライトヘビー級ランキング10位。

 ソンは8月の『UFC 305: Du Plessis vs. Adesanya』でリッキー・グレンに判定勝ちして以来の試合。サリコフは7月の『UFC on ESPN 59: Namajunas vs. Cortez』でサンチアゴ・ポンジニービオに判定勝ちして以来の試合。

 ワンは8月の『UFC on ESPN 62: Cannonier vs. Borralho』で行われたUFC本戦デビュー戦でヴィクトリア・レオナルドに1R KO勝ちして以来の試合でプロデビュー以来6連勝中。フェルナンデスは6月の『UFC on ESPN 58: Perez vs. Taira』でカルリ・ジュディスに判定勝ちして以来の試合。続きを読む・・・
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UFC306:メインイベント・ショーン・オマリー vs. メラブ・ドバリシビリ

バンタム級タイトルマッチ5分5R。ドバリシビリ1位。

オマリーは2度目の防衛戦。王座獲得後、過去に唯一敗れているマルロン・ヴェラ相手に防衛戦を行ったが、当時のヴェラは下位ランカーで、強豪を避けてオマリーをプロテクトするためのマッチメイクという見方もされていた。ヴェラには勝ったものの、粘られて判定決着。本人が初戦はアクシデントにすぎなかったと主張するなら、圧倒するかフィニッシュして欲しかったところ。今回はかつて苦戦した(メディアやファンからは負けていたと言われていた)ピョートル・ヤンに完勝したドバリシビリという、オマリーにとっては過去最強の相手となるが、オッズではオマリーが僅差ながらフェイバリット。タイトルを奪ったスターリング戦での勝利は決して出会い頭やラッキーではなかったと評価されている。29歳。

ドバリシビリは現在10連勝中。連勝しても、フィニッシュに乏しいファイトスタイルから、なかなかチャンスが与えられなかったが、王座から陥落してもまだバンタム級最強のイメージが残っていたピョートル・ヤンに完勝。前戦は、元王者でレスリングフリースタイル五輪メダリストのセフードから5度もテイクダウンを奪い、終盤まで動きが落ちずに攻め続けて勝利。満を持してのタイトル挑戦となる。セフード戦では、メキシコ系アメリカ人のセフードがアメリカ人アピールをしてメキシコのファンの支持を失ったのに対し、ドバリシビリがメキシコの国旗を持ち、「メキシコの誇り」をアピールしたことで、メキシコのファンからの人気が高い(なお、ドバリシビリ自身は特にメキシコとの関わりはない)。33歳。

すぐプレスするオマリー。何か指さしてアピールするドバリシビリ。ハーブ・ディーン割って入るが何?わからないまま再開。距離を取るオマリー。ドバリシビリまだ間合いに入らない。オマリーがパンチを合わせていく。徐々に詰めて来たドバリシビリ。しかしステップしてパンチを入れるオマリー。ジャブから右ボディ。ドバリシビリバックステ府でかわすが、逆に自分の攻撃が当てられない。オマリー関節蹴り。ドバリシビリついにタックル。組んだ。ケージ際でスタンドバック。後方に倒した。オマリー立つがパンチを入れるドバリシビリ。スタンドバックをキープ。ヒザを入れていく。片膝をついて頭部へのヒザを防ぐオマリーだがパンチを入れたドバリシビリ。正対したオマリー。ドバリシビリ離れる。残り1分。ドバリシビリパンチからタックル。シングルレッグ。テイクダウン。首を抱えた。ギロチンで引き込んだが決まらず。立ったオマリー。離れる。ホーン。

1Rドバリシビリ。

2R。パンチを入れていくオマリー。距離を取る。追っていくドバリシビリ。オマリーの右に合わせてタックルに入ったドバリシビリ。テイクダウン!ガードを取ったオマリー。体を起こさずパンチを入れていくドバリシビリ。一度立ったドバリシビリだがすぐまたガードに入る。オマリーラバーガード。三角から腕十字に行くが、グローブを掴んでおりハーブ・ディーンが止めて注意を与える。オマリー寝た体勢から再開。足をサバいてパスを狙いつつパウンドを入れるドバリシビリ。一度亀になったオマリーだがまたガードに戻るとパスしてパウンドを入れるドバリシビリ。オマリー立てない。パウンドを入れ続けるドバリシビリ。亀になり膝を着いたオマリーにパンチを入れていくドバリシビリ。残りわずかでギロチンに抱えたドバリシビリだが、絞めには行かず。ドバリシビリ終了だと思ったのか背中を向けて離れる。オマリーが立ち上がりパンチを入れていくがホーン。

2Rドバリシビリ。

3R。ドバリシビリシングルレッグからタックル。ケージに押し込むとオマリーは自ら膝を着いてグラウンド膝を防ぐオマリー。しかしボディに膝をもらう。立って離れたオマリー。テンカオを出したオマリーだが、キャッチしてパンチを入れるドバリシビリ。シングルレッグを狙ったがオマリー今度は足に触らせない。パンチを入れるオマリー。またタックル。切ったオマリーだが、離れ際にパンチを入れたドバリシビリ。手が出ないオマリー。オマリーヒザ。ホーン。

3Rもドバリシビリか。

4R。ボディストレートを入れるオマリー。しかしプレスされ下がっていく。前に出るとドバリシビリはバックステップでかわす。ドバリシビリパンチからニータップ。かわしたオマリー。しかしドバリシビリすぐタックルで飛び込んでテイクダウン。ハーフで固めた。固めながら殴っていく。オマリーガードに戻そうとするが逆のハーフにしたドバリシビリ。ヒジを落としていく。鉄槌。半身になり立とうとするオマリー。バックから鉄槌を入れるドバリシビリ。オマリーが立つとスタンドバック。ヒザを着くオマリーだが、ドバリシビリはバックコントロールしながら打撃を入れていく。オマリーフックガードで浮かそうとするが、防いだドバリシビリがヒジを入れ首をまたギロチンに抱える。放してパンチを入れるドバリシビリ。残りわずかでパンチのラッシュ。オマリーも左を返したが空振り。ホーン。

4Rドバリシビリ。消耗しているオマリー。

5R。サイドステップするドバリシビリ。オマリーボディストレートを出したがバックステップでかわされる。ドバリシビリウイニングランか。ステップを続ける。ニータップで飛び込みテイクダウン。背中を向けたオマリーだが、またヒザを着いたままこらえるのみ。立って正対したオマリー。ドバリシビリ離れる。残り2分半。左を入れたオマリーだが、疲れが見える。前蹴り。ドバリシビリのシングルレッグを切ってパンチを入れたオマリー。前蹴り。腹を押さえたドバリシビリ。効いたのか?ステップで距離を取るところにオマリーバックスピンキック。さらにまた前蹴りがヒット。腹を押さえるドバリシビリ。残り1分。シングルレッグ。こらえて切ったオマリー。しかし残り1分。ドバリシビリサイドステップで逃げ切り狙い。会場は当然ブーイング。パンチ・ヒザを入れるオマリーだが残り10秒でシングルレッグ。テイクダウン。タイムアップ。

49-46、48-47×2の3-0でドバリシビリ勝利。勝者の名前がコールされる前に拍手で称えるオマリー。

新王者誕生。オマリーは効かせるのが遅すぎた。前蹴りで腹を効かせられたドバリシビリはもう時間を稼ぐだけで良かった。

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【UFC306】展望  チケット代250万円!! 史上最強のワンオフ大会メイン=世界バンタム級選手権試合を読む

【写真】これぞ、どちらが自分を通し切る我儘さを貫けるか──という一戦だ (C)MMAPLANET & Zuffa/UFC

14日(土・現地時間)、ラスベガス近郊のパラダイスにあるスフィアにて、NOCHE UFC 306が行われる。昨年9月にオープンしたばかり、世界中で話題の地球上最大の球形建造物におけるUFCの記念すべき初興行のメインを飾るのは、王者ショーン・オマリーに、ランキング1位のマラブ・デヴァリシビリが挑戦するバンタム級タイトルマッチだ。
Text by Isamu Horiuchi

ラスベガスに出現した巨大な輝く地球儀の如きアリーナ=スフィアは、NYのマジソン・スクエア・ガーデン社により、合計23億ドル(3200億円以上)という桁外れの建築費をかけて作られたエンターテインメント施設だ。建物の外壁、内壁ともに最高解像度の巨大LEDスクリーンが全面に張り巡らされている。


前代未聞の興行のメインイベンターとしてUFCが選んだのが、バンタム級王者のショーン・オマリー

常に何らかの形でライトアップされているその姿は、外から見ても壮観極まりない。昨年11月に実に41年振りに行われたF1ラスベガスGPでは、F1のオーナー企業であるリバティ・メディアはストリートコースが、スフィアが所有する土地を使用するためにレース期間中はこの奇抜な建築物に使用料を支払い、その間スフィアは閉館していたという逸話を持つ。F1ファンなら記憶に残っているだろうが、世界最速マシンが走るワキをこの球体上の建物は常に同GPのスポンサーの映像を流し続けていた。

さらに20000人収容可能なアリーナ内部においては、全視界を覆うスクリーンによる視覚効果だけでなく、あらゆる場所に響き渡る最高品質の音響システムと、風や香り、はたまた触覚までも刺激する4D技術を駆使した演出が可能で、誰もが人生で味わったことがないような「没入型」の体験が提供されるとのことだ。

そんな斬新すぎる巨大アリーナにおける初のプロスポーツ興行として、世界のエンターテインメント業界から注目を集めている今大会。ダナ・ホワイト代表の力の入れようも尋常ではない。サウジアラビアのリヤドで毎年開催される世界最大級の観光アトラクション「リヤド・シーズン」を開催する総合エンタータインメント庁をパートナーに得て、2000万ドル(約28億円)以上の金額を演出に注ぎ込んだという。

「これは一度きりのイベントだ。もう二度とないよ。ここでスポーツイベントを敢行した者は存在しない。私は今まで誰もやったことがないことを成し遂げたいんだ。不可能だと言われているけど、だからこそ最高に魅力的だ。そもそもスフィアは映画やコンサート用のシアターであり、我々が普段使っている照明設備も使えない。(スフィア初イベントとして行われた)U2のコンサートより、はるかに複雑な照明を使うことになる(※ちなみにU2のこけら落としライブは9月29日を皮切りに週に2、3回の頻度で2月まで実施されたが、F1ウィークの前後は11月4日から12月11日まで休演となっていた)」

昨年もメキシコ独立記念日に合わせて、ベガスのT-MobileアリーナでNOCHE UFC(ノーチェは古くからあるスペイン語で「夜」の意味。つまり「UFCナイト」といったところか)を開催したUFCだが、今回の大会の正式名称は「リヤド・シーズン・ノーチェUFC」となる。

「この大会は、メキシコのファイトカルチャーに向けた私からのラブレターさ」ともホワイト代表は語っている。選手たちも特殊効果の撮影に駆り出されているようで、照明設備や壁全面を覆うスクリーンがどう用いられるのか、入場シーン等で果たしていかなるスペクタクルが展開されるのか、それだけでも見逃せない注目のイベントとなっている。

チケットの最高価格は約250万円、一番安価の席でも約32万円という超高額の設定で販売開始したチケットはさすがに即完売とはいかず、変動価格制によって現在チケット代は半額ほどに下がっている。ゲート収入の見込みも大幅に下方修正され、演出費を賄うのがやっとの2100万ドルあたりを予想しているという(もっともこの数字でも、これまでの最高ゲート収入──UFC 205における1770万ドル──を大きく上回ってはいる)。素人目には果たして採算が取れるのかと心配になってしまうが、プロスポーツの枠を超越したイベントを開くことで新たなファンの獲得も期待され、長期的に考えれば大きな利益につながるという算段のようだ。

この前代未聞の興行のメインイベンターとしてUFCが選んだのが、バンタム級王者のショーン・オマリーだ。2017年のコンテンダーシリーズ2にて衝撃的なKO勝ちを収めてUFCとの契約を得て以来──薬物検査失格による2年のブランクはあったものの──順調にKO勝ちを重ねてボーナスの山を積み上げスターダムに駆け上がった。

2022年10月のアブダビ大会において元王者ピョートル・ヤンとの大激闘を判定2-1で制したオマリーは、昨年8月には長期政権を築いていた王者アルジャメイン・ステーリングとの大一番へ。

(C)Zuffa/UFC

2R、ステーリングのテイクダウンを巧みに凌ぐと強引に前に出てきた王者に対して、下がりながら完璧なタイミングの右ストレート一閃。

倒れ込んだステーリングに鉄槌とパウンドの追撃を浴びせ、鮮烈なTKO勝利をもって戴冠を果たした。そして今年3月の初防衛戦の相手には、UFCで唯一敗戦を喫しているチートことマルロン・ヴェラを指名。

(C)Zufffa/UFC

5ラウンドを通して打撃で一方的に試合を支配して判定3-0で完勝し、コナー・マクレガー以来のスーパースターへの道を着実に歩んでいる。

対するマラブ・デヴァリシビリは、ここまで10連勝中。底知れぬスタミナを武器にテイクダウンを仕掛け続け、相手が何度立ち上がろうと前に出て組み伏せ続ける、他には真似のできない戦い方を身上とする。2年前、ベガスのシンジケートMMAにて修行中の朝倉海と出会って意気投合したことで、朝倉のYouTube動画を通してその親しみやすい性格を知るファンも多いだろう。

デヴァリシビリは長いことトップコンテンダーの座にありながらも、チームメイトのステーリングが王座に君臨してきたためタイトル挑戦表明をせずにいた。英語を母国語としないジョージア共和国出身ということもあり、白星を重ねながらもなかなか北米のカジュアルファン層から注目を集められずにいた。

実は本人はUFCで初勝利を挙げた6年前からオマリーとの対戦希望を口にしていたが、オマリーは一切反応せず。昨年5月には、ステーリングと睨み合うオマリーのジャケットを背後から取り、自ら着用してケージに登ってアピールするという直接行動に出たデヴァリシビリ。

が、それでもオマリーは「なんとも馬鹿げた行動だよな。あの時俺は、どこかの従業員がこっちの上着を脱がしてくれているのかと思ったから、そのまま渡したんだよ。あれがマラブだったなんて気付きもしなかった。まあ、奴はこれでファンに少しは知られるようになったかもな。俺のジャケットを着ることができた人間という、ただそれだけの理由でね」とまるで相手にしなかった。

オマリー戴冠=ステーリング陥落により、ついにチャンスが巡ってきたかに見えたデヴァリシビリだが、新王者は話題性と自分のリベンジを優先し、ヴェラを初防衛戦の相手に指名した。その先にはフェザー級王者のイリア・トプリアとの対決を希望し「まあマラブのように注目度の低い選手の優先度は、どうしても低くなるよな」と語っていたオマリー。

(C)Zuffa/UFC

が、デヴァリシビリが今年2月にヘンリー・セフードに完勝し流れは変わった。

この試合結果を受けて、オマリーは自らのYouTubeチャンネルにて「俺はみんながイリア戦を望んでいると思っていたんだ。でもファンは『お前はマラブから逃げている』とか『次はマラブと戦うべきだろ』とかうるさく言ってくる。いいだろう、次はマラブだ。チートを倒したらね。KOしてやるよ。奴の動きは雑だ。対して俺は正確無比。奴には速すぎるし鋭すぎる。失神させてやる」と宣言した。

そして翌月オマリーは予告通りヴェラに完勝し、今回のスーパーイベントでの両者のタイトルマッチが決定したのだった。圧倒的な人気を誇るオマリーに先を越されてしまっていたデヴァリシビリだが、ひたすら勝ち続けることで説得力を得てファンの声を動かし、ついに実力で挑戦権を勝ち取った形だ。

UFC最大のスターである現王者オマリーと、自他ともに認める最強挑戦者デヴァリシビリによる頂上決戦となるこの一戦。自らを「スナイパー(狙撃手)」と呼ぶ王者オマリーは、卓越したタイミングで瞬時に相手の顎を撃ち抜く左右の拳を持つ。対するデヴァリシビリは、常に前に出て手を出してはテイクダウンを仕掛ける恐るべきハイペースの戦いを、5R完遂してしまう底無しの体力の持ち主だ。

つまりこの試合の戦いの構図は、先々月のエドワーズ対モハメッドのウェルター級タイトル戦、先月のデュプレッシー対アデサニャのミドル級タイトル戦と同様──圧をかけ間合いを潰しグラップリングに持ち込みたい総合格闘家と、フットワークと打撃を駆使してその圧力を無効化したいストライカーによる凌ぎ合いということになる。

上述の二戦ではいずれも圧力をかけて組みに持ち込んだ側が勝利しているが、だからと言って必ずしも今回デヴァリシビリが有利ということにはならない。たとえば先日モハメッドは、巧みなスイッチと打撃を用いてエドワーズを金網側に追いやり、逃げ場を塞いでからテイクダウンを決めてみせた。しかし──同様に打撃を駆使して組みに持ち込むタイプではあっても──デヴァリシビリの戦い方はまた異なるものだ。

常にオーソドックスから思い切り良く踏み込んでパンチを放ってゆくデヴァリシビリ。打撃勝負上等の姿勢を見せておいて、その距離から上体を下げて(レベルチェンジして)シングルを取りにゆく。あるいはワンツー等で踏み込んだその勢いのままレベルチェンジして組みにゆく。

つまり、先日のモハメッドのように打撃で圧をかけ相手の逃げ場を封じてからテイクダウンに行くのではなく、デヴァリシビリはテイクダウンをまるで打撃のコンビネーションの一部であるかの如く放つ。そして、何回振り解かれようがそれを続け、やがて相手を呑み込んでしまうのが真骨頂だ。

無敵のデヴァリシビリ・スタイルがオマリー相手には命取りになる?!

(C)Zuffa/UFC

昨年3月のピョートル・ヤン戦では、5R中に何と48回テイクダウンに入るという前人未到のUFC記録を達成。

その上で判定3-0完勝している。

(C)Zuffa/UFC

これまで、このデヴァリシビリの「打撃の如くテイクダウンを放ち続ける」戦い方を止めることができた者は一人として存在しない。

上述のヤンやセフード以外にもジョゼ・アルドという元UFC世界チャンピオンが達がことごとくその軍門に下っている

しかし、まさにこのスタイルがオマリー相手には命取りになるのでは、という見方も成り立つ。たとえば同じバンタム級トップコンテンダーのコリー・サンドハーゲンは、この試合について「マラブは距離を詰めるのがすごく上手いわけではないよね。特に試合やラウンドの序盤はそうだ。それは本当にマズいことだと思う。なぜなら、ショーン・オマリーは距離を保つことにおいてベストの一人だから。同時に、相手が自分に距離に入って来ようとしたところで、酷い目に合わせることにおいても彼はベストだ」とオマリー有利を予想している。

オマリーのヘッドコーチのティム・ ウェルチも「マラブのように足を残してバランスを崩した状態で振り回してくる相手をKOするのは、ショーンには難しいことではないよ」と語っている。

実際、昨年8月にオマリーがステーリングを仕留めたのは、2R、打撃を放つステーリングが──デヴァリシビリがよくやるように──強引に体を伸ばして前に出てきた瞬間だった。卓越した距離感とタイミング、一撃必殺の左右の拳を持つスナイパー=オマリーが「まあマラブがレスリングで戦おうとしてこようが、打撃で戦おうとしてこようがどっちでもいいよ。早いうちに奴の顎を捕らえるよ」と自信を覗かせるのには確固たる根拠があるのだ。

が、その試合をステーリングのセコンドとして目の当たりにしたデヴァリシビリもまた、「オマリーは優れたフットワークとスピードの持ち主で、下がりながらのカウンターも打てて確かに危険だ。でも僕がやるべきはオマリーではなく、自分であることに集中すること。奴が勝つには僕をKOする必要がある。それさえ起きなければこの試合はこっちのものだ。スタミナには自信があるし、パンチもテイクダウンもある。防がれても構わない。今までいくらでも経験済みだ。殴られてもいい。僕はそれで目覚めるだけだ。今まで誰にもKOされたことがない。奴をブレイクする(心身を打ち砕く)よ」と揺るぎない自信を見せている。

他の追従を許さないスピードとフットワークに加え、体の微妙な動きを用いたフェイントの精妙さも天下一品、そして侵入者はたちまち撃ち落としてしまうオマリーの制空圏。そこにノンストップ・カーディオモンスターのデヴァリシビリがいかに侵入し、突破を試みるのか。一瞬たりとも見逃せない。

■視聴方法(予定)
9月15日(日・日本時間)
午前8時30分~UFC FIGHT PASS
午後11時~PPV
午前8時00分~U-NEXT

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『UFC on ABC 7』デイヴィソン・フィゲイレド vs. マルロン・ヴェラを見たファイター・関係者の反応



 『UFC on ABC 7: Sandhagen vs. Nurmagomedov』デイヴィソン・フィゲイレド vs. マルロン・ヴェラを見たファイター・関係者のSNSでの反応。続きを読む・・・
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【UFC ABC07】元世界フライ級王者フィゲイレドが、チート・ヴェラを破りタイトル挑戦をアピール

<バンタム級/5分3R>
デイヴィソン・フィゲイレド(ブラジル)
Def.3-0:30-27.29-28.29-28
マルロン・ヴェラ(エクアドル)

上体を反らしたような構えで、まず右カーフを蹴ったフィゲイレド。ヴェラもカーフを蹴り返し、フィゲイレドも続ける。ヴェラは前蹴り、フィゲイレドが右ミドルを蹴りの応酬から拳の交換へ。フィゲイレドの右とヴェラの左が交錯する。打撃戦の空気を創ったフィゲイレドは、ダブルレッグで一気にテイクダウンをきめる。ヴェラはクローズドガードを取り、手首を掴んで殴らせない。フィゲイレドは振り払って鉄槌を落とし、ヴェラは下からエルボーを繰り出す。起き上ったフィゲイレドは蹴り上げを受けたタイミングで、担ぎパスを仕掛ける。背中をみせつつ立ち上がったヴェラ。試合はスタンドに戻った。

残り1分、フィゲイレドが右カーフを蹴り、一瞬のスイッチを見せる。ヴェラは前に出てジャブ、走り込んでヒザ蹴りもフィゲイレドがテイクダウンを合わせてトップを奪取。エルボーを落として立ち上がると、スタンプが顔面をかすめヴェラが抗議した。

2R、右カーフから右ミドルを蹴ったフィゲイレドに対し、ヴェラがインロー。フィゲイレドはカウンターを合わせる。ヴェラが右ハイを蹴り、フィゲイレドは軸足を取りに行く。離れたフィゲイレドが左ミドル、続くダブルは切られるが右を打っていく。左ストレートにダブルレッグを仕掛けられたヴェラは、これを切ると左ミドルを入れる。フィゲイレドが右ボディショットを返し、シングルレッグへ、突き放してミドルを蹴ったフィゲイレドが、右オーバーハンド。ヴェラは右カーフを蹴り、ジャブを伸ばす。

フィゲイレドは左ボディから右カーフ、ヴェラはカーフを返す。右アッパーをガードしたヴェラは、ステップインにジャブを合わせようとする。自らも踏み込んで左フックを入れたヴェラが、最後に距離を詰めて左ボディを決めた。

最終回、すぐにダブルレッグを仕掛けたフィゲイレドは、これを切られたが直後にシングルレッグでケージまでドライブする。それでも倒せずエルボーを入れて離れると、ワンツーを放つ。肩口へのミドルハイを蹴ったフィゲイレドが、ステップインからボディ、そして顔面を打って行く。ヴェラも動くが、インパクトのある攻撃はフィゲイレドが多い。と、残り3分を切り、右でダウンを奪ったフィゲイレドは立ち上がったヴェラに圧を掛けて、右を入れる。ヴェラはボディを返す。

フィゲイレドも右ボディを打ち込み、カーフへ。ヴェラの左は外れ、フィゲイレドがヒザをボディに突き刺す。ダブルレッグを切ったヴェラは、ジャブで前に出てスピニングバックキックを繰り出す。フェラはスイッチして右ヒザを顔面に届かせ、ボディショット。フィゲイレドもパンチを返すが、ここはヴェラが優勢だ。残り時間も10秒を切り、ヴェラはヒザの空振りでバランスを崩し、尻もちをついた。

初回はテイクダウン&トップ✖2度でフィゲイレド。2Rはヴェラが返し、3Rはフィゲイレドがダウンを奪っている。結果、フルマークをつけたジャッジも1人おり、フィゲイレドが3-0で勝利。ショーン・オマリー✖マラブ・デヴァリシビリ戦の勝者への挑戦をアピールした。

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【UFC ABC07】トニー・ファーガソンが対戦、マイケル・キエーザ「僕は日本で戦わなければならない」

【写真】さすがはカラーコメンテーター。非常に整理整頓された言葉が続いた(C)MMAPLANET

3日(土・現地時間)、UAEはアブダビのエティハド・アリーナでUFC ABC07「Sandhagen vs Nurmagomedov」が開催され、マイケル・キエーアがトニー・ファーガソンと対戦する。
Text by Manabu Takashima

今やファイターだけでなく、UFC中継の解説者としても活躍中のキエーサに解説業とファイター人生を尋ねた。「自由になれれば強くなれる」という彼の言葉はオクタゴンの内外で当てはまる。非常に穏やかでキエーザだが、日本のファンへの一言という紋切り型の締めに対し、それまで以上に声が籠るという一面が見られた。


――トニー・ファーガソン戦が今週末に行われます(※取材は7月30日に行われた)。今の気持ちを教えてください。

(C)Zuffa/UFC

「凄く良いよ。

2016年にトニー・ファーガソンと試合が組まれたけど実現しなかった。僕はウェルター級に階級を上げたし、もう戦うことはないかと思っていたんだ。たけど、トニーがウェルター級に転向して僕を指名した。あの時は凄く興奮したよ。トニーは素晴しいファイターで、将来は殿堂入りするだろう。そんな彼と彼と戦うことができて本当に嬉しい」

──マイケルは3連敗、トニーは7連敗中です。この状況は勝利を目指すためにモチベーションになるのか、それともプレッシャーになるのでしょうか。

「3連敗もしていたら、本来はプレッシャーを感じるものだろうね。でも、今の僕は人生で一番大切なモノは何かが分かったから、プレッシャーを感じていないんだ。家族、友人たちとの関係は勝ち負けに左右されるものじゃない。勝とうが負けようが、彼らは僕を愛してくれている。

以前は試合に負けてファンがSNSに書き込む悪口や無神経な言葉に影響を受けることがあった。でも年を重ねて、人として成熟するとSNSの声なんて、何も重要でないと思えるようになった。僕には愛する人達、僕を愛してくれる人たちが近くにいてくれる。そんな愛すべき人々の存在が、僕からプレッシャーを取り除いてくれた。

何も縛られることなく戦うよ。そのために練習でベストを尽くしてきた。トニーが今、どのような心境で戦うのかは知る由もないけど、今の僕はそんな感じなんだ」

──自分の大切な人が理解してくれていると、顔も名前もしらない人間の書き込みなんてどうでもよくなりますよね。

「正直、今朝も色々と言われているよ。トニーは、多くのサポーターがいるからね。トニーを崇拝している分、僕に口撃をしてくるんだ(笑)。でも、僕がやるべきことはオクタゴンに上がって、勝利を得るために戦うだけだから。

家族を信じて生きるって、実は生き方を楽にしてくれるんだ。だって、それ以上に大切なモノは存在しないんだから。26歳の頃は、勝敗を生死のように捉えていた。でも、そんな風に考えることがなくなって、ファイターとしても成長していると感じている。自由でいることは競技者を強くする。今、僕は3連敗中だけど、人生においてその差は収入の差でしかない。勝てば、もっと収入が増えていたんだけどね(笑)」

──ハハハハ。そんなマイケルですが、もう6年ほど現役ファイターでありながら、UFC中継で解説者としても活躍しています。解説という仕事をすることが、MMAファイターとして役に立つことはありますか。

「もちろん、あるよ。絶対的にね。中継で解説をすることで、ファイトをするだけの自分とは違うビジョンが見えてくるようになった。ファイターの多くは自分の試合と対戦相手の試合しか、真剣にチェックしないものだ。

でも、少しでも良い解説者になろうとすればあらゆる選手のことを知らないといけない。そのためにチェックする試合の数が劇的に変わった。その結果、MMAについて理解が深まったよ。MMAは99パーセントの精神力と1パーセントの体力で戦うスポーツだ。解説の仕事をして、精神的に良い影響が出るようになった。ほとんどのファイターが、僕のような環境下で過ごしていないからね」

──TV解説は一般層にMMAを理解してもらうのに、とても大切な役割を担っていると思います。ただ殴り合いが見たいという視聴者に、MMAが何たるかを伝えることができる。そんな解説という仕事で、マイケルはどのようにMMAをジェネラル層に届かせ、より理解を深めてもらえるよう話していますか。

「まずファイトのストーリー性を伝え、興味を持たれるように心掛けている。DJは話しが面白いけど、知性を持ち合わせた解説をしている。ドミニク(クルーズ)は、技術の説明が秀でている。カラー・コメンテーターにも、それぞれ特徴がある。UFCの解説者に同じような人間はいない。ローラ(サンコ)は凄くエネルギッシュだけよね。マイケル・ビスピンはリズムよく、視ているファンの気持ちを上げている。そして、分かりやすい話し方だ。

そんななかで系統としては、僕はドミニクのような解説者になりたいと思っている。ドミニクって言葉をただ発するだけでなく、理に適う知識を持って言葉にできるんだ。試合を視ながら、そこで必要な知識をさりげなく話している。結果、ファンのMMAへの理解力が深まっている。そんなドミニク・クルーズの良さを受け継ぐような解説者になりたい」

──解説者は視聴者のことを100パーセント考える仕事で、ファイターは自分が勝つために我儘を通さないといけない。まるで別モノですね。

「どちらもスイッチを入れることが大切だよ。自由になれると、戦いやすくなる。そこが土曜日の試合でも大切になってくるだろう。自分にプレッシャーを与えることなく、戦いたい。そうやって戦うと、新しい自分になっている。きっと土曜日の試合で、ファンの皆が見たことがない戦いができるだろう。その機会を得られたのだから、存分に楽しみたいと思っている」

──マイケル、今日はありがとうございました。最後に日本のファンに一言お願いします。

「このスポーツから足を洗う前に、僕は日本で戦わなければならない。以前、UFC日本大会を訪れた時に、『こんなファンの前で戦いたい』と心底思った。僕はPRIDEを見て育ったし、今でもRIZINをチェックしている。日本のファンこそ、世界でベストのファンだ。日本の人達はマーシャルアーツへの造詣が深い。『いつかの日か、さいたまスーパーアリーナで戦いたい』と神に祈っているよ」

──嬉しい限りの言葉です。

「それに日本でUFCが行われる日は、近づいている。タツロー・タイラはフライ級のトップランカーに成長し、カイ・アサクラがUFCにやってくる。僕はウェルター級だから、手の合う日本のスーパースターはいないかもしれないけど、対戦相手は見つかるはずだ。UFCが日本に戻った時、絶対にその場に一緒にいたい」

■視聴方法(予定)
8月4日(日・日本時間)
午前1時00分~UFC FIGHT PASS
午前0時45分~U-NEXT

■ UFC ABC07対戦カード

<バンタム級/5分5R>
コリー・サンドハーゲン(米国)
ウマル・ヌルマゴメドフ(ロシア)

<ミドル級/5分3R>
シャラブジン・マゴメドフ(ロシア)
ミハウ・オレキシェイジュク(ポーランド)

<バンタム級/5分3R>
マルロン・ヴェラ(エクアドル)
デイヴィソン・フィゲイレド(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
トニー・ファーガソン(米国)
マイケル・キエーザ(米国)

<女子ストロー級/5分3R
マッケンジー・ダーン(ブラジル)
ルピタ・ゴディネス(メキシコ)

<ライト級/5分3R>
ヨエル・アルバレス(スペイン)
エルビス・ブレネウ(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
アロンゾ・メニフィールド(米国)
アザマット・ムルザハノフ(ロシア)

<ライト級/5分3R>
モハメド・ヤヒア(UAE)
カウエ・フェルナンジス(ブラジル)

<ヘビー級/5分3R>
シャミル・ガジエフ(バーレーン)
ドンテイル・メイス(米国)

<ライト級/5分3R>
グラム・クタテラデス(ジョージア)
ジョーダン・ブシニック(英国)

<女子ストロー級/5分3R>
ヴィクトリア・ダダコワ(ロシア)
サム・ヒューズ(米国)

<ライト級/5分3R>
ジェイ・ハーバート(英国)
ロランド・ベドヤ(ペルー)

<ミドル級/5分3R>
セドリクス・デュマ(米国)
デニス・チュルリン(ロシア)

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AB o UFC アレッサンドロ・コスタ ウィリアム・ゴミス エイドリアン・ヤネス カイオ・ボハーリョ キック ジェレミー・スティーブンス ジャック・ショア ジョゼ・アルド ペドロ・ムニョス ボクシング ポール・クレイグ マウリシオ・ルフィ マット・シュネル マルロン・ヴェラ ロブ・フォント

UFC301:オッズ/予想と展望

アレクサンドル・パントーハ 1.52
ティーブ・エルセグ 2.60
ジョナサン・マルチネス 1.62
ジョゼ・アルド 2.36
アンソニー・スミス 4.90
ビトー・ペトリーノ 1.19
ミシェウペレイラ 1.18
イーホル・ポティエリア 5.10
ポール・クレイグ 5.10
カイオ・ボハーリョ 1.18
ジャック・ショア 2.40
ジョアンダーソン・ブリート 1.60
カロリーナ・コバルケビッチ 4.30
ヤスミン・ルシンド 1.24
エルブス・ブレナー 3.15
ムイクティベク・オロルバイ 1.38
ジェアン・シウバ 1.80
ウィリアム・ゴミス 2.05
ジョアキム・シウバ 2.50
ドラッカー・クロース 1.56
マウリシオ・ルフィ 1.52
ジェイミー・ムラーキー 2.60
ディオネ・バルボサ 1.46
エルネスタ・カレツケイテ 2.80
イスマエル・ボンフィム 1.19
ヴィンス・ピシェル 4.90
アレッサンドロ・コスタ 1.70
ケビン・ボルハス 2.20

ブラジル大会のナンバーシリーズ。しかし先月の記念大会で駒を使い切ったせいで、苦しんだ跡が見えるメインとセミのカードに。

メインのタイトルマッチが地元の王者パントーハの防衛戦というのは決まっていたが、挑戦者候補が怪我などで次々にいなくなり、3月に判定勝ちしたランキング7位のモカエフまでが挑戦者枠に入っていたが、どうせ下位ランカーにするならありえないくらいの飛び級にした方が話題になると考えたのか、発表された挑戦者はランキング10位・UFCデビューから11ヶ月のエルセグ。

エルセグは去年の2月には地元オーストラリアのイベントで、日本の平井相手に防衛戦を行っていた。1Rチョークで勝利すると、試合後のバックステージでUFCとの契約が決まる。UFCデビュー戦はマット・シュネルの欠場で回ってきたランキング10位のドボジャーク戦で、僅差ならが判定勝ちしていきなりランクイン。2戦目はランカーと対戦予定が相手が欠場し、ノーランカーの代役との対戦で、またも接戦となり三者29-28の僅差判定勝ち。3月の前戦では、ベテランでランキング9位のマット・シュネルに初のフィニッシュ勝利となるKO勝ち。とはいえ、試合後のマイクでは「トップ5と戦いたい」という主張で、今回のような特殊な事情がなければ、王座挑戦が回ってくることはなかっただろう。

オッズは大差でパントーハ…と思いきや、そこまでの差ではない。それでもタイトル挑戦したモレノ戦、初防衛のロイバル戦よりは評価が高いが。

絞め技での勝利が多いグラップラーと思っていたが、前戦のシュネル戦ではKOパンチを持っているところも見せたエルセグ。が、それは相手のシュネルが打たれ弱くなっているという理由もあったし、1戦目・2戦目の内容を見ると、ランキング相応の実力で、底が見えないという印象ではない。順当にパントーハが防衛か。

パントーハ一本勝ち。

セミでは引退したジョゼ・アルドが復帰。もともと体力的に限界を感じての引退ではなかった。バンタム級でマルロン・ヴェラ、ペドロ・ムニョス、ロブ・フォントに3連勝し、ドバリシビリに判定負けした時点での引退表明。勝てばタイトル再挑戦もある試合だったが、負けたことで実績を積み直すよりも、新たな舞台であるボクシングへ挑戦を行うことを選択しての引退だった。

ボクシングではここまでエキシビションで1勝、プロ公式戦では1勝1分けで、同じ元UFCジェレミー・スティーブンスには引き分けているが、本人が希望するフロイド・メイウェザーなどのビッグネームとの対戦は実現していない。

引退が早かったとはいえ、もう37歳。あくまで地元大会で、目玉カードなく困っていたUFCが出したオファーを受けただけの限定復帰なのか、本格的に復帰するのか。相手はランキング12位でUFC屈指のローキッカー・ジョナサン・マルチネス。現在6連勝中で、ここ3戦はローキックを武器に勝利。特に前戦はエイドリアン・ヤネスからインローで戦闘不能に追い込んでKO勝ちしている。ボクシングに専念していたアルドにとっては危険な相手。

マルチネス判定勝ちと予想。

第1試合開始は5日朝7時から。速報します。

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【Special】月刊、水垣偉弥のこの一番:3月 ピョートル・ヤン×ソン・ヤドン「ヤンの打撃は僕の理想形」

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画。背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。
Text by Takumi Nakamura

大沢ケンジ、水垣偉弥、柏木信吾というJ-MMA界の論客をMMAPLANET執筆陣がインタビュー。今回は水垣偉弥氏が選んだ2024年3月の一番──3月9日に行われたUFC299のピョートル・ヤン×ソン・ヤドンについて、担当・中村の「深夜2:00はギリギリ4月30日!」という言い訳と共に語らおう。


――今回ピョートル・ヤンとソン・ヤドンの試合をピックアップしていただきました。僕も試合映像を見直したのですが、改めてものすごい試合だなと思いました。

「この試合を選んだ理由は、純粋に見ていて面白かったから、というところですね。同じ大会のメインイベントでショーン・オマリーとマルロン・ヴェラのバンタム級タイトルマッチが行われて、僕も現役時代はバンタム級だったし、そこかなとも思ったんですよ。これは多分好みだと思うんですけど……僕の趣味嗜好として、ヤン×ヤドンの方が好きだったので、こちらをセレクトしました」

――僕も水垣さんの意見と同意見で、これはちょっと語弊がある言い方かもしれないのですが、オマリー×ヴェラのような試合展開だったら、立ち技の試合でもよくない?と思ってしまうんです。

「若干それもあります。MMAの組み合わせ・マッチアップとして、あの2人だったらああいう試合になるのは分かるんですけど、MMAとして見たときにどちらが面白いかというと、僕の好みはヤン×ヤドンですね」

――全局面で打撃と寝技があったという意味では、ヤン×ヤドンはいいMMAが見れましたよね。この試合では両選手の打撃とレスリングのミックス具合が素晴らしいなと思いました。

「僕のイメージとしてはヤドンがタックルで仕掛ける展開はあまり想像してなかったんですよね。なのでヤドンが先手でタックルでテイクダウンゲームに行ったところがまず一つ、驚いたところでしたね。それが逆に試合を面白くしたなと思いますし、本当に良い作戦を立ててきた気がします」

――完全に決まらなかったとは言え、ヤドンの相手の足を触る動きだったり、あれでヤンの打撃も含めて後手に回らせたのは、チームの作戦と戦術がさすがだなと。

「あれは上手かったですね。ただヤンもスロースターターという言い方とは違うんですけど、完全に相手を見切るまで仕掛けないタイプだと思うんです。基本的に1Rは様子を見て、2Rからギアを上げていくみたいな。5Rが多い選手だったんですけど、3Rでも結構それをやるんですよね。そうすると見ていてドキドキするんです、1Rを失っちゃうわけだから。今回もヤンは先手を取られて、しかもテイクダウンゲームで取られた。打撃を見切ったか見切っていないか分からない状態で2Rを迎えたので『ヤンはこのままいっちゃて大丈夫?』と思ったことも、この試合を面白く見ることができた要因の一つかなと思います」

――試合全体としても後半に勝負のポイントがきたし、2R・3Rはいずれもラウンド後半に山が来ましたね。

「なんだかんだ2Rと3Rはヤンがテイクダウンしてトップポジションでラウンドを終えてるんですよね。それはもうやっぱり強いなと。試合としては接戦に見えたと思うんですけど、僕は見た目以上に実力の差があるのかなと感じた一戦でもありました。あの2・3Rを見ると、やっぱりヤンが一枚上手だなと。ヤンがラウンド終盤で上を取って、あのままキープするだけだったらそんなに印象に残らないんですけど、やりたいことをやってラウンドを終えるところも、ジャッジへの見せ方としてヤンは上手いですよね」

――ヤドンとしてはあれがあったから負けたという敗因ではなく、自分をもう一度作り直す必要がある敗戦だったかもしれません。

「きっとヤドンの作戦は上手くいっていたし、3Rマッチで自分がやるべきことはやったと思うんです。それでもヤンの地力が上で一歩上回った試合で、ヤドンとしては当たりを引いたけど、結局勝ちきれなかったという印象を受けました」

――僕自身、ライター活動に復帰してMMAの試合を多く見るようになりましたが、2人とも「ここでテイクダウンに行くの?」と思うようなタイミングでテイクダウンに行きますよね。

「そうなんです。ヤンが2Rに決めたテイクダウンは本当に見ていて気持ちよかったですよね」

――僕も「どうやってテイクダウンに入ったんだ?」と思って何度もそのシーンを見返しました(笑)。

「3Rにもう一度同じようなタイミングでテイクダウンに入ろうとして、あれは失敗に終わったのか、自分から寝転んで足関節を狙ったじゃないですか。どこまで狙っていたのか分からないけど、あの動きは面白かったし、あれにとっさに反応するヤドンもすごかったです」

――ヤドンに関してはアジア人でああいう試合をできる選手が出てきたことも驚きです。

「もともとヤドンは回転系や足技が売りの打撃系かなというところから、アルファメールで練習を重ねて、パンチもどんどん上手くなったし、タックルを仕掛けることも出来るようになって進化していましたよね」

――そのヤドンを地力で上回るわけですから、ヤンはどれだけ強いんだという。

「ヤンの打撃を見ていると、あれが僕のMMAにおける理想形に近いんですよ。タックルが切れて、スイッチして足をとらせないようにも出来て、パンチ・蹴り・ヒザ・ヒジ…全部使える。それでテイクダウンもできてパウンドも強いタイプなんで、僕の中での理想のMMAファイターですよね。僕は個人的にレスラーが好きだし、レスラーが強いと思っているんです。僕のようにレスラーではなく、レスラーたちと戦ってきた身としては、ヤンのようなスタイルができれば、VSレスラーに対して、もう少し良い結果が出せたのかなと思いますね。僕の話をすると、僕はレスリングに対してレスリングを頑張って何とかするという選択をして、本物のレスラーには苦戦を強いられたんです。そういう意味でも、何が正解かは分かりませんが、ヤンのスタイルは答えの一つではあるかなと思います」

――水垣さんがおっしゃるように打撃におけるプレッシャーのかけ方、出している技の数、絶妙にテイクダウンを意識した打ち方……ヤンはMMAにおける組みに対応する打撃を見せています。

「しかもボクシングだけにならずに蹴りも出せるのがいいと思いますね。タックルの切り方も、普通に切るのはもちろん、足を触られてもそこからが強いんです。シングルレッグは取られてもダブルレッグには入らせない。片足を触られてからの逃げ方も上手い。あのテイクダウンディフェンス能力の高さもヤンの武器です。でもそのヤンから1Rにテイクダウンをとっているわけだから、ヤドンのレスリング力も相当高いですよね……どっちもすごい(笑)!」

――この2人の話は止まりませんね(笑)。

「水垣的ランキングで言うと、チャンピオンはオマリーだけど、実力という意味ではヤンがNo.1だと思うんですよ。オマリーとヤンの試合も正直僕はヤンが勝ったと思いました。ただメラブ(・ドバリシビリ)はヤンに5Rで勝ってるんですよね? しかも5Rで」

――そうですね。しかもジャッジ3名とも50-45でメラブを支持した試合です。

「だからヤンとの相性という意味では、メラブは抜群に強いですね。僕的にはテイクダウンゲームを仕掛けてくる相手に対してヤンの戦い方は理想形ではあるんですけど、メラブくらいテイクダウン能力が突き抜けるとやられちゃうんだもんなぁ」

――今名前が挙がったオマリー、メラブ、ヤンで言うと、MMA的にお手本にすべき選手はヤンだと思うんですよ。オマリーとメラブは練習して到達できる動きをしていないというか。

「そうなんですよ。その3人がいて、どの選手を目指すべきかというと僕もヤンだと思うんですよね。オマリーを目指そうと思っても生まれ持った手足の長さがないと真似できないし、メラブの動きはもはや超人的じゃないですか。そうすると、凡人の我々が目指すところ、もちろんあそこまで完成度を高くすることも、ものすごく大変で才能も必要だと思うんですけど、それでも誰を目指すべきかというと僕はヤンだと思います。そういう選手がオマリーやメラブのような相手に勝つと、何かちょっと僕らにも希望が持てますよね」

――どのスポーツにも他人が真似できないスーパースターがいる一方、教材として参考になる選手がいる。MMAでもそういう見方で選手や試合を見るのも面白いですよね。

「そうだと思いますね。きっと若い子や格闘技を始めてすぐの人たちはオマリーを目指しがちですが、あのスタイルは持って生まれたものが必要だということに気づくことが第一歩だと思います。オマリーのスタイルは誰でも出来るものじゃないぞと(笑)」

――冒頭にもあったようにオマリーがベルトを防衛した大会で水垣さんがヤン×ヤドンをセレクトしたことに意味があると思いました。

「僕もオマリー×メランありきで考えたんですけど、ちょっと方向転換して僕目線のチョイスにさせてもらいました!」

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45 MMA MMAPLANET o UFC UFC299 キック ショーン・オマリー マルロン・ヴェラ

【UFC299】オマリーが圧倒的な手数でヴェラを圧倒。判定勝利で王座防衛&リベンジを達成

<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者]ショーン・オマリー(米国)
Def.3-0:50-45.50-45.50-44
[挑戦者] マルロン・ヴェラ(エクアドル)

ヴェラが左の前蹴り、オマリーは右ローと前蹴りを返す。ヴェラが構えをスイッチしつつ、オマリーはスピニングバックキックとミドル、ロー、前蹴りと蹴りを使って、右ストレートにつなげる。ヴェラもパンチから右ミドルを蹴り、オマリーの前足に関節蹴りを見せる。

オマリーも構えをスイッチしながら前手でヴェラを触って右ストレートにつなげ、ヴェラの蹴りをキャッチして右ストレートを狙う。ここからオマリーは前蹴りと関節蹴りを見せつつ、右ストレートを顔面とボディに打ち分ける。ヴェラも細かく構えをスイッチし、サウスポーから左のスーパーマンパンチ。オマリーは右ボディ、顔面への右フックを見せた。

2R、オマリーはスピニングバックキックを続けて見せ、右の前蹴りと右ロー、右ストレートにつなげる。お互いサウスポーになるとヴェラは左ロー、オーソドックスに構えるオマリーは右ミドルを蹴って、右ストレートにつなげる。ヴェラも構えが喧嘩四つになると、左ミドルを蹴る。

オマリーはサウスポーから左ストレート、オーソドックスに構えて右ストレートと右ボディ。サウスポーのヴェラは左ストレート、そこにオマリーは右ストレートからヒザ蹴り。このヒザでヴェラの動きを止めるとパンチとハイキックで前に出て、一気にパンチをまとめる。終盤、ヴェラも左ストレートから右フック、オマリーが左ハイと右ストレート、終了間際に右ストレートのカウンターを当てた。

3R、構えをスイッチするオマリーが前手で細かくフェイントを入れる。サウスポーから左ストレート、オーソドックスからワンツー・右ボディ、前蹴りを突き刺す。ヴェラも構えを変えながらパンチで前に出るが、オマリーはバックステップして距離を取る。

離れたオマリーはジャブで間合いを作ってワンツー、左ボディ、前蹴りのフェイントから左ストレートを突き刺し、ボディにも攻撃を散らす。ヴェラも左ストレートを見せるが単発に終わる。逆にオマリーは右ストレートと右ヒザ蹴り、ヴェラが右フックから前に出て左ミドル。これをオマリーがブロックして、一瞬ヴェラがグラウンドで下になるが、お互いすぐに立ち上がる。

4R、サウスポーのヴェラがジャブ・ワンツーからボディへのヒザ蹴り。オマリーもジャブとワンツー、構えのスイッチと合わせて左右のストレートを当てる。ヴェラはワンツーで前に出て飛びヒザ蹴り。これでオマリーの動きが止まる。

手数を増やすヴェラは左アッパーを突き上げ、オマリーはジャブ、前蹴り、左ボディ。ヴェラはビッグヒットこそないものの、細かいパンチをヒットさせる。オマリーも変わらずパンチを顔とボディに打ち分け、ヴェラが左フックから右ストレート、右ミドル。オマリーはワンツーを当てるが、ヴェラの手数が増えた印象のラウンドだ。

5R、オマリーはサークリングしてジャブを突く。右ストレートを当てると、スピニングバックキック、ヴェラの左ミドルを受けてパンチを顔面とボディに打ち分ける。さらにケージを背負うヴェラにヒザ蹴りを突き上げ、左ストレートを当てる。

前に出るオマリー。ヴェラもガードを上げて前に出るが、オマリーは右ボディと右ストレート。サウスポーのヴェラは左ストレートから右フック、オマリーもサウスポーのからの左ストレートを当てて足を使う。距離が詰まるとオマリーはボディブローとヒザ蹴り。ヴェラも左フックとヒザ蹴りを返す。判定はジャッジ2名が5ポイント、1名が6ポイント差をつける形でオマリーが勝利。ヴェラへのリベンジを果たすとともに初防衛に成功した。

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o UFC キック ピョートル・ヤン ヘンリー・セフード マルロン・ヴェラ

UFC299:第6試合・ペドロ・ムニョス vs. カイラー・フィリップス

バンタム級。ムニョス13位。

ムニョスはランキング4位まで上がったが、直近8戦で2勝しかできず、とうとうランキングも13位まで落ちた。空手・柔術がバックボーン。昨年8月の前戦は、ヘンリー・セフードの代役としてマルロン・ヴェラと対戦。接戦で、メディアのジャッジはムニョスの支持が多い内容での判定負け。勝者は今回のメインでタイトルに挑戦するのに対し、ムニョスは今回ランク外の挑戦を受ける立場に。37歳。

フィリップスはメインカードで4位ピョートル・ヤンに挑戦するソン・ヤドンには3年前にテイクダウンから攻めて勝利しているが、次戦でハウリアン・パイバにダウンを奪われ判定負け。その後負傷や禁止薬物での出場停止があり、ここまでUFC5勝1敗ながら、いまだにランク外。レスリング・柔道・柔術がバックボーンのグラップラー。28歳。

ジャブを入れるフィリップス。ヒザ。キャッチしてテイクダウンを狙ったムニョスだが倒せず。フィリップスバックスピンキックを見せる。ステップインしてジャブ。遠い間合いからステップしながら蹴りを入れるフィリップス。ジャブ。ワンツーからミドルを出したが、ムニョスキャッチしてテイクダウン。足で阻んで立ったフィリップス。スタンド。詰めるムニョスに、ステップしながら打撃を入れるフィリップス。ローからハイ。ムニョスのタックルを切ったフィリップス。バックに回ろうとする。立ったムニョスだが、フィリップスすぐに打撃を入れていく。フィリップスがパンチとヒザで猛攻。が、攻勢の中でフィリップスのアイポークがありタイムストップ。再開。ジャブを入れるフィリップス。手数が多い。ムニョスは入ってくるところにパンチを合わせようとするが、ワンテンポ遅れてパンチが届いていない。ホーン。

1Rフィリップス。

2R。パンチを入れるフィリップスにムニョスはカーフキック。出入りしながら打撃を入れるフィリップス。飛び込みにパンチを合わせるムニョス。詰めてきた。フィリップスのハイをかわして組み付いたが、フィリップス引き剥がす。フィリップスのハイをかいくぐったムニョス。サイドキックを顔面に入れたフィリップス。フィリップス左ボディから右ストレート。ワンツーロー。最後にバックスピンキックからパンチを入れたフィリップス。ホーン。

2Rはややペースを落としたものの、フィリップスのラウンド。

3R。フィリップス右ハイ、ボディ、バックスピンキック。パンチの間合いにしたいムニョスだが距離を取られる。フィリップスは飛び込みながら打撃を入れていく。詰めたムニョスに右を入れたフィリップス。右ハイをヒット。ムニョス詰めるが左右にステップして詰めさせないフィリップス。最後にバックスピンキックを放つがムニョスかいくぐってシングルレッグ。しかしタイムアップ。

三者フルマークでフィリップス勝利。

ステップしての打撃で圧倒して勝利。

パンチの間合いで勝負したいムニョスだったが、フィリップスのステップにかわされる展開で完敗。