【写真】減量もあり疲労が見えるなか、ビクターは「全てはファンのためだよ」と快くインタビューを受けてくれた。感謝だ(C)MMAPLANET
22日(土・現地時間)、カリフォルニア州アナハイムのホンダ・センターで開催されるUFC 270「N’Gannou vs Gane」で、ビクター・ヘンリーが仕切り直しのハオーニ・バルセロス戦が実現する。
昨年12月18日に組まれていた試合は、ビクターが計量後のコロナ検査で陽性となり、最後の最後のタイミングで流れた。あれから1カ月後のファイトも、実際のオファーは2週間前だった。
断ることもできた試合を受けた。ビクター・ヘンリーはどんなに強い相手と戦ってもフィニッシュを目指す。
──昨年12月19日のUFN199でオクタゴン・デビューが決まっていたビクターですが、まさかの計量後のテストでコロナ陽性となり、試合が流れてしまいました。
「計量が終わったあとも、決まりで検査を受けないといけない。それまで2度の検査では陰性だったけど、計量とフェイスオフ後にホテルでもう1度検査があり、そこから隔離されることになったんだ」
──なにか自覚症状はあったのですか。
「ノー、ないよ。体調はまるで問題なくて、カリフォルニアに戻ってからのテストでは陰性だった。まぁ今、あらゆるスポーツで起こり得ることだよ」
──それにしてもヴィクター自身、やり切れないかったのではないですか。
「もちろん。特に計量も終えて、あとは試合だけっていうタイミングだったからね。全てやってきたことを奪われてしまった感じがした。ただ不幸ではあったけど、最後のチャンスじゃない。またチャンスが巡ってきて、ケージに戻れることは間違いなかったからね」。
──今や米国ではCOVID19はインフルエンザ以下、風邪という風に捉えられているように日本に伝わってくることもるのですが、UFCはそこまで厳格に対策を行っているのですね。
「UFCじゃないよ。州政府がやっていることだよ。UFCは州毎のプロトコルに従っている。UFCは世界中で開催されているから、その土地毎に決められたルールに則して大会を開く。カリフォルニアではカリフォルニア、ベガスでネヴァダの有り方にできる限り従っているんだ」
──現地で陽性になると、隔離されるわけですか。
「陽性結果が出ると、そうなる。ただ飛行機で家に戻ることはできないけど、ベガスと南カリフォルニアは車で移動できる距離だから、僕はUFCが手配してくれたレンタカーでドライブして戻った」
──公共交通は使用できないけど、車なら移動できるらしいですね。フロリダまで戻った人もいたと聞きました。
「そうなんだ。自分で運転して、ね。隔離措置は陰性結果が出るまで。1度目のテストで陰性で、もう1度受けて陰性だったから練習に戻ったよ」
──それにしても、色々と大変でした。
「忙しかったよ(苦笑)。精神の浮き沈みもあったけど、そこまで深刻じゃなかった。メディアの対応も、書類のサインとか全てをやり……さっきも言ったけど、何といっても計量を終えていたからね。まぁ、どうしようもないよ。目を開いて、次を見据えるだけだった。
次だ、次のことを考えないと。落ち込んでばかりいられない。何もできないし、全てを良い経験にして次に向かわないとね。ただ、前に進むだけだったよ」
──と同時に、ショートノーティスの出場予定から1カ月、今回はより準備ができたのではないでしょうか。
「前回は試合まで1週間、減量しかできなかった。今回は多くの人が1月15日に同じ相手と試合をするって話してきたけど、何もオフィシャルなことは決まっていなかったんだ。契約書にサインをしたわけでもなくて、ただ噂が一人歩きしていた。マッチメイカーからもマネージャーから何も連絡はなかった。
2週間前かな、連絡がきた。『もう1度、ハオーニ・バルセロスだ』ってね。まぁ、またショートキャンプだよ。ただし、キャンプの長さは問題じゃない。どっちにしても、タフな試合になることは分かり切っている。1週間のキャンプでも、8週間のキャンプでも彼の強さは変わらない。だから、試合の有無にかかわらずファイターはいつもジムにいて、ケガのことだけ注意しながらハードトレーニングを続けておく必要があるんだよ。
だいたいハオーニにはハオーニで、ビザ関係で解決しないといけないという状況だった。ビザの更新がないなら、この試合もないと聞かされていた。でも、僕はハオーニと戦いたかった。日程と相手とチェンジして戦うことも可能だったけど、どう考えても強いハオーニとマーシャルアーチストとして戦いたかったんだ。だからオファーがあった時、即イエスと答えた」
──ビクター、漢ですね。では、そのハオーニの強さとは?
「16勝2敗、8KOというレコードでも明らかだ。パンチの強さは疑いようがない。何よりもフェザー級で戦ってきたから、フィジカルも大きな武器になっている。この2つの要素だけで、彼と戦うバンタム級の選手にとっては大きな問題だ。それでも、僕には何とかできる武器がある。大きくてボクシングの強いハオーニの穴を見つけるんだ。
僕の打撃はただボクシングをするだけじゃない。蹴り、ヒザ、ヒジと多様性がある。そしてフットワークだ。スタミナとサブミッション・ゲームでも僕の方が上だよ。フィニッシュへの意識も違う。
僕は過去に勝ったと思った試合を落としたことがある。相手が安全に戦っていたからだ。フィニッシュするのが困難な相手もいる。でも5分3R、5分5Rの試合中にフィニッシュを狙わないで、どうする? そんな試合をしても、誰の記憶に残ることもない。UFCファイターのなかにもセーフティゲームを戦い、白星を積み重ねている選手もいるよ。
一方でキャリアに浮き沈みがあっても、常にフィニッシュを狙うエキサイティングなファイターも残っている。僕らは時給を貰っているわけじゃない。15分間戦おうが、3分間で終わろうがファイトマネーは同じだ。ならなら少しでも早くフィニッシュした方が良いだろう(笑)」
──アハハハ。ヴィクター、またいつも通り日本のMMAファンに一言お願いします。
「いつもと同じように──言うよ(笑)。皆が恋しい。日本に行ってゴーゴーカレーが食べたい」
──ヴィクターがゴーゴーカレーに触れると、清水俊一選手が『僕が連れて行ったんです』とツイートするんですよ(笑)。
「その通りだ。シミズのおかげで、日本にいくと太る。アイツのせいだよ(笑)。シミズとはまずゴーゴーカレーを食べて、直後にグラップリングのスパーリングをするんだ(爆)。また、アレをやりたいな。早く、そんな日が訪れてほしいよ」
■視聴方法(予定)
1月23日(日・日本時間)
午前8時00分~UFC FIGHT PASS
正午~PPV
正午~WOWOWプライム
■1UFC270対戦カード
<UFC世界ヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者] フランシス・ガヌー(カメルーン)
[挑戦者] シリル・ガンヌ(フランス)
<UFC世界フライ級選手権試合/5分5R>
[王者] ブランドン・モレノ(メキシコ)
[挑戦者] デイヴィソン・フィゲイレド(ブラジル)
<バンタム級/5分3R>
コディ・ステーマン(米国)
サイド・ヌルマゴメドフ(ロシア)
<ウェルター級/5分3R>
ミシェウ・ペレイラ(ブラジル)
アンドレ・フィアーリョ(ポルトガル)
<ミドル級/5分3R>
ホドウフォ・ヴィエイラ(ブラジル)
ウェリントン・トゥルマン(ブラジル)
<ウェルター級/5分3R>
マイケル・モラレス(エクアドル)
トレヴィン・ジレス(米国)
<ライト級/5分3R>
マット・フレヴォラ(米国)
ヘナロ・ヴァルデス(メキシコ)
<バンタム級/5分3R>
トニー・グレーブリー(米国)
サイモン・オリヴェイラ(米国)
<女子フライ級/5分3R>
ジャスミン・ジュスダヴィチェス(カナダ)
ケイ・ハンセン(米国)
<バンタム級/5分3R>
ハオーニ・バルセロス(ブラジル)
ビクター・ヘンリー(米国)
<女子ストロー級/5分3R>
ヴァネッサ・デモパウロス(米国)
シルヴァナ・ゴメス・フアレス(アルゼンチン)
<フェザー級/5分3R>
イリャ・トプリア(ドイツ)
シャルル・ジョーダン(カナダ)
<ウェルター級/5分3R>
ジャック・デラ・マダレナ(豪州)
ピート・ロドリゲス(米国)
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【UFC270】仕切り直しのバルセロス戦、ビクター・ヘンリー「僕らは時給を貰っているわけじゃない」 first appeared on
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