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45 MMA MMAPLANET o ONE ONE167 キック シッティチャイ・シッソンピーノン 野杁正明

【ONE167】野杁が前に出続けるも、シッティチャイの手数&巧さを崩しきれず。ONEデビュー戦は判定負け

<キック・フェザー級/3分3R>
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)
Def.3-0
野杁正明(日本)

サウスポーのシッティチャイが左ミドル。野杁も左右のミドルを返し、シッティチャイの前足のローを集める。右ストレートとガードして前に出る野杁。シッティチャイは左ストレートと左ミドル、野杁はスイッチして右ボディを打つ。

シッティチャイはジャブと左ストレート、前蹴り。野杁も下がらず前に出るが、シッティチャイはジャブと左ハイと右アッパーを当てる。野杁は右フックから返しの左。シッティチャイは前蹴りとミドル、右アッパーから左ストレートを当てる。野杁は右の三日月蹴り、距離を詰めて左ボディと左フック。シッティチャイは右アッパー、野杁は左ローを連打する。

2R、ここも野杁はサウスポーに構えて、シッティチャイの前足にローを集める。シッティチャイは距離が詰まると左右のアッパー、野杁の前進を前蹴りで止める。

細かくパンチをまとめるシッティチャイ。野杁はオーソドックスに戻して右ミドルと右ストレート、左ローを連打して右のテンカオを突き刺す。シッティチィは細かくパンチをまとめてヒザ蹴り、野杁は距離を潰して右から左フック、右ストレート。前足をカーフで削って右ストレートを伸ばす。

3R、シッティチャイは左ミドルと前蹴り、ジャブを細かく突く。野杁は右ストレートを返して右ミドル、シッティチャイの左の蹴りに左フックを返す。野杁は飛び込むような右ストレートと右ヒザ蹴り、右フックと手数を増やす。シッティチャイは前に出てくる野杁にヒザ蹴りを合わせ、追撃を許さない。

野杁もヒザ蹴りを返してパンチをまとめ、シッティチャイはワンツー。野杁はスピニングバックフィストを放つが当たらない。最後はシッティチャイが距離を取って試合終了となり、判定でもシッティチャイが勝利。野杁のONEデビュー戦は判定負けとなった。


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45 MMA MMAPLANET o ONE ONE167 X-1 ガブリエル・ソウザ キック ケイド・ルオトロ シッティチャイ・シッソンピーノン ジョー・ナタウット デニス・ザンボアンガ ノエル・グホンジョン ブレイク・クーパー マイキー・ムスメシ ヴィクトリア・ソウザ 北野克樹 平田樹 武尊 野杁正明

【ONE167】ロッタン×ピューリックはキャッチウエイトに変更、リアム・ハリソン×北野克樹は中止

【写真】武尊戦の負傷欠場からの復帰戦となったロッタンだが計量オーバー……。(C)MMAPLANET

明日8日(土・現地時間)、タイはバンコクのインパクト・アリーナで開催されるONE167の公式計量&ハイドレーションが行われた。
Text by Takumi Nakamura

野杁は計量・ハイドレーション共にクリア(C)ONE

野杁正明のONEデビュー戦で注目を集める今大会だがロッタン・ジットムアンノン、リアム・ハリソン、北野克樹の3選手がハイドレーションテストをクリアするも計量オーバーという事態が発生した。

ONEから届いたプレスリリースによれば、ロッタンはフライ級のリミット135ポンド(61.2キロ)を6.25ポンド超過する141.25ポンド(64.07キロ)で最終的に計量を終了。対戦相手のデニス・ピューリックがキャッチウエイトでの試合を受けたことで、141.25ポンド契約のキャッチウエイトで行われることになった。(ロッタンの報酬の25%が対戦相手に渡される)

平田も計量・ハイドレーションしっかりとクリア(C)ONE

またハリソンと北野についても対戦者同士がハイドレーションテストをクリアするも計量オーバーという事態となり、キャッチウエイトでの試合も成立せず。試合そのものが中止となった。(ONEから届いた公式計量&ハイドレーションテスト結果では両者の体重は記載なし)

なお日本から参戦している野杁、平田樹は計量&ハイドレーションテストともにクリアしている。

■放送予定
6月8日(土・日本時間)
午前8時45分~U-NEXT

■ONE167計量結果

<ムエタイ・フェザー級/ 3分3R>
タワンチャイ・PKセンチャイムエタイジム:70.3キロ
ジョー・ナタウット:69.05キロ

<キック141.25ポンド契約/3分3R>
ロッタン・ジットムアンノン:64.06キロ
デニス・ピューリック:61.12キロ

<サブミッショングラップリング・バンタム級(※65.8キロ)/10分1R>
マイキー・ムスメシ:65.31キロ
ガブリエル・ソウザ:65.54キロ

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ケイド・ルオトロ:76.77キロ
ブレイク・クーパー:74.95キロ

<キック・フェザー級/3分3R>
シッティチャイ・シッソンピーノン:69.28キロ
野杁正明:69.73キロ

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
デニス・ザンボアンガ:51.70キロ
ノエル・グホンジョン:51.93キロ

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エイドリアン・リー:75.97キロ
アントニオ・マンマレッラ:76.31キロ

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ジョン・ガザリ:60.55キロ
ウェン・トゥラン・ユイニョク:61.12キロ

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹:51.82キロ
ヴィクトリア・ソウザ:51.82キロ

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ジョハン・エストゥピニャン:65.31キロ
ザファー・シャイック:65.77キロ

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45 AB F1 K-1 MMA MMAPLANET o ONE ONE167 YouTube キック シッティチャイ・シッソンピーノン ボクシング 武尊 海人 海外 野杁正明

【ONE167】野杁正明、ONEへ―02―「ONEでチャンピオンになったら、初めて『ここがゴールだ』と思える」

【写真】5月18日、野杁は武尊が結成したteam VASILEUSに加入することを発表。武尊、そして渡辺雅和トレーナーらと共にONEの頂点を目指す(C)TAKUMI NAKAMURA

6月8日(土・現地時間)、タイはバンコクのインパクト・アリーナで開催されるONE167にて、野杁正明がフェザー級(70.3キロ)キックボクシングルールでシッティチャイ・シッソンピーノンと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

注目のONE参戦、そしてシッティチャイとの対戦が決まった野杁。ONE参戦を決意した理由を語ってくれて前編に続き、インタビュー後編ではシッティチャイとの対戦やONEでの戦い、そして先にONEに戦いの場を移した武尊への想いを語った。

<野杁正明インタビューPart.1はコチラ
<シッティチャイ インタビューはコチラ


――さてONEデビュー戦では、いきなりトップ選手のシッティチャイと対戦することになりました。オファーを受けた時はどんな心境でしたか。

「驚きはなかったですね。素直に嬉しかったです。キャリア豊富なベテランですし、ランキングでも3位に入っていて、デビュー戦で当ててもらえてよかったです」

――試合をやるならランカーやトップ選手とやりたかったですか。

「やりたかったです。その方が手っ取り早いので。シッティチャイはONEでタワンチャイにも勝っていますし、ONE以外ではスーパーボンに勝って、グレゴリアンには通算戦績で勝ち越していて、そうそうたるメンバーに勝ってるじゃないですか。ここをクリアすれば次のステージが見えてくるので、ノーランカーの選手とやってチャンスが回ってくるのを待つよりは、シッティチャイのような選手とやれてよかったです」

――ファイトスタイルについてはどんな印象を持っていますか。

「一言で言うとテクニシャンですよね。サウスポーで上手く戦いながら、相手が入ってくるところにヒザを合わせる、みたいな。もろにムエタイスタイルではないですけど、ムエタイスタイルをこのルールに合わせて戦っている印象です」

――シッティチャイは野杁戦が決まって、野杁選手と対戦経験があるゲーオ・ウィラサクレックを臨時コーチとして招聘しているそうです。

「最初はそれを知らなかったのですが、ファンの方が『シッティチャイがゲーオと練習しているみたいです!』とDMで教えてくれて(笑)、それでゲーオのインスタを見に行ったら一緒に練習している動画がアップされていたので、驚きはしないですけど、そうなんだくらいの感じですね」

――僕はシッティチャイのこの試合に対する本気度が伝わってきたのですが、野杁選手はいかがでしょうか。

「嬉しい限りですね。弱いシッティチャイじゃなくて、過去最強のシッティチャイで来てもらいたいので、しっかり対策も練ってきてもらいたいです」

――意外にも野杁選手の過去の戦績を振り返るとタイ人との対戦はゲーオとプライチュンポンの2人だけで、タイ人と戦うことに警戒心はないですか。

「僕は全く気にならないですね。僕のファイトスタイル的に相手がオーソドックスでもサウスポーでも関係ないですし、タイ人に苦手意識はないです。ONEの日本大会でシッティチャイとグレゴリアンがやった試合も会場で見ていて、なんとなく戦うことはイメージしていたので、今回も(倒し方は)何パターンか用意しています。グレゴリアンが3Rで倒しているので、それより早いタイムで倒して上位ランカーたちにアピールしたいですね」

――またこの試合はケージ、そして海外遠征にもなります。そこについてはいかがでしょうか。

「ケージはあんまり気にしないですかね。リングの方が詰めやすいとは思いますけど。あと海外やアウェーで戦うのは好きなんですよ。過去にフランスで2試合やっているんですけど、最初のフランス遠征で戦った(エディ・ネイト・)スリマニが地元のヒーローみたいな選手で、会場の雰囲気が僕の攻撃が当たっても『シーン…』で、スリマニが攻撃を出すだけで『ウォー―!』みたいな反応だったんです。でも僕がKO勝ちしたら、フランスのお客さんも僕に声援を送ってくれるようになって、そうやって周りの見方をひっくり返すのは気持ちいいですね。ちなみにその大会で一緒だったのがアラゾフと(ローマン・)クリークリャだったんです」

――のちにONEでチャンピオンになる2人とそこで会っていたんですね。

「アラゾフにいたっては年齢も一緒だし、K-1のベルトを獲った日(2017年6月18日)も初防衛に成功した日(2018年3月21日)も同じなんですよ。だから色んな縁を感じますね」

――またONE参戦が決まった時にSNSで「武尊くんと2人でONEの世界チャンピオンになりたい」と発信していました。改めて野杁選手の武尊選手へのリスペクトを感じたのですが、野杁選手にとって武尊選手はどんな存在ですか。

「もともと武尊くんは敵チームだったんですよ。僕がK-1ジム恵比寿にいた頃は僕と小澤海斗が仲良くて、ちょうどその時期に武尊くんと海斗がバチバチだったんです。海斗が武尊くんと試合した時は、僕も武尊くんの試合を見まくって、海斗に対策をさずけて、試合当日はセコンドにもついたんです。その時に何に驚いたかというと、武尊くんは僕が考えた対策の一歩上を行くんですよ。それがすごく印象的で『どんな練習をやったらそんなことができるんだろう?』と。で、実際に武尊くんと一緒に練習するようになったら、とにかく練習量がすさまじい。サンドバックをやるにしても、周りが止めない限り、全力でやり続ける勢いなんです。あれだけのトップ選手が自分で自分をそこまで追い込んでいることにびっくりでした」

――色んな面で想像を超える選手だったわけですね。

「あと武尊くんはむちゃくちゃ頭が良いですね。試合だけを見ているとバチバチに打ち合うじゃないですか。だから打ち合うこと以外は考えていないように思われがちですけど、本当に色んなことを考えながら練習もスパーもやっているんですよ。一度、ボクシングのスパーをやらせてもらったんですけど、1Rのなかでもこっちの動きに対する対応を変えてきたり、対応力もすごいんです。練習量と頭の良さが両方あるからこそ、武尊くんはあれだけ勝ち続けられていると思うし、一格闘家として尊敬できる存在です。あとは『THE MATCH 2022』で僕が海人選手に負けてしまって、いい形で武尊くんにつなげられなかったことが悔しくて。そのリベンジではないですけど、同じ日に試合をして勝ちたいですし、2人でONEのベルトを巻いて世界一になりたいです」

――例えば武尊選手と2人で色々と話すことはあるのですか。

「team VASILEUSに加入してから話すようになったんですけど、KREST時代は若干距離があったんですよ(笑)。僕がKRESTに入った当初、みんな僕のことを“野杁くん”と呼んでいて、そこにちょっと距離を感じていたので、しばらくしてトレーナー陣に『下の名前で呼んでもらっていいですか?』とお願いしたいんです。そしたらトレーナー陣から徐々にみんな“野杁くん”から“正明”に呼び方が変わっていったんですけど、唯一武尊くんだけ“野杁くん”呼びのままで。それで微妙な距離を感じていたら、K-1横浜アリーナ大会(2019年9月)の前のインタビューで武尊くんが『正明は~』と言っているのを見て『あっ!“正明”って呼んでる!』と思って、それで距離が縮まりました(笑)」

――キャラクターや性格は違う2人ですが、格闘技や練習に対する考え方は似ていると思いますか。

「なんて言ったらいいんだろう…僕も武尊くんも“格闘技バカ”なんでしょうね。いい意味でお互いネジがはずれてるんだと思います」

――野杁選手の年齢・キャリアを考えると、ONEが最後の挑戦になりそうですか。

「ONEが僕の最終章だと思っています。そのデビュー戦でランキング3位のシッティチャイと試合を組んでもらったので、このまま最短距離で一気にベルトまで駆け上がりたいと思います」

――今まで色んなベルトを巻いて、トーナメントでも優勝してきたと思いますが、ONEのベルトを巻いて「世界一になった」と思いたいですか。

「はい。今までトーナメントで優勝してうれしい・ベルトを巻いてうれしいと思ったことはあるのですが、これでゴールだと思ったことは一度もないんです。でもONEでチャンピオンになったら、初めて『ここがゴールだ』と思えると思うので、そこを目指して戦っていきたいです」

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【ONE167】野杁正明、ONEへ―01―「誰もが認める世界最強になりたい。僕の中ではONE一択だった」

【写真】世界一になるために誰と戦えばいいのか。その答えが野杁にとってはONEへの参戦だった(C)TAKUMI NAKAMURA

6月8日(土・現地時間)、タイはバンコクのインパクト・アリーナで開催されるONE167にて、野杁正明がフェザー級(70.3キロ)キックボクシングルールでシッティチャイ・シッソンピーノンと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

昨年7月のK-1両国大会以来、沈黙を守ってきた野杁がK-1との契約解除、そしてONE参戦を発表した。しかも注目のONEデビュー戦の相手はGLORYで一時代を築き、フェザー級ランキングの3位に位置しているシッティチャイ。名実ともに世界のトップと戦いたいという想いを持っていた野杁にとっては、これ以上ない相手が用意されたと言っていいだろう。

ONE参戦を格闘技人生最後の挑戦と位置付ける野杁のインタビューを前後編で公開。前編ではONE参戦を決断した理由を語ってくれた。

<シッティチャイ インタビューはコチラ


――野杁選手のONE参戦が発表されて、SNSでも大きな話題となりました。野杁選手の周りでも反響が大きかったのではないですか。

「公式発表されて数日間は携帯が鳴り止まなかったですね。過去最高くらいの反響です。ファンの人たちも『待ってました』や楽しみにしています』という声が多くて、僕自身もびっくりしています。K-1時代から『ONEの選手とやってほしい』『ONEに挑戦しないんですか?』と言われることも多かったので、期待してもらえているんだなという感覚はありますね」

――具体的にいつからONEのことを意識するようになったのですか。

「(マラット・)グレゴリアンや(チンギス・)アラゾフが圧倒的な強さを見せてK-1チャンピオンになって、ONEに行ったじゃないですか。そのくらい(2020年~2021年)から意識するようになりましたね。ONEは世界中から強い選手が集まってくる舞台だったので、いつかは(ONEに)挑戦したいという気持ちは持っていました」

――野杁選手も2022年頃から本格的に70kg転向を視野に入れていて、そこでより具体的に考えるようになりましたか。

「僕が小学2年で格闘技を始めたとき、いつかK-1に出たいと思っていて、当時はヘビー級と70kgしかなかったので、もともと70kgでやりたいという気持ちはあったんです。あとは徐々に体重も増えてきて、2021年にK-1で67.5kgのベルトを獲ったんですけど、世界的に見て67.5kgは中途半端な階級じゃないですか。当時は67.5kgで世界トーナメントをやってほしいと思っていましたが、その階級で僕が燃えるような相手がいるかと言われたら思いつく選手がいなくて。それだったら世界的にも選手層が厚くて盛り上がっている70kgに挑戦した方がいいなと思っていました」

――体重も自然に増えていたのですか。

「そうですね。K-1では最初65kgでやっていて、だんだんと減量がきつくなって階級を上げることにしました。特にフィジカルトレーニングをやって体重を増やしていたわけではないので、自然にそうなった感じですね」

――ちょうど野杁選手がK-1ウェルター級(67.5kg)王者になった時期は新型コロナウイルスの問題で外国人を招聘できませんでした。チャンピオンになって外国人選手と戦いたいという想いは強かったですか。

「はい。僕はずっと外国人選手とやりたかったんで。日本一になっても誰も満足しないだろうし、僕も納得できない。格闘技をやっている以上、世界一を目指して最強を証明したいので、日本人選手と戦って満足することはないです」

――これは元K-1プロデューサーとしての話にもなるのですが、70kgのトップ選手の多くがONEと契約していて、ONEから選手を招聘することが契的に難しい。そうなると必然的にONEと契約が終わってフリーになった選手、もしくはONEと契約していない戦績がいい選手を呼ぶしかないという状況で、そういった選手の情報は常にチェックしていたんです。そのなかで招聘できた選手がジャバル・アスケロフやアマンシオ・パラスキフだったのですが、野杁選手としてはもっと強い選手と戦いたかったですか。

「正直、物足りなさはありましたね。対戦相手が決まって、100%満足できる相手かと言われたらそうではなかったですし、僕は試合が発表されたときに、ファンの人たちに『野杁、負けるんじゃないの?』と思われるような相手とやりたいので。そう思われる相手に勝てば、自分の実力も認められるじゃないですか。そういう意味ではK-1の最後の2試合は『今回も野杁が勝つだろう』や『また無名の選手のやるのか』という声の方が多かった。もちろん名前が知られてなくても強い選手はいますが、アラゾフやグレゴリアンは格闘技ファンだったら誰もが知っている選手ですし、そういう相手と戦って勝ちたいと思っていました」

――昨年7月のパラスキフ戦後のマイクでは「これからは世界のトップとしか試合をしていかないんで」という言葉もありました。おそらく野杁選手も先ほど僕が話した状況は理解していたと思うのですが、その一方で一選手としてはやりたい相手と戦いたいという気持ちが勝っていたのですか。

「僕はオファーを断ったことがないですし、ずっと決められた相手とやってきたんで、それをやるのはパラスキフ戦が最後だと思っていました。アスケロフもパラスキフも強い選手ですが、世界のトップにいく選手じゃない。そのランクの相手と試合を続けて現役生活を終えて納得できるかと言われたら、僕は納得できなかったし、僕自身もキャリアが終盤に差し掛かってきて、今が一番強い野杁正明だと思っているので、だからこそ挑戦したいと思ってマイクしました」

――K-1では今年からK-1WORLD MAXが復活&トーナメントも開催されていて、野杁選手にもオファーがあったと思います。それでも野杁選手はONEで戦いたいという気持ちは変わらなかったですか。

「はい。僕の中ではONE一択でした。K-1からトーナメントのオファーがあった時、まだONEと契約できるかどうか分からなかったのですが、もしあのトーナメントに出ると言ったらONEに出るチャンスもなかったと思いますし、僕自身トーナメントの選手たちがそそられるメンバーではなかったです」

――野杁選手は強い選手と戦うことはもちろん、自分の実力を証明できる相手と戦うことも重要な要素ですか。

「僕は誰もが認める世界最強になりたくて、もし今年のK-1MAXに出て圧倒的な強さで優勝したとしても、満場一致で野杁正明が世界最強だという評価にはならないと思うんですね。もし優勝しても必ず『アラゾフとやったらどうなの?』や『グレゴリアンとやったらどうなの?』という意見が出てくる。だったらそういう選手たちがいる場所で戦って、一人ずつ倒していって、最終的に世界一と言われる相手に勝てば、誰からも認められる世界最強になれるので」

――野杁選手自身「あの選手とやってないじゃないか?」と言われるのは嫌ですか。

「色んな契約とか交渉事があるから、簡単に戦いたい相手と試合が組まれないのは分かっていますけど、強いと認められている選手を一人ずつ倒していけば誰にも文句を言われないじゃないですか。それが出来たら周りもそうだし、何より僕自身が納得して格闘家としてのキャリアを終えられるのかなと思います」

――野杁選手のキャリアを振り返ると、強いと言われる選手と戦って勝つことを繰り返してきたと思うので、ONEで戦うことも自然な流れだと思いました。

「弱い選手とばっかりやって、それなりに戦績を積んで稼いだとしても、それはその選手の身内が喜ぶだけじゃないですか。僕はお金を払って試合を見てくれるファンやお客さんを喜ばせたいし、それがプロの格闘家だと思っています」

<この項、続く>

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45 GLORY K-1 MMA MMAPLANET o ONE ONE167 キック シッティチャイ・シッソンピーノン タワンチャイ・PK・センチャイ ボクシング マラット・グレゴリアン 野杁正明

【ONE167】野杁正明と対戦、シッティチャイ「ゲーオから野杁に勝つために必要なことを教わっている」

【写真】ONEでは連敗中だが、過去にONEでタワンチャイ、Kunlunでスーパーボン、GLORYでグレゴリアンに勝っているシッティチャイ。復活のために新たな取り組みに着手している(C)MMAPLANET

6月8日(土・現地時間)、タイはバンコクのインパクト・アリーナで開催されるONE167にて、シッティチャイ・シッソンピーノンがフェザー級(70.3キロ)キックボクシングルールで野杁正明と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

GLORY時代はライト級(70キロ)王者として、6度の王座防衛に成功し、一時代を築いたシッティチャイ。ONE参戦後はタワンチャイ・PK・センチャイに勝利するもの、スーパーボン・シンハ・マウィン、チンギス・アラゾフ、マラット・グレゴリアンには敗れており、現在は2連敗と苦しい戦いが続いている。

そのなかで決まった野杁との対戦に向けて、シッティチャイは過去に野杁とも対戦経験があるゲーオ・ウィラサクレックを臨時コーチとして招聘して野杁戦に備えていた。


――ONE167で野杁選手と対戦が決まったシッティチャイ選手です。野杁選手と試合が決まった時はどんな心境でしたか。

「彼がトップレベルのファイターの1人だということを以前から知っているから、とても気持ちがたかぶったよ」

――野杁選手の存在はいつから知っていたのですか。

「K-1でゲーオ(・ウィラサクレック)と戦った頃だね。試合が決まって改めて試合映像も見直したけど、彼はパンチ中心のスタイルで、技がパワフルかつ精度が高い選手だと思う」

――野杁選手は日本の中量級のトップ選手です。彼はスキルは世界レベルだと思いますか。

「その通り、彼は日本のトップ選手だし、そのスキル・能力は確かなものだ。ただし“世界”という基準で言うと、それが分かる相手とは戦っていないと思う。これから彼が世界のトップと戦っていくうえで、自分のどこを成長させる必要があるかを感じていくだろうね」

――野杁選手は負けそのものも少ない選手ですが、彼に勝つイメージは出来上がっていますか。

「彼が負けの少ない選手だということも知っている。でもこうして彼と試合をすることが決まって、僕が彼に勝つファイターになると思っているよ。もちろんKOするチャンスとタイミングが来れば、KOを狙っていきたい」

――SNSでシッティチャイ選手が先ほど名前も出たゲーオ選手と一緒に練習している映像を拝見しました。

「実は野杁戦のためにゲーオにトレーナーを依頼したんだ。彼は野杁と2度戦っているし、野杁に対してどういう攻撃をすればいいかをアドバイスしてもらっている。野杁に勝つために必要なことを教えてもらっているよ」

――それはすごく興味深いです。すでに日本のファンはシッティチャイ×野杁に期待・注目していますが、より楽しみになりました。

「自分自身、ONEで2連敗して良い結果を残していないから、日本のファンにも期待してもらっているとは思っていなかったよ。とにかく野杁戦は自分が持っているものをすべて出して、周りの期待に応えたいし、がっかりさせたくない。今回はそういう気持ちもあるから、余計にエキサイトしているよ」

――連敗しているという部分で、何か練習面で変えたことはありますか。

「自分も年齢を重ねて、若いころと同じ肉体ではない。特に格闘技という体を痛めつける競技をやってきたからなおさらだ。これからも試合を続けて、勝っていくためにはフィジカルやストレングス面が重要になってくる。だから今は科学的なトレーニングも取り入れて、自分の肉体を鍛える・進歩させようと思っている」

――シッティチャイ選手はGLORY時代に王者となり、6度の防衛にも成功した70キロ最強を証明したと思います。そのうえで今はONEでチャンピオンになって自分の強さを証明したいという想いがあるのですか。

「ONEは今現在も成長しているプロモーションで、ONEでチャンピオンになれば世界中のファンに自分の存在を知ってもらうことができる。今の自分の目標の最高到達点はONEでチャンピオンになることだ」

――それでは最後に日本にいるシッティチャイ選手のファンにメッセージをいただけますか。

「まず日本からも自分のことを応援してくれてありがとう。若い頃はずっとK-1に出て日本で戦いたいと思っていたから、日本のファンに応援してもらえることは本当にうれしい。今回は日本のファンにも喜んでもらえる、いい試合を見せたいと思う」

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【ONE167】野杁正明がシッティチャイと激突!6・8インパクト・アリーナ大会でONEデビュー

【写真】野杁がムエタイのトップ選手と戦うという意味でも非常に興味深いマッチアップだ(C)MMAPLANET/TAKUMI NAKAMURA

6月8日(土・現地時間)、タイはバンコクのインパクト・アリーナで開催されるONE167にて、野杁正明のONEデビュー戦が決定。シッティチャイ・シッソンピーノンと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

4月23日にONEと契約したことが発表された野杁。待望のONEデビュー戦は6月のONE167、ONEフェザー級 ムエタイ世界タイトルマッチ=王者タワンチャイ・PK・センチャイ×挑戦者ジョー・ナタウット、ロッタン・ジットムアンノンの約9カ月ぶりの再起戦が組まれた大会で行われる。


対戦相手は元GLORYライト級王者のシッティチャイ。GLORY時代にはロビン・ファン・ロスマーレンから王座を奪取し、マラット・グレゴリアン、ディラン・サルバドール、テイジャニ・ベスタティらを下して6度の防衛に成功し、一時代を築いた。

2020年からONEに戦いの場を移し、スーパーボン・シンハ・マウィン、タワンチャイ、チンギス・アラゾフ、グレゴリアンと対戦。この4人との対戦ではタワンチャイに勝利するもの、スーパーボン、アラゾフ、グレゴリアンには敗れており、タイトル戦線から一歩引いた位置にいる状況だ。

野杁がタイ人と対戦するのはプライチュンポン・ソー.シーソムポン戦以来、約3年ぶり。これまで世界の強豪と戦ってきた野杁だが、意外にもタイ人の対戦はプライチュンポンとゲーオ・ウィラサクレックの試合しかない。欧米人との対戦ももちろんだが、野杁の卓越した技術がムエタイのトップ選手に通用するかどうかという面でも興味深いマッチアップとなった。

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【ONE】「世界のトップに挑戦する」宣言から9カ月、野杁正明が契約発表!キック・フェザー級の戦いへ

【写真】本格的な70kg転向に合わせ、野杁がONEへの戦いに挑む (C)TAKUMI NAKAMURA

23日(火)、ONE ChampionshipのプレスリリースにてONEと野杁正明が独占複数試合契約を締結したことが発表された。
text by Takumi Nakamura

野杁は10代の頃から“怪物”と呼ばれ、K-1甲子園優勝をはじめ国内の様々なタイトルを獲得。新生K-1ではスーパー・ライト級(65kg)&ウェルター級(67.5kg)の2階級制覇を成し遂げ、日本立ち技格闘技のトップを走り続けてきた。今年4月にK-1との契約解除を発表し、その去就が注目されるなか、ONEとの契約が正式にアナウンスされた。


K-1ウェルター級のタイトルを保持していた野杁だが、2023年からは本格的に70kg転向を視野に入れていた。

同年3月には69kg契約でジャバル・アスケロフ、7月には69.5kg契約でアマンシオ・パラスキフをKOし、パラスキフ戦後は「今までは来るもの拒まず試合を受けてきましたが、世界の強豪と戦わせてください。そして(相手を)選ばせてください。これからは世界のトップとしか戦わないので、世界のトップに挑戦していく今後の野杁正明にご期待ください」と語っていた。

結果的にパラスキフ戦がK-1では最後の試合となり、現在の70kgの世界のトップ選手たちが集まるONEでの戦いに踏み出す形となった。

厳密に言うと70kgでの試合は未経験の野杁だが、ONEキックボクシング世界フェザー級王者チンギス・アラゾフと判定まで粘ったアスケロフを右ストレートでKOし、ONEに定期参戦していたタイフン・オズカンとスプリット判定だったパラスキフを右ミドルでKOしている。70kgでも十分に通用する実力とフィジカルは持っていると言えるだろう。

ONEフェザー級=70kgのランキングにはアラゾフ、スーパーボン、マラット・グレゴリアン、シッティチャイ・シッソンピーノン、タワンチャイ・PK・センチャイ、ジョルジオ・ペトロシアンという早々たるメンバーが名を連ねている。

チャトリCEOが年内のONE日本大会開催を明言する中、野杁のONEデビュー戦がいつになるのか。どんなマッチメイクが組まれるのか。そして野杁がONEの70kgでどこまで通用するのか。ONEでの野杁の戦いに注目していきたい。プレスリリースでの野杁のコメント配下の通り。

「(今の率直な気持ちは?)率直に嬉しいです。やっと!という気持ちが強いです。それとワクワクします。早く強豪しかいないリングで戦いたいです。(次のステージをONEに決めた理由)やはり立技最強の舞台はONEだと思っているので、そのリングに挑戦したかったからです。自分は世界最強を目指して格闘技をやっているので、今の野杁正明がONEにも通用するのかを試してみたかったのでこのキャリアを選びました。

(今後の目標は?)必ずONEのベルトを獲ること。自分だけじゃなく武尊くんと一緒に。そして日本人の強さを証明していきます。(誰と戦いたい?)誰との試合でも挑戦者だと思うので誰でもいいです。ランキングに入っている選手はもちろん、とにかく強い選手と戦っていきたいです。(ファンへのメッセージ)ONE Champinosipのファンの皆様、初めまして。日本の野杁正明です。試合を観に来て後悔はさせません。必ず満足いく試合をこれからしていくので是非注目していただけたら嬉しいです!応援よろしくお願いします!」

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【ONE FF58】スーパーボン戦へ、マラット・グレゴリアン「最強の相手に勝つために戦い続けたい」

【写真】強いキックボクサーという以上に、強い人間として魅力的なグレゴリアンでした(C)TAKUMI NAKAMURA

5日(金・現地時間)、タイはバンコクのルンピニー・スタジアムで開催されるONE Friday Fights 58「Superbon vs Grigorian II」にて、暫定フェザー級キックボクシング王座をかけてマラット・グレゴリアンとスーパーボン・シンハ・マウインと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

1月の日本大会ではGLORY時代からのライバル=シッティチャイ・シッソンピーノンに6度目の対戦にして初のKO勝利を収め、日本のファンにも健在ぶりを見せたグレゴリアン。今大会ではキックボクシングルールのフェザー級暫定王座決定戦でスーパーボンとのラバーマッチに臨むことになった。

正規王者チンギス・アラゾフの去就が確定しないなかでの暫定王座戦ではあるが、グレゴリアンは「ONEでのゴールも自分が最強だと思う相手と戦って勝つこと」と言い、スーパーボン戦に集中している。


――1月の日本大会では約8年半ぶりに日本のリングに立ちました。久々の日本はいかがでしたか。

「ずっと日本が恋しかったし、久々に日本で戦えたことが嬉しかったよ。日本は特別な国でファン、観客、それ以外の人々、カルチャー…すべてを尊敬している。そして何より日本はキックボクシングにとって母国のような場所だ。その日本で戦うことは本当に素晴らしいことだし、何より勝利することが良かった。言葉で表現することが難しいくらい嬉しいよ」

――グレゴリアン選手が2015年に日本で新生K-1のチャンピオンになったことが今の地位を築く第一歩だったと思います。そういった部分でもグレゴリアン選手にとって日本は特別な場所ですか。

「K-1で勝つこと、K-1でチャンピオンになることは若い頃の自分にとって夢だった。それを成し遂げられた場所として日本は特別だし、日本で試合をしたいという気持ちは変わらない」

――しかも長年のライバルでもあるシッティチャイ選手にKO勝利という結果でした。

「自分とシッティチャイはずっと競い合い、そしてお互いを高め合ってきたライバルだ。今まで戦ってきたなかで一番“強い”相手がチンギス・アラゾフで、一番“上手い”相手がシッティチャイだ。シッティチャイにポイントを取る戦いをやらせると天下一品で、そのシッティチャイにKOで勝てたことは大きな勝利だと思う。彼とライバル関係でいられることに感謝もしているし、今回は自分が勝ったけれど、彼が今でも危険で強いファイターであることは変わらない」

――シッティチャイ戦ではパンチだけでなくローやヒザ蹴りなど攻撃のバリエーションが増えていたように感じました。

「このスポーツの良いところは成長し続けられることだ。練習を毎日続けていると強くなって成長できる。でもここで十分だと思ったことは一度もない。自分には不可能がないと思っているが、よりよくなるために毎日練習している。そしてそれでもまだ自分には足りないものがあると思っている。もっともっと強くなることを求めているし、それを続けてきたからこそ、自分は人生において成功を収めることができたと思う」

――今大会ではスーパーボン選手と暫定王座決定戦で対戦することが決まりました。オファーを受けた時はどのような心境でしたか。

「次の試合は5月か6月になると思っていて、こんなに早く決まると思っていなかったから嬉しかったよ。ファイトがあることそのものが嬉しいし、以前の自分とは違うところを見せたい」

――スーパーボン選手とはこれまで1勝1敗、直近の試合=2022年3月ONEでの対戦ではグレゴリアン選手が判定負けしています。スーパーボン選手にはどんな印象を持っていますか。

「あの時は彼の方が良い試合をして勝った。それだけだよ。自分もしっかり準備したけど、途中で疲れてしまい、そこからリカバリーできなかった。前回とは違うところを見せるつもりだ」

――2試合連続でタイ人と対戦することになり、これは今回の試合に向けてプラスになりますか。

「このレベルになってくると戦う相手も限られてくるし、自然とタイ人と戦うことも多くなる。自分のキャリアを振り返っても、何度もタイ人と戦ってきた。彼らは本当に強くてハードで、勝つことが大変だ。でも自分はそういう試合をすることが好きだし、次のスーパーボン戦も間違いなくハードな試合なると思う。でもだからこそこの試合に勝つことに価値があるんだ」

――やはりスーパーボン選手に勝利したあとはアラゾフ選手と再戦して勝つことを目指しますか。

「今はスーパーボンに勝つことに集中していて、それから先のことは勝った時にどうなるかを考えようと思う。チャンピオンになればベルトを守ることを考えるが、現時点ではチンギスが現役を続けるかどうかも分からないし、今後彼がどうなるかも分からない。だから今はスーパーボンに勝つことしか考えていないよ」

――グレゴリアン選手は新生K-1、GLORY、ONEと3つの団体で戦っていますが、ONEというイベントの魅力とは?

「今まですべてのファイトには意味があったと思う。自分は常に強い相手と戦ってきた。K-1でチャンピオンになったあと、中国のクンルンファイトのタフなトーナメントでは決勝でスーパーボンに勝って優勝することが出来た。GLORYではシッティチャイに勝ってベルトを巻いて、2度の防衛にも成功した。ずっと世界トップ選手たちと競い続け、最強の相手と戦ってきた。そして今、自分はONEで戦うことを選び、ONEでのゴールも自分が最強だと思う相手と戦って勝つことだ。自分はこれまで強い人間に勝ってきたけど、それはもう過去のことに過ぎない。今、自分はONEの舞台で自分のゴール=最強の相手に勝つために戦い続けたいと思う」

――日本にはたくさんグレゴリアン選手のファンがいます。そのファンに向けてメッセージをいただけますか。

「いつも応援ありがとう。日本での試合からは遠ざかっていたけれど、マラット・グレゴリアンのストーリーはまだ終わっていない。少しでも早く日本に戻って戦いたいし、日本のファンのことを愛している」

――チャトリCEOは年内にONEの日本大会開催を明言しています。またオファーがあったら日本でも戦いたいですか。

「もちろん。そのためにも全力を尽くすよ」

――ありがとうございます。このインタビューを通じてグレゴリアン選手のストーリーを一人でも多くの日本のファンに届けたいと思います。

「アリガトウゴザイマス!」

■放送予定
4月5日(金・日本時間)
午後9時15分~U-NEXT

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VITASさんのCMに『細川バレンタインの前向き教室の視聴者さんが作ったBGM』を使用させていただいてます!

第11試合 メインイベント ONEキック・フライ級(61.2kg)チャンピオンシップ 3分5R
スーパーレック・ギャットムーカオ[キアトモー9](タイ/ギャットムーカオジム/王者、ONEムエタイ同級1位、元ルンピニー認定スーパーフライ級&バンタム級王者)※2度目の防衛戦
武尊(team VASILEUS/挑戦者、ISKA K-1ルール世界ライト級王者、KGPライト級王者、元K-1スーパー・フェザー級・フェザー級・スーパー・バンタム級王者、元Krushフェザー級王者)

第10試合 コーメインイベント ONEサブミッショングラップリング・ライト級(77.1kg)チャンピオンシップ 10分1R
ケイド・ルオトロ(米国/Atos/王者)
トミー・ランガカー(ノルウェー/Wulfing Academy/挑戦者)

第9試合 MMA ライト級(77.1kg) 5分3R
青木真也(フリー/元王者)
セージ・ノースカット(米国/チーム・アルファメール)

第8試合 特別ルール 187.25ポンド(84.94kg)契約 3分3R
秋山成勲(チームクラウド)
ニキー・ホルツケン(オランダ/チーム・ホルツケン・ヘルモン/元GLORYウェルター級(77kg)王者)
※オープンフィンガーグローブを着用し、1R目はボクシング、2R目はムエタイ、3R目はMMAで争われる。決着はKOまたは一本のみで、時間切れの場合はドローとなる。

第7試合 キック 156.5ポンド(70.99kg)契約 3分3R
マラット・グレゴリアン(アルメニア/ヘマーズジム/フェザー級(70.3kg)2位、元K-1スーパー・ウェルター級(70kg)王者、元GLORYライト級(70kg)王者)
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ/シッソンピーノンジム/フェザー級(70.3kg)3位、ONEムエタイ同級2位、元GLORYライト級王者、元ルンピニー認定ウェルター級王者)

第6試合 MMA フェザー級(70.3kg) 5分3R
ゲイリー・トノン(米国/イヴォルブMMA/チーム・ヘンゾ・グレイシー/1位)
マーティン・ニューイェン(オーストラリア/ベトナム/キルクリフFC/3位)

第5試合 MMA 女子アトム級(52.2kg) 5分3R
平田 樹(フリー)
三浦彩佳(TRIBE TOKYO MMA)

 ~開会式~

第4試合 MMA フライ級(61.2kg) 5分3R
ダニー・キンガット(フィリピン/チーム・ラカイ/2位)
若松佑弥(TRIBE TOKYO MMA/4位)

第3試合 キック ヘビー級 3分3R
ラーデ・オパチッチ[Rade Opacic](セルビア/KBKSチーム)
イラジ・アジズプール[Iraj Azizpour](イラン)

第2試合 MMA ストロー級(56.7kg) 5分3R
ボカン・マスンヤネ(南アフリカ/Coach Quan University/2位)
山北渓人(リバーサルジム新宿Me,We/元パンクラス・ストロー級王者)

第1試合 MMA ストロー級(56.7kg) 5分3R
箕輪ひろば(STF/3位、元修斗世界ストロー級王者)
グスタボ・バラート(キューバ/アメリカン・トップチーム/4位)

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【ONE165】グレゴリアンが宿敵シッティチャイに3RKO勝利。ボディへのヒザ蹴りで沈める

<キック156.5ポンド(※70.99キロ)契約/3分3R>
マラット・グレゴリアン(アルメニア)
Def 3R1分20秒 by KO
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)

インローを蹴り合う両者。シッティチャイが左ミドル・奥足ローを蹴ると、グレゴリアンがインローを蹴り返す。グレゴリアンは前に出て、ジャブから右ストレートにつなげる。シッティチャイは下がりながらジャブと左ストレートを返し、左ミドルを蹴る。シッティチャイは左ストレートとボディと顔面に打ち分ける。圧力をかけるグレゴリアンだが、シッティチャイはジャブ・前蹴り・左ミドルを的確に当てる。

2R、シッティチャイが左ミドル・テンカオ(ヒザ蹴り)と左ストレート。グレゴリアンはガードを固めてジャブ、右ストレートを顔面とボディに散らす。シッティチャイも左ストレートを合わせ、距離が開くと左ミドルを蹴る。グレゴリアンはインローを蹴って前進し、シッティチャイを消耗させる。残り30秒、シッティチャイが右フックを当てると、グレゴリアンも右フック。グレゴリアンがボディにパンチを集めてヒザ蹴り。下がるシッティチャイにヒザ蹴りを突き刺し、シッティチャイがダウンするが、これは両手で相手を掴んだ状態でのヒザ蹴りだったため、カウントはされず。

3R、グレゴリアンがインローから前に出る。近距離の打ち合いになると、シッティチャイも左ストレートを当てるが、グレゴリアンの圧力は落ちない。グレゴリアンが右のヒザ蹴りを2連続でボディに突き刺すと、シッティチャイがダウン。このままシッティチャイは立ち上がることが出来ず。グレゴリアンがシッティチャイからKO勝利を収めた。

試合後「8年間ずっと世界のトップとやってきて、ついにシッティチャイにKOで勝つことが出来た。日本で勝ててうれしいよ。最初はパンチでボディを攻めていたんだけど、2Rに呼吸が乱れているのが分かったから、最後はヒザ蹴りを狙った」と話したグレゴリアン。5万ドルのボーナスが与えられた。


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