【写真】独特の空気感がある風間とのインタビューだった(C)MMAPLANET
9日(木・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるRoad to UFC ASIA Episode01でクルムアリ・マイマイティトゥハティと戦う風間敏臣インタビュー後編。
独特の雰囲気を持つ風間は、Road to UFCの話があるなかPOUNDSTROMで齋藤奨司と戦いKO負けを喫した。目の前が真っ暗になったのは、Road to UFCへの道が途絶えたからではなく、その一つの敗北が重荷になるからだった。
それでも手にした出場のチャンス、初戦の相手クルムアリ・マイマイティトゥハティに勝てば対戦が有力視される中村倫也について風間が話を訊いた。
<風間敏臣インタビューPart.01はコチラから>
──再び風間敏臣不機嫌説の繰り返しになってしまうのですが、POUNDSTORMの齋藤奨司戦では記者会見、計量での険しい表情がひと際目立っていました。
「アハハハハハ」
──全く笑顔を見せないばかりか、表情が緩むことが一切なかったです。あのときは齋藤選手に対して、対戦相手として不満があったのでしょうか。大きな箱の注目された大会で、上を食うカードを欲していたとか。
「いや、齋藤選手と戦うことにメチャクチャ集中していました。キャリアの差はあったかと思いましたけど、そこは本当に気にしていなかったです。Road to UFCの話もきいていましたけど、そこすらそっちのけで齋藤選手と戦うことだけに集中していました。彼を倒すためだけに練習していましたし」
──次の話があるので、こんなところで負けていられるかと先を見ていたところがあったのかと邪推していました。
「それは本当になくて、めちゃくちゃ齋藤選手と戦うことに集中していたので会見の時とかも凄く緊張感があったんです」
──では2Rに跳びヒザで負けたというのは、油断がなかった分だけ余計に悔しいのではないですか。
「もうショックどころじゃないです。アハハハハ」
──Road to UFCに行けないと考えて、ショックだったのではなくて。
「僕、MMAではデビュー戦で負けています。自分のなかであの負けが重荷になっています。それも分かっていたから……MMAって人生の奪い合いで、あの1敗で自分の目の前が真っ暗になって何も見えなくなりました。もう更地状態です」
──そのなかでRoad to UFCに出られることになった時の気持ちは?
「純粋に嬉しかったです。負けているのに出るのは……とも思わなかったことはないです。でも全部が無くなったところに、一つの光が射してきた。ホント、そういう形でした」
──出るからにはベストを尽くして、勝利をもぎ取ってほしいです。ただし、あのKO負けの後に出て良いのかというのは、正直思いました。いや、今も思っています。MMAは危険だからこそ、危険要素は省かないといけない。MMAは安全第一、ここにブレが生じればこの仕事はできないぐらいでいたつもりです。それが……今回はドクターがOKであればと思っている自分がいました。それだけUFCは日本人から遠かったので。でも、本当はダメだという自覚もしています。
「もちろん検査をして、先生、トレーナー、大沢さんと話しました。ただ、自分はRoad to UFCでなくてもやりたいという気持ちがあったと思います。あの真っ暗ななかで本当に光だったので。『頼むからやらせてください』と大沢さんにお願いしました」
──あの負けを払拭したいということなのでしょうか。
「どうなんでしょうかね。どういう気持ちなのかはちょっと言い表せないですけど、本当にこのオファーは嬉しかったです」
──Road to UFCでなくても、という言葉がありました。やはり風間選手は、今回出場している他の6名の日本人選手と違う感性を持っているようですね。
「自分、UFCって最初から言いたい気持ちはありました。大沢さんからも『やるんだったらUFCを目指せ』と言われていましたし。ただUFCがどれだけのレベルなのか分かっていなかったですし、映像を視ても生で触れていないから分からないです。
目の前にUFCの選手がいるわけでもないから、正直分かんねぇと思っていて。だからUFCという言葉は出さなかったです。出さなかったというより、出せなかった。簡単じゃないってことは分かるんで。自分が強くなれば、上の世界が見えてくる。だから最初からUFCとは思っていなくて、見えたら手を掛ける。そういうこと感覚だったんです」
──そのUFC出場権を争う戦いに挑める機会が訪れたということですね。そこで対戦相手のクルムアリ・マイマイティトゥハティですが……全く舌を噛みそうな名前です。しかも、素性不明の未知数なファイターで。試合映像はチェックできましたか。
「ハイ、中国のサイトで映像を視ました。フィジカルが強い。それが第一印象ですね。散打ベースのようでサイドキックや回し蹴りとか蹴りが多彩です。突発的に出てきたりする感じで。それほど振り回さないけど、パンチはストレートよりフックが多いですね」
──では組み力という部分に関しては?
「めちゃくちゃ強いと思います。ファーストコンタクトの際は、自分が想像しているより強いことを想定しています。ただし5分3Rの試合で、触れるのは1度じゃないので。5分3Rを使って──殺してやろうかと」
──ここまで話を聞く限り、風間選手は自分の思い通りに試合が進まないとイライラしてきた過去があるかと思います。ただし、上にいけば思い通りに戦えないのが当たり前になってくるかと。
「練習のなかでも思い通りにいかないと、熱くなることがあります。だから、そこもコントロールするようにしています。それが試合に出ると、後半にばててしまうので。それは気付いてきたことで、ただし弱点でもあり、強味でもあるかと……」
──なるほど、シュンとなっては勝てないということです。ところで北出さんとプライベートを続けているということですが、他にプロ練習のようなスパーリング練習を出稽古で行うこともあるのですか。
「ハイ。TRI.Hスタジオで上久保さん達と練習させてもらっています。上久保選手は自分が目指すスタイルとは違うのですが、技術は間違いなくて凄くて。吸収できるものは吸収させてもらっています」
──では風間選手が目指すMMA像とは?
「フィニッシュをしないといけないと思っています。どんな試合でもフィニッシュを狙っています。今回のトーナメントでも間違いなく、そうします」
──初戦を勝ってからですが、共に勝てば準決勝は日本人対決──相手は中村倫也選手になります。そこは意識していますか。
「しますね。面白いですよね、中村倫也。へへへへ。POUNDSTORMでメインを張っていた人間と、負けた人間が当たれるのは良いなぁって。もちろん1回戦に勝って、中村倫也にも勝って。POUNDSTROMへの想いも乗せて勝ちたいですね」
──柔術をやってきた風間選手が、中村選手を仕留める自信というのは?
「あります。ただ今のまま、この状態ではソコのイメージは生まれていないです。この試合をしっかりと勝って、9月までに詰めた練習をして──2カ月間で中村倫也を仕留められると思います」
──力強い言葉で気持ちが良いです。ところで今回の試合には関係ないのですが、HEARTSには高橋サブミッション選手が所属しています。グラップリングベースで、MMAを戦う彼の存在は、風間選手にとってどういったものなのでしょうか。
「ただただ、あの子は生き方が上手いなって思います(笑)。競技者として競い合うという意識は良くも悪くもないです。ただ一緒に練習していて、凄く勉強になります。メチャクチャ、グラップリングが強いので。刺激を受けてもいます。色々な人から吸収させてもらっていて、彼もその1人です。面白いですよ、彼(笑)」
■視聴方法(予定)
6月9日(木・日本時間)
午後3時30分~ABEMA格闘Ch
Episode01
午後3時30分~UFC FIGHT PASS
Episode02
午後6時30分~UFC FIGHT PASS
6月10日(金・日本時間)
午後3時30分~ABEMA格闘Ch
Episode03
午後3時30分~UFC FIGHT PASS
Episode01
午後6時30分~UFC FIGHT PASS
■ROAD TO UFC AISA2022 Episode01対戦カード
<Road to UFCフェザー級T準々決勝/5分3R>
SASUKE(日本)
イー・チャア(中国)
<Road to UFCライト級準々決勝/5分3R>
パラチン(中国)
キ・ウォンビン(韓国)
<Road to UFCバンタム級準々決勝/5分3R>
風間敏臣(日本)
クルムアリ・マイマイティトゥハティ(中国)
<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
チェ・スングク(韓国)
ラマ・スパンディ(インドネシア)
<ライトヘビー級/5分3R>
チャン・ミンヤン(中国)
トゥコ・タクコス(ウクライナ)
■ROAD TO UFC AISA2022 Episode02対戦カード
<Road to UFCバンタム級T準々決勝/5分3R>
シャオ・ロン(中国)
キム・ミンウ(韓国)
<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
松嶋こよみ(日本)
ホン・ジュンヨン(韓国)
<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
チウ・ルェン(中国)
ウォーレン・デルロサリオ(フィリピン)
<Road to UFCライト級準々決勝/5分3R>
アイリヤ・ムラトベク(中国)
パワン・マーン・シン(インド)
<フライ級/5分3R>
ショーン・エチェル(豪州)
内田タケル(日本)
■ROAD TO UFC AISA2022 Episode03対戦カード
<Road to UFCフェザー級T準々決勝/5分3R>
シェ・ビン(中国)
イ・ジョンヨン(韓国)
<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
堀内佑馬(日本)
トップノイ・キウラム(タイ)
<Road to UFCライト級準々決勝/5分3R>
アンシュル・ジュビリ(インド)
宇佐美正パトリック(日本)
<Road to UFCバンタム級準々決勝/5分3R>
中村倫也(日本)
ググン・グスマン(インドネシア)
<女子ストロー級/5分3R>
ソ・イェダム(韓国)
ジョセフィン・クヌトゥソン(スウェーデン)
■ROAD TO UFC AISA2022 Episode04対戦カード
<Road to UFCバンタム級T準々決勝/5分3R>
野瀬翔平(日本)
ウリジブレン(中国)
<Road to UFCライト級準々決勝/5分3R>
キム・ギョンピョ(韓国)
アスクルバイ(中国)
<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
ルー・カイ(中国)
アンガ・ハンス(インドネシア)
<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
パク・ヒョンソン(韓国)
ジェレミア・シレガー(インドネシア)
<ウェルター級/5分3R>
ジョン・アダハー(フィリピン)
キム・ハンソル(韓国)