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45 MMA MMAPLANET o ZFN01 ブログ ヘイナウド・エクソン ユ・ジュサン

【ZFN01】右を効かせたユ・ジュサン、テイクダウンで巻き返すエクソンを振り切りフルマーク判定勝ち

<フェザー級/5分3R>
ユ・ジュサン(韓国)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27.
ヘイナウド・エクソン(ブラジル)

ガードを高く上げたエクソンが前に出る。左右パンチを振るうが、ケージ際に追い込まれたところで、右ローを放った際にバランスを崩して尻もちを着いた。すぐにトップに回ったユ・ジュサンだが、立ち上がってエクソンの足を捌く。再びガードの中に入ったユ・ジュサンはパウンドを浴びせる。フルガードで固めるエクソンは下からユ・ジュサンの両手首を掴む。するとユ・ジュサンは手を切ってヒジを落としていく。

腰を上げてストレートを突き刺すユ・ジュサンに対し、エクソンは半身になってハーフから亀に。バックマウントを奪ったユ・ジュサン右腕を首に回し、左腕に切り替えてパームトゥパームから腕を組んでRNCを狙うも、ここは極まらず。右目に腫れが見えるユ・ジュサンが、バックから削り続けて初回を終えた。

2R、エクソンがワンツーから組みつき、バックに回った。リフトしてグラウンドに持ち込むエクソンだが、前に振り落とされてしまう。ボトムになったエクソンがユ・ジュサンの左腕を取ってキムラを狙う。腕を抜いたユ・ジュサンがサイドで抑え込む。右腕を差し上げるエクソンに対し、ユ・ジュサンはマウント奪取を狙ったが、エクソンはハーフに。ユ・ジュサンが左腕を枕にしてパスを仕掛ける。ケージ際で亀になりながら立ち上がるエクソン。ユ・ジュサンがバックコントロールからヒザで削るも、立ち上がったエクソンが正対して離れた。

スタンドではユ・ジュサンの右が幾度もエクソンの顔面を捉える。エクソンは離れて右スピニングバックキックを見せた。下がるエクソンはレフェリーにぶつかってしまう。ワンツーから右ミドルで攻め立てるユ・ジュサンに、エクソンが組みついた。ボディロックでドライブしたエクソンは、右腕を差し上げて押し込み続けるも離れた。ユ・ジュサンの右クロスがエクソンを襲う。下がるエクソンが挑発すると、互いにホロウェイ・スタイルで打ち合いを要求するが、互いに乗らなかった。

最終回、エクソンの右ローにユ・ジュサンが右ストレートを合わせる。さらにユ・ジュサンが右カーフキックから距離を取る。一気に距離を詰めたユ・ジュサンの右ストレートがクリーンヒット。グラついたエクソンが、ユ・ジュサンの右ローに合わせてテイクダウンを狙う。これを防いだユ・ジュサンがスタンドを選ぶと、すぐさまレフェリーもブレイクをかける。再開後、エクソンがシングルレッグで飛び込み、ユ・ジュサンに背中を着かせた。

バックに回ったエクソンは左足を差し入れてユ・ジュサンを潰す。ユ・ジュサンはスクランブルに持ち込み、バックを狙ったエクソンを前に振り落とした。パウンドの連打を浴びせるユ・ジュサン。エクソンのガードに入ったあとは慣れて、レフェリーもエクソンにスタンドを要求する。この展開でエクソンには明らかに疲労が見える。前に出たエクソンに左フックのカウンターを浴びせたユ・ジュサンだが、再びエクソンがシングルレッグでドライブしてくると、尻もちを着かされてしまう。最後はケージに背中を預けてパンチを打ち込み続けた。

裁定はフルマークでユ・ジュサンの判定勝ち。勝者は試合内容に納得がいかないか、肩を落としてキ・ウォンビンのインタビューに答えた。


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45 MMA MMAPLANET o ZFN01 キム・サンウク 佐々木信治

【ZFN01】佐々木信治、キム・サンウクの下になり続け0-3の完敗。感謝の言葉と引退を韓国のファンに伝える

<ライト級/5分3R>
キム・サンウク(韓国)
Def.3-0:30-29.30-27.30-27
佐々木信治(日本)

ジリジリと距離を詰めるキム・サンウクが右ロー。続いて右ストレートからシングルレッグを仕掛け、テイクダウンを奪う。佐々木はすぐに立ち上がり、ジャブを伸ばす。カーフを蹴るキム・サンウクが、右オーバーハンドからダブルレッグで2度目のテイクダウン。スクランブルでバックを取りつつ、ボディロックで佐々木を倒す。シングルをを切ってバックに回ろうとするキム・サンウクに対し、ケージを利することができなかった佐々木は後方から右パンチを連打される。サイドバックでパンチを受ける展開が続く佐々木は、正対することも立ち上がることもできない。佐々木はさらにヒジを落とされた、左のパンチを打たれた。

2R、キム・サンウクは右カーフから、左ミドルハイ。佐々木は右オーバーハンドに続いて放った右ショートを当てる。しかし、蹴りで詰めてきたキム・サンウクがここも左足を取ってテイクダウンに成功。サイドで抑えられた佐々木は、足をきかすことできずマウントを取られる。キム・サンウクは佐々木の動きに合わせてワンフックでバックを取りつつ、肩固めを狙う。足を入れシングルに出た佐々木だが、反転したキム・サンウクがエルボーを太腿に入れ、頭を越えると足を引き抜く。座ったままでパンチを受けた佐々木は、立ち上がるがジャブからワンツーを被弾する。

それでも粗いワンツーで前に出る佐々木に対し、キム・サンウクが右をテンプルに打ち込み、左右のフックを連打する。佐々木はシングルから軸足払いで下になるとハーフバタフライを越えられ、背中を預ける。キム・サンウクは左のパンチを続け、佐々木が必死にワキの下で左腕を挟んで時間まで耐えた。

大きく息そして3Rを迎えた佐々木は、キム・サンウクにハグをする。応えたキム・サンウクは前蹴り、左ジャブ。佐々木が左ロングフックを返すが、すぐにケージに追い込まれる。左に回る佐々木に対し、キム・サンウクがインローからカーフ。佐々木は右オーバーハンドを当てる。ジャブで詰めるキム・サンウクは、右アッパーからショートの追撃へ。ここから組んだキム・サンウクが、小外でテイクダウンを決める。

佐々木はクローズドを取りラバーガード、さらに四角も絞めには移行できず頭と腕を抜いたキム・サンウクのパウンドで背中を見せる。バックから右パンチ、鉄槌を打つキム・サンウク。佐々木は引き込むが、ワキ差しパスの圧からマウントを取られる。半身の佐々木にエルボー、パンチを打ち続けたキム・サンウクが3-0の判定勝ちを収めた。

佐々木はマイクで韓国のファンに感謝の言葉を送り、引退を伝えた。この言葉のために、佐々木は現役生活をここまで続けていたのだろう。


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45 MMA MMAPLANET o ZFN01 キック キム・ハンスル ファブリシオ・アゼベド ボクシング

【ZFN01】アゼベドが完全アウトボクシング。キム・ハンスルのパンチを捌いて判定勝ち

<ウェルター級/5分3R>
ファブリシオ・アゼベド(ブラジル)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28.
キム・ハンスル(韓国)

サウスポーのキム・ハンスルがワンツーを伸ばす。互いに前手を触りながら、キム・ハンスルが距離を詰めていく。キム・ハンスルが左ハイを放つと、アゼベドも右インローを見せる。左インローを受けながらアゼベドがプレスをかけ、キム・ハンスルにケージを背負わせた。右サイドキック、右インローと蹴りを散らすアゼベドに対し、キム・ハンスルがケージ中央まで戻した。しかしアゼベドがキム・ハンスルの左ローをキャッチする。キム・ハンスルはすぐに足を抜き、打ち返そうとしたがアゼベドも離れた。

互いに蹴りを繰り出すなか、キム・ハンスルは頭を下げてパンチを狙う。アゼベドがサークリングから距離を取ると、キム・ハンスルが左前蹴りを見せた。残り1分、ケージ中央でキム・ハンスルの左ローを受けたアゼベドが、バランスを崩してマットに尻もちをつく。すかさずトップに回ったキム・ハンスルに対し、アゼベドはボトムからパンチを浴びせる。スイープでキム・ハンスルの体を浮かし、さらにデラヒーバで足を抱えにいくと、キム・ハンスルが離れた。

2R、至近距離でキム・ハンスルがパンチを放つと、アゼベドが距離を取る。アゼベドが右ハイでグラつかせ、パンチのラッシュでキム・ハンスルを追い込む。キム・ハンスルも打ち返すが、再び距離を取ったアゼベドの右が、幾度も頭部を捉える。キム・ハンスルの右側頭部から出血も見られる。右手を前に出しながら距離を詰めていくキム・ハンスルに、ケージ中央を取ったアゼベドが右フック、右インローを当てる。右スピニングバックキックを見せたアゼベドは、前後のステップでキム・ハンスルの打撃をかわす。

アゼベドがサウスポーにスイッチすると、キム・ハンスルは左カーフキックをヒットさせる。対するアゼベドも、オーソドックスに戻して右ストレートを顔面に突き刺した。距離を取るアゼベドに対してレフェリーが注意を与えるも、距離を取って打撃を繰り出すことがNGなら、それはもうMMAではない。ともあれ、やや距離を詰めたアゼベドが上下にストレートを散らしていった。ラウンド終了後、わざわざレフェリーがアゼベドに積極性を訴えに行っている。

最終回、レフェリーの訴えが効いたか。これまでよりアゼベドが距離を詰めに行く。キム・ハンスルはローを繰り出す。アゼベドがパンチの連打を浴びせると、キム・ハンスルは真っ直ぐ下がったあとに左へ回って逃れた。キム・ハンスルの左インローで、アゼベドの左足が流れる。アゼベドが距離を詰めてきたところで、キム・ハンスルが右ジャブを当てた。アゼベドの右サイドキックが右ヒザを捉えると、ここでキム・ハンスルがタイムを要求したのか――ここでレフェリーがローブローでもないのに休憩を与える。キム・ハンスルの右ヒザは赤く腫れあがっている。

再開後、アゼベドが至近距離から右ハイを放つと、キム・ハンスルはショートのフックを返す。スイッチしながら前に出るアゼベドは、右フックを当てて離れた。つかず離れず、パンチを振るうキム・ハンスルに対しアゼベドが自分の距離を保つ。キム・ハンスルのワンツーをかわしたアゼベドは、右ハイを返した。残り20秒で頭を下げたキム・ハンスルに、アゼベドがダーティボクシングに持ち込む。最後はアゼベドがキム・ハンスルにケージを背負わせて試合を終えた。

裁定はジャッジ3者とも1ポイント差で、アゼベドがユナニマス判定勝ちを収めた。


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45 MMA MMAPLANET o Road to UFC UFC ZFN01 キック グ・ジユン パク・ジェヒョン 修斗 原口伸

【ZFN01】修斗新人王グ・ジユン、Road to UFC出場のパク・ジェヒョンにコントロールされ肩固めに敗れる

<ライト級/5分3R>
パク・ジェヒョン(韓国)
Def.3R2分49秒 by 肩固め
グ・ジユン(日本)

修斗新人王のグ・ジユンが、昨年のRoad to UFC準決勝に代役出場し原口伸に敗れたパク・ジェヒョンと対戦。ローを蹴ったグ、パクは左の前蹴りを繰り出す。ワンツーのパク、続いて右ボディストレートを当てる。ジャブに右オーバーハンドを合わされそうになったグは、ジャブを届かされる。パクは再度ボディを決め、序盤をリードする。さらに腹から顔面顔へとコンビを繰り出したパクがダブルレッグでテイクダウン、スクランブルでバックに回る。

グは正対しようとするが、ボディロックで再び寝技に持ち込まれ両足をフックされる。ワンフックになり、グは背中を預けたまま立ち上がるが前方に崩される。背中を取られ、苦しい状態が続くグはが絞めは取らせないようにし、最後の20秒でスクランブルから胸を合わせ──初回が終わった。

2R、グのワンツーをバックステップでかわし、続くパンチにはカウンターを合わせたパク。さらに右ストレートをヒットし、右ローを蹴っていく。さらにカーフを効かされたグは、左フックを打たれダブルレッグでテイクダウンを奪われる。一気にパスをしたパクは、スクランブルでバック、一瞬マウントを取るがここはグがケージ際に移動して逃れる。

足をフックしない状態でRNCをセットされたグは、自ら背中をマットにつけて防御するが、直ぐに背中を取られる。残り2分、パクはワンフックでRNCをセットへ。ケージキックでグが逃れるが、立ち上がることはできない。グはパクにサイドバックで左足を束ねれれ、自由がきかない。仰向けになり両足をフックしたパクが背中を伸ばしにかかり、パンチから絞め狙いと一方的なラウンドとした。

最終回、グは左ローに右を合わされ下がる。パクは組んで、グの小手投げを防いで正対すると、小外掛けテイクダウンを奪う。背中を取られないよう引き込んだグは、肩固めに捕えられるが、体をねじって逃れる。結果、腹ばいになるバックマウントからパンチを連打される。上を向いても、下を向いても殴られるグがヒジを落とされる。ストップがあっても良いような一方的なパクのペースのなかで、グは最後に肩固めでタップを強いられた。


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45 MMA MMAPLANET o ZFN01 ジャン・ユンソン 倉岡寿美津

【ZFN01】ジャン・ユンソンが倉岡を右カウンターからパウンドアウトーーも遅すぎるストップ

<ウェルター級/5分3R>
ジャン・ユンソン(韓国)
Def.1R1分25秒 by TKO
倉岡寿美津(日本)

互いに左手を伸ばしながらケージ中央へ。右ローが交錯したあと、倉岡がサウスポーにスイッチする。倉岡が右フックを振るうと、ジャン・ユンソンが右ストレートを合わせた。この一撃で倉岡はダウン。すぐさまバックについたジャン・ユンソンがパンチの連打を浴びせると、倉岡は防戦一方に。完全に動けない状態の倉岡がジャン・ユンソンのパンチを受け続けるも、なぜかレフェリーはストップしない。遅すぎるストップのあと、しばらく倉岡は立ち上がれず。ここまでの状態になった場合は、誰かがレフェリーストップを要請すべきだ。


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45 AB GFC K-MMA MMA MMAPLANET o Road to UFC UFC YouTube ZFN01 その他 キム・サンウク キム・ハンスル グ・ジユン ジョン・チャンソン チェ・ソンヒョク パク・ジェヒョン ヘイナウド・エクソン ユ・ジュサン 佐々木信治 修斗 倉岡寿美津

【ZFN01】コリアン・ゾンビ=ジョン・チャンソンがUFCへの登竜門イベント開催。注目はユ・ジュサン

【写真】メインに出場のユ・ジュサン。ゾンビ・ネイションからUFCへステップアップできるか(C)MMAPLANET

本日29日(土・現地時間)、韓国はソウル・ソンブク区にある高麗大学校(コリョ・テハッキョ)ファジョン体育館(チェユックァン)でZFN(Zombie-Fight Nation)01が開催される。
Text by Manabu Takashima

コメインで佐々木信治がキム・サンウクと対戦する大会は、その大会名が示す通りコリアンゾンビことジョン・チャンソンがプロモートしている。昨年8月の現役引退前から、キム・ドンヒョンに続けとTV界に進出していたコリアンゾンビが、UFCへの登竜門として旗揚げするZENはプロファイト6試合の前に、自らは行ったリアリティTVショー「ゾンビ・トリップ」から選抜された選手が戦うアマMMA大会=Z-ROYALも第1部として実施される。


ZEN01は全6試合で、韓国勢同士の対戦は1試合のみ。その他は韓日対決が3試合(うち1試合は韓国から高校生の時に来日し、ラグビー選手として活躍。今では日本国籍を取得し、修斗で3連勝中のグ・ジユンの試合も含まれる)、韓国×ブラジルが2試合となっている。

メインでヘイナウド・エクソンを迎え撃つユ・ジュサンは昨年8月に日本でHEATフェザー級王者となった6勝0敗の新鋭だ。佐々木と戦うキム・サンウクは去年のRoad to UFCに出場しベスト4だった。

ファブシリオ・アゼベドと戦うキム・ハンスルはDouble GFCとAFCのウェルター級王座を統一し、3年連続でRoad to UFCワンマッチ出場も、昨年と去年は結果を残せなかった。

UFCの登竜門は、UFCを狙うファイターの再生とステップアップの場であり、国際戦の経験を積ませる場としてK-MMA界の中枢になりうるのか。注目の旗揚げ戦だ。

■視聴方法(予定)
6月29日(土・日本時間)
午後7時~UFC Fight Pass

■ メイン対戦カード

<フェザー級/5分3R>
ユ・ジュサン(韓国)
ヘイナウド・エクソン(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
キム・サンウク(韓国)
佐々木信治(日本)

<ウェルター級/5分3R>
キム・ハンスル(韓国)
ファブリシオ・アゼベド(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
パク・ジェヒョン(韓国)
グ・ジユン(日本)

<ウェルター級/5分3R>
ジャン・ユンソン(韓国)
倉岡寿美津(日本)

<フェザー級/5分3R>
パク・ジン(韓国)
チェ・ソンヒョク(韓国)

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45 Black Combat DEEP MMA MMAPLANET o RIZIN ROAD FC Road to UFC Torao UFC YouTube ZFN01 キム・サンウク キ・ウォンビン ジョン・チャンソン ロン・チュウ 佐々木信治 古賀愛蘭 國頭武 大原樹理 田中有

【ZFN01】韓国でキム・サンウクと対戦、佐々木信治「6年前のことがあるからこそ、後悔のないように」

【写真】元UFCファイタでーZFNプロモーターのコリアンゾンビと、今年4月Ring Championship会場にて (C)SHINJI SASAKI

29日(土・現地時間)、韓国はソウル・ソンブク区にある高麗大学校(コリョ・テハッキョ)ファジョン体育館(チェユックァン)で「Z-Fight Night01」が開催される。コリアンゾンビことジョン・チャンソンがプロモートするこの大会で、佐々木信治がキム・サンウクと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

佐々木が韓国で戦うのは、2017年7月のアマチュシン・フーヘンフウ戦以来7年振り。翌2018年5月、北京でバオ・インカンと戦った佐々木は大怪我を追い、長期ブランクを余儀なくされる。そして2021年2月にグラジエイターで復帰した佐々木は「やり残したこと」としてTORAOとRIZINに出場し、最後の一つ——再び韓国で戦う機会を実現させた。佐々木が韓国での戦いにこだわる理由と、キム・サンウク戦について語る。


もう一回、韓国で応援してくれる人たちの前に戻りたい

――ZFNでキム・サンウクと対戦することが発表された時、驚きとともに「そうだったのか……」という想いもありました。佐々木選手の中では再び韓国で戦うということに、ずっとこだわっていたのですか。

「そうですね。Road FCで怪我をしてから……正確に言うと怪我をしたのはRoad FCの北京大会ですけど。ただ、そこで怪我をしたから、ということではなくて。Road FCで自分の格闘技キャリアが変わったというか、ステップアップできた気がするんです。何より韓国の人たちが僕のことを応援してくれていて。

最後が韓国で試合をしたわけではない。北京で大怪我して、韓国に戻ることもなく格闘技のキャリアがそこで一度ステップしてしまいました。もう一回、韓国で応援してくれる人たちの前に戻りたいという気持ちは、ずっと持っていました」

――韓国で応援してくれる人たちというのは、たとえばSNSのDMなども来たりするのですか。

「メッチャ来るんですよ。インスタライブをやったりすると韓国の方が入ってきてくれて、日本語と英語と韓国語が入り混じって大変なことになっています(笑)。その中で『また韓国で試合をしてほしい』と言われることも多くて」

――DEEPからBlack Combatで戦う大原樹理選手も同じような状況であると聞きます。

「あぁ、大原選手も韓国で人気が高いみたいですね」

――ZFN01の会場となる高麗大学校のファジョン体育館は、今年1月のBlack Combatで大原選手が戦った会場です。現地で取材しましたが、大原選手が入場してくると大声援が起こっていました。ちなみに佐々木選手は、ハングルを読むことができるのですか。

「それが全然読めないんですよ……。翻訳アプリを利用して回答したりしていました」

――2021年にグラジエイターで復帰して以降、ずっとRoad FCをはじめ韓国のプロモーションと交渉していたのでしょうか。

「復帰した時点では交渉していなかったです。というより、本格的な交渉は今までずっとしていなくて。まず復帰した時は、自分がどこまでできるか分からなかったですし。でも韓国で試合をしたいという気持ちが消えずに残っていたので、SNSとかでアピールしていました。すると韓国の団体からもお話が来るようになって。

あくまで自分が韓国で試合したいというだけで、できるかどうかは分からなかったです。あくまで韓国のプロモーターが僕を呼んでくれるかどうかで。そんな中で少しだけ『もう韓国で試合はできないかもしれないなぁ……』とは思っていました。RIZINでも負けてしまいましたしね。ただ、その後も練習し続けていたので良かったです」

――試合の話が来たのは、Road FCに限らず?

「はい。Road FCからも話はもらっていましたけど、なかなか話がまとまらなくて。そうしたら今回、ジョン・チャンソンの大会から話をもらい、第1回大会ということで出させてもらおうかと決めました」

――SNSでアピールしていたら韓国にも届く、とは凄いお話です。

「アハハハ、確かに。Road FCは関係者の連絡先を知っていたので、やり取りは続けていたんですよ。Road FCは『佐々木選手の引退試合を組みたい』と言ってくれて。嬉しいけど、まだ引退は――」

――ということは、このキム・サンウク戦も最後ではない、と。

「それは、どうなんですかね……」

――もちろん怪我もあり、体がもつかどうかの問題はあります。本人の気持ちとしては、いかがですか。

「気持ちですか。それは正直……、……、怪我をした時にベッドの上で『自分が格闘技でやり残したこと』を挙げていました。その時に挙げていたことの中で残っているのは、韓国で試合をすることだけです。だから、今回の試合が終わってみないと何とも言えなくて」

――MMAを続けられるものなら続けたい、気持ちはあるのですね。

「ファイターなら、その気持ちは誰もが持っているんじゃないですかね。だから今も長く続けている選手がいて、自分も復帰して……。だけど、どこかで最後を決めないといけないという気持ちもあります。『最後なんて決めなくていいよ』という意見もあるとは思いますよ。だけど自分の場合は他の選手と少し違っていて」

――というと?

「僕は格闘技を始めた時から道場長だったじゃないですか」

――はい。当時でいうところの格闘技サークルから始めて、本格的に練習していくために自身でBURSTを立ち上げました。

「でも現役の間は道場生の練習も見ながら、どうしても自分の練習がメインになってくるじゃないですか。試合前は特にそうなりますよね。でも最近はウチの若い選手たちも頑張って、結果を出してきている。だから自分の練習よりも彼らの練習に比重を置いたほうが良いのかな、っていう気持ちも芽生えてきています」

――ご自身だけでなく、國頭武選手や古賀愛蘭選手も韓国で試合に出場しています。

「そうなんです。もう自分のやりたいことが終わるのであれば、ずっと僕を支えてきてくれた教え子の試合に力を入れてあげたいとも思っています。RING Championshipのトーナメントも8月ぐらいに準決勝を開催したい、という話もありますし」

相手が殴ってくるなら、殴り合ってブッ倒してやる

――今年4月に國頭選手と古賀選手の試合に同行した際も、現地でファンから声をかけられたりしたのですか。

「ありましたね。ジョン・チャンソンも控え室まで会いに来てくれて。一緒に写真を撮って、今回の試合について話をしました。その時はキ・ウォンビンも来てくれて――今回の試合、最初はキ・ウォンビンと対戦する予定だったんですよ」

――えっ!? そうだったのですか。

「Road FCで何度か同じ大会に出ていたこともあって、キ・ウォンビンは昔から知り合いだったんです。4月の会場では『今回は敵になっちゃうね』なんて話をしていて。でもその後にキ・ウォンビンがRoad to UFCのワンマッチに出ることが決まり、今回はキム・サンウク選手と対戦することになりました」

――その前に昨年12月のグラジエイターで田中有選手がグスタボ・ショーマン・ウーリッツァーに勝利し、佐々木選手の持つ同ライト級王座に挑戦するという流れもありました。

「実はその頃にちょうどRoad FCとコンタクトを取っていていたんですよ。櫻井(雄一郎グラジエイター会長)さんには、自分が韓国で試合をしたい理由も説明して――櫻井さんもRoad FCを優先させてくれました。結局Road FCは決まらず、今回のZFNで戦うことになりましたけど、韓国で勝ってもう一度ベルトの防衛戦について話をしたいです」

――話を戻すと、韓国での試合が発表されると現地のファンからも反応はありましたか。

「驚いた、という感じのメッセージが来ましたね。バオ・インカン戦は北京で、韓国で試合をしたのは2017年だからもう7年前で、改めて『そんなに経っていたんだな』と実感がわきました。何より『7年も自分のことを待ってくれていたんだ』と思って」

――愛されていますね。

「本当に嬉しいです。7年間も韓国で試合をしていない自分のインスタライブに参加してくれる人がいて。しかも日本語が分かるわけでもないのに」

――しかし今回も敵地で強豪と対戦する。6年前の大怪我のことは頭をよぎりませんか。

「それはね、ありますよ。今回だけでなく復帰してから毎試合……。敵地で試合となったら『また同じことになるかも』と思ったりもします。この試合が決まって、周りからも『頑張って勝ってきてね』とは言われることは少なくて、ほとんどの人が『無事に帰ってきて』と」

――……。

「もちろん自分も不安はあります。でも僕の中では、その不安よりも『韓国で試合ができる』という嬉しさのほうが若干上回っていて」

――周りから心配されるのは、キム・サンウク戦が決まったあとにSNSで「これで悔いなく死ねる」とか書くからでしょう。6年前のことがあるのに。

「あぁ、それは……(苦笑)。6年前のことがあるからこそ、自分も後悔のないように生きたいと思って。今はただただ、周りの人の優しさが身に染みています」

――なるほど。では対戦するキム・サンウクの印象を教えてください。

「ウェルター級で戦っていた時期も勝っているし、去年はライト級でRoad to UFCに出て、準決勝で優勝したロン・チュウに判定負けで。打撃を食らっても諦めずに向かっていく気持ちの強さが見える。良い選手だと思います。今は30歳で、絶好調でしょう。

韓国ではテレビ番組か何かで、キム・サンウク選手が『今回は打撃で行く』とか言っているらしいんですよ。それは寝技で分が悪いと思っているのか、僕は打撃が弱いと思っているのか……。どちらにしても、自分はありがたいですけどね」

――そこで打ち合う気はない?

「いや、あります」

――打ち合うつもりなのですか。

「アハハハ。試合映像を視るかぎり、自分がグラウンドでやられることはないと思っています。テイクダウンされることはあってもパウンドアウトや、極められることはない。一方で相手も、それほど打撃が巧いという感じでもなくて。それで向こうから打ち合ってきてくれるなら――自分のパンチも当たったら倒れると思っています。KO負けが怖い、という気持ちはないです。相手が殴ってくるなら、殴り合ってブッ倒してやりますよ」

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