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【VTJ2021】EXFIGHT=宇佐美正パトリック✖BRAVE=野村駿太。若手のパワーハウス勢が激突

【写真】VTJ版Young Blood的なファイトが決まった(C)MMAPLANET

25日(月)、Sustainより11月6日(土)に東京都江東区のUSENスタジオコーストで開催されるVTJ2021で宇佐美正パトリック✖野村駿太というプロ2戦目同士のライト級マッチが組まれることが発表された。

格闘家育成プロジェクト『格闘DREAMERS』を経て、LDHmartialarts契約EXFIGHT所属プロフェッショナルMMAファイターとなったパトリックは、9月20日のShooto2021#06のヨシ・イノウエ戦で1R4分18秒に左ボディKO勝ちでプロ初陣を飾っている。

対して、BRAVE所属の野村は9月5日のGrachan50で前田啓伍を相手に判定勝ちしプロキャリアをスタートさせた。


野村は松山工業高校~自衛隊体育学校と伝統派のポイント空手で活躍してきた選手で、2020年の全日本空手道選手権では、愛媛代表として男子組手で5位(※ベスト8)入賞をしている。

MMA初戦でも伝統派競技空手特有の半身の構えを見せていた野村とパトリックのマッチアップは、空手✖ボクシングという見方を概ねされるだろう。とはいえパトリックはボクシングで高校6冠となる以前に極真空手、正道会館空手、新空手K-3のキッズ部門で蹴り有り、あるいはグローブ着用顔面有りルールで国内のトップとして戦ってきている。

蹴りへの慣れは、プロデビュー戦でのローの切れを見ても分かる通りだ。

既にJ-MMA界有数の拳の攻撃を有しているパトリック。その象徴的な攻撃は左ボディショットだ。

プロデビュー前からDREAMERS内で見られたアマMMAでもその威力を如何なく発揮してきたが、忘れてはならないのはなぜあの距離に入れるのかということだ。

MMAであの距離でボディショットを放つことができるのは、右オーバーハンドや左リードフックの鋭さがあるからに他ならない。

野村がこの2つのパンチの勢いで真っ直ぐ下がるようなことになれば、ケージを背負い腹を抉られる距離になる。

その野村はデビュー戦を見る限り、伸ばせば拳が届く位置で空手特有の構えでアゴを守ることがなく連打を見せていたが、この距離は完全にパトリックの制空権といえる。と同時に野村、構えは左手前貴重でヒザ蹴り後などに足を前方に着地させ、スイッチするとサウスポーからもオーソと同じ攻撃を繰り出すことができる。

ポイント空手の当てる……届かせることを主体にした突きから、ダメージを与えることに軸を置くMMAでは野村のパンチ自体は多分にボクシング化している。よって低い位置にあった拳を一度、肩の位置に持って来るようになる。

溜め、反動、筋力で打つパンチはパトリックが野村を上回ることは否定できないので、この距離になる野村は圧倒的に不利だろう。

と同時に、野村は腰上の位置から繰り出すパンチも見られる。この軌道から伸ばされる突きは、結果として関節の接続で放たれるモノで空手特有だ。

この突きがパトリックの圧力に負けず、その制空権で放たれると勝負はどう転ぶか分からない。そんな一撃、そしてパトリックの詰めをJKA空手のステップで外すことができるのか──小外刈りなど、力以上にタイミング=空手の足払い的な動きが見られるか。この3点に注目すると、より興味深くなるパトリック✖野村のルーキー対決はEXFIGHTとBRAVEというポテンシャルの高い若い選手が集まる、J-MMA界の新パワーハウスのぶつかり合いとなる。

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【修斗】VTJ2021 メインは平良達郎 チリ王者と国際戦!

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11月6日に新木場STUDIO COASTで開催されるVTJ2021のメインに修斗の至宝 平良達郎(THEパラエストラ沖縄)が抜擢されました。対戦相手は南米チリのLFNフライ級チャンピオン アルフレド・ムアイアド。詳細は追って!
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【VTJ2021&Shooto2021#07】坂本一弘代表に訊く、VTJ─02─「VTJはずっと続けるモノではない」

【写真】今や伝説、Vale Tudo Japan99のTeam Japan登場シーン(C)SUSUMU NAGAO

11月6日(土)に東京都江東区のUSENスタジオコーストでVTJ2021とShooto2021#07を主催するSustainの坂本一弘氏インタビューPart.02。

歴史の節目に修斗に表れる裏歴史=VTJを1997年から指揮し、その前年の10月よりワールド修斗~サステインを母体に修斗公式戦を開いてきた坂本氏にVale Tudoとのパーセプションから、日本最弱を経て修斗のレコンキスタ、そして世界と遭遇する大航時代の象徴となったVTJを振り返ってもらい、11月のVTJ2021が果たす役割について話してもらった。

<坂本一弘インタビューPart.01はコチラから>


──カーロス・ニュートン!!  今も中村倫也選手と親交があるそうですよね。

「カーロスは倫也のお父さんの晃三社長にお世話になっていましたからね。あの時、カーロスは初来日で修斗ライトヘビー級王者だったエリック・パーソンに腕十字で一本勝ちしたんですよね。トム・エリクソンもフリーウェイトでエド・デ・クライフに勝っていますね」

──日本勢ではプロデビュー2年目で桜井マッハ速人選手も出場している。凄い面子ですね。

「凄いですねぇ、そう考えたら。今、誰に通じるんかいって話ですけど(笑)、エェ選手が集まっていますよね。まぁ、この年はやっぱりルミナがジョン・ルイスにリベンジを果たしたってことですかね。試合結果でいえば、ドローから一本勝ちなので決着をつけたということになるのですが、97年の公式戦からVJTと結果を残せたのも、ルミナだけは96年に仕留められずに引き分けたから。そういう違いは大きかったんだと思います。

そうですね……94年、95年から96年の日本最弱と呼ばれた大会を経て、VTJもグレイシー柔術への挑戦から、97年と次の年の98年では対世界という部分が色濃くなりましたね」

──なんといっても1998年は……。

(C)SUSUMU NAGAO

「エンセン井上✖ランディ・クートゥアーですね。

90年代のVTJと、その後のVTJ──性格も時代背景も違いますが、ベストバウトという見方をすると1位も2位もなくエンセン井上✖ランディ・クートゥアー、それと堀口恭司✖石渡伸太郎──この2試合しか出てこないです。3位以下はもう皆頑張った、エェ試合で選べない。でも、この2試合は別格。デカいです」

──とはいえ90年代VTJの集大成、1999年のVTJはイベント自体として印象に強く残っているモノではないでしょうか。

「あの年は原点回帰というか、世界を知った修斗が打倒バーリトゥードの母国に挑む。そういうコンセプトでしたね。試合前のセレモニーのチームJAPANの入場シーンは、未だに『格好良かった』と言われますね」

3分間流れたブラジル国歌、この日の第1試合で佐藤ルミナと戦ったのは、今やKINGS MMAの総帥ハファエル・コルデイロだ

──あれは語り継がれるべき、登場シーンだったと思います。

「そしてブラジル国歌がフルバージョンで流れ、ブラジル勢をブックしてくれたエリオ・グレイシーの愛弟子ジョアン・アルベルト・バヘットさんの挨拶が延々と終わらない。それに友情の印で木刀のプレゼントですよ(笑)」

──色々な意味で伝説です。

「1999年のVTJはVale Tudoからの卒業、集大成であるのと当時に僕らがやることも修斗に舵取りをするという時期にきていたんだと思います。VTJはずっと続けるモノではない。だから10年後に再開したり、今回も5年2カ月振りになりますしね。99年のVTJを終えて、修斗という競技をしっかりと確立していく……あの前後で米国、豪州、欧州、ブラジルでアマ修斗があり、プロ公式戦が開かれるようになった。VTJというモノがあり続けると、そういう活動に支障が出ていたかもしれないです。

それは言い方を変えると、それだけのテンションを持って続けられなかったということにもなります。99年のVTJは、やはりイベント全体として最高でした」

──修斗、MMAが確立する以前の決闘の雰囲気が残っていた大会です。

「2000年からNKホール大会が公式戦に変り、あの時代における一つの役割を終えたということですよね」

──それから22年を経て、世界、世界、海外、海外と口にはできますが、全くもって国内の情勢は厳しくなっています。

「あの頃とMMAが行われている国の数が全く違います。選手も世界中で生まれ、育っている。とはいえ日本のレベルも上がっています。絶対論でいえば日本も世界も上がっている。そして後発でMMAが始まった国の選手たちの力の伸び様や、MMAの市場規模の成長という部分で日本と海外を相対的に比較すれば、海外の方が力をつけているということで。

やはり次のステップ、ネクストステージに進むときに、何か楔となるモノが必要です。平良(達郎)、SASUKEも西川大和もそうです。次のステップに行くまでに経験しておくべきことってあると思うんです。それが修斗でできることもあれば、VJTでなければできないこともあります。そういうことを踏まえた上で、結論として『やっていた方が良くない?』という試合、場を提供したいということです。先輩風を吹かせると、ですね(笑)。

もっと華やかな世界はあります。海外で戦うという場合にしても、これはやっていた方が良い、コイツは越えておいた方がエェというのは常にありますよ」

──とはいえ現状、コロナ禍において外国人の招聘が難しく、スポーツ庁などに働きかけてもそれこそ90年代のVTJのような海外勢が半分出てくるというイベントは開けないです。今後ということも含め、どのような国から海外勢を招聘したいと考えていますか。

「まずお隣の韓国は外せないです。強い選手が多いのは当然ですし、地理的にも招聘しやすい。ただ、ワクチン接種が選手の世代にはなかなか回ってこないという事情があるようで。今回のVTJに関しては、韓国勢の招聘は見送ることにしました。そうなってくると北米になりますね。ワクチン接種が進んでいますし」

──対して日本勢というのは?

「僕が出てほしいのは平良、西川、SASUKE。彼らにはやはり出てほしいと思っています。『お前らが何か変えろよ』と、彼らには変える力がありますからね。そういう選手に海外から選手を招聘できるようなら、外国勢を当てたいですね。もしくは海外を経験してきた選手を。そういう選手と戦うというのも、現状のVJTの一つの要素ですね」

──ただし現在の修斗で海外を知る選手というのは、思い当たるのは宇野選手を筆頭にして、夜叉坊選手ですか。それとONEと契約している選手ですかね。

「ONEと契約している選手は、ONEとまず話をしてクリアーにならないといけないですが、そのパターンも視野にはいれています。あと石原夜叉坊はVTJ前に米国で試合があるようで(※10月17日にFury FCに出場しドローだった)。『決めてまいましたわぇ。このままじゃ、帰られまへんねん』ということでしたね」

──『帰られまへん』とは言わないでしょう(笑)。

「アハハハ。まぁ、夜叉坊も意地があるでしょうしね。そういうことで夜叉坊の出場はないですが、宇野薫(インタビュー後に原口央との対戦が決定)以外にも、ここはVTJですし修斗に出場経験のない選手の試合というのも考えています」

──VTJと修斗の昼夜興行というのも興味深いです。

「以前は一つのイベントで公式戦とVTJルールの試合を前後にわけて組んだことがありますが、イベントを並べるのは初めてですね」

<この項、続く>

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