カテゴリー
45 CJ・ヴェルガラ Interview UFC UFN ESPN+102 UFN244 クレイトン・カーペンター ブログ ルカス・ホシャ 平良達郎

【UFN244】平良世代=ブラジルの大地の子ルカス・ホシャ「僕はストライカー。寝技も抜群に強い」

【写真】体形はハニ・ヤヒーラ。でも打撃も強いホシャ (C)Zuffa/UFC

12日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN244:UFN on ESPN+102「Royval vs Taira」。その大会名が示すようにメインイベントで平良達郎がフライ級1位のブランドン・ロイヴァルと戦う。
text by Takumi Nakamura

平良のメイン出場で、日本でもPPVショーに負けないほど注目を浴びている同大会のオープニングバウトで、平良世代のブラジリアン・ファイター=ルカス・ホシャがオクタゴン初陣を戦う。

キャリア17勝1敗の24歳、昨年のコンテンダーシリーズで最高峰に辿り着いたホシャは、アマゾン河岸最大の都市マナウスから300キロもモリエンテス川を源流に辿る人口8万5000人の街で生まれ育ち、今もその地でトレーニングを続ける。

クレイトン・カーペンターという米国フライ級の新鋭と戦う──ブラジルの大地の子=ルカス・ホシャにデビュー前の心境を訊いた。


――待望のUFCデビューを迎えます。今の気持ちを教えてください。

「僕はブラジルのアマゾンでも、マナウスよりアマゾン川の源流にあるジャングルで生まれ育った。そんな僕でもUFCファイターになって、ラスベガスで戦う。そのことだけでも達成感があるんだ」

──去年のコンテンダーシリーズの勝利から、デビューまで1年掛りました。

「本当は4月に試合が組まれていたけど(※ジョシュア・ヴァン戦)、試合の2週間前で肋骨を折ってしまって戦うことができなくなった。ちょっと、試合まで時間がなさすぎたからキャンセルせざるをえなかった。でも、今回はしっかりと調整デキて準備は万全だよ」

──今も生まれ故郷のジムで練習をしているのですか。

「そうだよ。人口10万人に満たないコアリにある自分のチームで、全ての練習をしている。今回のキャンプもコアリで行ったよ」

──ルカスはコンテンダーシリーズでヒザ蹴りでKO勝ちという素晴らしい勝ち方をしていますが、それ以前にはカポエイラのような蹴りを見せ、優れたテイクダウン防御も披露していました。アマゾン河畔の小さな街で、どのような格闘技キャリアを築いてきたのでしょうか。

「僕の格闘技キャリアのスタートは柔術……、ノーギ柔術だった。14歳だったよ。16歳の時に両親にプロとして戦いたいと尋ねた。今からすると本当に感謝しかないけど、両親はそれを受け入れてくれたんだ。その後MMAファイターとして生きている資質があることを、両親に示すことができて良かったと思っている」

──16歳でプロデビューですか。

「なんせ、コアリではアマチュアで戦う機会なんてなかった。ノーギ柔術でキャリアをスタートさせたと言ったけど、実は3週間後にはMMAの練習を始めていたんだ(笑)。でもアマチュアMMAなんて、コアリには皆無。MMAを戦うということは、直接プロになるということだった」

──つまり、すぐに打撃の練習も始めていたということですね。

「もちろん。最初はノーギ柔術の練習をしたけど、ジムの先輩たちは皆がMMAを戦っていた。なんせ、柔術のアカデミーじゃなくてMMAのジムだったから。なんでも練習できたよ。ただしMAをしないといけないから、始めたわけじゃない。大好きだから、やっているんだ。

それがブラジルのバーリトゥード文化だよ(笑)。ジムでは皆がそれぞれ持っている技術をシェアしていて、僕は初めからパンチ力があった。ずっとMMAの練習をしてきたから、ヒザを当てる光景が頭に焼き付いている。だから、コンテンダーシリーズでもヒザ蹴りでKO勝ちできた。僕はストライカーだよ。そして、寝技も抜群に強い」

──では今週末に戦うクレイトン・カーペンターの印象を教えてください。

「寝技が上手いね。ただ、打撃も好んで使う。喧嘩もできそうだし、激しい試合になるだろうね。世界がルカス・フェルナンド・ホシャの名前を知ることになる。そうなる戦いをしたいと思う」

──今回の大会はメインで同階級の平良達郎選手が、ブランドン・ロイヴァルと戦うことで日本でも非常に注目を集めています。そして日本には鶴屋怜選手というフライ級ヤングプロスペクトもいます。きっとルカスの試合も注目を集めるかと思います。

「僕もタイラやツルヤと同じ世代だ。ブラジルのこの世代を代表して戦うから、日本のファンには僕の試合もしっかりと見て欲しい。動きを止めることがない、皆が楽しめる試合を戦うから」

■視聴方法(予定)
10月13日(日・日本時間)
午前5 時00分~UFC FIGHT PASS
午前4時45分~U-NEXT

■UFCN244対戦カード

<フライ級/5分5R>
ブランドン・ロイヴァル(米国)
平良達郎(日本)

<ミドル級/5分3R>
ブラッド・タヴァレス(米国)
パク・ジュンヨン(韓国)

<ウェルター級/5分3R>
チディ・ンジュグアニ(米国)
ジャレッド・グッデン(米国)

<ライト級/5分3R>
グランド・ドーソン(米国)
ラファ・ガルシア(メキシコ)

<ウェルター級/5分3R>
デニエル・ロドリゲス(米国)
アレックス・モロノ(米国)

<ミドル級/5分3R>
ジョシュ・フレムド(米国)
アブドゥル・ラザク(米国)

<フライ級/5分3R>
CJ・ヴェルガラ(米国)
ラマザン・テミロフ(ウズベキスタン)

<フェザー級/5分3R>
ジョナサン・ピアース(米国)
パット・サバチーニ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ニコ・プライス(米国)
テンバ・ゴリンボ(ジンバブエ)

<ヘビー級/5分3R>
ジュニオール・タファ(豪州)
ショーン・シャラフ(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
コリー・マッケナ(英国)
ジュリア・ポラストリ(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
ダニエル・アルゲータ(米国)
コディ・ハッドン(豪州)

<フライ級/5分3R>
クレイトン・カーペンター(米国)
ルカス・ホシャ(ブラジル)

The post 【UFN244】平良世代=ブラジルの大地の子ルカス・ホシャ「僕はストライカー。寝技も抜群に強い」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 MMA MMAPLANET o UFC UFN244 ブランドン・ロイヴァル ブログ 平良達郎

【UFN244】王座を見据えたロイヴァル戦へ、平良達郎「1位のロイヴァルに圧勝して次の挑戦者は自分だと」

【写真】変わらずごくごく普通の受け答えで、自信が伝わってくる平良 (C)MMAPLANET

12日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN244:UFN on ESPN+102「Royval vs Taira」のメインイベントでUFCフライ級5位の平良達郎が同級1位のブランドン・ロイヴァルと対戦する。
text by Takumi Nakamura

6月のUFC ESPN58「Perez vs Taira」ではランキング5位のアレックス・ぺレスを対レスラー用の必殺技=スタンドでのオタツロックで下した平良。この勝利によりランキングを13位から5位に大きく上げ、今大会ではロイヴァルとの対戦が決まった。


松根さんはよく『達郎は自分を信じれば大丈夫だよ』と言ってくれる

――試合前のインタビューありがとうございます。今回はデンバーで合宿して、ラスベガスに移動するそうですね。

「はい。デンバーのフォージ・ファイト・クラブ(※旧エレベーション・ファイト・チーム)でファイトキャンプを張って、明日からラスベガスに移動します」

――対戦相手がロイヴァルに決まってなお、デンバーで合宿することになったのですね。

「いえ、前回のアレックス・ペレス戦の前からデンバーで練習するようになって、すごく手応えたがあったんですよね。コーチもみんな信頼を置ける人たちばかりで、前回の試合が終わった時、『また試合が決まったら来るね』という風に伝えていました」

――数多くのジムがあるなかで、なぜフォージ・ファイト・クラブを選んだのですか。

「まずデンバーとラスベガスが近いので移動しやすいということ。あとはいくつか米国のジムでも練習させてもらったんですけど、フォージ・ファイト・クラブのコーチたちが本当に親身になって、面倒を見てくれたんですよね。クラブのメンバーも地元選手もいれば、ジャスティン・ゲイジーのようなトップ選手もいて、なんて言うんですかね、歴史が見えるチームというか。チームの一体感がすごく好きなんですよ」

――平良選手のことを温かく迎え入れてくれたのですか。

「もちろん最初はゲストという感じで、全体練習に混ざるだけだったのですが、何度か練習に行かせてもらううちにコーチとマンツーマンの練習や対策練習が増えたり、チームメイトからアドバイスもらったり、『次の対戦相手はこうだから、スパーリングでこういうこと意識を持ってやろう!』みたいなことを話し合ったり。そうやってチーム全員で試合に向けて作っていく感じが新鮮で楽しかったですね」

――ペレス戦ではファイトキャンプの成果を感じる場面も多かったのですか。

「そうですね。あの時は試合だったんですけど、 いい意味でスパーリングの延長線みたいな感じだったんです。とにかく練習でやったことを試合に出そうという感じで動いていたのが前回の試合で、試合だから練習より研ぎ澄まされたところはあったんですけど、すごく冷静でいる自分がいて、プラン通りに組み立てられた試合でしたね」

――よく「練習を試合のように、試合を練習のようにやる」と言われますが、まさにその通りだったんですね。

「今回も3週間はデンバーでファイトキャンプを張って、最後の1週間はラスベガスで調整します。試合の4週間前に米国に入って、このスケジュールで追い込み&調整すると調子がいいというのを感じますね。以前は1週間前のファイトウィークに合わせて米国に入っていたんですけど、1週間しか時間がないと環境の変化に身体が追いつかないんですよ。ギリギリ時差が抜けるかどうかのタイミングで試合が来ちゃう、みたいな。でも4週間前に入ると身体も慣れて、いいコンディションで試合ができますね」

――今回も岡田遼選手がファイトキャンプに帯同、松根良太さんも試合前に一度デンバーまで練習を見に来たそうですね。

「岡田さんはキャンプの最初、行きの飛行機からずっと一緒なんです。あと母親も一緒に来てくれて、練習・生活面もサポートしてもらっています。松根さんにはキャンプの2週目に来てもらって、3日間の練習を見てもらいました。僕がデンバーでどういう練習しているかを実際に見てもらったことがなかったですし、最後ロイヴァル戦に向けてどういう練習をしてほしいかを打ち合わせして、ラスベガスで合流する形です」

――3日間とは言え松根さんと直接コミュニケーション取れたことは大きかったのではないですか。

「本当に大きかったですね、このタイミングで松根さんがデンバーまで来てくれたことで 一瞬も無駄な時間はなかったですし、それだけ松根さんも本気でこの試合に向き合ってくれてるということを感じました。改めてロイヴァル戦に気持ちが入りました。前回もリモートでトレーニング内容を報告してやりとりはしていたんですけど、松根さんはすごく心配性なんで、どのくらいのサイズの選手とどういう強度でスパーリングしているかを見てもらうことで米国と日本の距離を縮めることができたと思います」

――米国でのファイトキャンプが長くなると、良くも悪くも現地でのトレーニングや指導の影響が強くなる部分があると思います。松根さんにはそこを調整してもらうイメージでしょうか。

「松根さんはよく『達郎は自分を信じれば大丈夫だよ』と言ってくれるんですね。前回もペレスはテイクダウンディフェンスが強いので、僕は『テイクダウンに行くのは躊躇しますね』みたいな感じだったのが、松根さんはずっと『自信を持ってテイクダウンを取りに行こう』と言っていて。試合でも1Rが終わった後のインターバルに同じことを言われて、それで2Rにテイクダウンを取りに行ったら実際にテイクダウンすることが出来ました。松根さんは昔から僕に自分の核を見失わないように、背中を押してくれる存在ですね」

――それは心強いですね。岡田選手は松根さんとは違う形でサポートしてくれていますか。

「岡田さんは僕より英語が上手くなっているし、コーチを交えて話をするときに細かい部分を日本語で共有できるのが大きいです。英語が話せる通訳とMMAのことが分かる通訳だったら、細かいニュアンスの伝え方に違いがあると思うんですよ。コーチからアドバイスされたことを僕が間違って捉えないように、一緒に身体を動かしてくれる岡田さんとすり合わせられていますね」

一つに絞ってしまうと動きが固くなっちゃう

――今回はより万全な準備が出来ていることが伝わってきます。改めてロイヴァルの印象を聞かせてもらえますか。

「誰が相手でも手数が多くて止まらない、アグレッシブにいく印象ですね。その分、粗い部分というか、つけ入る隙がたくさんある選手なので、相手にペースに乗らず、慌てずにやる。僕だったらその隙をついて仕留められると思っているので、フィニッシュに繋げたいなと思っています」

――私もロイヴァルの試合映像を見て、常に自分からアタックし続けて、アタックの回数と動きの多さで相手を上回る。技術的な粗さや隙を攻め続けることでカバーしている印象です。

「いい意味でも悪い意味でも、我慢できない選手なのかなと思いますね」

――なるほど。落ち着いて試合を進めるよりも、動きたい・取りに行きたい気持ちが勝ってしまうタイプですね。

「だから僕的にはそこで上手く自分が有利になるような展開に持っていきたいですね。ロイヴァルの動きに騙されない、というか。こっちがいいところを取っていてもガチャガチャ動いてくると思うので、そこもしっかり頭に入れておいて、自分のペースで最初から最後まで試合を進める。向かい合った時にやりづらさを感じるかもしれませんが、(ロイヴァルは)こんな感じかというのを理解した上で、試合を進めていきたいなと思います」

――あとはロイヴァルの長身・リーチをどう攻略するかもポイントになると思います。

「長身の選手や手足の長い選手とスパーリングをやらせてもらって、最初はやりづらさもありましたけど、段々とアジャストしてきて打撃を当てるイメージもしっかり持てています」

――あとはベタな聞き方になってしまいますが、ペレス戦でのオタツロックのような決め技は容易していますか。

「結構色んな技は用意しています。あと『今回はどんな技で仕留めたいですか?』ってむちゃくちゃ聞かれるんですけど(笑)、色んなパターンを想像しているというか。僕自身は(動きやフィニッシュ)を一つに絞ってしまうと動きが固くなっちゃうんで、流れの中で打撃でも関節技でも絞め技でも、スタンドでもグラウンドでも色んなこと狙っていきます」

――ランキングでも1位のロイヴァルと5位の平良選手が5Rで対戦するとなれば、この試合の勝者が次期挑戦者に大きく近づくというメッセージもあるマッチメークだと思います。

「僕もこの試合が決まった時に、これに勝ったら次はタイトルマッチだなと感じましたし、UFC的にも期待があると思うんですよ。パントージャ、ロイヴァル、ブランドン・モレノでベルト争いする時代を変えてくれと。僕はそういう合図だと思っているので、ここで僕が1位のロイヴァルに圧勝して次の挑戦者は自分だということを見せたいです」

――平良選手は与えられた相手を一人ずつ倒してきて、タイトル挑戦が現実味を帯びてきました。これをクリアすればタイトルマッチだという前向きな捉え方をしていますか。

「そうですね。また会場がUFC APEXかよ!というのはありますけど(笑)、UFNのメインイベントで5分5Rですし、タイトル挑戦につなげるという意味では、大きなチャンスだと思います。判定に行くつもりはないですが、キツい試合になることも頭に入れているし、ロイヴァル戦はその次に繋がる試合だと思います」

――試合前にデンバーで大谷翔平選手の試合を見たそうですね。

「ちょうど一週間前にロサンゼルス・ドジャースがコロラド・ロッキーズと試合をして、生で大谷選手を見ることが出来たんですよ。僕ももともと野球をやっていたんで、めちゃめちゃ興奮しました。大谷選手を見た感想は米国の選手と並んでもデカいな、と。あとコロラドはドジャースからするとアウェーじゃないですか。でも大谷選手はコロラドでもとんでもない人気で、スタジアムには大谷選手のユニフォームを着た人がたくさんいるし、大谷選手が打席に立つとホーム・アウェー関係なく大盛り上がりなんですよ。世界のスターはこういうことなんだなというのを感じました」

――日本からも本当に多くのファンがこの試合を楽しみにしています。ファンの人たちにメッセージをいただけますか。

「前回の試合に勝ってタイトルマッチが見えてきて、どうすれば世界一の選手になれるかを考えてここまで過ごしてきました。ロイヴァル戦では次のチャンピオンは俺だぞということを示す試合をしたいし、そうする自信もあるので、今回の試合は本当に期待していてください」

■視聴方法(予定)
9月8日(日・日本時間)
午前5 時00分~UFC FIGHT PASS
午前4時45分~U-NEXT

The post 【UFN244】王座を見据えたロイヴァル戦へ、平良達郎「1位のロイヴァルに圧勝して次の挑戦者は自分だと」 first appeared on MMAPLANET.