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お蔵入り厳禁【Special】月刊、水垣偉弥のこの一番:2月:ジム・ミラー✖ニコラズ・モッタ─02─

【写真】その生きる様子を眺めるだけで、心が豊かになれる。そんなジム・ミラーだ (C) Zuffa/MMA

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。3人の論客から、水垣偉弥氏が選んだ2022 年2月の一番=19日に行われたUFN201からジム・ミラー×ニコラズ・モッタ戦を引き続き語らおう。

<月刊、水垣偉弥のこの一番:2月:ミラー✖モッタPart.01はコチラから>


──狙い通りに、と。

「そこを完全に狙っていたかどうか。ジム・ミラーの打撃の精度だと分からないですが、結果的だろうがそうなったのは凄いことです」

──今のMMAは常にアグレッシブに戦う姿勢を見せる戦いに変化しつつありますが、基本的に間を置くことが許される数少ないコンバットスポーツでした。加えて修得する技術も多く、選手寿命も自然と長くなる。改めて38歳です。ジム・ミラーは。

「でもUFCですからね。そこが嬉しいです。ジム・ミラーが勝つと、古くからのMMAファンが盛り上がります。クレイ・グイダ、レオ・サントスに並ぶモノがあります。彼らが勝つとタイムラインがざわつく、それが個人的に嬉しいです。とはいえここで勝つということは関脇とまでいかなくても、前頭の上の方の相手が次戦では用意されます」

──それがUFCです。

「どんな相手との試合が決まるのか。楽しみであり、厳しいなという気持ちはします(苦笑)。UFCでこれだけキャリアを積んでいると、生活の心配なんてないでしょうし、『できるだけUFCで試合をしたい』と言っていますよね。

楽しめている。生活が懸かっているのと、楽しめるのは違います。それと大金を手にしてダメになるファイターもいるじゃないですか。要はお金がモチベーションの。ただミラーのように成功を収めても、きついのに次、次へと挑戦するのは根本的にMMAを楽しめているからですよね」

──子供4人に食事を創らないといけないから──と試合後のインタビューで言うのも素敵です。

「格好良いです。自分が出来なかったことをジム・ミラーはできている。憧れでもあります。僕の場合は子供が生まれて、穏やかになってしまった……そういう面はありました。

僕もMMAが好きだし、楽しいし。できれば長く続けたいというのがありましたけど結果が出なくなってしまって……KO負けも多くなってしまった。だから引退を決めたのですが、ジム・ミラーはやり続けている。

僕は続けたいけど、『もう、やっちゃいけない』という気持ちになりました。練習が100パーセントできないなら、試合に出ることはできない。最後はそういう感じになっていました」

──原稿を書くのは逃げ道を創れますけど、MMAファイターは違いますよね。休むと落ちて、相手に食われますしね。

「100じゃない状況、気持ちで試合を戦っている時に、過去の試合中には一度もなかった『シュン』となってしまったらどうしようと怖かったです。自分に対して残念で傷つくだろうなと。そんな風になるぐらいの覚悟しか持てなくなるなら、もう辞めようって思いました」

──試合が怖くなっていきましたか。若い頃は全く平気だったじゃないですか。

「年を取ると入場直前に『いなくなりたい』とか(苦笑)。最後の方はそうなります。怖くなかったものが、怖くなる。それは身を引くきっかけにはなりますね。当然、人それぞれだとは思います。若い頃から怖くて、それを克服して。勝った時の気持ちが何よりも優るから続けられる人もいるだろうし。ミラーもどういう心境で戦い続けることができるのか、それは彼に聞かないと分からないです」

─ジム・ミラーは10年以上、同じフィジカルコーチに見てもらっている。殴る、蹴る、極めるという練習より憂鬱になりがちがトレーニングを20代の時から同じ人物の指導を受け続けるというのも凄いことだと感じました。

「その辺りが長く続けることができる秘訣かもしれないですね。フィジカルコーチが同じというのは凄いです。試合が日常になっているのか。僕にとって試合は非日常の勝負を賭けるところでした。

ただ柔術とグラップリング、タイ人のムエタイとか毎月戦うことができる。そういう感覚をミラーは持てているのかもしれないですね。僕はそういう感覚は持ち合わせていなかったです。何カ月かに1回、その瞬間に研ぎ澄まされた感覚で戦う。

だから試合の時は100の状態でいること。できることを全部やって100で挑む。そういう風でいた。逆に日常になれば、80とか90でも戦い続けることができるのかもしれないです。それが日常──準備が整うかどうか、気持ちが創れるかどうか。その部分が、日常なら上下するのは当然なので。そうやって試合に出ているから、試合を楽しめるのかと思います。

それをUFCでやっているんです。チャンピオンでなく、ずっと平幕で。十両まで落ちないから、UFCで戦い続けている。UFCのチャンピオン、メインイベンターで活躍し続けるって立派です。ただ一般人としてジム・ミラーのような人に憧れます」

──一般人?

「あぁ、でも若い頃は自分は特別だと思っていました

──そりゃあ無類のハードパンチャーですから。

「でも米国で戦うようになって、ほんのちょっと人より優っている。ほんの少しの特別具合……『いや普通だな、俺』って考えるようになりました。普通にどこにでもいる人。でも、この中に入るとむしろ弱い方だっていう感じになっていました。

だからジム・ミラーもそうですが、僕のなかではフランキー・エドガーから特に影響を受けました。エドガーって特別ではないですよね。でも気持ちと技術で勝ち、チャンピオンになった。僕と同じ普通の人間なのに」

──あのう……水垣さんは普通じゃないですよ。特別ですよ。そうでないと、他の日本人選手がMMAを続けられなくなってしまいます(笑)。

「アハハハハ。ありがとうございます。でもあの輪に入ると……」

──あの輪に入ることができる……それが特別なんです。

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MMA MMAPLANET o Special UFC UFN201 キック ジム・ミラー ニコラズ・モッタ 水垣偉弥

【Special】月刊、水垣偉弥のこの一番:2月:ジム・ミラー✖ニコラズ・モッタ「なぜKO勝ちできるのか」

【写真】自身のキャリアを重ね合わせ、興味深い話が聞かれました (C) Zuffa/MMA

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。3人の論客から、水垣偉弥氏が選んだ2022 年2月の一番は19日に行われたUFN201からジム・ミラー×ニコラズ・モッタ戦について語らおう。


──水垣さんが選ぶ2022年2月の一番をお願いします。

「ジム・ミラー×ニコラズ・モッタですね。まぁ、言うとジム・ミラーの話になります。38歳、UFCで39戦目。そして23勝目を挙げた。何より、ここにきて2連続KO勝ちというところに注目したいです。

普通、年齢を重ねると反射神経が衰え、パンチに対して反応ができなくなる。打撃でやり合うことは厳しくなってくると思うんです。それなのにジム・ミラーは2試合連続でKOして勝っている。スタイル的にはローキックが強く、一発でKO勝ちということもあったとしても、ストライカーではないですよね。ジム・ミラーの何が変わったのか。

テイクダウンの圧力があることは確かです。それに今も言ったようにローは強い。それでも、こういう風に当てることができるようになったのはどういうことなのか。自分のなかでも、要因が見つかっていません。テイクダウンにしても、打撃と同じスピードで動くので、加齢とともに組みつけなくなり、打撃を被弾するケースが増えてくると僕は思っていました。それがジム・ミラーは連続KO勝ちで」

──自身のキャリアと比べてしまうところはありますか。

「ハイ。僕自身、スタンドの反応の遅れで打撃でやりあうと勝てなくなりました。だからテイクダウンしてトップコントロールで勝とうと修正を図ったのですが、やりきれなかったです。それがグラップラーのジム・ミラーが、年を重ねて打撃で勝っている。僕がやったことの逆をいっていて、そんなことができるのかと」

──水垣さんは打撃に秀でていました。あの距離で北米のファイターとやりあえる。だから、その反応の遅れが非常に大きなファクターになったかと。ただ、ミラーはストライカーでなく、そのズレがあっても鈍感にいけるということはないでしょうか。

「アハハハ。もとから打撃としては崩れているので。でも、ああいう風に当てられることが、僕の中では腑に落ちないんです(苦笑)」

──最近のMMAは寝技の攻防のなかで極めるということは、本当に少なくなっていると思います。いわばノーギ柔術+パウンドが続くということはない。サブミッションは打撃を効かせたあとのフィニッシュで。だからこそ、対戦相手が極めに秀でていると、そこにいかないという気持ちが大きくなるのか。

「それはあるのかもしれないですね。だからこそ、組まれたくない。倒されたくない。寝技はしたくないと思い過ぎて、打撃を受けてしまったというのはあるかと思います。

実際、僕はテイクダウンされることを徹底的に嫌がっていて、レスラーに対する苦手意識を持っていました。下になるとまずいから、テイクダウンを切って打撃を入れる。そういう練習に精を出していました。ただ、それって相手ありきで本来の自分ではなくなってしまうんです。

グラップリングの試合にMMAファイターが出て、足関節に恐怖心がある。そこに対応することばかりを考えると、自分の持っている組みが出せないのと同じですね」

──相手の間で戦う、居着くということですかね。

「あぁ、分かります」

──?

「武道との繋がりはあると思います。僕は剣道をやっていたので、居着くという言葉は身近なんです。居着きまくりの剣道人生を送っていたので(笑)。出小手って剣道にあるんですけど……」

──でごて?

「ハイ、面を打ちに行って腕を上げようとした瞬間に小手を打たれる。出後手でやられると、その恐怖心が続き面が打てなくなります。結果、動けなない。自分の動きが何もできなくなって負けてしまう。居着いていた……今、そのことを思い出しました。過信ということではなくて、やるべきことに対して、少し自分に傲慢になって戦うぐらいの方が良いのかもしないです」

──仮にモッタがミラーの組みに対して居着いていたなら、興味深いのは左でなくて、右のカウンターで倒されたことかと。

「サウスポーに対して、やはり気にするのは左ですからね。でも、ミラーは右を右で迎え撃った。そうですね。モッタはもう自分の動きができておらず、右への警戒心は薄い。そこで意識してかどうか。意識していると凄いですけど、とにかくミラーは右でKOしたと。本当に興味深いですね」

<この項、続く>

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Column MMA MMAPLANET o UFC UFN201   アブドゥル・ラザク アラン・ボドウ カイル・ダウカウス ガブリエル・ベニテス クリスチャン・ロドリゲス グロリア・ジ・パウラ ジム・ミラー ジャマール・ヒル ジョニー・ウォーカー ステファニー・エッガー チェス・スケリー チャド・アンヘリガー デヴィッド・オナマ ニコラズ・モッタ パーカー・ポーター マーク・ストリーグル

【UFN201】試合結果 ヒル大勝、ストリーグル完敗、エッガー&オナマがパフォーマンス・ボーナス!!

【写真】サウスポーからオーソにし、初弾でジョニー・ウォーカーを沈めたヒル(C)Zuffa/UFC

19日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFN201:UFN on ESPN+59「Walker vs Hill」が開催された。

メインのライトヘビー級でジャマール・ヒルが、ジョニー・ウォーカーをKOしオクタゴン戦績を4勝1敗とした。

UFC39戦目を迎えたジム・ミラーは右のカウンターでニコラズ・モッタをKOしUFCで23勝目を挙げた。UFC2戦目となったマーク・ストリーグルは、チェス・スケリーに2RでTKO負け。2試合連続のKO負けで、厳しい状況に。また勝者スケリーは試合後のインタビューで引退を発表している。

パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト=ジャマール・ヒル、カイル・ダウカウス、デヴィッド・オナマステファニー・エッガー

UFN201:UFN on ESPN+59「Walker vs Hill」
<ライトヘビー級/5分5R>
○ジャマール・ヒル(米国)1R2分55秒
KO
詳細はコチラ
×ジョニー・ウォーカー(ブラジル)
<195ポンド契約/5分3R>
○カイル・ダウカウス(米国)1R4分59秒
ダースチョーク
×ジェイミー・ピケット(米国)
<ヘビー級/5分3R>
○パーカー・ポーター(米国)3R
判定
詳細はコチラ
×アラン・ボドウ(フランス)
<ライト級/5分3R>
○ジム・ミラー(米国)2R1分59秒
TKO
詳細はコチラ
×ニコラズ・モッタ(ブラジル)
<ミドル級/5分3R>
○ジョアキン・バックリー(米国)3R
判定
×アブドゥル・ラザク(米国)
<フェザー級/5分3R>
○デヴィッド・オナマ(ウガンダ)1R4分24秒
KO
詳細はコチラ
×ガブリエル・ベニテス(メキシコ)
<女子バンタム級/5分3R>
○ステファニー・エッガー(スイス)1R3分44秒
腕十字
詳細はコチラ
×ジェシーローズ・クラーク(豪州)
<フェザー級/5分3R>
○チェス・スケリー(米国)2R2分01秒
TKO
詳細はコチラ
×マーク・ストリーグル(フィリピン)
<女子ストロー級/5分3R>
○グロリア・ジ・パウラ(ブラジル)3R
判定
×ディアナ・ベルビシャ(ルーマニア)
<バンタム級/5分3R>
○チャド・アンヘリガー(カナダ)3R3分33秒
TKO
×ジェシー・ストレーダー(米国)
<フェザー級/5分3R>
○ジョナサン・ピアース(米国)3R
判定
×クリスチャン・ロドリゲス(米国)
<バンタム級/5分3R>
○マリオ・バウティスタ(米国)3R
判定
×ジェイ・ペーリン(米国)


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MMA MMAPLANET o UFN201 ジャマール・ヒル ジョニー・ウォーカー

【UFN201】オーソに構えを変えた直後の──ヒルの右カウンターでジョー・ウォーカーが大の字に

<ライトヘビー級/5分5R>
ジャマール・ヒル(米国)
Def.1R2分55秒by KO
ジョニー・ウォーカー(ブラジル)

サウスポーのヒルに対し、ジョニー・ウォーカーもスイッチを一瞬見せる。左ローを蹴ったジョニー・ウォーカー、ヒルは左ミドル。ジョニー・ウォーカーもハイから回転系の動きを繰り出す。慎重な立ち上がりの両者、左を入れたヒルの追撃にジョニー・ウォーカーが右を当てて組みつく。ケージに押し込まれた状態から離れたヒルが間に出て、回るジョニー・ウォーカーに左ストレートを伸ばす。

左を嫌がり、右に回るジョニー・ウォーカーがミドルからハイを繰り出す。ヒルも日ありミドルを蹴ると、こことオーソに構えを変える。そしてジョニー・ウォーカーがワンツーで前に出たところで、ヒルの右がテンプルを直撃する。両足が硬直し、両手を広げたジョニー・ウォーカーはスタンドの状態で文字通り大の字となり、後方に崩れ落ちた。

「サウスポーでは追いつくのが難しかったから、オーソに変えて攻めようと思った。彼はリーチが長くて良い武器を持っている。でもタイミングが来たので、ただ殴った。凄く綺麗に決まった」とヒルは勝利を振り返った。


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MMA MMAPLANET o UFC UFN201 アラン・ボドウ パーカー・ポーター

【UFN201】序盤優勢だったアラン・ボドウだが、ポーターに競り負けオクタゴン初勝利逃す

<ヘビー級/5分3R>
パーカー・ポーター(米国)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
アラン・ボドウ(フランス)

左ジャブを伸ばすポーターに対し、ボドウもジャブを返す。ジャブから右を当てたボドウだが、ポーターはここで前に出て右を打っていく。間合いを取り直したボドウは、右を被弾しても右アッパーをヒット。それでも前に出るポーターのシングルをスプロールして防いだボドウが、ケージに押し込まれる。離れたポーターに右アッパーを引き続き打っていくボドウは、コンビのなかにアッパーを組みこみ、とにかく前に出てくるポーターにクリンチで右を突き上げる。

ポーターはケージに押し込み続け、離れ際にエルボーを狙う。離れたボドウは前蹴りを腹に入れた直後にボディロックテイクダウンを決められたが、すぐに時間となった。

2R、パンチを振るって前進するポーター。回るボドウはローを飛び上がるようにチェックする。手数が多く、前に出るのはポーターで。ボドウは組まれるとヒザやアッパーを繰り出す。ポーターは執拗に組みテイクダウン狙いも、切り返したボドウが逆に上を取る。p-ターはレッスルアップからバックに回る。

動きが落ちたボドウは胸を合わせた状態でケージに背に抑えられる。離れたポーターがワンツー&ロー、ボドウはジャブを伸ばすが大きく息をしている。ポーターはクリンチでケージに押し込み、ボドウを削っていく。残り1分、打撃の間合いに戻りボドウが右オーバーハンドを振るう。ポーターも右を返し、ジャブに左フックを合わせていく。両者疲れ、最後の10秒でステップイン&ローのポーターに、ボドウはカウンターの右を当てた。

最終回、ジャブを伸ばすボドウ。飛び込んで、縦ヒジをも繰り出す。ポーターはローを蹴り、ボドウが左フックを打ち込む。ポーターは前に出てパンチを纏められ、ローに右を合わされる。ボドウがジャブを当て、右アッパーのカウンターと精度と上回り、さらにワン―を入れるなど手数も増えている。最後の2分半、自分の戦いでもある時間になり、ボドウはポーターのテイクダウン狙いを切る。ポーターは諦めず、ケージにボドウを押し込むとついにダブルレッグでテイクダウンを決める。

ハーフで抑えたポーターはアメリカーナを仕掛ける。極まらないとみると、エルボーを入れ枕で固めつつ、パンチを打っていく。さらにアメリカーナ狙いからマウントを取ったポータは左右のパンチを打っていく。力で上体を起こしたボドウを潰し、ポーターが連打したところでタイムアップに。最後に反撃を受けたボドウは、ジャッジ3者が28-29をつけ裁定で判定負け──UFC初勝利はならなかった。


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MMA MMAPLANET o UFC UFN201 ジム・ミラー ニコラズ・モッタ

【UFN201】ジム・ミラーが右のカウンターからモッタをパウンドアウト。UFCで23度目の勝ち名乗り

<ライト級/5分3R>
ジム・ミラー(米国)
Def.2R1分59秒by TKO
ニコラズ・モッタ(ブラジル)

右ジャブから右ローを伸ばすミラー、モッタのワンツーにも前に出て左エルボーをフルっていく。左ハイを当てた直後に右を被弾して、動きが止まったミラーだが、すぐに左ローを蹴っていく。インサイドローを続けるミラーは、バランスを崩したモッタとの距離を詰めようとする。離れたモッタは、遠目の距離でも右が伸びる。ミラーはワンツーで前に出て、モッタはステップバックををする時とカウンター狙いの時がある。

ミラーは左ロー、飛び込んでスーパーマンパンチから組みつく。頭が当たった感もあったが、ケージにモッタを押し込みヒザや細かいパンチを見せる。離れたモッタは右ハイも、これは見えている。そのモッタの右に左ローを合わせるミラーが、足への蹴りで初回をリードした。

2R、ワンツーの右を当てたモッタだが、距離がミラーの左の蹴りになっており、詰めるか離れるかハッキリさせたいところだ。とはいえ離れてもミラーは前に出るので、接近戦に持ちこむしか選択肢はない。そして前に出ると、ミラーはカウンターの左だけでなく右フックを合わせていく。さらに左ストレートから、左ローを入れたミラーはモッタの右にステップインしカウンターで右を当ててダウンを奪う。

頭を覆うモッタにパウンドを連続で打ち下ろしたミラーが、完勝しオクタゴン23勝目を挙げた。「レフェリーの仕事は難しい。僕はやりたくないけど、ちょっとストップが遅かった。彼は必要ないパンチを受けてしまったね。ケガがあってキャンプは困難だった。子供たちは元気いっぱいで、僕はご飯を創らないといけない(笑)。僕のゴールはできるだけ長く戦うこと。次はPPVでファンの前で戦いたい」と笑顔でミラーは話した。


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MMA MMAPLANET o UFN201 ガブリエル・ベニテス デヴィッド・オナマ

【UFN201】左フックで右目が見えないデヴィッド・オナマがパンチをまとめ、ベテニスから失神KO勝ち

<148ポンド契約/5分3R>
デヴィッド・オナマ(ウガンダ)
Def.1R4分24秒by KO
ガブリエル・ベニテス(メキシコ)

ワンツーから左ミドルを見せたベニテスが、左ローを蹴る。オナマもスイッチして左ミドル、、ベニテスがワンツーをのばす。ボディを入れたベニテスに対し、オナマは右ジャブから左ローを蹴る。ベニテスも左右のローからワンツー、右ボディフックを打ち込む。近い距離で蹴りを交えるベニテスは、ボディも打ち分け精度の高い打撃戦を続ける。オナマも構えを変えて左ジャブ、左ストレートを振るうが左フックを被弾し右目を気にしながら下がる。パンチの追い打ちから首相相撲&ヒザを突き上げたベニテスは、テイクダウン狙いのオナマに一度は尻もちをつかされるがスクランブルでスタンドに戻る。

左ハイからボディへのコンビをまとめたベニテスが、左ミドルを蹴り込む。さらにワンツーも、オナマは前に出て左右のフックを当てる。とオナマは腹を蹴られながら、距離を詰めてケージを背負ったベニテスに右フックから右ストレートを当て、ここからパンチをまとめる。ガードが下がり、金網にもたれる形になったベニテスは思い切りアゴに5発、6発の左右のパンチを打ち抜かれる。そのまま気を失ったベニテスが、前方に倒れ込んだ。

「右目が見えないんだ。ベニテスは速かった。やるべきことやった。楽しかったよ。ショートノーティスだったので、次はフルキャンプ、フェザー級のリミットで戦いたい」とオナマは話した。


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MMA MMAPLANET o UFN201 ステファニー・エッガー

【UFN201】ステファニー・エッガー、払い腰で一本×2回後──腕十字でクラークから一本勝ち

<女子バンタム級/5分3R>
ステファニー・エッガー(スイス)
Def.1R3分44秒by 腕十字
ジェシーローズ・クラーク(豪州)

身長差のある両者、長身のエッガーに組みついたクラークがボディロックでケージに押し込む。柔道出身のエッガーはウィザーから投げを狙い、体を入れ替える。すぐにクラークが押し込み返すが、エッガーが払い腰で投げる。すぐに立ち上がったクラークが、逆に足払いで尻もちをつかせる。

エッガーも即スタンドに戻り、ケージに押し込まれた状態で再び払い腰を決める。今度はしっかりと袈裟で抑えてパンチを落としたエッガーは、腕を取りながら上四方へ。そのままマウントにトランジットし、背中を見せて落とそうとしたクラークの右腕を腕十字に取りタップを奪った。

「この試合展開は予想していなかった。打撃戦になると思っていたら、彼女が組んできたから……投げるのは好きなの。すぐにでも次の試合がしたい」とエッガーは話した。


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MMA MMAPLANET Report UFC UFN ESPN+59 UFN201 チェス・スケリー ブログ マーク・ストリーグル

【UFN201】縦ヒジ→ヒザ蹴りでストリーグルがTKO負け。勝者スケリーが引退発表

<フェザー級/5分3R>
チェス・スケリー(米国)
Def.2R2分01秒by TKO
マーク・ストリーグル(フィリピン)

サウスポーのストリーグルが左ローを蹴る。スケリーは右前蹴り、ローに右を合わせていく。ストリーグルの左ミドル後に左右のフックで前に出たスケリーは、小手投げの攻防からクリンチでケージに押し込まれる。押し返したスケリーが、バックに回る。ストリーグルはキムラに取りつつ、グリップを剥がして胸を合わせる。ボディ&顔面を殴ったストリーグルが太腿に鉄槌を打っていく。

ストリーグルの投げを潰したスケリーがトップを取り、クローズドの中に。エルボーを打ちつけるストリーグルのキムラ狙いを察知したスケリーはボディを殴り、オープンになると起き上る。ここでアップキックを決めたストリーグルは、最後に背中を預けてスタンドに戻った。

2R、ストリーグルは左ロー、スケリーが右を当てて組みつく。ワキを潜ってバックに回ったスケリーが背中をつけて寝技に持ちこもうとする。胸を合わせようとしたストリーグルが、背中をもう一度録られそうになるが、前方に落としてスタンドへ。すぐにスケリーも続き打撃の間合いになると縦ヒジを当てる。これが効いたストリーグルは、右フックを被弾して組もうとしたところで、右ヒザをアゴに突き刺される。この一発で倒れたストリーグルは、両手で顔面を覆う形でパウンドを受け続けTKO負けした。

「凄く気持ちいいよ。でも、もう燃え尽きた。これが最後の試合になるだろう。体はもうもたない。超興味深いオファーがあれば考えるけど、もう体がね。今後はグラップリングをやるとか、違うことをやるよ」と勝者は明るい表情で引退を発表した。


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MMA MMAPLANET o UFC UFN201 アブドゥル・ラザク アラン・ボドウ カイル・ダウカウス クリスチャン・ロドリゲス グロリア・ジ・パウラ ジム・ミラー ジャマール・ヒル ジョニー・ウォーカー ステファニー・エッガー チャド・アンヘリガー ニコラズ・モッタ マーク・ストリーグル

【UFN201】キャリア51戦目、39度目のオクタゴンへ。ジム・ミラー「殴られたら、殴り返したくなる」

【写真】今も頂点を目指す戦いの輪に入っている。そこがよりジム・ミラーを格好良くさせる (C)Zuffa/UFC

19日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN201:UFN on ESPN+59「Walker vs Hill」にジム・ミラーが出場し、ニコラズ・モッタと対戦する。

ジョニー・ウォーカー×ジャマール・ヒルのミドル級がメインの今大会、プレリミは7試合で女子のストロー級とバンタム級以外の男子の試合はフェザー級とバンタム級に集中している。

キャリア33勝6敗1NC、50戦を越えるキャリアのミラーは、モッタ戦がオクタゴン39戦目で、自ら最多出場記録を更新している。50戦を越えるキャリア、彼と同世代の選手も決して少なくない。ただし、UFCでこれだけ長く、キャリアの4/5を過ごしている。世界最高峰で、今の王座と挑戦としたヒエラルキーのなかで戦い続けるジム・ミラーに、その戦い続けられる理由を尋ねた。


──UFCで39戦目となるニコラズ・モッタ戦が土曜日に控えています。今の調子はいかがですか(※取材は現地時間の火曜日に行われた)。

「調子は良いよ。トレーニングキャンプもしっかりできた。もう、あとは戦うだけだ。本来、彼とは去年の9月に戦う予定だったけど、僕がコロナに感染してキャンセルになった。すっと彼と試合をするために準備をしてきたようものだよ」

──それにしても、ここまでUFCで戦ってきてまだ戦いたいと思えるものなのですか。

「今も楽しいからね。いつまでたっても、ファイトは何が起こるか分からないから楽しいんだ。俺は分かったなんてしたり顔で言うようになったら、もう戦えないよ。体に問題があれば楽しめないだろうし、練習も楽しんでいる。今は子供が4人もいて、ファイトが全てじゃない。やらないといけないことも増えた。でも、モチベーションを維持することは凄く簡単なんだ」

──ジムがモチベーションをキープする方法とは?

「キープする方法じゃないよ。殴られたら、殴り返したくなる。そういうことだよ。その気持ちがあれば戦い続けることができる。若かった頃のように戦いだけに集中するのは困難だけど、さっきも言ったように楽しいんだよ。だから、少しでも長い間楽しみ続けたい」

──数カ月に1度の試合のために、長くハードな練習を続けることも楽しめるということですね。それにしても若いファイターがどんどん出てきて、フィジカルモンスターのような選手も多いです。そのなかで年を重ねてなお彼らと戦う。どのようにして、そんな心と体を創っていけるのでしょうか。

「MMAはパズルだ。本当に色々なことを学ぶ必要がある。常に新しい武器を得ようと練習している。ジムで自分を成長させる。時には難しいこともあるよ。常に強くなり続けるなんてできないからね。それでも何かを学ぶ、何かを習う。そういう学生のような、探求心を持ち続けることが必要だと思う。その気持ちがなくて、ただ強くありたいなんて自分のエゴでしかないからね」

──MMAは時代とともに戦い方が変化しています。今やグラウンドの攻防が続くことは珍しく、寝て逆転を狙うよりも立ってイーブンに戻すことが主流です。スタンドでも、距離とタイミングをしっかりと見ていたのが、ガチャガチャと殴り合い、テイクダウン防御への意識が低く、倒されても立てば良い──レスリングに付き合って疲れることは回避する。それが現代MMAの戦い方になっているように感じます。しっかりと倒して、抑えていたジムからすると、このスタイルをどのように思っていますか。

「スポーツって常に変化するものだよ。僕だって変わる。だから新しい技術を身に着ける姿勢が必要なんだ。変化するというのは、そのスポーツにとって悪いことじゃないはずだ。それだけ新しくなっているということだしね。それが成長するということだと思うよ」

──なるほど。昔は良かったなどと言っていたら、38試合もUFCで戦えないですね。

「僕だって、昔は良かったと思うことはあるよ(笑)。2000年代の最初の頃のMMAを懐かしく感じることがね。素晴らしいファイターたちが、どの局面でも……そう、どんな状況でも戦いを回避するために動くんじゃなくて、戦っていた。それでも、戦い方は変わる。どのスポーツを見ても同じだ。皆が勝とうとする努力が、ゲームを変えるのさ。そうやって戦うモノとして、受け入れて戦うだけだよ」

──土曜日はジム・ミラーとして、どのような試合をファンに見せたいですか。

「ジム・ミラーらしい試合をしたい。戦うためにケージに入る。可能な限り圧を掛けて、ペースを握る。相手にミスをさせ、そこをつく。僕はプロMMAを50試合戦ってきた。次の試合が51戦目なんだ。簡単に勝てると思って、試合をしたことはない。そのために厳しい練習をし、自分を追い込んで試合に向かう。勝負を諦めない。そういう自分らしさを見せることができれば、最高だよ。

そうやっていること自体が楽しんだ。それが僕の人生。僕はプロフェッショナルファイターでいたいんだ。そうすることで自由を感じられる。僕は差、ある意味生き返った人間だから。重度の倦怠感を伴う病のおかされた時、そうUFC200でタカノリ・ゴミと戦った時、実は引退する準備をしていたんだ」

──えぇ、そうだったのですね!!

「でも体調が戻り、戦い続けることにした。あれ以来、いつ身を引いても構わないと思って戦っている。もう既に引退することを決めた人間だからね。幸運なことに、今も戦い続けることができている。この道を歩くことが楽しいんだよ。いつ、終わりになってもしょうがない。そう思っているからこそ、思い切り楽しんでいるんだ」

──だからこそ、皆、ジムの試合を見ると『まだ俺もできる。頑張ろう』という気持ちになれるんだと思います。

「ありがとう。そう言ってもらえると凄く嬉しいよ」

──そう思っている日本のファンに、一言お願いします。

「日本のMMAファンの皆が応援してくれることが本当に嬉しい。残念なことに、僕はまだ日本で試合をしたことがない。でも、将来的に日本で試合する可能性は残っている。ホント、日本のMMAがこのスポーツのために尽くしてくれたことに感謝しているんだ。皆、ありがとう」

■視聴方法(予定)
2月20日(日・日本時間)
午前6時00分~UFC FIGHT PASS

■ UFN201計量結果

<ライトヘビー級/5分5R>
ジョニー・ウォーカー: 206ポンド(93.44キロ)
ジャマール・ヒル: 205ポンド(92.99キロ)

<195ポンド契約/5分3R>
カイル・ダウカウス: 193.5ポンド(87.77キロ)
ジェイミー・ピケット: 194ポンド(87.99キロ)

<ヘビー級/5分3R>
パーカー・ポーター: 263ポンド(119.29キロ)
アラン・ボドウ: 256ポンド(116.11キロ)

<ライト級/5分3R>
ジム・ミラー: 156ポンド(70.76キロ)
ニコラズ・モッタ: 154.5ポンド(70.08キロ)

<ミドル級/5分3R>
ジョアキン・バックリー: 183ポンド(83.00キロ)
アブドゥル・ラザク: 186ポンド(84.37キロ)

<フェザー級/5分3R>
ガブリエル・ベニテス: 148ポンド( 67.13キロ)
デヴィッド・オナマ: 144.5ポンド(65.54キロ)

<女子バンタム級/5分3R>
ジェシカローズ・クラーク: 135.5ポンド(61.46キロ)
ステファニー・エッガー: 135ポンド(61.24キロ)

<フェザー級/5分3R>
チャス・スケリー: 146ポンド(66.22キロ)
マーク・ストリーグル: 145ポンド(65.77キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
ディアナ・ベルビシャ: 116ポンド(52.62キロ)
グロリア・ジ・パウラ: 115.5ポンド(52.38キロ)

<バンタム級/5分3R>
ジェシー・ストレーダー: 135ポンド(61.24キロ)
チャド・アンヘリガー: 135ポンド(61.24キロ)

<フェザー級/5分3R>
ジョナサン・ピアース: 145.5ポンド(66.0キロ)
クリスチャン・ロドリゲス: 145.5ポンド(66.0キロ)

<バンタム級/5分3R>
マリオ・バウティスタ: 135.5ポンド(61.46キロ)
ジェイ・ペーリン: 136ポンド(61.69キロ)

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