【写真】ハリウッドのハイスクールものに出てくる優等生タイプのようなライト。実はすでに29歳だ (C)Zuffa/UFC
15日(土・現地時間)にテキサス州ヒューストンのトヨタ・センターで開催されるUFC262「Oliveira vs Chandler」にビバリーヒルズ・ニンジャことジョーダン・ライトが出場し、ジェイミー・ピケットと対戦する。
キャリア11勝1敗、日本では全く無名のミドル級ファイターは独特なファイトスタイルとリズムの持ち主に、そのルーツとなるマーシャルアーツ・キャリアを尋ねた。
──ジェイミー・ピケットとの対戦が迫ってきました。調子の方はいかがですか。
「減量も順調だし、スーパーヘルシーだ。試合向けての練習も完璧でフィジカル的には全く問題ないよ。調子は最高さ」
──ジョーダンは多くのマーシャルアーツの経験があるようですが、最初に習った格闘技は何だったのですか。
「9歳の時にヨーシューカイ(養秀会?)空手を始めた。大きな流派じゃなくて、極真空手と松濤館空手を合わせたようなスタイルだったよ。ホント小さな道場だったけど、ドラゴンボールZのゴクウのようになりたかったんだ(笑)。ドラゴンボールZを見ながら育ち、スーパーサイヤ人になりたいと思っていた(爆)。
子供の頃からブルース・リーの映画を見ていたし、パワーレンジャーも大好きだった。そういうことが内面にあったから、色々な人と組み合いたいっていう気持ちが大きくなって。凄く活発で、体が動かしたくてしょうがなかったというのもあるよ。もっと色々と学びたくて、12歳から16歳までイノサント・アカデミーに通うようになったんだ」
──おお、本格的にマーシャルアーツを習いたいと思ったのですね。
「マーシャルアーツというか、一番の目的はムエタイを習う事だったけどね。でもイノサント・アカデミーではシラットやジークンドー、カリも経験した。カリは本当に少しで、、ジークンドーも軽くやった感じだったけど、センセイ・ヨリ・ナカムラ(中村頼永)は凄く親切な人だった。しっかりと指導を受けたのは、シラットだったよ」
──シラットをやったことで、後々MMAに生きたことはありましたか。
「そうだね……シラットでバランス感覚を磨いたことかな。シラットにはグラウンドがあったんだけど、僕らのいうグラップリング的なグラウンドではなくて、マーシャルアーツの身のこなし方というか……地べたでサーフィンをするような動きなんだ。
あの滑らせる動きを練習したことで、今でも生きるバランス感覚を養うことができたと思う」
──これからジョーダンの試合から、シラットの動きの片鱗を見つけることができるか楽しみにします。
「アハハハ。ほんと、ジークンドーのワンインチパンチだって決めてみたいよね」
──そんなジョーダンですが、マーシャルアーツからMMAへ転じたきっかけは何だったのですか。
「16歳になって、キックボクシングの試合に出たくてレジェンズMMAに移ったんだ。イノサント・アカデミーはコンペティション・チームがなかったから。あの頃、K-1 MAXが大好きで、魔裟斗やブアカーオ、アンディ・サワーのファンだった。まだ10代で、体がこんなに大きくなると思ってもいなかったから、K-1 MAXに出るつもりだったよ(笑)」
──相当に日本に親近感を持って格闘技を続けていたのですね。
「ゲンキ・スドーの試合を始めて見たのもMMAでなくて、K-1 MAXだった。レジェンズ・ジムではアマチュアのキックの試合に出ていたんだけど、MMAのクラスもあって──『なんでMMAはやらないんだ?』って誘われ、そうやってMMAを始めた形かな。レジェンズMMAではMMA、ムエタイと柔術をやっていた」
──レジェンズMMAの柔術といえば……。
「そうエディ・ブラボーだよ。普通の柔術クラスもあったけど、僕はほとんど10thPLANET柔術を習っていた(笑)。今ではあまり10thPLANETのテクニックをMMAで使うことはなく、普通の柔術を使っているけどね。ラバーガードでホールドするのではなくて、オープンガードから動かせたいと思っているから」
──しかし、本当に色々なスタイルの格闘技を習ってMMAを戦っているので、ジョーダンのスタイルは他とは違うのですね。
「MMAに転じてからも、心はマーシャルアーチストのつもりでいる。ファイターだけど、マーシャルアーチストでありたいと思って来た。ウォリアースピリットやサムライ・スウォードを身の内に内包しているようにね。
実は僕の家ではほとんどコンバットスポーツを見る習慣がなくて、ボクシングやマーシャルアーツ・ムービーの方が身近にあったんだ。だからMMAを始めてからも、好きな選手はリョート・マチダ、アンデウソン・シウバ、ゲンキ・スドーだったし、キック時代にはタカユキ・コヒルイマキの影響を受けた。
彼もK-1 MAXの前はカラテで活躍したマーシャルアーチストだったよね。トラディショナル・マーシャルアーツのバックグラウンドがあるファイターに惹かれていたんだよね。マーシャルアーツはライフスタイル、そういう風に生きてMMAを戦っていきたいと思っている」
──ファイトスタイル的には、どう思っていますか。
「そうだね、僕のベースはカラテだよ。そこに体操競技をやってきたので、自分の体を上手く操ることができるんだ」
──マーシャルアーツだけでなく、体操も!!
「僕には他のMMAファイターが、ひたすらファイトを磨いてきたのとは違う経験がある。トラディショナルかつ、スピリチュアルな部分を心身ともに生かしている。
それなのに前回の試合ではジョアキン・バックリーを相手に勝負を急ぎ過ぎて痛い目にあってしまった。強引にフィニッシュを狙い、仕留めようとする気持ちが大きすぎた。
この時点で負けたことは、恵まれているよ。多くのことを学ぶことができた。ああいう負けはキャリアを重ねて、大一番で喫すると取り返しがつかないことになるからね。しっかりとコーチたちと修正してきたから、もうあんな過ちは犯さないよ」
──では土曜日のピケット戦、何を見せたいですか。
「僕は世界のベストの1人、それを世界に証明するよ」
■視聴方法(予定)
5月16日(日・日本時間)
午前7時15分~UFC FIGHT PASS
午前11時~PPV
午前11時~WOWOWライブ
■UFC262 対戦カード
<UFC世界ライト級王座決定戦/5分5R>
マイケル・チャンドラー(米国)
シャーウス・オリヴェイラ(ブラジル)
<ライト級/5分3R>
トニー・ファーガソン(米国)
ベニール・ダルーシュ(米国)
<女子フライ級/5分3R>
ケイトリン・チューケイギアン(米国)
ヴィヴィアニ・アロージョ(ブラジル)
<フェザー級/5分3R>
シェーン・バーゴス(米国)
エジソン・バルボーサ(ブラジル)
<バンタム級/5分3R>
マット・シュネル(米国)
ホジェリオ・ボントリン(ブラジル)
<ミドル級/5分3R>
ホナウド・ジャカレ(ブラジル)
アンドレ・ムニス(ブラジル)
<フェザー級/5分3R>
マイク・グランディ(英国)
ランド・バンナータ(米国)
<女子フライ級/5分3R>
アンドレアス・リー(米国)
アントニーナ・シェフチェンコ(キルギス)
<ミドル級/5分3R>
ジェイミー・ピケット(米国)
ジョーダン・ライト(米国)
<女子フライ級/5分3R>
ジナ・マザニー(米国)
プリシーラ・カショエイラ(ブラジル)
<ライト級/5分3R>
ケヴィン・アギラー(米国)
タッカー・ルッツ(英国)
<ライト級/5分3R>
ショーン・ソリアーノ(米国)
クリストス・ギアゴス(米国)
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