<フェザー級/5分5R>
ジョシュ・エメット(米国)
Def.2-1:48-47.48-47.47-48
カルヴィン・ケイター(米国)
間合いを測る両者。30秒が経過して、エメットが左ジャブをダブルで繰り出す。見る展開が続き、ケイターが左ジャブを放つも互いに触れることがない。ようやく2分を経過した時点でケイターの右ローが入り、エメットの左から右が届く。さらに右を当てたエメットがワンツーで前に出る。サークリングでバランスを崩したケイターがジャブから前蹴り、エメットは右オーバーハンドからロー、ワンツーで前に出る。ケイターのジャブをかわすエメットは、ローにワンツーを合わされる。左目尻を既にカットしているエメット。予想外に慎重な立ち上がりのなかでも、エメットがボディから右、そして左を当てて組みつく。ケイターが離れて時間となった。
2R、ワンツーで前に出るエメットをフックで迎え撃ったケイター。ワンツー、オーバーハンドを振るうエメットだが、圧を掛けるまでには至らない。そして右をカウンターでケイターが当てていく。動くのはエメットでも、間はケイターのいう展開のなかケイターのジャブがヒットし始める。
そうなると右が当たりケイターがリズムを掴み始める。エメットは左右のパンチを振るいながら前に出るが、ケイターが距離を取る。エメットの右がケイターを捕らえ、ここからワンツーでラッシュを掛ける。ケイターはヒザで迎え撃ち、大きな被弾がないまま5分を戦い終えた。
3R、ジャブを伸ばすケイターが、エメットの右をギリギリでかわす。エメットは組みのフェイクを見せる。ここで釣れれば、右オーバーハンドという目論見か。一挙動の右を見せたエメットが空気を換えようとする。ケイターもジャブを当て、エメットはボディを打っていく。右を強振するエメットに対し、ケイターは冷静に足を使いジャブを届かせる。ワンツーがガードの上だったエメットだが、続くジャブをヒット。それでもケイターがジャブを打ち返し、エメットのパンチがスラッピーになる。
ワンツー、ボディと手数が多いエメットだが、如何せん届かない。バックエルボーでのステップインにも反応したケイターはショートのパンチはガードして、ジャブ。エメットも右を入れ、左ボディで腹を抉る。ならばとケイターはヒジを見せる。右から左を最後に入れたエメットが、ホーンとともに右の拳をあげた。
4R、エメットが右フックから左フックとワイルドなパンチを振るう。ケイターは冷静に見て、ここもジャブ。そしてワンツーからジャブを伸ばす。左ローを蹴ったエメットが左ボディストレート、ケイターは左ジャブを入れて足を使う。ジャブの差し合いから、右オーバーハンドを空振りしたエメットが、ワンツーから組んでいく。直ぐに離れたケイターが右エルボーを当てる。エメットがワンツーを返すも、どうしてもジャブに反撃の芽を摘まれる。それでも近い距離でボディから右を当てたエメットが、左エルボーをかわす。スピニングバックエルボーを狙ったケイターは、ジャブから右を放つ。
この一発が右スピニングバックエルボーを打とうとしたエメットの顔面を捕らえ、姿勢が乱れる。シングルを切ったケイターがジャブを2発、前に出るエメットが右オーバーハンドから左を振っていく。手数を増やしたエメットは、ラウンド終了後にケイターを挑発してから笑顔を浮かべた。
最終回、ヒザ蹴りからワンツーのケイターがジャブを入れる。スイッチしたエメットがオーソに戻して右も、届かない。それでもワンツーの左を当てたエメットがジャブも続いて打ち込む。ケイターは右ストレートからジャブを当て、テイクダウン狙いを切る。さらにエメットの前進にエルボーを合わせていこうとしたケイターが、この回も乱打戦にならない打撃戦を制する展開に。ジャブを見せての右アッパーは不発に終わったケイターに対し、エメットが左ボディショットを入れる。
ケイターは足を使い、エメットの攻撃を見るように。それでも右オーバーハンド、ジャブでエメットを迎え撃ち、最後の10秒でスピニングバックエルボーを見せあい時間に。しかし──序盤の神経戦から、左ジャブでエメットを封じこんだと思われたケイターがスプリットに割れた勝負を落とした。前に出る姿勢が評価されたわけだが、自身のやるべきことをやり抜き精度でも上回ったケイターの敗北は、アグレッシブさがダメージや支配率を上回る現状の北米MMAの有り方を示しているのかもしれない。