【写真】既に計量を終え、あとは試合を待つばかり(C)TAKESHI YAMAZ
本日28日(土・現地時間)にアラブ首長国連邦はアブダビ首長国のADNECマリーナ・ホールで開催されるUAE Warriors54で藤田大和がダゲスタンのバトゥカン・バイスエフと対戦する。
Text Manabu Takashima
5月のUAEWフライ級王座決定戦で敗れてなお、「UAEWで戦い続けたい」という発言も聞かれた藤田。日本ではなかった人間としての強さが問われる戦いに挑むに彼に、現地入りしてから話を訊いた。
「ハイ。今回もアブダビにやって来て、試合に集中できる環境が整っています。ここにくると、試合だなっていう感じがしてきます」
──とはいえ複数契約ではないと伺っています。
「ハイ、今回も単発契約です。複数契約をしたいと伝えたこともないですし、試合をして次のオファーを待つという形ですね。前回負けて、8月末にオファーがありました。1カ月前のオファーが普通で、タイトル戦の時はオファーがあってからも相手がなかなか決まらず3週間前に正式決定した形でした」
──UAEWから声が掛らないと、国内も含め他で戦おうかと考えることもありますか。
「いえ、今はUAEW一本で戦っていこうと思っています。声が掛るのを待つ形ですね。7月、9月と10月に大会があることは発表されていたので、オファーがあれば動けるように準備はしていました。負けてもダメージもなかったので、7月末の試合に出たいという気持ちはありました。早く試合がしたかったので。
そうやって考えると、今回は少し待つ期間が長かったと感じます。それでもUAEWはUFCに繋がりやすかったり、相手が強いし、環境も良いですからね」
──相手が強い。毎試合のように得体がしれない猛者との試合が用意されます。
「ハイ、こっちに来て……人間としての強さを問われる試合が続きます。日本にいると少し甘えがあるので、人間的に強いヤツと戦いたいと思っています」
──今回、ついにダゲスタン人との試合が組まれました。このオファーを受けた時、どのように感じましたか。
「まぁ、ロシアかって感じですね(笑)。また名前にVがつくのかって(笑)」
──ハハハハ。そこですか。今、RIZINに中央アジア旋風が起こりつつありますが、藤田選手は中東でその戦いに1人挑んでいます。
「精神修行ということではないですが、ここで戦ってしまうともう日本で戦っていた頃のようには戻れないですね(笑)」
──そこでバトゥカン・バイスエフ、どのような選手でしょうか。
「全部ができる選手ですで。打撃も早いですし。KO勝ちもあるし、極めている試合もある」
──これまで藤田選手がUAEWで戦ってきたから、さきほど申し上げた得体の知れなさは感じなくなりました。恐らく力もあって、持久力もある。強い。でも、そうでない選手はここにはいないな、と。
「まぁ、やってみないと分からないので。想定は高くしています。ロシア、ダゲスタンの選手なので脅威には感じています」
──コメインで組まれたことで、期待値の高さも感じます。
「今日の会見は(※取材は25日に行われた)、タイトルマッチほどではなかったですけどね。それでも本来は13試合中9試合目だったのが急にセミになりました。セミの試合がなくなって、他が繰り上がるのではなく自分の試合がそこになった……ことから、期待されているとは思います。
最初セミになったと聞いた時は、そこまで3試合がなくなったのかと思っていました。でも、そうでなくセミの代わりに自分の試合が組みこまれた感じだったので」
──ではその期待されたなかで再起戦ということもありますし、どのような試合がしたいと考えていますか。
「前回の試合の反省点を生かし、1戦目と2戦目で上手くいったことを思い出して、イメージを創ってきました。打撃だったり、寝技だったり、組みだったり。相手どうこうではなく、自分のスタイルを貫く感じです」
──ウェルラウンダーのバイスエフに対し、藤田選手が貫く自分のスタイルとは?
「打撃にしろ、寝技にしろ、僕が優位なところで戦う。そんな感じですね」
──距離的には?
「今回は近い距離は余り想定していないです。相手がステップを踏む感じで、長い距離のスピードがあるので。前の試合のような打ち合いにはならないと思います」
──勝手ながらキックボクシングということではなくて、蹴りを踏まえたボクシング。そのような藤田選手を見てみたいです。
「どうですかね(笑)。そうなれば、良いですね。ただ、それほどパンチに拘るということでなくて……。前回の試合で倒し切れなかったわけですし。倒し切ることができれば良かったと思いますが、ガスが続かなかったので……そうですね、振り過ぎないように。へへへへ」
──スタミナ配分にも注意が必要に?
「そこは大切ですね。使い過ぎないこと。でも、待ち過ぎない。受けに回り続けないことは意識しないといけないです」
──ダゲスタンの選手にとっては、アブダビはホームのようにも感じられます。ロシアと中東のムスリム・コネクションが存在していて。加えてタイトルコンテンダーを食ってやろうというバイスエフ軸の試合とも捉えることはできますし。
「そうならないようにします(笑)」
──押忍。では最後に深夜まで起きて、藤田選手の試合を視聴してくれるファンの人達に一言お願いします。
「極めるなり、倒すなり──しっかりと勝ってきます」
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