【写真】アブダビは人工的な緑と水の豊か街だが、砂漠の熱風だけでなくペルシア湾の湿った空気もあり本当に暑さを感じる街だ(C)TAKESHI YAMAZAKI
26日(土・現地時間)にUAEはアブダビのエディハド・アリーナで開催されるUAEW44で、藤田大和がウズベキスタンのフィルカドベク・ヤクボフと対戦する。
Text by Shojiro Kameike
メインで予定されていたUAEWライト級王座決定戦=アムル・マゴメドフ×アレックス・ダ・シウバの一戦が、前者の欠場で163ポンド契約マッチ=シウバ×バジシュ・サルママトフに変更された今大会、藤田は日本人として2人目のUAEW出場となる。
その藤田は昨年7月にRIZIN沖縄大会で曹竜也を下したあと、翌8月からスタートしたDEEPフライ級GPは欠場に。以降は海外での試合を希望しているという話が伝わってきていた。そして曹戦から1年の時を経て、UAEW出場が決定。MMAでは初となる海外での試合に向け、アブダビ入りした藤田をキャッチした。
――この取材は8月21日に行っています。アブダビは今、朝10時ですよね。昨夜現地に入ったそうですが、暑さはいかがですか。
「外に出たのは昨夜、空港に着いた時だけで、今日はまだホテルから出ていないんですよ。でも昨夜の時点で蒸し暑さを感じました」
――天気予報によると、今日のアブダビは最高気温が40度で、湿度が46パーセントとのことです。日本のほうが湿度は高いですが、日本とは異なる暑さを感じませんか。
「すごく湿度が高く感じますよね。日本とは違うなって思います」
――そのアブダビに、すでに体を絞った状態で入っているのですね。顔つきも細く見えます。
「はい。水抜き前までの状態まで落として日本を出発しました。こちらで体を動かして体重を落とすようなことはないですね」
――アマチュアボクシング時代も含めて、海外での試合経験はありますか。
「実はボクシングで初めての海外遠征先がイランだったんですよ。だから中東は初めてじゃないんです」
――えっ、そうだったのですか。
「高校時代のユース・アジア選手権ですね(2010年3月)。その翌月にはアゼルバイジャンでも試合をしています。もう15年も前の話なので、あまり当時のことは覚えていませんが(苦笑)。ただ、またイスラム圏で試合をすることになるとは不思議な気持ちです」
――藤田選手は昨年7月の曹竜也戦以来、1年1カ月ぶりの試合を迎えます。この間、海外で戦うことを目標にしているという話を聞いていました。
「そうですね。いろんな方に出られる大会を探していただいてUAEWに出られることになり、ホッとしています。」
――様々な団体と交渉しているなか、このUAEWは最初から視野に入っていたのですか。
「いえ。全く――というわけではないですけど、あまり大会について知らなかったです(苦笑)。日本から吉野光選手が出場していたので、UAEWという大会があることは知っていました。でも自分がアブダビで戦うとは想像していなかったですね」
――他にはどの大会と交渉していましたか。
「Road to UFC、ONE、あとは神龍誠君がベルトを獲ったCFFCといったところも考えていました。あとは豪州の団体も」
――結果、1年を経てUAEW出場が決定しました。この1年間は海外の試合が決まらなければ国内で試合をするという選択肢はなかったのでしょうか。
「ギリギリのところでしたね。UAEWの試合が決まったのが、ちょうど前の試合から1年経ったところで。これ以上、試合間隔が空くようなら国内の試合も考えようと山﨑(剛Me,We代表)さんと話をしていました」
――その間、主戦場としていたDEEPではフライ級GPが開催されていました。ご自身のいないDEEPフライ級GPはどのように見ていましたか。
「フライ級GP、すごく面白かったです。僕が対戦したことのある選手も出場していましたし、ずっと見ていました。そのなかで福田選手が優勝して――自分も福田選手と対戦したいっていう気持ちになりました。前から福田選手の存在は気になっていたんですよ。GPの試合を視て、以前よりも戦いたい気持ちが強くなっています」
――一方で福田選手としては、1年間も試合がないことに対して焦りはなかったですか。
「焦りがないというわけではなかったです。1年間は長かったですよ。でも練習へのモチベーションが下がることはなかったですね。試合がないから、試合が決まらなそうだから――というのは関係なくて。逆に日本国内でフライ級が盛り上がることで、すごく良い刺激をもらいました。さらにギリギリのタイミングでUAEWの試合が決まりました」
――では練習をしながら試合決定を待っていた1年で新しく取り組んだり、伸ばしてきた部分はありますか。
「いろんな面を伸ばしてきました。たとえば倉本一真先輩が米国のファイトレディで教わったことを、僕が日本でドリル練習に取り入れたりしました。グラップリング面でも岩本健汰君が週1回、Me,Weに来て技術を教えてくれていたんですよ。グラップリングの立ちから寝から――いろいろと。この1年、試合はしていなくても全体的に成長してきたなって感じます」
――1年前の自分と比べて、今は何パーセント増しになっていると思いますか。
「そうですね……。20パーセントから30パーセント、と言っておきます(笑)」
<この項、続く>
■視聴方法(予定)
8月26日(土・日本時間)
午後11時00分~ UFC Fight Pass
■ UAEW44対戦カード
<163ポンド契約/5分3R>
アレックス・ダ・シウバ(ブラジル)
バジシュ・サルママトフ(キルギスタン)
<バンタム級/5分3R>
サビア・アラウイ(カナダ)
チィルイイースー・バールカン(中国)
<フライ級/5分3R>
サンスハル・アジロフ(カザフスタン)
キリンベク・アルティミシュ・ウルル(キルギス)
<ウェルター級/5分3R>
サマンダル・ムラドフ(タジキスタン)
ルーカス・サンパイオ(ブラジル)
<フライ級/5分3R>
ラシッド・ヴァガボフ(ロシア)
チュウ・ルン(中国)
<ミドル級/5分3R>
イスラム・アブドゥル・バシット(エジプト)
ロビン・ルース(スウェーデン)
<フライ級/5分3R>
フィルカドベク・ヤクボフ(ウズベキスタン)
藤田大和(日本)
<ウェルター級/5分3R>
シェフバン・アルハソフ(ロシア)
サラマット・オロザクノフ(キルギス)
<フライ級/5分3R>
ジョーヴィンセント・ソー(フィリピン)
アーロン・アビー(英国)
<176ポンド契約/5分3R>
エルキン・ダルメノフ(カザフスタン)
マルク・ハルム(南アフリカ)
<160ポンド契約/5分3R>
ルスタン・セルビエフ(ベルギー)
アナル・フシイノフ(アゼルバイジャン)
<150ポンド契約/5分3R>
イスラム・レダ(エジプト)
アーニー・ブラカ(フィリピン)
<女子フライ級/5分3R>
マリア・エウヘニア・ズブルン(アルゼンチン)
バクチブグル・クルマンベコワ(キルギス)
<ウェルター級/5分3R>
コホタム・ボイナザロフ(ウズベキスタン)
ミキャイル・バイハム(フランス)
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【UAEW44】砂漠のUFCへの道。藤田大和 in アブダビ―01―「ギリギリのタイミングで試合が決まりました」 first appeared on
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