26日(火・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでDWCS S07 Ep08が開催される。
Text by Manabu Takashima
先週はタリタ・アレンカとステファニー・ルシアーノがドローとなり、後者がサインを果たすというコンテンダーシリーズ初の出来事が起こったが、そのルシアーノを含め7週間で実に13人のブラジル人ファイターがUFC行きを決めている。
1週で2人以上の高確率。そのブラジルから今週もヘビー級でマリオ・ピアゾン、バンタム級でヴィニシウス・オリヴェイラが出場する。
オリヴェイラは3月のUAEW39で吉野光から初回4分02秒、KO勝ち収めているファイターだ。一度はUAEWバンタム級王座に就いているオリヴェイラは、ベルト奪回よりも砂漠経由でUFCへの最後の難関に挑むこととなった。
KOパワーを持つ右、そしてヒザ蹴りと強烈な武器ではあるが、一方でディフェンスは甘い。よってインパクトの大きな勝ち方だけでなく、負け方もしているのがオリヴェイラの特徴といえる。吉野はその荒い打撃の渦に巻き込まれたが、UFCの中で戦うには粗すぎるという見方もできる。
とはいえUFCとの契約を賭けた試合では、「過去は関係。その日の倒す意志力」が問われるため、豪快な勝利もできるファイトはコンテンダーシリーズに向いているだろう。それでも契約確定を狙いアグレッシブさが過ぎると、穴も大きくなることも予想される。
そんなオリヴェイラと対戦するヴィクトル・ウゴ・マドリガルは、メキシコMMA界での異色の柔術ファンタジスタだ。キャリア12勝3敗、ブドー・セントー・チャンピオンシップのバンタム級王者は7つのKO勝ちと3つの一本勝ちを誇っている。
ダブルレッグを仕掛けられると、尻もちをつくまでに一回転、キャッチしてきた腕にオモプラッタをセットアップ。がぶりから、ワキを差して来た腕をウィザーで固定して頭をステップオーバー→相手の背中に乗る形で腕十字。インサイドトリップを小外で耐え、横回転で上を取る──スタンド・スイープ。首相撲で引き込んで巴スイープの要領でマウント奪取。マウントでは、正面からRNCクラッチでギロチン──等々、他の試合で目にすることがない動きをマドリガルは見せてきた。
加えてスタンドでもアグレッシブなキックボクシングを仕掛けるマドリガルだが、コンテンダーズ&PFLベテランのアレハンドロ・フローレスに判定負けを喫したこともあり、打撃戦ではオリヴェイラの大砲を被弾する可能性は決して低くない。それでも、その異次元MMAグラップリングは一見の価値がある。
■視聴方法(予定)
9月27日(水・日本時間)
午前9時~UFC FIGHT PASS
■対戦カード
<ウェルター級/5分3R>
ダニー・バーロウ(米国)
ラヒム・フォレスト(米国)
<ヘビー級/5分3R>
アレキサンダー・ゾルダットキン(米国)
マリオ・ピアゾン(ブラジル)
<フェザー級/5分3R>
ダニー・シルバ(米国)
エンジェル・パチェコ(ブラジル)
<女子フライ級/5分3R>
エルネスタ・カレクカイト(リトアニア)
カーリー・ジュディシー(米国)
<バンタム級/5分3R>
ヴィニシウス・オリヴェイラ(ブラジル)
ヴィクトル・ウゴ・マドリガル(メキシコ)