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【DWCS S07Ep08】吉野光をKOしたオリヴェイラと、メキシコの柔術マジシャン=マドリガルの一戦に注目!!

【写真】粗いが一発はあるオリヴェイラ(C)UAEW

26日(火・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでDWCS S07 Ep08が開催される。
Text by Manabu Takashima

先週はタリタ・アレンカとステファニー・ルシアーノがドローとなり、後者がサインを果たすというコンテンダーシリーズ初の出来事が起こったが、そのルシアーノを含め7週間で実に13人のブラジル人ファイターがUFC行きを決めている。

1週で2人以上の高確率。そのブラジルから今週もヘビー級でマリオ・ピアゾン、バンタム級でヴィニシウス・オリヴェイラが出場する。


オリヴェイラは3月のUAEW39で吉野光から初回4分02秒、KO勝ち収めているファイターだ。一度はUAEWバンタム級王座に就いているオリヴェイラは、ベルト奪回よりも砂漠経由でUFCへの最後の難関に挑むこととなった。

KOパワーを持つ右、そしてヒザ蹴りと強烈な武器ではあるが、一方でディフェンスは甘い。よってインパクトの大きな勝ち方だけでなく、負け方もしているのがオリヴェイラの特徴といえる。吉野はその荒い打撃の渦に巻き込まれたが、UFCの中で戦うには粗すぎるという見方もできる。

とはいえUFCとの契約を賭けた試合では、「過去は関係。その日の倒す意志力」が問われるため、豪快な勝利もできるファイトはコンテンダーシリーズに向いているだろう。それでも契約確定を狙いアグレッシブさが過ぎると、穴も大きくなることも予想される。

そんなオリヴェイラと対戦するヴィクトル・ウゴ・マドリガルは、メキシコMMA界での異色の柔術ファンタジスタだ。キャリア12勝3敗、ブドー・セントー・チャンピオンシップのバンタム級王者は7つのKO勝ちと3つの一本勝ちを誇っている。

ダブルレッグを仕掛けられると、尻もちをつくまでに一回転、キャッチしてきた腕にオモプラッタをセットアップ。がぶりから、ワキを差して来た腕をウィザーで固定して頭をステップオーバー→相手の背中に乗る形で腕十字。インサイドトリップを小外で耐え、横回転で上を取る──スタンド・スイープ。首相撲で引き込んで巴スイープの要領でマウント奪取。マウントでは、正面からRNCクラッチでギロチン──等々、他の試合で目にすることがない動きをマドリガルは見せてきた。

加えてスタンドでもアグレッシブなキックボクシングを仕掛けるマドリガルだが、コンテンダーズ&PFLベテランのアレハンドロ・フローレスに判定負けを喫したこともあり、打撃戦ではオリヴェイラの大砲を被弾する可能性は決して低くない。それでも、その異次元MMAグラップリングは一見の価値がある。

■視聴方法(予定)
9月27日(水・日本時間)
午前9時~UFC FIGHT PASS

■対戦カード

<ウェルター級/5分3R>
ダニー・バーロウ(米国)
ラヒム・フォレスト(米国)

<ヘビー級/5分3R>
アレキサンダー・ゾルダットキン(米国)
マリオ・ピアゾン(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
ダニー・シルバ(米国)
エンジェル・パチェコ(ブラジル)

<女子フライ級/5分3R>
エルネスタ・カレクカイト(リトアニア)
カーリー・ジュディシー(米国)

<バンタム級/5分3R>
ヴィニシウス・オリヴェイラ(ブラジル)
ヴィクトル・ウゴ・マドリガル(メキシコ)

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Overlooked【UAEW40】国際&アラビア王者アルカイシが、マルセロチンでファレス下しアラビア王座防衛

【写真】キャリア14勝6敗。しっかいとMMAファイターとして生きていくことがデキる環境がある元UFCファイター(C)UAEW

イベントスケジュールが重なり見逃した試合を月末にお伝えする──帳尻合わせ試合レポート。

ここでは19日(日・現地時間)、UAEはアブダビのエティハド・アリーナで開催されたUAE Warriors40「ARABIA10」からメインで組まれたUAEWフェザー級選手権試合=王者アリ・アルカイシ✖挑戦者アフメッド・ファレスの一戦の模様をお届けしたい。

デザートフォース、Phoenix FC、BRAVE CFでキャリアを積み、UFCへ。2敗でリリースされUAEWに転身、中東でキャリアを積み続けているヨルダン人ファイターのアルカイシは、2021年10月にイ・ドギョムからベルトを手にすると、昨年3月にUAEWアラビア・フェザー級王者決定戦をファレスと行い、判定勝ちでチャンプチャンプに輝いている。

その後、昨年7月にカナダのジェシー・アーネットにカットで敗れUAEW(インターナショナル)王座を失うが、2カ月後のリマッチではギロチンで一本勝ちしてベルトを取り戻している。ONEベテラン、ファレスと1年振りの再戦はアラビア王座が賭けられたものだ。


<UAEWアラビア・フェザー級選手権試合/5分5R>
アリ・アルカイシ(ヨルダン)
Def.3R1分40秒by ギロチンチョーク
アフメッド・ファレス(エジプト)

サウスポーのファレスが右カーフを蹴る。アルカイシは右ミドルをかわしたファレスが、左ハイを狙う。そこにローを入れたアルカイシが右から左ミドルを見せて、シングルレッグへ。ケージにファレスを詰めて、ダブルレッグに移行しテイクダウンを決める。スイープ狙いを阻止されて立ち上がったファレスだが、ボディロック&小外掛けで再び背中をつかされる。

ファレスはクローズドで固め、アルカイシが低い位置だが持ち上げてスラム、続くバタフライスイープを防ぐ。ケージに詰めて細かいパンチを落とすチャンピオンだが、レフェリーがブレイクを命じた。試合がスタンドに戻ると、ファレスが右ジャブ。アルカイシが右ローを蹴る。

ジャブを当てたファレスの左ハイに飛び込んだアルカイシが、キャッチして叩きつける。スタンドで待ち受けたアルカイシは、距離を詰めることなくファレスの蹴り2つをかわして時間となった。

2R、初回に続き慎重な展開が続き、アルカイシが左から右フックを当てる。ファレスも右ジャブをヒットさせ、シングルレッグを切るが、もう少し手数が欲しい。アルカイシは右カーフを蹴り、右オーバーハンドを空振りする。直後に右はミドルを蹴ったアルカイシは右の蹴りを見せて、テイクダウンのフェイクでファレスに反応させる。

ステップインしたアルカイシがショートのワンツーも、お見合いのような展開が長くラウンドも残り1分に。ここでアルカイシがテイクダウンを決め、スクランブルのファレスをギロチンに捕えて引き込む。左ワキに首を取られ、時計回りでギロチンを無力化したファレスだが、この回も失った。

3R、やや距離を詰めてジャブを見せるチャレンジャーだが、すぐに2Rまでの距離に。アルカイシは右ミドルを蹴り、右を振って前に出る。ここから盛り返す必要があるファレスが、跳びヒザへ。

右足をキャッチされてもパンチを入れるが、後方に倒される。起き上りながらダブルレッグを仕掛けたファレスに対し、アルカイシは再びギロチンを仕掛け、マルセロチン&クローズドガードに。そのままロールしてマウントのなった直後、ファレスがタップした。

アラビア王座を守ったアルカイシ。前夜=UAEW39ではモハメド・マカエフがバグドス・オルジャバイに勝利、ヴァルテル・コリアンドロも微妙な判定ながらマーク・ストリーグルを破っており、インターナショナル王座に如何に絡むかも注視したい。

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MMA MMAPLANET o UAEW UAEW39 モハメド・マカエフ

【UAEW39】目まぐるしいスクランブル戦で、常に先手のマカエフがオルジャバイから判定勝ち

<フェザー級/5分3R>
モハメド・マカエフ(オーストリア)
Def.3-0:30-27.30-27.29-28
バグドス・オルジャバイ(カザフスタン)

マカエフの右ローをかわし、ワンツーでオーバーハンドを振るうオルジャバイ。右フックから一瞬のスイッチを見せたマカエフは、ショートのワンツーを繰りだす。ジャブから右カーフのマカエフはスイッチから左ハイ、オルジャバイは構わず右オーバーハンドを打っていく。右オーバーハンドを見せて左を当てたオルジャバイが、ステップインに右を合わせる。左の蹴り2発から組んだマカエフが、肩に担ぎあげてマット・ヒューズ張りに走って、反対側のケージ際にスラムを狙うが、足をキャッチされ同体で倒れる。

スクランブルの途中にもパンチを入れるオルジャバイは、離れて左ボディフックから左フック。マカエフは左ジャブに右を合わされる。前足の蹴りを見せ、ここもダブルにつないだマカエフだが、オルジャバイが切る。右から左ハイ、跳びヒザを見せたマカエフは、左右のフックにテイクダウンを狙う。スクランブルでエルボーを決めたマカエフはがぶりから離れ、時間となった。

2R、蹴り足をとって尻もちをつかせたオルジャバイだが、すぐに立ち上がったマカエフががぶりからバックを伺う。シングルレッグからレッスルアップのオルジャバイは、ギロチンを掛けられガードを選ぶ。オルジャバイはラバーガードへ、マカエフが頭を押し込んで許さず左のパンチを入れる。さらに右で殴り、三角狙いを防いで背中を見せたオルジャバイのバックに回る。フェイスロックで捻りを加えるマカエフは、シングルを潰し下になったオルジャバイを殴っていく。続くスクランブルでもバック&ボディロックでオルジャバイを浮かせたマカエフが、正面に回りダブルレッグでテイクダウンを決める。

マカエフはパスからサイド、シングル狙いにアナコンダをセットしつつバックへ。オルジャバイがここでシングルに取り、リバーサルに成功する。右エルボーを連打したオルジャバイはスクランブルでバックへ。ワンフック、後方に倒れ込んで両足をフックしたオルジャバイは終盤の反撃も、マカエフがそれまでの貯金を守ったか。

最終回、ハイからジャブ、ローのマカエフ。オルジャバイはハイをブロックし、大振りの右を振るうと逆にシングルレッグへ。と、すぐに引き込んだオルジャバイ、これは逆転には厳しい選択だ。キムラも取り切れないオルジャバイは、右のパンチを受け、スクランブルでバックを許す。即RNCに入ったマカエフだが、手首を掴んだオルジャバイが必死のディフェンス。

マカエフはパンチに切り替え、さらにクロスフェイスでいたぶる。と、オルジャバイが胸を合わせる。マカエフはオモプラッタから、即立ち上がりギロチンへ。オルジャバイはここも引き込んで防いだが、スクランブルでバックを許す。派手な動きで背中を取りに掛かり、前に落とされたマカエフは立ち上がり際にダブルレッグでリバーサルを許す。

オルジャバイはボディロックからバックへ。立ち上がったマカエフが、今度はオルジャバイを前方に落とす番だ。オルジャバイはマカエフと違い、下にステイしタイムアップ直前にマカエフがスタンドに戻り時間を迎えた。


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MMA MMAPLANET o UAEW UAEW39 キック マーク・ストリーグル ヴァルテル・コリアンドロ

【UAEW39】組み勝ち、コントロールしたストリーグルだがジャッジはコリアンドロの打撃を支持

<150ポンド/5分3R>
ヴァルテル・コリアンドロ(イタリア)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
マーク・ストリーグル(フィリピン)

サウスポーのコリアンドロに右ローを蹴ったストリーグルが、シングルレッグからダブルに切り替えてテイクダウン、バックに回る。自ら尻もちをつき、ワンフックのストリーグルが後方からパンチを入れる。四の字フックから腹ばいになると、コリアンドロの背中を伸ばしに掛かる。ストリーグルは思い切り鉄槌を落とすとRNCへ。コリアンドロが防ぎ、ストリーグルがパンチに移行する。

立ち上がったコリアンドロは耳の周囲を殴られるが、ストリーグルは自ら着地しシングルで再びグラウンドに持ち込む。コリアンドロのバタフライガードからのスイープ狙いで、試合はスタンドに戻る。シングルを切ったコリアンドロが、ハイキック。体を入れかえて逆にケージに押し込む。左を差したストリーグルが、押し込み返しヒザ蹴りへ。そしてダブルでテイクダウン、腕を払って背中をつかせる。

ストリーグルはバタフライスイープを潰すが、クローズドガードのコリアンドロのエルボーで額をカット、ストレートフックロックも時間となった。

2R、ポイントはリードしたが、自らの攻撃で削られた感のあるストリーグルは、オーソに構えたコリアンドロに対し、サウスポーで間合いを測る。コリアンドロは前蹴り、距離を詰めて右フックから右ミドルを蹴り、クリンチへ。腿に鉄槌を打つコリアンドロを押し込み返したストリーグルがボディロック、コリアンドロが体を入れ替えたところでレフェリーがブレイクを命じた。

打撃の間合いとなり、左カーフを蹴るコリアンドロがローに右を合わせて行く。さらにローからフック、ここで打撃を続けず組んだコリアンドロは、体を入れ替えたストリーグルのシングルレッグにギロチンも、尻もちをつかされる。スクランブルでバックに回った流血のストリーグルは、後方からヒザを顔面に突き上げる。コリアンドロは後方へのパンチを見せ、胸を合わせる。血で視界が遮られた様子のストリーグルが、ケージに押し込まれて右のフックを被弾する。一旦、崩されたが組み直したストリーグルはヒザを受けて離れると、ダブルレッグへ。ヒジを落とされながら、尻もちをつかせたところで時間となった。

最終回、コリアンドロが右前蹴り、ガードの上から右ハイを蹴る。組んだストリーグルは、ボディロロック&小外刈りでテイクダウン、ハーフで抑える。ここでストリーグルがパスを決め、サイド&枕で抑える。スイープ狙いから足を戻したコリアンドロは、スクランブルでなくクローズドを選択する。

ニーシールドを越えたストリーグルは、ハーフで抑えパスへ。嫌がって背中を見せたコリアンドロの背中にストリーグルが回る。コリアンドロは自ら下になり、同時にストリーグルはマウントへ。コリアンドロのブリッジで下になったストリーグルだが、立ち上がったコリアンドロにダブルレッグを決める。

バックを譲って立ち上がったコリアンドロの後方へのパンチでストリーグルは胸を合わされ、距離を取る。シングルを切られたストリーグルは、右エルボーを効かされる。コリアンドロはここでテイクダウンを狙い、ストリーグルがキムラクラッチで下になりそうになったところで時間となった。

レスリング&コントロールでは完全にストリーグルも、エルボーで一瞬棒立ちになったシーンなどジャッジがどう判断するか。と、ジャッジの裁定は3者とも29-28でコリアンドロを支持した。


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MMA MMAPLANET o UAEW UAEW39

【UAEW39】跳びヒザ→ギロチン、23秒で一本勝ち。ここにもいた、強いマゴメドフ

<139ポンド契約/5分3R>
ムラッド・マゴメドフ(ロシア)
Def.1R0分23秒by ギロチンチョーク
ジャブロンベク・トクタボフ(ウズベキスタン)

キャリア12勝0敗のマゴメドフが、右ミドルをトクタボフに蹴り込む。さらに一旦間合いを取って飛び二弾ヒザ蹴りを決めると、トクタボフは必死にシングルへ、マゴメドフはギロチンをセットし引き込み──そのままタップを奪った。


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MMA MMAPLANET o UAEW UAEW39 アミール・ファズリ キック

【UAEW39】イランのキックボクサー=ファズリが、ケージにサミを押し飛ばし左フックでKO

<ミドル級/5分3R>
アミール・ファズリ(イラン)
Def.1R3分00秒by TKO
アフマッド・サミ(エジプト)

サミが左フック、そして右ロングフックを伸ばすが、落ち着いてかわしたファズリはダブルレッグを切ってヒザ蹴りを顔面、腹に突き上げる。ケージに押し込まれたファズリが体を入れ替えるが、再び金網を背負ってサミのシングルを耐える展開に。足を抜き、ヒザ蹴りからがぶったファズリがヒザを続ける。離れてエルボー、さらに右を振るったファズリは、組んできたサミ首相撲で崩す。起き上りながらヒザを放ったサミをケージに押し付ける。一瞬無防備になったサミの顔面に左フック一閃。吹き飛ばされるように倒れたサミを見て、レフェリーが試合を止めた。


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MMA MMAPLANET o UAEW UAEW39 イルホム・ナジモフ ルステム・クダイベルグニエノフ

【UAEW39】クダイベルグニエノフが8秒でKO勝ち。意識が飛んだナジモフはレフに首相撲&ヒザ繰り出す

<150ポンド契約/5分3R>
ルステム・クダイベルグニエノフ(カザフスタン)
Def.1R0分08秒by KO
イルホム・ナジモフ(ウズベキスタン)

左ローに続き、左フックを振るったナジモフに対し、クダイベルグニエノフが右オーバーハンドを決める。この一発でレフェリーを頭からキャンバスにナジモフが崩れ落ち、勝負は決した。

意識が戻ったように見えたナジモフは、なんとレフェリーに攻撃を始め──首相撲からヒザ蹴りまで見せる。自身がKO負けしたこと、対戦相手が誰かも把握できていない砂漠の珍事となった。


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DEEP LFA MMA MMAPLANET o Road to UFC UAEW UAEW39 UFC ジャマル・ラステム パンクラス ヴィニシウス・ジ・オリヴェイラ 上久保周哉 中村倫也 修斗 吉野光 海外

【UAEW39】砂漠でベルトを目指す吉野光「日本の泥沼のようなシステムにハマらなくて良かった」

【写真】砂漠を選んだ吉野光。誰もやらないことができる人生は楽しいだろう(C)GRANT BOGDANOVE

18日(土・現地時間)、UAEはアブダビのエティハド・アリーナで開催されるUAE Warriors39に吉野光が出場し、全UAEWバンタム級王者ヴィニシウス・ジ・オリヴェイラと対戦する。

Road to UFCからUFCを目指す吉野は、決まった道筋のない世界最高峰へのトレイルロードを駆け上がるには「自分から動きださないといけない」と言い切った。



――昨年10月以来のUAEWですが、前回は超スクランブル発進でキャッチウェイト戦でした。今回は試合が決まったのはいつ頃だったのでしょうか。

「オファーがあったのは1カ月弱ぐらい前ですけど、発表があったのは1週間ほど前ですね(※取材は14日に行われた)」

──前回、ジャマル・ラステムに勝利していますが、複数契約だったのでしょうか。

「いえ、1回だけです。今回もこの試合だけですね」

──なぜ、単発か複数かが気になったのかというと、やはりRoad to UFCの存在があるからです。

「Road to UFCには出たくて、応募もしています。ただ、この試合に勝てばタイトル挑戦という話もしてもらっていて。Road to UFCに出られるなら、やっぱりRoad to UFCには出たいですけど、なければUAEWのチャンピオンを狙います」

──ところで2度目のアブダビでの試合。ファイトウィークの過ごし方も、前回よりは慣れましたか。

「ハイ。ホテルにいて全部できるんで、凄く楽です。マットスペースも凄く広くて。ホテルに泊まっていると、試合っていう気持ちになって……海外にいることだけで楽しいです」

──その表情からも、エンジョイしているのが伝わってきます。

「試合は緊張しないです。ケージに入って、気持ちを創れば良いだけで。試合前は楽しいです」

──そんななか、元チャンピオンとの対戦です。

「めちゃくちゃ嬉しいです。2試合目で元チャンピオンと戦えるなんて。戦績も17勝4敗で実績もあって、強い選手。オイシイ試合です」

──映像で見る限り、相当に粗くてパワフルな打撃戦をする選手のように見えました。

「そうですね。トリッキーで、身体能力が高くて動きが読めないです。そこはちょっと怖いです。寝技も下になっている場面がなく、上から殴ることが多かった。ただし四つ組みに付き合ってくれそうな感じで、そこで倒したいですね。前回がKO負けなので、そこも僕に有利かなと思います」

──その前に、粗くて怖い打撃をどう見切るのか。

「最初は当たらない位置に立って、近づいたら組むイメージでいます。振りが大きいので、組みやすいかと思います。ただテイクダウンをした場合、どういう下の動きがあるのか。そこは未知です」

──さきほど出たいと言っていたRoad to UFCですが、昨年は日本から3人が出場して1人は過去に勝利している野瀬翔平選手でした。そして優勝した中村倫也選手に準決で敗れた。さらにいえば中村選手は決勝も風間敏臣選手に勝利し、風間選手もUFCと契約を果たしました。

「中村倫也選手は強いです。ただ組み合わせ次第ですけど、僕も出ていれば決勝には行けたと思います。日本人選手が勝った3人の外国人選手には、僕も勝てます」

──今年のRoad to UFCバンタム級では上久保周哉選手も申し込みをしているとのことですが、練習仲間ですよね。

「こんなことは言いたくないですけど、上久保選手に勝てる可能性は限りなく少ないです。初めてスパーリングをした時とか、認めたくなくて頑張っていたのですが(笑)。練習をすればするほど凄さが分かって、今では尊敬しています。技も教えてもらっていますし、戦いたいとは思わないです」

──なるほどです。ところでUFC、Road to UFCを目指すにしても砂漠経由という選手は、日本では吉野選手だけです。他の選手はLFAに出る選手はいても、大概は日本に留まっています。

「行動を起こさないとダメです。ディスるつもりはないですけど、日本で修斗、DEEP、パンクラスでベルトを獲ったところでUFCに行くアピールにはならないと思います。現状、平良(達郎)選手だけだし。だから僕はUFCに近い海外の大会に出たいとずっと思っていました。しかも中東の大会に出たいと思って狙っていたので、たまたまですけどオファーがもらえて凄く嬉しかったです。とりあえず、自分から動きださないと何も起きないと思います」

──それは吉野選手が、日本で一つのプロモーションで定期的に試合が組まれたことがなかったからこそ、備わった思考ではないでしょうか。

「結構、試合がない時期とかもありました。ただ、頑張って交渉すれば継続参戦はできたと思っています。でも、ずっとそこで使われるような形になってしまう。それと僕が所属しているALMA FIGHT GYM LIFEではグラント(ボクダノフ)君が、僕のマネージメントとの通訳を助けくれて。他のジムのように代表が話を持って来るという……日本の泥沼のようなシステムにハマらなくて良かったと思っています。

僕しかやっていないから、中東で試合をすることに味をしめています。凄く楽しいです。ただし、試合に関しては負けるイメージが浮かんで怖くなることもあります。だから、相手のことを考えないで、自分が普段やっている練習通りの試合をする。練習での力を出すことができれば、勝てると思っています。自分の形に入れば勝てるという自信を持っています。

殴られて意識さえ飛ばされなければ、大丈夫です。殴られるのを覚悟のうえで、殴らせないで試合を制する。そういうイメージで戦います」

──押忍。UFCファイトパスで、吉野選手の試合を追ってくれるファンに一言お願いします。

「僕がやっていること、中東で戦うことは僕にしかできないことです。そういう場で、レベルの高い選手に勝てる日本人がいるところを是非見届けてください」

■放送予定
3月18日(土・日本時間)
午後9時00分~ UFC Fight Pass

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【UAEW39】砂漠で戦う男、吉野光。元王者と対戦。マカエフ&ストリーグル出場のフェザー級戦線も注目

【写真】今は裏街道かもしれないが、この道はメインストリームに通じる(C)

18日(土・現地時間)、UAEはアブダビのエティハド・アリーナで開催されるUAE Warriors39に日本から吉野光が出場し、ヴィニシウス・ジ・オリヴェイラと対戦する。

吉野のUAEW参戦は昨年10月のジャマル・ラステム戦以来、5カ月振り2度目となる。


砂漠で戦う男、吉野光。Road to UFC出場を狙うとも伝わってくる吉野は、2度目のUAEW出場で前バンタム級王者と対戦することとなった。オリヴェイラは2021年3月にサビエ・アラウイを破り、昨年7月にその後PFLに進出したアリ・タレブに敗れるまでベルトを巻いていたファイターで、1度防衛にも成功していた。

つまり、吉野は砂漠のフィーダーショーでタイトル戦線に位置しているメッチメイクとなる。必殺の大内刈りと、下になってもテッポウがある吉野に対し、オリヴェイラはハイや右ストレートにKOパワーを持つ。反面、ガードが疎かになるのでそこに打撃という欲よりも、粗さをついて組み伏せる──そんな戦いでUFCスカウトの目に留まるファイトがしたい。

(C)BRAVE CF

なお今大会のメインは砂漠の独立王国BRAVE CFで活躍してきたチェチェン系オーストリア人ファイターのモチャメド・マカエフが、同じく同プロモーション初出場となるバグドス・オルシャバイと対戦する注目カードが組まれている。

ボクシング&レスリングのラッシュ力でド迫力のファイトを展開するマカエフだが、オルシャバイもカザフのアラッシュ・プライドのトップファイター。中央アジアでコーカサス系やスラブ系の強力なレスリングベースを持つファイターと、スクランブルが融合した喧嘩ファイトを勝ち抜いてきた。

マカエフ✖オルシャバイはコンテンダーシリーズで組まれてもおかしくない──そんなフェザー級マッチだ。そのUAEWフェザー級戦線制覇に元UFCファイター、世田谷育ちのピーノファイター=マーク・ストリーグが乗り出す。

今回は150ポンド契約マッチだが、イタリアの元Bellatorファイター=ヴァルテル・コリアンドロとの内容如何によっては、即タイトル戦も見えてくる。

UAEWのヨルダン人フェザー級王者アリ・アルカイシは翌日のUAEW40:UAEW Arab10でONEベテランのエジプト人ファイター=のアフメッド・ファレスの挑戦を受ける。

欧州、中近東、ブラジル、中央アジア、アフリカを対象に人材発掘&再生=厳しいサバイバルウォーが繰り広げられているUAEWに、東と東南アジアから吉野&ストリーグルが挑む。彼らに続く選手が現れるのかも気になるUAEWだ。

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