【写真】試合の5日前の時点で、この仕上がり具合!! (C)KUNIRYOSHI HIRONAKA
17日(日)に名古屋市熱田区の名古屋国際会議場で開催されるHEAT49で、菅原和政が草MAXの持つHEATライト級王座への次期挑戦権を賭けて岡野裕城と戦う。
3年半以上のブランク──潰瘍性大腸炎を患い、この間にカナダでの生活、そして居を東京から福岡に移して失われたキャリアの挽回に燃える菅原は、実績やキャリアで上回ると捉えられている岡野に対して、絶対の自信を持っていた。失われた時間、彼の身に何が起こっていたのかを振り返ってもらい、今回の試合への意気込みを訊いた。
──HEAT初出場で岡野選手とライト級挑戦者決定戦。このオファーを受けた時は、どのような気持ちでしたか。
「棚ぼただなって。出たこともなかったのに1試合勝てばタイトルに挑戦させていただけるので……何でだろうなって思いました。3月の修斗の試合で拳をケガして、ちょうど直って練習を再開しようという時にオファーをもらってタイミングも良かったです」
──修斗の選手が他のプロモーションで試合して、結果を残さないと厳しい反応が大昔はありました。
「僕は修斗で結果を残している選手ではないので、そういう心配はないです。病気になって休んでいる期間が長かったですし、失ったキャリアを取り戻したいと思っているので、オファーを頂ければどこでも戦います」
──2015年11月から2019年6月までブランクがありました。その病気というのは?
「潰瘍性大腸炎という病気で、酷いなかでも試合をして2連敗とかしてしまって。休息前は試合の準備中にも下血をしながら練習しているような状態でした」
──そんなことをして大丈夫だったのですか。
「若くてアホでした。自分では分かっていなかったのですが、細すぎて……お化けみたいな顔をしていたと言われました。症状としてはお腹が痛いのと、トイレにいく頻度が多いというものなんです。酷い時は日常生活にも影響が凄く出てしまいます。言い訳にしたくないですけど、修斗で戦うようになったぐらいから、下血は始まっていました」
──では休息に入るまで、6試合をその状態で戦っていたことになります。
「1年ほど薬を飲んだら収まって、その間は2連勝したんです。ただ副作用で白血球の量が多くなったので、アスリート的にも良くないと思い自然療法で治そうと。その時に同じように潰瘍性大腸炎を患っていた、寒川直喜選手や鈴木信達選手の話を聞かせてもらいました。
でも薬を止めると、また少し悪化してしまって。ジャイアン貴裕選手との試合後に、しっかり休んでやり直そうと決めました。この間に海外に行ったり、東京を離れて福岡にやってきたんです」
──環境を変えることが大切だった?
「原因は色々とあって、環境からくる無意識のストレスというものもそうで。小さなストレスが重なっていたと思います。人が多い、待ち時間が多い。それだけでも良くなかったらしくて。カナダに行って広くて、人が少ないという生活をして、自然に癒されていました。帰国後も福岡にやってくると、同じで。便が答えを出してくれました。東京で生まれ育ったのに、東京が合っていなかったんです」
──でも博多も大都会じゃないですか。
「それが鹿児島本線で博多駅から一駅離れると、もう都会の喧騒はなくて。自然もありますし、田舎過ぎないのがまたストレスにならないことに通じていると思います。福岡は本当に良いところです。まだトイレに行く頻度は多いですけど、血は出なくなりました。血が出ていないと、練習もいっぱいして、試合に出たいです。今は弘中先生の下でMMAをやり直している最中です」
弘中 菅原はカナダ時代にトライスタージムでも練習していて、GSPとか顔なじみなんですよ。
──おお!!
「バンクーバーとトロントに7、8カ月住んでいて。トロントに住んでいる時に赤沢(幸則)選手と知り合って、モントリオールのトライスターで練習させてもらったんです。GSPに気に入ってもらって、彼が倉庫を改造したプライベートの凄い設備が整ったジムを持っていて。そこにも呼んでもらえるようになって。トロントとモントリオールは、東京と大阪ぐらいしか離れていなくて、夜行バスで行くという感じだから5、6回ほどトライスターやGSPのジムで練習するという凄く贅沢な時間を過ごさせてもらいました」
──それは素晴らしい経験ですね。話をHEATの試合に戻しますが、岡野選手はDEEPと修斗でタイトル挑戦経験のある格上といえば格上の相手です。
「あんまり昔からスタイルが変わっていないですよね。僕は進化しているので、やってみたらどうなるのかなって」
──ライト級では大きなフレームの持ち主ですが、その辺りは?
「う~ん、でもそんなに気にならないです。小さな選手にもテイクダウンされていますし。組み力はあんまり強くないと思っています。基本で組む練習をマスタージャパンは、しっかりとやっているので。
それに組み技だけじゃなくて、全局面で勝てる自信があります。打撃なら打撃で行きますし。組めるなら組む。組まれても、それを返す練習は十分にしてきたので、どんなシチュエーションでも問題ないです。もちろん寝技になっても、柔術もしっかりやっているので最悪上を取られても、返して極めにいき、パウンドも落とします。打・投・極を出して、修斗らしく攻めようと思います」
──HEATの王座を掛けて戦うファイトを、修斗でもステップアップのきっかけとしたいと考えていますか。
「ベルトを獲っておけば、それだけでオファーも増えると思います。せっかくチャンスをもらったので、福岡にまだベルトがないので第1号でベルトを持って帰りたいと思います。どのような舞台でも、ベストパフォーマンスで戦えるよう試合をさせていただきます。KOか一本、勝ちにいく試合をしようと思っているので注目してほしいです」
■視聴方法(予定)
10月17日
午後2時00分~ TIGET LIVE
■ HEAT49対戦カード
<HEATキック・ミドル級選手権試合/3分5R>
[王者]アブラル・ヒマラヤンチーター(ネパール)
[挑戦者] 藤村大輔(日本)
<HEATキック・ライト級王座決定戦/3分5R>
安川侑己(日本)
北川裕紀(日本)
<HEATライト級挑戦者決定戦/5分3R>
菅原和政(日本)
岡野裕城(日本)
<59キロMIXルール/3分2R>
中井りん(日本)
鈴木万李弥(日本)
<バンタム級/5分3R>
土肥潤(日本)
野瀬翔平(日本)
<キック55キロ契約/3分3R>
内藤啓人(日本)
片島聡志(日本)
<キック58キロ契約/3分3R>
ノラシン・スペチアーレジム(タイ)
一仁(日本)
<ミドル級/5分3R>
イゴール・タナベ(ブラジル)
清水洸視(日本)
<フライ級/5分3R>
ユン・テスン(韓国)
御代川聡志(日本)
<キック・ライト級/3分3R>
三輪裕樹(日本)
嶋田将典(日本)
<フェザー級/5分3R>
倉本拓也(日本)
坂本大地(日本)
<フライ級/5分3R>
森下”塾長”コウキ(日本)
堺龍平(日本)
<キック61キロ契約/3分3R>
ワンチャルーム・スペチアーレジム(タイ)
ポッシブルK(日本)
<キック55キロ契約/3分3R>
堀越拓実(日本)
夜叉猿(日本)
<100キロ契約/5分3R>
ヨコヤ・マクレガー(日本)
凡人ツチヤマン(日本
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