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お蔵入り厳禁【Road FC60】キム・スーチョルが5月に語っていた、日本への想い「潮時かと思っていた」

【写真】Rising Onフェザー級、ONE世界バンタム級、Road FCバンタム級に続き4本目のベルトを手にしたキム・スーチョル (C)ROAD FC

9月25日(日)に開催されるRIZIN38でキム・スーチョルが扇久保博正と対戦する。MMAPLANETでは5月14日に開催されたRoad FC60でパク・ヘジンに勝利し、Road FCフェザー級チャンピオンとなったキム・スーチョルのインタビューを行っていた。

その時点ではRIZIN出場は決まっていなかったが、Road FCからキム・スーチョルのインタビュー依頼があり、『これは日本で戦うアピールの機会を設けたい』のだという勝手な理解の下、日本での試合が決まればアップしようと試合の5日後にスーチョルをインタビューを敢行。結果、6月半ばには一度は扇久保戦が7月に実施されることが決まったという情報も流れてきたが正式発表はなく、この度9月に両者が戦うことが決まった。

お蔵入り厳禁、Road FCフェザー級チャンピオンになったばかりのキム・スーチョルが語っていた日本への想いとは。


──スーチョル選手、フェザー級のベルトを獲りました。その前に昨年9月にパク・ヘジンにダウンを奪われ、ギロチンで敗れた試合を振り返ってもらえますか。あの時はどのような心境でしたか。

「今になって言えるのは、あの時は試合前から嫌な予感がしていました。試合前にチーム・フォースで他の選手の指導もあり、またジョン・ムンホン館長もあまり練習に顔を出すことができず、自分の練習があまりできていなかったです。なので実は『負けるかも』と思っていて、その通りになってしまいました」

──そのような精神状態で戦ったことは以前にありましたか。

「なかったです。試合の2、3日前から、不安でしょうがなくなり眠れなくなるということはなかったです」

──そこまでだったのですね。

「自分はMMAに向いている性格でないと思っています。でも、チームの皆のサポートがあって『皆の期待に応えたい』と思って戦ってきたので、去年の9月は試合前から戦う状態になかったと思います」

──対して今回の試合では、また一丸となって向かい合うことができたのでしょうか。

「今回はチームの皆とジョン代表とも、しっかりと練習できました。ただ、それでも試合の2、3日前までは不安でしょうがなかったです。それが前回とは違い、試合が近づけば近づくほど自信が蘇ってきて、一度は無くしてしまっていたファイターの気持ちを取り戻せていました」

──パク・ヘジンのサドルからの足関節の仕掛けなど、しっかりと対処していました。

「自分のチームにも、そういう技術を使う人がいます。イ・ヨンジュン選手とジェ・ヨンスン選手、もともとRoad FCで活躍していて今は柔術に重きを置いている2人に足関節対策をしてもらいました。サドルをセットされそうになると、足を踏み込んで組ませないよう対処して、その瞬間に足を抜くという対策を徹底してやりました」

──対処なしに足を抜こうとすると、足が浮いてそのまま入られていたと思います。

「ハイ。対策通りの動きがデキて良かったです」

──と同時に、Road FCは打撃の真っ向勝負がまた増えてきましたね。

「最近の若い選手たちの試合は、そういう傾向がありますね。観客が喜ぶからという理由もありますし、自分の名前を早く売るためにそういう戦いをしているのだと思います」

──あの戦いで米国人、ブラジル人、ロシア人とやり合えますか。

「そうですね。自分から見ていてもスマートに戦っていないと感じます。その点、自分はキャリアを通して試合後に病院で診察が必要だったようなダメージを受けたことがないです。そこはジョン・ムンホン館長にしっかりと、MMAの戦い方を教わったからで。館長には感謝しています。

それでも乱打戦になることはありますけど、相手によってはそういう戦い方をするのも有りだと思います。それで勝てるなら、ですね。実際、今回の自分は粗かったです。こんな戦いは強い相手にすると、危ないですね。マルロン・サンドロやビビアーノ・フェルナンデスと戦ったことで、自分自身スマートな試合をしないといけないと思うようになったので」

──Road FCフェザー級チャンピオンになりました。今後のキャリアはどのように考えていますか。

「まだ階級が分かっていないのですが、Road FCで高額の賞金が懸かったトーナメントが開催される予定です。そこをターゲットにしたいと思っています。それと再戦を受けてくれたパク・ヘジン選手が3度目を要求するなら、そこは応えないといけないと考えています」

──そのトーナメントに日本人選手が出られるなら良いという想いと、やはりスーチョル選手の試合を日本で見たいという気持ちになってしまいます。

「トーナメントがフェザー級で開かれるなら、日本人選手に出て欲しいですね。朝倉未来選手はファイトマネーが高過ぎて韓国に呼べないと思いますが……(笑)。それでも誰か出て欲しいです。日本人選手が参加すると、空気が変わりますからね。

実は自分は佐々木信治選手が凄く格好良いと思っています。佐々木選手の復帰を知り、自分もまた戦いたいという気持ちになれました。佐々木選手がトーナメントに出てくれるなら嬉しいです」

──いやぁ佐々木選手はライト級ですし、トーナメントがライト級で開かれたとしてもスーチョル選手に大きすぎませんか。

「そうですね(苦笑)。自分も日本で戦いたい気持ちは強いです。でもRIZINから声が掛からないので、潮時かなって(苦笑)。ただし、オファーがあるならファイターなる者は戦って然りです。

特に2015年のマイケ・リニャーレス戦の試合内容は、自分でも全然満足できないモノでした。機会があるなら、是非とも日本の人達の前でキム・スーチョルらしいファイトを披露したいです」

──その日が来ることが熱望している日本のファンに一言お願いします。

「これまで日本で良い試合ができていなくて、申し訳ないと思っています。今後、日本で活躍できる機会を得ることができるなら、自分の名前を憶えてもらえる颯爽とした試合をしたいと思っています。応援、宜しくお願いします。カムサハムニダ」

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K-MMA MMA MMAPLANET o ROAD FC Road FC60 Road FC61 Road to UFC UFC イ・ジュンヒョン イ・ジョンヒョン シン・ドングク パク・シウ パク・シウォン パク・ジョンウン パク・スンモ ホン・ユンハ 山本聖悟 秋葉太樹 青木真也

【Road FC61】ライト級王座決定戦はK-MMA界の青木真也=パク・シウォン✖秒殺散打王パク・スンモ

【写真】20歳、キャリア6勝0敗。喜び方も似ている (C)MMAPLANET

韓国はウォンジュのウォンジュ体育館で開催されるRoad FC61が23日(土・現地時間)に迫ってきた。

5月14日のRoad FC60で山本聖悟をKOし、キャリア7連勝としたイ・ジュンヒョンが秋葉太樹と戦うことで注目されている今大会のメインは、ライト級王座決定戦=パク・シウォン✖パク・スンモの一戦だ。


パク・シウォンはプロ6戦6勝でフィニッシュが4度、今年の4月に20歳になったばかりで、王座戴冠となるとRoad FC史上最年少チャンピオンの誕生となる。

キム・ドンヒョン率いるチーム・スタンガン所属のパク・シウォンは、一部で韓国の青木真也の異名をとる。とはいっても何も跳び関十段、他の圧倒するグラップリング力を誇るなどファイトスタイルから来ているのではない。

いや確かにサウスポーでアップライト気味、左の蹴りを使う点は青木と近いかもしれない。そこから首相撲やクリンチを見せたり、RNCでの一本勝ちも2試合あるのだから、より打撃戦を好む青木真也スタイルという見方もできるだろう。だが、彼がK-MMA界の青木たる所以はその容姿だ。

特にサウスポーで構え、薄目勝ちで相手を見る様子は本当にそっくりだ。当然、組み技力は青木に比較するべくもないが、打撃では相手のパンチを下がってかわし、そのままカウンターの左ストレートでKOするなど、非凡さを見せている。

そんなパク・シウォンと対戦するパク・スンモはこのタイトル戦がキャリア4戦目のグリーンボーイといえる。とはいえパク・スンモは散打の韓国代表で世界選手権では2度銀メダルを獲得、ワールドカップでは優勝経験もある。Road FC版TUFといえる「タイマンの神」の優勝者で、同企画からタイトル挑戦は初となる。

パク・スンモはコロナ期のデビューで、パク・シウォンと同様にグラウンド限定&打撃に特化したARCでキャリアを積み、2戦目でモンゴルの石の拳=ムングントスズ・ナンディンエルデン、3戦目でファイヤーファイターとして有名なシン・ドングクというRoad のトップファイターをそれぞれ28秒&28秒でKOしている。

2階級のチャンピオンが契約を更新せず、Road to UFCに参戦するなど──強烈な勢いで新陳代謝が進むRoad FCにとって、団体をリードするライト級のベルトを巻くのはどちらになるのか。要注目だ。

■ Road FC61メインカード対戦カード

<Road FCライト級王座決定戦/5分3R>
パク・シウォン(韓国)
パク・スンモ(韓国)

<フライ級/5分3R>
イ・ジョンヒョン(韓国)
秋葉太樹(日本)

<76キロ契約級/5分3R>
ムングントスズ・ナンディンエルデン(モンゴル)
シン・ドングク(韓国)

<女子アトム級/5分3R>
パク・ジョンウン(韓国)
ホン・ユンハ(韓国)

<無差別/5分3R>
ジム・ゴンオ(韓国)
ペ・ドンヒュン(韓国)

<ライトヘビー級/5分3R>
キム・テイン(韓国)
パク・ジョンギョ(韓国)

<75キロ契約/5分3R>
シン・ユンソ(韓国)
イ・ハンヨン(韓国)

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【ROAD FC61】日本来るんと違うんか~い──イ・ジュンヒョンの次戦はRoadで秋葉太樹戦に!!

【写真】打撃の良さは分かった。では、組み技の能力は?(C)ROAD FC &MMAPLANET

30日(月・現地時間)、ROAD FCが7月23日(土・同)に韓国ウォンジュのウォンジュ体育館で開催するRoad FC61でイ・ジュンヒョンが秋葉太樹と対戦することを発表している。

今月14日のRoad FC60で山本聖悟を初回でKOし、MMAPLANETのインタビューで日本襲来を宣言していたイ・ジュンヒョンの次戦が早くも決まった。


このタイミングで那須川天心との対戦をアピールするなど天真爛漫さを爆裂させていたイ・ジュンヒョンの次の相手は、4月のパンクラスで鶴屋怜の右腕を十字で伸ばしたもののRNCで一本負けを喫した秋葉に。

KOパンチを持ち、敗れてなお鶴屋戦で組み技の成長を見せつけた秋葉とはいえ、現状は2連敗中でパンクラス・フライ級王座を狙うには、もう一巡戦う必要がある。そんななか、Road FCからのオファーは新たなモチベーションになるに違いない。

日本の19歳に続き、韓国の19歳との戦うことになった秋葉、絶対に遅れをとることはできない──不退転の決意で対馬海峡を越える。一方、ここまでキャリア7連勝中のイ・ジュンヒョンは山本戦に限らず、打撃の印象が強いが本人は中学1年の時からMMAを続けており、レスリングもグラップリングも得意にしていると豪語する。

とはいえ秋葉の強味は、打撃に臆することなく強度が増した組み技に持ち込めること。イ・ジュンヒョン側から見ると、攻めではなく組み技での防御能力がどこまであるのかは、まさに未知数だ。

日本のフライ級に喧嘩を打った──自らは天才と呼ばれていると断言する一方で、도라에몽=ドラえもんという愛称を持つイ・ジュンヒョンが、秋葉を相手にどのような引き出しの多さを見せる……四次元ポケットから秘密兵器を取り出すことができるのか。

まだ──お手並み拝見という見方をしてみたいモノだ。また同大会ではパク・シウォン×パク・ソクモの間でRoad FCライト級王座決定戦、ちびウルフことパク・ジョンウンがホン・ユンハと対戦する女子アトム級マッチも組まれている。

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【Road FC60】山本聖悟を初回KO。19歳、イ・ジュンヒョン「日本のフライ級選手、覚悟しておいて下さい」

【写真】2002年9月12日生まれ、19歳。韓国的には20歳のイ・ジュンヒョン。高校生のようなあどけなさが残る(C)MMAPLANET

14 日(土・現地時間)、韓国テグのテグ体育館でRoad FC60が開催され、K-MMA界のホープ=イ・ジュンヒョンが山本聖悟を初回KOした。

コロナ禍のK-MMA界でモディファイドMMAルールのARCでデビューし、今回の山本戦を含みRoad FCでも2勝──2年間で7勝0敗4KOというレコードを残している。Road to UFCのオファーを蹴り、RIZIN出場をアピールするイ・ジュンヒョンに初インタビューを試みた。


(C)ROAD FC

──山本聖悟選手に初回KO勝ち、改めてどのような気持ちですか。

「良い選手ということを聞いていたので、試合前は厳しい試合になると思って緊張していました。それが失礼な言い方になってしまいますが、意外に楽に勝てて良かったです。とにかくキム・ソンオ(山本の韓国名)選手を乗り越えたので、一段階成長できた試合になりました」

──パンデミック後、Road FCはAngel’s FCやDouble GFCと比べるとイベント開催数が少なく、Afreeca TV との共催でARCという3分✖3Rで寝技30秒というモディファイドMMAを行ってきました。ここで名前を挙げたイ・ジュンヒョン選手のことを日本のファンはほとんど知りません。過去を振り返り、イ・ジュンヒョン選手のことをもっと知りたいと思いインタビューをお願いしました。

「ありがとうございます。コロナの時期にプロデビューをしたので、知名度がないことは理解しています。ただしアマチュアからMMAをやってきましたし、ARCとRoad FCで7連勝しています。今はまだ無名ですが、これからは日本でもRIZINで戦って有名な選手を狩りにいくので楽しみに待っていてください」

──おお活きの良い言葉が聞かれました。そんなイ・ジュンヒョン選手ですが、MMAを始めたきっかけは何だったのでしょうか。

「MMAを本格的に始めたのは中学1年生の時でした。Road FCの中継を見て、これが僕の進むべき道だと思ってSSABI MMAで練習を始めました。プロ5戦目から米国のように色々なジムで練習をしようと思いジムを離れ、今はフリーで活動しています。今回の試合前はイ・ユンジュンさんのジム、ジョン・チャンソン選手のジムで練習してきました」

──フリーで活動するメリットはどこにあると考えていますか。

「一つのチームに所属すると、練習相手のスタイルが固定してしまいます。それがフリーで出稽古をしていると、色々な相手と練習できる利点があると思います。それとチームのスケジュールでなく自分の体調に合わせてトレーニングできることが一番大きなメリットです」

──正直なところ、コロナの少し前からRoad FCは興行的に以前のような派手さがなくなってきていました。それでもイ・ジュンヒョン選手がRoad FCに拘って、コロナ禍もARCで戦ってきたのは、どのような理由があったのですか。

「Road FCには恩があります。実際、Road to UFCからオファーがありました。でも、Road FCとの契約を全うしようと断りました。ここから経験を積んで、いつかはUFCのような大きなステージを目指したいです」

──ではUFCに行く前にRIZINで戦いたいということですか。

「韓国国内のMMA人気は落ち気味なのが本当のところです。でもRoad FCと共に韓国MMAに活気を与えたいと思ってやっています。そして日本の大舞台で活躍できれば、それこそ活気を与えることができると考えています。将来はRIZINで結果を残して、オファーがあればUFCにステップアップしたいです」

──RIZIN以前にRoad FCとの繋がりのあるDEEPで、フライ級GP開催の機運が高まっています。

「日本のどの大会でも結果を残せる自信があります。RIZINの名前を出したのは、Road FCとRIZINが協力関係にあるからというのと、大きな舞台で戦いたいからです」

──では日本のフライ級選手で戦いたいファイターはいますか。

「日本人選手の名前は、あまり覚えられないです。スミマセン。ただ那須川天心選手と戦いたいという気持ちは今もあります。自分が格闘技を始めてから、ずっと天心選手がアイドルでした。天心選手がもうキックを引退して、ボクシングに転向することも知っています。でも、今なら天心選手に勝てるという自信があります。

僕はキックで4勝0敗ですが、できればMMAで天心選手と戦いたいです。それが難しければ、フライ級のトップ選手なら誰でも戦いたいです」

──……。そんなイ・ジュンヒョン選手ですが、ARCで戦ってきたこともあるなか打撃に対して、レスリングや寝技はどのように考えているのでしょうか。

「打撃のイメージが強いことは分かっています。でも中一からMMAをやってきたのでレスリングもグラップリングも柔術もできます。全てが含まれているMMAが僕のベースなので……打撃が100点だとしたら、グラップリングでも70~80点ぐらいはあります。柔術は青帯ですが、『日本人選手が僕を組み技で倒せるというのであれば、倒してみろ』と言いたいです」

──おお、楽しみな言葉です。では日本のファンにアピールをお願いします。

「僕も韓国では天才と呼ばれています。だから天心選手には、いつか戦って欲しいです。それと日本のフライ級トップ選手を仕留めていこうと思うので、覚悟しておいて下さい。何より日本のファンの人達には、満足してもらえる試合を魅せる自信まるので、僕が日本で戦う日を楽しみに待っていて欲しいです」

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【Road FC60】左ハイ→右ストレート→パウンドでパク・ヘジンが失神。スーチョルがフェザー級王者に

【写真】ハイキック、右からパウンドの連打で昨年9月のリベンジを果たしたキム・スーチョルがRoad FCフェザー級王者に(C)ROAD FC

<Road FCフェザー級選手権試合/5分3R>
キム・スーチョル(韓国)
Def.2R0分09秒by KO
パク・ヘジン(韓国)

昨年9月の王座決定戦ではダウンを奪われギロチンで敗れたキム・スーチョルにとって、リベンジ戦となったダイレクトリマッチ=タイトル戦。

ワンツーから前足の左ミドルを2発、さらにローを蹴るキム・スーチョル。パク・ヘジンも右ローを返すが、ミドルを続けられガードが下がる。自らのカーフをチェックされ、下がって姿勢を崩したパク・ヘジンを首相撲で捕らえたキム・スーチョルがヒザをボディに突き刺す。

左腕を差してケージに押し込んだパク・ヘジンが、ビクトル投げから足関節を狙いつつトップを伺う。先に立ち上がったキム・スーチョルはシングルを切ってハイキック、組んでケージに押し込んでいく。ケージ際で体を入れ替えた両者、離れたキム・スーチョルは左ミドルを連続で蹴るが、パク・ヘジンが右から左を打ち込む。前回の戦いをデジャブのように接近戦での打ち合いから、クリンチの攻防になるとパク・ヘジンがゆっくりとしたカニバサミでサドルへ。キム・スーチョルは組んだ足を左足で蹴って右足を抜く。

シングルを潰されたパク・ヘジンが引き込むと、キム・スーチョルが左のパウンドを連打する。潜った王者がディープハーフからスイープを狙うが、これもキム・スーチョルが殴って対処する。とパク・ヘジンは後方回転で左足を取るが、ここもキム・スーチョルが取られていない方の右足で左足を蹴ってパク・ヘジンに足を組ませない。

立ち上がってきたパク・ヘジンに対し、キム・スーチョルは中途半端なクリンチから離れ際に左ショートフックを被弾する。それでも下がりながらの左フックをヒットさせたキム・スーチョルが直後にダブルレッグでテイクダウンを奪い、パク・ヘジンの立ち上がる際にパンチを入れて間合いを取り直す。ワンツーで前に出た王者がケージにキム・スーチョルを押し込むも、体を入れ替えられて打撃の間合いに。右カーフで体がよれたパク・ヘジンは、時間と当時に笑顔を浮かべた。

2R、グローブタッチ後、右を見せて左ハイをキム・スーチョルが蹴る。これを食らったパク・ヘジンの足がもつれ、追撃の右を打ち抜かれてダウン。

右のパウンド連打でパク・ヘジンの意識が飛び──レフェリーが割って入り勝負は決した。王者はレフェリーをロックアップしたところで、意識を取り戻して敗北を認識。キム・スーチョルは涙を浮かべて勝ち名乗りを受けた。


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【Road FC60】山本聖悟、今の自分を出せずイ・ジュンヒョンのワンツーを被弾してKO負け

【写真】リーチを生かした距離が、ケージを背負うと取れていなかった山本だった(C)ROAD FC

<フライ級/5分3R>
イ・ジュンヒョン(韓国)
Def.1R3分12秒by KO
山本聖悟(日本)

互いにサウスポースタンス、山本がオーソにチェンジしすぐにサウスポーに戻す。左ローを蹴った山本が蹴り終わりでオーソに構えると、イ・ジュンヒョンが強烈な勢いで右カーフを蹴る。スネを叩いて笑顔を浮かべた山本の左カーフは、イ・ジュンヒョンにチェックされる。右ハイをブロックして前に出た山本に対し、即座にイ・ジュンヒョンがスピニングバックフィスト放つ。これをかわした山本が左ストレートを伸ばす。

左ハイをブロックしたイ・ジュンヒョン、山本は左ミドルを蹴り込む。じりじりと距離を詰めるイ・ジュンヒョンが、ローに右オーバーハンドを合わせようとする。イ・ジュンヒョンが左リードフック、山本のミドルをブロックしカーフを続ける。これをかわした山本だが、右から左のワンツーを被弾する。

距離を詰めるイ・ジュンヒョン、山本がケージ前をサークリングで間合いを外す。ジャブとヒザのフェイクで前に出た山本だが、イ・ジュンヒョンも構えを変えつつしっかりと間合いをはかって左ジャブを当てる。

ハイから左ストレートで山本が前に出るが、空を切りイ・ジュンヒョンが詰める。

と、左に右を合わせたイ・ジュンヒョンは、直後に左から右のワンツーを打ち込む。

この右が全く見えていなかった山本は、真後ろに倒れKO負けに。

必勝の態勢でMMAファイターとして韓国に渡った山本だが、今の自分を出せず結果を残すことはできなかった。


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【Road FC60】韓国に戻った山本聖悟。イ・ジュンヒョン戦へ「過去の自分を新しくなった自分が倒す」

【写真】インチョンからテグまで移動する社内で今回のインタビューは行われた。まるでインプラントのような真っ白な歯は「日焼けして真っ白く見えるだけ」とのこと (C)MMAPLANET

14 日(土)、韓国テグのテグ体育館でRoad FC60が開催れて、現地ではキム・ソンオ名──山本聖悟がコロナ以降、初めて母の母国のケージに足を踏み入れる。

完全打撃は、バチバチの殴り合いを求めRoad FCと契約、2019年11月の初陣ではパク・ソクハンを2分45秒でKOした。しかし、コロナパンデミックを機に拠点を移していたプサンから帰国、RIZIN、DEEP、Road to ONEと3連敗を喫した。

その山本が再びRoad FCで戦う。対戦相手は6勝0敗のホープ=イ・ジュンヒョンだ。殴り合い上等の地に再び赴いた山本はこの2年間の日本での戦いでMMAファイターとしてMMAの見方、取り組み方が変化していた。

計量前日、お隣の国とは思えないハードな移動と、待ち受ける水抜きを目前に控えた山本に話を訊いた。


──空港を出てテグへ向かう最中にインタビューを受けていただきありがとうございます。

「いえ、4時間以上かかるので全然大丈夫です」

──えっ、4時間以上もかかるのですか!! プサンのキメ国際空港からだと2時間も掛からなかった記憶があります。いや、それ以前にLCCで成田~テグの直行便があったかと。

「それがコロナの影響で、国際便はインチョン国際空港しか発着していないんですよ」

──ではコロナ以前に拠点を置いていたプサンで試合の準備をするという考えはなかったですか。

「考えました。ただ仕事を休むことになるのと、減量もきつくて。塩抜きの食事を摂るのも日本の方が成分表示なんかも信用できるんです。それに症状がなくても、コロナの陽性者数が韓国がもの凄く多くて。それで試合ができなくなるのは避けたかったです。日本でフライトの48時間以内にPCR検査をして、陰性で現地に向かう方がリスクは低いと思いました。

隔離の免除も申請が必要で、それと観光客は受け入れていないので入国にはビザが必要です。僕の場合は興行ビザを取得して韓国にやってきました。日本に戻る時も陰性証明がいりますし、正直ワクチンは反対派だったんですけど海外で戦う、韓国で戦う選択をしたのでワクチン接種も済ませました」

──コロナとの共生時代に入っても、以前と比較すると全くもって不便なままですね。

「ハイ。日本は6月から規制が緩くなるとも聞いていますし、韓国もそこに追従して楽になって欲しいです。本当は日本で勝ち星を得ることが大切だと分かっているんです。でも、こうやってこのタイミングで韓国で戦えるのは僕にしかできないことなので、この選択をしてしまいました。

今、日本とK-MMAを誰がつなげるのかとなったら、韓国にルーツがある僕にしかできないことなので。それが僕の役割で、Road FCが呼んでくれましたし役割を全うします」

──それだけ面倒なことクリアしての渡韓ですし、覚悟のほどがうかがえます。それと今、ZOOMの画面で見る限り相当に頬がこけており、計量前日の現地入りだと相当に絞り込んで韓国に入ったということでしょうか。

「そうですね、日本で落として創ってきました。あと水抜きで4キロですね」

──えぇ、まだ水抜きで4キロも落とさないといけないのですか!!

「今回73キロから落としてきたので」

──73キロ!! 確認しますが、フライ級マッチですよね?!

「そうです。16キロ減量する必要がありました。このところ、秋山さんとのフィジカルトレーニングが成果があって筋量が増えてきたんです。正直、フライ級に落とすのは本当にしんどいとは思っていました。でも、その秋山さんが青木さんとの試合であそこまで落とし切ったので、さすがに僕がノーだとか計量失敗はできないです。だからメチャクチャ怖いです。今もビビっています……(苦笑)。今日の夜が一番怖いです。

藤田選手と戦ったときも水抜き5キロで本当に厳しくて。アレを思い出してしまいます……。ホントはフライ級だとコンディションはバンタム級より悪いです。でも、未練があるというか──フライ級でやるべきことをやっていないので」

──そこに行き着くまでに、まずは減量という大勝負が待っているわけですね。そして現状、3連敗中です。日本で勝ち星が挙げることができず、勝負のファイトになります。対戦相手のイ・ジュンヒョン選手の印象を教えてください。コロナ禍でRoad FCとAfreecaTVの共催イベント=ARCで5勝、Road FCでは1勝と無敗の選手です。ただ、個人的にARCは3分✖3Rで寝技は30秒という限定でMMAであって、本当のMMAではないと思っています。

「僕もそう思っています。あのルールなら、僕もレコードを稼ぐことができます。だからこそ僕は今回の相手にしっかりとMMAを3Rやりきることがテーマです。KOしたいとか、打撃で勝つということじゃないんです。イ・ジュンヒョンもそうだし、打撃ばかりやっている韓国の若い選手達って昔の自分を見ているみたいなんです。

打撃ばっかりだと試合をしていても楽しいです。でも、それじゃ勝てない。MMAなので。今回はMMAをやりに韓国に来ました。僕は日本で3連敗しましたけど、小野島選手と試合ができて本当に良い経験になりました。あの試合もオファーが2週間前で、しかも秋山さんからだったから断れなくて受けました」

──ケガもあって本調子でなかったとも、オフレコで試合前に話してくれました。

「そういう状況で戦って、小野島選手にテイクダウンを奪われても立つことができた。凄くしんどい試合で負けもしましたが、しんどいことを最後まで投げずにできたので自分のなかで成長も感じることができたんです」

──では今回の試合前は組みという部分も重視してきたと。

「試合前だけでなく、小野島選手との試合前からそうです。この試合に向けてもグラント・ボクダノフ選手のALFA FIGHT GYM LIFEで練習してきて。セコンドに就いてくれる吉野(光)選手も『倒せない。立たれる。ブリッジ返しもできない』って言ってくれて。その成果を試合で見せたいですね。

母親の祖国で試合をすることは、いつも楽しみで。それに3連敗してもRoad FCがオファーをくれた。だから彼らの期待を裏切る試合展開になり、もう声が掛からないようになるかもしれないですけど、僕はテイクダウンをして判定勝ちしたいと思っています。それが僕にとって成長になるので。そこを試したうえで打撃を使う試合をしたいです」

──正直、凄く変わりましたね。

「ROAD FCは自分が大好きな大会です。でも鎖国してしまっている状態です。日本に帰国して試合をして、自分が井の中の蛙だったと気づかされました。さっきも言いましたが、今回の相手や韓国の若い選手を見ていると昔の自分を見ているみたいなので。MMAはテイクダウンを織り交ぜた方が、勝つ確率が1パーセントでも上がります。

現状、向うは6連勝の選手で僕は3連敗中。ここで勝たないと終わりだというぐらいの気持ちです。だからこそ今回は自分との戦いだと思っています。過去の自分を新しくなった自分が倒すつもりです」

──ここで勝てばタイトル戦が見てくる試合だと、韓国から伝わっています。

「ハイ。なのでここで勝って、もう1試合フライ級で戦ってベルトを巻いてバンタムに上げます。そして日本に戻って試合をしたいと思います。小野島選手まで辿り着きたいです。僕と戦った次の試合で、小野島選手がチャンピオンになったのは嬉しかったです。次は石井逸人選手と防衛戦ですけど、前の試合は小野島選手が勝ったと僕は思っています。僕自身、石井逸人選手レベルまで上がっていかないといけないです。

そこまであと2段階ぐらい。手を伸ばせて届くところまで来ていると思うので、そこまでしっかりと行きたいと思います」

■ ROAD FC60対戦カード

<Road FCフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]パク・ヘジン(韓国)
[挑戦者]キム・スーチョル(韓国)

<85キロ契約ボクシング戦/3分3R>
クォン・アソル(韓国)
ナム・ウィチョル(韓国)

<フライ級/5分3R>
イ・ジュンヒョン(韓国)
山本聖悟(日本)

<バンタム級/5分3R>
キム・ヒョンウ(韓国)
ヤン・ジヨン(韓国)

<73キロ契約/5分3R>
ムングントスウ・ナンディンエルデン(モンゴル)
ヨ・ジェウ(韓国)

<ミドル級/5分3R>
イム・ドンフアン(韓国)
ユン・テヨン(韓国)

<ライト級/5分2R>
ジャン・ギョンビン(韓国)
ヤン・ジファン(韓国)

<51キロ契約/5分2R>
ゴ・ナヨン(韓国)
パク・ソヨン(韓国)

<バンタム級/5分2R>
イ・シンウ(韓国)
イ・ジョンヒョン(韓国)

<フライ級/5分2R>
ジョン・セボック(韓国)
キム・ミョンハン(韓国)

<フライ級/5分2R>
パク・ジンウ(韓国)
キム・ジュンソク(韓国)

<バンタム級/5分2R>
キム・ジングク(韓国)
ジョ・ミンギュ(韓国

<ライト級/5分2R>
キム・ミンヒョン(韓国)
ウィ・ジョンウォン(韓国)

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【Road FC60】キム・スーチョル✖パク・ヘジン=タイトル戦&リベンジ。山本誠悟も6勝0敗のホープと対戦

【写真】序盤は攻勢だったスーチョルは、初回の一本負けに呆然としていた(C)ROAD FC

韓国のROAD FCが4日(月・現地時間)、5月14日(土・同にテグ広域市のテグ体育館でRoad FC60の開催と対戦カードの発表を行っている。

昨年9月以来、実に8カ月振りのイベントでは前回大会の再戦、Road FCフェザー級選手権試合=王者パク・ヘジン✖キム・スーチョルが組まれた。前回、両者は王座決定戦で戦い左フックでダウンを喫したキム・スーチョルが、パク・ヘジンのギロチンに下っている。


このフェザー級以外にバンタム級もタイトル戦=王座決定戦が組まれた。韓国MMA界の未来といっても過言でなかった完成度の高さを誇るキム・ミンウは、パンデミック発生前の2019年11月を最後に防衛戦を行っておらず、契約満了を迎えて王座返上に。

「長かった」とSNSに投降したキム・ミンウの今後が気になる一方で、彼の返上したベルトを賭けて5月大会ではムン・ジェフンとジャン・イクファンが戦うことになった。

ともにキム・ミンウに敗れている元タイトル・コンテンダーで、新鮮味は欠けるが現有勢力のなかで実績重視でタイトル戦に抜擢されたという見方もできる。

さらに山本聖悟がキム・ソンオの名でイ・ジョンヒョンと戦うフライ級マッチも明らかとなっている。

山本もコロナ禍でプサンから帰国し、DEEPとRIZINへの出場がROAD FCから認められているなかで兄と慕う秋山成勲プレゼンツのRoad to ONEにも出場──も、村元友太郎、藤田大和、小野島恒太に敗れ3連敗中だ。

対戦相手のイ・ジョンヒョンは、コロナ禍でRoad FCがAfreeca TVと共催してきた寝技限定のモディファイドMMAルールで経験を積み、Road FC59でのKO勝ちと合わせて現在6勝0敗のホープだ。とはいえ、その対戦相手は無名の選手ばかりだったので現地ではイ・ジョンヒョンにとって初試練到来という風にも捉えられている。

山本として、実戦だけでなく練習で経験してきた殴り合い上等でないMMAを消化し、いかに打撃の強さを見せるか。この2年間を確認する試合といえる。

また今大会ではボクシング戦が組まれ、クォン・アソルがソル・ヨンホと拳を交える。ご存知、元Road FCライト級王者のクォン・アソルに対するソル・ヨンホは──これもAfreecaとRoadが手を組んで展開したネット配信によるリアリティTV=ファイトクラブの優勝者で、もとは釣りを題材としたYoutuberとのこと。

この試合を組むことに、現地のメディアも賛否両論となっており、真っ向から批判している専門媒体もあるようだ。

1月のRoad to BRAVE後、急激なコロナ拡大が影響したか、音無しの構えだったK-MMA界。しかし4月はBRAVE CF58の前日にAngel’s FC、5月にはこのRoad FC60 以外もDouble GFCのイベントも控えており、ようやく賑やかさが戻って来そうだ。

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