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【DEEP JEWELS45】ダブルタイトル戦へ、大島早緒里「互いにグラップラーだけど打撃戦になることも」

【写真】世界最軽量のダブルタイトル戦に挑む大島 (C)MMAPLANET

26日(日)に東京都港区のニューピアホールで行われるDEEP JEWELS 45にて、DEEP女子ミクロ級王者・大島沙織里とDEEP女子とDEEP JEWELS女子ミクロ級王者・村上彩が互いのベルトをかけたダブルタイトルマッチで対戦する。
Text by Takumi Nakamura

大島はDEEP女子フライ級王者として、昨年9月にBlack Combatアトム級とのダブルタイトルマッチでパク・シユンと対戦。まさかの判定負けを喫し、アトム級王座を手放した。今年の2月にはRIZIN LANDMARK08では、同門・浜崎朱加の負傷欠場を受けてショートノーティスで出場し、クレア・ロペスを腕十字で破って以来、3カ月振りの実戦となる。

グラップリングに強みを持つもの同士の一戦、大島は組み技対策はもちろん、打撃戦になることも想定して準備を続けてきた。そしてダブルタイトルマッチというシチュエーションについて「しっかり結果を出す・勝つことに集中したい」と語った。


――試合前のインタビューありがとうございます。試合に向けて強度の高い練習はもう終えられたタイミングでしょうか。(※取材は21日に行われた)

「水曜日までは対人練習もやって、そこから最終調整に入ろうと思います」

――昨年9月にパク・シユンに敗れてDEEP JEWELSアトム級王座から陥落。その再起戦が今年2月RIZINでのクレア・ロペス戦でした。あの試合は浜崎朱加選手の欠場を受けての代打出場からの勝利でしたが、あの試合を振り返っていただけますか。

「負けたあとでもあり、怪我もしていたので、試合間隔が半年くらい空いている状況だったんですね。そんななかでオファーをいただいて。急遽ではあるけれど、今まで2連敗をしたことがなくて、ここで負けてしまったらこの先どうなるんだろう?と思って過ごしていました。試合が決まったのが約2週間前で、ずっとそのことばっかり考えていました」

――シユン戦に敗れたあと、代打出場でオファーを受けるというのは厳しい選択をしているなと思って見ていました。

「今までオファーを断ったことがないですし、実は朱加さんが怪我した時の練習に私も参加していて、自分にオファーが来るかもしれないという予感があったんです。だからオファーが来たらどうするかを一晩考えていました。正式なオファーはなかったのですが、その日は一睡もできなかったです(苦笑)」

――正式なオファーが来る前に心構えが出来ていたんですね。

「はい。私の場合、色々と迷っていても最後はやるとい選択肢にいきつくし、早く前回の負けを払拭したいという気持ちもありました。試合そのものからも遠ざかっていましたし、ここでやっておかないといつチャンスが来るか分からないという気持ちもありましたね」

――何度かロペスにトップキープを逃げられたなかでの一本勝ちでしたが、勝った瞬間の心境は?

「私の中では判定になっても勝てると思っていたので、試合中に焦ることはなかったです。相手も身体が大きいとはいえ、米国では47キロでやっている選手ですし、美優さんとかの方がフィジカルは強かったです」

――自分がやるべきことをやれば勝てるという確信がありましたか。

「ただ(ロペスが)元体操選手ということを知らなくて、フィジカルが強いというよりも、体の使い方が上手かったんですよね。動きが柔らかいというか。そこには少し驚きました」

――一本を取るまでの流れは見事でしたが、あれは大島選手の得意な形ですか。

「1Rに(袈裟固めで)上を取った時にポジションを返されてしまったんですね。それで2Rに同じような形になった時、これは絶対1回目と同じようにポジションを返されると思ったんです。それで無理にキープせずに、相手が返そうとしたときに自分から先に回ったんですね。そうしたら相手の左腕が残っていて、全く力が入っていなかったので、それで腕十字を極めることができました」

――見ている側からすると「またポジションを返された」と思っていたのですが、そこも計算したうえでの動きだったんですね。

「腕十字を狙っていたわけではないのですが、先に自分から回って展開を作ろうと思いました」

――さて今回は村上選手と対戦することになりましたが、どのようなことを意識して練習してきましたか。

「村上選手は寝技が強くて柔術家なので、すごく足がきくと思うんですね。それで柔術の選手とたくさん練習しましたし、お互いにグラップラーだけど打撃戦になることも想定して練習を続けてきました」

――MMAのグラップリングが強い選手と柔術家と練習するのは感覚が違いますか。

「そうですね。私がグラップリングをやっているなかで、柔術家のことをすごく尊敬しているんですね。道衣を着ないグラップリングでも柔術家は柔術家らしい足の使い方や寝技の強さがあるので、そこをイメージして練習をしてきました」

――打撃についてはいかがでしょうか。

「まだまだ時間は必要だと思うのですが、今の自分が出来る範囲で打撃の練習にも時間を割いています。自分が出来ないことを補う、伸ばすというよりも、打撃のトレーナーさんにも村上選手の映像を見てもらって、村上選手対策としての打撃を指導してもらっています」

――この試合はDEEP女子ミクロ級とDEEP JEWELSミクロ級のダブルタイトルマッチとしても注目を集めています。どんな試合を見せたいですか。

「村上選手も強いし、お互いタイプと体格が似ているので、ギリギリの戦いなることも想定します。だからいい勝ち方が出来ればベストですが、しっかり結果を出す・勝つことに集中したいと思っています」

――ロペス戦後に「RIZINでは4連勝中なので、伊澤(星花)さんにも挑戦したい」というアピールもありましたが、今年はどんな目標をもって戦っていきたいですか。

「アピールはさせてもらいましたけど、簡単にやらせてもらえる相手ではないですし、控えめに言わせてもらいました。しっかり実績を積んで、伊澤選手のところまでたどり着きたいです。それ以外にもずっと前から目標にしていることもあるので、それに向けて頑張っていきたいです」

――約8カ月ぶりの都内での試合を楽しみにしているファンのみなさんにメッセージをいただけますか。

「久しぶりに東京での試合で、前回は情けない試合をして負けてしまったので、今回はちゃんと勝ちます。メインイベントの試合なので最後までみなさん楽しんで帰ってください」

■DEEP Tokyo Impact2024#03視聴方法(予定)
5月26日(日)
午後5時20分~U-NEXT、YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ、サムライTV

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【Level-G】ついに6/16にレッグロック浪漫=今成正和×須藤拓真 in Cageグラップリングが実現

【写真】どのような足関節の攻防が見られるのか、非常に楽しみ(C)MMAPLANET

16日(火)、Level-Gより6月16日(日)に東京都新宿区のGENスポーツパレスで開催されるKROSS X OVRER-CAGE03─で実施されるLevel-Gにおいて、今成正和×須藤拓真の一戦が組まれることが発表された。
Text by Manabu Takashima

新旧足関対決という見方できる今回の一戦は昨年6月にライト級王座決定トーナメントで優勝した須藤が、その場で対戦を要求した試合だ。


そのアピールに微笑みを浮かべた今成だが、すぐに両者の一戦が実現することはなかった。須藤も諦めるような口振りにもなるなか、今年に入りLevel-Gではないプロモーションが両者の対戦の交渉にはいるが、即答でyesの須藤に対し今成の承諾は得られず実現に至らなかったという話も伝わってくる。

そのミステリアス・スマイルと同様に心の内が読めない今成だが、師弟関係にある高橋Submission雄己が準備を整うのを待っていたのかもしれない。そんな2人の大切が実現する1カ月前、5月11日にはADCCアジア・オセアニア予選第2弾がタイで行われ、日本のグラップラーの多くはそこに目標を定めている。

その一方で待望の今成戦が実現することとなった須藤陣営は、師・柳澤哲裕エクストリーム・エビナ代表が「また予選があるのですか?」と発言するほど、この一戦に集中している。

足関十段は先のRIZIN LANDMARK08で、摩嶋一整を大逆転の腕十字で破り、その価値が最高値を更新しつつあるが、やはり須藤との試合の焦点は足関節の攻防となろう。

両者がどのようなエントリーを見せるのか。また攻撃と防御が、その足関節のやりとりのなかで見られるのか。もちろん、グラップリングの醍醐味はレッグロックだけではない。足関節を餌に、コントロールと上半身の肢体へのサブミッション勝負になることもあり得る。

ただし、須藤が今成戦を求めてきたのはレジェンドの最大の武器を凌駕するだけ、自身の足関節に自信を持つようになったからに違いない。だからこそ、足への拘りが見られる戦いが期待される。

ADCCを頂点としたグラップリングのヒエラルキーから外れたマッチアップかもしれないが、J-Grapplingの節目となる可能性は十分にある今成×須藤戦だ。

なお今成×須藤は66キロ前日計量&10分で実施され、今回のリリースでは同じく前日計量70キロ&10分でダニーロ・ハマザキ×平田直樹のカルペ×トライフォースの一戦。また当日の61.2キロ契約&8分で、昨年のノーギワールド2位=吉永力がマルセロ・コーヘンと戦う試合も明らかとなっている。

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【DEEP JEWELS45&DEEP Tokyo Impact2024#03】ミクロ級王座統一戦、剛の大島沙緒里✖柔の村上彩

【写真】両者のベルトは今後、一本化するのだろうか (C)MMAPLANET & SHOJIRO KAMEIKE

8日(月)、DEEPが5月26日(日)に東京都港区のニューピアホールでDEEP JEWELS45とDEEP Tokyo Impact2024#03の開催と、DEEP JEWELS ミクロ級チャンピオン村上彩と DEEP女子ミクロ級チャンピオン大島沙緒里の間で王座統一戦が組まれることを発表した。
Text by Manabu Takashima

大島は2020年9月ににっせーとの王座決定戦を制しDEEPミクロ級のベルトを巻き、翌年にアトム級GPに出場して決勝でパク・シウを破りDEEP JEWELSアトム級王座と二冠に輝いた。


昨年9月にBlack Combatアトム級とのダブルタイトルマッチでパク・シユンにまさかの判定負けを喫し、大島はアトム級王座を手放した。そして今年の2月にはRIZIN LANDMARK08にショートノーティス出場をし、クレア・ロペスを十字で破って以来3カ月振りの実戦となる。

一方の村上は2020年10月のプロデビューからアトム級とミクロ級の両階級でファイトを続け、戦績は8勝1敗。唯一の敗北はアトム級で須田萌里にリベンジを許した試合だ。昨年9月にアム・ザロケットを下し、2020年11月に創設されたベルトを初めて日本に取り戻した。

「ミクロ級の方が動きが良い」という村上は、そのミクロ級では4勝0敗で3つの一本勝ちを誇る。自身のなかでの絶対的な動きの良さがどちらになるのかというよりも、体格差が生じるアトム級での相対的な動きを評価すると、前者の方が動きは良くなるということか。対して大島はアトム級においてもフレームで不利なことはあっても、フィジカルで後れを取るようなことはない。そして44キロは、同王座決定戦と防衛戦の2度しか戦っておらず、2試合ともアメリカーナで一本勝ちしている。

いわばミクロでは負け知らずの女王対決は、柔道家・大島✖柔術家・村上という見方もできる。もちろん、MMAでありスタンドは当然として、寝技でも打撃があるなかで両者のグラップリング対決は見ものだ。

全17試合で9つの一本勝ちを誇る大島に対し、村上の一本勝ちはキャリア序盤の3試合だ。その一方で体力負けをして然りの試合でも、技術で制してきた。パワーで対抗できない時に村上を助けるのが、相手の力を利した柔の動き。つまり村上は柔のグラップラーといえるだろう。

他方、大島はガード、サイドからキムラ、アメリカーナ系のアームロックを得意としており、アトム級やスーパーアトム級でもタップを奪って来た。いわばミクロ級を越えた破壊力、パワーの持ち主はずばり剛のグラップリングを駆使する。

✖剛の組み技系MMA対決、パワーも技術に含まれ大島のキレを持ってすると、剛の寝技により短時間決着もあり得る。同時に柔の寝技は瞬発系でなく耐久力勝負、いわゆるDeep Waters──深みに入り&深刻な状況を与える勝利を手にすモノ。剛の大島✖柔の村上、非常に興味深い王座統一戦となる。

またDEEP Tokyo Impact2024#03では昨年9月の王座転落から8カ月、石司晃一が実戦復帰。THE BLACKBELT JAPANの平松翔と戦うバンタム級3回戦がまずは明らかとなっている。

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【RIZIN LANDMARK08】芦田に勝利後、鈴木博昭が言及していたYA-MAN「町中華の脂ギトギトの炒飯」

【写真】RIZINルールの特性も生かした素晴らしい勝利(C)RIZIN FF

2月24日(土)、佐賀県佐賀市のSAGAアリーナで開催されたRIZIN LANDMARK 8 in SAGAで鈴木博昭が芦田崇宏に2RTKO勝利を収めた。
Text by Takumi Nakamura

昨年6月の西谷大成戦以来、約8カ月ぶりの試合となった鈴木はスタンドでのプレッシャー、組みへの対処、グラウンドにおける打撃など、自身が考える理想のMMAの形の一部を見せた上での勝利だった。

4月29日のRIZIN46ではYA-MANとの対戦が決定。このインタビューはYA-MAN戦が正式発表される前に行われたもので、鈴木はYA-MANを「町中華の脂ギトギトの炒飯」という独特の言い回しで例えていた。


──前回の佐賀大会、会心の勝利だったと思います。試合自体を振り返っていただけますか。

「色々と組みの展開があって、それを試合の中で試すというわけじゃないけど、試合で出すことができて良かったなと思います」

──具体的にどの辺りを一番実践できたと思いますか。

「こっちが打撃で攻めて、相手がどこかのタイミングでテイクダウンに来るであろうということは、どこの誰でも分かっていたと思うんですよ。実際は一瞬のタイミング次第で(テイクダウンに)入られることもあるし、もちろんみんなそこを練習していますけど、じゃあ本番でそれができるのかどうか。そこが一番重要なところだったので、本番でちゃんと反応できて、ちゃんとスプロールできたので、それが一番の収穫ですね」

──試合を見ていて打撃のプレッシャーが結果的にスプロールできる距離を作ったというか。相手に打撃を嫌ってタックルに入らせるための距離やプレッシャーのバランスが良くなっていたように思いました。そこは意識されていたのですか。

「おっしゃる通りですね」

──MMAは変に行き過ぎると深く組まれるし、逆に行かな過ぎてもケージに押し込まれる。そこのバランスが重要ですよね。

「そこは経験と日々の練習、イメージ……諸々なんでしょうね。やっぱり立ち技とMMAは別競技なんですよ。よく言うんですけど、立ち技をずっとやってきたから、MMAでも打撃は大丈夫、どうにかなる、そういう話じゃないんです。そのうえで自分のイメージと実際の動きを擦り合わせることが一番大事だったんで、今回はそれが上手く行ったんじゃないかなと思っています」

──先ほどは「経験と日々の練習、イメージ…」という言葉が出ましたが、鈴木選手の場合は何を一番重要に考えていますか。

「本当にいわゆる試行錯誤を実践、トライ&エラーの繰り返しです。技術の内容に関しては、ちゃんとその技術を考えて実践できているか、そして本番でゴールから逆算でできているかどうか。大事なのはそこなんですよね。結局みんな誰でも練習はやってるわけですから」

──なるほど。では芦田選手が組みに来た時も、これは絶対スプロールできる自信はありましたか。

「全然ありましたね。本番以上の真実はないので、やってみないと分からないよねっていう感じでしたが、本当にイメージ通りだったので良かったです」

──結果的にあそこで芦田選手はガードポジションに引き込んだじゃないですか。あれは率直にどう思いましたか。

「あそこからさらにしつこくドライブしてくるイメージだったので『引き込むんだ!』と思ってビックリした…というのはゼロじゃないですね。あそこからケージレスリングになることを一番想定して練習していたので」

──あそこでトップキープできたことは大きかったですよね。

「ああいう展開は想定していなかったけど、結局、ボンサイ柔術で練習していて、下からの強烈な仕掛けは日常茶飯事なんですよ。(芦田が仕掛けた)三角絞めが危なかったという人もいるんですけど、普段の練習で食らっているプレッシャーの方が全然強いわけです。僕は対処できていたからあのポジションにいたわけで、本当に嫌だったら立っていた可能性のほうが高いです」

──芦田選手のガードからの攻めを危ないと思っていたら、寝技そのものに付き合っていないと。

「そうですね。これは勝負すべきではないっていう。もし今成(正和)選手が相手だったら、同じことをやるかと言われたら違うじゃないですか。なので、ここで勝負しても俺は負けないという感覚があったので、グラウンドの勝負をしたわけです。それに三角絞めは足がかかったから極まる技でもないわけで。僕はちゃんとプレッシャーをかけて潰してサイドを取りに行く動きをしていたし。結果的に極まらなかったということは、そういうことなんですよ」

──普段からボンサイ柔術のメンバーの下からの煽りやサブミッションを経験していれば、そう簡単に極めれらることはないと思います。

「もちろん本番なので何があるか分かりませんけど。ただ試合後のインタビューでもいいましたが、ボンサイ柔術で練習している人間が下から三角を極められたら筋が通らんぞと」

──三角絞めが外れたあとのスクランブルの攻防でもしっかりトップポジションをキープできていました。

「三角を外してそこからどうしたかというと、足をとってケージ際で動きを潰したり。僕の方がレスリングをしていた状況になりますよね。で、そこから打撃にいくのがMMAなんで、そこも混ぜていけたという。僕の得意のMMAが今回やりたかったMMAとして見せられたのかなと思います」

──鈴木選手の試合を見ていて、そういった組みやスクランブルの攻防のなかで1発殴る蹴るの殺傷能力が違うなと思ったんです。そこは立ち技出身ならではのものかなと感じました。

「結局、立ってようが寝てようがどんな姿勢でも、目の前の人間に対してどうダメージを与えるか、どう痛めつけるか。僕は全てそこからの逆算なんです。結果何がしたいっていう答えがあって、そこからの逆算の攻撃をしているから、それがパンチなのかヒザなのか踏みなのかサッカーボールなのか。それはあとで出てくるんです」

──まさに試合前のインタビューで話していた「0.1秒後の自分に任る」ですね。

「そうです。相手を痛めつけるために今は何が適切か。それを考えてから技を出していると遅くなるので、その一拍を置かずに体が出したものに従う。だから思考は邪魔なんです、あの瞬間は」

──その一方で自分の感性が正しい選択をしているかどうかは別のフェーズの話じゃないですか。鈴木選手の場合は結果的に自分の感性が出した答えが正しい判断になっているように思えます。感性のピントが合ってきたというか。

「それですね。MMAに転向してすぐの頃はそれが分からないから、トライ&エラーを繰り返すしかなかったし、失敗も成功も全部経験しないといけなかった。でもその経験が蓄積されて、僕は練習と試合が全ての経験値になっているし、試合があろうがなかろうが、MMAのことを考える時間は増えていくので、どんどん自分のMMAが熟成している実感があります」

──その鈴木博昭のMMAを試合という場で、しかも元DEEPのチャンピオンっていう芦田選手に実践できたことで自信を深めたり、手応えになった部分も大きかったのではないですか。

「それはめちゃめちゃありますね。だって相手は格上ですからねっていう」

──試合後のマイクでもあった通り、芦田選手に勝ったことで、さらに上の選手たちと戦う権利を得たと思います。ここからはどんな相手と戦っていきたいですか。

「よくSNSで個人で考えたRIZINのランキングを作って投稿している人がいるじゃないですか。あれって色んな人がやっていますけど、上の方の選手の顔ぶれはそんなに変わらないと思うんですよ。だからそこで上にいる人間たちを食っていきたいですよね。もっと言うなら、みんなが思うフェザー級のトップ5の中に怪物くんが入るようにしんとねっていう。それこそフェザー級のトップ5は?って聞かれたら、みんな鈴木千裕選手、ヴガール・ケラモフ、クレベル・コイケ、金原正徳さんの名前はパッと出てくるじゃないですか。自分もそういう存在にならなきゃいかんなと思います」

──あとは試合後、YA-MAN選手の名前も出ましたが、その理由も聞かせせてもらえますか。

「例えて言うなら、さっき名前をあげた選手たちは銀座で食べる寿司や六本木で食べるステーキなんですよ。で、みんな基本的にはそういう料理を食べたいじゃないですか。でもふとした時に町中華の脂ギトギトの炒飯を食いてえなみたいに思うじゃないですか。それがYA-MANです(笑)」

──料理の例えはさておき……YA-MAN選手が“濃い”選手であることは間違いないと思います。

「もちろん僕は上を目指しているし、銀座の寿司や六本木のステーキを食べにいきたいですよ。でも町中華の炒飯を食べたい時もあるよねってことです」

──でも先ほどの話ではないですが、鈴木選手の感性がYA-MAN選手という“濃い”選手と戦って、どのような反応を見せるか楽しみではありますね。

「何を食べても栄養にする寛容さが重要でもありますからね。だから、まあなんか楽しくなるんじゃないのっていうのと、パッと考えるとお客さんもなかなか楽しみなカードになるよなって。俺とYA-MANくんだったら、格上だとか格下だとか、そういう面倒くせえことは抜きにして、面白えものを見せられるだろうっていうのがありますね。だから、別にYA-MANくんのことを好きも嫌いもないし、どっちかって言うと好きな側なんですけど、MMAという制限の少ないルールで俺とタイマンしようぜって思います。楽しいじゃんって」

──分かりました。正式に次の試合が決まるのを楽しみにしています!

「樽の中のワインのように僕のMMAは熟成されていますから(笑)、楽しみにしていてください」

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【RIZIN LANDMARK08】RIZIN初陣で瀧澤謙太に勝利、野瀬翔平「圧倒してフィニッシュすることは想定内」

【写真】強い選手と戦い続けてきた野瀬にとって、この勝利は当たり前というのが陣営の考えだった(C)RIZIN FF

2月24日(土)、佐賀県佐賀市のSAGAアリーナで開催されたRIZIN LANDMARK08で野瀬翔平が瀧澤謙太に2RTKO勝利を収め、RIZIN初参戦を勝利で飾った。
Text by Takumi Nakamura

Road to UFCを見てきたファンにとっては納得の、RIZINファンにとっては衝撃のTKO勝利にはどんな技術と戦略があったのか。野瀬本人の言葉とともに紐解いていきたい。


――――2月のRIZIN LANDMARK 8 in SAGAでは瀧澤謙太選手に2RTKO勝利でした。試合後の周囲の反響はいかがでしたか。

「試合後は『今まで野瀬のことを知らなかったけど、こんな強い選手がいるんだ』という声が多くてうれしかったですね」

――野瀬選手のRoad to UFCでの試合を見ている人たちは野瀬選手の強さを知っている。一方でRIZINファンにはまだその強さが知られていなかった。試合前のその評価はどう受け止めていましたか。

「対戦カードが発表された時、RIZIN常連の瀧澤選手がRIZIN初参戦のよく知らない選手とやるみたいな感じで、瀧澤選手が勝って当然という予想が多かったんですよ。正直『分かってないな。俺が勝つから見てろよ』って悔しさはありましたね」

――改めて今年最初の試合としてなぜRIZINを選んだのですか。

「弘中(邦佳)先生とも話をして、今年はUFCにアタックするのではなく団体問わずに強い選手と戦って経験を積む1年にしようと思っていたんですね。そのタイミングでRIZIN佐賀大会があるということで、RIZINは国内のビッグイベントでもあるし、出ることを決めました」

――UFCへのチャレンジには一旦区切りをつけたということでしょうか。

「2年連続でRoad to UFCを勝ち抜けなかったので、今年もまた3度目のチャレンジというのは考えていなかったです。それよりもちゃんと試合経験を積んで強くならないといけないなと。やっぱり2年連続でチャンスを逃してしまって、僕としてはチャンスが遠ざかったと思っているし、2回ダメだったヤツが3回目お願いしますは都合がよすぎると思いました。だったらちゃんと強くなって、また野瀬はUFCに行くんじゃないか?と言われるくらい成長してからチャレンジしようと思いました」

――またUFCを目指すにしても、今はキャリアの転換期でもあったわけですね。

「はい。今年は再出発の一年だと思っています」

――さて今回の瀧澤戦はどのような作戦を立てていたのですか。

「打撃の時間をなくして、組む時間を長くすれば勝てるだろうと思っていました。そのうえで瀧澤選手は蹴りを多用するので蹴りをキャッチする、もしくは奇麗にテイクダウンできなくても組みついてケージまで押し込む。それを考えて練習していました」

――クリンチする時間を長くするイメージですか。

「そうですね。もっと言えば打撃が出せない距離、くっついている時間、0(ゼロ)距離の時間を長くすることですね」

――瀧澤はテイクダウンディフェンスも意識する一方、思い切り蹴ったり、倒されるリスクよりも打撃でダメージを与えることを優先するタイプです。そこは警戒していましたか。

「はい。蹴りの距離が遠いし、ストレートやヒザ蹴りのカウンターも上手い。あとで試合映像を見返しても、何度か危ない部分があったと思います。ただ相手の打撃を怖がって中途半端に距離を取ると、もっと瀧澤選手ペースになるので、そこは打撃を怖がらずに密着する。それがさっきの0距離という感覚ですね」

――0.5すらも与えないと。

「はい。0距離、密着ですね」

――そして遠い間合いでは野瀬も積極的に打撃を出していた印象です。それを出さないと組めないという考えだったのですか。

「そうですね。瀧澤選手は経験値もあるし、いきなりテイクダウンに行っても切られると思ったんです。だからスタンドで『こいつもしかしたら打ち合ってくるかも』と思わせる打撃を出してから組むことを意識していました」

――最初にダブルレッグに入ったとき、瀧澤選手もヒザを合わせてきましたが、そのまま組んでリフトしてからテイクダウンしました。

「あれはポイントもずれていたし、僕のダブルレッグの方が速くてリフトもできたんで、組んでしまえばこっちのもんだと思いました」

――ああいった場面は中途半端に組みついた方がヒザをもらってしまうものなのでしょうか。

「きっとあそこで僕が躊躇してテイクダウンのスピードが遅くなっていたら、逆に危なかったと思います。ただあのあとすぐに腕十字にいっちゃったのは僕の悪い癖ですね(苦笑)。本当はもっとしっかりトップキープすべきだったと思うし、あれは反省点の一つです」

――結果的にスタンドに戻されましたが、最初にテイクダウンに成功したことで、次も組めば倒せるという手ごたえはありましたか。

「一度逃げられたのはミスでしたが、同じことを繰り返せばテイクダウンはとれると思っていたので焦りはなかったです」

――そして瀧澤選手の前蹴りをさばいてダブルレッグで尻餅をつかせ、立ち上がった瀧澤選手をバックコントロールしてグラウンドに持ち込みました。ここからはバックキープしてラウンドを終える展開でした。あれは野瀬選手が得意な形ですか。

「相手を寝かせる。背中を向けて立とうとしたらバックをとる。足を四の字クラッチする。これはもう僕の得意な形ですね」

――バックを取ってからシングルの四の字ロック、いわゆる“おたつロック”でキープする形でした。

「もしあそこから瀧澤選手が向き合ってきたらツイスターや前回極めたアームロックが狙えるのですが、瀧澤選手はバックをとられた状態で向き合おうとしなかったんです。事前の映像を見ていたのか感覚なのかは分からないですが。だからサブミッションは難しかったんですけど、逆にバックコントロールし放題なので、これだったら殴ろうと思って、途中から殴る方にシフトしました」

――1R終盤に右足で瀧澤選手の右腕をひっかけてバックキープしていましたよね。あれは練習でもやっていたのですか。

「あれも僕の得意な形で、柔術やグラップリングの練習でもよく使うんですよ。確かゴードン・ライアンが使っていたのを真似して、それを弘中先生や荒牧(誠)先生と改良した感じですね」

――世代的にはBJ・ペンがジョー・スティーブンソンにRNCを極めた時のものだ!と思って興奮してしまいました(笑)。一貫して1Rは自分のやりたいことが出来たラウンドだったのではないですか。

「はい。インターバル中も『同じことを繰り返せばいい。ただ相手は入り際の一発を狙ってくるから、そこだけは気をつけろよ』という指示でした」

――ただ2Rもその入り際で右ストレートやヒザ蹴りを被弾しました。

「そうなんですよ(苦笑)。ヒザ蹴りを腕で受けたんですけど、テイクダウンにいこうとして頭を下げていたら危なかったし、一発の当て勘やそこに持っていくまでのフェイントのかけ方は本当に上手いなと思いました」

――ただ野瀬選手も左ストレートからダブルレッグで組みついて、1Rと同じようにバックコントロールからのテイクダウン、おたつロックでのバックキープという展開になりました。ここで瀧澤選手向き合おうとしたところで、首を右腕・右ワキで抱えていましたよね。いわゆるエクセキューショナーチョークですが、あれは練習でも極めているのですか。

「四の字ロック(おたつロック)から向き合おうとする選手にはあれでタップを取れるんですよ。瀧澤選手にも狙ってみたのですが、首の位置だったり胴の長さだったり、体系的なところもあって極まらなそうな感じだったんですね。それでキープの方に移行しようと思いました」

――腕ごとひっかけるバックキープはゴードン・ライアンがきっかけとのことでしたが、エクセキューショナーチョークも何かきっかけがあったのですか。

「これは練習でやってみて思いついた技ですね。ちょうどRoad to UFCで鶴屋怜選手もやっていたので、四の字ロックを使う人はあの形に行き着くんだなと思いました」

――その後の展開にもつながりますが、あそこからマウントにも移行できるし、仮に一本とれなかったとしても、次に展開できるキープの形ですよね。

「はい。この試合もあそこから僕がマウントを取って、相手にとって致命傷になるヒジを落とせたので、あの(エクセキューショナーチョークの)プレッシャーがフィニッシュにつながったと思います」

――こうして野瀬選手のお話を聞いていると、サブミッションのアプローチがあるからこそ、相手の動きが止まる→殴りやすいという展開だったことが分かります。

「僕もそう思います。瀧澤選手はかなり僕のサブミッションを警戒していたので、それで殴りやすかったですし、逆に僕が殴りに固執していたら立たれたり逃げられていたと思います」

――あとはフィニッシュ前に落として縦ヒジですが、あれは見ていてもえぐかったです。ルール的にOKとはいえ、ガンガンいっていましたね。

「前日のルールミーティングでも耳のラインまでだったら縦ヒジもOKと言われて、エグいルールだなとは思いつつ、自分に使える場面が巡ってきたので、そこはフルに使わせてもらいました」

――試合を終えてのチームとしての感想はいかがでしたか。

「大舞台でも練習でやったことを練習通りに出来たことは褒めてもらいました」

――戦前の下馬評はあったにせよ、自分の実力を出せればしっかりフィニッシュできるという自信はありましたか。

「はい。このくらい圧倒してフィニッシュすることは想定内だったので、驚きでもアップセットでもないです。それと同時に先生たちからは『これをもっと強い相手にできなきゃだめだぞ』とも言われました」

――Road to UFCで培ってきたものはRIZINのトップ選手と比べてもそん色ないものだという自負もありますか。

「僕は日本での知名度がないかもしれないですが、Road to UFCでは強い選手たちと戦ってきたので、そこで経験値が足りないとか、そういうことは一切ないと思っています」

――今後も国内ではRIZINで戦うことになると思います。次戦へ向けた意気込みをいただけますか。

「日本国内で一番強い選手と試合を組んでもらえる舞台がRIZINだと思うので、是非またオファーをいただきたいと思います。今回下馬評を覆す試合が出来たので、次はもっと強い相手に同じような試合・勝ち方をして、皆さんをもっともっと驚かせたいです」

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【ONE FF54】11勝0敗のウズベク人ファイターと対戦、本田良介「判断能力と対応力がついてきた」

【写真】帰る場所のある人間は、それだけで強いです(C)MMAPLANET

8日(金・現地時間)、これから1時間半後にタイはバンコクのルンピニー・スタジアムで開催されるONE Friday Fights54で本田良介がサンザール・ザキロフと対戦する。
Text by Manabu Takashima

12月のONE FFデビュー戦に続き、2度目のルンピニー登場となる本田。実はこの間にRIZIN佐賀大会出場という話も聞かれていたが、契約の関係で実現しなかった。ここで落胆しないのが、プーケット在住──悟りのように、強くなることに人生を振り切った本田の強さだ。キャリア11勝0敗の中央アジアの新鋭との対戦について語る言葉から、本田のThe Way of MMA Lifeが感じられる。


――明日の試合に向けて、無事計量を終えたということですが対戦相手のザキロフもOKだったのでしょうか。

「多分大丈夫だと思います。相手の計量結果を見たわけではないですけど」

──そうなのですか。その場で確認とかはされないのですね。

「そうですね。まずフェイスオフがあって、それからハイドレーションと体重測定で。計量が終わったら、それぞれタクシーでホテルに戻るような感じでした」

──フェイスオフが計量前にあるということですね。

「ハイ。僕は言われたことをやるだけですね。まぁ、フェイスオフは計量が終わってからやれば良いのにとは思いますけど(笑)」

──そんななか2度目のルンピニーですが……どうしても、聞いておきたいことがあります。

「えっ、なんですか」

──ズバリRIZIN LANDMARK08、佐賀大会に本田選手はオファーを受けたけどマッチング期間で出場できなかったと。

「あぁ、そのことですか。アハハハハ」

──他の選手なら話題にできないですが、本田選手は常々「人生は思い通りにならない」と言い続けてきた。なので引きずることなく、気持ちも頭も切り替えることができていると思ったので。

「全くその通りです(笑)。なるようにしか、ならない。戦いたい大会で試合ができなかったからって、練習をしないということじゃないですからね。色々なタイミングや状況、それこそ契約なんて絶対で──できないことと、自分がやるべきことは別モノなんで。割り切っているというより、そういう時だからこそ練習をして気持ちもスッキリしていくタイプなので。

もちろん、九州の大会だし地元の皆の前で戦いたいというのはありました。応援してくれる人たちにも『日本で戦うところが見たい』と言ってもらって。同時に、『自分が海外でやっていくと決めたんだから、自分のやりたいようにやれば良い』と言ってくれる人もいました。それこそ僕は今、タイガームエタイにいてタイで戦えることが強味なので」

──九州で試合をして、また試合間隔があいてしまってもしょうがない?

「ハイ。こっちにいる間に、なるべく試合をしたいです。実際12月にして、3月にできる。当然、勝っていることが前提だとは思いますが。RIZINという誰もが知っている団体からオファーを貰えたことだけでも、僕にとってはステップアップなので」

──素晴らしいポジティブン・シンキングですね。そこで迎えるザキロフですが、キャリア11勝0敗のウズベキスタン人ファイター。いやぁ、痺れます。ここで、そういうファイターと戦うという事実に。

「むしろ、そういう人と戦いたいので。若くて、強いという特典つきの人と。アハハハハ。ただし、どんな戦績を持っていても僕と戦うのは初めてなわけで。それは僕も、そうだし。レコードとかはあってないモノだと思っています。余計なことは考えない。

色んな国があって、その国にはその国のMMAのレベルがというものがある。僕の戦績(※12勝3敗1分)を見て、『それは日本での試合だろう?』って思う人がいるかもしれないですし。僕はこうやって海外にいて、相手のレコードを見ても戦ってきた場所が違って、レベルも違うから、そんなに気にせずに……やる」

──動き的にはどうですか? あの長いリーチを生かして、組んでバックを取るというのは嫌な動きに感じました。

「アタックの回数ですよね。アタックの回数が多い。でも、それが今のMMAで。どれだけアタックができて、どれだけ守備に回らないか。それが前提にある15分間を戦うのが、MMAです」

──なるほど。

「ちょっと前まで、そういうことも考えられなかったです。出し切っていくなかでつまるところにつまれば極まるし、終わる。そうじゃなかったら判定で勝つために、アタックしないといけない。15分間でやり切ることが明確になったと思います」

──その意見を聞くと、ザキロフは3Rに疲れる風にも見えます。

「ハイ! 結局はリングで向かい合った時に現地調達された情報……疲れ具合とかですね。そこで判断をしないと。その時の判断能力と対応力がついてきたので、僕としてはストレスなくどんどん動けるようになってきました」

──テイクダウンを切って戦う。組ませずに戦う。どちらが理想ですか。

「入らせないで戦うことも学んできて。日本にいる時は組んでくる相手があまりいなかったから、来てほしいという想いがありました。でも、まぁ、わかんないや(笑)。何でも来いやって。全部したいから楽しみで!!

僕自身の動きは決まっている……そして、微妙に変えることができる。その調整は、色々な材料がないとできなくて。その材料を練習で増やしてきたつもりです」

──そこを瞬時にして、試合で繰り出せる?

「その自信はあります。距離設定とかはあっても、その距離設定も距離を取りたいわけでも組みを切りたいわけでもなくて。自分が何でもできる、距離にいるっていうことなんです。いや、ちゃんと話せていますか?」

──もちろんです。逆に分かりやすいです。テイクダウンを切るのは防御で。パンチをかわすのも。でも、その防御する精神構造の根底が攻撃的であること。そうでないと、自分の攻めが死んでしまうように思うようになりました。

「そうだと思います。リズムがあって、上手くいっている時はリズムに乗って動くことができる。でも、上手く行っていない時もそれが必要で。仕掛けて来られたことに対して、上手く対処するために自分のリズムを創る。オフェンスもオフェンスで、自分でリズムを創る。そういうことですよね」

──リズム、そうですね。考えていたことが、より明確になった気がします。いやぁ、楽しみです。本田選手が日本で戦っていた時と比較して、戦いの幅が広がって強くなっているところを拝見するのが。

「ありがとうございます。そうなるために来て、そうなれているので。リラックスしているというか、フラットにやっていくつもりです(笑)」

──最近、ロータス世田谷勢のMMA用語で自分の得意な形に持っていくと、オアシスという言葉を使うそうなんです。もうタイガームエタイにいること自体が、ロータス用語を使うと本田選手にとってオアシスなのですね。

「アハハハハ。だってロータス用語っていうか、オアシスはオアシスじゃないですか(笑)」

──ハハハハ、確かに。オアシスをエンジョイする本田選手のファイト、楽しみにしています。

「ありがとうございます。どこのジム名を所属先として名乗って良いのか、分からなかった僕の格闘技生活で、タイガームエタイという居場所が本当にできたと思っています」

■放送予定
3月8日(金・日本時間)
午後9時15分~U-NEXT

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45 MMA MMAPLANET o RIZIN RIZIN LANDMARK08 キック ルイス・グスタボ 堀江圭功

【RIZIN LANDMARK08】堀江、健闘光るもグスタボに判定負け。勝ったグスタボは王座挑戦をアピール

<ライト級/5分3R>
ルイス・グスタボ(ブラジル)
Def.3-0
堀江圭功(日本)

オーソドックスに構える両者。堀江がプレッシャーをかけてインローを蹴る。グスタボは前に出て右ストレート、左フックを見せる。堀江はジャブを突き、グスタボが右ハイキックを蹴ると、その蹴り足をキャッチして組む。離れた堀江はジャブと右カーフキック、グスタボが右で前に出ると、すぐに右ストレートを返す。グスタボは前進して右を伸ばすが、堀江はバックステップでかわす。

お互いの右が交錯し、堀江は左ボディ。グスタボが右ストレートから前に出ると、勢いに押された堀江が尻餅をつくが、すぐに立つ。グスタボは右ロー。堀江が右カーフを返しと、グスタボはワンツー。堀江はバックステップしてジャブを返す。堀江はインロー、じりじり詰めて右のカーフキック。細かい打撃を当てる堀江だったが、グスタボも右ストレートの相打ちから左フック。これで堀江が尻餅をつく。堀江はすぐに立って右腕を差してグスタボをケージに押し込み、離れ際に右ヒジを振る。

2R、堀江が右カーフキック。グスタボはガードを上げて右ストレートで前に出る。堀江がステップしてインロー、右ストレートから左フック、ジャブを当てて右カーフキックにつなげる。さらに堀江はグスタボの左フックにシングルレッグで組みついてテイクダウンすると、すぐに右足を超えてハーフガードでトップキープする。堀江は上体を固めてグスタボを寝かせ、終了間際に体を起こしてパンチを落とす。

3R、堀江は右ストレート、ジャブと二段式の前蹴り。グスタボがガードを上げて前に出ると、そに堀江が右ストレート、右ストレートをフェイントにした左ボディを当てる。堀江はバックステップしてワンツー、右のカーフキック。グスタボは右ストレートを返す。堀江はダブルレッグから右脇を差してケージに押し込むが、テイクダウンには固執せずに離れる。

堀江が右カーフ、ワンツー。グスタボがプレッシャーをかけて右アッパー、右ストレートから左フックと圧力を強める。堀江がガードを上げて後退。ヒジを返して組みつくが、グスタボは深く組ませない。

距離が離れると堀江がジャブから右カーフ、そこにグスタボが右フックを当てると、これで堀江がダウン。そのままグスタボがインサイドガードでトップキープし、鉄槌を落とす。ここで試合終了となり、グスタボが判定3-0で勝利。バックステップを駆使してのジャブやカーフキックで試合を組み立てていた堀江だったが、グスタボが1R・3Rのビッグヒットで判定勝ちをもぎとった。

試合後、グスタボは「またRIZINで試合が出来たことがうれしい。日本も、日本のファンも大好きだ。そして堀江にも感謝したい。彼がいなかったら素晴らしい試合はできなかった。次はサトシとタイトルマッチをやりたい」と王座挑戦をアピールした。


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45 MMA MMAPLANET o RIZIN RIZIN LANDMARK08 今成正和 摩嶋一整

【RIZIN LANDMARK08】ストップ寸前から逆転の腕十字。スクランブル出場の今成が摩嶋からタップを奪う

【写真】衝撃の決着(C)RIZIN FF

<フェザー級/5分3R>
今成正和(日本)
Def.2R2分33秒 by 腕十字
摩嶋一整(日本)

サウスポーの摩嶋が距離を詰める。ローを打った今成は、イマナリロールからグラウンドへ。下から自身の足を挟んで摩嶋の右腕を抱える。しかし展開できないと見たか、この体勢を解く。摩嶋はトップから左右のヒジを落とすが、今成が摩嶋の右足を取りに行った。

ヒールを狙われた摩嶋の動きが止まる。会場からどよめきが起こるも、ここは摩嶋が耐えて足を抜きトップに回る。クローズドガードの今成は、体重をかけてくる摩嶋の鼠径部に足を置く。しかし一本足を越えた摩嶋が、さらにパスを狙う。今成は下から摩嶋の頭を抱え、ガードに戻した。摩嶋は立ち上がり、背中を着けたままの今成のボディに右のパンチを振り落とした。

2R、摩嶋がプレスをかけていく。今成にケージを背負わせた摩嶋がダブルレッグで背中を着かせた。ケージに追い込みパウンドを連打する摩嶋の足を狙う今成。しかし摩嶋が立ち上がって足を抜き、再びケージ際で上を取る。左右のヒジを連打すると、今成の動きが止まった。しかし今成が摩嶋の右腕を取り腕十字へ。摩嶋はリストアップしたが、今成がケージ中央へ体を向けると摩嶋はケージ際へ倒れ込むことになる。ここで今成は摩嶋の腕を伸ばし、タップを奪った。

勝利の雄たけびを挙げるとマイクを持った「良いフィニッシュを見せられたかと思います。この後はメインイベントもあるので、楽しんでいってください」と挨拶した。


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45 MMA MMAPLANET o RIZIN RIZIN LANDMARK08 白川陸斗 矢地祐介

【RIZIN LANDMARK08】組んだら強いんです──矢地祐介、スクランブル出場の白川をRNCで落とす

<ライト級/5分3R>
矢地祐介(日本)
Def.2R5分00秒by RNC
白川陸斗(日本)

サウスポーの矢地が右ジャブを繰り出す。白川は右ハイ、矢地がブロックする。踏み込んで右ストレート、そして左フックを振るう白川に対し、矢地もすぐに前に出る。左ハイを狙った矢地はケージを背負った状態から左ストレートも、白川の指が右目に入り試合が中断される。再開後、白川は変わらず前に出るが、接近戦とはならずパンチが大きくなる。矢地の組みへの反応でスリップした白川は、立ち上がると首相撲からヒザで削られる。

離れた白川に左ハイを当てた矢地は、どうしてもケージを背負う展開が多い。そこから左&右のコンビを見せた矢地だが、またもケージに詰められる。とはいえ白川も再び右ハイをガードされ、そこからの詰めがない。右フックで前に出た白川が、最後もジリジリと距離を詰めて時間となった。

2R、直ぐに前に出た白川が右ミドルを決める。前に出た矢地が組み、白川が逆にケージに押し込む。小外刈りでテイクダウンを奪われた白川はすぐに立ち上がって、圧を掛けていく。矢地は首相撲&ヒザ、離れてワンツーで前に出る。さらに矢地は三日月を入れ、シングルレッグへ。小外で倒すと、立ち上がった白川にヒザを入れバックへ。組み勝ってヒザを入れる矢地が、そのままヒザを続ける。ヒザを嫌がり、組み勝てない白川。懸命に反応はするが、左足を束ねられ左のパンチを顔面に受ける。

矢地はバックに回りつつ襷へ。ケージに尻を当てて我慢の白川は、左ヒザを顔面に2つ受けると、自ら寝転がった矢地にボディトライアングルに取られる。ガードの上からのRNC、残り10分で絞めあげた矢地は5分の時間とともに白川を落とし一本勝ちを決めた。

矢地はスクランブル発進&階級下の白川に感謝の言葉を述べ、「いやぁ、最初チョット癖出ちゃって。危ない、危ないってなったスけど。だんだん軌道修正して、やっぱ試合で難しい。毎日、毎日練習して強くなるために頑張っています。皆さんも頑張ると何か良いことあると思います。スミマセン、偉そうなことを言って。でも本当に嬉しいです」と話した。


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45 J-CAGE Report RIZIN LANDMARK08 クレア・ロペス ブログ 大島沙緒里

【RIZIN LANDMARK08】スクランブル出場の大島、袈裟固めを返したロペスに十字を極める

<女子スーパーアトム級/5分3R>
大島沙緒里(日本)
Def.2R3分18秒 by 腕十字
クレア・ロペス(フランス)

ロペスが左ローを見せた。大島はがロペスの右ローに右ストレートを合わせる。左を突きながら組んだ大島がテイクダウンし、ロペスの左腕をキムラで抱える。パスした大島はキムラ・リバーサルを連発して上を取る。しかしロペスがトップに回ると、大島は腕十字に切り替えたがロペスが立ち上がった。背中を着けたままの大島に対しブレイク、スタンドアップが命じられる。スタンドで再開後、打撃の交換から大島がダブルレッグでロペスに背中を着かせた。しかしロペスが足を上げると大島が立ち上がる。

スタンドで組むと、大島は内股で投げるもロペスに防がれ、自身が下になってしまう。背中を着けたままの大島に対し、立ち上がったロペスがローで伺う。ここでレフェリーがブレイクを命じた。再開後、ロペスの左ジャブが大島の顔面を捕らえる。さらに右ショートのカウンターを当てたロペス。残り25秒で大島がニータップでグラウンドに持ち込み、パスして袈裟固めへ移行したが、すぐにロペスがリバーサルしてトップを奪い初回を終えた。

2R、大島が左インローを連打し、右ストレートを当てる。しかしロペスの右の打ち下ろしが大島の顔面に突き刺さる。続けてパンチを受けた大島は、ダブルレッグで入るもスプロールされてしまう。立ち上がった大島の顔面に、ロペスがパンチの連打を叩きこんだ。大島はシングルレッグでグラウンドに持ち込む。ハーフガードのロペスに対し、パスから腕十字を仕掛けたが、ロペスが腕を抜いて立ち上がった。背中を着けている大島に、ローとボディへのパンチを落とすロペス。ここもレフェリーがブレイクを掛けた。

スタンドで再開されると、大島が左アッパーから距離を詰めるも、ロペスのパンチが当たる。大島は首投げから強引にグラウンドに持ち込むと、袈裟固めへ。またもロペスに返されたが腕十字に切り替え、うつ伏せになって腕を伸ばしタップを奪った。

試合後、マイクを握った「浜崎選手じゃなくて、ごめんなさい。まだまだ朱加さんの背中を追いかけて頑張ります。精神的に悩んだり、試合に負けたり、いろんな気持ちのなかで今日は勝つことができて嬉しいです。今RIZINでは連勝中なので、チャンスを頂けたら嬉しいです。よろしくお願いします。今日はRIZINで戦えて幸せです。ありがとうございました」と挨拶した。


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