【写真】世界最軽量のダブルタイトル戦に挑む大島 (C)MMAPLANET
26日(日)に東京都港区のニューピアホールで行われるDEEP JEWELS 45にて、DEEP女子ミクロ級王者・大島沙織里とDEEP女子とDEEP JEWELS女子ミクロ級王者・村上彩が互いのベルトをかけたダブルタイトルマッチで対戦する。
Text by Takumi Nakamura
大島はDEEP女子フライ級王者として、昨年9月にBlack Combatアトム級とのダブルタイトルマッチでパク・シユンと対戦。まさかの判定負けを喫し、アトム級王座を手放した。今年の2月にはRIZIN LANDMARK08では、同門・浜崎朱加の負傷欠場を受けてショートノーティスで出場し、クレア・ロペスを腕十字で破って以来、3カ月振りの実戦となる。
グラップリングに強みを持つもの同士の一戦、大島は組み技対策はもちろん、打撃戦になることも想定して準備を続けてきた。そしてダブルタイトルマッチというシチュエーションについて「しっかり結果を出す・勝つことに集中したい」と語った。
――試合前のインタビューありがとうございます。試合に向けて強度の高い練習はもう終えられたタイミングでしょうか。(※取材は21日に行われた)
「水曜日までは対人練習もやって、そこから最終調整に入ろうと思います」
――昨年9月にパク・シユンに敗れてDEEP JEWELSアトム級王座から陥落。その再起戦が今年2月RIZINでのクレア・ロペス戦でした。あの試合は浜崎朱加選手の欠場を受けての代打出場からの勝利でしたが、あの試合を振り返っていただけますか。
「負けたあとでもあり、怪我もしていたので、試合間隔が半年くらい空いている状況だったんですね。そんななかでオファーをいただいて。急遽ではあるけれど、今まで2連敗をしたことがなくて、ここで負けてしまったらこの先どうなるんだろう?と思って過ごしていました。試合が決まったのが約2週間前で、ずっとそのことばっかり考えていました」
――シユン戦に敗れたあと、代打出場でオファーを受けるというのは厳しい選択をしているなと思って見ていました。
「今までオファーを断ったことがないですし、実は朱加さんが怪我した時の練習に私も参加していて、自分にオファーが来るかもしれないという予感があったんです。だからオファーが来たらどうするかを一晩考えていました。正式なオファーはなかったのですが、その日は一睡もできなかったです(苦笑)」
――正式なオファーが来る前に心構えが出来ていたんですね。
「はい。私の場合、色々と迷っていても最後はやるとい選択肢にいきつくし、早く前回の負けを払拭したいという気持ちもありました。試合そのものからも遠ざかっていましたし、ここでやっておかないといつチャンスが来るか分からないという気持ちもありましたね」
――何度かロペスにトップキープを逃げられたなかでの一本勝ちでしたが、勝った瞬間の心境は?
「私の中では判定になっても勝てると思っていたので、試合中に焦ることはなかったです。相手も身体が大きいとはいえ、米国では47キロでやっている選手ですし、美優さんとかの方がフィジカルは強かったです」
――自分がやるべきことをやれば勝てるという確信がありましたか。
「ただ(ロペスが)元体操選手ということを知らなくて、フィジカルが強いというよりも、体の使い方が上手かったんですよね。動きが柔らかいというか。そこには少し驚きました」
――一本を取るまでの流れは見事でしたが、あれは大島選手の得意な形ですか。
「1Rに(袈裟固めで)上を取った時にポジションを返されてしまったんですね。それで2Rに同じような形になった時、これは絶対1回目と同じようにポジションを返されると思ったんです。それで無理にキープせずに、相手が返そうとしたときに自分から先に回ったんですね。そうしたら相手の左腕が残っていて、全く力が入っていなかったので、それで腕十字を極めることができました」
――見ている側からすると「またポジションを返された」と思っていたのですが、そこも計算したうえでの動きだったんですね。
「腕十字を狙っていたわけではないのですが、先に自分から回って展開を作ろうと思いました」
――さて今回は村上選手と対戦することになりましたが、どのようなことを意識して練習してきましたか。
「村上選手は寝技が強くて柔術家なので、すごく足がきくと思うんですね。それで柔術の選手とたくさん練習しましたし、お互いにグラップラーだけど打撃戦になることも想定して練習を続けてきました」
――MMAのグラップリングが強い選手と柔術家と練習するのは感覚が違いますか。
「そうですね。私がグラップリングをやっているなかで、柔術家のことをすごく尊敬しているんですね。道衣を着ないグラップリングでも柔術家は柔術家らしい足の使い方や寝技の強さがあるので、そこをイメージして練習をしてきました」
――打撃についてはいかがでしょうか。
「まだまだ時間は必要だと思うのですが、今の自分が出来る範囲で打撃の練習にも時間を割いています。自分が出来ないことを補う、伸ばすというよりも、打撃のトレーナーさんにも村上選手の映像を見てもらって、村上選手対策としての打撃を指導してもらっています」
――この試合はDEEP女子ミクロ級とDEEP JEWELSミクロ級のダブルタイトルマッチとしても注目を集めています。どんな試合を見せたいですか。
「村上選手も強いし、お互いタイプと体格が似ているので、ギリギリの戦いなることも想定します。だからいい勝ち方が出来ればベストですが、しっかり結果を出す・勝つことに集中したいと思っています」
――ロペス戦後に「RIZINでは4連勝中なので、伊澤(星花)さんにも挑戦したい」というアピールもありましたが、今年はどんな目標をもって戦っていきたいですか。
「アピールはさせてもらいましたけど、簡単にやらせてもらえる相手ではないですし、控えめに言わせてもらいました。しっかり実績を積んで、伊澤選手のところまでたどり着きたいです。それ以外にもずっと前から目標にしていることもあるので、それに向けて頑張っていきたいです」
――約8カ月ぶりの都内での試合を楽しみにしているファンのみなさんにメッセージをいただけますか。
「久しぶりに東京での試合で、前回は情けない試合をして負けてしまったので、今回はちゃんと勝ちます。メインイベントの試合なので最後までみなさん楽しんで帰ってください」
■DEEP Tokyo Impact2024#03視聴方法(予定)
5月26日(日)
午後5時20分~U-NEXT、YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ、サムライTV