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【RIZIN DECADE】大晦日の追加対戦カード発表。アジアの強豪たちがズラリーー矢地は「怒っているぞ」

【写真】デビュー戦で矢地と戦う桜庭大世は終始、笑顔だった(C)RIZIN FF

20日(水)、東京都目黒区のホテル雅叙園東京3Fカシオペアにて、大晦日に開催されるRIZIN DECADEの追加対戦カード発表記者会見が行われた。
Text by Shojiro Kameike

鈴木千裕×クレベル・コイケのRIZINフェザー級選手権試合、17日(日)のRIZIN LANDMARK10で発表されたフェザー級:久保優太×ラジャブアリ・シェイドゥラエフ、ヘビー級:貴賢神×エドポロキングの3試合に続き、次の3カードが発表されている。

ヘビー級:上田幹雄×キム・テイン
ライト級:矢地祐介×桜庭大世
フェザー級:YA-MAN×カルシャガ・ダウトベック

今回の記者会見には榊原信行CEOのほか、上田幹雄、エドポロキング、久保優太、YA-MAN、桜庭大世、矢地祐介が登壇。ここでは各選手の冒頭挨拶を掲載したい。


貴賢神(※コメント)
「自分は今、米国で毎日追い込んでいます。対戦相手のエドポロキング選手に対して無駄にトラッシュトークをする気はないのですが、久々の再会をリングで楽しみにしています。初めての大晦日、しっかり勝って盛り上げて来年につなげます」

エドポロキング
「貴賢神選手と同様、トラッシュトークをする気はないので。試合でしっかり盛り上げて、勝って次のステージに繋げたいと思います」

ラジャブアリ・シェイドゥラエフ(※コメント)
「今年はたくさん試合ができて嬉しいです。本当は1日に2試合やりたいのですが、継続的に試合が組まれていることに感謝しています。対戦する相手はキックボクシングのチャンピオンで、素晴らしい打撃を持っています。非常に厳しい試合になると思いますが、全力で戦い、勝ちたいと思います。どんな結果であれ、私にとって良い経験になると信じています。ラジャブアリの物語はまだまだ続きます」

久保優太
「前回のRIZINで発表してもらってから、結構反響を頂いて。無謀、漢気があるのか、勇気があるのか――いろいろ言われたりします。僕はこのカードを望んで、叶えていただいたというか。僕は最短でRIZINフェザー級のチャンピオンになる道を歩みたいので。そのために、MMAに挑戦しています。このシェイドゥラエフを乗り越えて、来年絶対RIZINフェザー級でチャンピオンになりたいと思っています。今は勝率が低いかもしれないですけど、前回も前々回もそうですけど、僕はここから強くなります。当日は絶対に乗り越えたいと思っているので、期待しておいてください」

キム・テイン(※コメント)
「ROAD FCライトヘビー級、ヘビー級チャンピオンのキム・テインです。今回はRIZINの中で一番大きな大晦日の大会で試合をすることになりました。とてもワクワクしています。相手の上田幹雄選手の映像を視ましたが、とても上手い選手でした。RIZINヘビー級でも1位になっている選手なので、とても楽しみです。強い相手だけに、私は入念に準備しています。結果は私がKOで勝つと思います。私が誰なのか、RIZINファンにお見せします。上田幹雄、怪我に気をつけてしっかり準備して、素敵な試合をしましょう」

上田幹雄
「対戦相手のキム・テイン選手はROAD FC、他団体のチャンピオンということで、とてもワクワクしています。自分はRIZINのヘビー級を背負って戦うつもりでいます。こうして大晦日という大舞台に呼んでもらって嬉しいですし、他団体のチャンピオンと戦えることは光栄です。そこで勝って『RIZINなめるなよ』というところを見せたいです。キム・テイン選手から『KO勝ちする』と言われていますけど、逆に自分がブッ飛ばしてKO勝ちするつもりでいるので、大晦日はヘビー級の試合を楽しみにしていてください」

カルシャガ・ダウトベック
「前回の試合からすぐに試合が組まれ、伝統的な大晦日の大会に出場できることは光栄だ。対戦相手はキック界のスターで、最近MMAに転向し、戦績だけでは測れない深い格闘技の経験値を持っている相手だと思う。格闘家としてリスペクトしており、決して過小評価はしていない。これはどちらがより危険なストライカーかを決める試合だ。この試合で自分からテイクダウンするつもりはないが、同時にMMAというものの奥深さを見せたいと思っている。この試合はファンが求める内容になる。それに勝った者がタイトルマッチに近づくだろう。日本で試合をするたびに、私を支持する人が増えているように感じる。それは私にとって言葉では表せないぐらい尊いものだ。必ず皆さんの期待に応えると同時に、記憶に焼きつくような試合を約束したい」

YA-MAN
「今回の試合で『俺はエンタメ枠じゃねぇぞ』、俺はガチだっていうのをRIZINのファンに認めさせるために――ダウトベック選手って、今8連続KOぐらいしていて。RIZINでもずっと勝っていますし。RIZINの中でもトップ選手の一人だと思って、ここで勝ってRIZINファンにYA-MANという存在を、ガチなんだっていうのを証明します。試合については必ずどちらかが倒れる、失神するような試合になると思うので。もしかしたら俺が失神しているかもしれないし。もちろん俺が失神させるつもりでやるけど、どちらが倒れているか分からないですね。そんな試合になると思うので、1Rめから目を離さないようにしてください」

桜庭大世
「自分が日本で一番大きなRIZINという団体で、一番大きな大晦日の舞台に立てるのは、親の名前でしか立てないと思っていて。しかもペーペーなので、精一杯頑張ります。人の感情を揺さぶるような試合をしたいので、楽しみにしていてください」

矢地祐介
「10年目という節目の大晦日大会に出られることを嬉しく思います。ただ、榊原さんが隣にいるので言いづらいですけど――『ちょっと待て』と。試合が決まったことは嬉しいけど、相手がデビュー戦ということで、すごく複雑な気持ちになりました。せっかく前回、日本の若手筆頭のパトリック選手をなんとか倒して、『よし、もう一回上へ』という気持ちだったところに、このオファーが来て。すごくガッカリしたし、悔しい気持ちもありました。ただ、僕も良い年齢になってきて、こういう若手の相手をしなければいけない立場になったことも重々承知しています。大晦日ということもあって、有名選手の息子さんという話題性のあるカードが必要なことも分かっています。僕自身もPRIDEが大好きだったので、桜庭和志さんの息子さんと試合できるのは嬉しいですけれども……複雑な気持ちです。
どうやら桜庭さん陣営からの指名? 『矢地君どうかな?』みたいな話が耳に入ってきて、『何だソレ。ナメてんのか』と。ナメられがちな僕ですけど、15年やってきて良い時も悪い時もありましたけど、第一線で活躍してきた自負はあります。そんな自分を名指ししてくるとは、まあまあナメているなと思ったのが正直な気持ちです。ただ、レジェンドファイターの息子さんですし、組技のスキルもまあまああるみたいですし、デビュー戦といえど何をしてくるか分からない。どんなポテンシャルを持っているか分からないので、しっかり気を引き締めて戦いたいと思います。矢地はちょっと怒っているぞ、ということだけ伝えたいです(苦笑)。当日は良い試合をするつもりはなくて、MMAの厳しさを伝えて、叩き潰したいです」

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【RIZIN LANDMARK10】フライ級がヤバい!! 村元友太郎と対戦、ララミー「日本ではまだキョージがトップ」

【写真】いかにも頑丈そうな首と、気持ちの強そうな面構えをしているトニー・ララミー (C)RIZIN FF

RIZINフライ級戦線が熱い。豊富な日本勢に加え、海外勢の来日が増えている。17日(日)に名古屋市港区のポートメッセなごやで開催されるRIZIN LANDMARK10でもイ・ジョンヒョン、アリベク・ガジャマトフ、そしてトニー・ララミーが来日する。
Text by Manabu Takashima

昨日インタビューをアップしたダゲスタンのガジャマトフが、下馬評では3選手のなかえ一番の注目株かもしれない。しかし、MMAPLANETの一押しはカナダからやってくるララミーだ。

かつてドミニク・クルーズはスイッチを繰り返し、前後移動をしつつ左右&上中下と攻撃を散らしてテイクダウンに結びつけるシャッフルMMAで一世を風靡した。しかしながら、その動きは人体の構造として負荷が大きく、ドミニクはヒザの負傷を始めケガに泣かされるキャリアの終盤を送った。

それ故に、あの戦い方ができるファイターはMMA31年の歴史でドミニク・クルーズ唯一人と言われてきた。確かにドミニク以降、洋の東西と問わず彼の動きをコピーしようとしたファイターが見られたが、誰もモノにすることはできなかった。

そんな唯一無二のスタイルを進化させ、さらにテイクダウンに帰結するのではなく打撃で倒すスタイルを見せているのが、このララミーだ。ララミーがシャッフルMMAを消化し、さらに昇華させることができたのは極真空手というベースが存在したからだった。今やUFCに次ぐ陣容を誇るRIZINフライ級戦線で堀口恭司越えの可能性を誰よりも持つと思えてしまう──そんなララミーの言葉をお届けしたい。


荒っぽいことが好きだから、RIZINルールはUFCルールより合っている

──17日のRIZIN LANDMARK10における村元友太郎選手との対戦のため来日直前かと思いますが、インタビューを受けていただきありがとうございます(※取材は8日に行われた)。

「実は、もう日本にいるんだ」

──えっ、そうなのですか。

「時差や気候の違いを調整するには、試合の3日前の来日では厳しいからね。なんせ20時間もフライトがあるから。4日に東京に着いて、今はJapan Top Teamで練習をしているよ」

──おお、では朝倉海選手らと練習をしているのですね。

「彼とは同じ空間にいるけど、練習をしているのは同じ日に戦うJapan Top Team所属選手が中心だ。皆良い選手たちで、RIZIN初戦に向けて良い準備ができている。最高の試合を見せる自信はあるよ」

──北米のフライ級ファイターの進路はUFCの一択かと思っていました。お兄さんのTJはUFCファイターでしたし。トニー自身もLFAでも戦っていますが、RIZINで戦う選択をしたのはなぜでしょうか。

「RIZINが僕を見出してくれて、連絡をくれたからだよ。まだ25歳だけど、それほど将来のことを考えている猶予はない。ずっとPRIDEの映像も視てきた。PRIDEの時代って本当に楽しめるMMAだったように思っている。それもあってRIZINのことはチェックしてきたし、違うルールだっていうことも把握している。

僕は荒っぽいことが好きだから、RIZINルールはUFCルールより合っている。レスリング寄りのMMAより、ファイトを求めているからね。サッカーボールキック有りのRIZINルールはフィットしていると確信しているんだ。何より日本のファンの前で戦いたいという気持ちがあったから、北米のMMAから飛び出すことを決めたんだよ」

──RIZINルールが合っていると断言できるトニーですが、そのような考えを持てるようになった格闘技歴を振り返ってもらえないでしょうか。

「もちろん!!」

──まず、コンバットスポーツとの出会いを教えてください。

「11歳の時に始めた極真空手だよ」

──極真ですか! 

「そう、極真だ」

──カナダでは決してメジャーでないと思いますが、極真を始めたのは?

「昔ほど知名度はないようだ。ホントに。でも、僕が住んでいた地域にあったジムの代表が、極真空手の高段者だったんだ。そこで極真空手、キックボクシング、そして柔術の練習を同じジムでやるようになった」

──極真の道場でキックや柔術も学べたのですか!!

「そうだよ? それが何か、気になるの?」

──日本の極真空手の道場で、キックボクシングや柔術を学べるという認識が我々の世代にはなかったので。

「そういうことなんだ。先生は極真空手の指導者だったけど、ジムでは極真以外のクラスもあった。そして僕は多くの試合に出たいと思っていたから、キックと柔術も習っていたんだ。特に極真では試合経験を積むことができたよ」

──フルコンタクト空手がベースのMMAファイターはそれほど多くないですが、極真が生きる点はありますか。

「絶対的にタフネスさだよ。そして、堅実な基本だ。戦いのベースを極真の稽古で身に着けることができた。極真で学んだ基礎があったから、多くのことがキックボクシングやボクシングに応用することが可能だった。その結果、空手とキックボクシングを合わせて戦えている。

12歳になってMMAの練習をするようになってからは柔術、そしてレスリングにも力を入れるようになったよ。ボクシングとキックボクシングもだけどね」

どのような試合展開になってもそこで勝つ。それには個々の競技の試合経験が生きてくる

──極真では試合経験を積むができたと話されていましたが、他の競技でも競技会で戦っていたのですか。そうであれば戦果のほどは?

「極真は10回ぐらい優勝経験があるよ。レスリングはカデットでカナダ王者になったし、パンナムに出場している。キックだとWKAのアマチュア・トーナメントでも優勝した。ボクシングではゴールデングラブ王者、柔術では大きなトーナメントじゃないけど数えきれないほど金メダルは手にしたよ」

──キッズの頃から、本当に多くの試合経験があるということですね。その頃にはMMAファイターになることを考えていたのですか。

「そうだね。ただ、カナダ(オンタリオ州)ではアマチュアのMMAも戦うことはできなかった。だから、最初の試合は米国に行って戦っているんだ。そんな状況だったから、色々な競技のトーナメントで戦ってきた。MMAを戦うための準備をしていたんだよ」

──他競技で多くの試合をしたことは、MMAを戦うようになって生きていますか。

「MMAは文字通り、ミックストマーシャルアーツだ。ただのケージレスリングじゃない。レスリング、柔道、ボクシング、キックボクシング、柔術……全ての要素が含まれている。でも多くの人はMMAストライキング、MMAグラップリングをやっていれば良いと勘違いしている。

それらの競技の個々の技、そして規律を学んで融合させる。それがMMAなんだよ。どのような試合展開になってもそこで勝つ。それには個々の競技の試合経験が生きてくる。そういう意識を持って、アマチュアの競技会で戦ってきた。どの競技でも世界王者になるためにね。それぞれで、結果を出そうという考えでやってきたことで今の僕がある」

──現代MMAはウェルラウンディット・ファイター同士の戦いです。それでもストロングベースを持っているファイターが大半ですが、ここまで数々の競技歴があるトニーはバッグラウンドを問われると、どのように答えますか。

「僕はボクサーであり、レスラーと答えるかな」

──なるほど、今の話を伺ってトニーがあの戦いができることが理解できたような気がします。ボクシングとレスリングは前手が違いますし。

「しっかりと僕の試合を視てくれているようだね。僕の動きは、予測不能だ。対戦相手はスイッチをするのかしないかも分からないし、左右どちらから攻撃がくるのかも分からない。逆に僕は相手のリアクションを見ることができる。トレーニングの時から左右、何でもできるようにしているからね」

──それにしても、凄く自然ですよね。スイッチから次の動作に全くラグが無いように感じます。ステップインでも自然にスイッチをして、またステップバックも同じ。ただし、スイッチなしで前後移動もあり、繰り出される攻撃は左右・上中下と様々で、相手は混乱してしまうかと。

「スイッチに関してというと、僕のバックグラウンドは極真だ。極真は基本スクエア・スタンス(平行に両足が揃っている)だからね。結果、対戦相手はどちらの構えは分かり辛い。そして、当たり前のようにスイッチを繰り返す。スイッチを多用して左のパンチ、左の蹴り、右のパンチ、右の蹴りと繰り出せば、相手は予測できない」

──空手に構えなしという言葉が日本にはあります。その理由の一つに構えると、相手に情報を与えてしまうからと。

「その通りだと思うよ」

相手の長所が、自分の長所と同じなら恐れることはない

──いやぁ、今日の話を伺って村元選手との試合がますます楽しみになってきました。その村元選手にはどのような印象を持っていますか。

「オールラウンダーだね。でも、正直なことをいえば僕は余り対戦相手の試合はチェックしないんだ。自分の動きを変える必要はないと思っているし、どんな相手でも対応できるから。トレーニングパートナーは意識して動いてくれているかもしれないけど、僕は毎日の練習で成長できれば良い。ベストの動きを目指しているから、変化を加える必要はないというのが僕の考えなんだ。

対戦相手じゃない。自分がどう動くのか。戦いは如何に自分の動きができるかで決まる。逆をいえば、自分の戦いから遠ざかると勝てない。相手に自分の戦いをさせないために、僕の戦いをするんだ。そのために可能な限り、自分本来の戦いを貫き通す。

だからといって全く相手の試合をチェックしないわけじゃないよ。動きを見て、何が効果的かは頭に入れておく。そうすることで、微調整は必要でも全く違う戦いになることはないからね」

──つまりは村元選手にはハイスピード&ハイペースのスクランブルMMAをさせないということですね。

「スピードとペース? 僕の相手は世界で一番素早く動き続ける人間と戦わないといけないんだよ。相手の長所が、自分の長所と同じなら恐れることはない。でも試合って、結果的にこれまでにやってきたことがでるんだ。スピードとペースが同じでも、僕と同じことはできないだろう?

スピードとペースを武器に戦ってくるなら、僕のファイトがどういうものがすぐに理解できるに違いない。相手が動けば動くほど、僕の攻撃機会は増える。結果、仕留めやすくなるよ」

──いやぁ、もうお手並み拝見とさせていただきます。

「全てに期待して欲しい。速い試合展開のなかで、ドミネイトしてフィニッシュのタイミングを探る。これまでの試合でやってきたことを17日の試合でも見せるよ」

──RIZINフライ級のトップは堀口恭司選手、そして扇久保博正選手というベテランです。そして世界中から選手が集まりつつあり群雄割拠。誰が抜けだすのかという状況にあります。この状況から抜け出し、トップと対戦する力があるという想いをファンに抱かせることができる試合になることを期待しています。

「2、3試合でRIZINのベルトを巻く。そのために日本で戦うんだ。僕はフライ級で、世界のベスト。その座に就くのは、時間の問題でしかない。日本ではまだキョージがトップだと思われているかもしれないけど、彼に勝てないわけがない。まずは17日の試合からだ。試合を見てもらえれば、僕がリアルディールだと分かってもらえるはずだ。過去最高のシェイプだし、皆に喜んでもらえる試合をするよ」

■視聴方法(予定)
11月17日(日)
午後1時00分~ABEMA、U-NEXT、RIZIN100CLUB、スカパー!、RIZIN LIVE

■ RIZIN LANDMARK10対戦カード

<フェザー級/5分3R>
ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)
摩嶋一整(日本)

<バンタム級/5分3R>
昇侍(日本)
芦澤竜誠(日本)

<女子スーパーアトム級/5分3R>
浜崎朱加(日本)
シン・ユリ(韓国)

<フライ級/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
イ・ジョンヒョン(韓国)

<フライ級/5分3R>
柴田“MONKEY”有哉(日本)
ヒロヤ(日本)

<フライ級/5分3R>
村元友太郎(日本)
トニー・ララミー(カナダ)

<フライ級/5分3R>
北方大地(日本)
アリベク・ガジャマトフ(ロシア)

<バンタム/5分3R>
アラン“ヒロ”ヤマニハ(ブラジル)
山本聖悟(日本)

<ヘビー級/5分3R>
スダリオ剛(日本)
加藤久輝(日本)

<バンタム級/5分3R>
白川ダーク陸斗(日本)
マゲラム・ガサンザデ(アゼルバイジャン)

<ライト級/3分3R>
キム・ギョンピョ(韓国)
倉本大悟(日本)

<フェザー級/5分3R>
鈴木博昭(日本)
秋元強真(日本)

<バンタム級/5分2R>
窪田泰斗(日本)
日比野“エビ中”純也(日本)

<ヘビー級/5分2R>
稲田将(日本)
佐々木克義(日本)

<フェザー級/5分2R>
TATSUMI(日本)
平松翔(日本)

<キックボクシング55キロ契約/3分3R>
としぞう(日本)
JIN(日本)

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【RIZIN】朝倉未来 パンチの変化

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【Special】アジアの猛者たち─03─RIZIN48木下カラテ戦へ、カルシャガ・ダウトベック「王者になるため」

【写真】尋ねられたことを、ストレートに答える。朴訥感満載のダウトベックだった (C)MMAPLANET

29日(日)、さいたま市さいたまスーパーアリーナで開催されるRIZIN48の第1試合でカルシャガ・ダウトベックが、木下カラテと戦う。
Text by Takashima Manabu

UFC、RIZIN、北米フィーダーショー、日本のプロモーションと世界中のMMAを見渡してみると、明らかにアジア勢が台頭しつつある。もちろん、アジアといっても広い。その勢いの中心は東アジアではなく、中央アジアだということも百も承知だ。MMAPLANETでは6月から日本人ファイターと肌を合わせた経験がある──あるいは今後その可能性が高いアジアのファイター達にインタビューを続けてきた。

お蔵入り厳禁。題して「アジアの猛者たち」──第3弾はキルギスからカルシャガ・ダウトベックのインタビューをお届けしたい。

木下との対戦が決まる前に、5年9カ月振りのRIZIN再出場を果たしたダウトベックは、それまでの日々とこれからについて何を語っていたのか。そして、シラット世界王者という肩書の真実や、カザフスタンでの格闘家生活等、カルシャガ・ダウトベックの真実とは。


──朝倉未来選手に敗れた2018年以降、5年を経てRIZINにカムバックでき、どのような気持ちでしたか。

「ミクル・アサクラに敗れた時、RIZINではどういう風に戦わないといけないのかを学習できた。あれ以来、自分のパフォーマンスが向上することに努め、日本で戦う機会が再び訪れるのを待っていた。必死に練習をしたんだ。

その甲斐があって4月にRIZINからオファーがあった。試合の2カ月前だね。当然、何も疑うことなく試合に応じたよ。5年も待ったのだから、本当に嬉しかった。そのためにスキルに身に着けて戦ってきた。ずっとRIZINで戦いたいと思っていたのは、ただ試合をするためでなくチャンピオンになるためだ」

──では前回の関鉄矢選手との試合のパフォーマンスは、どれだけ満足できましたか。

えげつないボディショットだった(C)RIZIN FF

「まず、あの機会を与えてくれたRIZINに改めて感謝の意を表したい。

もちろん、勝てたことは嬉しい。ただKO勝ちすることがゴールでなかった。自分としては、とにかく勝ちたいと思っていたんだ。それが初回KO勝ちになっただけで」

──ではKO勝ちというのは、期待以上の成果だったわけですか。

「キャリア15勝のうち13回目のKO勝ちだから、それが期待以上のモノとは言わない。でも、どの試合でも自分の目標はハードトレーニングの成果を見せて勝利を手にすることなんだ」

──その結果がKO勝ちなのですね。ところでRIZINにカムバックを果たす前にTOP BRIGHTSで松嶋こよみ選手をKOしました。あの勝利こそ、RIZIN復帰のきっかけになったと思われます。

「コヨミ・マツシマのことを軽視することは決してなかった。彼はONEチャンピオンシップで戦っていて、世界王座に挑戦までしているファイターだ。だからこそ、試合に勝てるようにしっかりと準備をしてケージに上がった。彼のようなグッドファイターから、望み通りの勝利を手にすることができて本当にハッピーだったよ。

あの勝利がRIZINに戻ることできる一つの理由になったことは確かだろう。同時にずっとマネージャーがRIZINで再び戦えるように交渉を続けてくれたことも大きい。彼がやり遂げてくれたことに凄く感謝している」

──そして迎えたRIZIN再登場で、大きなインパクトを残しました。その一方で、我々はまだカルシャガのことをそれほど知っているわけではありません。これまでの戦いの軌跡等を今回は尋ねさせて頂きたいと思っています。まず、カルシャガにとって最初に経験したコンバットスポーツは何だったのでしょうか。

「まず、子供の頃からストリートファイトを日常茶飯事のように続けていた。自分でいうのもなんだけど、問題児だった。喧嘩に明け暮れていたんだけど、近所にボクシングのコーチが住んでいて。彼からボクシングの練習に誘われたんだ。それから、ずっとコンバットスポーツに没頭してきた」

──ボクシングとMMAの両方を始めたのですか。

「ボクシングは2009年から始めて、2013年までやっていた。そして2015年からMMAを始めたんだ」

――その1年間のブランクは?

「生活をするために働いていた。ボクシングではカザフスタン王者に3度就き、カデット世界大会でも勝った。でもジュニア・レベルのアマチュアボクシングでは、食っていくことはできないからね」

――ボクシング王国であるカザフスタンですが、カルシャガはプロボクサーになろうとは?

「カザフスタンでは当時、プロボクシングは盛んでなくて、MMAは対照的に人気がうなぎ登りだった。コンバットスポーツから離れていた時期に、今のコーチの1人が『お前はスポーツをして生きていくべきだ』とMMAジムに誘ってくれて……その言葉で、MMAでやっていこうと専念するようになったんだよ。カザフスタンでMMA人気が高まっていたから、行動に移すことができた」

――ボクシングからMMAに転じて、一番苦労した部分はどこでしょうか。

「それをいえばMMAに転じて8年経つけど、今でもMMAは簡単ではないよ。それだけ、自分には伸びしろが残っていると思っている。キックボクシング、ムエタイ、レスリングを今も学び続け、自分のMMA力を高めている状態なんだ」

――そのなかで2017年にシラット世界王者になっているという話ですが、MMAに転じた翌年にシラットの大会に出るというのはどういう理由があったのでしょうか。

「シラット・ワールドGP2017のことだね。自分が出たシラットのトーナメントは、顔面パンチも許されたMMAに似たルールだった。ハードな戦いで、MMAで戦うための良い準備になったよ」

――防具をつけて、蹴り中心で顔面パンチなしのシラットではなく、MMAルールに酷使したルールセットがシラットにあると!!! 

「シラットには型もあるし、アマチュアの試合は顔面を殴ることは許されていない。でもグランプリはプロの試合で、MMAとの違いはケージでなく、マットで行われたことぐらいだ」

――勉強になりました。そのシラットの経験もあり、MMAファイターとして活動を開始しましたが、改めてRIZINから声が掛からなかった間、北米のメジャーリーグを目指すという選択はなかったですか。

「ミクル・アサクラに敗れた後RCC、ACAでも試合をした。地元のAlash Prideでもレベルの高い相手と戦うために、厳しいとレーニングを自らに課してきた。結果、ケガも多く休養が必要な時間も長かった。体を休めるために、北米の団体で戦うという機会はなかった。今はRIZINにチャンピオンになることが、唯一の目標だから北米の組織から声が掛かっても戦うことはないだろう。とにかくRIZINでチャンピオンを目指す」

――RIZINフェザー級チャンピオン鈴木千裕選手の印象を教えてください。

「スズキは素晴らしいファイターで、僕のようなノックアウト・アーチストだ。ただスズキ云々ではない、特に彼のことを気にしているわけではないよ。自分のターゲットは誰だろうが、ベルトを巻いている人間だから」

――とはいえ鈴木千裕選手はボクシングマッチが予定されていたり、なかなか王座防衛戦まで時間が空きそうです。

「ボクシングを戦っても、彼は失うモノはない。そしてメディアの注目を集めるのだから、良い機会になる。それに今すぐタイトルに挑戦できなくても、もう1試合戦ってチャレンジャーに相応しい力があることを証明するだけだ。その時がくれば、スズキは僕の挑戦を受けるしかないのだから。今はその資格を得るために、実力をつける時間だと思っている」

──タイトル挑戦権を手にするために、倒すべき意中の相手はいますか。

「RIZINフェザー級はタフな選手が揃っていて、特にトップ5のファイターが手強い。ただ、そのなかで誰か個人をフォーカスするということはない。RIZINから試合を組まれた時、初めてその相手にフォーカスする。価値ある相手を当てられ、その試合で勝つためにハードな練習をして準備したい」

──カザフスタンのカルシャガ、ウズベキスタンのノジモフ、キルギスのシェイドゥラエフと僅か2カ月の間に中央アジアのファイターがRIZINで急激に存在感を増しました。この中央アジアのファイターの間では、どの国が中央アジアで一番かというライバル意識はあるのでしょうか。

「もちろん、ライバル心はある。同じ地域というだけでなく、同じイスラム社会のなかで誰もが、今のカザフスタンのようにトップになりたいと思っている。とにかく試合機会を得た中央アジアのファイターは、良いパフォーマンスを見せている。RIZINに限らず、世界のメジャーシーンでも中央アジアのファイターが続々と進出を果たすだろう。我々の住む地域では凄い勢いでMMAが発展しているから、国内大会のレベルも凄く高い。それだけ新しい才能ある選手が中央アジアから育つことは間違いない」

──既に中央アジア旋風は世界のMMA界で巻き起こり始めたという見方もできます。カルシャガ、今日は過去のキャリア、中央アジアの現状と色々と教えていただきありがとうございます。最後に日本のファンにメッセージをお願いできないでしょうか。

「少しでも早く日本に戻って、皆が喜ぶ試合をしたいと思っている」

■RIZIN48視聴方法(予定)
9月29日(日)
午後2時00分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!

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【写真】通訳をしてくれたロイベ・デ・オリベイラ・ネイトと。ロイベは2023年に修斗で2度来日をしている (C)MMAPLANET

29日(日)、さいたま市さいたまスーパーアリーナで開催されるRIZIN48でルイス・グスタボがホベルト・サトシ・ソウザの持つRIZINライト級のベルトに挑む。
Text by Takashima Manabu

古くはVale Tudo Japan時代からブラジルは日本のMMA界が戦いを挑んできた先駆者であり、PRIDEの時代は多くのスーパースターを生み出した。日本との親交が深く、ある意味歴史を共に紡いできたMMA王国だが、現状──UFCとの契約下にある選手が110名を超えるのに対し、RIZINでレギュラーとして活躍しているファイターはグスタボただ一人だ。

2018年の初参戦からRIZIN一筋で戦ってきたグスタボ。日本へのリスペクトは頭抜けているといっても過言でない彼が、タイトル挑戦への想いを──日本への想いの強さと共に熱く語った。


──サトシ選手への挑戦が、3週間後に迫ってきました(※取材は6日に行われた)。今の気持ちを教えてください。

「ずっと1年間、この時を待っていたのでタイトルに挑戦できることが嬉しくてたまらない。早く日本に行って、試合の日を迎えたくてウズウズしているよ」

──正式にタイトル戦のオファーがあったのは、いつ頃だったのでしょうか。

「最初に話があったのは2月のホリエ戦のあとで、それから正式決定まではしばらく時間があったけど……きっとサトシがナカムラとの試合があったからだろう。コロナパンデミックが起こり、僕のMMAファイター人生も大きな影響を受けた。RIZINが活動を再開して4試合を戦い、ようやくタイトル挑戦権を得ることができたんだ。オファーを貰った時には『絶対にこの機会を逃すわけにはいかない』って思ったよ。RIZINライト級王座は、僕のモノになる」

──ブラジルはバーリトゥード時代から、常にMMA大国でした。そして日本のMMA界とも深い繋がりがあります。その一方で現状、ブラジルの若い選手はLFAブラジル大会に代表されるフィーダーショーからUFCを目指すのが本流で、日本で戦う選手は少なくなっています。そのなかでルイスがRIZINに拘り続けてきたのは、なぜでしょうか。

「まず僕にとって日本は第二の故郷だ。僕は日本でキャリアを続け、日本で引退したい。日本で戦った最初の試合から、ファンは僕を受け入れてくれて凄く歓迎してくれた。日本で戦うことは凄くエモーショナルなことで……これは僕に限った話じゃないはずだ」

(通訳をしてくれた)ロイベ・デ・オリベイラ・ネイト 本当にそうだ。例えRIZINでなくても、僕自身は修斗で戦った時も日本で戦えることに凄く感激して、感情的にすらなっていた。あのファンのファイターへの接し方、尊敬をしてくれる姿って、他では本当にないことなんだ。

「だから、僕は日本だけで戦っていきたい。日本でキャリアを終えたいんだ。そして、そのまま日本に住みたいぐらいだ。その一方で今のブラジルの若いファイターはUFCで戦いたいというのが一番で、僕らの上のジェネレーションのように日本で戦いたいという風ではないのが実情なんだ。上の世代の選手は日本でヴァンダレイ・シウバたちが活躍していたのをテレビで見ていたから、日本への想いが強い。

でも、僕が今回RIZINのチャンピオンになることでブラジルの若い世代のファイターも、もっと日本に行って戦いたいと思うようになるはずだ。しっかりと僕の名前をRIZINのリングに刻むことで、この状況も変わり日本で戦いたい選手が増えるようになる」

──UFCや北米で戦うのに比べて、RIZINのイベント数は限りがありますが、ルイスはそこでレギュラーの座を手にできました。

「凄くラッキーなことだと自覚しているよ。RIZINはだいたい年に8イベントが開かれ、2度は僕も試合も組まれている。それは日本のファンが僕の試合を見たいと思ってくれているからで。本当にファンの皆には感謝しているよ。

しかも去年の12月から今年の2月までの3カ月間、カルペディエムで柔術の指導とプロフェッショナル・トレーニングを積むことできた。本当に素晴らしい日々だったよ」

──言葉だけでなく、文化の違いもブラジルと日本は大きいです。日々の生活で戸惑うことはなかったでしょうか。

「日本の人達はとても親切だし、日本食が好きだから何も問題はなかったよ。イソマルスイサン(磯丸水産)は、本当に美味しいフードばかりだった(笑)。

それに僕はアスリートだ。普段から規律正しく……いうとブラジルでは堅苦しいと感じられるほど健康的な生活をしている。夜は早く寝て、朝は早く起きる。しっかりと栄養を考えた食事を摂り、思い切りハードな練習を繰り返す。何も派手な生活をしているわけじゃないし、それは日本でも同じだった。日本にいてブラジルが恋しかったのは、家族や友人と会えなかったことだけだよ」

──なるほどです。ファイターがファイターらしく生きていると、派手に出歩くこともないと。これほど日本好きなルイスですが、試合前に日本に少し長く滞在して時差の調整などを行おうと思うことないですか。ロングフライトがあるだけでも、ディスアドバンテージかと思うのですが。

「ブラジルから日本に向かうことが、ディスアドバンテージだとは思っていないよ。そりゃあ2週間前から日本に滞在できると最高だろう。でも、そんなこと言ってもしょうがない。だから考えもしない。ただ伝えられたスケジュールに従い、計量をパスして戦う。それだけだよ。40時間のフライトがあっても、しっかりと体重を落とす。そしてファイトを楽しむんだ。

それにチーム全員で日本に早く行って準備できれば良いけど、そうでないならブラジルでギリギリまでトレーニングした方が良いと思っている。それはいつの試合もそうだし、タイトル戦だからといって何か違うことをしようとは考えなかったよ」

──サトシはMMAというスポーツにおいて、最高のグラップリング技術を持っています。とはいえ寝技は、MMAでは一つの局面でしかないという考え方もできます。改めてMMAファイターとしてのサトシの印象を教えてもらえますか。

「今回の試合はクラシカルなグラップラー×ストライカーの戦いだ。確かにサトシは優れたグラップラーだけど、MMAファイターとして他の局面は特にコレといって特筆すべきモノではない。それに僕自身、テイクダウンされても柔術を駆使して防げば良いだけだよ。この試合のためじゃなくて、ずっと柔術をやってきたから。

僕はただのストライカーじゃない。でも、さっきも言ったように今回の試合はグラップラー×ストライカーという図式が成り立っている。サトシが僕をテイクダウンしたくて組みついてくるなら、殴ってKOするだけさ」

──サトシは3月の中村K太郎戦のハイキックからのKO勝ちだけでなく、パンチでKO勝ちも過去にしています。それでも彼の打撃は、特に気になるモノではないですか。

「重ねて、サトシの打撃は印象深いモノではないと断言する。僕はコンプリートファイターだから、どの局面でも戦えるけどサトシの打撃に対して特別な準備をする必要はないよ。まぁ打撃戦を挑んでくるというなら、好きにすれば良い。僕はマイク・タイソンと向き合って、殴り合うことだって平気だから(笑)」

──では日本好き、そしてRIZINラブのルイスにとってRIZINライト級王者がBellatorのパトリッキー・フレイレ、AJ・マッキーに敗れていることをどのように思っていましたか。

「だからこそ僕は9月29日にチャンピオンになり、防衛戦でパトリッキー・フレイレを倒すつもりだよ」

──ルイス、今日はインタビューを受けていただきありがとうございました。最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

「常に言って来たことだけど、本当に心の底から日本のファンに感謝している。皆の存在があるから、日本で戦うことがモチベーションになっている。チケット代に値するような試合をするから、期待してほしい。

この試合を見てくれるファンの皆に初回から、KO勝ちを狙うことを約束する。今回の試合は、1R……5分間あれば十分だ。2Rは訪れない。初回KO勝ち、サトシをボコボコにするよ。会場では僕の名前を叫んで応援してほしい。アリガトゴザイマス」

■RIZIN48視聴方法(予定)
9月29日(日)
午後2時00分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!

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45 AB K-1 MMA MMAPLANET o PRIDE UFC UFC306 エステバン・リボビチ ダニエル・セルフーベル ブログ

【UFC306】UFC for Mexico。ダニエル・セルフーベル「特別な夜に、僕の名前を皆の胸に刻む」

【写真】エクストリーム・クートゥアーで練習をするセルフーベル。メキシコにはベガス、上海に次ぎPIが設立されている (C)MMAPLANET

14日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガス近郊のパラダイスにあるスフィアでNOCHE UFC 306が行われる。昨年9月にオープンしたばかり、世界中で話題の地球上最大の球形建造物におけるUFCの記念すべき初興行は、メキシコ合衆国独立記念日にもリンクしている。
Text by Manabu Takashima

今大会にはプレリミに4名、メインに3名と7人のメキシコ人ファイターが出場する。メイン出場の1人、ダニエル・セルフーベルはエステバン・リボビチと戦う。キャリア15勝1敗、オクタゴンでは3勝1敗のセルフーベルが、今もなかなか伝わってこないメキシコのMMA事情共に、この特別な夜に賭ける気持ちを話してくれた。


――ダニエル、今日はインタビューの機会を設けていただきありがとうございます。

「こちらこそ。日本の人に僕のキャリアを知ってもらえる機会をもらって感謝しているよ」

――ボクシング王国に生まれ育ったダニエルは、いつ頃からMMAに興味を持っていたのでしょうか

「12歳の時に小学校で虐められていて、強くなるためにムエタイの練習を始めたんだ。あの日から長い旅が始まった。だただ、あの時はMMAのことも知らなかったし、興味も持っていなかった」

――では、ファイターとしてはムエタイがベースになるのですね。

「そうだね、ムエタイではメキシコでナショナル王者になり、プロでも戦った。そんな時にMMAに出会ったんだ……というか、自然とMMAに興味を持つようになった。というのはムエタイを始めてから、ブラジリアン柔術も練習するようになっていたからなんだ」

――柔術も。意外と言えば失礼なのですが、柔術はメキシコで広く普及しているイメージがあります。

「グラップリングは見て楽しむモノではないよね。メキシコではボクシングやルチャリブレという動きの激しいモノが親しまれてきたから。それでも、柔術も広まっている。ただ何と言っても、MMAだ。柔術やムエタイよりも、今ではずっとMMAが広まっている。ただ柔術はMMAの基本、MMAを戦うなら柔術を習得しなければいけない。僕自身、ムエタイと柔術の練習をするようになり、UFCを知って15歳の時にMMAの練習を始めたんだよ」

――当時のMMA人気は?

「大して注目されていなかった。やっぱりボクシング人気が絶対だったから。でもブランドン・モレノやアレクサ・グラッソがUFC世界チャンピオンになって一気にMMA人気は高まった。今やボクシングジムと同じだけ、MMAのジムがあるぐらいだよ」

――凄いですね。

「まだボクシング人気に肩を並べたとは言えないけど、凄い勢いで人気が高まっているのは間違いないね」

――ダニエルはどのような環境でMMAの練習を始めたのですか。

「元K-1ファイターのラウル・ロメロとずっと一緒に練習してきた。メキシコでも十分な練習はできる。でも、UFCで戦うとなると話は違ってくるよ。だから今はラスベガスに住んで、こっちで練習をしている。凄くメキシコもレベルは上がっているんだけど、まだ世界標準には至っていない」

――国内MMAイベントはUFCへのフィーダーショーという位置づけでしょうか。

「日本のRIZINのようなショーはないよ」

――RIZINを知っているのですか。

「僕らメキシコ人はRIZINのビッグファンだよ。PRIDEの輝かしい時代も知っている。RIZINにはたくさんのタレントが戦っている。メキシコにはRIZINのようなビッグショーはなくて、小さなプロモーションだらけだ。そのなかで一番大きいのは、LUX Fight Leagueといえるだろう。

僕もLUXでは3、4度戦っている。LUXで力をつけた。もう少しメキシコのプロモーションは成長しないといけないけど、機会があるならLUXをチェックしてほしい。メキシコ人の激しいファイトは当然として、今ではラテンアメリカ全域からファイターが集まっているから。つまりラテンアメリカの国々の間では、一番のチャンスがLUXにあるということなんだ。Combateがもうメキシコで大会を開かなくなったからね」

――私が尋ねたいと思っていることを先に話してくれました(笑)。そこが知りたかったです。そしてLUX、注目します。色々とメキシコの現状を教えてくれて、ありがとうございます。そして、今週末の試合です。エステバン・リボビチの印象を教えてください。

(c) Zuffa/UFC

「エステバンはタフな相手だよ。素晴らしい選手だ。

ただ、彼が何を仕掛けようと僕は対応できる。フィニッシュできる自信もある。対戦相手のことは常に尊敬している。でも、僕がやるべきことはフィニッシュすることだ」

――ウェルラウダ―のダニエルですが、どのような局面で戦うことを望んでいますか。

「基本的に僕はストライカーだ。でもレスリングの練習もしているし、柔術は黒帯だからね。どの局面でも問題ない。打撃だけ、柔術だけっていうファイターになりたくないんだ。全てをミックスして戦いたい。そして、全ての面で成長している」

――NOCHE UFCという舞台で戦うことについて、どのように思っていますか。

「この経験は、何ものにも代えがたいよ。きっと人生で1度きりのイベントになるだろう。そのことが、特別なモチベーションになっている。こんなショーは2度とない。凄くハッピーだ。そんな特別な夜に戦うんだ。皆の胸に僕の名前が刻まれる試合をするよ。最高にエキサイティングなファイターとして、トップ15の力があることを証明する。そして、トップ15の誰とでも戦えると宣言するつもりだよ」

■視聴方法(予定)
9月15日(日・日本時間)
午前8時30分~UFC FIGHT PASS
午後11時~PPV
午前8時00分~U-NEXT

■対戦カード

<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者] ショーン・オマリー(米国)
[挑戦者] マラブ・デヴァリシビリ(ジョージア)

<UFC世界女子フライ級選手権試合/5分5R>
[王者] アレクサ・グラッソ(米国)
[挑戦者] ヴァレンチーナ・シェフチェンコ(キルギス)

<フェザー級/5分3R>
ブライアン・オルテガ(米国)
ジエゴ・ロピス(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
ダニエル・セルフーベル(メキシコ)
エステバン・リボビチ(アルゼンチン)

<フライ級/5分3R>
ロナルド・ロドリゲス(メキシコ)
オーデ・オズボーン(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
アイリーン・アルダナ(メキシコ)
ノルマ・ドゥモント(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
マニュエル・トーレス(メキシコ)
イグナシオ・バハモンデス(チリ)

<女子ストロー/5分3R>
ジャスミン・ハウレギ(メキシコ)
ケトレン・ソウザ(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
エドガー・チャイレス(メキシコ)
ジョシュア・ヴァン(ミャンマー)

<バンタム級/5分3R>
ラウル・ロサスJr(米国)
アオリーチーラン(中国)

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45 DREAM MMA MMAPLANET NEXUS o PRIDE RIZIN RIZIN44 山本琢也 山田峻平 摩嶋一整 横山武司 海外

【NEXUS36】岸野”JUSTICE”紘樹を相手に防衛戦、横山武司「復帰戦は簡単じゃないなと思ってます」

【写真】この11カ月をしっかりと話してくれました (C)TAKUMI NAKAMURA

25日(日)、東京都港区のニューピアホールで行われるFighting NEXUS 36にて、フェザー級王者の横山武司が初防衛戦で岸野”JUSTICE”紘樹と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

横山は2022年11月にNEXUSフェザー級王者となり、2023年からRIZINに参戦。9月の摩嶋一整戦でプロ初黒星を喫すると、摩嶋戦後の練習中に網膜剥離の怪我を負い、長期欠場を余儀なくされた。初めての負けのショックと選手生命を左右する怪我が重なり、MMAからの撤退も脳裏によぎったが、大晦日のRIZINを見て復帰を決意。NEXUS山田峻平代表から防衛戦の提案を受けて、約11カ月ぶりの復帰戦が決まった。今回のインタビューでは復帰を決断するまでの道のり、そしてこれからのMMAファイターとしての目標を訊いた。


――昨年9月、RIZIN44での摩嶋一整戦以来、約11カ月ぶりの試合となりました。摩嶋戦後に目の負傷で長期欠場を余儀なくされたと聞いています。

「そうなんですよ。摩嶋戦の後に網膜剥離になっちゃって。もともと小さい頃から目が悪くて、レーシックもやっていて、角膜そのものが薄かったらしいんです。医者からは何かきっかけがあってなるもんじゃないから、蓄積されたダメージだとは言われたんですけど、練習のときにがっつりアイポークをもらったあとなんで、それで(網膜剥離になった)かなと思います」

――例えば摩嶋戦の前に違和感があったりはしたのでしょうか。

「いや、全然なかったです。摩嶋戦の練習でアイポークがあったところから目の調子がおかしくて、1週間後ぐらいに完全に目が見えなくなって、びっくりしました。いきなり朝起きたら目が見えなくったんで」

――具体的にはどういう状況だったのですか。

「アイポークがあってしばらくはちょっと目がかすむなって感じだったんですよ。それで1週間ぐらい経ったときに嫌な夢を見て、びっくりして起きたら目が見えなくなってたんです。目のレンズの一部、25パーセントぐらいが真っ暗みたいな感じで。で、その真っ暗な部分が時間が経つにつれて大きくなってきて、これは絶対にやばいやつだと思ってすぐ病院に行きました」

――自然治癒じゃ無理だと判断して病院に行った、と。

「はい。最初に診察を受けた病院で網膜剥離と診断されて、すぐ大学病院に行って手術をしてもらいました。本来は1週間ぐらいで退院できるそうなんですけど、他の場所でも剥離しているのが見つかって。その箇所の手術が結構大がかりなものだったので大変でしたね。結局1カ月ほど入院して、運動してもOKになったのが半年後くらいでした」

――選手生命を左右する怪我だったと思うのですが、何か格闘技に対する向き合い方は変わりましたか。

「実は目が見えなくて入院した日に、嫁の妊娠が発覚して。嫁は産婦人科に行って、僕は眼科に入院して──みたいな感じだったんです。だから最初は総合なんてやってる場合じゃないと思いました。言うても僕が総合を始めたのは2年ぐらい前だし、死ぬまで続けるとは思ってなかったから、こんな怪我をしてしまって、子供も生まれてくるんだったら総合はこれで辞めようと。

でもそれは怪我で気分が落ちていて、摩嶋戦で負けてヘコんでいたのが大きかったと思います。それで退院して、退院してもすぐは体は動かせなかったから、年内はずっと家で安静にしつつ、大晦日のRIZINを見に行ったんですよ。そこでイゴール(・タナベ)とか仲間の試合を見ていたら『やっぱりこれ(MMA)やりたい!』と思いましたね」

――仲間たちの活躍がきっかけだったんですね。年明けから練習は再開できたのですか。

「振動を与えるのもダメだったんで、年が明けてもなかなか運動の許可が下りなくて。2月~3月ぐらいからようやく動き始めて、っていう感じですね」

――ジムの指導も休んでいたのですか。

「指導は年明けから始めたんですけど、スパーリングとかはやれなかったですし、本当にゆっくり徐々に…ですね。僕って4歳からずっと格闘技漬けの人生を送っていて、半年間ぐらい練習を休んだのは初めてだったんです。だから体がなまっちゃって『休むとこんなに(動き・体力が)落ちるんだ』と思いました」

――「練習を1日休むと取り戻すのに3日かかる」という言葉もありますが、そういった感覚ですか。

「そんな感じですね。本当にそうなるんだって。だから復帰戦は簡単じゃないなと思ってますし、しっかり作り上げていかないといけないんだなっていう感じですね」

――もちろん辛い時期だったと思いますが、休んだからこそ気づけたものもありますか。

「まず怪我はない方がいいです、それは間違いない。怪我とはちょっと関係なくなるけど、摩嶋戦で負けたことが、結構自分にとって大きかったなとは思ってます。自分はデビューから5連勝して、1回も負けてなかった。だから変な話、試合すれば勝てると思っていたんですよ。

それで摩嶋選手に負けたことで、勝つことがどれだけ嬉しいか分かったし、すぐ試合をして次は勝ちたいと思いました」

――試合で負けると次に試合で勝つまでは記憶は負けのままじゃないですか。

「本当にそうなんですよ。そうなると自分が弱いんじゃないかと思っちゃって、自分が強いという自信がなくなっちゃうんです。次の試合は勝てるかな?みたいな感じで。そのくらい摩嶋戦の負けはショックでした」

――改めて摩嶋戦の試合を振り返っていただけますか。

「あれは結構パニクった試合なんですよ。僕がしょっぱなに飛びヒザにいったところにパンチ合わされて、ガードを取ったところから15分くらい記憶ないんです」

――ファーストコンタクトでほぼ試合が終わったような感覚ですか。

「ほぼほぼ終わりましたね(苦笑)。あれから寝技の展開になったんですけど、そこからもう超パニックで。大舞台に飲まれたのかもしれないし、パンチが効いたのかもしれないし。摩嶋選手が強くて、どうしようどうしようとなって動けなくなったのもあると思います。

だからあの試合は自分の中では本当にバッドで。試合のことも覚えてないから、試合後の1週間ぐらいは自分に何が起きたのか分からなくて。記憶がないから試合を見返すのも怖かった。あれはもう本当なんか悪夢として終わってますね、自分の中で」

――僕もあの時は試合会場で取材していて、横山選手がインタビュースペースに来たときの様子がすごく淡々としていた印象があって。あれは試合の記憶がないから話ができなかったんですね。

「本当そうですね。あと試合で負けると、めっちゃハイになるんですよ。周りの選手を見ていて思うのが、負けると敗因や言い訳をすごい探すというか。自分が負けを経験して、試合で負けた後の選手のSNSを見たりすると、めっちゃハイになってるんですよね。

すごく長文を書いてみたり、やっぱり負けると様子がおかしい。負けを受け入れて悔しいですと言える選手の方が少ないと思います。当時は嫁と2人暮らしだったんですけど、僕の様子がおかしくても、奥さんも励まし方が分からない。嫁もショックを受けちゃって、状態が良くなかったんです。だからもうあんな思いは二度としたくないです」

――なるほど。家族としても負けを経験しないから、奥さんもどう接していいか分からなかったんですね。

「試合に出れば勝ってたわけだから、今回もそうなるだろうと思っていたら、そうじゃなかったわけですからね。嫁も初めての負けだったから、本当に何を言えばいいのかわかってなかったと思うし。いやぁ悲惨でしたね。自分はいつもポジティブで、いつでも明るい性格なんですけど、試合後の1週間はホントにひどかったです」

――そういった時期を経て、今回の復帰戦ですが、ある程度は夏に復帰する目途を立てていたのですか。

「いや、そういうわけじゃないです。ちょうど練習を再開するかどうかのタイミングでNEXUSの山田(峻平)代表と会う機会があって。最初山田さんは『目がそういう状態だと(MMAを)続けるのは難しいよね?』という感じだったんですよ。

それで『俺、やっぱやりたいっす』と気持ちを伝えたら『それだったら8月のネクサスで防衛戦をやってみない?』と提案してくれて。そこから徐々に練習がスタートしていった感じです」

――そのときに山田代表と話をして、一つ具体的な目標が出来たことが大きかったようですね。

「はい。そこで具体的にまた(MMAを)やる方向に行きましたね。いきなりRIZINで復帰もなしではなかったんですけど、それはちょっとハードルが高くて。自分はまだ総合を始めて2年半ぐらいだし、最初に声をかけてもらったNEXUSで、タイトルを取ってから1年9カ月ぐらいNEXUSには出てないから、ここで防衛戦をやってまた頑張ろうっていう感じですね」

――今はどんなことを意識して練習を続けていますか。

「復帰戦は楽じゃないので、何か新しいことをやったり、できることを増やしていく練習が一番いいんですけど、今はもうコンディションを戻すことを一番に考えています。もちろん対戦相手の対策とか、試合の作戦に基づいた練習はしていますけど、まずはやっぱ自分のコンディションですね。

僕はMMA=コンディションが大切だと思っていて、MMAは一瞬の隙で勝負がつくじゃないですか。だからその一瞬でちゃんと動けるようなコンディションが必要だと思っています」

――確かにMMAは柔術と比べると攻防の瞬間瞬間にやることも多いし、判断も多いと思います。

「あとはすごく人に見られるわけじゃないですか、アマチュア競技と違って。だからその緊張感ですよね。数カ月前にも試合していて、そこで勝って『フォー!』となっていれば、そのテンションで次の試合にも出るんですけど、今回は試合そのものが久しぶりだし、しかも直前の試合で負けている。

色んな嫌なことを経験したから、今は一試合一試合が自分にとってすごく重い。だから総合の試合では過去一で緊張してるかもしれないです」

――改めて横山選手は柔術とMMA、それぞれどこに戦う楽しさや喜びを感じていますか。

「自分の人生はずっと柔術をやってきて、家族でやっている柔術ジムが自分の生活の基盤になっています。今のジムは父が代表で、父と兄と僕の3人がインストラクターなんですけど、父は50歳でも黒帯の試合で優勝して。兄も30歳で全日本チャンピオンになった。父と兄で十分柔術の結果を出してるから、インストラクター3人のうち1人はMMAをやってもいいかなっていう。

父と兄がいなかったらずっと真面目に柔術だけやってると思うんですけど、今は柔術は父と兄に任せて、僕は総合にチャレンジする役じゃないけど、ジムの会員さんたちでも、RIZINとか総合が好きな人が多いから、そういう人たちにとってはジムの誰かが総合に出るほうがある意味盛り上がるっていうのもありますね。

あとはやっぱり本当に、シンプルに総合がずっと好きなんですよ。小さい頃からPRIDEとかDREAMを見て総合をやりたいと思っていたから、その頃の自分の夢を叶えるじゃないけど、あと2~3年間で総合をやりきって、また柔術だけの生活に戻りたいなと思っています」

――横山選手の中ではある程度MMAをやる期間を決めているんですね。

「MMAの練習ばっかりやっていると、どうしても純粋な柔術のレベルは落ちるんですよ。それはそれですごく自分的にはプレッシャーで、早く柔術に戻らないと、柔術に戻った時に苦労するのが分かっています。自分は柔術を死ぬまでやるつもりだし、逆に総合はマジでやって35歳ぐらいまでだと思ってるから、今は死ぬ気で総合をやりきって──ですね。

あとはやっぱお金ですね。家族もできたし、娘も生まれたし、家族で海外旅行とかそういう遊びにもいきたいので。ちょっと総合で稼ぎたいなとは思ってます」

――今回NEXUSでの防衛戦をクリアしたらて、その後はまたRIZINに出ていきたいですか。

「そうですね。僕はNEXUSデビューで、NEXUSでチャンピオンになったことでRIZINデビューできて。NEXUSがあったから今の自分がいると思っています。だからちゃんとNEXUSのチャンピオンとしての役目(防衛)を果たして、RIZINにチャレンジしたいです」

――今回は岸野選手の対策もされてると思いますが、一番は自分のパフォーマンスをちゃんと出し切ることですか。

「岸野選手は、打撃に特化した選手とか寝技に特化した選手というよりはオールラウンダーで、バランスの良い選手だから、本当に自分のパフォーマンスをいい状態に仕上げて、力が100%出せれば絶対に勝てるっていう自信があります。もちろん、相手の動画はちゃんと見ているし、油断はしてないです」

――横山選手自身も見ている側も、横山選手がRIZINのトップ戦線に絡んでいくことを期待していると思いますが、そこはどう考えていますか。

「自分はRIZINデビュー戦では勝てたんですけど(山本琢也に一本勝ち)、2戦目でやった摩嶋選手はRIZINの主要メンバーじゃないですか。だから摩嶋選手のような相手を倒して初めてRIZINファイターを名乗れるというか。RIZINに1~2回出たことがある選手じゃなくて、RIZINで何戦もしてる選手を倒さないと、自分をRIZINファイターとは言えない。日本で総合をやるからにはちゃんとRIZINファイターになることが大事だと思うので、まずはそこを目標にしています」

――胸を張ってRIZINファイターを名乗ることが当面の目標ですね。

「そうですね。摩嶋戦の時にどういう心境ですか?と聞かれて『これが公式なRIZINデビュー戦だと思ってます』と答えたんですよ。それで見事にやられたんで、RIZINファイターは強いなというか。これが日本のトップなんだなと感じました。でもしっかり練習していけば、そこら辺も倒せる自信はあるので、これからまた頑張っていきます!」

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45 MMA MMAPLANET o PRIDE ROAD FC Road FC69 UAEW YouTube アルトゥル・ソロヴィエフ キム・インソォン キャプテン☆ キャプテン☆アフリカ ナンディンエルデン・キム・インソォン パク・シウ パク・シウォン 修斗 大尊伸光 西川大和

【Road FC69】パク・シウォンと対戦、キャプテン☆アフリカ「修斗代表として、Road FCで爪痕を残す」

【写真】黒バックは暫定王座のベルトで、シルバーが正規王者のベルトだ。早く、チャンピオンの証がキャプテンの手元に届いてほしいものだ (C)SHOJIRO KAMEIKE

31日(土・現地時間)に韓国はウォンジュのウォンジュ総合体育館で開催されるRoad FC69では、グローバルトーナメントがスタート。70キロ級準々決勝ではキャプテン☆アフリカがパク・シウォンと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

7月28日、キャプテン☆アフリカは大尊伸光を下し、修斗世界ライト級王座を獲得した。この試合前にはRoad FCグローバルトーナメント出場と、パク・シウォンとの対戦が発表されている。念願のベルトを獲得してから僅か1カ月で、強豪揃いのトーナメントに臨むキャプテンに意気込みを訊いた。


強い選手と試合することがMMAに対するモチベーション

――ベルト獲得おめでとうございます。今、手にされているのは暫定王座のベルトですか。

「そうなんです。今回は正規王者の決定戦でしたが、今は正規のベルトが日本にないみたいで……。前の正規王者だった西川大和選手がタイにいて、まだベルトが返却されていないそうなんです。それで今回は取り急ぎ暫定王座のベルトが使用されました」

――試合直後は自身の前に、師匠である三島☆ド根性ノ助さんの腰にベルトを巻いていましたが、巻いていたのはこの暫定王座のベルトだったのですね。

「はい。正規王座のベルトが届いたら、もう一度、三島さんの腰に巻きます」

――ベルトを三島さんの腰に巻くことは、ずっと決めていたのですか。

「それは修斗の試合に出始めた頃からの夢でした。コブラ会では誰も修斗の世界王座を獲得していなくて――今は国内でも、いろんな団体に出られる時代です。でも修斗にこだわってきたおかげで、三島さんの腰にベルトを巻くことができて良かったです。

僕は高校生の時にPRIDEを観ていました。そのなかで修斗のベルトを獲得してからPRIDEに出ている選手に出ている選手が多くて。修斗でチャンピオンになるというのは、そういうことやったと思うんです。自分は強い相手と対戦していきたい。もっともっと大きな舞台に立つためにも修斗のベルトが必要なんかなと思っていました」

――なるほど。2002年12月、三島さんが修斗のベルトを賭けて五味隆典選手と対戦した試合は、リアルタイムで視ていたのですか。

「いえ、リアルタイムではなかったです。でもコブラ会に入ったあと試合映像を視て、やっぱり悔しい気持ちがありました。同時に自分も同じライト級で、チャンピオンになったらこのベルトを巻けるんやなって、それが目標になって」

――そうだったのですね。先日の世界王座決定戦は、キャプテン選手が開始早々にテイクダウンし、袈裟固めから腕を極めるという得意の形で勝利しました。

「実は1Rから極めに行こうとは考えていなかったんですよ。あれだけパンチがある相手で一発もらったら危ないですから、相手の土俵で戦わない。そして寝技になったら上から削っていく。フィジカルトレーニングでも、5分5Rという形式で戦えるように鍛えてきました。

でも最初に組んで寝かした時に『これは行ける。自分が得意なところで攻めていける』と感じて。自分も本当に調子が良かったということもあって、すぐに袈裟からの極め技に行きました。あそこでフィニッシュできなくても、ずっと同じ形を繰り返すつもりで」

――修斗については、今後誰を相手にベルトの防衛戦を行いたいという希望はありますか。

「強い選手が出てくれば、もちろん防衛戦はやります。それとRoad FCにも呼んでもらっていて――今は強い選手と試合することがMMAに対するモチベーションなので。強い選手と対戦できるなら」

――今年のRoad FCグローバルトーナメントでは、パク・シウォンと対戦します。この試合は修斗のタイトルマッチ前に発表されていましたが、日本の格闘技マスコミにはかん口令が敷かれていたようで……。

「Road FCのほうが気を遣ってくれたみたいですね。でもすでに韓国では発表されていたので、周りからも『もうSNSで発表されていないですか?』と聞かれることがありました(苦笑)。

今回は試合日時も含めて、サステインさんとRoad FCの間で話をしていたんですよ。修斗の世界タイトルマッチは7月に行う予定やから、4月のRoad FC出場は大丈夫。Road FCのほうは当初、9月からトーナメントを開催する予定で。だから互いの試合には干渉しないやろう、と……。でも修斗の試合が7月28日、Road FCトーナメントの初戦が8月31日になったと聞いて、『これはちょっと厳しいなぁ』とは思いました」

――……。

「修斗の世界タイトルマッチは5分5Rで、それを戦った1カ月後というのは――。でもRoad FCからも『ぜひ出てほしい』と言われていて。チーム内で話し合った結果、まず試合日程のことは考えない。修斗の世界タイトルマッチに全集中する。修斗で勝ち、怪我もなくメンタルも整っていたら8月のRoad FCに出ようと決めました。そう決めたら、気持ちもスッキリしましたね。

幸い修斗の試合はノーダメージで終えることができました。体は絞れている状態ですし、コンディションは凄く良いです。特に今回は世界タイトルマッチに向け、つくり上げていたので。少し休んでから、すぐに対策練習に入ることができています」

――一度休んでから、またイチからつくり上げていくよりは良いかもしれないですね。

「はい。去年のトーナメントは試合間隔が2カ月ぐらいで、そのほうが逆にキツかったです。2カ月やと一度体重も増えてしまって、そこからまた減量と練習というのは精神的にもキツいですし。だから今回は世界タイトルマッチのコンディションのままRoad FCのトーナメントに臨むことができて、結果的に良かったとは思っています」

今23歳やのに、なんであんなに仕上がっているんやろうかと(苦笑)

――当初は9月にトーナメント初戦が開催される予定だったということですが、その時点でパク・シウォンと対戦することは決まっていたのですか。

「対戦相手が決まったのは修斗タイトルマッチの1週間前ぐらいです。前回のRoad FCで勝った時に『チャンピオンと対戦したい』とアピールしたら、本当に決まって(笑)。修斗のベルトを巻いたら、次はROAD FCのチャンピオンと試合ができる――と思いながらも、タイトルマッチの前はそんなことを考えないようにしていました。

修斗のベルトを巻いた直後は、『次はRoad FCのチャンピオンとやるんや!』と意気込んでいて。でもその時はアドレナリンが出ているだけかもしれないし、まず3日ぐら休養してダメージとメンタルに問題がないかどうか確認しました。それで大丈夫やったから『ここは勝負したい』と決めたんです」

――試合前に考えないようにしていたとはいえ、修斗タイトルマッチの1カ月後にRoad FC王者と対戦することが分かった時点で、気持ちは揺れませんでしたか。スケジュールと対戦相手を考慮すると、躊躇して当然かと思います。

「逆ですね。相手がチャンピオンでないと、1カ月後にRoad FCのトーナメントに出るというモチベーションは保てなかったと思います。チャンピオンと試合できるから、厳しいけど1カ月後にトーナメントに臨むことができる」

――もしかしたら「1カ月でも出る」と考えられるのは、昨年のトーナメントの優勝者アルトゥル・ソロヴィエフ、準優勝者ナンディンエルデン・キム・インソォン、そしてRoad FC王者パク・シウォンぐらいだったかもしれません。とはいってもUAEWライト王者のアレックス・ダ・シウバもいますが……。

「そう考えると、自分に何か流れが来ているんじゃないですかね。アハハハ」

――ではパク・シウォンの印象を教えてください。

「林君と対戦した時は――あの大会の中で、一人だけ迫力が違いました。計量の時から体も大きいし、戻してからも仕上がっていて。もしこの選手と対戦できるなら――そのチャンスは今年のトーナメントしかないかもしれない。林君との試合の結果に関わらず、トーナメント1回戦で試合がしたい。パク・シウォン選手のオーラを見て、そう思いました。

実際に試合を視たら、本当に強くて。『こんなに強い選手がおるんや』と思いました。今23歳やのに、なんであんなに仕上がっているんやろうかと(苦笑)。試合でもすごく落ち着いて戦っていて、23歳の選手とは思えなかったです」

――しかもまだMMAキャリアは6戦ですからね。以前はドタバタと戦っている印象もありましたが、林RICE戦のスマートな戦いぶりは驚かされました。

「林君も『強すぎて何もできんかった』と言っていました。僕も林君がパク・シウォン選手と戦うことが決まって、過去の試合映像を視ていたんですよ。確かに仰るとおり、昔はまだドタバタ試合をしている感じで。だけど打撃のキレも進化しているし、何より落ち着いて試合をするようになっている。

でも自分の中で、どう戦うかのイメージは固まっています。あとはこれから練習で、仕上げていきます。今回は修斗王者とRoad FC王者が戦うという、なかなかない組み合わせです。僕はアマチュアから修斗で試合をしてきて、ここまで新人王、環太平洋、そして世界と全てのタイトルを獲らせてもらいました。次は修斗の代表として、Road FCで爪痕を残してきます!」

<パク・シウォン・インタビューはコチラから>

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【BreakingDown】初のベアナックルファイトが決定!?


MMAからの引退を表明した朝倉未来がCEOを務めるBreakingDown。9月1日に開催されるBreakingDown 13のオーディション動画が朝倉のYouTubeチャンネルで公開されました。

その中で参加者の1人が「素手ルールで試合しに来ました。素手で本物の殴り合い、ど突き合い、出来たらいいなと思っています。応募する時点でそれが出来ないのであれば落としてくれて構わないと書いたから、運営もここに呼んでいる時点で出来るんでしょ、素手で。もしくはやって欲しいんでしょ」と発言。別の参加がそれに呼応すると朝倉CEOは「1回試験的にやってみますか、ベアナックル」と了承しました。

BreakingDown初のベアナックルファイト。いやいやいや、悪い事は言わないから止めておきなさいと。先日の超RIZIN.3で行われたベアナックルファイトルールでパンチ一発で鼻が折れた場面は戦慄が走りましたもん。鼻が折れたであろう「パキッ」という渇いた音は妙に耳に残っています。

プロ同士の対戦でもあれだけの衝撃。もし、アマチュア同士が素手で殴り合って大きな事故が起きても不思議ではありません。もし事故ったら格闘技業界全体がダメージを負うのは確実。それでBreakingDownが吹き飛ぶのは勝手ですが、既存の格闘技イベントが巻き添いを食らうのだけはまっぴらごめんです。

その過激さオラオラしたやりとりが生命線のBreakingDown。ベアナックルファイトに留まらず、再生回数を稼ぐため、PPVを売り上げるために、より過激な方向に傾倒し過ぎないかはどうしても不安が残ります。海外で注目を集めつつある2対1の格闘技戦など導入しないか本気で心配ですもん。

那須川天心×武尊を経て、朝倉未来×平本蓮ではさいたまスーパーアリーナのスタジアムバージョンを満員にするほどRIZINの人気が高まり、平良達郎のUFC王座挑戦が目前に迫っている現在。盛り上がりはピークと言っても過言ではありません。それだからこそ、守るべきものは守ってもらえたらなと。

PRIDEの人気が絶頂だった時でさえ、黒い噂が蔓延してから消滅に至るまではあっと言う間でしたもん。あの喪失感と言ったら。。。もう味わいたくはありません。せっかくここまで人気が盛り返した今だからこそ、一歩立ち止まって考える勇気を。
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【UFC ABC07】トニー・ファーガソンが対戦、マイケル・キエーザ「僕は日本で戦わなければならない」

【写真】さすがはカラーコメンテーター。非常に整理整頓された言葉が続いた(C)MMAPLANET

3日(土・現地時間)、UAEはアブダビのエティハド・アリーナでUFC ABC07「Sandhagen vs Nurmagomedov」が開催され、マイケル・キエーアがトニー・ファーガソンと対戦する。
Text by Manabu Takashima

今やファイターだけでなく、UFC中継の解説者としても活躍中のキエーサに解説業とファイター人生を尋ねた。「自由になれれば強くなれる」という彼の言葉はオクタゴンの内外で当てはまる。非常に穏やかでキエーザだが、日本のファンへの一言という紋切り型の締めに対し、それまで以上に声が籠るという一面が見られた。


――トニー・ファーガソン戦が今週末に行われます(※取材は7月30日に行われた)。今の気持ちを教えてください。

(C)Zuffa/UFC

「凄く良いよ。

2016年にトニー・ファーガソンと試合が組まれたけど実現しなかった。僕はウェルター級に階級を上げたし、もう戦うことはないかと思っていたんだ。たけど、トニーがウェルター級に転向して僕を指名した。あの時は凄く興奮したよ。トニーは素晴しいファイターで、将来は殿堂入りするだろう。そんな彼と彼と戦うことができて本当に嬉しい」

──マイケルは3連敗、トニーは7連敗中です。この状況は勝利を目指すためにモチベーションになるのか、それともプレッシャーになるのでしょうか。

「3連敗もしていたら、本来はプレッシャーを感じるものだろうね。でも、今の僕は人生で一番大切なモノは何かが分かったから、プレッシャーを感じていないんだ。家族、友人たちとの関係は勝ち負けに左右されるものじゃない。勝とうが負けようが、彼らは僕を愛してくれている。

以前は試合に負けてファンがSNSに書き込む悪口や無神経な言葉に影響を受けることがあった。でも年を重ねて、人として成熟するとSNSの声なんて、何も重要でないと思えるようになった。僕には愛する人達、僕を愛してくれる人たちが近くにいてくれる。そんな愛すべき人々の存在が、僕からプレッシャーを取り除いてくれた。

何も縛られることなく戦うよ。そのために練習でベストを尽くしてきた。トニーが今、どのような心境で戦うのかは知る由もないけど、今の僕はそんな感じなんだ」

──自分の大切な人が理解してくれていると、顔も名前もしらない人間の書き込みなんてどうでもよくなりますよね。

「正直、今朝も色々と言われているよ。トニーは、多くのサポーターがいるからね。トニーを崇拝している分、僕に口撃をしてくるんだ(笑)。でも、僕がやるべきことはオクタゴンに上がって、勝利を得るために戦うだけだから。

家族を信じて生きるって、実は生き方を楽にしてくれるんだ。だって、それ以上に大切なモノは存在しないんだから。26歳の頃は、勝敗を生死のように捉えていた。でも、そんな風に考えることがなくなって、ファイターとしても成長していると感じている。自由でいることは競技者を強くする。今、僕は3連敗中だけど、人生においてその差は収入の差でしかない。勝てば、もっと収入が増えていたんだけどね(笑)」

──ハハハハ。そんなマイケルですが、もう6年ほど現役ファイターでありながら、UFC中継で解説者としても活躍しています。解説という仕事をすることが、MMAファイターとして役に立つことはありますか。

「もちろん、あるよ。絶対的にね。中継で解説をすることで、ファイトをするだけの自分とは違うビジョンが見えてくるようになった。ファイターの多くは自分の試合と対戦相手の試合しか、真剣にチェックしないものだ。

でも、少しでも良い解説者になろうとすればあらゆる選手のことを知らないといけない。そのためにチェックする試合の数が劇的に変わった。その結果、MMAについて理解が深まったよ。MMAは99パーセントの精神力と1パーセントの体力で戦うスポーツだ。解説の仕事をして、精神的に良い影響が出るようになった。ほとんどのファイターが、僕のような環境下で過ごしていないからね」

──TV解説は一般層にMMAを理解してもらうのに、とても大切な役割を担っていると思います。ただ殴り合いが見たいという視聴者に、MMAが何たるかを伝えることができる。そんな解説という仕事で、マイケルはどのようにMMAをジェネラル層に届かせ、より理解を深めてもらえるよう話していますか。

「まずファイトのストーリー性を伝え、興味を持たれるように心掛けている。DJは話しが面白いけど、知性を持ち合わせた解説をしている。ドミニク(クルーズ)は、技術の説明が秀でている。カラー・コメンテーターにも、それぞれ特徴がある。UFCの解説者に同じような人間はいない。ローラ(サンコ)は凄くエネルギッシュだけよね。マイケル・ビスピンはリズムよく、視ているファンの気持ちを上げている。そして、分かりやすい話し方だ。

そんななかで系統としては、僕はドミニクのような解説者になりたいと思っている。ドミニクって言葉をただ発するだけでなく、理に適う知識を持って言葉にできるんだ。試合を視ながら、そこで必要な知識をさりげなく話している。結果、ファンのMMAへの理解力が深まっている。そんなドミニク・クルーズの良さを受け継ぐような解説者になりたい」

──解説者は視聴者のことを100パーセント考える仕事で、ファイターは自分が勝つために我儘を通さないといけない。まるで別モノですね。

「どちらもスイッチを入れることが大切だよ。自由になれると、戦いやすくなる。そこが土曜日の試合でも大切になってくるだろう。自分にプレッシャーを与えることなく、戦いたい。そうやって戦うと、新しい自分になっている。きっと土曜日の試合で、ファンの皆が見たことがない戦いができるだろう。その機会を得られたのだから、存分に楽しみたいと思っている」

──マイケル、今日はありがとうございました。最後に日本のファンに一言お願いします。

「このスポーツから足を洗う前に、僕は日本で戦わなければならない。以前、UFC日本大会を訪れた時に、『こんなファンの前で戦いたい』と心底思った。僕はPRIDEを見て育ったし、今でもRIZINをチェックしている。日本のファンこそ、世界でベストのファンだ。日本の人達はマーシャルアーツへの造詣が深い。『いつかの日か、さいたまスーパーアリーナで戦いたい』と神に祈っているよ」

──嬉しい限りの言葉です。

「それに日本でUFCが行われる日は、近づいている。タツロー・タイラはフライ級のトップランカーに成長し、カイ・アサクラがUFCにやってくる。僕はウェルター級だから、手の合う日本のスーパースターはいないかもしれないけど、対戦相手は見つかるはずだ。UFCが日本に戻った時、絶対にその場に一緒にいたい」

■視聴方法(予定)
8月4日(日・日本時間)
午前1時00分~UFC FIGHT PASS
午前0時45分~U-NEXT

■ UFC ABC07対戦カード

<バンタム級/5分5R>
コリー・サンドハーゲン(米国)
ウマル・ヌルマゴメドフ(ロシア)

<ミドル級/5分3R>
シャラブジン・マゴメドフ(ロシア)
ミハウ・オレキシェイジュク(ポーランド)

<バンタム級/5分3R>
マルロン・ヴェラ(エクアドル)
デイヴィソン・フィゲイレド(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
トニー・ファーガソン(米国)
マイケル・キエーザ(米国)

<女子ストロー級/5分3R
マッケンジー・ダーン(ブラジル)
ルピタ・ゴディネス(メキシコ)

<ライト級/5分3R>
ヨエル・アルバレス(スペイン)
エルビス・ブレネウ(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
アロンゾ・メニフィールド(米国)
アザマット・ムルザハノフ(ロシア)

<ライト級/5分3R>
モハメド・ヤヒア(UAE)
カウエ・フェルナンジス(ブラジル)

<ヘビー級/5分3R>
シャミル・ガジエフ(バーレーン)
ドンテイル・メイス(米国)

<ライト級/5分3R>
グラム・クタテラデス(ジョージア)
ジョーダン・ブシニック(英国)

<女子ストロー級/5分3R>
ヴィクトリア・ダダコワ(ロシア)
サム・ヒューズ(米国)

<ライト級/5分3R>
ジェイ・ハーバート(英国)
ロランド・ベドヤ(ペルー)

<ミドル級/5分3R>
セドリクス・デュマ(米国)
デニス・チュルリン(ロシア)

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