【写真】左がユセフで、右がマカエフ。公称では身長差は3センチだが、決してそんなことはないだろう。そこの身長の違いが如何に勝負に関係してくるのか見ものだ (C)BRAVE CF
Brave CF40が今夜、24日(月・現地時間)にスウェーデンのストックホルムで行われ23日(日・同)に計量が行われた。
ルーマニア2連戦から、スウェーデンでの大会は4戦目。2カ月で6度目のイベント開催となったブレイブだが、今回も開催国スウェーデン人ファイターは3選手で、このほかオーストリアから2選手、英国、ドイツ、スイス、トルコ、ルーマニアと欧州全域から10名のファイターが出場する。
とはいっても何世紀にもわたり民族が行き来し、またアジアの植民地政策時代に欧州に渡ったアジア系移民も世代を超えて現地に根付いており、国籍と民族が違うケースは当然となっている。今大会のメイン、空位のフェザー級のベルトに近づくための生き残り合戦となる新鋭対決モチャメド・マカエフとシェイブ・ユセフも、前者がオーストリア国籍のチェチェン人ファイターで、後者はパキスタン系英国人選手だ。
キャリア9勝0敗、20歳のマカエフは7月27日のルーマニア・ブカレスト大会で、チプリアン・マリシを2R終了時点で試合続行不可能に追い込みTKO勝ちを収めたばかりだ。粗さの残るボクシングとレスリングを融合させ、ケージレスリングやスクランブルで強さも見せるマカエフの組み&パンチ=ダーティボクシングは強力無比。まさに北カフカースの戦闘民族を思わせる攻撃力といえる。
対して25歳のユセフは2016年のIMMAFアマチュアMMAフェザー級世界王者で、アマMMA戦績は10勝0敗、プロデビューはACBの英国大会だ。ACBで3勝1敗という成績を残し、米国のローカルプロモーションを経て昨年12月のサウジアラビア大会でブレイブCFデビューし、今回が2試合目になる。IMMAFで結果を残した選手らしく、キック、レスリング、柔術と穴はない。ユセフは足を取るテイクダウンと共に反り投げのような豪快な投げ、そしてタイ・クリンチからヒザ&エルボーと流れるようなMMAを見せる。
なかでもエルボーはスタンドだけでなくグラウンドでもユセフの重要な武器となっている。長身のユセフは首相撲からのヒザからのエルボーの連係で、マカエフに土をつける可能性は決して低くない。一方、マカエフはその身長の差を逆手にとって懐に飛び込み、テイクダウン&スクランブルで疲弊させ、バックコントロール&フックもしくはアッパーで勝利を手することもあるだろう。両者揃ってベースが何かという概念のないウェルラウンダー、そして「際」という言葉が存在しないMMAを見せる──そんな欧州の新鋭対決といえる。
■Brave CF40計量結果
<フェザー級/5分3R>
モチャメド・マカエフ:66.2キロ
シェイブ・ユセフ:66.1キロ
<98キロ契約/5分3R>
アントン・トゥルチャル:97.8キロ
イボ・アスラン:97.6キロ
<ウェルター級/5分3R>
ダーヴィド・ヤーコブソン:77.5キロ
コルネリュ・ロタル・ラスカル:77.3キロ
<72キロ契約/5分3R>
フセイン・カジマゴマエフ:71.6キロ
スヴェン・フォルエンバッハー:70.5キロ
<ヘビー級/5分3R>
スボミニミール・キャリ:101.5キロ
ファティ・アクタス:108.5キロ