カテゴリー
MMA MMAPLANET o Poundstorm01 キック 海飛 鈴木崇矢

【POUNDSTORM01】開始早々からの打ち合いを制したのは海飛、ボディ攻めで鈴木崇矢にKO勝ち

【写真】鈴木の右フックもヒットしていたが、海飛のボディを効かせてからの仕留め方が光った(C)MMAPLANET

<フェザー級/5分3R>
海飛(日本)
Def.2R3分58秒 by TKO
鈴木崇矢(日本)

共にサウスポー。鈴木が右の前蹴りから、サークリングしつつ左ローを伸ばす。ガードを高く構える海飛が、至近距離の打ち合いの中でパンチを当てる。鈴木は前蹴りで距離を取るも、海飛の右ジャブをもらう。さらに海飛が右ミドルを当てた。鈴木は左ローを当てる。さらに鈴木が飛び込みながら右フックを打ち込むが、海飛のヒザが鈴木の下腹部に当たり、試合が一時中断される。

再開後、鈴木の左ストレートがクリーンヒット。海飛もローから右フックに繋げる。鈴木の左をもらいながら海飛が組みつきケージに押し込んだ。ケージ際から離れた鈴木が足を使う。海飛は右のインロー、右の関節蹴りを見せる。鈴木は飛び込んで右のフックを当て、すぐに距離を取る。鈴木の左をかわした海飛がパンチを打ち返す。距離を詰めて首相撲を狙う海飛。鈴木は離れて右フックを当てる。

海飛のサイドキックが鈴木の下腹部を捉え、またも試合は一時中断。再開後、海飛が前に出る。パンチをまとめてから組みついた海飛、左腕を差し上げて押し込むも離れた。距離を取る鈴木の左右のパンチが海飛の顔面を捉えた。海飛は組みついてケージ際に持ち込んだ。

2R、海飛が距離を詰める。鈴木は左右ストレートを当てて組みつき、相手をケージに押し込む。海飛は離れて、打撃で相手にケージを背負わせるも、組みつかれケージに押し込まれた。離れてから組みついた鈴木、ボディロックでバックに回すも倒すことはできず。離れると海飛が鈴木の顔面にパンチをまとめる。鈴木のダブルレッグに右ヒザを合わせた海飛、スプロールしてパンチを連打すると鈴木の動きが止まった。ここで海飛のヒザ蹴りが鈴木のボディに突き刺さると、ローブローとして試合が中断された。ここで海飛の眉間と右耳から出血が見られる。

再開後、鈴木を押し込んだ海飛がパンチの連打を浴びせてから組みつく。しかしセコンドの指示通り離れた海飛は、右ローから再度組みつく。ケージ際で右フックを返した鈴木。これだ海飛の顔面にヒットし、海飛が距離を取る。しかしすぐに立て直した海飛は、ワンツーで攻め込む。鈴木も海飛が入ってくるところに右フックを合わせた。

海飛は右ジャブの連打から左ストレート、さらに右フックから右ボディで相手の動きを止めた。パウンドを浴びせながら、起き上がった鈴木のボディに右ヒザを突き刺し、鈴木がダウンしたところでレフェリーが試合を止めた。


The post 【POUNDSTORM01】開始早々からの打ち合いを制したのは海飛、ボディ攻めで鈴木崇矢にKO勝ち first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA MMA MMAPLANET o Poundstorm01 UFC   エフェヴィガ雄志 スソン ボクシング マックス・ザ・ボディ 三上ヘンリー大智 中村京一郎 中村倫也 修斗 大尊伸光 宇佐美正パトリック 山本健斗デリカット 岩﨑大河 河名マスト 海外 海飛 狩野優 鈴木崇矢 風間敏臣 齋藤奨司

【POUNDSTORM01】中村倫也と戦う。アリアンドロ・カエタノ「彼のUFC行きの計画は実行できない」

【写真】渋さ100パーセント、カエタノにも夢があり日本にやってきた(C)MMAPLANET

明日24日(日)に墨田区の両国国技館で開催されるPOUNDSTORM01のメインで中村倫也と対戦するアリアンドロ・カエタノ。

キャリア23勝6敗1分のカエタノは、中村のステッピングボードという役割を背負って来日を果たした。そうでないと、憧れの国で試合をする機会に恵まれなかったからだ。修斗ブラジル王者になっても、北米のビッグプロモーションに進出することができなかった34歳──彼もまたUFCで戦うという夢を捨てきっていない。

夢の潰し合い、その前にカエタノの声を可視化しておきたい。


──最初にムサというニックネームには、どのような意味があるのか教えていただけますか。ブラジル人の友人に尋ねても、分からないということでした。

「ムサはニックネームじゃなくて、セカンドネームなんだ。父親の名前で、ただムサという名前がなぜ父がつけられたかは分からない。ブラジルっぽいだろう?(笑)」

──アハハハ。2週間後に日本で中村倫也選手と戦います(※取材は4月7日に行われた)。今の気持ちを教えてください。

「日本で試合をできることが、もの凄く嬉しい。海外で戦うことが僕の夢だったからね。日本で戦うことができるなんて、こんな良い機会はない。しかも、大きなイベントだって聞いているから。

ヴァンダレイ・シウバが日本で試合をするのをずっと見ていた。彼と同じような経験ができる。それが本当に嬉しいんだ」

──アリアンドロのことは日本では戦績ぐらいしか伝わっていません。最初に格闘技を始めたのはいつですか。

「何かコンバットスポーツをしたいとずっと思っていたけど、僕が生まれ育った街では柔術アカデミーやMMAジムがなかったんだ。だから2001年に空手を始め、次の年から試合に出るようになった」

──どのような流派の空手だったのですか。

「松濤館空手だよ。今も空手のトレーニングは続けているよ。ムエタイとボクシングもやっているけど、空手は距離の取り方、そのコントロールという部分で僕のMMAで役立っているからね。もちろんMMAを戦うために柔術も修得し、今は黒帯になっている。だからファイトが寝技になっても、全く問題ないよ」

──この試合のためにリオデジャネイロでトレーニングキャンプをしたということですが、普段はどこで練習をしているのでしょうか。

「普段はパラー州の自分のアカデミーで練習していて、試合が決まるとリオにやってきてパラナ・ヴァ―リトゥ―ドで準備をしているよ」

──アリアンドロは既に修斗ブラジルのベルトを持っています。対して中村倫也選手は2勝0敗、MMA経験は2試合しかありません。

「ナカムラのMMAのキャリアが少ないことは、特に何も思うことはないよ。だって東京の大きな大会のメインで戦う選手なんだろう? レスリングで実績も残しているし、良いファイターだ。寝技も強い。

確かに僕には30戦の経験がある。だからといって、何かが変わるわけじゃない。ケージの中に入れば、勝つために戦うだけだよ。そこに戦績の差は関係ないよ」

──では中村選手と戦ううえでアドバンテージはどこにあると考えていますか。

「経験の差かな」

──いや、さっきと言っていることが……(苦笑)。

「ハハハハ。僕のアドバンテージは経験が多いこと。でも、ケージに入れば勝負は50/50だよ。とにかく日本のファンが、また僕の試合を見たいと思うような良い試合がしたい。UFCで戦うことば僕の最大の夢だ。それは全ての選手が思っていることだろう。その前に日本で2、3試合に戦いたいんだ」

──中村選手もUFCで戦うことを目標にしています。アリアンドロに勝って、コンテンダーシリーズに進み──最短距離でUFCにステップアップする。それが彼の計画です。

「気の毒に。僕を対戦相手にしたことで、彼のUFC行きの計画は実行できないよ(笑)。僕はこの試合のために最高の準備をしてきた。だからナカムラにも最高のコンディションでケージに上がってきて欲しい。最高の状態の彼をKO、もしくは一本勝ちするためにも」

■視聴方法(予定)
4月24日(日)
午後2時30分~ ABEMA PPV

■Poundstorm01計量結果

<バンタム級/5分3R>
アリアンドロ・カエタノ:61.5キロ
中村倫也:61.6キロ

<ライト級/5分3R>
大尊伸光:70.7キロ
宇佐美正パトリック:70.8キロ

<フェザー級/5分3R>
山本健斗デリカット:66.0キロ
河名マスト:65.9キロ

<バンタム級/5分3R>
風間敏臣:61.5キロ
齋藤奨司:61.4キロ

<ウェルター級/5分3R>
グンター・カルンダ:77.2キロ
エフェヴィガ雄志:77.4キロ

<ライト級/5分3R>
マックス・ザ・ボディ:70.7キロ
オーディン:70.4キロ

<ミドル級/5分3R>
岩﨑大河:84.2キロ
三上ヘンリー大智:83.8キロ

<フェザー級/5分3R>
狩野優:65.9キロ
中村京一郎:65.9キロ

<フェザー級/5分3R>
スソン:66.2キロ
宇佐美秀メイソン:66.2キロ

<フェザー級/5分3R>
海飛:61.6キロ
鈴木崇矢:61.4キロ

The post 【POUNDSTORM01】中村倫也と戦う。アリアンドロ・カエタノ「彼のUFC行きの計画は実行できない」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA BELLATOR MMA MMAPLANET o Poundstorm01   アキラ エフェヴィガ雄志 スソン マックス・ザ・ボディ 三上ヘンリー大智 中村京一郎 中村倫也 修斗 和田良覚 大尊伸光 宇佐美正パトリック 山本健斗デリカット 岩﨑大河 河名マスト 海飛 狩野優 鈴木崇矢 風間敏臣 髙谷裕之 齋藤奨司

【POUNDSTORM01】計量終了 アドレナリンMAX? シュール過ぎた大尊✖パトリックのフェイスオフ

【写真】こんなシュールなフェイスオフはない(C)BELLATOR

23日(土)、東京都渋谷区のEXFGITHで明日24日(日)に墨田区の両国国技館で開催されるPOUNDSTORM01の計量が行われた。

正午に本計量、午後1時からセレモニアル計量&フェイスオフが行われ、リカバリー途中のファイター達は第1関門突破のアドレナリン放出が止まることがないのか、一触即発(※特に17日に行われた記者会見で激しい言葉を交換した選手たちは)というムードが続いた。


まず無謀度☆☆の海飛✖鈴木崇矢戦。

鈴木がすぐに近づき海飛も額をぶつける。これで鈴木が両手で海飛の胸を押しのけ非常に厳しい眼つきに。髙谷裕之が苦笑いして、両者を別けて正面からの撮影に向かわせた。

続いて無謀度☆のスソン✖宇佐美秀メイソン戦。

最初から髙谷が割って入りすぐに正面を向かせたが、再び互いに視線を合わせる。と、カナダで暮らしていたメイソンはFワードとビッ〇を連呼。対してスソンも中指を突き立てるるという──気分は既に北米基準のセレモニアル・フェイスオフになった。

第3試合、記者会見の時から険悪な空気がマックスだった無謀度☆☆☆☆☆の狩野優✖中村京一郎戦。

すぐに中村が拳を伸ばして狩野のアゴに触れさせる。狩野の手の払い方に完全に力が入っており、中村が両手で胸板を押す。狩野も右手で胸を突き返し、さらに中村が押し返すという展開に。血気盛ん──かつノリ的な中村に対し、狩野は我慢ならないというマジモードの怒り心頭具合が表情から見て取れた。

第4試合──無謀度は同じく☆☆☆☆☆、男前度も☆☆☆☆☆の岩﨑大河✖三上ヘンリー大智戦。

狩野✖中村のフェイスオフを笑みをたたえて眺めていた三上、岩﨑と揃って無表情でフェイスオフ。互いに他競技で実績を残し、既に格闘技界の社会通念を肌で感じる経験を経てこの場に立っているだけあって、大人のフェイオフを見せていた。

マックス・ザ・ボディ✖オーディンの無謀度☆☆☆☆☆のFighters Battle Audition最終選考の締めの一番。

両者揃って視線をそれさずも、それ以上のアクションはなくフェイスオフから正面を向き撮影となった。

第2部はエフェヴィガ雄志、齋藤奨司、河名マストがグンター・カルンダ、風間敏臣、山本健斗デリカットというキャリアで上回る選手に対するチャレンジマッチ。

エフェとグンターというのも相当にエグいマッチアップだ。エフェはキャリア2戦目、自分のペースで戦えている時と、そうでないときの動きの差は大きい。それも当然のことだが、フィジカルで圧しきれないと予想されるだけに、厳しい戦いになることが予想される。

本来はよりキャリアのある選手との試合が臨みであっただろう風間は、この日も会見と同様に愛想がなく我が道を行く空気を身にまとっていた。

フェイスオフ後に齋藤が差し出した手を握る返さえないばかりか、その行為にすら何も注意を払っていない様子であった。

他方、河名の凄まじさはこの試合がチャレンジマッチに感じられないことだ。

健斗デリカットを相手に、打撃という部分は相当にチャレンジングな一戦ではあるが、デリカットとしても組まれて嫌な試合になる。つまりキャリアの差云々でなく、技術をベースとした勝負論がこの試合に存在している。

セレモニアル計量とフェイスオフの間にも、選手の感情や信条が伝わって来ていたが、ある意味──頭抜けていたのがコメインの大尊伸光✖宇佐美正パトリックだろう。

アキラ100%の笑いを取りいれた大尊だが、慎重にスタンバっている姿が河名✖デリカット戦から計量会場では確認されており、ウィットネスの髙谷が笑いを我慢できない状況に陥ってしまう。

フェイスオフでは蝶ネクタイと銀の皿で股間を隠した大尊に詰め寄るパトリック。何かあってはならぬと、髙谷だけでなく和田良覚レフェリーが懸命にパトリックを制する。

マイクで「俺にメンチ切っているんで、ボコボコにしてやろうと思います」と凄む大尊のシュールさにも、パトリックは「自分は仕事するだけですね。以上です」と一言。

公開計量終了後にパトリックは「マジでムカついていました。明日は絶対に倒します」と完全にスイッチが入っていた。

そして、修斗ブラジル王者アリアンドロ・カエタノを迎え撃つ中村倫也のメインイベント。この両者も含め全出場選手が本計量、1度目のチェックで体重を落としていたそうだ。

「日本にはミッションをやり切るために来た。明日、完遂する」とカエタノが話し、中村は「たくさんの支えがあってここまで来れました。世界イチ我慢強く、感謝の心を持っている民族の日本人としての誇りを持って明日は戦います」とコメントした。

その中村、セレモニアル計量時には殆どリカバリーがされていないように見えたが、既に2キロは戻っていたようで明日はどれだけ体が膨らんでいるのか。そこも世界標準に達しているかをケージの中で確認したい。

■視聴方法(予定)
4月24日(日)
午後2時30分~ ABEMA PPV

■Poundstorm01計量結果

<バンタム級/5分3R>
アリアンドロ・カエタノ:61.5キロ
中村倫也:61.6キロ

<ライト級/5分3R>
大尊伸光:70.7キロ
宇佐美正パトリック:70.8キロ

<フェザー級/5分3R>
山本健斗デリカット:66.0キロ
河名マスト:65.9キロ

<バンタム級/5分3R>
風間敏臣:61.5キロ
齋藤奨司:61.4キロ

<ウェルター級/5分3R>
グンター・カルンダ:77.2キロ
エフェヴィガ雄志:77.4キロ

<ライト級/5分3R>
マックス・ザ・ボディ:70.7キロ
オーディン:70.4キロ

<ミドル級/5分3R>
岩﨑大河:84.2キロ
三上ヘンリー大智:83.8キロ

<フェザー級/5分3R>
狩野優:65.9キロ
中村京一郎:65.9キロ

<フェザー級/5分3R>
スソン:66.2キロ
宇佐美秀メイソン:66.2キロ

<フェザー級/5分3R>
海飛:61.6キロ
鈴木崇矢:61.4キロ

The post 【POUNDSTORM01】計量終了 アドレナリンMAX? シュール過ぎた大尊✖パトリックのフェイスオフ first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA MMA MMAPLANET o Poundstorm01 中村倫也 修斗 山本健斗デリカット 河名マスト

【POUNDSTORM01】山本健斗デリカット戦へ 河名マスト─02─「倫也と同じ興行に出られるチャンスが」

【写真】17日の会見で。LDH martial arts出現後、修斗ランカーはキャリアの少ないMMAルーキーにことごとく食われているが、健斗デリカットは意地を見せることができるか(C)MMAPLANET

24日(日)、東京都墨田区の両国国技館で開催されるPOUNDSTORM01で、山本健斗デリカットと対戦する河名マストのインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

前編に続き、狩野戦を通じてバックボーンであるレスリングと現在のMMAが繋がってきた点を語ってくれた河名。その末にたどり着いたPOUNDSTORM――レスリング時代からの盟友、中村倫也と同じ舞台に立つ。その舞台でも河名が見せる試合は、ただ一つだ。

<河名マスト・インタビューPart.01はコチラから>


――狩野戦について、グラウンドでの勝負はいかがでしたか。下からサブミッションを仕掛けられていましたが……。

「怖さはありました。もともと狩野選手は極めが強いことは分かっていましたし、自分が完璧にコントロールできるポジションにはいさせてくれなかったので。おそらく皆さんが思っているよりも、僕自身は余裕がなかったです(笑)」

――そうだったのですね。グラウンドでも何かしら相手の体の一部を抑えていたので、サブミッションを仕掛けられても、安心して凌いでいたのかと思いました。

「いえ、1Rの腕十字とかは、自分の中で極められる未来が一瞬見えてしまいました(苦笑)。とにかく取られたくないなと思って、必死に守りました」

――テイクダウンして抑え込めば……というお話でしたが、そのグラウンドコントロールについても、これまでの試合と比べていかがでしたか。

「試合をこなしてきたなかで、どのポジションにいたら自分が危ないのか分かってきたんです。そのおかげで、常に自分から先に動けるようになりました。スタンドでは自分が先に動いてテイクダウンする。同じように、グラウンドでは自分がピンチにならないように先に動くことができるようになったと思います」

――狩野戦では相手が首相撲を仕掛けてきました。対して河名選手も以前、自身のバックボーンであるグレコローマン・レスリングを生かすために首相撲を取り入れたい、といったことを仰っていました。その点についてはいかがですか。

「動きでいうと、レスリングは基本的に前に出ながら腕を差したり、足を取ってテイクダウン狙います。でも首相撲をやって思うのは、レスリングとは逆で相手を引き込んで、出て来るところにヒジやヒザを合わせる動きになりますよね。首元に腕を掛けて、相手が出て来たら自分の攻撃を出す。やっていることは同じなんですけど、それを前に出ながらやるのか、後ろに下がりながらやるか、という違いがあります。ただ、壁レスになれば、そこは同じだと思うので」

――となれば、今はMMAをやるうえで、まずケージ際に持ち込みたいと。

「そうですね」

――ではケージ際に持ち込めば、誰が相手でも戦える自信がついてきたわけですね。

「同じ階級の選手であれば、ほとんどの相手と勝負できるんじゃないかと思っています」

――スタンドでは河名選手が組みのプレッシャーを強めていたためか、狩野選手も打撃戦ではなく組んでバックを狙う展開を選択していました。

「自分の中でひとつ成長を感じたのは、そのバックに回られた時の対応でした。ちゃんと落ち着いて、足を切って元の位置に戻ることができたので。これまでの試合であれば、あのまま一本を取られていたなと思いました」

――何より興味深かったのは、これまでご説明いただいた内容を5分3R、やり続けられるという……。

「そうですね。それをフルラウンドやり続ける覚悟があります。それをやるしかないので」

――一方で、3R後半にパンチで打ち合ったのは意外でした。

「もう打撃の攻防の中で、狩野選手の体力がなくなっているのは感じていました。一発もらっただけでは自分が倒れることはないな、と。1、2Rは取っていると思ったので、あそこは致命的なパンチをもらわないことだけ注意して、打撃戦のまま凌ごうと考えていました。
今は自分のやるべきことが、一つひとつ明確になってきたと思います。デビュー当初は、まず選択肢を増やさなければいけない状態でした。最近は自分の中で、吸収したことを整理して。さらに一つひとつ要素をレベルアップさせているところですね」

――狩野戦はEXFIGHTのプロマッチとして行われました。その前にPOUNDSTROMの開催が発表されていましたが、河名選手にとってEXFIGHT出場は、POUNDSTORM参戦を見据えたものだったのでしょうか。

「そういう気持ちはありました。まず勝てば次の試合のオファーが来る、そのために勝つ。その考えは変わりません。ただ、その中でこんなに早く、倫也と同じ興行に出られるチャンスが来るとは――それが叶うならPOUNDSTORMに出たいと思いました。そのために、試合に勝つことはもちろん、POUNDSTORMに出られるような試合をしないといけない。そういうプレッシャーを自分に対して掛けていました。

もともと倫也から、彼がPOUNDSTORMに出ると決まった時に、大会に関する話は聞いていました。でも自分が出るとは思っていなかったです。当時の自分では、POUNDSTORMに出るのは現実的ではなかったですよね。でも勝ってきて、EXFIGHTで勝てばPOUNDSTORMに出られるんじゃないか。そこで初めて、自分の中でも現実的なものになりました」

――そう考えると、何か運命的なものを感じますよね。対戦相手の山本健斗デリカット選手の印象を教えてください。

「狩野戦と同じ気持ちなんですけど、修斗のランキング1位の選手を相手に今の自分がどれだけできるのか、試すことができるのは嬉しいです。山本選手はストライカーですよね。打撃の距離感で来られたら自分がやられるし、近づいて組みつけば自分に勝機がある。お互いにやりやすくて、やりにくい試合だと思います。いかに自分の形にハメられるか」

――その山本選手を相手に、どのような試合をしたいですか。

「いやぁ、もう作戦はないです。自分はそんなにカードを持っていないので(笑)。カードは1枚――とにかく組んで15分間マラソンをする。勝つために」

The post 【POUNDSTORM01】山本健斗デリカット戦へ 河名マスト─02─「倫也と同じ興行に出られるチャンスが」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA MMA MMAPLANET o Poundstorm01 エフェヴィガ雄志 スソン パンクラス 三上ヘンリー大智 中村京一郎 中村倫也 大尊伸光 宇佐美正パトリック 山本健斗デリカット 岡見勇信 岩﨑大河 河名マスト 海飛 狩野優 鈴木崇矢 風間敏臣 高木オーディン祥多 髙谷裕之 齋藤奨司

【POUNDSTORM01】全対戦カード決定。一触即発、狩野優×中村京一郎。中村倫也「ただ自分の試合に集中」

【写真】カエタノ以外の出場選手19名と髙谷裕之、岡見勇信が壇上に勢揃い。これから何が始まるか── (C)MMAPLANET

17日(日)、東京港区のベルサール六本木で1週間後、24日(日)、墨田区の両国国技館で開催されるPOUNDSTORM01の記者会見が行われた。

中村倫也×アリアンドロ・カエタノ、大尊伸光選手✖宇佐美正パトリック、グンター・カルンダ×エフェヴィガ雄志、風間敏臣✖齋藤奨司、山本健斗デリカット選手✖河名マスト戦の5試合と、FIGHTER BATTLE AUDITION最終選考の外敵としてマックス・ザボディ、岩﨑大河、狩野優、スソン、海飛と出場が発表されていた今大会。

昨夜の格闘DREAMERS 2ndシーズンの放送最終回をもって、最終選考マッチ=POUNDSTORM出場選手が決まり、上記の5人の外敵と対戦するのは──上の出場選手紹介順に対戦相手を列記すると──オーディン(※高木オーディン祥多)、三上ヘンリー大智、中村京一郎、宇佐美秀メイソン、鈴木崇矢の5名に。

スポーツ、競技性を重視するLDH Martial Artsの格闘技プロジェクトだが、そこは髙谷裕之総監督のいざという時の喧嘩の強さを重視する姿勢が伝播したか、フェイスオフで一触即発の場面も見られた。

第3試合のフェザー級で対戦する狩野と中村が、頭をぶつける勢いでにらみ合い、髙谷に離されても中村がまた距離を詰めていく。

この両者、それぞれマイクで抱負を語る段階でも狩野が「イライラしていうコトないッスね。両国でできることが一つのステイタスなんで。まぁ自分の試合を視てください」と言えば、中村は「僕はプロデビュー戦なんですけど、こんな強い(パンクラス)ランカーの狩野選手と試合を組んでくれてありがとうございます。イライラして言葉ないって言っているんですけど、普通にビビっちゃって何も言うことないと思うので。そうでしょ狩野君」と挑発する。

憮然とした表情で聞き流した狩野に対し、中村は「確かに狩野君、強くて良い選手なんですけど、試合内容は全然面白くないので1試合ぐらい、僕とバチバチやりあって。狩野君の名前上げてあげようかと」とさらに言葉を重ねた。

それそれが意気込みを語った後、質疑応答へ。MMAPLANETが着眼したのは外敵側──世界を目指す同世代で、キャリアを築いてきた狩野と岩﨑だ。デビュー戦の選手を相手にリスクの高いファイトを受けた両者、負ければこれまでの積み上げてきた実績が水泡と化す。そんな2人に「勝てば、プロモーター髙谷裕之にどのような見返りを求めたいか」と問うと、以下のような返答があった。

狩野優
「POUNDSTROMが継続されるんだったら、何回も何回も呼んでもらいたいッスね」

岩﨑大河
「押忍。自分は──この階級は本当に相手がいないので、世界で戦えるように準備していただければなと思います」

この言葉を受け、司会者が髙谷総監督に一言を求めると以下のような返答が聞かれた。

髙谷裕之
「もちろん対戦を受けてくれた皆、あまりメリットのない試合かもしれないです。それを漢気で受けてくれたというのは凄く感じているので。これからもPOUNDSTROMに参戦してもらって、恩を返していきたいと思います」

またデビューから1年も経ず、メインとコ・メインを任された中村とパトリックは、「去年の自分たちと同じ立場で戦う後輩たちに対し──彼らの試合後のファイトとなるが、どのような戦いを見せたいか」という問いへの返答は以下の通りだった。

宇佐美正パトリック
「自分は見本になれるような圧倒的な試合ができたらなと思います。ハイ、以上です」

中村倫也
「特に前の5人については考えていなくて。もう自分がただ試合をすることに集中しているんで。終わった後、リラックスしながら背中を見てもらえればなと思います」

世界に向けた人材育成と世界に負けない格闘技熱の再興を目標に掲げるLDHのプロジェクト、そのなかでDREAMERSでもEXFIGHTでもない──注目株のサバイバルマッチ──という位置づけで齋藤と対戦する風間について──。

「圧倒してフィニッシュします。終わりで~す」という言葉を発した時の彼の雰囲気が、この場に染まらないという殺気に満ちていたことを最後に付け加えたい。

The post 【POUNDSTORM01】全対戦カード決定。一触即発、狩野優×中村京一郎。中村倫也「ただ自分の試合に集中」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA EXFIGHT04 MMA MMAPLANET o Poundstorm01 修斗 山本健斗デリカット 河名マスト 狩野優

【POUNDSTORM01】修斗1位山本健斗デリカット戦へ 河名マスト─01─「想像していたものが出せるように」

【写真】まさに組み伏せる──スタイルを確立しつつある河名マスト(C)MMAPLANET

24日(日)、東京都墨田区の両国国技館で開催されるPOUNDSTORM01で、河名マストが修斗世界フェザー級1位の山本健斗デリカットと対戦する。
Text by SHOJIRO KAMEIKE

レスリングではグレコローマンでU-23世界選手権を制し、MMAに転向した河名。MMA初戦こそ星を落としたものの、以降は4連勝でPOUNDSTORM出場に至った。なかでも今年2月の狩野優戦は、まさに河名が本領を発揮した試合だったといえる。5分3R、ノンストップで組みのプレッシャーをかけながら、組めばコントロールし続けた。幼少期から染みついたレスリングと、現在のMMAがいかにして結び付いたのか。山本戦を控える河名に、現在の成長を訊いた。


――EXFIGHT04の狩野優戦は、まさに河名選手の本領発揮といえる試合内容でした。

「ありがとうございます。あの試合までやってきたレスリングの強み、レスリングをぶつけること。特に国内のランカー選手を相手に、どこまでできるのかを試す試合でもありました。それをやり切ることができたというのは、一つステップを上がることができたのではないかなと認識できた試合です」

――ご自身にとって、レスリングという競技ではなくMMAにおけるレスリングの強さは、どんなところだと思っていましたか。

「やはりテイクダウンから抑え込みですね。相手を立たせない、打撃の間合いにしないことを考えて試合をしていました。

ケージに押し込んで自分が差している状態であれば、すぐ何かしないといけない。MMAを始めたばかりの頃は、そう思っていて……自分で自分を追い込んでいました。でも今は、自分がケージに押し込んでいるなら、時間を使って相手をテイクダウンする。そう考えられるようになりました」

――レスリングの基準であれば、ケージ際で動きを止めていたら反則を取られるかもしれないですね。

「そうなんです。レスリングではとにかく前に出続けないとパッシーブを取られ、寝技で相手が有利な状態(パーテールポジション)から試合を始められてしまうので。そのために組んだらすぐにポイントを取りに行く。スタンドでポイントを取っている選手が有利になるルールですから」

――その動きが染みついていると、ケージ際でクラッチしたらすぐに体が動いてしまうのでしょうか。

「いえ、体が動くというよりは……もともとレスリングというのは壁のない状態で、いかに相手の重心を崩せるかという競技なんです。前に出て相手が押し返して来たら、自分は力を抜くとか。右に体重をかけて相手が左に動いたら、自分も左に体重をかけるとか。そういう動きがケージ際でもできるようになってきたと思います」

――なるほど。

「自分が先に動いて、相手のアクションを見ながら対応する。相手がこう動いてきたら、自分はこう動くということができるようになってきたのかな、と。ずっと、そういう動きができるようになったら良いなと思っていました。でもEXFIGHTの前後から、そうやって頭の中で想像していたものが出せるようになってきています」

――自分の頭の中で考えていることと、実際の動きが合致し始めたキッカケは何かあったのでしょうか。

「いきなり合致したのではなく、本当に少しずつですね。組んでからバックに回る動きだけではなく、あえて正面で両差しを狙ったりとか。一つの動きに固執しなくなりました。こう動いてみたら相手はどう動くんだろう? そうやって試しながら試合できるようになったと思います」

――固執していた一つの動きというのは……。

「とにかくワキを差し上げて、ケージに押し込む。今もやっている形自体は変わらないんですけど(苦笑)。そこからの形が一つしかなかったんです。とにかくバックに回らなきゃ、という。でも、とにかくどんな形でも倒せればいい。グラウンドに持ち込んで、自分の形で抑え込むことができればいいという考えになりました」

――その組んでからテイクダウン、抑え込むまでの動きの中に、打撃という要素はどれくらい入っているのでしょうか。

「打撃で倒すという意識は、まだ全然ないです。でもテイクダウンだけとなると相手にとって怖い選手ではないと思うので、テイクダウンに繋がる打撃を使っていかないといけないですよね。打撃の間合いで相手の射線を切りながら動くようにはしています」

――EXFIGHTの試合では、狩野選手の打撃の間合いを組んで潰していました。

「僕は最終的に組めればいい。たとえば相手の蹴りはキャッチして、掴みさえすれば組みの展開に持っていけますよね。反対に相手が、それが嫌だろうなと考えてくれれば、僕に心理的な余裕が出て来るようになったんです。まず僕が組みのプレッシャーをかけていく形で」

――しかもそれが5分3R、ノンストップで動き続けるという。

「アハハハ、そうですね。僕にとっては、もうやることが決まっています。レスリングの時から、とにかくスタンドは動きを止めない。最後に勝てればいい、という考えでやってきているので。それが今も生きていると思います」

――レスリング時代から、全く止まらないスタイルだったのですね。

「そうですね。僕自身、すごくパワーがあるというタイプではないので。レスリングでは3分2R、マラソンを走る気持ちでした。そこで相手が隙を見せてくれたら、そこを叩く。相手が弱みを見せるところを見逃さないようにしています。そうやってレスリングでやっていたことが、ようやくMMAでも繋がってきたのかなって思いますね。やっぱり組んでいる時が、自分も一番安心できるので」

<この項、続く>

The post 【POUNDSTORM01】修斗1位山本健斗デリカット戦へ 河名マスト─01─「想像していたものが出せるように」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA MMA MMAPLANET o Poundstorm01 UFC アレアンドロ・カエタノ ボクシング 中村倫也 修斗 大尊伸光 宇佐美正パトリック 海外 西川大和

【POUNDSTORM01】世界に立ち向かうJ-MMAファイター(05)宇佐美正パトリック「好きに言っとけって」

【写真】デビューは9月、それを考えるとあり得ないマッチアップで大尊としては絶対に負けられない試合だ(C)MMAPLANET

24日(日)、東京都墨田区の両国国技館で開催されるPOUNDSTORM01。アレアンドロ・カエタノ対戦する中村倫也と共に宇佐美正パトリックが第3部に出場し、大尊伸光と戦う。

Road to UFC出演、修斗では環太平洋ライト級のベルトを巻き、現在もランキング1位の大尊にデビューから半年、プロ4戦目のパトリックが挑む。現代MMAの軸であるレスリングがワールドクラスであった中村に対し、卓越したボクシングセンスを持つパトリックだが、組み技という軸を養成する必要がMMAファイターとしてあった。その点を踏まえると、ゼロの部分から創り上げてきた成長の疾走感は──基礎があった中村以上ともいえる。

2022年、春~世界に立ち向かうJ-MMAファイター特集~。第5弾は、「2022年は自分のキャリアが動く1年」と断言する宇佐美正パトリックに話を訊いた。


──これが記者会見のセットかという、会見でした(※取材は3月3日に行われた)。

「本当にそうですよね」

──ある意味、色々な人に見守られての会見でもありましたね。

「緊張し過ぎて、何を喋ったら良いかも飛んじゃっていたんですよ。とにかく記者会見が終わってホッとしています。試合も発表されたので、これからしっかりとスイッチを入れて倫也さんと一緒に勝ちたいです」

──試合が決まってから、発表まで間があったような気がします。

「そうですね、僕は大尊選手が受けてくれると聞いていたのは2週間ほど前でした」

──対戦相手が大尊伸光選手と聞かされた時の気持ちは?

「激熱ッ!!っていう気持ちですね(笑)。来たぁっ!!──て、感じですね。だって修斗のランキング1位ですよ。それを取ってしまえば、指名試合で挑戦もできるし」

──LDH martial artsの1年生が修斗をぶっ潰していますね。

「いやいや、そんなことないですよ。全然ッスよ。むしろ、僕は修斗のおかげで色々な選手と試合をさせてもらって、感謝の気持ちでいっぱいです」

──そこで修斗らしいのが、大尊選手にしてもこの試合を受けるということですよね。普通は避けたくなるでしょうに。

「断られないですよね、そうやって指摘されたら。ソレ、嬉しいです。もっと感謝の気持ちでいっぱいになります。それだけの気持ちで、デビュー4戦目の選手と戦ってくれる大尊選手もそうだし、これまで戦ってくれた選手にもリスペクトの気持ちでいます。

そういう気持ちでいても、試合って勝ち負けはついてしまうものなので。尊敬できる選手だからこそ負けたくないので、自分は練習していくだけなんです」

──なぜかライト級チャンピオン西川大和選手と対戦相手が被るような気がします。以前は、西川選手の試合内容に負けないようと意識していた部分がありましたが、今回はいかがですか。

「西川君、階級上げるじゃないですか。日本ではウェルター級で戦っていくという話が入ってきて。そういうのは面白くないなって。だから、もう彼を意識することなく強い人と戦って倒していくだけです。

髙谷さんと岡見さんから与えられた相手には、『俺はやります』って答えるだけです。しっかりと意味のある試合を組んでくれるので。そうやって戦っていきます。それだけ自信を持っているので。それも髙谷さん、岡見さんにメチャクチャ練習で追い込まれているからで。そしてLDHのサポートがある。だから、どんな状況でもしっかりと動いて勝てると思っています」

──大尊選手も意地があるはずです。どこに気を付けないといけないと思っていますか。

「振って来るパンチとテイクダウンじゃないですかね。レスリングがバックボーンでパワーがあると思います。体もゴツイし。でも僕はそういうところでなくて、細かい部分をジリジリと詰めてしっかりと勝ちます。

大尊選手にはおいしくない試合かもしれないですが、僕は自分にはランキングに入れる力があることをアピールする戦いになります。だからこそ、そういう細かいことの積み重ねで勝ちます」

──去年の今頃、「倒されたら……」という不安があったかと思います。その場合は相手の打撃も見えづらくなるかと。

「今はもう組まれてからの対応に自信があるので、めちゃくちゃパンチも見えています。トップレスラー、えげつないレスラーが練習仲間にいますからね。レスリングのことは何を聞いても、答を用意してくれています。それがあるだけで、どんどん対戦相手のことが分かってきます。もちろん、レスリングの動画とか視て勉強もしています。倫也さんがいるのは、大きいです。

それにデビュー戦でテイクダウンされて、立ち上がることができた。アレが大きかったです。以前はテイクダウンされて、上を取られると怖かったです。でも、あの試合で立てたことで凄く自信になりました」

──グラウンドに持ち込むと、何とかなると思われているとすれば?

「好きに言っとけって思います。俺はちゃんと練習しているし、皆さんが思っている以上に成長しています。それをちゃんと見せつけたいです」

──ところで倫也選手はPOUNDSTORMという大舞台ですが、ステップアップするためのフィーダーショーです。現状、倫也選手とパトリック選手ではキャリアアップに関して、同じスピード感ではないかと思われますが、パトリック選手はPOUNDSTORMで戦うこととキャリアアップをどのように捉えていますか。

「アピールできるなら、どこででもアピールしたいです。それは海外も含めて。2022年は自分のキャリアが動く、そういう1年になると思っています。そういう風に僕がなるためにもPOUNDSTORMでは、相応しい相手と戦わないといけなくて。それが大尊選手だったんだと。

POUNDSTORMは、これから世界を目指す人間が集まるところです。結果、レベルの高い大会にんる。本物の格闘技が好きな人は、絶対にチェックしてくれるはずです。このイベントがあることで、色んな意味で良い影響を日本の格闘技界に与えられる。そういう大会になると思っています。

EXFIGHTもそうですし、完全に格闘技として成り立っていますからね。選手のことしか考えていない。だから試合も厳しい。厳しいから意味があると思っています。そこを乗り越えていかないといけないので。世界に行くために、自分から好き好んで厳しい状況に身を置きたいです。達成感を感じたいので。嫌々やっているわけじゃないですからね」

──弟の宇佐美秀メイソン選手も昨年のパトリック選手のように、世界を目指し挑戦を始めました。一緒に練習することも増えたかと思いますが、その辺りはプラスになっていますか。

「練習の時は弟としては見ていないです。1人の選手として、見ています。メイソンに追いつかれるのは絶対嫌なので……。僕の方が先に始めているわけですし、寝技のスパーリングでも一本を取るようにして、メイソンにアドバイスできるよう先を進もうと心掛けています。

ただ、凄く良い刺激になります。メイソンも組む度に成長していますし。力もついてきて。向き合った時の圧もそうですね。弟が日に日に強くなっているからこそ、僕も負けたくないという気持ちで練習に向き合えます」

──なるほど。では大尊戦、何を狙って戦いますか。

「今回は✖✖✖で行きます(笑)。菅原(和政)戦の前も、左じゃなくて右で倒すって言って……伏字にしてもらっていたけど、右で倒したじゃないですか。今回は✖✖✖で倒します」

The post 【POUNDSTORM01】世界に立ち向かうJ-MMAファイター(05)宇佐美正パトリック「好きに言っとけって」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA MMA MMAPLANET o Poundstorm01 PRIDE UFC クレベル・コイケ ロニー・ローレンス 中村倫也 修斗 堀口恭司

【POUNDSTORM01】世界に立ち向かうJ-MMAファイター(01)中村倫也「PRIDEを再現し、世界へ行きます」

【写真】3戦目で修斗ブラジル王者と対戦。ここで勝てば、一気に勢いがつくことは絶対だが……怖い一戦といえる(C)MMAPLANET

24日(日)、東京都墨田区の両国国技館で開催されるPOUNDSTORM01。そのメインでアリアンドロ・カエタノと中村倫也が対戦する。LDHのアーティストのライブと合体イベントとはいえ、あくまでも主役はMMAファイターというなかで、キャリア3戦目の中村のメインを戦うことはJ-MMAの歴史のなかでも異例だ。

キャリア23勝6敗1分、修斗ブラジル・スーパーバンタム級(※63.5キロ)王座を獲得しているカエタノを相手に、世界に向けて助走、飛翔となるか。

2022年、春~世界に立ち向かうJ-MMAファイター特集~。第1弾は、最速で世界を目指す中村倫也に話を訊いた。


──会見が終わり、カエタノというキャリア30戦の修斗ブラジル王者との対戦が発表されました。

「大会の規模どうこうよりも、対戦相手のことしか考えられないです。実は会見では何を話そうか決めていたのですが、直前に対戦相手の試合映像が流れると……もう、そっちの方に気持ちが向かってしまって(苦笑)。いざマイクを向けられると、カァっとなっていました(笑)」

──プロ3戦目ですが、MMAが日本国内でどのように行われてきたかをずっと見てきた倫也選手です。HIROさんの『LDH martial artsを通じて選手の皆さん、ご家族の皆さん、関係者の方とか本当にたくさんの人と僕らも出会うことができています。そういう方々が笑顔になり、幸せにある仕組みを絶対に創っていきたい』という言葉をどのように受け止めましたか。

「本当に……嬉しいです。子供の頃からという部分では、自分ほど身近に格闘技を見てきて、肌感覚で格闘技界を分かっている同世代はいないと思っています。そういうなかでHIROさんが言ってくださったことは、あらゆる面で嬉しかったです。『格闘技が主役で』という言葉も、胸に響きました。

正直、2年前にLDH martial artsに所属するにあたって、否定的な声がなかったわけじゃないです。でも、ああいう風に言っていただけるとLDH martial artsに所属し、EXFIGHTで練習してきて良かったと思いました。実際、こういう相手を用意してもらったわけですし」

──ではカエタノという選手について、どのような印象を持っていますか。

「分かりやすくイメージするなら、クレベル・コイケ選手を連想してもらえればと思います。足を出して、テイクダウン・ディフェンスをせずに狙ってくる。向うの感覚では『相手はキャリアの浅いレスラーだ。ならギロチンだろう』というイメージでいると思います(笑)」

──修斗ブラジルのスーパーバンタム級王者、その王座があることを知らなかったですが、修斗ブラジルといえばブラジルMMA界の登竜門です。

「力があって当然ですよね。ただし、肩書はそれほど気にしていないです。試合映像を視た印象としては寝技の技術は勿論ですが、そこがあるので荒々しい打撃を思い切り出すことができています。

それを被弾しないように、癖や特徴を捉えて戦います。攻略できない相手だとは、全然思っていないです」

──日本人相手に戦うと倫也選手は、十分に野生的なのですが……ブラジル人ファイター、やはり野生度数が違うかと。

「そうですね。やっとMMA IQを使って戦える相手だと思います(笑)」

──漬けて勝つ、MMAファイターとして必要な部分として理解しています。とはいえPOUNDSTORMのメインです。そうなった時にこれまでのように「自分が強くなりたい」という欲望のままのファイトなのか、「イベントを盛り上げたい」という気持ちが出てくるのか。

「何も変わらないです。その辺りを意識することはないです。大会を盛り上げたいという気持ちが強くなりたいという想いよりも強くなると、POUNDSTORMを創ってくださった人達の期待に応えられなくなります。HIROさんが『夢を叶えろ』と言って、髙谷さんや岡見さんを巻き込んで与えてくれた場なので。夢を叶えるための試合、そのつもりで臨みます。クリアすれば、夢に近づく幅が大きい相手ですからね。

と同時に僕らが目指すのは世界に通用するファイターになって、日本のMMAを盛り上げること。なら大きな箱で、大歓声のなかで戦うというのも僕のやりたかったことです。それが叶えば、悔いなく日本を発つことができます。だから……POUNDSTORMでPRIDEを再現したい。そして世界へ行きます」

──これまでの2年、中村倫也という選手に関して出稽古先から『極めましたよ』、『いうほどじゃない』という声が届かなかったわけではないです。デビュー後、この2試合の勝ちっぷりは凄まじのですが、それでもなお『じゃあ、どこまでなんだ?』という疑問の声もあります。

「練習でやられて、勿論悔しかったです。それにここまでの試合を通して実戦経験がそれほど積めてないのも事実です。そういう風に言われることはしょうがないと自分でも理解しています。でも髙谷さんと岡見さんは、過去の試合だけを見てカエタノ戦を組んだのではなくて、僕の練習内容だったり、取り組み方を見て行けると思って組んでくれているわけですし。やっぱり一番近くて見てくれている人の言葉を信じてやるだけです」

──レスラーがテイクダウンしてきたらギロチンだよって、簡単に考えられるような日々は送っていないと。

「世界に発信できる試合だと思っています。米国も含めて。プロ3戦目で、こんなことができる選手が日本にいることを世界に向けて発信できれば、僕だけでなく日本の格闘技界の追い風になると思っています。日本のMMAが見直されるきっかけになる。ネクスト堀口恭司が来る──みたいな。そこを見せたいです。この試合をクリアすれば、もっと大きな舞台が待っていると思います」

──それはズバリ、以前から口にしていたコンテンダーシリーズからUFCへということですね。長くて2年以内と年頭に話していました。

「僕が考えているよりも、スピード感がある。そんな風にモノゴトが動いています。だからこそ、そのスピードに置いて行かれない……それだけの努力をして、以前より練習の質も努力自体の質も上がってきています。置いていかれる気はしていないです」

──正直、コンテンダーシリーズ出場の機会があれば勝ち星と契約の可能性は決して低くないと思っています。ただし、そこからUFCで生き残るのは困難。急ぎすぎなくても良いという気もします。

「そうっスね。そうなってみないと分からないですけど……」

──今、ロニー・ローレンスと対峙する自分を想像できますか。

「ハイ。逆にそこに合わせていかないとダメだと思っているので。色々と考えていたことを一度、全部崩して最速のスピードで進んでいかないといけない。そうですね、カエタノ戦まで来ることがデキたので……。過去何試合戦って、何勝しているとか関係ない。そんなことは関係ないという気持ちです。

この試合、この舞台を踏み台にします。まさに看板選手として、経験豊かな世界レベルの選手とメインで戦い──その世界に一歩近づけるか。分岐点となる試合なので絶対に落とせないです。そして、勝利、世界へ行くという気持ちは僕の方が絶対に強いので、そこを見せて格闘DEREAMERSのシーズン1と同様にPOUNDSTORMを良い締めくくりにするだけです」

The post 【POUNDSTORM01】世界に立ち向かうJ-MMAファイター(01)中村倫也「PRIDEを再現し、世界へ行きます」 first appeared on MMAPLANET.