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BELLATOR PFL2021#10 Special クリス・ウェード ブログ モヴリッド・ハイブラエフ 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:10月─その参─ハイブラエフ✖ウェード「嘆いてもしょうがない」

【写真】ハイブラエフの強さ──をどれだけ国内にいて、海外と口にする関係者が理解しているのか (C)PFL

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。

青木が選んだ2021年10月の一番、第三弾は10月27日に行われたPFL2021Championshipからフェザー級決勝=モヴィット・ハイブラエフ✖クリス・ウェード戦について語らおう。


──青木選手が選ぶ10月の一番、最後の試合は何になるでしょうか。

「ハイブラエフ✖クリス・ウェードですね」

──青木選手がかなり注目していたPFLの最終戦でした。

「思ったよりもハイブラエフが強かったです。クリス・ウェードの打撃も押し切ってしまって。レスリングで打撃を押し切る試合って、久しぶりに見ました。ヌルマゴメドフと同じ路線ですよね」

──パンチがテイクダウンの一部に感じます。

「というか押し切っちゃう。ショーン・シャークですよね。あの打撃なしに、テイクダウンもない。チェール・ソネンの文脈です。そこにMMAっぽさがあります。僕はウェードが技術、器用さで誤魔化してしまうと思っていたのですが、偏にテイクダウンとコントロール力でウェードを圧倒しました。

1Rを圧倒し、2Rもそう。5Rあったけど3Rになった時点で、もうウェードが勝てる気はしなかったです」

──一か八かの一発逆もない?

「ハイ。バックで終結していて、危なげなく戦っています。ああなると、もうウェードはきついです」

──以前はダギ(ザイード・フセイン・アサラナリエフ)のような荒々しさとフィニッシュ力もあったのが、ファイトスタイルが少し変わってきました。

「やっぱりATTに行っているからじゃないですかね」

──ATTなのですか。てっきりダゲスタンでやっているものだと思っていました。

「確かパフンピーニャがOur WarriorってSNSでやっていて。そういうことなんだろうなって、僕は思っています」

──あの勝ち方を見ると、どこまで強いのか。楽しみです。

「とはいってもUFCってなるとクリス・ウェードは中堅だったし、そんなに甘い話ではないでしょう」

──PFLで優勝して100万ドルを手にできた。一財を得たわけですし、今後はどういう風になっていくのか。

「でも税金でドンと取られるから、そうでもないと思いますよ。半分取られて、2回勝って1億円が残ったとしてもソレだけでやっていくのは……。僕、最近思うのは、いくら持っていたら安泰っていう考えは無理で。どれだけ自分に価値がつくという考えでないと、しんどいと思います」

──2連覇してUFC行きを画策してならなかったランス・パーマーが今シーズンはまるで精彩を欠きました。ウェルター級で2連覇を達成したブラダボーイに、試合前に2連覇したあとのことを尋ねると『UFCやBellatorと統一戦をしたい』という風には言っていましたが……。

「それって実現しないですよね。UFCはまず絶対にない。そこは選手それぞれのライフスタイルによってくるでしょうね。PFLのフォーマットだから注目される。Bellatorだからプッシュしてもらえて遣り甲斐を感じるという選手もいるだろうし」

──UFCからBellatorやPFLという選手と、UFCを経ていないBellatorやPFLで戦う20代の選手のマインドセットは違うのではないかと。

「あぁ、そこは考えたことがなかったです。もうPFLではやることないなって。それなら1億円がなくても、UFCで戦いたいと。そういうのはあるかもしれないですね」

──日本の選手たちも海外=UFCだとか、RIZINとの関係でBellatorとか、あるいはアジアのONEなのか。海外と口にしても、これだけプロモーションが存在し、それぞれの立ち位置があるなかでUFCを最終目標としていても、いろいろとアプローチの方法があるので理解度を高めないといけないと感じます。

「国内で勝ってもUFCはないし、そこは抑えないといけないですよね。でも国内のフェザー級以上のチャンピオンがPFLで行っても、勝てない。そこら辺はもう憂うことすらなくなってしまいました。

UFCに行きたいとか──発言するのは分かります。ただし色々と見ていなくて、そういうのは……違いますよね。僕は一応、向うでぶっ飛ばされているし、何も知らずに海外って言われても困る……ということすら、最近は思わなくなったかもしれないです。そういうところに達観しつつあります」

──現状の青木選手と20代の日本の選手は立場が違いますしね。彼らがUFCで戦うようになれる日本のMMA界になっていくのか。

「でも、本気に言っているのかってことですよね。話が戻ってしまいますけど、PFLを見ていなくて、LFAが何か知らなくてUFCって言っているけど、僕は本気にしていないです。本気ならもっと知っているはずで。だから、そういう言葉にはまともに向き合っていない。

そこを模索しないことを嘆いてもしょうがないですよ。仮にUFCが無理でもPFLで成功するんだっていうほど格闘技が好きな人は今、どれだけいるのかなって。いないです」

──そうですか……厳しいですね。

「ハイ。そこまで好きな人間はいない。それは仕方ないです。僕はPFLは面白かったけど、当たりはずれのあるフォーマットだと思っているし、これからも面白いモノは追っていきたいです。そんなところです」

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MMA PFL PFL2021#10 ケイラ・ハリソン テイラー・ゴールダード

【PFL2021#10】右を被弾しても、ケイラ・ハリソンの突き抜けた強さ変わらず。腕十字で連覇

<女子ライト級決勝/5分5R>
ケイラ・ハリソン(米国)
Def.2R4分00秒by 腕十字
テイラー・ゴールダード(米国)

ワンツーで前に出るゴールダードが、右オーバーハンドをヒットさせる。組んだケイラはヒザ蹴りをボディに受けながら大内刈りで一瞬にしてテイクダウンを決める。ボディから顔面に左のパンチ、さらに左右のパウンドを打ち込むケイラは、ニーシールドに足を抜いてパスを決める。ニーインベリーをハーフに戻したゴールダードだが、キムラ・アームロックを狙われる。アメリカーナに移行したケイラは、腕に拘らずマウントに移行する。背中を見せたゴールダードをワンフックで制したケイラが、前方に潰していく。首を許さないゴールダードに対し、ケイラは仰向けになりワンフックのままトップに戻る。

肩固め狙いを半身で防いだゴールダードは、反時計回りで逆側から抑えを狙ったケイラをガードに入れる。腰を越したケイラは勢いのあるパンチを落とすが、足を払ってのパンチを狙ったところでゴールダードがスタンドに戻る。残り30秒、パンチから組んだケイラは見事な払い腰でゴールダードを投げ、袈裟で抑えて初回を終えた。

2R、ローに右を合わせようとするゴールダード。ケイラは左を伸ばし、一旦離れて飛び込んで左を狙う。右前蹴りを見せたケイラは、左ハイからパンチで距離が詰めクリンチ、小内刈りでテイクダウンを決める。

クローズドのゴールダードを殴り、ガードが開くとハーフで抑えつつ左のパンチを打ち込むケイラがZガードを無力化させ、マウントを奪取する。抱えられた頭を抜いたケイラは、下を向いたゴールダードにパンチを連打し、亀に戻り上を向いたゴールダードからマウントを取り直す。ケイラは余裕を持って腕十字を仕掛け、クラッチを切って右腕を伸ばしタップを奪った。

2019年に続き2度目の女子ライト級の頂点にぶっちぎりの強さで立ったケイラは「右を振るって良いゲームプランだったわ。ただ、何があっても私はグラップルするだけ(笑)。まず子供たちとバケーションを取って、可能な限り直ぐにジムに戻るわ」と颯爽と話した。


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BELLATOR MMA PFL PFL2021#10 UFC キック ベラトール マゴメド・マゴメドカリモフ レイ・クーパー3世

【PFL2021#10】ブラダボーイ、逆転KOでリベンジと2連覇達成。「UFC、Bellator王者と統一戦を!!」

【写真】2度目の戴冠。ベラトールも含めた統一戦は難しいだろうが、UFCで見たい選手になったのは絶対だ(C)PFL

<ウェルター級決勝/5分5R>
レイ・クーパー3世(米国)
Def.3R3分02秒by TKO
マゴメド・マゴメドカリモフ(ロシア)

2018年王者のマゴメドカリモフと、2019年王者ブラダボーイの──2018年の再戦となった──ファイナル。長身、リーチで上回るマゴメドカリモフが右ローを蹴る。左ジャブを入れたブラダボーイは前足を左右の蹴りで狙われる。そのマゴメドカリモフのインサイドローが急所に入り試合が中断される。再開後、ワンツーを振るって前に出るブラダボーイだが、組みついたマゴメドカリモフがボディロックテイクダウンを決める。

ハーフで抑えるマゴメドカリモフは枕で圧力を掛ける。ブラダボーイはバタフライガードを取り、ダブルアンダーフックでマゴメドカリモフを揺さぶる。クローズドになった直後、左のパンチを入れたマゴメドカリモフは、微妙にスペースを作りながら抑える。両ワキを差して殴らせないブラダボーイ、残り80秒でレフェリーがブレイクを命じた。

試合がスタンドに戻ると、マゴメドカリモフの右ストレートからの組みにクーパーが右を打っていく。ダブルジャブをバックステップでかわしたマゴメドカリモフが、右ローを蹴って時間となった。

2R、左ジャブから足を取るフェイクを見せたマゴメドカリモフに、ブラダボーイがボディストレートから右を伸ばす。さらに左リードフックを振るうクーパーは、ヒザ蹴りにも右を振るってテイクダウンへ。

マゴメドカリモフはギロチンの仕掛けを外し、ケージに押し込まれた状態でダブルレッグで倒される。初回と逆の状況で、マゴメドカリモフがキムラクラッチ、ギロチンという仕掛けを下から見せる。

クーパーは立ち上がりガードを開くが、マゴメドカリモフがクローズドに戻す。腰を上げ、足を一本抜いたブラダボーイはボディロックで抑えつつ、左のパウンドを打ちつける。左のパンチを嫌がり、背中をつけたマゴメドカリモフは右のパウンドを被弾し肩固めをセットされる。

自ら技を解いたブラダボーイが左のパンチを続ける。背中をつけた状態が続いたマゴメドカリモフは、下のままでラウンドを終えクーパーがラウンドを取り返した。

3R、鋭い右ローを蹴ったマゴメドカリモフに対し、左ジャブから距離を詰めるクーパーが左ボディストレートを入れる。ジャブの差し合いから右を決めたマゴメドカリモフだが、アッパーにダブルレッグを合わされテイクダウンを許す。すぐに立ち上がったマゴメドカリモフは胸を合わせて離れると左右のパンチを伸ばす。組みを切られたブラダボーイは、ヒザ蹴りから左右のフックを受け、動きが止まる。さらにヒザ蹴り、組みにはギロチンを狙ったマゴメドカリモフは、外してジャブを連続で伸ばす。

ケージを背負うブラダボーイは右ストレートを被弾、左フックを返すがまだダメージは残っている。と右アッパーに右オーバーハンドをブラダボーイが入れ、もんどりうつように頭が揺れたマゴメドカリモフ。ブラダボーイは直後に右オーバーハンドを打ち抜き、マゴメドカリモフが後方に崩れ落ち、パウンド2発で勝負は決した。

「どの局面でも僕の方が上だと言ったはずだ。前と違う試合になった。良かったよ。レッグキックは強かった。子供の頃からチェーンレスリングをやってきた。18歳で州王者になり、ずっとレスリングとあった。良いパンチも貰ったけど、機会を待っていた。そしてKOした。僕がベストだ。UFCチャンピオン、Bellatorチャンピオンと統一戦をしたい。僕が全てを取る」とレイ・ブラダボーイ・クーパーは話した。


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MMA PFL PFL2021#10 アビゲイル・モンテス クラレッサ・シールズ

【PFL2021#10】クラレッサ・シールズ、MMAに対応もTDを防ぎきれずプロ2戦目でモンテスに判定負け

<女子ライト級/5分3R>
アビゲイル・モンテス(メキシコ)
Def.2-1:29-28.29-28.28-29
クラレッサ・シールズ(米国)

右に回るモンテスにローを蹴り、ジャブを伸ばすシールズ。モンテスもローを返して、右回りを続ける。蹴りの距離で右を見せたシールズは、素早いジャブを伸ばすが前足を蹴られる。踏み込んでパンチの連打を繰り出したシールズ。ややテレフォン気味のパンチから試合はクリンチの展開に。押し込むシールズがボディロックでポジションを入れ替えられる。

頭を押して懸命に離れようとするシールズに対して、モンテスは必死に頭をつけていく。シングルレッグもウィザーで耐え、シールズはテイクダウンを許さないまま終盤に右を被弾してラウンド終了となった。

2R、ジャブのシールズに対し、ローのモンテス。シールズは飛び込んで右を振るうが、完全に力が入ってしまっており、モンテスが組んでケージに押し込む。ボディや顔に駒かいパンチを入れたシールズは、バックを許すもすぐに胸を合わせる。回って離れたシールズは、右を当てる。さらに右から左というコンビを見せるが、右オーバーハンドにダブルレッグを合わされガードを強いられる。

ケージに押し込まれ、クローズドを解いたシールズはパンチを打たれながら懸命に立ち上がろうとする。腰を抱えて許さないモンテスに対し、首を押して立ち上がったシールズだったがケージに押し込まれた展開のまま時間を迎え、ラウンドを失った。

最終回、シールズはローを蹴り、ワンツーへ。蹴りで上体を反らさせようとしたモンテスだが、ここで右を被弾する。懸命に組んできたモンテスを、小手で崩そうとしたシールズだが、ここもケージに押し込まれてしまう。差し上げテイクダウンを防ぎ、逆にボディロックからテイクダウンを狙ったシールズは、ケージに押し込んだ状態から間合を取り直す。

右オーバーハンド、左ジャブも右ストレートが大振りとなり、モンテスがダブルレッグを決める。残り2分、ハーフガードのシールズは下が続くと厳しい。ひたすら抑え、左のパンチを打っていくモンテスが状態を起こしてパンチから、対にマウントを奪取する。

左右のパンチを連打したモンテスが、このまま3Rを戦い切り健闘を称え合った直後にシールズはFワードを叫んだ。なんとジャッジ1人はシールズを支持という考えられない裁定を下したが、他の2人の票を得たモンテスが無事判定勝ちを手にした。シールズはコール後には、敗北を受け入れたように悔しい表情こそ浮かべたが、笑顔でモンテスを讃えた。


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MMA PFL PFL2021#10 アンテ・デリア ブルーノ・カッペローザ

【PFL2021#10】バチバチの展開から一転、音無しの終盤3Rをまとめたカッペローザがヘビー級制す

【写真】逆転負けのピンチも乗り越え、しっかりと終盤を戦ったカッペローザは王座戴冠と賞金獲得に涙を流した(C)PFL

<ヘビー級決勝/5分5R>
ブルーノ・カッペローザ(ブラジル)
Def.3-0:49-45.49-45.48-47
アンテ・デリア(クロアチア)

開始直後のダブルレッグを切ったカッペローザが、デリアに右を打ち込みダウンを奪う。パウンドの追撃をかけるカッペローザを懸命にクローズドガードで制したデリアだが、立ち上がったカッペローザがパンチを連続で落とす。

パンチに顔を覆ったデリアは、何とか足をきかせ、ハーフから両腕を差していく。腕を抜いてハーフで殴るカッペローザは、細かいパンチを続ける。肩固めを察知したデリアは頭を引き寄せて、防御に徹する。構わず右のパンチを落とすカッペローザが、再度肩固めを狙いつつ足を抜いてマウントへ。残り50秒、肩固めに入ったカッペローザだが、組みを解いてパンチに切り替える。とブリッジでリバーサルに成功したデリアが立ち上がり、フックを振るってダブルレッグへ。ケージを背負ったカッペローザがテイクダウンは許さず、ポイントでは圧倒もデリアは終わっていないことを示すラウンド終盤となった。

2R、またも真っ直ぐ飛び込んだダブルレッグを切られたデリアは、ケージに押し込まれた状態でリリースされた直後のダブルレッグを軽々とスプロールされる。カッペローザが離れてワンツーもデリアが右フックを打ちこみ、動きが止まったカッペローザをテイクダウンし、ハーフから鉄槌を連打する。

息を整えながら鉄槌を落とし、抑えるデリアに対し、カッペローザも動けない。デリアはパスから上四方、ノースサウスチョークを防いだカッペローザがアナコンダチョークがすっぽ抜けて体だけが回転したデリアのバックを取り、パンチを連打する。

亀&ワンフックでパンチを続けるカッペローザが、両足をフックし背中を伸ばしつつパンチを打つ。仰向けになったカッペローザだが、時間はなくローラーコースターのような上下を繰り返したラウンドが終わった。

3R、左ジャブを突くがワンツー、ボディを入れ止まったデリアにヒザ蹴り、ボディ、フックを連打する。勝負有りかと思われた刹那、猛然とフックを打ち返したデリアがダブルレッグへ。ケージに押し込まれたカッペローザは、体を入れ替えてシングルへ。ここから頭をあげたカッペローザが、小外刈りもテイクダウンは奪えない。続くダブルレッグも耐えたデリアも動きはなく、残り1分40秒でレフェリーがブレイクを命じる。

デリアはダブルレッグを切られ、試合は立ちの展開に。パンチを見せて組んでいくデリアだが、押し込めてもテイクダウンは奪えないまま動きがなくなった5分が終わった。

4R、ワンツーのカッペローザはテイクダウン狙いを切って、バックに回りワンフックで耳の辺りにパンチを打ち込む。殴られながら立ち上がったデリアは、ケージまで移動して胸を合わせる。両者とも、完全に緩慢な動きとなりケージ相撲の様相を呈してくる。残り3分を前に離れたカッペローザだが、デリアはひたすら組んでケージに押し込むと、ついにテイクダウンを決める。

ハーフのカッペローザは手首を掴んで必至に防御するが、振り払ったデリアが枕で固め、頭をあげると鉄槌を打っていく。ケージを利して立ち上がったカッペローザは離れて、ダブルレッグを切ると逆にケージに押し込み時間に。

最終回、カッペローザが右ロー、左伸ばして組んでケージにデリアを押し込む。このままクリンチが続くかと思われたが、カッペローザはダブルレッグでテイクダウを奪う。デリアはクローズドガードを取るが、カッペローザが右足を抜く。十分な形で抑え、殴るカッペローザは半身のデリアが腹ばいになるとバックへ。

前方に落としたデリアだが、カッペローザは直後に起き上りダブルレッグでケージにプッシュする。完全な消耗戦、動きが少ない試合となり、デリアも反撃──最後の一発逆転狙いという展開にすら持ちこめないまま、大きくデリアを抱え上げたカッペローザがスラムを決める。ひたすらサバイブに徹するデリアに最後はパンチをまとめたカッペローザが、渋い試合で判定勝ちを収め、ヘビー級王者となった。


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PFL PFL2021#10 Report クリス・ウェード ブログ モヴリッド・ハイブラエフ

【PFL2021#10】打撃もレスリングの一部。ハイブラエフがウェードを完全コントロールしフェザー級の頂点に

<フェザー級決勝/5分5R>
モヴィッド・ハイブラエフ(ロシア)
Def.3-0:50-45.50-45.50-45
クリス・ウェード(米国)

スイッチを見せるウェードに対し、ハイブラエフが左オーバーハンドも距離が合わない。右のパンチを振りが大きいハイブラエフにウェードが前蹴りを放つ。右から左ロングを当てたハイブラエフが、左オーバーハンドを入れる。さらにフックを耳の辺りに受けたウェードが姿勢を乱し、ハイブラエフが組んでケージに押し込む。右腕を差したハイブラエフはバックを伺うが、ウェードが対応。大内刈りも反応したウェードだったが、直後に左右のフックを受けて組みつかれケージを背負わされる。

組みの圧力が、打撃に生きるハイブラエフに対し、すぐに立ち上がったウェードがクリンチにヒザを返すも、再び前方に送り出されワキを潜られるとバックを許す。ハイブラエフは両足をフックしてバックグラブを完成し初回を取った。

2R、右ローを蹴ったハイブラエフが、ウェードのハイをかわしてフックからボディロック、ここもケージに押し込んでいく。ウェードは組み勝てず、ヒザを返す展開が続く。残り3分30秒でレフェリーがブレイクを命じ、ハイブラエフが左をヒットさせる。続いて右も入れたハイブラエフは、ウェードの右を被弾してもさらに右を打ち返す。続いて右を振ってからのディロックでバックに回ったハイブラエフが、正対したウェードをケージに押し込む。

体を入れ替えたウェードだが、左を良い形で差せずケージに押し込み返される。ハイブラエフがヒザを打った直後に離れたウェード、ヒザでカットし流血が目立ち小手を決めた内股でテイクダウンを取られるとバックを許して2Rも失った。

3R、ローを蹴り合った両者。飛び込んでの左のフックからハイブラエフが組みつき、ボディロックでテイクダウン狙いからバックへ。正対して起き上ったウェードに対し、ワキを潜ったハイブラエフがまたもバックに回る。正対してオーバーフックのウェードは、金網を背負う展開が続く。右腕を差して体を入れ替えたウェードは、シングルレッグ~アンクルピック狙いも、手首を掴まれテイクダウンを取れない。

ハイブラエフが右を差し返し、体を入れ替えるもレフェリーがここもブレイクを命じる。打撃戦でハイブラエフの圧負けするウェードが、直ぐに組まれバックを取られる。キムラ取れず、スイッチもできないウェードが組み負けた展開を強いられる。片ヒザをついたウェードは、簡単に両足のフックを許して3連続でラウンドを落とした。

4R、右オーバーハンドを見せてからのダブルレッグテイクダウンを早々に決めたハイブラエフは、リバーサルを潰してトップを維持する。ウェードはガードを取りキムラクラッチもバックを許して両足をフックされる。上って腰をずらそうとするウェードを制するハイブラエフは、胸を合わせに来られると自ら立ち上がって先手を打ちトップをキープ。スクランブルでバックを取られ返したウェードは、組みで完全に封じ込まれる。

それでもウェードが何とか胸を合わせたと思った直後に、ハイブラエフはレッスルアップからシングルレッグで譲らず、ギロチンも防いでトップのままラウンド終了──最後の5分を迎えることとなった。

最終回、チェーンレスリングでウェードを制し続けてきたハイブラエフは、ウェードの跳びヒザに左右のフック、そしてダブルレッグでケージに押し込みテイクダウンを決める。蛇に睨まれた蛙状態でハイブラエフの動きを止めることが一切できないウェードは、バックを制され時間が過ぎていく。

無理をする必要はないハイブラエフのケージ際でのバックコントロールが続き、試合は残り2分を切る。キムラの仕掛けも功を奏さず背中に張り付かれたままのウェードは前転から足関節を狙う。足をクロスしてディフェンスしたハイブラエフが後方から殴り、ヒザを畳もうとする。爪先に鉄槌という原始的な動きで足を取ろうしたウェードだが、結局思い通りにいかない25分が終わり──、ジャッジ3者が50-45をつける大勝で、ハイブラエフが2021年ウェルター級ウィナーとなった。


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MMA PFL PFL2021#10 アントニオ・カルロス・ジュニオール マールシン・ハムレット

【PFL2021#10】2021年ライトヘビー級世界王者は、RNCを極めたアントニオ・カルロス・ジュニオール

【写真】ハムレットな無茶な振りほどき方にしっかり対処したカーロスJr(C)PFL

<ライトヘビー級決勝/5分5R>
アントニオ・カルロス・ジュニオール(ブラジル)
Def.1R3分49秒by RNC
マールシン・ハムレット(ノルウェー)

ジャブを伸ばすジュニオールに対し、ハムレットが左フックを返す。間合いの測り合いのなかでジュニオールがジャブ、ハムレットはローとフックを繰り出す。ジュニオールはハムレットのジャブを叩き、距離を測る。左フックを足が揃い、バランスを乱したジュニオールが尻もちをつく。すぐに立ち上がったジュニオールが、ケージに押し込まれても回って離れジャブ&右ストレートを伸ばす。

間合いはジュニオール、ジャブを当てボディストレート。蹴り足を掴んだハムレットはリリースして距離を取りなす。テイクダウンの機会を伺うハムレットは右ロー、左に回りながら組みのフェイクを見せたが、逆にジュニオールがダブルレッグでテイクダウンを奪い、スクランブルでバックに回る。スピンして振り落とそうとしたハムレットは、防御がおろそかになりジュニオールがRNCをセットアップし後方に倒れ込み──タップを奪った。


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PFL PFL2021#10 Report ハウシュ・マンフィオ ブログ ロイック・ラジャボフ

【PFL2021#10】ヒザ蹴り、ボディショット。腹攻めでラジャポフを削ったマンフィオがライト級王者に

【写真】ATTの盟友ナタン・シュルチの2連覇に続き、PFL世界王者となったマンフィオ(C)PFL

<ライト級決勝/5分5R>
ハウシュ・マンフィオ(ブラジル)
Def.3-049-46.:48-47.48-47
ロイック・ラジャポフ(タジキスタン)

ラジャポフのローにワンツーを合わせていくマンフィオ。ラジャポフはローを続け、フックを受けそうになる。さらにマンフィオは左ローにワンツーを入れる。ラジャポフは組みを選択するが、押し返され自ら離れる。マンフィオはワンツーを続け、ラジャポフの前進にはバックステップで距離を取る。

ラジャポフは荒いフックで距離を詰め、そのフックを入れて組みつくとボディにパンチを連打する。離れたラジャポフはマンフィオの右ストレートにもジャブで前に出る。マンフィオはワンツー、右ローで体を一回転させたラジャポフが組んでケージへ。体を入れ替えた離れたマンフィオが左ハイからワンツー、ラジャポフも右を返す。ラジャポフの右オーバーハンドに組みついたマンフィオがバックに回り時間となった。

2R、互いにワンツー貴重で前に出るなか、マンフィオがヒザをラジャポフの顔面に入れる。ラジャポフの右オーバーハンドに組んだマンフィオはすぐに離れ、ワンツー、右オーバーハンドを放つ。ラジャポフも右を入れて組みつく。間合いを取り直すと、勢いを増したラジャポフだが、ローで崩される。右ローを続けるマンフィオがワンツー、ラジャポフも右を返す。

ラジャポフの後ろ回し蹴りをかわしたマンフィオも右の振りが大きくなっている。ラジャポフの右カーフをチェックしたマンフィオは、後ろ回し蹴りをしっかりと見ているが、手数が少なくなっている。それでもカーフを効かせたマンフィオが左ミドルを決めて、この回も取った。

3R開始直後の接近戦で首相撲からヒザを見せたラジャポフが、離れてからも右を当てる。ラジャポフも前に出るが、空振りが続く。それでも前に出続け、ケージに詰まったマンフィオに右を打ちこんだラジャポフ。マンフィオは左に回りながらヒザ蹴り、右を見せる。ラジャポフは右と左を連続で決め、軽快に攻めていたマンフィオがスタミナの調整ラウンドとしているか。

2分を切りミドルからフックを入れたマンフィオだが、ついにダブルレッグでテイクダウンを奪われる。スクランブルにもシングルを続けたラジャポフに対し、離れたマンフィオがクリンチを選択しボディにヒザを突き上げる。拳の勢いはラジャポフに移り、守りのマンフィオを足払いで崩して時間となった。

4R、ジャブから右を伸ばす両者。フックを当てて前に出るラジャポフは、ヒザを受けてもダブルレッグを決める。マンフィオがすぐに立ち上がり、左を被弾。それでも左ミドルを連続でいれ、動きが落ちたラジャポフに右を打ち込む。続いて右ストレートボディ、前蹴りと腹を攻められるラジャポフがクリンチにも、ヒザを腹に2つ受ける。さらに右ミドル、ヒザ蹴りと腹攻めを続けるマンフィオは、ラジャポフに右ボディフックから首相撲&ヒザと攻撃の手を緩めない。

腹から顔面に標的を変えてヒザを突き上げるマンフィオが、ケージを背負うラジャポフに右ミドル、首相撲&足払いと一方的に攻める。ガードも下がったラジャポフは左フックを空振りし、歩くようにケージ際まで下がる。マンフィオはヒザ蹴り、ボディショットから足払い。立ち上がったラジャポフに左フックを放つ。マンフィオは首相撲からのヒザ蹴りを続け、限りなく100万ドルに近づく4Rとした。

最終回、ラジャポフが右オーバーハンドを当て、ショートのコンビで前に出る。首相撲で前進の遮断をはかったマンフィオは、離れて左に回る。逆転にはフィニッシュしかないラジャポフは、ここでも腹を攻められるが左右のフックを打ち込む。と、クリンチで大内刈りを決めたマンフィオは、スクランブルでもヒザを突き刺す。互いに足払いのようなローを繰り出し、マンフィオはラジャポフのシングルを切る。

ラジャポフは首相撲にアッパーを返すが、もう逆転を狙うだけの余力が残っていないか。残り1分を切り、マンフィオが右を当てヒザ蹴りからケージに移動し時間の経過を待つ。

残り30秒、最後の力を振り絞れたのはマンフィオで首相撲&ヒザを3発放ちタイムアップを迎えた。当然ジャッジの裁定はマンフィオで、PFL2021年ライト級のベルトを肩に巻き、100万ドルの小切手を手に涙した。 


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【PFL2021#10】UFCから転じたアクメドフは2Rの攻勢で消耗。ジョーダン・ヤングに逆転TKO負け

【写真】2RにRNCの形まで行って、凌がれるとアクメドフの動きは急停止状態に。3Rは動けないなかでパンチを振るってヤングの餌食となった(C)PFL

<ライトヘビー級/5分3R>
ジョーダン・ヤング(米国)
Def.3R1分32秒by TKO
オマリ・アクメドフ(ロシア)

UFCからPFLに転じ、階級を上げたアクメドフが左右のロー、右を見せて組みつく。シングルからバックに回ったアクメドフは、ケージにヤングを押し込みダブルレッグへ。ケージを背負って防いだヤングが、アクメドフに力を使わせた形で試合は打撃の間合いに戻った。

カーフから左右のフックを振るうアクメドフが、ワンツー&ジャブを続ける。メージを背負ったヤングは、ボディを殴られボディロックからリフト、スラムでテイクダウンを許す。ウィザーで立ち上がろうとするヤングの右足を挟み、ボディと顔面をアクメドフが殴り続ける。ヤングは胸を合わせて立ち上がると、離れたアクメドフにローを蹴る。そのままラウンド終了となり、アクメドフがリードした。

2R、序盤の打撃の間合いで右カーフを効かされ、ヒザをマットに着いたヤング。すかさずバックに回ったアクメドフがスタンドの状態で両足をフックする。ヒザをついた状態から背中を伸ばされそうになるヤングが、懸命に上体を起こす。アクメドフはRNCをセットして背中を伸ばすが、上を向いてルーズにさせたヤングがダブルレッグからレッスルアップでアクメドフをケージに押し込む。

回って離れたアクメドフはジャブを受け、右オーバーハンドを返しカーフを蹴る。ワンツーを被弾し、動きが一瞬止まったアクメドフはダブルでドライブし時間に。口を開けて自陣に戻った。

最終回、初回と2Rと共に力を使う展開でポイントを取ったアクメドフが、まず右カーフを蹴る。ヤングはジャブを伸ばし、圧を掛ける。アクメドフのフックにワンツーを入れたヤングが右アッパー、パンチを振るうとバランスを崩すアクメドフにパンチを続け、右ストレートをヒット。足が泳ぐアクメドフはアッパーを被弾し、ダブルレッグも切られてスタンドへ戻る。アクメドフは直後に右アッパーを打ち抜かれ腰から崩れ落ち──パウンドを一発受けたところでレフェリーが試合を止めた。


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BELLATOR MMA PFL PFL2021#10 ケイトリン・ヤング ジュリア・バッド ブログ

【PFL2021#10】元Bellator女子フェザー級王者バッドがヤングをドミネイト&フルマークの判定勝ち

【写真】テイクダウンを織り交ぜ、トップ支配でバッドがヤングを下した (C)PFL

<女子ライト級/5分3R>
ジュリア・バッド(カナダ)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27
ケイトリン・ヤング(米国)

まずバッドが左前蹴りを繰り出し、クリンチの攻防でヤングがヒザを入れる。ボディにヒザを返したバッドが離れ、ヤングが左ローを蹴っていく。さらに左ジャブを当てたヤングに対し、バッドが右を伸ばす。ローに左ジャブを当てていくバッドは、首相撲からダーティボクシング、ヤングはヒザを見せる。離れて両者、バッドがワンツーを2度見せ、ローをチェックする。

ヤングのステップジャブ、さらに左リードフックを受けたバッドはさらにワンツーを貰う。自らのローでバランスを崩したヤングがすぐに立ち上がり、右を伸ばす。間合いの取り合いのなかでバッドは残り50秒になるとダブルレッグでテイクダウンを決める。1度はハーフになったヤングが足を戻してクローズトを取り時間となった。

2R、近い距離での打撃の交換からクリンチの展開になり、ヤングがワキを潜ってバックに回りバッドを押し離す。右フックを空振りしたバッドは、再びクリンチ戦になり組み勝てない。離れた直後に右ローを蹴り、首相撲&ヒザ蹴りを見せたバッドがもう1度ローを蹴り込む。前足を効かされた感のあるヤングだが、ここでワンツーにニータップを合わせてテイクダウンを奪う。

ブリッジ、腕十字を取らさず最後はシングルレッグでリバーサルを決めたバッドがトップへ、ケージにヤングを押し込んだバッドの抑え込みが続く。そのままハーフでラウンドを終えたバッドだが、倒してからの効果的なパウンドは見られなかった。

最終回、ワンツーで前出でるヤング、ダブルレッグをスプロールしきれずテイクダウンを取られる。ヤングのクローズドが相手も足を絡ませていたバッドは、腕十字を潰して担ぎパスを決める。サイドで抑えられたヤングは、マウント狙いに足を戻す。バッドはパンチを落としながらガードの中に収まる。

左足を抜き、ハーフのバッドが抑えて左右のパンチ。ヤングは足を戻すが、スクランブルに持ち込めない。バッドはハーフ&枕で絞めていき肩固めに移行する。

時間まで耐えたバッドが最終回を完全にドミネイトした。

結果的に3Rともトップでラウンド終了を迎えたバッドが、PFL独自のパフォーマスレーティングでも全ラウンドを取っており、フルマークでバッドがPFL初勝利を挙げランス・ギブソンJr&Srと勝利を喜んだ。


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