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【UFC ESPN60】17カ月振りの実戦、チェ・ドゥホ「喜んでもらえる試合をするという本質は変わりません」

【写真】いつまでも若々しい、チェ・ドゥホだ(C)MMAPLANET

20日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFC on ESPN60「Lemos vs Jandiroba」が開催され、韓国からパク・ジュンヨン、チェ・スンウ、イ・ジュンヨンとともにチェ・ドゥホが出場する。
Text by Shojiro Kameike

古き良き(?)日韓MMA関係の時代にプロになり、DEEPからUFCにステップアップを果たしたKorean Super Boyも33歳んあった。その激しいファイトの代償は小さくなく、UFC在籍が10年目となったが──韓国人男子なら避けることができない兵役期間もあり──この間7試合がしか戦っていない。

それでも、誰もが忘れることがないカブ・スワンソンの激闘など、まさに記録よりも記憶に残る戦いを続けてきたチェ・ドゥホ。1年5カ月振りの実戦前にインタビューを試みた。


人生を左右する選択をする瞬間。その都度、自分はやりたい方を選んできました

──チェ・ドゥホ選手、ご無沙汰しております。

「お久しぶりです(笑)」

──今週末にビル・アレジオと1年5カ月振りの試合が控えています。今の体調を教えてください。

「コンディションは過去最強です。減量の方も計画通りに進んでいます。良い試合を見てもらうことができると思います」

──チェ・ドゥホ選手は2014年にUFCと契約しましたが、2017年から試合数が年に1試合となり、2019年から2023年2月までは完全なブランクがありました。この辺りの事情を改めてご本人の口から説明をしていただけないでしょうか。

「一番大きな問題は兵役でした。自分の場合は代替服務をすることになっていたのですが、どのような代替服務に就くのか決定するのに時間が要してしまったんです。その間は海外に行くことができないという韓国の法律もあって、2019年から2021年まで海外で試合をすることができなかったです。

結果的に2022年に代替服務を終え、試合ができる状態になったのですが、ケガもあって去年まで試合ができませんでした」

──兵役はもちろん韓国の男性の誰もが就かないといけない制度、MMAファイターにとってもキャリアアップに非常に影響を及ぼします。それぞれの事情があり軽々しく言えないのですが、一瞬でも10代のうちに済ませておけばというような考えを持つことはなかったでしょうか。

「確かにそういう風に考えたこともあります。同時に、早い時期に兵役に就いていたら序盤のキャリアが変わっていて、UFCで戦うことができなかったかもしれないです。なので試合ができないときも、自分のキャリアや現状をポジティブに考えるようにしていました。

人生を左右する選択をする瞬間が、人間にはあると思います。その都度、自分はやりたい方を選んできました。その結果が間違っていたかもと、後悔もしました。ただし、今となってはやはり自分の想う選択をして良かったと思えることもままあります。

本当に色々あったのですが、MMAキャリアを振り返るとカブ・スワンソン戦がそうなります。あの試合で判定負けをして、本当に悔しくてたまらなかったです。『なぜ、負けたのか』、『そもそも、どうしてオファーを受けたのか』という風にも考えました。でも今となっては、あの試合によって世界中の人に自分のことを知ってもらうことができ、応援してくれる人が増えました。

何よりUFCの殿堂入りまで果せて、カブ・スワンソンと戦ったことは間違っていなかったと今では自信を持って言えます」

──今や伝説のカブ・スワンソンもそうですし、チェ・ドゥホ選手は毎試合のように激しい試合を繰り広げます。結果、アジアでは倒し切れた戦いも、そうでなく反撃を受ける。なのでエキサイティングな試合になるのですが、ダメージの蓄積も心配ですし、試合結果としてUFCでは勝敗の数も五分です。その辺りを踏まえて、スタイルチェンジを考慮することはありましたか。

「もちろん、戦い方の細部においては見直すことは必要です。ただし、ファンに喜んでもらえる試合をするという本質は変わりません。UFCは五輪スポーツのようなアマチュアではないです。ファンに楽しんでもらうことが一番大切です。

自分自身がファンの時、PRIDEやK-1を見た時のドキドキと興奮を今も覚えています。あの時のPRIDEやK-1の選手のような戦いをファンに見せたい。勝ち負け以上に、今も拘っているのはそこです」

──では今週末の試合も激しい試合になりそうですね。

「自分としては、そういう試合がしたいです。ただし、試合が盛り上がるかどうかは拍手と同じで、両手で思い切り叩き合わないと大きな音は出せないです。だから対戦相手がどのような気持ちで戦ってくるかですね(笑)」

──長身でリーチがあり、独特の打撃の持ち主でテイクダウンもできます。

「ストライカーだとは思っています。テイクダウンとグラップリングもできる、ストライカーですね。彼の組み技を軽視するわけではないですが、グラップリングやレスリングは自分の方が上です。なので、打撃中心のファイトになると予想しています」

──そんな今回の試合ですが、どこで準備をしてきたのでしょうか。

「所属はプサンのチーム MADのままで、今も練習をしています。ただ今回の試合に向けては、初めて対策練習やコンディショニングとストレングスをジョン・チャンソンさんのコリアンゾンビMMAで集中トレーニングを行いました」

──韓国も若い世代が育っています。同様に米国で練習をするのもMMA界の常識になりつつあります。国内と海外での練習、どのようにチェ・ドゥホ選手は考えていますか。

「チームMADやコリアンゾンビMMAでの練習を通じて、韓国のMMAのレベルは相当に上がっていることを実感しています。だからといって韓国内か海外という風に二極化することなく、柔軟に考えています。国内でも十分な練習ができています。その上で海外で練習ができる状況が整えば、ジョン・チャンソンさんも行っていたアリゾナのFight Readyでトレーニングすることを考えています」

MMAPLANETでの初インタビューは2010年10月のソウルのバスターミナルで行ったもの。前夜のK-1 MAXにチームメイトが出場し、クミに戻る彼をキャッチ。同月30日に戦極で金原正徳戦が決まっていたが、ドゥホの負傷でキャンセルされインタビューはお蔵入りとなった

──33歳になったKOREAM SUPER BOY。それでも米国では学生と間違えられるのではないかという若々しさを保っているなかで、やはり言葉を聞くと大人になりましたね(笑)。

「MMAで飯を食うようになって長くなったなぁと自分でも思います(笑)。凄く腰が悪くて、試合ができるのかと思ってDEEPで石田光洋選手と戦ったのが、もう13年も前です(笑)。本当に日本で戦っていた時は、自分の人生のなかでも特別な時間です。そして日本のファンは、今もずっと応援してくれて本当に感謝しています」

──では、そんな日本のファンに一言お願いできますか。

「自分はRRIDEやK-1、DREAMで試合をしたいと思ってプロファイターになりました。KOREAN SUPER BOYというニックネームも日本のファンにつけてもらいました。日本のファンは自分にとって、ずっと大切な存在です。これからも応援してください」

■Pancrase346視聴方法(予定)
7月21日(日)
午前6時00分~UFC Fight Pass
午後5時45分~U-NEXT

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45 DEEP DEEP JEWELS MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase346 RIZIN YouTube パンクラス ボクシング ライカ 杉山しずか 海外 重田ホノカ

【Pancrase346】重田ホノカに挑戦、杉山しずか「今の若い子たちは最初から答えをもらっているから」

【写真】サラリと、意地が感じられる言葉を発していた(C)MMAPLANET

21日(日)、東京都の立川ステージガーデンで開催されるPancrase346で、杉山しずかがフライ級QOPの重田ホノカに挑戦する。
Text by Shojiro Kameike

プロデビュー4戦めでベルトを巻いた重田にとっては、この試合が初防衛戦となる。対する杉山しずかは2008年のプロデビューで、これまで2度DEEPJewelsの王座決定戦に臨みながら、チャンスをモノにできなかった。改めてパンクラスで掴んだベルト挑戦のチャンス。重田ホノカとともにタイトルマッチ調印式に出席した直後の杉山に、2年のブランクとパンクラス参戦の経緯——そしてベルトへの想いを訊いた。


――先ほど記者会見が終わりました。「スーパー挑戦者」杉山しずか選手です。

「皆さん、その言葉に反応していましたね。それほどピックアップされる言葉だとは思っていませんでした(笑)」

――記事の見出しとして使いやすいと思います(笑)。「スーパー挑戦者」というのはチャンピオンより自分のほうが格上、という気持ちがあるのでしょうか。

「う~ん……、そういう気持ちはないですよ。『格の違いを見せる』とか驕ってはいないけど、『失敗は許されない』とは思っています」

――「失敗は許されない」とは?

「全局面で『ヒィっ!』と言わせるぐらいのパフォーマンスを見せないと、ベルトは獲れないと思うので。それは重田選手が相手ではなく、どんな相手も同じですね」

――前回のライカ戦も、一つのミスも許されない試合でしたか。

「そうですね。やっぱり元ボクシングの世界チャンピオンなので、打撃をもらわないように」

――そのためかライカ選手よりも杉山選手のほうが、常に先に手を出していました。

「攻撃は最大の防御でもあるし、もともと私がライカ選手より打撃の面で劣っているとも思っていなかったです。だから『打撃を使わない』という選択はなかったですね」

――元ボクシング世界王者に対して、打撃で圧をかけ、良い形で組むことができていた。それだけ自分の中で、MMAとして進化している実感はありますか。

「うん、あります! 前回の試合はその成功例ですね。毎回、試合ではトライしているけど作戦ミスがあったりして、負けることもありました。勝っても判定がスプリットになったりとか。相手との相性もあるとは思いますけど」

――DEEP JEWELSのフライ級GP決勝からパンクラスで復帰するまで、2年間も試合間隔が空いていました。ブランクの理由は何だったのでしょうか。

「それが……そう聞いて、私も『2年間も空いていたんだ!?』と思ったんですよ。2年の間に試合のオファーも頂いていました。いつもどおり練習も減量もしていたし、いつでも試合ができる状態ではあって。ただ、最終的に試合が成立しなかったという状態でした。あとは――う~ん、忙しかったですね。いろいろな仕事も増えて」

――いまや杉山選手はRIZINのレギュラー解説者ですから。そんななかで2年という時を経て復帰することも、その舞台がパンクラスになることも意外でした。

「私も『パンクラスに出ることはない』と思っていました。ずっと佐伯(繁DEEP代表)さんにお世話になっていましたから。私、会場で佐伯さんと会うと逐一、状況は話し合うんです。でもDEEPやDEEP Jewelsでは今、私の階級はタイ人とか海外から選手を呼ばないと試合を組むのが難しくなっていて。日本人選手はみんな対戦していますし」

――パンクラスに参戦することで、また新しい気持ちで試合に臨むことができているのですか。

「はい。すごい希望を持ってパンクラスに来ています。会見ではDEEP Jewelsのベルトとの統一戦がどうとか言っちゃって、パンクラスの人にどう受け取られているか分からないですけど――私としてはパンクラスでベルトを獲ったら防衛しまくって、いろんな人と戦っていくのが面白いかなと思っています」

――その会見では、怖い杉山選手を見た気がします。

「えっ!? そんなことないですよ!」

――着席後、最初にマイクを持った時の表情が……これは良い意味で、ファイターの顔だなと思いました。

「ありがとうございます(笑)。でも今回は相手に対する気持ちというよりも、『ベルトが欲しい!』という想いのほうが強いです。結構、自分勝手になってしまっているかもしれないですね。エゴというか」

――エゴ、ですか。

「エゴ、という言葉が正しいかどうかは分からないんですけど……。本当にベルトを獲ることしか考えていないという意味です」

――杉山選手は以前のインタビューで「自分の好きなことをする」といった旨の発言をしていました。復帰&パンクラス参戦で、その気持ちが強くなっているわけですね。

「勝つためには、その気持ちが一番シンプルだと思うんです。邪念もないというか」

――たとえばRIZINの解説では冷静に、客観的な杉山選手のMMA論を聞くことができます。それだけ杉山選手は格闘技に関する知識も経験も蓄積されていて、ライカ戦では、蓄積されてきたものを放出することができた。他の選手の試合を視て、解説することで自分自身のMMAも成長させることができた面はありますか。

「成長させてくれたとは思います。でも、もともと自分はああいう感じなんですよ。だから解説をすると『聞きやすいね』と言ってくれる人がたくさんいて。『これまで自分がやってきたことが無駄じゃなかったんだな』と思います」

――2年間も試合をしていない間に、辞めようとは考えなかったですか。

「ないです。辞める理由がないんですよ。だって、強いんだもん」

――言い切りますね!!

「私は今、本領発揮していますから。やっぱりポテンシャルが――マイルドな言い方ができなくて、スミマセン」

――杉山選手は禅道会の全日本リアルファイティング選手権に出場していた頃から、体格や身体能力などポテンシャルを見せていました。しかし、そのポテンシャルを発揮しないまま格闘技から離れてしまうのではないか、と思っていました。

「それは分かります(笑)。私は、そんな自分を打開してきました。今の若い子たちは最初から答えをもらっているから、できるのは当たり前で。でも私は自分から掴みに行きました。

だから、できない人の気持ちもわかっちゃうんですよ。その分、できる人の気持ちが分かるかといえば、分からないんですけど。ただ、できる人っていうのはバックボーンがあったりするか、燃えつけるのも早いと思います。私はバックボーンがないから燃え尽きていないし、今も燃えていられるんじゃないですか」

――なるほど。次は重田選手の持つパンクラスQOPのベルトに挑みますが、重田選手は防衛に成功すればストロー級に戻ると発言しています。「勝ち逃げ」とも取れる発言に対して、どの感じていますか。

「あぁ、それは別に……『そうなんだな』というぐらいで。この試合が終わったら重田選手が今後どうするかは興味ないですね。ストロー級に行ってもらっても構わないです。私が欲しいのはベルトであって、ベルトを巻くために重田選手に勝つので」

■Pancrase346視聴方法(予定)
7月21日(日)
午後1時45分~U-NEXT

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45 AB IMMAF MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase346 Road to UFC UFC YouTube エメリヤーエンコ・ヒョードル パンクラス ムハンマド・サロハイディノフ 伊藤盛一郎 松井斗輝 秋葉太樹

【Pancrase346】伊藤盛一郎に挑戦、サロハイディノフ「経験不足? アマで勝つ難しさが分かっていない」

【写真】IMMAFの世界王者は、既に国内老舗団体のチャンピオンレベルにあるといっても過言でない(C)MMAPLANET

21日(日)、立川市の立川ステージガーデンで開催されるPancrase346でムハンマド・サロハイディノフがフライ級KOP伊藤盛一郎に挑戦する。
Text by Manabu Takashima

2023年2月に行われたIMMAF世界大会でフライ級を制したサロハイディノフは、その7カ月後に日本の地=パンクラスでプロデビューを果たした。

それから僅か10カ月──秋葉太樹、松井斗輝を下したサロハイディノフは、プロ3戦目にしてパンクラスの頂点に挑む。ケージのなかのパフォーマンスを見れば、納得の王座挑戦だが、その実──サロハイディノフに関しても、彼を生んだタジキスタンのMMAについても我々はほとんど分かっていない。ほんの数年前まで中央アジアのMMAにあって最弱だったが、今やIMMAFで世界有数のアマMMA強豪国になったタジキスタンMMAの実情と、タイトルマッチについてチャレンジャー=サロハイディノフに尋ねた。


──10日後に伊藤盛一郎選手の持つフライ級のベルトに挑戦します(※取材は7月10日に行われた)。今の調子を教えてください。

「何も普段と変わらない。まだプロ3戦目でも、アマチュア時代に本当にタフな相手と戦ってきたから」

──その辺りは、また後ほど聞かせていただくとして、パンクラス3戦目でベルトに挑むことになること昨年のデビュー戦時に想像できていましたか。

「もちろんだ。過去2戦の相手も強かったし、特に2戦目で戦ったトキ・マツイは6勝0敗だった。加えて僕に負けてなお、Road to UFCのメンバーに選ばれたファイターだからね。彼のような勝ったのだから、すぐにタイトル挑戦が実現すると期待していたよ」

──なるほどです。そんなムハンマドですが、我々はタジキスタンのMMAの現状さえ分かっていないです。まずムハンマドがMMAを始めたきっかけや、それまでの格闘技歴を教えていただけますか。

「9歳から17歳までコンバットサンボをやっていた。そして2019年、17歳の時にMMAに転向したんだ」

──コンバットサンボだけで、打撃なしのスポーツサンボの経験はなかったのでしょうか。

「もちろん、スポーツサンボもやっていたし、柔道の経験もある。サンボではタジキスタンのチャンピオンになって、マスター・オブ・スポーツのサティフィケートを取得している」

──サンボマスターが、なぜMMAに転向したのでしょうか。

「タジキスタンではMMAの人気が高まってきて、日本でエメリヤーエンコ・ヒョードルが戦って人気者だったり、カビブ・ヌルマゴメドフの活躍を知り、自分もMMAも戦おうと思ったんだ」

──ムハンマドはIMMAFの世界王者からプロに転向を果たしましたが、タジキスタンではアマチュアからプロのMMAファイターになるのが普通のステップアップ方法なのでしょうか。

「アマチュアのキャリアはとても大切だよ。しっかりと経験を積んでからプロになるべきだと僕は思っている。加えていうと、タジキスタンには当時はプロのMMA大会は存在していなかった。ここ最近になって、ようやく活動が始まった程度だ。だからパンクラスという日本でも歴史のある組織から、オファーがあった。だから日本でプロデビューを戦うことに決めたんだ」

──実は2018年にキルギスでMMA大会の取材をした時、当時の中央アジアのMMAはカザフスタンがリードし、そこをキルギスが追いかける。ウズベキスタンが続き、正直なところタジキスタンの選手はアンダードッグばかりでした。なのでムハンマドのパンクラスでの試合や、最近のIMMAFでの活躍には驚かされていました。

「この5、6年でタジキスタンのMMAは劇的なまでに成長しているんだ。2018年当時だと公式なMMAの組織もなかった。ただし2019年からMMAの組織が創られ、今ではIMMAFのトップ3にランクされるまでになった。既に4人のUFCファイターがタジキスタンから生まれている。

実力的にはもっとUFCファイターがいても不思議じゃない。ただし、ビザを取得するのが僕らの国では難しいんだ。今ではタジキスタンが、中央アジア最弱なんてことは決してない。他の国と肩を並べている」

──押忍。ではそのアマチュアMMAですが、カザフスタンの選手などは政府や企業からのサポートがあり、アマチュアファイターでも生活ができるとIMMAFの国別対抗トーナメント=Super Cupを取材した時に聞きました。タジキスタンでも同じなのでしょうか。

「カザフスタンではMMAは五輪委員会の傘下にあって、政府のサポートを受けている。タジキスタンも同じような状況だけど、経済的な支援はカザフスタンと違って受けてはいない。ただし、公式的に文書で国の承認を受けているんだ」

──未知のタジキスタンMMAの状況が少し見えてきました。では話題をタイトル戦に戻しましょう。まず伊藤選手の印象を教えてください。

「いつも通りなんだけど、プロの経験は僕より多い。そして尊敬もしている。17勝もプロの試合で勝っているしね。ただ、経験でいえば僕はコンバットサンボやアマチュアMMAで百戦以上の経験がある。

多くの人に『なぜ、こんなに強い相手に挑戦するんだ』って質問されるけど、僕はアマのファイトで多くの経験を積んでいるから、今回のタイトル戦も凄く自信を持っている。経験不足? アマで勝つ難しさが分かっていない。タジキスタンやロシアで開催されているアマチュアMMAではタジキスタン人だけでなく、ロシア人、チェチェン人、ダゲスタン人ファイターが出ているんだ。アマの試合といってもダゲスタン人やチェチェン人に勝つこと、あの場でチャンピオンになることがどれだけ困難なことか。皆、知らないんだよ」

──では伊藤選手の極め系ファイトをどのように思っていますか。

「イトーは確かに極めの強いファイターだ。でも、それを言うなら……彼は僕のようなレスラーと戦ったことがないから、一本を取ることができるだけだよ。イトーのサブミッションのアタックは、僕には通じない。

ベストを尽くし打撃、レスリング、テイクダウンとフルパフォーマンスを見せることで、僕がベルトを巻く。全ての局面で新しい技術、新しいムハンマド・サロハイディノフを見せるつもりだ」

──今回はパンクラスのタイトル戦ですが、将来的にMMAファイターとしての目標をどこに置いていますか。

「パンクラスのチャンピオンになって、ベルトを防衛していく。その過程でマネージャーとパンクラスの方針で、どこで戦っていくのかを決めることになるだろう」

──では、最後に日本のファンに一言メッセージをお願いできますか。

「日本で2試合を戦い、僕のインスタに日本のファンが応援のメッセージを送ってくれる。それが今回のチャンピオンシップに向けても、凄くモチベーションになっているんだ。そんな皆の前で良い試合をしたい。アリガトウゴザイマス」

■Pancrase346視聴方法(予定)
7月21日(日)
午後1時45分~U-NEXT

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【Pancrase346】伊藤×サロハイディノフ、重田×杉山、高城×ラジャポフ~濱田巧がリベイロと国際戦!!

【写真】おかしな表現かもしれないが、強さを追求してきた強さがある──そんな濱田のMMAだ(C)MMAPLANET

12日(水)、Pancraseより7月21日(日)に立川市の立川ステージガーデンで開催されるPancrase346で濱田巧×ラファエル・リベイロのフライ級戦が組まれることが発表されている。
Text by Manabu Takashima

フライ級KOP伊藤盛一郎が、ムハンマド・サロハイディノフの挑戦を受けるタイトル戦がカード第一弾であった同大会。続いて重田ホノカが杉山しずかの挑戦を受けるフライ級QOPC、バンタム級に第二のダジック・ファイター=オタベク・ラジャボフが襲来し、高城光弘とのマッチアップが明らかとなっていた。


キックボクシングからMMAへの転向が目立つ昨今、RIZINという大舞台でなくネオブラから地道かつ着実にMMAファイターとして力をつけてきたのが、濱田だ。今やMMAファイターの打撃指導の第一人者といっても過言でない良太郎率いるteam Akatsukiに所属しKNOCK OUTでタイトル戦の経験もある濱田は、キック時代からMMA転向を公言しており、鎌ヶ谷から東武野田戦を北上しパラエストラ柏(現ザ・ブラックベルト・ジャパン)へ。

重心、後ろ足の位置取りやリズムの取り方に変化が見られる濱田のMMAでの構えだが、中間距離からインファイトで相手のパンチを見切ってカウンターを打ち込むなど、キックボクサーとしての強味がしっかりと武器になっている。

打撃で圧を掛け、組まれてもトップを取って強烈なパウンドを武器にネオブラを制した濱田は、3月の立川大会では三日月蹴りでKO勝ちを手にしている。対してリベイロはオーソから前足を使った蹴りや、近距離でのハイキック、そしてカーフなど打撃を駆使しつつ、組みの強さを見せてきた。

総合力──MMAとして攻めの引き出しはリベイロの方が、濱田より多いだろう。ただしMMAはある意味、総合力の勝負ではない。例えばMMAファイターとしては、レーダーシートが綺麗な形を描いていなくとも、多岐に渡る攻撃の中から頭抜けた破壊力を持って言えれば、合計点で上回ることができる。

それこそが濱田の打撃といえる。特にリベイロのキックボクシングというよりはボクシングwithキッという打撃は、蹴りとパンチにラグが見られ、濱田のカウンターの餌食になる可能性は十分にある。同時に攻めのレスリングや柔術を駆使できるリベイロの組みと打が融合した立ち技の圧力は、過去にサークルケージで濱田が経験していない強さでもあるだろう。

超RIZINが控える7月は東京と大阪で、MMA興行が続く夏のMMA月間だ。そして21日のパンクラスで見られる日本×タジキスタン、日本×ブラジルのフライ級戦は見逃すことができないマッチアップといえる。

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45 AB IMMAF Pancrase346 ブログ ムハンマド・サロハイディノフ 伊藤盛一郎

【Pancrase346】サロハイディノフの挑戦を受ける、伊藤盛一郎「グランドスラムのMMAで、世界へ」

【写真】会見前、スーツ姿だったのに同じ画になるとTシャツ姿に着替えてくれた伊藤。感謝です(C)MMAPLANET

7月21日(日)に立川市の立川ステージガーデン大会で開催されるPancrase346で、フライ級KOP伊藤盛一郎がムハンマド・サロハイディノフの挑戦を受ける。
Text by Manabu Takashima

Road to UFC出場は叶わなかった。実績を残し、挑める力がついたという判断があっても、伊藤に挑戦する権利は与えられなかった。その現状を踏まえ、これから伊藤はどのようなキャリアを積んでいくのか。

13日(月)に開かれた記者会見を前に、その真意を尋ねると──MMAファイターとして、以前とは違う伊藤盛一郎がそこにはいた。


――7月にムハンマド・サロハイディノフの挑戦を受ける。その会見前にインタビューをさせていただくことになりましたが、いつ頃に決定したのでしょうか。

「2週間ぐらい前ですね。Road to UFCで戦えるのか、動いてもらっていて。でも、ずっと分からない状況が続き、1カ月ぐらい前に『ダメ』だな、と。ギリギリになっても話が来るかもしれないと待っていたのですが、勝村(周一朗)先生も『ちょっと、厳しいな』という風になっていました」

──自分が得ていた情報では概ね出場選手が決まったのが3月の終わり。その時点で日本人選手は本野美樹選手、安藤達也選手、透暉鷹選手、小崎連選手、野瀬翔平選手、そして松井斗輝選手の6選手で。トーナメント戦にはその後、河名マスト選手、ワンマッチで雑賀ヤン坊達也選手が加わった形でした。

「そうだったのですね」

──その後、正式発表があった時にチャンピオンである自分自身が選ばれなくて、松井選手が出場できることになり、どのような気持ちでしたか。もちろんチャンスを得た松井選手と陣営が出場するのは当然で、そこでなくUFCの選択に関して伊藤選手はどのように感じたのでしょうか。

「そうですね、フライ級は松井選手になるというのは発表前から聞いていました。UFCが欲しがっているのは戦績を重ねてない、KO勝ちが多い選手だということも予め理解していましたし。

自分は30歳で20戦以上戦っています(※17勝4敗2分)。あと一本勝ちが多いから……しょうがないかなって」

──一本勝ちが多いのがいけないなら、MMAはやっていれないですよ。ただ安藤選手のように34歳で、そこそこのキャリアを積んでいる選手もいる。中国勢など30戦以上のレコードの持ち主もいました。

「ハイ……。まあ、選んでいる基準はよく分かんねぇなぁって感じでした」

──なるほど。UFCが最高峰、ならチャンピオン云々でなく一番強い人に挑む権利を与えて欲しいと自分など勝手ながら思ってしまいます。

「僕はそこまで気にならなかったです。まぁ『しょうがないわ』って。ならパンクラスで元UFCファイターから一本取ってやろうというモチベーションを持つように切り替えました」

──UFCで戦いたいという選手の気持ち、UFCで戦える力があるか試させたいというUFCの判断、UFCで戦うところを見たいというファンの評価は別モノで。伊藤選手はこのうち2つがあってもRoad to UFCに出場できなかった。なら、もう好き勝手に暴れて欲しいです。

「ハイ。ありがとうございます。UFCはそういうところだと言い聞かせて、気持ちを切り替える方が大切だと思いました。パンクラスで元UFCファイターや強い外国人選手と戦って勝っていこうと」

──すぐに切り替えることができたのですね。

「自分は若い頃からRIZINに出たいというのがあって……それはどこかノリ先輩が身近にいたからだと思います」

──田中路教選手がいたから、RIZIN志望になった?

「ノリ先輩がUFCをリリースされ、でももう一度UFCを目指すために努力を重ねていて、どれだけ困難なことがあってもその気持ちを持ち続けていました。試合ができない時期があっても、その目標は全く変わらなくて。でも契約できない。それでも『俺はUFCで戦う』と言うノリ先輩を見てきて、自分にはUFCで戦いたいと言う資格はないと思っていました」

──う~ん……。

「でも、パンクラスのチャンピオンになってRoad to UFCの募集要項を見た時に戦績、フィニッシュ率とかといっしょに年齢が18歳から30歳というのがあって、『年齢だけギリギリで、あとは当てはまる』って思ったんです。それでUFCを目指して良いんだと。だから……遅かったですよね」

──じゃあ田中選手のせいじゃないですか(笑)。

「いや、そんなことないです(笑)。その気持ちになるには、それだけの資格が必要で。そこに行き着くのが遅かったので自分の責任です」

──そのなかでパンクラスの防衛戦の相手がサロハイディノフに決まった。その時、松井選手のことは意識しなかったですか。

「全然、それはないです。サロハイディノフはランキングが1位で、強い外国人選手と戦いたいという部分で合致していたので。組みの強い選手と戦うことって、これまで余りなかったので。グラップラー×ストライカーという図式の試合が多くて。それが組みのタイプで、タジキスタン人でレスリングも強い。凄く楽しみです」

──これからのキャリア、強い選手と戦うことが第一で戦いたい舞台云々ではないということでしょうか。UFCが年齢で扉を閉じるなら、RIZINで少しでも強い選手と戦ってほしいです。

「そうファンの人達に思ってもらえる選手になりたいです。同時に選手として以前のように、RIZINに拘らなくなったというのはあります」

──というのは?

「僕もRIZINのTV中継がある部分とかに惹かれていたのは事実です。あの大きな舞台で戦いたいと。ただ、自分が出ていたころは話題になるようなことは必要でも、力がないと出られなかった。でも、今はSNSで喧嘩みたいなことをしていると出ることができる──そんなケースが増えてきました」

──ファンベースがそうなっている。自分はプロモーションが組むファイトは、ファンの望むモノだと思っています。専門メディアは、本物志向のファンを増やすことができかったですし。

「だから、逆に『伊藤盛一朗が見たい』と思われるようにならないといけないと思っています。RIZINのフライ級で一番強い選手と自分の試合が見たいと思ってもらえるようになること。そのためにもパンクラスで強い外国人選手と戦うことが重要で」

──UFC以外の海外というのは視野にないですか。

「あんまり海外に詳しくないので(笑)。藤田(大和)選手が戦うUAEWとか、猿飛流選手が試合をした豪州の大会(Eternal MMA)とか、色んな大会があるんだなって」

──……。

「ただ今はパンクラスでチャンピオンになったばかりなので、しっかりと防衛をして。そこから強い選手と日本で戦うのか、海外に出て行って強い選手とやるのか」

──何か変わりましたね。

「そうですね(笑)。どこまで行けるのか。勝村先生とグランドスラムで練習してきたことで、ここまで力をつけることができた。行けるところまで、行きたい。そういう風には想えるようになってきました(笑)。

グランドスラムから世界へ……という感じで。僕は出稽古もほとんどしていないし、グランドスラムだけで勝村先生とやってきました。このグランドスラムのMMAでパンクラス──国内のチャンピオンにはなれました。そこは証明したので、次は世界でどこまでいけるのか、トライしたいです。

そのためにもサロハイディノフに負けていると、そんな世界とか言うレベルじゃない。Road to UFCに出ていても、どうせ負けていたと思うし、ここで苦戦はしていられないです」

──それこそ「RIZINで見たい」、「Road to UFCで見たかった」という声が挙がるような試合を。とはいえ、世界のMMAで旋風を巻き起こす中央アジア勢です。

「強いですよね。RIZINにそういう系の選手がたくさん来ていて皆、強いです。パワーは日本人選手とはまるで違うと思うし」

──組みは、打撃よりも実力がそのまま結果に出ることが多いかと思います。ラッキーとか、余りなくて。勝つべくして勝つ、とういうか。そういう点で伊藤盛一郎がサロハイディノフを上回っているのは、どこだと自信を持って言えますか。

「極めです。一瞬で取りに行くスピード、閃き。いつも体に沁みついている技術を感覚で出せる。ここは上回っていると思います。逆にパワーやレスリング力はサロハイディノフの方が上のはずです」

──IMMAF育ちだからこそ、MMAのマジョリティな勝ち方をサロハイディノフは狙ってくる。そこに対して、伊藤選手のMMAは明らかに異文化、マイノリティです。同時に5Rの勝負で、極め重視の戦いを貫けるものなのでしょうか。

「自分は最初から、絶対に極めに行くっていう感覚では戦っていないです。時間も計算にいれて、行ける時に行くので。だから腕がパンパンに張ることもないし、攻めて疲れることもない。時間、相手の状況を頭にいれて考えるなかで、感覚でズバッと行くような感じで」

取材は会見場でなくオフィスで行われ、ロッキーがピンがこないの見切りに……

──まさにマジョリティMMAにない思考ですね。

「まぁサロハイディノフも極めへの反応は良いと思います。ただMMAだし。殴って意識を散らしていけば……まだサロハイディノフのことはそれほど研究しているわけではないのですが、行ける気がします(笑)」

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【Pancrase344. 345&346】7/21伊藤盛一郎が防衛戦。6/30内藤由良出場&リッチザウルスはサンウォンと

【写真】存在感をアピールするために変顔をリクエストすると、「変顔はできないですけど、物真似ならできます」とティラノザウルスの物真似をしてくれた中田──会見場が一気に氷河時代に……(C)MMAPLANET

13日(月)、東京都新宿区のサンエービルで25日(土)に港区のニューピアホールで開かれるPancrase343出場5選手が出席した会見第一部に続き、6月30(日)に同所にて開催されるPancrase344&344に出場する内藤由良、キム・サンウォン戦が決まった中田大貴、そして直接対決となる西尾真輔と神谷大智に加え、7月21日(日)に立川市の立川ステージガーデン大会=Pancrase346でムハンマド・サロハイディノフの挑戦を受けるフライ級KOP伊藤盛一郎が出席した会見第2部が行われた。
Text by Manabu Takashima

ここでは出席した5選手の会見冒頭における挨拶とMMAPLANETの質問への返答に特化して、同会見の模様をお伝えしたい(要約)。

神谷大智
「自分のやるべきことをしっかりとやって、勝ちたいと思います」

西尾真輔
「今回、勝つと負けるのとじゃ凄く違ってくると思うので。今回は泥臭くても、何が何でも勝っていきたいと思います」

中田大貴
「前回の試合、キャンセルになっちゃってどうしようかと思っていたら、パンクラスの方からゴツイ相手を用意していただいたので自分の全てを出してぶつかって行こうと思います」

内藤由良
「チャンピオンになってから2年振りの試合になるんですけど、世界で戦っていく準備等々──紆余曲折、色々とあった2年でした。最後にパンクラスで試合をしてから、今年中にはUFCに参戦できるようにやっていきたいと思います。まず第一ステップとして、相手はまだ誰になるのか分からないのですが、しっかりと倒して、しっかりと今年は世界に向かっていきたいと思います」

伊藤盛一郎
「パンクラスさんがまた強い海外の選手を連れてきて、今ランキング1位にとても強い選手がいるんですけど、ぶちのめしたい。勝って今後、皆に違う舞台で試合を見たいと言ってもらえるような試合で勝って盛り上げていきたいと思います」


──伊藤選手と内藤選手、前回の試合から目指していたところがあったかと思いますが、結果としてこのタイミングでパンクラスで再び戦うことになった。そこへの意気込みの方をお願いします。

伊藤 前回の試合が終わってチャンピオンになってから、自分もRoad to UFCにエントリーして──通らなかったのですけど、チャンピオンになってから世界へという違う道が見えてきて。今回、海外の選手とやれるんで。この試合が自分の実力を試す良い場なのかと。ここで負けているようじゃ、Road to UFCに行ってもダメだっただろうし。世界に出て行っても、どうせ勝てないと思うので。ここでしっかりと勝って、グランドスラムから世界で戦っていける選手になりたいです。

内藤 パンクラスは想い入れのある団体でもあるし、前回の試合が終わってから海外のマネージメントとは契約をさせてもらいました。でもなかなか試合の機会……例えばLFAとかUAW Warriorsだったりだとか。あの辺との掛け合いとかもあったんですけど、決まっていた試合がなくなったり、色々と様々な問題があって……。これから世界に出ていくには、どうしようかなと考えた時に、とにかく試合をしないと。格闘家なので試合をしないと始まらないので、何か1つアクションを起こすとして、さまざまな色んな声があるなか、最後はパンクラスでやらせてくれるということだったので。ここでしっかりと勝って、世界に向かいたいと思います。

──中田選手、会見の第一部でフェザー級挑戦者決定戦を戦う2選手がいました。そこを見て、ご自身の現状とこの試合に向けての気持ちを教えていただけますか。

中田 ちょっと前と比べると、大分ランキングも落ちちゃって(笑)。試合も1年振りになっちゃって、悔しい想いをしているんで。平田選手とRyo選手の試合ももちろん注目していますし、とにかく今は勝ちたいという気持ちが強いです。ずっと苦しい気持ちでいたので、まずは勝ちたいです。

──神谷選手、BRAVEジムの先輩と後輩には他競技で実績を伸している選手達が一気にステップアップを果たすような形で試合をしています。対して神谷選手は、パンクラスでコツコツとキャリアを積んできました。派手な後輩たちと、ご自身のキャリアの積み方の違いをどのように捉えていますか。

神谷 ジムの後輩たちは派手にKOしたり、派手に勝ったり、色々と魅せ方もありますけど、強さも持っているので。そこは僕も羨ましいと思います。対して、自分は地道に勝っていてレコードは良いかもしれないですけど、魅せ方としてはアマチュアというか、まだダメだという面もあると思います。でも自分は自分なので。先輩として後輩たちに強いところを見せていく、回りの人たちにもこの戦い方でも違う意味で華があるよう魅せていけるような選手になっていきたいです。

また6月30日のニューピア大会は上田将年×眞藤源太のフライ級戦、谷内晴柾×原田惟紘のバンタム級戦など他4試合も明らかとなっている。上田&原田、筑豊パンクラシストの揃い踏みとなる。

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