<女子ストロー級/5分3R>
藤野恵実(日本)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27
渡辺彩華(日本)
まず右ローを蹴った渡辺に対し、藤野は右を当てて前に出るとパンチを纏めて左を入れる。間合いを取り直した両者、渡辺の左ハイをガードした藤野はローを捌いてワンツーで打っていく。蹴りに左ジャブを合わせる藤野は、左ローには右をカウンターでいれる。渡辺はスイッチをして、藤野の組み狙いに距離を取る。藤野はワンツーで右を当てるなど、打撃で優勢のなかしっかりと間を取り、ステップインにパンチを合わせていく。
前に出るとパンチを被弾する渡辺は、蹴り足を掴まれケージに押し込まれると首相撲からヒザを突き上げられる。藤野は離れた渡辺に右フックをヒットし、ジャブを伸ばして再び右フックへ。これは空振りとなり、初回は残り1分に。コンビを入れた藤野だが、ガードが下がったところで渡辺の拳が伸びてくる。蹴りからスピニングバックフィストを空振りした渡辺は飛び込んでも、やはり右を被弾して初回が終了。当然、ジャッジは3者とも藤野を支持した。
2R、ワンツーで前に出る藤野は初回と同様にローにパンチを合わせていく。やや開き気味の後ろ足でレンジをコントロールし、ローには前足だけ下げてかわす藤野は、上体がぶれずに渡辺の動きがよく見ているか。ローにワンツーを入れ、左ジャブから右を打ち込む藤野は距離を詰めて左を当てる。
渡辺は左に右を合わされ、直後にケージに押し込まれる。左を差して、右で殴る藤野がダブルアンダーフックから左で殴ろうとする。このタイミングで離れた渡辺は、右ハイを狙う。続くローにワンツーを打っていく藤野が、左ジャブから右をダブルでヒット。足を使って懸命にパンチを打つ渡辺は、思い切ってパンチを振るう分上体が浮いてパンチの威力が落ちる。遠心力の渡辺のパンチに対し、藤野の前に出る移動のパワーが上回る展開が続き、この回も藤野が3票を集めた。
最終回、ジャブから右を伸ばして足を使う渡辺は、その踏み込みでパンチをかわそうとしてバランスを乱す。渡辺がジャブを当て、藤野がジャブを返す。前に出て右を入れる藤野は、左ジャブを伸ばしてワンツーの右を打っていく。右アウトローを入れた渡辺は、右の蹴りに左を合わされる。藤野のワンツーを当て、前進にワンツー。ここで藤野がなぜか視線を外し、渡辺の左の蹴りの後の右を被弾する。
ここからまた集中力をあげた藤野は、渡辺の前進を見切り、またカウンターを当てる戦いに。渡辺は最後まで手を出し、動き続けたが勝機を見いだせないのも当然。キャリア2戦目のファイトとして、フルマークの判定負けは喫したが渡辺は自分に負けない戦いをやってのけたといえる。
藤野もその渡辺に感謝しているかのような表情を浮かべて労わると、「急遽試合を受けてただいた渡辺選手、凄く気持ちが強かったです。倒せなかったけど、まだ弱くなっていないと思えたのでもう1度チャンピオンを目指します」とマイクで話した。