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【Special】月刊、大沢ケンジのこの一番:3月:アンジェラ✖スタンプからのタン・リー✖ゲイリー・トノン

【写真】新足関時代も、足関節はリスクが高いことを──しっかりと研究し、対処を長期間に渡って行ってきたタン・リーが再確認させてくれた (C) ONE

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。3人の論客から、大沢ケンジ氏が選んだ2022 年3 月の一番。3月26日のONE130で組まれたアンジェラ・リー×スタンプ・フェアテックス戦からの──3月11日=ONE129で組まれたONE世界フェザー級選手権試合、タン・リー✖ゲイリー・トノンについて語らおう。

<月刊、大沢ケンジのこの一番:3月:アンジェラ・リー✖スタンプ・フェアテックスPart.01はコチラから>


──アンジェラ✖スタンプがメイン、誰でもMMAはデキることを示した舞台はONEの10周年記念大会でした。正直、MMAと立ち技があることで方向性が定まっていないと感じられることもありましたが、今回はミックスファイト、グラップリングまであったのに上手くパッケージされていたように感じられました。

「本当に面白かったです。首を傾げたくなる判定はありましたけど、それ以外は本当に面白い──ONEらしさが詰まった大会でしたね」

──そんななかMMAの打撃戦に関して、もう少し注意を控えて様子を見てほしい。あれでイエローではスタンドでキックボクシングをやれということになり、MMAの打撃にならないかと思えるレフェリングがありました。

「早かったですね。スティーブン・ローマン✖佐藤将光、アドリアーノ・モライシュ✖若松佑弥の2試合は。なんかレフェリーが試合を創らないといけないって、焦ってしまったのか。アレは普通のONEではないですよね。

お客さんが久しぶりに入って、ブーイングに耐えられなかったのかもしれないですね」

──今後、あの傾向になっていくようであれば怖いです。

「あれがONEのスタンダードになるなら、怒りますよ」

──怒りますか(笑)。表現がなんか良いです。

「あんな風になると嫌ですからね。おいおいおい、皆もっと間を見ようぜって。ローマンと佐藤選手、若松選手とアドリアーノの試合、緊張感があったじゃないですか。そこは……ちょっと今後を見ないといけないですね。どうなっていくのか」

──そこは注文をつけたくなるとはいえ、ONEらしさが強調できたイベント。同時に、あの大会に出なかった注目選手も少なくないです。

「いや2週間前に行われたタン・リーとゲイリー・トノンとフェザー級のタイトルマッチなんて、10周年大会に負けない素晴らし試合でした。

やっぱり足関って、しっかりと理解しないといけないですよね」

──ハイ、その通りだと思います。

「自分のジムも今、足関節が強くなっていて。ちょっと掴めています。僕自身、イケるっていうのがあるんです。それはタン・リーも同じだと思います。タン・リーはそれほど怖がっていなかった。だから足を取られても、逃げるというより、突っ込んでフックが緩む方で動いていましたね。

でも、それって足を突っ込んでいくから攻防が続くので、理屈が分かっていてもなかなか怖くてできないです。だから皆、抜いて行こうとすると引っかけられる。でもタン・リーは理解しているから、怖がっていなかった。結果、足のロックを捌いてパウンドという攻撃を見せることができたと思います。

MMAの選手は足関節を怖がっていた時期もありました。日本でもMMAファイターがグラップリングで、グラップラーに足関節で負けることが続きましたけど、ちょっと対応できるようになってきましたよね」

──トノンの方が、一度ワキの下に入れると懸命にそこだけキープしようとしていましたね。

「そこまでいくと、取れると思ったんでしょうね。ウチの高橋サブミッション雄生もそうですけど……僕としては、全部をやらないといけないのがMMAで。自分のやりたくないところと向き合わないといけない。打撃の選手も組み技の練習を懸命にして。

そんななかピュア・グラップラー、フットロッカーは足関節だけやり続けている。そういう人たちが活躍する。これは嫌なことに向き合っている選手からすると、好きなことだけやっている選手が勝つようで悔しいんですよ。

でも見ている人達には面白いですよね。一つ尖がっているところがある選手が勝つ試合というのは。それでもMMAというのは、やりたくないことと向き合って穴を埋めるモノだと思います」

──足関節で勝てるのも、結局は全てがデキて足関節ができる選手になっていくのではないでしょうか。

「そうですよね。長所を伸ばして、短所を無くす作業を怠ると『やっぱり勝てないよね』ということを──トノンやフットロッカーによって崩されることを僕は危惧していました。

同時にMMA選手が怖がっていても、足関節は仕掛ける方だったリスクが高い。それをタン・リーが改めて見せてくれました。

ジョン・ダナハー論理だと、サドルとかは他に移動できるポジショニングで、足関節が極まらなくても次がある。トランジッションなので殴られないということでしたけど、そこはやはり選手が研究し、対処方法を知り、怖がらないで戦うことができればパウンドを打ち込むこむことができた。

それをタン・リーが示しました。そして『やっぱり下からの足関節は危ないぞ』ということを思い出させてくれましたよね」

──そこまで組み立てることが、ゲイリー・トノンができていなかったです。

「タン・リーが防御していましたからね。抜きにいかないで、突っ込む。そして殴った」

──トノンも外ヒール狙いで、捌かれて殴られました。

「タン・リーに少し余裕が感じられました。取り合いをしているわけでなく、防御に徹していたので。対処を間違えないと逃げられるという風に思っていたように見えました。だから変に逃げることもなく解除に向かってパウンドアウトしました。

で、次はタン・カイになると……これも楽しみです。タン・カイは距離の取り方が抜群に良い。あれは強いですよ。バランスがメチャクチャ良くて。タン・カイの距離感は……ずっと誘っていました。高橋遼伍選手との試合もそうで。自分から行かずに、待っている。相手も来るのが分かっているから、余計に前に出ることが難しくなる」

──タン・リーは蹴りがあって、距離が遠くなる。じゃあ、どこでタン・カイは待つのか。

「いやぁ、楽しみですね。本当に面白い試合になるでしょうね。ONE自体もコロナで三分割された大会よりも、確実に今年に入って層の厚い良い大会になっています。だから、これからも楽しみですね」

※試合前のタン・リー・インタビュー
※※試合前のゲイリー・トノン・インタビュー

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『ONE: Lights Out』試合結果/ハイライト動画


▼ONE世界フェザー級(※70.3kg)選手権試合 5分5R
〇タン・リー(米国)王者 69.35kg, 1.0053
[1R 0分56秒 KO] ※パウンド
×ゲイリー・トノン(米国)挑戦者 70.30kg, 1.0095
※タン・リーが王座防衛

▼ONE世界バンタム級(※65.8kg)選手権試合 5分5R
×ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)王者 65.60kg, 1.0144
[2R KO] ※左フック
〇ジョン・リネカー(ブラジル)挑戦者 65.0kg, 1.0087
※リネカーが新王者に

▼第8試合 フェザー級(※70.3kg)5分3R
〇マーチン・ニューイェン(豪州)70.25kg, 1.0152
[3R 2分18秒 TKO]
×キリル・ゴロベッツ(ウクライナ)70.10kg, 1.0018

▼第7試合 キック・ヘビー級 3分3R
イスマエル・ロント(オランダ)123.80kg, 1.0040
イラジ・アジズプール(イラン)119.50kg, 1.0214

▼第6試合 ストロー級(※56.7kg)5分3R
×アレックス・シウバ(ブラジル)56.60kg, 1.0044
[2R 0分05秒 TKO] ※右ストレート→パウンド
〇エイドリアン・マティス(インドネシア)56.60kg, 1.0044

▼第5試合 キック・ストロー級 3分3R
×ジョシュ・トナー(豪州)56.70kg, 1.0248
[2R 2分11秒 KO] ※左フック
〇ジャン・ペイメン(中国)56.20kg, 1.0036

▼第4試合 フライ級(※61.2kg)5分3R
〇エコ・ロニ・サプトラ(インドネシア)61.20kg, 1.0183
[1R 1分34秒 リアネイキドチョーク]
×チャン・ロタナ(カンボジア)61.05kg, 1.0027

▼第3試合 ムエタイ女子ストロー級 3分3R
〇イマン・バーロウ(英国)56.70kg, 1.0009
[1R 1分39秒 TKO] ※右ヒジ
×ダニエラ・ロペス(アルゼンチン)56.25kg, 1.0195

▼第2試合 ムエタイ 79kg級契約 3分3R
〇リアム・ノーラン(英国)78.85kg, 1.0005
[1R 1分02秒 TKO] ※左ヒザ
×キム・キョンロック(韓国)79.55kg, 1.0160

▼第1試合 キック女子ストロー級 3分3R
〇リン・ホーチン(中国)56.25kg, 1.0124
[判定3-0]
×ミラグロス・ロペス(アルゼンチン)55.45kg, 1.0061


【ONE129】離れ際の打撃が冴えるマーチン・ウェンが、左ボディでゴロベッツの心を折ってTKO勝ち(MMAPLANET)

【ONE129】ビビアーノ陥落――ジョン・リネケルが打ち合いから左フックでKO、世界バンタム級王者に(MMAPLANET)

【ONE129】トノンのヒールフックに右一閃、タン・リーが秒殺KOで世界フェザー級王座を初防衛(MMAPLANET)

 ONE Championshipが3月11日にシンガポール・インドアスタジアムで開催した『ONE: Lights Out』の試合結果。メインイベントのフェザー級タイトルマッチはタン・リーがゲイリー・トノンに1R KO勝ちし王座防衛。セミファイナルのバンタム級タイトルマッチはジョン・リネカーがビビアーノ・フェルナンデスに2R KO勝ちし新チャンピオンとなっています。


 タン・リー vs. ゲイリー・トノン ハイライト動画。


 ビビアーノ・フェルナンデス vs. ジョン・リネカー ハイライト動画。


 マーチン・ニューイェン vs. キリル・ゴロベッツ ハイライト動画。続きを読む・・・
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MMA MMAPLANET o ONE ONE129 ゲイリー・トノン タン・リー

【ONE129】トノンのヒールフックに右一閃、タン・リーが秒殺KOで世界フェザー級王座を初防衛

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
タン・リー(米国)
Def.1R0分56秒 by KO
ゲイリー・トノン(米国)

サウスポーのトノが前に出て左ハイ、そして左ミドルを繰り出す。リーは右ストレートを返した。リーの右ストレートに対して左ミドルを返したトノンが、そのまま相手の足を掴んで引き込む。リーの左足に外ヒールを狙うトノン。リーは回転しながらヒールをしのぎ、右ストレートを落としつつ足を抜いた。トノンが再び足を取りに来たところで、足を抜かずに押し込んでクラッチを外したリーが、上から右ストレートを叩き込んでトノンを失神させた。

リーは2020年10月に獲得したONE世界フェザー級王座の初防衛に成功し、5万ドルのボーナスも獲得した。


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MMA MMAPLANET o ONE ONE129 キック ケビン・ベリンゴン ジョン・リネケル ビビアーノ・フェルナンデス

【ONE129】ビビアーノ陥落――ジョン・リネケルが打ち合いから左フックでKO、世界バンタム級王者に

<ONE世界バンタム級(※65.8キロ)選手権試合/5分5R>
ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)
Def.2R3分40秒 by KO
ジョン・リネケル(ブラジル)

距離を詰めるのはリネケル、ビビアーノはケージを背負いながら右ローを放つ。互いにフェイントを見せながら、ビビアーノは右ローを繰り出すも届かない。しかし、一瞬置いてシングルレッグで組み付き、そのまま押し込んでリネケルからテイクダウンを奪った。相手の足をまとめてケージに押し込むビビアーノ。リネケルはフックガードに戻し、ビビアーノの首を抱えてディフェンスする。リネケルは展開がないとレフェリーにアピールし、レフェリーもアクションを要求する。リネケルは立ち上がって離れて右ローを当てた。

ケージを背負ったビビアーノが距離を詰めると、インサイドから左フックを当てたリネケル。打ち合いではリネケルのパンチが当たり、ビビアーノがグラつく。。ビビアーノの顔面から出血が見られる。さらにテイクダウンも読まれているビビアーノ。しかしリネケルの左フックにカウンターの左フックを決め、リネケルからダウンを奪う。組み付きグラウンドに持ち込もうとするビビアーノだったが、リネケルが下からビビアーノの左足を掴み、リバーサルしてトップを奪う。下からビビアーノの三角絞めを防いだリネケルが、トップからパンチを落としていく。リネケルはビビアーノの脇を抑えながらパンチを振るう。

下からヒジを突き刺すビビアーノ。リネケルは上下にパンチを打ち分け、ビビアーノも下から打ち返すなど、グラウンド状態での打ち合いでファーストラウンドを終えた。

2R、リネケルの右カーフキックがヒット。ビビアーノの右ストレートは届かず、リネケルの右カーフが当たる。左ジャブをボディに伸ばすリネケル。ビビアーノが首相撲を狙うと、リネケルはボディに左右フックをたたきつける。しかしビビアーノも右ストレートを当てる。リネケルは左フックを当てるが、打ち合いで右をヒットさせたビビアーノがシングルレッグでテイクダウンに成功した。下からビビアーノを抱え込むリネケル。ビビアーノはしっかりと抑え込み、パンチを落とす。

お互いに細かくパンチを出すなか、ビビアーノがパスを狙ったところでリネケルが立ち上がった。ビビアーノのテイクダウンに対し、右アッパーを狙ったリネケルだが、これは空を切る。ケージ際で打ち合う両者、リネケルの左フックがビビアーノの顔面をとらえる。ビビアーノもリネケルの左をかわして組み付くが、グラウンドに持ち込むことはできない。リネケルが右ボディから、ビビアーノの左フックに対して左を合わせた。これがクリーンヒット、ビビアーノがダウンしたところでレフェリーが試合をストップした。

ビビアーノは2019年にケビン・ベリンゴンから奪還した世界バンタム級王座から陥落。リネケルはONE4戦目でのベルト奪取、5万ドルのボーナスも手にした。


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MMA MMAPLANET o ONE ONE129 キック キリル・ゴロベッツ マーチン・ウェン

【ONE129】離れ際の打撃が冴えるマーチン・ウェンが、左ボディでゴロベッツの心を折ってTKO勝ち

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
マーチン・ウェン(豪州)
Def.3R2分18秒 by TKO
キリル・ゴロベッツ(ウクライナ)

大きなステップを踏みサークリングするゴロベッツ。ガードを固めて、それを追うウェンがゴロベッツの右ストレートに左ミドルを合わせた。距離を取るゴロベッツ、ウェンは左ローで追う。ゴロベッツは一気に距離を詰めてパンチを放つ。ゴロベッツ飛びヒザの打ち終わりにパンチを合わせるウェン。対して、半身から左ミドルと右ストレートを放つゴロベッツ。ウェンがプレッシャーを強め、ゴロベッツにケージを背負わせた。ここでゴロベッツの左サイドキックがウェンの下腹部をとらえ、試合は一時中断に。再開後、ウェンはサウスポーにスイッチした。

足を使うゴロベッツに対し、オーソドックスに戻したウェン。ゴロベッツはアッパーを織り交ぜたコンビネーションでウェンとの距離を詰める。そしてケージを背にしながらダブルレッグで組み付いたゴロベッツが、ウェンをグラウンドに引きづりこんだ。ウェンはケージ際まで下がり、ケージを背にして立ち上がるも、ゴロベッツがバックに回る。スタンドの状態でバックマウントを奪ったゴロベッツ。足のフックを解いて引き倒そうとしたところで、体勢を入れ替えたウェンが左腕でゴロベッツの首を取り、ギロチンを仕掛ける。

これが極まらないとみると、離れ際に強烈な右を当てるウェン。さらに打撃でゴロベッツを追い立て、左ボディから右ストレートをヒットさせる。しかしゴロベッツも下がりながら右ストレートを当てた。ウェンもカーフキックを返すなど、打撃のアクションが多い展開でファーストラウンドが終了した。

2R、ウェンがプレッシャーを強める。ゴロベッツは右バックスピンキックを見せるも、それをかわしたウェンが右バックスピンを返していく。さらに右ストレートを狙うウェン。しかしゴロベッツも右アッパーを繰り出しながら、ダブルレッグでウェンに尻もちを着かせた。立ち上がるウェンの左足に、自身の左足を回してコントロールするゴロベッツ。そのままバックコントロールを見せるが、ウェンも切り返して離れ際に右を当てた。さらに相手にケージを背負わせ、右を当てるとゴロベッツの一瞬グラつく。

足を使いながら右アッパーを狙うゴロベッツ。ウェンは左ボディと右ストレートで攻め立てる。ゴロベッツはウェンの左足へのシングルレッグ、ウェンはケージ際まで下がって相手を潰していく。ここで離れたゴロベッツ、ウェンはパンチで攻め立てる。明らかに効いているゴロベッツに対し、左ボディを効かせてダウンを奪い、パンチとヒザで追撃するウェン。しかしゴロベッツもしのぎ切って、ラウンドを終えた。

最終回、動きが落ちたゴロベッツはパンチからシングルを仕掛けるも、ウェンがスプロールしてヒザを狙う。離れたゴロベッツに右カーフキックを効かせるウェン、ゴロベッツはアッパーとローからシングルを狙うが、これは決まらない。左ボディブローをダブルで決めるウェン、ゴロベッツのパンチをダッキングでかわしながら、さらに左ボディを放つ。ゴロベッツはうずくまるが、レフェリーは試合を止めない。立ち上がり、背中を見せて走るウェンをパンチで追い立て、ゴロベッツの体勢が崩れたところでレフェリーが試合を止めた。


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【ONE129】タン・リーに挑戦、ゲイリー・トノン―02―「ONEでグラップリング戦? 楽しみだ」

【写真】 この攻防で東南アジアのファンがわくようになればグラップリングだけでなく、ONEも大きな武器を手にすることができる(C)ONE

11日(金・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE129「Lights Out」で、ONE世界フェザー級王者タン・リーに挑戦するゲイリー・トノン・インタビュー後編。

ここでは第2部として、タイトル挑戦への意気込み以外にONEが食指を伸ばし始めたグラップリングに関して、話を訊いた。

<ゲイリー・トノン・インタビューPart.01はコチラから>


――金曜日の世界戦、どのような試合を世界に披露したいと考えていますか。

「自分自身がチャンピオンシップで戦う技量があることを見せたい。僕は世界のベストだということを証明したいんだ。MMAには大したことないレベルの戦いでも、世界という冠がついたベルトがたくさん存在しているけど、僕は世界王者を名乗るに相応しいMMAでベストの1人だと今回の試合を通して認知されることを楽しみにしている。

ここでチャンピオンになれば、4年間7試合目でベルトを巻くことになる。過去6戦で色々なことを急激に学んだ。ただチャンピオンシップというだけでなく、僕がこれまでにしっかりと白黒をつけて勝ってきたことを含め、さっきから言っているように世界のベストの1人だと証明したい。そして、ここで勝ってからさらに大きなことをやっていきたいと考えている」

――そんなMMAのワールドタイトル・ショットを控えているゲイリーに、このタイミングでする質問ではないかもしれないですが、今年はADCCイヤーです。グラップリングでは新しい才能の台頭が目覚ましく、ONEもマイキー・ムスメシと契約するなど、軽量級でMMAと関係のなさそうなグラップラーも確保し始めました。今後、組み技での活動については、何か考えていますか。

「とても興味深く、この状況を眺めているよ。今はMMAを優先しているし、世界チャンピオンになれば防衛する必要がある。でも、ADCCにチャレンジできるならしたい。そこでも世界チャンピオンになれば、これほどのビッグイヤーは僕にとってないだろうからね。

それにONEでもこれだけグラップラーとサインしているのだから、彼らとグラップリングで戦ってみたいとも思っている。とにかく、ONEでグラップリングが盛んになることは楽しみだよ。実は昨日、マット・ヒュームから電話を貰ってね――今後もグラップリングマッチを定期的にショーに組み込みたいということで、ルールの部分で改善すべきことはないかって意見を求められたんだ」

――おおっ!! 世界タイトルに挑戦する選手に(笑)。

「アハハハ。シンヤ・アオキと戦ったように、ONEでまたグラップリングを戦えることになれば、それは楽しいだろうね」

――とはいえ一般のファンはグラップリングに対して、それほどポジティブな印象を持っていないと思います。ONEではムエタイやキックボクシングなど立ち技もありますし、もちろんMMAもある。そのなかで、ゲイリーはグラップリングでキックやMMAに負けないファンの支持を得る自信はありますか。

「鋭い指摘だよ。グラップリングが常に抱える現状が、どうやってボクシング、ムエタイが好きなファンの理解を得られるのか――だからね。殴ってダメージを与えるという分かりやすさとは対極にあるのがグラップリングだ。拳で殴るって、実は誰もがもっとも身近に感じる攻撃で。アジアでは、それがキックなのかもしれないけど……。

僕が柔術を始めたとき、誰もグラップリングを戦って生活をできる環境なんてなかった。ただし、ここ数年新しいテクノロジーの発展と足並みを揃えるように、従来のルールとは違うグラップリング大会が始まり、フィニッシュという皆がより分かりやすい戦いが増えてきた。ただし、試合内容はグラップリングを戦う個々の意思によって決まる。

サブオンリーでも戦わない選手はいる。そういう選手がファンの喜ぶ試合ができるわけがない。いかなるルールだろうが、ね。エキサイトな試合ができる……ファンに喜んでもらいたいというグラップラーをどれだけ投入できるのか。そういう正しい人材がONEに集まってくれば、世界的に見てムエタイやキックより、グラップリングが注目を浴びる可能性はあると、僕は思っている」

――ゲイリーがハニーホールに入った刹那、1万人の大歓声が起こる――そんな夢のような場面がONEで見られるようになることを夢見ます(笑)。

「Sure。任せてくれ!!」

――では、最後に日本のファンに一言お願いします。

「日本のファンのサポートに感謝している。また近いうちに日本に行きたい。シンガポールに来る際にトランジットで滞在する日本の空港は世界一番キレーなエアポートだ。日本の空港ではロイス・チョコを買い込むんだ。ホテルの部屋にある冷蔵庫にロイス・チョコがある。試合が終わって、ロイス・チョコを食べるのが楽しみでならない(笑)。COVID19騒ぎが集結し、また日本で戦えることを心から願っている。皆、応援ありがとう」

■放送予定
3月11日(金・日本時間)
午後8時00分~ ABEMA格闘チャンネル
午後8時00分~ONE Super App

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]タン・リー(米国)
[挑戦者]ゲイリー・トノン(米国)

<ONE世界バンタム級(※65.8キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)
[挑戦者]ジョン・リネケル(ブラジル)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
マーチン・ウェン(豪州)
キリル・ゴロベッツ(ウクライナ)

<キック・ヘビー級/3分3R>
イスマエル・ロント(オランダ)
イラジ・アジズプール(イラン)

<キック・ストロー級/3分3R>
ジョシュ・トナー(豪州)
ジャン・ペイメン(中国)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
エコ・ロニ・サプトラ(インドネシア)
チャン・ロタナ(カンボジア)

<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
イマン・バーロウ(英国)
ダニエラ・ロペス(アルゼンチン)

<ムエタイ79キロ級契約/3分3R>
リアム・ノーラン(英国)
キム・キョンロック(韓国)

<キック女子ストロー級/3分3R>
リン・ホーチン(中国)
ミラグロス・ロペス(アルゼンチン)

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【ONE129】トノンの挑戦を受けるフェザー級王者タン・リー―02―「ただ単体で、技術は存在しない」

【写真】言っていることが武術家、タン・リー (C)ONE

11日(金・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムでONE129「Lights Out」でゲイリー・トノンの挑戦を受けるONE世界フェザー級王者タン・リー・インタビュー後編。

試合で戦うためには、自分を理解すること。自分の技、相手の技、いずれもその技単体でなく、疑問を持ち、答えを追求する――他に類を見ないテコンドーをMMA最大活用できるタン・リーならではの話を聞くことができた。

<タン・リー・インタビューPart.01はコチラから>


――この試合が決まる前からライアン・ホールと磨いて来たことがあるから、対策もより練りやすいということですね。

「それに相手のことばかりでなく、何よりも自分が何をできるか。そこを掘り下げないと。ここにギャップを感じないように戦うことが大切だ。僕のゲームに穴はないのか。

ダブルレッグが上手い相手なら、ダブルレッグに入れない動きは何なのか。それが左フックなら、どういう風に使えば良いのか。これまで使ってきた左フックとのギャップがないように打つにはどうすれば良いのか。

マーシャルアーチストは、毎日の稽古のなかでそこを養っていくもの。それが楽しんだよ。そうやって自分のスキルを高めていく。毎日が学びだと思っている。それだと1週間で7日間、学ぶことができるだろう?

そりゃあ試合のことも考える。試合中に上手くいかなくなることは誰にだって起こりうる。だってパーフェクトなファイターじゃないからね。だからこそ少しでもそこに近づきたくて、自分のゲームを組み立ている。それには、どこに自分の穴があるのかを理解する必要があるんだ。

その穴を埋める手段は何なのか。それがカーフキックだったとすれば、どう使えば穴がより埋まるのか、そうやって創り上げていくんだよ」

――それは相手の技や自分の技を単体で研究するというよりも、相手や自分を研究することと技がリンクしているということでしょうか。

「100パーセント。その通りだよ。それが僕の打撃にしても、他の選手とは違うのはそういうことなんだよ。どの瞬間、どういう風に攻撃をするのか。それは相手も同じタイミングでアタックしてくる瞬間かもしれない。なぜ、そういう風に攻撃するのか。相手がそうやって攻撃してくるのは、なぜか。それを理解して初めて、自分がどのように動くのかという結論が出る。

それができるのも、自分を理解しているから。自分が分かっていないと、どういう風に攻撃して良いかも分からずに、ただ攻撃を仕掛けることになる。それは危険だ。フィジカル、メンタル、戦略、戦術が一体化し、僕の打撃は生み出される。僕の打撃は、どうすればより良くなるのだろうか。それには技単体でなく、今言った要素を理解しなければならない。それは相手の技を研究するときも同じことだよ。

打撃戦を避けたいグラップラーに対する打撃と、打撃で攻めてくる相手への攻撃手段は変わってくる。外に回るウェービング、内に回るウェービング、その現象だけを理解するんじゃなくてね。その動きが何を相手に起こさせ、僕に起こるのか。ハニーホール、インサイドヒールも同じことだよ。ただ単体で技術は存在しない」

――それだけの細かい心理面、試合を組み立てる作業をしてきたうえで、金曜日の夜はどのような試合をファンに見せたいと思っていますか。

「ベストバージョンのタン・リーのベストパフォーマンスを世界中のファン、特に日本のファンに披露したい。少し試合感覚が空いてしまったけど、KO勝ちを見てもらうよ」

――最後に日本のファンへメッセージをお願いしようと思っていたのですが、既に日本のファンにという言葉を貰ってしまいましたね。

「日本のファンには感謝しているという言葉しか浮かんでこないよ。日本のファンはファイトの見方が分かっている。皆は最高のグラップリングが何か、最高のストライキングが何かが分かっている。そんな日本のファンだからこそ分かる、最高の試合を見せたいと思っているよ」

■放送予定
3月11日(金・日本時間)
午後8時00分~ ABEMA格闘チャンネル
午後8時00分~ONE Super App

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]タン・リー(米国)
[挑戦者]ゲイリー・トノン(米国)

<ONE世界バンタム級(※65.8キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)
[挑戦者]ジョン・リネケル(ブラジル)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
マーチン・ウェン(豪州)
キリル・ゴロベッツ(ウクライナ)

<キック・ヘビー級/3分3R>
イスマエル・ロント(オランダ)
イラジ・アジズプール(イラン)

<キック・ストロー級/3分3R>
ジョシュ・トナー(豪州)
ジャン・ペイメン(中国)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
エコ・ロニ・サプトラ(インドネシア)
チャン・ロタナ(カンボジア)

<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
イマン・バーロウ(英国)
ダニエラ・ロペス(アルゼンチン)

<ムエタイ79キロ級契約/3分3R>
リアム・ノーラン(英国)
キム・キョンロック(韓国)

<キック女子ストロー級/3分3R>
リン・ホーチン(中国)
ミラグロス・ロペス(アルゼンチン)

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【ONE129】タン・リーに挑戦、ゲイリー・トノン―01―「結論として、僕の打撃は当たるんだ」

【写真】後半では賑やかになってきた――ONEのグラップリングシーンについても尋ねています (C)TSP

11日(金・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムでONE129「Lights Out」で、ゲイリー・トノンの挑戦がONE世界フェザー級王者タン・リーに挑戦する。

松嶋こよみに勝利してから、1年3カ月。この間、師ジョン・ダナハーはデススクワットの活動を辞めた。まだキャリア7戦目、このブランクの影響はないのか――トノンに尋ねた。


――ONE世界フェザー級王座挑戦が近づいてきました。今の気持ちを教えてください。

「ファイトウィークってストレスがあるものだけど、今回は凄く自信があるんだ。長い間、待ち望んでいた試合だからね。ついにやってくるっていう感じで。MMAでタイトル戦を戦うのは初めてだし、相当ワクワクしているよ。

世界にショックを与えたいし、僕はMMAファイターでも世界のトップの1人だと証明する試合にしたいんだ。そうでないという声もあるから、チャンピオンシップで勝利することは評価を覆す絶好の機会だよ」

――それにしても一昨年12月に松嶋こよみ選手を下した直後に挑戦は決まっていたと思いますが、実現まで時間を要しました。

「2人ともケガがあったからね。タン・リーは拳、僕はヒザを負傷した。それでも1度は去年の12月に戦うことで合意していたけど、コロナの影響で大会が流れた。結果、今に至るって感じかな。

本当は去年の4月に戦うことになっていたけど、リスケジュールが繰り返されたんだ。でも、精神的には去年の4月から……いや、コヨミ・マツシマに勝ってからずっと準備はできているよ」

――この試合はストライカー×グラップラーという見方がされます。だからこそ、タン・リーの組み技と寝技の力、ゲイリーのスタンドでの力が試される場でもあるかと。

「その通りだね。MMAだ。どちらが、コンプリートに戦えるかという勝負にあって、僕自身がいかに成長したかが試される試合になる。まず僕と戦う相手は寝技の前にいかにテイクダウンをされないで戦うか、そこが第一の注意点になる。

そして僕は相手からテイクダウンされることを、一切恐れていない。そうなれば楽に僕のフィールドに行ける。だから、対戦相手は距離を取って打撃の勝負を仕掛けてくる。結論として、僕の打撃は当たるんだ。僕と戦う相手は打撃よりもテイクダウンを恐れて、警戒している。僕が動けば、彼らは組まれないよう対処する。なら僕のパンチは当たるし、そういう動きをしているとスタミナが切れるのも早くなる。そうなってくると、今度はテイクダウンも簡単には入れるわけさに。

だからって、誰も僕と近い距離でずっと戦いたいとは思わないだろう? 反対に僕はテイクダウンされることを恐れないから、前に出ることができる。下がっても詰める。前に出てきてもテイクダウンできる。それがあるから、パンチも当たる」

――まさにMMAですね。

「打撃だけじゃ、そりゃあ僕は勝てないさ。でも僕にはグラップリングがある。そしてテイクダウンがある。この2つが入り交ざってくると、打撃でも負けない。僕のプレッシャーと比較して、タン・リーはテイクダウンをされたくない分、その圧力は弱くなる。打った後のことを考え、できるだけ一発で効かせたいと思っているはずだ。タン・リーの攻撃はもともと長いから、とにかく詰められることを嫌がるだろうしね。

もうどれだけストレスが感じながら戦っているのか、僕は手を取るように理解できる。回って下がる、誘ってヒザ蹴り、アッパーカットを打ってくるのが見えているよ。だから、そんな攻撃は当たらない。テイクダウンのフェイクがある、それが僕の打撃だ。ただテイクダウンを狙うなら、タン・リーもサバイブできる。ただし、そこに打撃を織り交ぜて僕は戦う」

――テイクダウンされることは厭わないなら、近い距離で引き込むこともありますか。

「それで局面が、良くなるのならね。ただ僕の柔術は本来トップコントロールだ。長い間、背中をマットにつけて戦うことはない。きっとレッグロックを狙うときぐらいだろう。そうでない場合は、引き込んでも上を取るためにすぐに動く。レッグロックが取られるなら、取りに行く。そうでなければ、バック狙いさ。その方がダメージを与える攻撃ができるしね。

なんせパウンドがある。背中をつけて戦う時間が長いだけ、パンチを貰う数が増えるのは絶対だ。僕が背中をつくのは一瞬、相手の背後をとるためだよ」

――なるほど。では今回の挑戦に向けて、どこで調整を行ってきたのでしょうか。

「マツシマに勝った直後から、数カ月間はプエルトリコで練習を続けていた。いつも練習しているメンバーも一緒にプエルトリコに向かってね。ただ、特定の練習場所があるってことじゃなくて空いている場所を探して練習してきた。それからテキサスに移り、キャンプの半分はテキサスで行ってきた。そこも同じメンバーと、何人かの新しいメンバーも加えてね。

チームってことじゃないんだけど、トライスターの選手やアンドレ・フィーリも協力してくれたよ。ニューヨークからはニック・プラジオが来てくれて、空手とテコンドーについて教えてくれた」

――デススクワットが分裂した影響は?

「ジョン・ダナハーが僕のメインコーチであることは、一切変わりない。僕は打撃のコーチもつけていない。ジョンが僕の打撃のコーチであり、MMAのコーチだからね。毎日、一対一でも練習してきた。それが僕のトレーニングで、デススクワットの分裂は何も影響ないよ」

<この項、続く>

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【ONE129】トノンの挑戦を受けるフェザー級王者タン・リー―01―「ゲイリー対策は付け焼刃では無理」

【写真】口にすることがイチイチ真っ当でも、実践していないだろう――と思ってしまうファイターは少なくないが、この人は言葉通りのことをやっているのだろうなと思う (C)TSP

11日(金・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE129「Lights Out」でゲイリー・トノンの挑戦を、ONE世界フェザー級王者タン・リーが受ける。

2020年10月の王座奪取から試合がなかったリーだが「試合勘が鈍らないか」という問いへの返答が、まさに彼がLife Time Martial Artist前としていた。そしてトノンとの戦いを想定した日々もまた――彼がMMAを戦うファイターではなく、マーシャルアーティストそのものだった。


――金曜日にゲイリー・トノンの挑戦を受けます。今の調子はいかがですか。

「凄く調子は良いよ。絶好調だ。試合に向けて考えうる限り、最高の準備ができた。この1年以上の間、多くのトレーニングをこなし、凄く戦いやすい状態になっている。だから戦うことが楽しみでしょうがないよ」

――タイトル奪取からほぼ1年と4カ月が過ぎました。これだけ長期間、試合がないと多くのファイターは試合勘を失うということを口にしています。タンもその心配はないですか。

「ノー、ないよ。正しいトレーニングを正しいアプローチの下、行ってきた。5分×5R、その一つ一つのラウンドで、どのように戦うべきかを丁寧に掘り下げ、練り上げてきたんだ。どういう動きが有効で、何をすべきか。どういう局面でそれらの動きをするのか。ラウンド毎に体に染みついているから、全くリングロス的なことは僕の身には起こっていない。

ベストバージョンのタン・リーが何かを考えたとき、どのようなパフォーマンスを見せることができるのか。若いころは、ベストの自分、最高のパフォーマンスとは少しでも速く試合を終わらせることだったんだ。本当に分かっていなかったよ。

経験を積む、より普段から戦うことを身近に考えると、僕のベストパフォーマンスはそういうことではなくて、いかにスマートに戦うことができるかという部分に集約されると気づいたんだ。フィニッシュすることが全てじゃない。いかに自分が動きたいように動くことができるか。

1年4カ月以上、試合はなかった。でも、今後のキャリアを考えても過去にないベストバージョンに近い、本当に近い僕を見せることができると信じている」

――そのベストバージョンのタン・リーとは攻撃だけでなく、防御面も含めてのことですか。

「絶対的にね。いかに自分が戦いやすくできるか。特にゲイリーはグラップリングのスペシャリストだ。対して僕はストライキングのスペシャリストだから、いかに彼の領域で自分の身を守るべきか、そして僕のエリアで戦い続けることができるか――を、ずっと練習してきた。

この試合はいかに自分の領域で危険になれるか、相手のエリアで危なくないよう戦えるかに掛かっている。幸いにもMMAは立ち技から始まる。そこで、僕がどう戦うのかを長い時間をかけて、丹念に練習してきたんだ」

――キャンプでの仕上がりも、上々でしょうか。

「しっかりと準備はできている。ただし、ファイトキャンプ云々ではないんだ。スイッチのオン・オフがあるファイトキャンプでなく、この間、ずっとゲイリーと戦うことを想定して日々を送ってきた。毎日、ずっと高いモチベーションをキープしてやってきたんだ。これだけ時間があるということは、僕のなかでこれまで培ってきたこともそうだし、新しい面も試合で出せるだけ色々と積み上げてきた。

そういう1日1日が本当に楽しくて。これこそマーシャルアーチストとしての生活だと実感できた。僕の大好きなマーシャルアーツをやり続けること――試合のためじゃない、マーシャルアーツが好きだから、試合に向けての日々のなかでこれだけ充実した練習を行うことができたと思っている。トレーニングキャンプの時に思いきり追い込むのは、試合をして金を稼ぐこと。そこに練習の成果が集約しているからね。

僕は普段からマーシャルアーツの練習を好きだから続けている。好きこそモノの上手なれ――だよ」

――それでもゲイリーの寝技は、本当に危険だと思います。

「ずっと準備はしてきた。僕のキャリアで最も長い付き合いになるライアン・ホールとともに積み上げてきた成果を発揮できるだろう。ライアンとは本当に長い間、ずっと一緒にやってきたからね。ゲイリーと戦ううえで、僕が最高の打撃を見せるには、彼の組み技のアプローチを見抜く必要がある。

間違いなくゲイリーのグラップリングは世界の最高峰の領域にあり、誰もが理解できているわけじゃない。それを理解し、分解できる数少ない人間の1人がライアン・ホールなんだ。そういう意味ではライアンは僕にとってただのコーチでなく、師匠にもなるね。50/50柔術アカデミーで学んだことをルイジアナに持ち帰り、さらに磨いてきた。絶対にライアンとのトレーニングの成果を、試合で見せることができるはずだよ」

――松嶋こよみ選手がトノン戦の直後に『寝技の対処をメインに練習し過ぎました。やられないことを念頭に、自分が攻める練習ができていなかった』という風に言っていました。それだけゲイリーの組み技というのは、MMAにあっても特別なわけですが。

「わかるよ、コヨミ・マツシマの言いたいことは。彼はしっかりとゲイリーに敗れたことを消化できていると思われる、賢い意見だね。3R、スタンドの攻防でもっと攻めることができたはずなのに、彼はそれができなかった。攻撃的な打撃が、彼本来のモノではなかったよ。きっと自分が動けると思っていることと、実際の動きにギャップがあったんだろうね。

だからこそ、練習してきたことが試合にマッチしていなかった。そういう風に振り返ることができるなら。きっと、そういうことなんだろう。それだけゲイリーの寝技への対処に関して、試合前のキャンプで時間を費やしたんだろう。確か、マサカズ・イマナリと練習していたんだよね。何かで見たよ。こういうとアレだけど、それが問題だったんだろう。

試合前にゲイリーの強い部分から、いかに逃れるかをいつもと違うトレーニング・パートナーと対策する。ほんの数週間で、ゲイリーのグラップリングに対抗しようなんて、ちょっと難しいよ。

僕とゲイリーとの試合で重要になってくるのは、ゲイリーと戦うことが決まる前から僕が彼と練習してきたことなんだ。さっきも言ったようにライアンは僕にとって、最も一緒に練習してきた期間が長いパートナーだから。そう、付け焼刃でゲイリーからやられないなんて対策は難しいよ。そいうモノじゃないんだ、僕がライアンと積み上げてきたことは」

<この項。続く>

■放送予定
3月11日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

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