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Interview ONE ONE Unbreakable ONE116 ブログ リト・アディワン 川原波輝

【ONE116】「思考も自信も100 パーセントの状態にある」リト・アディワン、川原波輝戦へ─02─

【写真】心身ともに絶好調──かつ、川原波輝を認めてケージへ。やはりリト・アディワンは怖い(C)MMAPLANET

22日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE116「Unbreakable」で、川原波輝と対戦するリト・アディワン・インタビュー後編。

試合の9日前に出場の意志を示し、全ての準備が整った1週間前にアディワンが川原と戦うことを知った。

「試合がなくなるより、良い」と断言してしまう強心臓、シンガポール入りしてからの彼は箕輪ひろば戦で犯したミスを消化し、自信に満ち溢れた状態で試合開始の刻を待つ。

<リト・アディワン インタビューPart.01はコチラから>


──箕輪戦の敗戦から、何を学ぶことができましたか。

「色々と学ぶことができた。だからこそ、今回の試合に関してはしっかりと準備をしてきたんだ。あの試合で一番の間違いは、ヒロバ・ミノワの力を軽視していたことだ。油断があった。試合ができる状態を作っていなかった。

ただ試合場で相手を破壊する。それしか考えていなくて、しっかりと仕上げる時間がないことに気付いた時は手遅れだったんだ。それこそが僕が犯した間違いさ」

──調整不足はCOVID19の影響がありましたか。

「確かにコロナウィルスは一つの原因だよ。調整期間はチーム・ラカイのあるラ・トリニダードの街に、僕が住んでいるバギオから入るには書類の提出が必要で、ジムで練習することができなかったんだ。

ミノワとの試合はケージのなかではなく、準備段階に敗因がある。それに加えて減量の失敗があったからね。減量の方が影響は大きかったかな」

──10月30日に試合をしたチーム・ラカイのメンバーは、ジェヘ(ユースタキオ)こそ勝利したもののエドゥアルド・フォラヤン、ケビン・ベリンゴンと明らかに動きが重く、ラカイ勢は調整不足だという風に見えました。

「そうだよね。皆、調子は悪かったよ」

──あのショーのあと、今回の試合に向けて練習状況は改善されましたか。

「もちろん。改善が必要だった。ジムで練習ができないなら、山に登って練習してきた。だから今回の試合に関してはずっと良い準備ができているよ」

──ところで10月末に敗れ、2021年最初のショーで試合機会が与えられると思っていましたか。

「う~ん……そうだね、前回の試合はスプリットで負けた。そして、少しジャッジの裁定に関して色々な意見も出ていた。だからリベンジの機会がないかとは期待していたよ。それが無理なら、他の相手でも良いから試合がしたいってね」

──ところでZoomの画面からも肌艶が良いですね。減量も順調ですか。

「絶対的に前回より上手くいっているよ。あの時は練習のことだけを考えて、体重のことを忘れてしまっていた。今回は練習も体調も両方を考えてきたからね」

──計量前にホテルから配られる食事で、大丈夫ですか。

「実はシンガポールに住んでいるフィリピン人の友人が、食事を用意して届けてくれているんだ。今日もほら、野菜とチキンのスープを届けてくれた。こうやって問題なく、食事は摂ることができているよ」

──それは最高ですね。対戦相手が変わったとはいえ良い準備ができたことで、今回の試合はどれほどの自信を持っていますか。

「ナミキ・カワハラのことは本当に尊敬しているよ。彼のファイティングスピリットには感服するしかない。日本の選手は常にそうだ。タフで勝利を目指し、心が折れない。

ナミキはしっかりと戦える状態にあるだろう。そして彼を倒すためにラカイでは、ちゃんとシナリオを揃えてくれた。最高のゲームプランが用意されているんだ。ナミキがいくら素晴らしい選手でも、僕は思考も自信も100 パーセントの状態にある。この試合に勝って、再びランキング入りする。勝つためにベストを尽くすよ」

──では最後に川原選手に一言、お願いします。

「ナミキ、金曜日は良い試合をしよう。幸運を、そして神の御加護があらんことを」

■ONE Unbreakable視聴方法(予定)
1月22日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable対戦カード

<キックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] アラヴェル・ラマザノフ(ロシア)
[挑戦者] カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
ジェイムス・ナカシマ(米国)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラーデ・オバチチッチ(セルビア)
パトリック・シミッド(スイス)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)
ザキムラッド・アブデュラエフ (ロシア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
モン・ボー(中国)
サマラ・サントス(ブラジル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
川原波輝(日本)

■ONE Unbreakable II視聴方法(予定)
1月29日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable II対戦カード

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
マウロ・チリリ(イタリア)
アブドゥルバシール・ヴァガボフ(ロシア)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
アラン・ンガラニ(香港)
ウマウ・ケニ(セネガル)

■ONE Unbreakable III視聴方法(予定)
2月5日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable III対戦カード

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
スタンプ・フェアテックス(タイ)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
佐藤将光(日本)
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)

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Interview ONE ONE Unbreakable ONE116 ジェイムス・ナカシマ ブログ 未分類 青木真也

【ONE116】青木真也─01─ジェイムス・ナカシマ戦までの日々「格闘技ってことだけを日々考えていく」

【写真】青木にとっては1月1日の練習は、金曜日の練習に過ぎなかった (C)MMAPLANET

22日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE116「Unbreakable」でジェイムス・ナカシマと対戦する青木真也をABEMA TVのTHE WONDERが元旦から追った。

2021年1月1日、午後1時から大道塾吉祥寺支部で飯村健一氏とミット打ちを行い、2時半からはロータス世田谷で北岡悟、八隅孝平、松本光史らとグラップリングのスパーリングを行った。

MMAを戦い、練習する。その日々を送ることが、格闘家としての幸せだという青木に10月のONE活動再開から、ジェイムス・ナカシマ戦が決まるまでの日々、そしてこの強豪との対戦について尋ねた。


──1月1日、1年の始まりということで青木選手の二部練習を追わせてもらいました。

「まぁ金曜日ですね(笑)。金曜日。今年、暦が良くて。元日が金曜日で2、3日が土日なんですよ。ここからがキックオフじゃないですか。スケジュールが創りやすかったですね」

────大道塾吉祥寺支部からロータス世田谷とルーティで練習すると。

「本当は逆なんですけど、ロータスから飯村さんのところだけど。今日は午後1時に飯村さんにお願いして、ホント申し訳ない感じです。飯村さんには本当に助けてもらっています。1カ月前に試合があるかもしれないって話をしたときに、『あぁOK。元日も。正月の間に1回、2回練習するの付き合うよ』って言ってくれて。

ロータスもそうだし、試合をするとなると助けてくれる人もいてくれて、助かっています」

──つまりは正月云々ではなく、日常が続いているということですか。

「そうですね。結局、この仕事をフリーでやっていると仕事納めっていう文脈がないんだなって思います。12月27日に一応、DDTのプロレスが終わった時に仕事納めだと思って『今年もありがとうございました』みたいのをずっとしたんだけど、全然終わってねぇよ。どんどん湧き出てい来るよ──みたいな(笑)。湧き出てくるのが、自分の名前でやっているフリーという仕事だと思うので。

そういう意味では日常というか、ずっと続いて切れ目がなく仕事が出てくる。それを仕事納めで納めることができちゃうなら、やっぱ負けますよね。格闘技でも他のことでも。で、湧き出てきて納められないモノがドンドンあるなら、負けねぇよってなるのかもしれないですね。

まぁフリーと会社員っていう区分ではなくて、自分達で創っていく人はどんどんどんどん納められず、湧き上がってきます」

──ようやくジェイムス・ナカシマ戦が正式決定したのですが、試合が決まると練習は変わってきますか。

「試合が決まる、決らないで単純に変わってきますね。それだけでなく、コロナ禍といわれる状態がもうすぐ1年になるじゃないですか。そのなかで今までって試合に向けて怖いモノに向かって立ち向かう、勇気を出して戦うというメッセージ性を持っていたと思うんですけど、自分自身の感じ方もこのコロナ禍で試合をするということで少し違ってきますね。

潤いみたいな、自分の練習、自分の好きなことをして試合をする場がある──幸せというか(笑)。幸福なことだ、みたいな感じかなって。『皆さん、スミマセン。一足先に楽しんできます』みたいな感じじゃないかなって」

──ただし、4月と9月にRoad to ONEに出場してONE再開を盛り上げようとしてきた。ただし2カ月もの間、お呼びが掛からなかったです。

「お呼びが掛かんなかったですね。なんだろう……でも、その間に試合をした方々いますけど、消費されていっただけじゃないですか。

言い方悪いけど、じゃあ誰が試合をしたかって覚えていないし(笑)。まぁ、皆、消費されてYouTubeの一つになっていったような話に近いと思います。僕は」

──10月30日のライブ枠に出られた選手だけでしょうか。消費されただけでないのは。

「それすらも焚けたかといえば、焚けずにただ唐突に試合がある。なんかソレに僕自身は、アレのなかで試合ができるからラッキーと思えるほど強くはないです。大量消費、どんどん使い捨てていく。それが豊かな社会かもしれないけど、それに耐えられるほど僕は強くはなかったな」

──その一方で試合がないことにイライラは隠せなかったと思います。

「イライラはします。でも仕方ないでしょ。真面目にあんまり期待していなかったかもしれないです」

──それはいつ頃からですか。

「やっぱり10月の試合に入らなかった時点からで。9月が終わってポンポンと10月にやるつもりだったけど、入らなかった時点で『あぁ、そういうことね。分かった、分かった』みたいに。だから僕、忠義心みたいなモノ今はないですよ。申し訳ないけど、ない。

青木真也が創るモノ。青木真也の物語、自分と関係性のあるなかで一生懸命やっていきたい。自分に与えられた物語にフォーカスしてやっていきたいけど、前のように盛り上げていこうぜ──みたいな、団体を盛り上げていこうというのはないな」

──ファンを巻き込むとう部分では?

「ファンを巻き込むよりも、そこは違った話になるんですけど……今って、数だと思うんです。朝倉未来さんだと一番分かりやすいんですけど、フォロワー数。数で語るわけです。でも、数で語ることじゃない。要はPV数に近いかな。PV数でなくて、合致した客と単価を取りたい」

──ファイター、戦う人間に特化して質問をさせてもらいますが、この取材をしている時点でファイトアグリーメントは存在しても正式発表もない。オファーを了承してから、ファイトアグリーメントが届くまでも時間が掛った。この間の想いというのは?

「ストレスですね。なんか人も減って、体制も変わって以前ほど上手くいってない。ギクシャクした感じはありました。でも、そういうものですよ。途中で試合がなくなることも、あるだろうって思っていたので。

なら1年ぐらい試合がなくても、違うことをやっていきましょうかっていうぐらいのテンションではありましたけどね。でもなんか、もう好きじゃないですか。格闘技が好きで毎日やっている。

色々な人がいて。家族と幸せに生きることが目標の人がいる。お金を稼ぐことが目的の人もいる。そこでいうと僕はファイターとして生きる、レスラーとして生きる。ファイターなのか、レスラーなのか、プロ格闘家なのか。

カール・ゴッチ的なレスラーっていうところでいうと、ファイトして生きていく。この練習していく日々、格闘技ってことだけを日々考えていくことが目的と化しているから。いつの間にやら。

それが目的だから。昔、ジェイク・シールズが『1000ドル、2000ドルになっても試合をしていく』って言っていたように──そうするだろうし、極論を言うと。とにかく、ひたすらこの日々を。良い日々を過ごしたいなと」

<この項、続く>

■ONE Unbreakable視聴方法(予定)
1月22日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable対戦カード

<キックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] アラヴェル・ラマザノフ(ロシア)
[挑戦者] カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
ジェイムス・ナカシマ(米国)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラーデ・オバチチッチ(セルビア)
パトリック・シミッド(スイス)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)
ザキムラッド・アブデュラエフ (ロシア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
モン・ボー(中国)
サマラ・サントス(ブラジル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
川原波輝(日本)

■ONE Unbreakable II視聴方法(予定)
1月29日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable II対戦カード

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
マウロ・チリリ(イタリア)
アブドゥルバシール・ヴァガボフ(ロシア)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
アラン・ンガラニ(香港)
ウマウ・ケニ(セネガル)

■ONE Unbreakable III視聴方法(予定)
2月5日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable III対戦カード

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
スタンプ・フェアテックス(タイ)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
佐藤将光(日本)
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)

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Interview ONE ONE Unbreakable ONE116 ジェイムス・ナカシマ ブログ 青木真也

【ONE116】青木真也と対戦、ジェイムス・ナカシマ─02─「フィジカルではなく、テクニックとメンタル」

【写真】岡見をコントロールし、ヒジを落とすナカシマ──青木はいかに戦うのか(C)KEISUKE TAKAZAWA

22日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE116「Unbreakable」で青木真也と対戦するジェイムス・ナカシマ・インタビュー後編。

青木と違うタイプのグラップラーだというナカシマは、自らの武器を我慢強さだと言い切った。冷静に口数も少なく、自らの強味を語るナカシマ──今更ながら岡見勇信に勝利しているファイターの言葉だと思うと、空恐ろしくなってきた。

<ジェイムス・ナカシマ インタビューPart.01はコチラから>


──我慢強く戦う。まさにジェイムスの真骨頂ですね。

「アオキとの試合だけでなく、どの試合でも言える事だよ。根気強さ、我慢してポジションを取り、圧力を掛ける。心の強さと、動き続けることが僕の最大の強みだからね。そこを崩さずに戦えた試合は、大体良い結果になる。ポジション取りをしっかりして、プレッシャーをかける。自分のペースを崩さず動ければ大丈夫だろう」

──青木戦で自身のアドバンテージはどこになると思いますか。

「アドバンテージ……、今言ったように一つは心の強さ。そして、動き続けることと相手へのプレッシャーだね。アオキとの試合に関しては、ストライキングもアドバンテージになるだろう。

僕はウェルラウンダーなファイターだ。そしてアメリカン・レスラーであり、柔術も真剣に練習している。グラップリングのポジション取りにも自信があるよ。ただ、アドバンテージと言っても何か一つということではなく、それらの要素が合わせ重なっているモノだし。どこが優位になるかは、実際に試合にならないと分からないね」

──ただし、忍耐強さが武器であることは間違いないです。多くの人がガムシャラに打ち合えることが男らしいという風に見ますが、精根尽きるまでレスリング・コントロールを続けることができるのも、男の中の男だと思います。

「そうだね……100ポーセント同意させてもらうよ」

──つまりジェイムスは自分の冷静さと忍耐強さ、そしてファイティング・スピリットを信じているわけですね。

「もちろん 冷静である事といかなる時もリラックスする事は……そういう精神状態でいられることはファイトだけでなく、生きる上でも最も重要だと考えている。集中力を高める時でも、回復する時でも、冷静にリラックスしている事が何よりも大切だよ」

──前回の試合でも冷静さを失わずに戦っていたかと思いますが、残念ながらキャリア初黒星を喫しました。あの初黒星から何を学びましたか。

「初めての敗北は精神的に厳しかった。僕自身は、試合をコントロールできていたと思っている。もちろん、ヒザを当てられるなどいくつかのミスをしたことも理解しているよ。どれほど強いファイターでもミスは犯す。あの試合では僕はミスをして、そこを衝かれて初黒星を喫した

でもあの敗北を乗り越えるのに、長い時間は掛からなかった。以前より強くなっている自覚もある。これまで自分の積み重ねてきたことを見直す機会にもなった。それは試合をするという点だけでなく、これから生きていくうえでもね。今はとても良い感じだよ」

──青木選手は一方的に試合を支配する選手で、勝ち方も一方的かつ圧倒的です。そこが崩れた場合、逆転されアップダウンのある試合が実は少ないです。ジリジリとした勢力争いの凌ぎ合いはしてきましたが。

「その見解は興味深いね。アオキの試合をたくさん見たけど言う通りだ。試合の流れが変わると、そのまま押し切られる試合があったね。申し訳ないね、アオキが本当にそういうタイプなら僕との試合はきっとタフになるよ。

僕と戦うなら少しは忍耐力も見せてもらわないとね。アバソフ戦でもそうだけど、僕は粘り強い戦いをする。忍耐強さ 冷静さ 心の強さは、上のレベルでチャンピオンになるには欠かせない要素だよ」

──なのでポジション争い、スクランブルで青木選手も真価が問われる試合になるかと思います。そんなせめぎ合いになった時の自信のほどは?

「110パーセントの自信がある。それは相手が誰だとかは関係ないんだ。アオキが本物だということは分かっているし、準備もできている」

──青木選手との戦いで、技術的に最も重要視する点はどこですか。

「テイクダウン・ディフェンス……かな。シングルもそうだし、ボディロック・テイクダウンのディフェンスが重要だ。ユーシン・オカミとの試合に似ているね。

アオキはしっかりと両ワキを差して、ガッチリとクラッチを組んでくるだろうし。そこから右だろうが、左だろうが、両方の足を払ってくる。

このテイクダウンに対する防御、それ以前にクリンチされないコト。この2つが今回の試合のディフェンス面で最重要視される」

──ウェルター級から落としてくることで、フィジカル的には有利だと思いますか。

「どうだろう? 僕のフィジカルが優れているのかは分からない。ただライト級では体力はある方だし、少しはフィジカルも上だろうけど……でも、この試合で大切なのはフィジカルではなく、テクニックとメンタルだよ。そうだね、スマートさも重要になるだろ」

──スクランブルとグラップリング・バトルを楽しみにしている日本のファンも多くいます。彼らにどのような試合を見せたいですか。

「圧倒したい。今もアバゾフとのタイトルマッチでの負けが、納得できていないんだ。でも完全復活して、より強い自分になっている。アオキとの試合では僕のグラップリングの強さを見せたい。そしてコンプリートファイターであるところもね。

僕はグラウンドでもスタンドでも戦える。そのことをライト級でもアピールしたい」

──この試合に勝ってタイトルマッチ、すなわちクリスチャン・リーとの試合に一歩近づきたいと?

「クリスチャン・リーが大好きなんだ。是非対戦したいと思っているよ」

──では最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

「応援ありがとう。アオキとの試合を楽しんでもらえたら嬉しい。全力で戦うよ」

■ONE Unbreakable視聴方法(予定)
1月22日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable対戦カード

<キックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] アラヴェル・ラマザノフ(ロシア)
[挑戦者] カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
ジェイムス・ナカシマ(米国)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラーデ・オバチチッチ(セルビア)
パトリック・シミッド(スイス)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)
ザキムラッド・アブデュラエフ (ロシア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
モン・ボー(中国)
サマラ・サントス(ブラジル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
川原波輝(日本)

■ONE Unbreakable II視聴方法(予定)
1月29日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable II対戦カード

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
マウロ・チリリ(イタリア)
アブドゥルバシール・ヴァガボフ(ロシア)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
アラン・ンガラニ(香港)
ウマウ・ケニ(セネガル)

■ONE Unbreakable III視聴方法(予定)
2月5日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable III対戦カード

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
スタンプ・フェアテックス(タイ)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
佐藤将光(日本)
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)

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Interview ONE ONE Unbreakable ONE116 ブログ リト・アディワン 川原波輝

【ONE116】川原波輝を迎え撃つ、リト・アディワン─01─「殴り合いたいなら受けて立つよ。レッツゴー」

【写真】当然のように自信満々で川原波輝との一戦を迎えるリト・アディワン(C)MMAPLANET

22日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE116「Unbreakable」で、川原波輝と急遽戦うことが決まったリト・アディワン。

中国のハシガトゥと対戦予定だったが、都市封鎖でシンガポール入りが叶わなくなったため、9日前に川原が出場を決め、アディワンがその事実を知ったのはシンガポール入りした試合の1週間前だった。

「試合がなくなるより、対戦相手が代わるほうがずっと良い(笑)」。10月の箕輪ひろば戦で判定負けを喫したアディワンは、その敗北を糧に対戦相手が急遽変更されようが、まるで動揺が見られないほど心身ともに絶好調だ。


──急なインタビューの依頼に応えてもらってありがとうございます。

「こちらこそありがとう」

──調子はどうですか。

「グッド!!(笑)」

──シンガポールでの隔離期間は?

「今回の隔離措置は凄く短かったんだ。PCRの検査が出るまでだったから。でも部屋に1人で誰も入ることができない状態が続いているし、隔離措置のようなモノだよ(笑)」

──ところで対戦相手が代わりました。川原選手は試合の9日前にリトとの対戦を受けました。いつ川原選手と戦うことになると知ったのですか。

「シンガポールに到着した15日(金・同)だったと思う。僕の記憶が間違っていなければ、試合の1週間前だよ」

──その話を聞いた時、どのような気持ちになりましたか。

「僕にとっては大した問題じゃない。しっかりと練習はしてきていたし、最低限対戦相手がいるってことだからね(笑)。試合がなくなるより、対戦相手がいる方が良いからね」

──では川原選手のことを研究する時間はありましたか。

「彼と戦うことを聞かされた直後にプロフィールをチェックして、スタイルを調べたよ」

──試合映像も視ましたか。

「いくつかね」

──では川原選手の印象を教えてください。

「ナミキは良い選手だ。ウェルラウンダーでエキサイティングな選手だよ」

──彼は立ち技に自信を持っています。インタビューでも『殴り合う』と宣言していました。

「ワクワクするねぇ(笑)。やろうぜ!! アハハハハ」

──望むところですか。

「向うがそう思っているならね。僕の方がナミキよりウェルラウンダーだけど、殴り合いたいなら受けて立つよ。レッツゴー(笑)。凄く楽しみだ」

──自分の方がウェルラウンダーでも、殴り合いたいものなのでしょうか。

「ストライカーと向き合う日を楽しみにしてきたんだ。これまでの相手はウェルラウダーとはいえ、サブミッション・ファイターやレスラーが多かったから。

僕のバックグランドは打撃だ。だから純粋な打撃戦を戦いたい。彼がそれを望むならね。なにより良い試合にしたいね。それが僕の望みだ」

──しかし、MMAはMMAです。組みや寝技の展開になることは十分にあり得ます。殴り合うといって、テイクダウンを決める選手は山ほどいました。

「もしナミキが寝技を仕掛けてくるなら……寝技は僕の方が上手いし、強い。寝技で戦いたいと彼が思うようなら、それは大きな間違いだよ。僕は過去の経験をいかし、課題を克服してきたからね。

寝技でも立ち技でも問題ない。だから、今回の試合のオファーを受けたんだ。どっちでも戦える。だから、とやかく言っていないでガンガンやり合おう(笑)」

──なるほど。ところで前回の試合ですが、圧倒的有利とみられていた箕輪ひろば選手との試合で判定負けを喫しました。

「あの試合は……準備段階を多くの失敗をしてしまった。特に減量でね。体重の調整を失敗したせいで、試合では力を出すことができなかった。まるでエネルギーがなかったし、全く体が想うように動かなくて焦ってしまった。自分がやろうと思っていたことは何一つできなかったんだよ。自分の状態の悪さにただ驚くばかりだった」

──それでも2度に渡りキムラで肩を破壊しかけました。あの局面で取り切れず、試合の流れも箕輪選手のモノになっていきました。

「逃げられたこと自体が、僕のミスだよ。最初の仕掛けは、かなりタイトに極まっていた。で、あの時に『折りたくない。タップを待とう』って思ってしまったんだ。そうしたらエスケープされ、僕はポジションを失った」

<この項、続く>

■ONE Unbreakable視聴方法(予定)
1月22日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable対戦カード

<キックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] アラヴェル・ラマザノフ(ロシア)
[挑戦者] カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
ジェイムス・ナカシマ(米国)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラーデ・オバチチッチ(セルビア)
パトリック・シミッド(スイス)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)
ザキムラッド・アブデュラエフ (ロシア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
モン・ボー(中国)
サマラ・サントス(ブラジル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
川原波輝(日本)

■ONE Unbreakable II視聴方法(予定)
1月29日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable II対戦カード

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
マウロ・チリリ(イタリア)
アブドゥルバシール・ヴァガボフ(ロシア)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
アラン・ンガラニ(香港)
ウマウ・ケニ(セネガル)

■ONE Unbreakable III視聴方法(予定)
2月5日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable III対戦カード

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
スタンプ・フェアテックス(タイ)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
佐藤将光(日本)
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)

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Interview ONE ONE Unbreakable ONE116 ジェイムス・ナカシマ ブログ 青木真也

【ONE116】「僕の組みは、コントロール・グラップリング」。青木真也と対戦、ジェイムス・ナカシマ─01─

【写真】常に穏やかなナカシマだが、タトゥーにアメリカン・レスラーの矜持が感じられる (C)ONE

22日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE116「Unbreakable」で青木真也と対戦するジェイムス・ナカシマ。

10月30日にキャムラン・アバソフの持つONE世界ウェルター級王者に挑戦し、TKO負けを喫した。キャリア13戦目の初黒星を経験したナカシマは、ライト級に階級を下げて青木と相対する。

両者ともグラップラー。ただし、その質は相当に違う。当事者の青木が北米MMAとの物差しとなる技量の持ち主だと認めるナカシマに青木戦への意気込みを訊いた。

Zoomで行った今回のインタビュー、画面で見られるナカシマは常に穏やな様子で、その静かな面持ちこそブレない気持ちの強さを表しているかのようだった。


──青木選手との試合を5日後に控えているジェイムスです(※インタビューは17日に行われた)。今の調子はいかがですか。

「隔離も終わったし、とても調子は良いよ。ヘルシーで、体が軽い」

──青木真也選手と戦うというビッグファイト、オファーはいつ頃だったのでしょうか。

「凄く短かったよ。5週間前のオファーだった。でも、体調には気を掛けてトップシェイプを維持していたから。新型コロナウイルスで制限されている中で、こんなにすぐに試合が決まり、アクティブに活動できることは嬉しいよ」

──もうライト級に落とすことは決めていたのでしょうか。

「以前から前回のタイトルショットの結果如何に関わらず、ライト級に落とそうと考えていたんだ」

──水抜き無しの170ポンドの試合に関しては、どのように思っていますか。

「体重を落とすことは極めて簡単だったよ。普段から176ポンドくらいだから問題はないよ」

──では青木戦が決まった時の気持ちを教えてください。

「とにかくワクワクした。タフな相手との最高のマッチアップだよ。シンヤ・アオキは最後のスペシャリストと言えるファイターだからね。

でも僕は自分のグラップリングを110パーセント信じている。この試合を乗り越えると、またすぐにタイトル争いに加わることができるだろう。凄くに意味のある試合で、とてもエキサイトしているよ。

アオキは素晴らしいサブミッション・グラップラーだ。
チョークやアームバーでフィニッシュできる、とても危険な相手だよ。絶対にいつもより、サブミッション・グラップリングに関して警戒が必要になる。

ただし、彼はサブミッション・グラップリングの専門家だから、必ず組技勝負を仕掛けてくる。打撃戦になることはないだろう。でも、僕は自分のグラップリングを信頼している。そして自分が想う完全な状態で戦えば良いと思っている。最高の試合になるよ」

──この試合はグラップリングの高度が攻防が期待されますが、打撃の重要度に関してはどのように捉えていますか。

「大切になってくるよ。青木を相手に離れてプレッシャーを掛けることは難しいとは思うけど……組みに専念している相手に打撃を当てることはね。でもテイクダウンやクリンチが来ることを常に頭に入れておけば、立ち技の展開も少しは戦いやすくなるはずだよ。

そうだね、僕が打撃で攻勢に出るような展開になれば、自分のペースで戦いやすくなる。そこが、この試合の鍵になるだろう」

──2人とも素晴らしいグラップラーですが、スタイルは違います。青木選手のグラップリングとジェイムスのグラップリングの違いはどこにあるでしょうか。

「アオキは技が多彩だし、フィニッシュする事に関しては彼の方が上だろう。僕の組みは、コントロール・グラップリングだ。打撃を使うことも含めて、僕のグラップリングはコントロール。アオキはサブミッション・グラップリング。

自分にとって優位にポジションを取る。スタンドではスタンドでは青木に組まれない距離を取り、彼に捕まらない位置にいれば問題ないだろう」

──青木選手は若い頃は完全なサブミッション・ファイターで跳び十字や足関節という失敗すればポジションを失う仕掛けも多かったですが、今ではバックを取ってRNC、トップから肩固めと手堅い攻撃が多いです。そのために重要な彼のレスリング技術をどう思いますか。

「それこそ彼のストロング・ポイントだろうね。誰もそうだけど、特に青木みたいな相手にバックを取られたらダメだ。もし、そんな状況になっても忍耐強く、冷静に判断して離れる必要がある。本当に危ない局面だからね」

<この項、続く>

■ONE Unbreakable視聴方法(予定)
1月22日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable対戦カード

<キックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] アラヴェル・ラマザノフ(ロシア)
[挑戦者] カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
ジェイムス・ナカシマ(米国)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラーデ・オバチチッチ(セルビア)
パトリック・シミッド(スイス)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)
ザキムラッド・アブデュラエフ (ロシア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
モン・ボー(中国)
サマラ・サントス(ブラジル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
川原波輝(日本)

■ONE Unbreakable II視聴方法(予定)
1月29日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable II対戦カード

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
マウロ・チリリ(イタリア)
アブドゥルバシール・ヴァガボフ(ロシア)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
アラン・ンガラニ(香港)
ウマウ・ケニ(セネガル)

■ONE Unbreakable III視聴方法(予定)
2月5日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable III対戦カード

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
スタンプ・フェアテックス(タイ)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
佐藤将光(日本)
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)

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Interview ONE ONE Unbreakable ONE116 ブログ リト・アディワン 川原波輝

【ONE116】アディワン戦にスクランブル発進、川原波輝─01─「打ち合ってくる奴が日本にいなかった」

【写真】カンフーではない。ブドコン(武道魂)だ (C)MMAPLANET

22日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE116「Unbreakable」。同大会にDEEPストロー級チャンピオン川原波輝が9日前に出場を決め、リト・アディワンと対戦することを決めた。

試合決定から離日まで4日間、東京で2泊をしてメディカルやペーパーワークを済ませる必要があった。そんな多忙な川原がインタビューを試みた。アディワン戦=ONE初陣は、川原にとって世界進出への一歩であり、これまでやってきたことの集大成──全てを見せる場でもある。


──水曜日(13日)に来週22日にONEでリト・アディワンと戦うことに合意し、翌朝に東京に来てメディカルやPCR検査、そして共同会見と怒涛の2日間だったと思います。選手として弱気な言葉は吐きたくはないでしょうが、実際にこのドタバタを経験していかがですか。

「あんまりそういうことは言いたくないし、だから一言で済ませます。キツイっすね(笑)。でもMMAファイターだし、試練ですよね。戦うことを含めて全て自分がこなすこと。9日しかなくても、如何に対応するか。自分が試されていると思っています」

──コロナ禍だからこそ、生まれたスクランブル発進ですね。国内外でこのような機会をステップアップにつなげた選手がいます。米国ではブランドン・ロイヴァルやジミー・フリック、国内では西川大和選手のケースです。

「さっきは試練って言いましたけど、試練3割、チャンス7割です。とりあえず準備はしていました。夜叉坊の追い込みにも付き合っていたし。どこかでこういう話があるとしても、このタイミングや相手がリト・アディワンとは思っていなかったです。

ただ、試合が決まっていない時にどれだけ準備できるのか。自分を追い込むことができるのかということを意識してずっとやってきたので。自分がこうやってきたから、今回の話もあったんかと思います」

──そうでないとイエスと即答はできなったでしょうしね。

「ハイ。やってないと無理だし、相手も考えたりして……でも、受けてたかな(笑)。リト・アディワンは打ち合える相手だし、打ち合いには自信があるので」

──共同取材の際も『打ち合う』という発言が目立っていましたが、正直なところ川原選手の試合で打ち合いのイメージはないです。

「あぁ、打ち合ってくる奴が日本国内にいなかったですからね。そこを世界で試せるということで意識していたのが、リト・アディワンとかジョシュア・パシオだったんです。

猿田選手とか内藤選手、箕輪がやることを考えると、試合で打ち合えないですよね。テイクダウンを狙って、寝技で削ろうとする。でも、アディワンはそういう概念はないと思うので来ると思います」

──つまり実戦では打ち合ったことがないわけで……。

「なるほど、そうですよね。皆、組みに来ていましたからね。村元戦はチョロッと打ち合いましたけど、確かに人前で打ち合いを見せたことはないかもしんないですね」

──組んでくる相手と、打ってくる相手では川原波輝の打撃は変わって来るのではないでしょうか。

「そこが本来の僕の居場所や思っています。試合で見せたことがないから捉えようがない部分はあるかもしれないですけど、僕はそこをアルファメールでやってきました。そこで意地を見せてきたつもりです。誰とやっても。

何ていうんか……負けず嫌いなんですよ(笑)。アルファメールに行くんじゃなくて、アイツらに分からせたいっていうつもりで打ち合ってきたので、アディワン戦でもそこを見せたいですね」

──ストロー級の選手はアルファメールでも、なかなかいないですよね。

「正直、MMAの練習だったらバンタム級より上のUFCファイターが相手になると厳しいです……組みあると。でも、ボクシング、パンチだけやったらUFCの選手が相手でもガンガンいけました。そこは気落ちの勝負やと思っているんで。16オンスやし、コディー(ガーブラント)とかともガンガンやってきました。

僕、あのデカいグローブでコディーに、アバラ骨を折られて、銀歯をブッ飛ばされましたからね(笑)」

──銀歯……差し歯でなくて。

「銀歯ですねぇ(笑)。残り2週間あったのに、マジだるかったです。アハハハハ」

──ボクシングでそれができる。ただし、川原波輝の打撃は拳だけではないと思っています。

「ハイ。それは考えています。もちろん」

──アディワンはラカイといっても系統が違うのですが、ラカイは基本打ち合わない。距離を取って自分だけ当てる打撃です。

「そうですよね。そのなかでアディワンは相手を追いかけ回しています。そんなに考えていないでしょうし。一発で倒すパンチを振るってくる。アッパー、右フックを4発ぐらい打ってきて組む。で首投げからアメリカーナ。やってくる形があります。相手がバックに回ってくると、キムラ。パターンがありますよね。

それを信じてアイツは戦っています。やってくることは分かっているので、そういう相手をハメる戦い方を僕はアルファメールで身につけてきたので。それがUFCという最高峰でやっている連中の技術なんです。僕はそれをやってきたから、ここでアディワンにハメることができなければ、この先は無いと思っています」

──もう一つ、フィリピン勢のフィジカルの強さ。このフィジカルというものに対して、川原選手はヨガを採り入れて他とは違うアプローチで取り組んできました。いわゆるフィジカル・ストレングスではなく、体の使い方で伍するというか。

「真正面でぶつかるとやられます。力と力の勝負になると。でも、そこでやるつもりがないからヨガをやってきたわけですし。僕は軟体。柔らかくやっていきます。どう地面を掴み、どう体を使うのかでパワーが出ると思っています。

普段から『ここで、そんな返し方するん?』って。筋量があるから出るパワーじゃなくて、体の使い方で出せる力があると僕は思っています」

<この項、続く>

■ONE Unbreakable視聴方法(予定)
1月22日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable対戦カード

<キックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] アラヴェル・ラマザノフ(ロシア)
[挑戦者] カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
ジェイムス・ナカシマ(米国)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラーデ・オバチチッチ(セルビア)
パトリック・シミッド(スイス)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)
ザキムラッド・アブデュラエフ (ロシア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
モン・ボー(中国)
サマラ・サントス(ブラジル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
川原波輝(日本)

■ONE Unbreakable II視聴方法(予定)
1月29日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable II対戦カード

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
マウロ・チリリ(イタリア)
アブドゥルバシール・ヴァガボフ(ロシア)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
アラン・ンガラニ(香港)
ウマウ・ケニ(セネガル)

■ONE Unbreakable III視聴方法(予定)
2月5日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable III対戦カード

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
スタンプ・フェアテックス(タイ)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
佐藤将光(日本)
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)

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Interview News ONE ONE Unbreakable ONE116 ブログ リト・アディワン 川原波輝

【ONE116】川原波輝が9日前のスクランブル発進で、ONEデビュー決定。リト・アディワン戦へ

【写真】盟友、石原夜叉坊は31日に修斗出場。そして川原はONEデビューが決まった (C)KEISUKE TAKAZAWA

15日(金・現地時間)、ONE Championshipより22日(金・同)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE116「Unbreakable」にDEEPストロー級チャンピオン川原波輝が出場することが発表された。

今大会でリト・アディワンと対戦予定だったハシガトゥ春節(旧正月)を前にした中国共産党政府が河北省などを対象に2800万人規模の封鎖政策を取ったため国外に出ることが不可能となった。急遽、代役が必要となったONEから13日(水)にこの知らせが川原の耳に入り、僅か9日前のオファーを承諾しスクランブル発進を決めた。


昨年8月に越智晴雄をRNCで下し、伝統派空手ベースの打撃だけでなく組み技での成長を見せつけた川原。ベルトを巻いた時点でONEストロー級戦線への殴り込みをアピールし、翌月に行われたRoad to One03では猿田洋祐✖内藤のび太という修斗系ONEストロー級世界王者経験者対決をケージサイドで観戦し、静かに存在感を示していた。

とはいえ現状、ONEストロー級戦線には上記の2人以外にも仙三、箕輪ひろば、澤田龍人が在籍している。世界に広がりを見せつつあるストロー級戦線といえども6人目の日本人がロースターに加わるのは簡単ではない。川原も十分に理解しているからこそ、このスクランブル発進を受けたに違いない。

川原はメディカルチェックや書類作成のために東京を訪れ、都内で練習をしながら取材もこなし、一旦大阪に戻って明日にも離日する予定だ。

世界で戦うためにコロナ禍より、肉体改造を図ってきた川原はエアリアル・ヨガやブドコンを採り入れ──足の裏で地面を掴む感覚を掴むなど、独自の強化策を続けてきた。

打撃、組み技、寝技にしても体の使い方が変わったことで、より自身の効果的に動かせるMMAには欠かせないセルフ・コーディネイトがより進んでいる川原のサークルケイジ挑戦は非常に楽しみた。

アディワンは仙三に勝ち、箕輪ひろばの腕を折る寸前まで追い込んだチーム・ラカイの強豪──この一戦で、将来が左右されるといっても過言でない一番に川原は挑む。

MMAPLANETでは同意書がONEから届いた時点で、川原に今回のONE参戦に掛ける気持ちを訊いた。

──急遽、ONE出場が決まりました。

「来たぁ!! でも、このタイミングかって思いました。でも、ずっと準備してきたので。僕が今、ONEで戦えるとしたら誰かの代役で、急なオファーに応じること。そのために正月も休みなく調整していて……ずっと体重も60キロを超えることはなかったです。正直9日前かってのは、ありました(笑)。ただ、ここで断るヤツは多いと思うけど、僕は断るとチャンスがなくなりますからね。それにこのために練習してきたんやんって」

──アディワンが対戦相手です。

「超フィニッシャーですね。僕とタイプは同じ。えぇマッチアップやと思います。どっちかがフィニッシュする試合になるでしょうね。自分の番が来たので、やります。リト・アディワンは強いですけど、箕輪選手に負けているし。とりあえずはフィニッシュすることですね。レベルの違いを見せたいッスね」

■ONE Unbreakable視聴方法(予定)
1月22日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable対戦カード

<キックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] アラヴェル・ラマザノフ(ロシア)
[挑戦者] カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
ジェイムス・ナカシマ(米国)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラーデ・オバチチッチ(セルビア)
パトリック・シミッド(スイス)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)
ザキムラッド・アブデュラエフ (ロシア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
モン・ボー(中国)
サマラ・サントス(ブラジル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
川原波輝(日本)

■ONE Unbreakable II視聴方法(予定)
1月29日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable II対戦カード

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
マウロ・チリリ(イタリア)
アブドゥルバシール・ヴァガボフ(ロシア)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
アラン・ンガラニ(香港)
ウマウ・ケニ(セネガル)

■ONE Unbreakable III視聴方法(予定)
2月5日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable III対戦カード

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
スタンプ・フェアテックス(タイ)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
佐藤将光(日本)
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)

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Interview ONE ONE Unbreakable ONE116 ジェイムス・ナカシマ ブログ 青木真也

【ONE116】ジェイムス・ナカシマ戦が決まった青木真也「ONEの中で北米の物差しが一番入っている選手」

【写真】2020年1月1日──元旦も1年の始まりでなく、1週間の終わりの金曜日。当然のように汗をかいていた青木真也 (C)MMAPLANET

7日(木・現地時間)、ONE Championshipより22日(金・同)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE116「Unbreakable」で青木真也がジェイムス・ナカシマと対戦することが発表された。

クリスマス頃にはこのカードの実現が噂レベルで出回っていたが、実際には青木は対戦こそ了承していたが、ファイトアグリーメントが手元に届かず正式決定ではなかった。

クリスマスホリデー後、同意書が届きサインしていた青木。その直後、12月30日にナカシマ戦について尋ねていたインタビューをここで掲載したい。


──ナカシマ戦のファイトアグリーメントが届き、サインをしたという話を聞きました。

「ハイ」

──対戦相手がナカシマで来た時、どのように感じましたか。

「まずナカシマという相手に対して、ネガティブな印象はなかったです。やりたくない──とか、そういう感情は全くなかったですね。まぁ、ノーという選択はあんまないですしね。『やろっか』みたいな感じではありました」

──私はジェイムス・ナカシマという名前を聞いて、真っ先に怖い相手だと感じました。

「そうですか? 僕は格闘技をやっているうえで……正直な話をすると北米というモノを見続けてきました。日本で戦っている時も、シンガポールで戦っている時も。北米を見てやってきて、そういう意味ではファンですからね。

そういう北米にあってUFCと契約がならなかったなかで、トップファイターですよね」

──実際にナカシマにLFAのタイトル戦で負けた2人はUFCと契約していますしね。

「そういう選手と自分自身が戦うことができるということは、ラッキーです。いつまでピークで戦うことができるかどうか分からない状況で、彼と戦えるということは」

──強い相手だからこそ、楽しみです。試合を見ている方からすると。ホノリオ・バナリオ戦より、ずっと危ないですし。

「そういうこと。そういうことなんです、僕的にも。なんか良いなって思いました」

──試合前に『格闘技だから何が起こるか分からない』という試合よりも、テイクダウンからコントロールされると危ない──と予想できる試合の方が楽しみであることは間違いないです。

「ONEの中で北米の物差しが一番入っている選手だと思います。タン・リーもいますけど、彼はスタイルが北米では異質なので。そういう北米っぽさを含めて良い試合だと思います」

──ナカシマのテイクダウン、柔術力をどのように評価していますか。

「強いと思いますけど、打撃もテイクダウンも含めて立ち合いですから。向き合った時に、どうなのか分かるでしょうね。それは思います」

──階級を落としてきて、どれだけの動きがあるのか。ただし、岡見選手に勝っているファイターです。ライト級にして、あの時よりも馬力が合ってスピードがあるなら、本当に怖いです。

「あぁ、そうですね……。でも、行かれるときは行かれます。行くときは行くし。そういう勝負は楽しくて、漲るモノはあります」

──ギロチンに青木選手が捕まる。そういうシーンがあるかもしれない試合は、久しぶりです。

「ギロチンやっていますよね。なかなかONEにはいないタイプです。ただ、言うても取っていないですからね(笑)。どうなんだろうなって思います。とにかく、この北米的世界観で戦うのは久しぶりですからね」

──特にレスリング&コントロールという相手と、ライト級で戦うのは。

「ひょっとするとカマル・シャロルスとかアントニオ・マッキー以来かもしれないですね(笑)。だから、そういう相手から僕がテイクダウンを取っているし。MMAは分からないです。ホント、立ち合いなんで。

立ち合った時に組み技の圧力、打撃の圧力、個体しての強さをあって、相手と向き合うわけです。立ち合ってみないと分からない。つまり作戦とか、あまり意味はないですね。

立ち合って、自分がやってきたことを出して、それが掛かるか。そういうことだと思います」

──試合があるか、ないのかという部分が解決しましたが、準備時間は3週間ほどです。これからの調整というのは?

大道塾吉祥寺支部でのパッティングの後は、間髪入れずロータス世田谷でグラップリングスパー

「調整で言えば、コンディションは常に良いです。

それができているので、試合が決まってから蹴り込みとか始めましたけど、息ももっています。減量もないし、それほど変わらないですね。

常にコンディションが良いというのは、年を取った選手のあるべき姿だと思っています。それにコンディションを落とすということが、僕は若い頃からなかったし。格闘技選手というか、ファイターとしての生活をすることが今の僕にとっては目的になっている。

僕の場合はファイターであることが目的になっていて、常にこの生活をしていたいんです。試合前だから、何か変わるということはあまりないです」

■視聴方法(予定)
1月22日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE116対戦カード

<キックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] アラヴェル・ラマザノフ(ロシア)
[挑戦者] カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)

<キックボクシング世界ライト級選手権試合/3分5R>
[王者]レギン・アーセル(オランダ)
[挑戦者] ムスタファ・ハイダ(イタリア)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
ジェイムス・ナカシマ(米国)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)
ザキムラッド・アブデュラエフ(ロシア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
モン・ボー(中国)
サマラ・サントス(ブラジル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
ハシガトゥ(中国)

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【ONE116】1月22日、青木真也✖──組み負ける可能性もある?!──ジェイムス・ナカシマ戦、正式発表

【写真】ようやく正式発表となった青木とナカシマの一戦(C)KEISUKE TAKAZAWA & MMAPLANET

7日(木・現地時間)、ONE Championshipより22日(金・同)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE116「Unbreakable」のカードが発表された。

そして昨年のクリスマス前に海外メディア発信から国内でも情報が出回っていた青木真也✖ジェイムス・ナカシマ戦が正式にアナウンスされた。青木にとってONE本戦出場は一昨年10月の日本大会以来、実戦は昨年9月のRoad to ONE03の江藤公洋戦から4カ月ぶりとなる。

一方のナカシマは10月30日に収録されたONE世界ウェルター級選手権試合で、キャムラン・アバソフに敗れキャリア初黒星を喫している。デビューから13試合、ユニファイド及びONEと全てウェルター級で戦ってきたナカシマにとって、水抜き減量禁止の77.2キロ=ONEライト級での試合は初めてとなる。


(C)LFA

上記にあるようにアバソフに敗れたナカシマだが、それまではデビューから12連勝してきた。ONEではルイス・サッポ、そして岡見勇信に勝利している。

そのナカシマ、米国時代には後のUFCファイターであるデリック・クランツを破りLFAウェルター級王座に就くと、UFCにステップアップを果たす前のカイル・スチュアートを相手に防衛に成功し、ONEと契約した。

ナカシマという姓を持つが、日本人の血は流れておらず──父親が日本人ファミリーの養子だった。祖父は日本人、祖母がLA生まれの日系米国人という環境だったが、その祖母の影響を幼少期に受けたというナカシマは、非常に寡黙な人物でケージの中でも黙々とレスリング&柔術を融合させたスタイルで戦う。

テイクダウン、コントロール、スクランブルでの仕掛けが軸のナカシマ、青木にとっても北米スタイルのファイターとの対戦は、極端な体格差はあったベン・アスクレン戦以来となる。いずれにしても組みが強く、体格で上回るナカシマは青木にとって非常に危険な相手であることは間違いない。

そんなONE116の上位2試合は共にSuper Seriesのキックボクシング世界戦で、メインは世界バンタム級王者アラヴェル・ラマザノフがカピタン・ペッティンディーアカデミーの挑戦を受け、コ・メインも同じキックの世界戦でライト級王者レギン・アーセルが、ムスタファ・ハイダを相手に防衛戦を行う。

この他、ライブ枠MMAマッチは青木✖ナカシマ以外に3試合、女子アトム級戦でモン・ボーとサマラ・サントスとマッチアップされている。この試合は今年開催が決まっている女子アトム級GPへの出場査定試合となることは間違いないだろう。

■視聴方法(予定)
1月22日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE116対戦カード

<キックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] アラヴェル・ラマザノフ(ロシア)
[挑戦者] カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)

<キックボクシング世界ライト級選手権試合/3分5R>
[王者]レギン・アーセル(オランダ)
[挑戦者] ムスタファ・ハイダ(イタリア)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
ジェイムス・ナカシマ(米国)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)
ザキムラッド・アブデュラエフ (ロシア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
モン・ボー(中国)
サマラ・サントス(ブラジル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
ハシガトゥ(中国)

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